JP3919652B2 - 有害重金属低減材及び有害重金属低減方法 - Google Patents

有害重金属低減材及び有害重金属低減方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌や水質の汚染因子である有害重金属低減材及びその低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
各産業において金属の用途は非常に広く、その種類は多岐におよんでいる。
これら金属の中には6価クロムをはじめとする水銀、鉛、及びカドミウムなどの有害重金属が含まれるが、その取り扱いの管理が厳しく行われているにも関わらず、不測の事故等により汚染された工場跡地等が数多く存在している。
なかでも6価クロムは、メッキ工場をはじめとする各種化学工場の廃液や、生コンクリート工場の廃水中等に含まれているが、生体系に与える影響が大きく、環境保全上無害になるよう対策を講じる必要がある。
【0003】
そこで、これまでに6価クロムの無害化対策として、有害な6価のクロムを無害な3価に還元する方法や、セメントを主成分とする固化材により固定化する方法などが検討されており、水溶性の第一鉄塩を添加する方法が提案されている(特開昭47-031894号公報、特開昭48-083114号公報、特開昭49-016714号公報)。
しかしながら、水溶性の第一鉄塩は、6価クロムを3価に還元して不溶化する効果があるが、非常に高価であり、また、初期の無害化には優れるものの、空気中の酸素と容易に反応して酸化し還元作用が失われるため、長期的な効果は期待できないという課題があった。
【0004】
また、高炉水砕スラグを6価クロム低減剤として用いる方法が検討されている(特開2000-086322号公報)。
しかしながら、高炉水砕スラグは、長期的な効果が期待できるものの、肝心の6価クロム低減量が従来の方法に比べ劣るという課題があった。
そのため、水溶性の第一鉄塩などの速効性の成分と高炉水砕スラグのような遅効性の成分を組み合わせる方法も検討されている(特開2000-86322号公報)。
しかしながら、依然として材料が非常に高価であるという課題があった。
【0005】
さらに、硫黄含有スラグをエージングする際に抽出される硫黄含有水溶液(黄水)をクロム酸イオンの還元剤として用いる方法が提案されている(特開平06-279817号公報)。
しかしながら、この方法では、溶液中に溶け出した還元剤として機能するチオ硫酸イオン、硫黄イオン、及び亜硫酸イオンなどの非硫酸態イオウの濃度が極めて薄いため、充分な効果が得られないなどの課題があった。
【0006】
さらに、セメントなどにより固定化する方法も提案されている(特開昭56-095399号公報)。
しかしながら、セメントは、その硬化に伴って6価クロムなどの重金属を固定化するため、硬化するまでの若材齢においての効果はほとんど期待できない。また硬化後についても、6価クロム以外の重金属を含有するような廃棄物を処理する場合には、6価クロムに対し選択的に反応するわけではないため、その固定化性能が低下するという課題があった。
【0007】
本発明者は、上記課題を鑑み、従来の高炉水砕スラグやエージングの際の抽出液に比べ、高炉徐冷スラグが、溶出可能な非硫酸態イオウを多く含有し、その粒度によって任意に6価クロム、その他の有害重金属の低減効果を変化させることができ、短時間で有害重金属を無害化し、かつ、長期にわたりその効果を持続できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、高炉徐冷スラグ粉末とアルカリ性物質を粉砕混合したものを含有してなる有害重金属低減材であり、高炉徐冷スラグ粉末の粉末度がブレーン比表面積で500cm2/g以上である該有害重金属低減材であり、高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下である該有害重金属低減材であり、高炉徐冷スラグ粉末の非硫酸態イオウが0.5%以上である該有害重金属低減材であり、該有害重金属低減材を用いてなる有害重金属低減方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
本発明に係る有害重金属とは特に限定されるものではないが、汚染土壌、産業廃棄物中に含まれるクロム(Cr)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ニッケル(Ni)、水銀(Hg)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、及びセレン(Se)などである。
【0011】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末(以下、本スラグ粉という)は徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。
高炉徐冷スラグの成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO2、CaO、Al2O3、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3などが挙げられる。
また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。
これら硫化物は徐冷スラグを粉砕することにより粒子表面に露出し、水と接した際にチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウとして溶出する。
このチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウには、有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元する、6価クロムの低減効果や、汚染土壌中あるいは廃棄物中の有害重金属と反応して水に難溶性の硫化重金属塩を形成し、重金属を安定化させる、有害重金属の安定化効果がある。
【0012】
本スラグ粉の粉末度は、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)で500cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。500cm2/g未満では所定の有害重金属低減効果が得られない場合がある。
この粉末度によって、チオ硫酸イオウや亜硫酸イオウなどの溶出量をコントロールすることが可能であり、粉末度を高めることにより初期の有害重金属低減効果が高まり、逆に粉末度を低くすることで長期に渡る有害重金属低減効果を与えることが可能となる。
【0013】
本スラグ粉のガラス化率は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率がこの範囲外では所定の有害重金属低減効果が得られない場合がある。
