JP3883495B2 - 有害重金属低減材及びそれを用いた有害重金属低減方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌や水質の汚染因子である有害重金属低減材及びそれを用いた有害重金属低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
各産業において金属の用途は非常に広く、その種類は多岐におよんでいる。
これら金属の中には6価クロムをはじめとする水銀、鉛、及びカドミウムなどの有害重金属が含まれるが、その取り扱い管理が厳しく行われているにも関わらず、不測の事故等により汚染された工場跡地等が数多く存在している。
そして、これらの汚染土壌を放置することは、地下水への流出等による汚染の拡大を引き起こしたり、これら重金属が、動植物を経由して人体に蓄積された場合、多大な悪影響をおよぼすことが知られているため、環境保全上無害になるよう対策を講じる必要があった。
【0003】
なかでも6価クロムは人体に非常に有害で、水溶性クロム酸塩致死量は体重70kg程度の人で3,500〜4,900mgとされており、比較的低濃度であっても、アレルギーによって皮膚の紅斑、はれ、及び炎症を引き起こす場合があった。
そこでこれまでに6価クロムの無害化対策として、セメントを主成分とする固化材により固定化する方法や、有害な6価のクロムを無害な3価のクロムに還元して不溶化する効果がある水溶性の第一鉄塩を添加する方法が提案されている(特開昭47-031894号公報、特開昭48-083114号公報、及び特開昭49-016714号公報)。
しかしながら、水溶性の第一鉄塩は高価なうえ、初期の無害化には優れるものの、空気中の酸素と容易に反応して酸化し還元作用が失われたり、一度3価に還元されたクロムが周辺土壌の状況次第では再び有害な6価になる可能性があるため、長期的な効果は期待できないという課題があった。
【0004】
また、高炉水砕スラグを6価クロム低減剤として用いる方法が提案されている(特開2000-086322号公報)。
しかしながら、高炉水砕スラグは、長期的な効果が期待できるものの、肝心の6価クロム低減量が従来の方法に比べ劣るという課題があった。
【0005】
さらに、硫黄含有スラグをエージングする際に抽出される硫黄含有水溶液(黄水)をクロム酸イオンの還元剤として用いる方法が提案されている(特開平06-279817号公報)。
しかしながら、エージングには1年以上の時間がかかるため、溶液中に溶け出した還元剤として機能するチオ硫酸イオン、硫黄イオン、又は亜硫酸イオンなどが空気中の酸素と反応して酸化し、6価クロムの還元効果が低下するという課題があった。
さらに、セメントなどにより固定化する方法も提案されている(特開昭56-095399号公報)。
しかしながら、6価クロム以外の重金属を含有するような土壌や廃棄物を処理する場合には、6価クロムに対し選択的に反応するわけではないため、その固定能が低下したり、その固定化した状態も有害な6価のままであるため、溶出した場合のリスクは非常に大きいという課題があった。
【0006】
本発明者は、前記課題を解消すべく種々検討を行った結果、特定の有害重金属低減材を使用することによって、前記課題が解消できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ブレーン比表面積 500cm 2 /g 以上、ガラス化率が 30 %以下、非硫酸態イオウが 0.5 %以上である高炉徐冷スラグ粉末と、層状硅酸塩の粘土化合物、ゼオライト、及びキレート化合物から選ばれる一種又は二種以上である重金属固定化剤とを含有してなる有害重金属低減材であり、さらに、ポルトランドセメント、生石灰、消石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムから選ばれるアルカリ性物質を含有してなる該有害重金属低減材であり、該有害重金属低減材を用いてなる有害重金属低減方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
本発明に係る有害重金属とは特に限定されるものではないが、汚染土壌、産業廃棄物中に含まれるクロム(Cr)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ニッケル(Ni)、水銀(Hg)、モリブデン(Mo)、セレン(Se)、及び砒素(As)等である。
【0010】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末(以下、本スラグ粉という)は徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。
高炉徐冷スラグの成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO2、CaO、Al2O3、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3などが挙げられる。
また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。
これら硫化物は徐冷スラグを粉砕することにより粒子表面に露出し、水と接した際にチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウとして溶出する。
このチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウには、有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元する、6価クロムの低減効果や、汚染土壌中あるいは廃棄物中の有害重金属と反応して水に難溶性の硫化重金属塩を形成し、重金属を安定化させる、有害重金属の安定化効果がある。
【0011】
