JP2008284537A - 固体廃棄物中の重金属類の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燐酸系重金属固定化剤はカルシウム化合物等と併用すると、ジチオカルバミン酸系重金属固定化剤のように有害ガスが発生する虞がなく、しかもジチオカルバミン酸系重金属固定化剤と同等以上に優れた金属固定化効果が得られる利点があるが、燐酸系重金属固定化剤がカルシウム化合物と反応して消費され、必要以上に多量の重金属固定化剤を添加しなければならならず、効率良い廃棄物処理が行えないという問題があった。本発明は廃棄物中にカルシウム化合物が含有されている場合でも、効率良く確実に廃棄物中の重金属類を固定化処理することのできる廃棄物中の重金属類の処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の固体廃棄物中の重金属類の処理方法は、重金属類を含む固体廃棄物に、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加し、廃棄物中の重金属類を不溶性として固定化することを特徴とする。
【選択図】なし。
【解決手段】本発明の固体廃棄物中の重金属類の処理方法は、重金属類を含む固体廃棄物に、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加し、廃棄物中の重金属類を不溶性として固定化することを特徴とする。
【選択図】なし。
Description
本発明は飛灰や土壌等の固体廃棄物中の重金属類の処理方法に関する。
ゴミ焼却場において排出される飛灰、焼却灰(ボトムアッシュ)、発電所等において排出される石炭灰等の廃棄灰中には、鉛、カドミウム、水銀、亜鉛、セレン、クロム、砒素、アンチモン、銅等の種々の人体に有害な重金属類が含有されており、これらの灰を廃棄した際に灰中の重金属類が地下水、河川、海水、湖沼等へ溶出すると重金属公害等の環境汚染問題を生じる。このためこれらの廃棄灰を投棄する場合、廃棄灰中から重金属類が溶出しないように重金属類を不溶化処理することが必要であり、重金属類を含む廃棄灰を投棄するに先だって、金属捕集性の官能基を有する重金属固定化剤を用いて廃棄灰中の重金属類を固定化することが行われており、従来、金属固定化能の高いジチオカルバミン酸基を有するジチオカルバミン酸系重金属固定化剤が広く用いられている。しかしながらジチオカルバミン酸系重金属固定化剤は鉛やカドミウム等の金属に対する固定化能は優れる反面、単独ではヒ素、クロム(VI)、セレン、ホウ素等に対する固定化能に乏しく、しかも保存中や金属固定化の処理中に、人体に有害な硫化水素や二硫化炭素、アンモニアガス等を発生する虞があるため、慎重に取り扱う必要があり、特に塩酸、硫酸、硝酸等の酸性薬剤や次亜塩素酸ナトリウム、塩素等の酸化剤などに接触すると多量の有害ガスが発生し、極めて危険であるなど安全性に大きな問題があった。このようなジチオカルバミン酸系重金属固定化剤の欠点を改良するものとして、水とリン酸系重金属固定化剤、鉄化合物、カルシウム化合物及び/又はマグネシウム化合物とを添加、混練して重金属を固定化処理する方法(特許文献1)等が提案されている。
特許文献1記載の方法は、鉄化合物から生成した水酸化鉄が、アンチモンや砒素等の重金属と難溶性の塩を形成して共沈することでこれらの重金属を固定化し、リン酸系重金属固定化剤は、鉛、カドミウムを固定化するとともに鉄化合物と相互作用して重金属固定化能を強め、またカルシウム化合物及びマグネシウム化合物は、リン酸系重金属固定化剤及び水酸化鉄と相互作用して水酸化鉄の重金属共沈作用を強めることで、灰中の重金属類を固定化するものである。しかしながらリン酸系重金属固定化剤は、併用する鉄化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物と反応して不溶性塩を形成して消費されてしまうため、必要量以上に多量のリン酸系重金属固定化剤が必要となったり、或いはリン酸系重金属固定化剤と、鉄化合物、カルシウム化合物やマグネシウム化合物とを別々に添加する必要があり、処理コストが高くついたり処理作業が繁雑となるという問題があった。また火力発電所等で生じる石炭灰や、ゴミ焼却によって生じる飛灰、焼却灰等の廃棄灰中には多量のカルシウム化合物が含まれているため、リン酸系重金属固定化剤は廃棄灰中のカルシウム化合物によっても消費され、リン酸系重金属固定化剤を更に多量に使用しなければならないという問題があった。また廃棄灰中に含まれる鉛、カドミウム、水銀、セレン、クロム(VI)、砒素、アンチモン等の重金属類はオキソ陰イオンやその塩となっていることがあるが、特許文献1に記載の方法はオキソ陰イオンやその塩に対する固定化能が十分とは言えず、処理後の廃棄灰が酸性雨等に晒された場合、重金属類が再溶出する虞があった。
