JP2004267561A - 家庭介護用バスシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴槽側壁の一面(11)が開閉する浴槽(1)と、前記浴槽(1)に隣接して配置でき、ベッド面(21)の高さが前記浴槽底部(10)と略同高であるベッド(2)と、前記ベッド(2)からリクライニングした姿勢を保持したまま入浴者を前記浴槽(1)へ移動しうる体移動手段(3)とを有してなるバスシステム。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人の入浴に好適な家庭用バスシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人(以下、本明細書において患者等という)の家庭における介護では、介護者の人手不足等のため、患者等の排便処理および入浴等による身体の清浄を常に快適な状態に維持することは困難である。すなわち、患者等はおむつを着用したまま排泄をする場合が多く、特に介護時間が少ない患者等の場合には汚物がおむつから流出して背中にまで回った状態のまま介護者を待たなければならない。また、シャワー浴やタオル拭等の簡単な身体洗浄が短時間で行われる場合が多く、患者等が自分の意思でゆっくりと入浴することは困難である。
【0003】
家庭で患者等が入浴する場合は家庭の浴室又は簡易型浴槽において行われる。
しかし、家庭の浴室での入浴の場合、患者等は1人で浴室まで行くことができないため、介護者に大きな負担がかかっている。具体的には、患者等を車椅子で浴室まで移送するために床面をバリアフリーにしたり、患者等を浴槽内へ移動させるために天井にクレーンを設置したりする等の大掛かりな家のリフォームが必要でありコストがかかっている。住宅事情等の理由によりそのようなリフォームができない場合には、介護者が患者等を抱きかかえて一緒に入浴する必要がある。近年、医療技術の発達、少子化などの原因により高齢化社会がすすみ、高齢者がより高齢の父母を介護するようになってきており、介護者にとっては体力的に大きな負担である。
また、介護者は、患者等の汚物を拭いてから入浴させる必要があるため二度手間であり、介護者の労力が大きい。さらに、患者等が入浴時に排便する場合もあり、浴室を家族で共用する場合には衛生的に問題がある。
【0004】
一方、簡易型浴槽での入浴は、訪問介護に多く利用されている。簡易型浴槽としては、設営・折畳み、持ち運び、コストの観点から、エアー充填式のビニル製浴槽が広く利用されている。このような簡易型浴槽は、低コストでベッドの近くに設置できるため上述のような介護者の負担が少なく、また、使用時のみ設置し使用後は片付けることができるため狭い日本住宅に適しているという利点がある。
しかし、排水面で問題があり、浴槽の使用のたびに浴槽が設置された部屋からトイレまで排水管を設置しなければならず煩雑である。また、使用後には排水管を片付ける必要があり、排水管内の排水を室内や廊下に撒き散らさないように注意しなければならないという問題がある。
また、ビニル製浴槽は高強度ではないため、入浴中に浴槽が何らかの原因により破損した場合には周囲が水浸しになってしまうという欠点がある。
【0005】
上記のような介護者の負担を軽減し、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人の簡易な入浴を実現するために様々な考案がなされているが(例えば、特許文献1〜3参照)、いずれも装置が大型でコストが高く一般家庭に導入するのは困難である。
また、特許文献1〜3等に記載された浴槽は、いずれも患者等が寝た状態のまま浴槽に移動されるものである。したがって、浴槽は少なくとも患者等の身長以上の長さが必要であり、浴槽をそれよりも小型にするのは発明の構成上、困難であった。
【0006】
一方、重病人や寝たきり老人は、自力で寝返りを打つことも困難であるため、床ずれになりやすいという問題がある。したがって、上記の特許文献1〜3等に記載された浴槽では、入浴時までも患者等が寝た状態を維持するため、床ずれを解消しにくいという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−5125号公報
【特許文献2】
実開平2−126629号公報
【特許文献3】