ガラス化率が高い場合、ほぼ同量の非硫酸態イオウを含有していても、結晶質である徐冷スラグに比しガラス化率の高いスラグ粉はチオ硫酸イオウなどの溶出が極めて少なく、有害重金属の低減効果は小さい。
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる本スラグ粉中の主要な結晶性化合物であるメリライトのメインピークの面積であり、S0は本スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
【0014】
本スラグ粉中の非硫酸態イオウの含有量は、0.5%以上が好ましい。この範囲外では、所定の有害重金属低減効果が得られない場合がある。
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、及び硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野の方法で定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法で定量することによっても求めることができる(「高炉スラグ中硫黄の状態分析」、山口直治、小野昭紘:製鉄研究、第301号、pp.37-40、1980参照)。
本スラグ粉は、非硫酸態イオウを含有することにより、有害重金属を低減する効果を発揮するものであるが、単に、非硫酸態イオウを含まないスラグに、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、及び亜硫酸塩等を添加したのでは、本発明の優れた有害重金属低減効果は得られない。
【0015】
本発明の有害重金属低減材では、本スラグ粉にアルカリ性物質を併用することはその劣化を抑える面から好ましい。
本スラグ粉中の非硫酸態イオウは、空気中の酸素と反応して酸化し、その有害重金属の低減効果が徐々に低下するため、アルカリ性物質を共存させ、空気中の酸素と選択的に反応させることにより、本スラグ粉の劣化を防止することが可能である。
【0016】
本発明で使用するアルカリ性物質(以下、アルカリ物という)は、アルカリ性を呈するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、ポルトランドセメント、生石灰、消石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムなどが挙げられる。
アルカリ物の使用量は、本スラグ粉とアルカリ物の合計100部中、1〜30部が好ましく、5〜20部がより好ましい。1部未満では貯蔵性の向上に効果が無い場合があり、30部を超えると有害重金属の低減効果自体が低下する場合がある。
【0017】
本発明の有害重金属低減材には、従来から有害重金属の還元剤として用いられている各種材料を併用することが可能である。
具体的には以下のような物質が挙げられる。例えば、硫化アンモニウム、硫化カルシウム、硫化ナトリウム、及び硫化カリウム、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、二硫化鉄、硫化銅、硫化ニッケル、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化ジルコニウム、硫化水素アンモニウム、硫化水素亜鉛、硫化水素カリウム、硫化水素カルシウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウム、及びポリ硫化アンモニウムなどの硫化物、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素カリウムなどの亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸塩、二酸化イオウやイオウなどのイオウ化合物、並びに、硫酸第一鉄塩等が挙げられる。中でも硫酸第一鉄塩がより好ましい。
また、一酸化炭素、アルデヒド類、糖類、ギ酸、及びシュウ酸等の有機化合物や、高炉水砕スラグ、泥炭、及びヨウ素等も有効である。
これら還元剤の一種又は二種以上を本スラグ粉と併用することは、有害重金属の低減効果がさらに高まることから好ましい。
還元剤の使用量は、本スラグ粉と還元剤の合計100部中、1〜99部が好ましく、5〜80部がより好ましい。1部未満では併用の効果がなく、99部を超えるとコスト高となり好ましくない。
【0018】
本発明の有害重金属低減材の使用量や施工方法は、使用用途や使用形態により異なり特に限定されるものではない。
有害重金属で汚染された土壌の改良では、本発明の有害重金属低減材をそのまま汚染土壌にまいた後混合することも可能であり、有害重金属低減材を水と練り混ぜスラリー状にしてから土壌等に注入することも可能である。
また、本発明の有害重金属低減材を汚染土壌に添加した後、土壌を一時酸性とし、その後再び中性からアルカリ性にする方法は、徐冷スラグから溶出するチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウの重金属低減反応が、酸性雰囲気であるほど促進されることにより、効率的に土壌を改良できることから好ましい。
さらにその後、土壌を中性からアルカリ性にすることは、クロムなどが水酸化クロムとして安定に存在することから好ましい。
【0019】
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0020】
実験例1
6価クロム1,000mg/l標準溶液を10倍に希釈し、6価クロム100mg/lの溶液を調製した。
調製した溶液100mlを容器に分取し、各種スラグを有害重金属低減材とし、その20gを添加後密栓し、20℃室内にて一週間、浸透機上で放置した。
反応後のサンプルを遠心分離機にかけ固液分離し、上澄み液中の6価クロムの定量を行った。結果を表1に示す。
【0021】
<使用材料>
スラグA :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値500cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグB :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値2,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグC :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグD :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値6,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグE :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値8,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグF :本スラグ粉、密度2.99g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率10%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグG :本スラグ粉、密度2.97g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率30%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグH :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率50%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグI :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.2%、エージングにより調整