本発明者は上記従来法の問題を解決すべく鋭意研究した結果、従来、重金属類固定化剤として使用されていなかった過燐酸石灰や重過燐酸石灰を用いることで、安全に、しかも安価に廃棄灰中の重金属類を固定化することができることを見出し本発明を完成するにいたった。
本発明者は上記従来法の問題を解決すべく鋭意研究した結果、従来、重金属類固定化剤として使用されていなかった過燐酸石灰や重過燐酸石灰を用いることで、安全に、しかも安価に廃棄灰中の重金属類を固定化することができることを見出し本発明を完成するにいたった。
即ち本発明は、
(1) 重金属類を含む固体廃棄物に、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加し、廃棄物中の重金属類を不溶性として固定化することを特徴とする固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(2) 廃棄物中の燐酸塩類を含む燐酸系肥料の割合が1〜30重量%となるように、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加する上記(1)の固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(3) 固体廃棄物に燐酸塩類を含む燐酸系肥料と共に、更にカルシウム化合物類、硫酸類、珪酸類よりなる群から選ばれた少なくとも1種を添加する上記(1)又は(2)の固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(4) 燐酸塩類を含む燐酸系肥料が、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰、苦土重過燐酸石灰、苦土重焼燐、苦土なし重焼燐(重焼燐2号)、熔成燐肥よりなる群より選ばれた1種又は2種以上である上記(1)〜(3)のいずれかの固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
を要旨とするものである。
(1) 重金属類を含む固体廃棄物に、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加し、廃棄物中の重金属類を不溶性として固定化することを特徴とする固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(2) 廃棄物中の燐酸塩類を含む燐酸系肥料の割合が1〜30重量%となるように、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加する上記(1)の固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(3) 固体廃棄物に燐酸塩類を含む燐酸系肥料と共に、更にカルシウム化合物類、硫酸類、珪酸類よりなる群から選ばれた少なくとも1種を添加する上記(1)又は(2)の固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
(4) 燐酸塩類を含む燐酸系肥料が、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰、苦土重過燐酸石灰、苦土重焼燐、苦土なし重焼燐(重焼燐2号)、熔成燐肥よりなる群より選ばれた1種又は2種以上である上記(1)〜(3)のいずれかの固体廃棄物中の重金属類の処理方法、
を要旨とするものである。
本発明は、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を用いて固体廃棄物中の重金属類を固定化する方法を採用したことにより、ジチオカルバミン酸系重金属固定化剤のように処理時等に有害ガスが発生する虞がないとともに、鉛、クロム(III)、カドミウム、銅等に対する固定化能はジチオカルバミン酸系重金属固定化剤と同等またはそれ以上に優れているばかりか、ジチオカルバミン酸系重金属固定化剤や他の従来の重金属固定化剤が苦手としていたクロム(VI)、セレン、砒素、アンチモン、水銀等のオキソ陰イオンやその塩に対する固定化能にも優れ、しかも広いpH範囲に亘って重金属類の処理を行うことができる。また固体廃棄物中にカルシウム化合物が含有されていても、カルシウム化合物によって過燐酸石灰や重過燐酸石灰が消費されることがないため、効率良い処理が行えるばかりか、カルシウム化合物等を併用することにより、廃棄物中の重金属類を更に効果的に処理することができ、本発明方法により処理した固体廃棄物は、酸性雨等に晒された場合でも重金属類が溶出する虞がないため、安全かつ確実に固体廃棄物中の重金属類を処理することができる。