実開昭64−39087号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人の入浴に好適な家庭用バスシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以前、本発明者は、上記の問題を解決すべく、浴槽側壁の一面が開閉する浴槽と、前記浴槽に隣接して配置され、ベッドの上面が前記浴槽の底部とほぼ同じ高さであるベッドと、前記ベッドから入浴者を前記浴槽へ移動する担架型滑らせシートとを有してなるバスシステムであって、前記浴槽の底部には便器が設けられ、前記の開いた浴槽側壁が前記浴槽と前記ベッドとの渡し板となるバスシステムについて発明し、特許を取得している(特許第3208732号)。この発明のバスシステムではベッドは通常使用されているものを利用することができ、低コストで簡易に患者等の入浴が可能である。
【0010】
本発明者はさらに鋭意検討を重ねた結果、ベッドでリクライニングした姿勢を保持したまま浴室に移動することにより、浴槽を小型化し、かつ、床ずれを解消することができ、しかも、入浴時に患者等は介護者と向かい合うことができるために患者等の快適な入浴が可能となることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)浴槽側壁の一面が開閉する浴槽と、前記浴槽に隣接して配置でき、ベッド面の高さが前記浴槽底部と略同高であるベッドと、前記ベッドからリクライニングした姿勢を保持したまま入浴者を前記浴槽へ移動しうる体移動手段とを有してなることを特徴とするバスシステム、
(2)前記浴槽側壁の一面が外側に開き、前記浴槽の底部とベッド面との架け橋となることを特徴とする(1)項に記載のバスシステム、
(3)前記浴槽の底部に排泄物放出部を設けたことを特徴とする(1)又は(2)項に記載のバスシステム、および
(4)屈曲可能なマット芯材の表面に、少なくとも2つに分割された周回可能な円筒状移送シートが巻かれたことを特徴とする体移動用マット
を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の態様について、添付の図面に基づいて詳細に説明をする。なお、各図の説明において同一の要素には同一の符号を付す。
図1〜3は、それぞれ本発明の家庭介護用バスシステムの好ましい一実施態様の斜視図である。
本発明のバスシステムは浴槽1と、ベッド2と、体移動手段3とを有してなる。
【0012】
浴槽1は、側壁の一面11が開閉可能な状態になっている。浴槽の側壁が開放可能となることにより、患者等を持ち上げて浴槽内に移動させる必要がなく、ベッドと浴槽との間を段差のないノンステップな水平移動で移動させることができ、力の弱い介護者でも入浴の補助を行なうことができる。
開閉手段は、患者等をベッド2から浴槽1内にスライドして移動させるのを妨げるものでなければいかなるものでもよい。例えば、図1に示したように、前記浴槽の開閉側壁11が、前記浴槽の底部10の高さに設けられた軸を中心に回動して開閉する機構のものが好ましい。この態様では、開閉側壁11が浴槽底部10とベッド面21との架け橋となる。ここで、ベッド面とはベッド上面の寝台面をいう。また、図2に示したように、前記浴槽の開閉側壁11が浴槽1の脇に設けられたガイドレール12に沿って上下移動するシャッター型のものも好ましい。さらに、図3に示したように、前記浴槽の開閉側壁11にアーム13を付設し、アーム13の他端14を軸に回動することにより開閉側壁11を開閉し、前記浴槽の開閉側壁11と同一平面で移動するウイングドア型のものも好ましい。なお、図1〜3は、それぞれの対応において浴槽側壁11が開いた状態を示しており、図中の矢印方向に浴槽側壁11が移動して閉じる。
【0013】
浴槽1から入浴水が漏れ出さないように、浴槽1の開閉側壁11と該開閉側壁11に接する浴槽側壁15及び浴槽の底部10との間は防水処理が施される。防水手段は特に限定されないが従来公知の防水手段が用いられ、例えば、浴槽の開閉側壁11に防水パッキンを取り付けてもよいし、開閉側壁11と該開閉側壁11に接する浴槽側壁15及び浴槽の底部10との間にジャバラ上のゴムを取り付けて防水してもよい。また、入浴中に開閉側壁11が開閉しないように、開閉側壁11をロックするためのロック手段が設けられる。
【0014】
浴槽1の材料は特に限定されないが、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)製などが好ましい。
【0015】