スラグJ :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.5%、エージングにより調整
スラグK :スラグBとスラグEを混合し、ブレーン値4,000cm2/gに調整したもの、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグL :高炉水砕スラグ、密度2.90g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率100%、非硫酸態イオウ0.9%
6価クロム標準溶液:化学分析用、6価クロム1,000mg/l、関東化学社製
水 :蒸留水
【0022】
<測定方法>
6価クロムの測定:JIS K 0102 法に準拠。
【0023】
【表1】
Figure 0003919652
【0024】
表1より、本発明の材料は6価クロムの低減に効果的であることが明らかである。
【0025】
実験例2
有害重金属低減材としてスラグCを用い、表2に示す有害重金属を使用して材齢7日の重金属残存量を測定したこと以外は、実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0026】
<使用材料>
Hg標準溶液:化学分析用、Hg 1,000mg/l、関東化学社製
Pb標準溶液:化学分析用、Pb 1,000mg/l、関東化学社製
Cd標準溶液:化学分析用、Cd 1,000mg/l、関東化学社製
Se標準溶液:化学分析用、Se 1,000mg/l、関東化学社製
Mo標準溶液:化学分析用、Mo 1,000mg/l、関東化学社製
As標準溶液:化学分析用、As 1,000mg/l、関東化学社製
【0027】
<測定方法>
重金属残存量:反応後の試料を遠心分離機にかけ固液分離し、上澄み液をICP発光分光分析装置を用いて分析
【0028】
【表2】
Figure 0003919652
【0029】
表2より、本発明の材料は各種有害重金属の低減に効果的であることが明らかである。
【0030】
実験例3
スラグCと表3に示すアルカリ物とを粉砕混合して調製した有害重金属低減材の貯蔵期間を変え、材齢7日の6価クロム残存量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0031】
<使用材料>
アルカリ物a:普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製
アルカリ物b:生石灰、関東化学社製、試薬1級
【0032】
【表3】
Figure 0003919652
【0033】
表3より、アルカリ物を配合することにより長期間貯蔵した場合でも、6価クロム低減能が低下していないことが明らかである。
【0034】
実験例4
スラグCと表4に示す還元剤を粉砕混合して有害重金属低減材とし、材齢7日の6価クロム残存量を測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0035】
<使用材料>
還元剤α :硫酸第一鉄、関東化学社製、試薬特級
還元剤β :硫酸第一鉄、七水和物、関東化学社製、試薬特級
【0036】
【表4】
Figure 0003919652
【0037】
表4より、還元剤を配合することにより、6価クロム低減能がさらに向上することが明らかである。
【0038】
実験例5
6価クロムで汚染された土壌(対象土)1m3に対し、表5に示すスラグを100kg配合し、改良土を作成後、材齢7日養生した。
この改良土を用い、環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」に準拠して、6価クロムの溶出試験を実施した。結果を表5に併記する。
なお、比較のため、有害重金属低減材の代わりに高炉水砕スラグを使用した場合と、有害重金属低減材を使用しない場合も同様に行った。
【0039】
<使用材料>
対象土 :関東ローム土
【0040】
【表5】
Figure 0003919652
【0041】
表5より、本発明の有害重金属低減材を使用することにより6価クロムの溶出量を低減できることが明らかである。
【0042】
実験例6
6価クロムで汚染された土壌(対象土)1m3に対し、表6に示すスラグ100kgを配合した。その後、希硫酸を用いて土壌を一時的にpH3の酸性として改良土を作成し、材齢1日養生した。
この改良土を用い、環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」に準拠して、6価クロムの溶出試験を実施した。結果を表6に併記する。
なお酸性としなかった場合の結果も合わせて表記する。
【0043】
<使用材料>
希硫酸 : 試薬1級、関東化学社製
【0044】
【表6】
Figure 0003919652
【0045】
表6より、本発明の有害重金属低減材を使用し、さらに土壌を酸性雰囲気にすることで、より短期間で土壌の有害物を低減できることが分かる。
【0046】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明の有害重金属低減材を使用すると、有害な重金属を低減することが可能となる。

Claims (5)

  1. 高炉徐冷スラグ粉末とアルカリ性物質を粉砕混合したものを含有してなる有害重金属低減材。
  2. 高炉徐冷スラグ粉末の粉末度がブレーン比表面積で500cm2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の有害重金属低減材。
  3. 高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有害重金属低減材。
  4. 高炉徐冷スラグ粉末の非硫酸態イオウが0.5%以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちの一項に記載の有害重金属低減材。
  5. 請求項1〜のうちの一項に記載の有害重金属低減材を用いてなる有害重金属低減方法。
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