本発明において、燐酸塩類を含む燐酸系肥料としては、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰(別名、苦土過石)、苦土重過燐酸石灰(別名、苦土重過石、苦土重過燐)、苦土重焼燐、苦土なし重焼燐(重焼燐2号)、熔成燐肥、BM熔成燐肥、焼成燐肥、腐植酸含有重焼燐等が挙げられるが、なかでも過燐酸石灰、重過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰、苦土重過燐酸石灰、苦土重焼燐、苦土なし重焼燐、熔成燐肥が好ましい。過燐酸石灰は、燐鉱石に硫酸を反応させて得られ、重過燐酸石灰は硫酸と燐酸の混酸液あるいは燐酸液を反応させて得られる。燐鉱石はモロッコ、ヨルダン、イスラエル、フロリダ、中国、ベトナム等で産出される。モロッコ産の燐鉱石の主な成分は、P2O5:33.1重量%、CaO:54.3重量%、SO3:1.4重量%、Al2O3:0.44重量%、Fe2O3:0.25重量%、MgO:0.31重量%、F:4.13重量%、SiO3:3.44重量%、Na2O:0.69重量%、K2O:0.06重量%等である。燐鉱石に硫酸を反応させて得られる過燐酸石灰は、可溶性燐酸を15重量%以上含み、主成分は燐酸二水素カルシウム一水和物(水溶性)と硫酸カルシウムで、その他、燐酸二水素三カルシウム、酸化鉄、アルミナ、硫酸等を含んでいる。一方、重過燐酸石灰は可溶性燐酸(燐酸二水素カルシウム他)を30〜48重量%、遊離酸0.5〜1.5重量%、水分7〜8重量%、石灰20〜30重量%を含んでいる。サンアグロ株式会社の過燐酸石灰のスペックは、可溶性燐酸:17.5重量%、水溶性燐酸:14.5重量%、明京商事株式会社の重過燐酸石灰のスペックは、可溶性燐酸:43〜46重量%、水溶性燐酸:37〜40重量%である。苦土重焼燐は、燐鉱石とソーダ灰を調合し水熱焼成して焼成燐肥を作り、苦土含有物を加え調合し、焼成スラリーを反応させて得られる。苦土重焼燐1号(小野田化学工業株式会社製)の含有成分の分析例(重量%)を示すと、く溶性燐酸:35.4重量%(内水溶性燐酸:20.1重量%)、く溶性苦土:4.8重量%(内水溶性苦土:3.2重量%)、石灰:20.3重量%、珪酸:9.4重量%、鉄:2.1重量%である。熔成燐肥(別名:熔成苦土燐肥)は燐鉱石に苦土珪酸含有鉱滓を混合し、1400℃前後で熔融して製造される。フロリダ産燐鉱石(P2O5:33重量%)を使用した場合の製品の分析例(重量%)は、全燐酸:22.19重量%、く溶性燐酸:21.95重量%、苦土:18.62重量%、石灰:31.32重量%、珪酸:22.12重量%、酸化鉄:4.06重量%、アルミナ:1.14重量%である。
本発明において、これらの燐酸系肥料の製造業者(販売業者)としては、過燐酸石灰では朝日工業(株)、宇部興産農林(株)、日産アグリ(株)、コウノシマ化成(株)、コープケミカル(株)、清和肥料(株)、多木化学(株)、太陽肥料(株)、トモエ化学工業(株)、日東エフシー(株)、北海道日産化学(株)、北海道肥料(株)、菱東肥料(株)、重過燐酸石灰ではコウノシマ化成(株)、コープケミカル(株)、小野田化学工業(株)、朝日工業(株)、多木化学(株)、サンアグロ(株)、明京商事(株)、(苦土)重焼燐では小野田化学工業(株)、太平洋セメント(株)、熔成燐肥ではシンエツ化成(株)、朝日工業(株)、東ソー(株)、東北東ソー化学(株)、日之出化学工業(株)、南九州化学工業(株)、イビデン(株)、明京商事(株)、焼成燐肥では小野田化学工業(株)、太平洋セメント(株)、リンスターでは三菱化学アグリ(株)、苦土過石と苦土重過石ではコープケミカル(株)、マドラグアノではマドラウイング(株)等がある。
燐酸塩類を含む燐酸系肥料は、通常廃棄物中の割合が1〜40重量%となるように添加するが、1〜30重量%となるように添加することが好ましく、特に1〜20重量%となるように添加することが好ましい。
本発明において、これらの燐酸系肥料の製造業者(販売業者)としては、過燐酸石灰では朝日工業(株)、宇部興産農林(株)、日産アグリ(株)、コウノシマ化成(株)、コープケミカル(株)、清和肥料(株)、多木化学(株)、太陽肥料(株)、トモエ化学工業(株)、日東エフシー(株)、北海道日産化学(株)、北海道肥料(株)、菱東肥料(株)、重過燐酸石灰ではコウノシマ化成(株)、コープケミカル(株)、小野田化学工業(株)、朝日工業(株)、多木化学(株)、サンアグロ(株)、明京商事(株)、(苦土)重焼燐では小野田化学工業(株)、太平洋セメント(株)、熔成燐肥ではシンエツ化成(株)、朝日工業(株)、東ソー(株)、東北東ソー化学(株)、日之出化学工業(株)、南九州化学工業(株)、イビデン(株)、明京商事(株)、焼成燐肥では小野田化学工業(株)、太平洋セメント(株)、リンスターでは三菱化学アグリ(株)、苦土過石と苦土重過石ではコープケミカル(株)、マドラグアノではマドラウイング(株)等がある。