本スラグ粉の粉末度は、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)で500cm2/g以上が好ましく、即効性を求められるときはブレーン値2,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。500cm2/g未満では、所定の6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が得られない場合がある。
この粉末度によって、チオ硫酸イオウや亜硫酸イオウなどの溶出量をコントロールすることが可能であり、粉末度を高めることにより初期の6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が高まり、逆に粉末度を低くすることで長期にわたる6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果を与えることが可能となる。
このことから、即効性だけでなく遅効性も要求される場合、ブレーン値が500cm2/g以上と小さい粗粉を、ブレーン値2,000cm2/g以上の微粉と混合して用いることが好ましい。この粗粉は非硫酸態イオウを徐々に放出するため、即効性の微粉から放出される非硫酸態イオウが減少した分を粗粉からの放出で補うことができ、ブレーン値500cm2/g以上の粗粉とブレーン値2,000cm2/g以上の微粉を併用することにより、長期にわたり6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果を与えることが可能となる。
【0012】
本スラグ粉のガラス化率は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率がこの範囲外では所定の6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が得られない場合がある。
ガラス化率が高い場合、ほぼ同量の非硫酸態イオウを含有していても、結晶質である徐冷スラグに比しガラス化率の高いスラグ粉はチオ硫酸イオウなどの溶出が極めて少なく、6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果は小さい。
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる本スラグ粉中の主要な結晶性化合物であるメリライトのメインピークの面積であり、S0は本スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
【0013】
本スラグ粉中の非硫酸態イオウの含有量は、0.5%以上が好ましい。この範囲外では、所定の6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が得られない場合がある。
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、及び硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野の方法で定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法で定量することによっても求めることができる(「高炉スラグ中硫黄の状態分析」、山口直治、小野昭紘:製鉄研究、第301号、pp.37-40、1980参照)。
本スラグ粉は、非硫酸態イオウを含有することにより、6価クロムを低減する効果を発揮するものであるが、単に、非硫酸態イオウを含まないスラグに、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、及び亜硫酸塩等を添加したのでは、本発明の優れた6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果は得られない。
【0014】
本発明で使用する重金属固定化剤とは、重金属の固定に優れたものであれば特に制限されるものではなく、粘土化合物、ゼオライト、及びアパタイト類等の金属イオン交換体をはじめとして、金属イオンと難溶性の錯体を形成するキレート化合物等が挙げられる。
粘土化合物としてはカオリン、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、及びマイカなどの層状硅酸塩が挙げられ、ゼオライトとしてはシャバサイト類、モルデナイト類、及びフォージャサイト類などのアルミノシリケートが挙げられ、キレート化合物としては官能基として、グリシン基、イミノジ酢酸基、アミノカルボン酸基、ポリアミノ基、ジチオカルバミン酸基、チオール基、チオウレイド基、及びホスホメチルアミノ基を持つキレート化合物等が挙げられる。
重金属固定化剤の使用量は特に限定されるものではないが、重金属固定化剤が粘土化合物やゼオライトの場合、本スラグ粉と重金属固定化剤からなる有害重金属低減材100部中、5〜95部が好ましい。5部未満では重金属の固定能が充分でなく、95部を超えると重金属の還元能が低下する場合がある。
また、重金属固定化剤がキレート化合物の場合、重金属固定化剤の使用量は、有害重金属低減材100部中、0.1〜50部が好ましい。0.1部未満では金属の固定能が低下し、50部を超えると6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が低下する場合があり、使用材料が高価となる。
【0015】
本発明の有害重金属低減材に、アルカリ性物質を併用することは本スラグ粉の劣化を抑える面から好ましい。
本スラグ粉中の非硫酸態イオウは、空気中の酸素と反応して酸化し、6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が徐々に低下するため、アルカリ性物質を共存させ、空気中の酸素と選択的に反応させることにより、本スラグ粉の劣化を防止することが可能である。
【0016】