燐酸塩類を含む燐酸系肥料は、通常廃棄物中の割合が1〜40重量%となるように添加するが、1〜30重量%となるように添加することが好ましく、特に1〜20重量%となるように添加することが好ましい。
本発明方法において、燐酸塩類を含む燐酸系肥料とともに、カルシウム化合物、硫酸類、珪酸類の1種又は2種以上を併用すると、重金属類を更に強固に固定化することができる。カルシウム化合物としては、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられるが、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、塩化カルシウムが好ましいが、特に水酸化カルシウムが好ましい。カルシウム化合物類は、廃棄物重量に対して1〜20重量%添加できるが、3〜10重量%添加することが好ましい。硫酸類としては、硫酸、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられるが、なかでも硫酸第一鉄、硫酸アルミニウムが特に好ましい。硫酸類は、廃棄物重量に対して1〜20重量%添加できるが、1〜10重量%添加することが好ましい。珪酸類としては、オルト珪酸、メタ珪酸、メタ二珪酸、メタ三珪酸、メタ四珪酸等や、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸鉄、珪酸アルミニウム等の珪酸塩が挙げられるが、中でも珪酸、珪酸ナトリウム及び珪酸の部分塩が好ましいが、特に珪酸ナトリウム及び珪酸の部分塩が好ましい。材齢初期においては硫酸類及びリン酸類と共に、更に珪酸類を添加すると、これらの相乗効果により金属の固定化能は著しく向上する。珪酸類は、廃棄物重量に対して1〜20重量%添加できるが、1〜10重量%添加することが好ましい。上記カルシウム化合物、硫酸類、珪酸類は1種のみならず2種以上を組みあわせて用いることができ、好ましい組合せとしては、消石灰/硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、消石灰/硫酸第一鉄、消石灰/珪酸ナトリウム、硫酸バンド/硫酸第一鉄、消石灰/硫酸第一鉄/硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム/珪酸ナトリウム、硫酸第一鉄/珪酸ナトリウム等の組み合わせが好ましい。特に硫酸第一鉄/硫酸アルミニウム/珪酸ナトリウム、消石灰/硫酸アルミニウム/珪酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明方法における処理温度は、化学反応であるため高温であればあるほど好ましいが、処理作業を行う上で高温での処理は作業に危険が伴うとともに、廃棄灰中に含まれる有害ガスが発生するなどの問題があるため、150℃以下で処理を行うことが好ましい。本発明方法は、広いpH範囲においてジチオカルバミ酸系重金属固定化剤と同等以上の金属捕集効果が得られるとともに、従来捕集が難しかったオキソ陰イオン類も効果的に捕集することができる。廃棄物に過燐酸石灰及び/又は重過燐酸石灰を添加して処理する際の温度は100℃以下が好ましく、処理時間は5〜30分程度が好ましい。
本発明方法において固体廃棄物としては、都市ゴミ焼却場、産業廃棄物焼却場、石炭火力発電所で発生する飛灰、焼却灰(ボトムアッシュ)等、各種工場排水処理施設で発生する重金属含有スラッジ、各種工場跡地等の重金属類で汚染された土壌、建設工事、掘削工事、浚渫工事等によって発生した残土等の土壌、各種鉱滓等が挙げられるが、廃棄灰、土壌が好ましい。本発明方法は固体廃棄物中の、鉛、クロム(III)、カドミウム、銅、亜鉛等の重金属陽イオンのみならず、セレン、ヒ素、ホウ素、クロム(VI)、アンチモン、水銀等のオキソ陰イオンに対しても優れた固定化能を発揮する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例において燐酸肥料である過燐酸石灰、重過燐酸石灰は、コープケミカル社製のものを使用した。
実施例1〜8、比較例1
表1に示す金属を含むゴミ焼却場の飛灰100g当たりに対し、表2に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例1は薬剤無添加)、更に飛灰重量に対して20重量%の水を加えて40℃で10分間混練した。実施例1〜8の処理後の飛灰と、比較例1の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出液中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法により測定した。溶出液中への鉛、カドミウム、亜鉛、クロム、銅、砒素の溶出濃度(mg/l)を表3に示す。
実施例1〜8、比較例1
表1に示す金属を含むゴミ焼却場の飛灰100g当たりに対し、表2に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例1は薬剤無添加)、更に飛灰重量に対して20重量%の水を加えて40℃で10分間混練した。実施例1〜8の処理後の飛灰と、比較例1の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出液中に溶出した金属濃度を原子吸光分析法により測定した。溶出液中への鉛、カドミウム、亜鉛、クロム、銅、砒素の溶出濃度(mg/l)を表3に示す。
実施例9〜16、比較例2
表4に示す金属を含むゴミ焼却場の飛灰100g当たりに対し、表5に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例2は薬剤無添加)、更に飛灰重量に対して30重量%の水を加えて40℃で10分間混練した。実施例9〜16の処理後の飛灰と、比較例2の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表6に示す。
表4に示す金属を含むゴミ焼却場の飛灰100g当たりに対し、表5に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例2は薬剤無添加)、更に飛灰重量に対して30重量%の水を加えて40℃で10分間混練した。実施例9〜16の処理後の飛灰と、比較例2の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表6に示す。
実施例17〜20、比較例3
鉛:7,500mg/kg、カドミウム:350mg/kg、全クロム:55mg/kg、水銀:3.5mg/kg、ヒ素:16mg/kgを含むゴミ焼却場の中性飛灰(溶出水のpH=6.7)100g当たりに対して、表7に示す薬剤を同表に示す量添加し、更に中性飛灰重量の30重量%の水を加えて、常温で10分間混練した。実施例17〜20の処理後の飛灰と、比較例3の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表8に示す。
鉛:7,500mg/kg、カドミウム:350mg/kg、全クロム:55mg/kg、水銀:3.5mg/kg、ヒ素:16mg/kgを含むゴミ焼却場の中性飛灰(溶出水のpH=6.7)100g当たりに対して、表7に示す薬剤を同表に示す量添加し、更に中性飛灰重量の30重量%の水を加えて、常温で10分間混練した。実施例17〜20の処理後の飛灰と、比較例3の未処理飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表8に示す。
実施例21〜27、比較例4
カルシウム8.6重量%、マグネシウム1.8重量%、ホウ素450mg/kg、セレン2.4mg/kg、フッ素35mg/kg、砒素9.0mg/kgを含有する火力発電所の石炭飛灰(石炭飛灰からの溶出水のpH=10.8)100g当たりに対し、表9に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例4は薬剤無添加)、更に石炭飛灰重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例21〜27の処理後の石炭飛灰及び、比較例4の未処理石炭飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表10に示す。
カルシウム8.6重量%、マグネシウム1.8重量%、ホウ素450mg/kg、セレン2.4mg/kg、フッ素35mg/kg、砒素9.0mg/kgを含有する火力発電所の石炭飛灰(石炭飛灰からの溶出水のpH=10.8)100g当たりに対し、表9に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例4は薬剤無添加)、更に石炭飛灰重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例21〜27の処理後の石炭飛灰及び、比較例4の未処理石炭飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表10に示す。
実施例28〜32、比較例5