本発明で使用するアルカリ性物質(以下、アルカリ物という)は、アルカリ性を呈するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、ポルトランドセメント、生石灰、消石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどが挙げられる。
アルカリ物の使用量は、本スラグ粉、重金属固定化剤、及びアルカリ物からなる有害重金属低減材100部中、1〜30部が好ましく、5〜20部がより好ましい。1部未満では貯蔵性の向上に効果が無い場合があり、30部を超えると6価クロムの低減効果や有害重金属安定化効果が低下する場合がある。
【0017】
本発明の有害重金属低減材の使用量は、使用用途や使用形態により異なり特に限定されるものではないが、有害重金属を含有した土壌、汚泥、産業廃棄物、及びごみ焼却灰等の処理対象物と有害重金属低減材の合計100部中、1〜50部が好ましく、10〜40部がより好ましい。1部未満では有害重金属の低減効果が見られない場合があり、50部を超えて使用してもそれ以上の効果は得られない。
【0018】
本発明の有害重金属低減材には、従来から用いられている重金属の還元剤を併用することが可能である。
重金属の還元剤としては、例えば、硫化アンモニウム、硫化カルシウム、硫化ナトリウム、及び硫化カリウムなどの硫化物、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、及び亜硫酸水素カリウムなどの亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸塩、二酸化イオウやイオウなどのイオウ化合物、並びに、硫酸第一鉄塩等が挙げられ、そのうち、硫酸第一鉄塩が好ましい。
また、一酸化炭素、アルデヒド類、糖類、ギ酸、及びシュウ酸等の有機化合物、高炉水砕スラグ、泥炭、並びに、ヨウ素等も有効である。
これら還元剤は一種又は二種以上を有害重金属低減材と併用することにより、有害重金属の低減効果がさらに高まる。
還元剤の使用量は、本スラグ粉、重金属固定化剤、及び還元剤の合計100部中、1〜50部が好ましく、5〜40部がより好ましい。1部未満では併用の効果がなく、50部を超えるとコスト高となり好ましくない。
【0019】
本発明において使用する水量は特に限定されるものではなく、有害重金属低減材を粉状で使用することも可能であり、また、有害重金属低減材をスラリー状にして使用することも可能である。
【0020】
また、本発明の有害重金属低減材の使用量や施工方法は、使用用途や使用形態により異なり特に限定されるものではない。
有害重金属で汚染された土壌の改良では、本発明の有害重金属低減材をそのまま汚染土壌にまいた後混合することも可能であり、有害重金属低減材を水と練り混ぜスラリー状にしてから土壌等に注入することも可能である。
また、本発明の有害重金属低減材を汚染土壌に添加した後、土壌を一時酸性とし、その後再び中性からアルカリ性にする方法は、徐冷スラグから溶出するチオ硫酸硫黄や亜硫酸硫黄の重金属低減反応が、酸性雰囲気であるほど促進されることにより、効率的に土壌を改良できることから好ましい。
さらに、その後、土壌を中性〜アルカリ性にすることでクロムなどは水酸化クロムとして安定となることからさらに好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0022】
実験例1
セメント/砂=1/3、水セメント比50%、及び練り混ぜ水をCr6+100mg/lの溶液としたモルタルを調製した。
このモルタルに対し、表1に示すスラグ粉90部と重金属固定化剤a10部からなる有害重金属低減材を、セメントと有害重金属低減材の合計100部中、20部混和し供試体を作製した。
作製した供試体を使用して、6価クロムの溶出量を測定した。結果を表1に併記する。
【0023】
<使用材料>
セメント :市販普通ポルトランドセメント
スラグ粉A:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値500cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉B:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値2,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉C:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉D:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉E:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値8,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉F:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率10%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉G:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率30%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉H:高炉徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.5%、エージングにより調整
スラグ粉I:スラグ粉Bとスラグ粉Eの混合物、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグ粉J:高炉水砕スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率100%、非硫酸態イオウ0.9%
重金属固定化剤a:キレート化合物、市販品、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム
6価クロム標準溶液:化学分析用
水 :蒸留水
【0024】
<測定方法>
6価クロム溶出量:供試体を7日と28日間封緘養生し、各材齢において環境庁告示46号、土壌中の重金属の溶出量分析方法に準拠して6価クロムの溶出試験を実施し、溶出した6価クロムをJIS K 0102に準拠して測定した。
【0025】
【表1】
Figure 0003883495
【0026】
表1より、本発明の有害重金属低減材は6価クロムの低減に効果的であることがわかる。
【0027】
実験例2
表2に示すスラグ粉Cと重金属固定剤を用いたこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0028】
<使用材料>
重金属固定化剤b:粘土化合物、市販品、モンモリロナイト、スメクタイト類
重金属固定化剤c:ゼオライト、市販品、モルデナイト、モルデナイト類
【0029】
【表2】
Figure 0003883495
【0030】
表2より、本発明の有害重金属低減材は6価クロムの低減に効果的であることがわかる。
【0031】
実験例3
スラグC90部と重金属固定化剤a10部からなる表3に示す有害重金属低減材を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0032】
【表3】
Figure 0003883495
【0033】
表3より、本発明の材料は6価クロムの低減に効果的であることが分かる。
【0034】
実験例4
表4に示すスラグC、重金属固定化剤a、及びアルカリ物を混合し調製した有害重金属低減材を、貯蔵期間を変えて使用し、材齢7日の6価クロム溶出量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0035】
<使用材料>
アルカリ物ア:普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製
アルカリ物イ:生石灰、関東化学社製、試薬1級
【0036】
【表4】
Figure 0003883495
【0037】
表4より、アルカリ物を配合することにより、長期間貯蔵した場合でも、6価クロム低減能が低下していないことが分かる。
【0038】
実施例5
スラグCと重金属固定化剤a、さらに表5に示す還元剤を混合して調製した有害重金属低減材を使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
【0039】
<使用材料>
還元剤α :硫酸第一鉄、関東化学社製、試薬特級
還元剤β :硫酸第一鉄、七水和物、関東化学社製、試薬特級
【0040】
【表5】
Figure 0003883495
【0041】
表5より、還元剤を配合することにより、6価クロム低減能がさらに向上することが明らかである。
【0042】
実験例6
スラグC90部と重金属固定化剤a10部からなる有害重金属低減材を使用し、表6に示す有害重金属の100mg/l溶液を練り混ぜ水として使用したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0043】
<使用材料>
Hg標準溶液:化学分析用、Hg 1,000mg/l、関東化学社製
Pb標準溶液:化学分析用、Pb 1,000mg/l、関東化学社製
Cd標準溶液:化学分析用、Cd 1,000mg/l、関東化学社製
Se標準溶液:化学分析用、Se 1,000mg/l、関東化学社製
Mo標準溶液:化学分析用、Mo 1,000mg/l、関東化学社製
As標準溶液:化学分析用、As 1,000mg/l、関東化学社製
【0044】
<測定方法>
重金属溶出量:反応後の試料を遠心分離機にかけ、固液分離し、上澄み液をICP発光分光分析装置で測定
【0045】
【表6】
Figure 0003883495
【0046】
表6より、本発明の有害重金属低減材は有害重金属の溶出低減に効果的であることがわかる。
【0047】
実験例7
6価クロムで汚染された土壌(対象土)1m3に対し、スラグC90部と重金属固定化剤a10部からなる有害重金属低減材を100kg配合し、改良土を作成後、材齢7日養生した。この改良土を用い、環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」に準拠して、6価クロムの溶出試験を実施した。結果を表7に併記する。また、スラグを配合した後、希硫酸を用いて土壌を一時的にpH3の酸性として改良土を作成し、材齢1日養生した場合の溶出試験の結果も併せて示す。
【0048】
<使用材料>
対象土 :関東ローム土
硫酸 :試薬1級、関東化学製
【0049】
【表7】
Figure 0003883495
【0050】
表7より、本発明の有害重金属低減材を使用することにより6価クロムの溶出量を低減でき、さらに土壌を酸性雰囲気とすることで、より短時間で土壌の有害物を低減できることが分かる。
【0051】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明の有害重金属低減材は、汚染土壌の有害重金属を無害化し、地下水などへの溶出を低減することが可能となる。

Claims (3)

  1. ブレーン比表面積 500cm 2 /g 以上、ガラス化率が 30 %以下、非硫酸態イオウが 0.5 %以上である高炉徐冷スラグ粉末と、層状硅酸塩の粘土化合物、ゼオライト、及びキレート化合物から選ばれる一種又は二種以上である重金属固定化剤とを含有してなる有害重金属低減材。
  2. さらに、ポルトランドセメント、生石灰、消石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムから選ばれるアルカリ性物質を含有してなる請求項1に記載の有害重金属低減材。
  3. 請求項1又は2に記載の有害重金属低減材を用いてなる有害重金属低減方法。
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