カドミウム:2mg/kg以下、クロム(VI):2mg/kg以下、セレン:2mg/kg以下、鉛:2mg/kg以下、砒素:6.9mg/kg、フッ素:40mg/kg以下、ホウ素:41mg/kgを含む火力発電所の石炭飛灰(石炭飛灰からの溶出水のpH=10.5)100g当たりに対し、表11に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例5は薬剤無添加)、更に石炭飛灰重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例28〜32の処理後の石炭飛灰及び、比較例5の未処理石炭飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表12に示す。
カドミウム:2mg/kg以下、クロム(VI):2mg/kg以下、セレン:2mg/kg以下、鉛:2mg/kg以下、砒素:6.9mg/kg、フッ素:40mg/kg以下、ホウ素:41mg/kgを含む火力発電所の石炭飛灰(石炭飛灰からの溶出水のpH=10.5)100g当たりに対し、表11に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例5は薬剤無添加)、更に石炭飛灰重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例28〜32の処理後の石炭飛灰及び、比較例5の未処理石炭飛灰からの金属溶出試験を環境庁告示13号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表12に示す。
実施例33〜36、比較例6
鉛:102mg/kg、ホウ素:270mg/kgを含む化学工場跡地の汚染土壌(土壌からの溶出水のpH=8.0)200g当たりに対し、表13に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例6は薬剤無添加)、更に汚染土壌重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例33〜36の処理後の汚染土壌及び、比較例6の未処理汚染土壌からの金属溶出試験を環境庁告示第46号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表14に示す。
鉛:102mg/kg、ホウ素:270mg/kgを含む化学工場跡地の汚染土壌(土壌からの溶出水のpH=8.0)200g当たりに対し、表13に示す薬剤を同表に示す量添加し(比較例6は薬剤無添加)、更に汚染土壌重量の20重量%の水を加えて25℃で10分間混練した。実施例33〜36の処理後の汚染土壌及び、比較例6の未処理汚染土壌からの金属溶出試験を環境庁告示第46号試験法に準じて行った。溶出金属濃度(mg/l)を原子吸光分析法により測定した結果を表14に示す。
Claims (4)
- 重金属類を含む固体廃棄物に、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加し、廃棄物中の重金属類を不溶性として固定化することを特徴とする固体廃棄物中の重金属類の処理方法。
- 廃棄物中の燐酸塩類を含む燐酸系肥料の割合が1〜30重量%となるように、燐酸塩類を含む燐酸系肥料を添加する請求項1記載の固体廃棄物中の重金属類の処理方法。
- 固体廃棄物に燐酸塩類を含む燐酸系肥料と共に、更にカルシウム化合物類、硫酸類、珪酸類よりなる群から選ばれた少なくとも1種を添加する請求項1又は2記載の固体廃棄物中の重金属類の処理方法。
- 燐酸塩類を含む燐酸系肥料が、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、苦土過燐酸石灰、苦土重過燐酸石灰、苦土重焼燐、苦土なし重焼燐(重焼燐2号)、熔成燐肥よりなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体廃棄物中の重金属類の処理方法。
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JP2007326719A JP2008284537A (ja) | 2007-04-17 | 2007-12-19 | 固体廃棄物中の重金属類の処理方法 |
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- 2007-12-19 JP JP2007326719A patent/JP2008284537A/ja active Pending
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