浴槽1の大きさは特に限定されないが、従来の患者等が寝たまま入浴するものに対し、本発明はリクライニングした状態で入浴できるため、浴槽の長さを短くすることができる。ここで浴槽の長さとは入浴者の身長方向の長さをいう。また、浴槽の深さは患者等が半身浴することができる程度であれば充分である。
【0016】
また、浴槽側壁の厚さについても特に限定されないが、図1に示したように浴槽の開閉側壁11が、浴槽底部10とベッド面21との架け橋となる場合には、浴槽1とベッド2との間の体移動手段3の移動の妨げにならない程度の厚さが好ましい。また、地面から浴槽底部10までの距離についても特に限定されない。
【0017】
ベッド2は、浴槽1に隣接して配置できるように移動可能であるものであれば、いかなる移動手段を有するものでも構わない。例えば、ベッドの脚にキャスターを取り付けて移動可能にしてもよく、ベッド脚底面にシリコン加工等により滑りやすく加工された摺動シート22を貼りつけて移動可能にしてもよい。摺動シートの具体例としては、カグスベールプロ(商品名、ニチアス株式会社製)等が挙げられる。
また、本発明では患者等がベッド2から浴槽1へ水平移動できるように、ベッド面21が浴槽底部10とほぼ同じ高さであることが必要であるが、ベッド面21が浴槽底部10とほぼ同じ高さに固定されたベッドであっても、ベッド面21の高さを調節できる機能を有するベッドであってもよい。患者等の移動は高い方から低い方へ移動させることが容易であるため、ベッド面21の高さを調節できる機能を有するベッドが好ましい。また、ベッド面21の高さは車椅子の椅子部分とほぼ同じくらいの高さに調節できることが好ましく、これにより寝たきりの患者等以外にも車椅子を使用する患者等も本発明のバスシステムを利用することができる。
ベッド2は汚れても清掃しやすいように防水加工されていることが好ましい。また、患者等の床ずれを防止するために、リクライニング機能を有するベッドが好ましい。
【0018】
体移動手段3は、ベッド2と浴槽1との間における入浴者の移動に用いられる。本発明で用いられる体移動手段3は、入浴者をリクライニングした姿勢を保持したまま移動することが可能である。体移動手段3としては以下のようなマットやトレーを使用することができる。
【0019】
図4は本発明に用いられる体移動用マットの斜視図である。体移動用マット3は、屈曲可能なマット芯材31の表面に、少なくとも2つに分割された周回可能な円筒状移送シート32が巻かれた構造をしている。
従来使用されている体移動用マットは、マットを水平にしてマット上に患者等を寝かせた状態で移動することを前提としている(例えば、特開平7−255791号公報、特開平10−179643号公報、特開2002−17783号公報、特許第3247253号公報等参照)。この従来のマットをリクライニングさせたベッド上で用いて患者等を移動させた場合、マットの折り曲がった部分で円筒状移送シートが縒れてしまって移動不可能になり、マットを折り曲げた状態で使用することはできなかった。本発明で用いられる体移動用マットはこのような問題点を解決したものである。
【0020】
本発明で用いられる体移動用マット3は、屈曲可能なマット芯材31が用いられており、さらに該マット芯材31に巻かれた周回可能な円筒状移送シート32が患者等の上半身部に対応する部分33及び患者等の下半身部に対応する部分34に分割されており、リクライニングした姿勢のまま移動させることが可能になっている。前記の患者等の下半身部に対応する部分34は、さらに患者等の大腿部に対応する部分、患者等の膝下部に対応する部分に分割されていてもよい。
【0021】
また、本発明では体移動手段3としてリクライニングした姿勢を保持できるトレーを使用することもできる(図示せず)。
本発明で用いられるトレーは、患者等の上半身部に対応する部分及び患者等の下半身部に対応する部分に分割されており、リクライニングすることが可能になっている。前記の患者等の下半身部に対応する部分は、さらに患者等の大腿部に対応する部分、患者等の膝下部に対応する部分に分割されていてもよい。
患者等の上半身部に対応する部分と患者等の下半身部に対応する部分との連結部には、リクライニング時の形状を保持するための手段が備えられてもよい。このような手段としては従来公知のものを用いることができる。例えば、別途角度固定器具を用いて固定してもよいし、逆回転防止機能を有するギアを用いてもよく、特開平6−125821号公報等に記載の手段を用いてもよい。なお、トレーの連結部の固定手段を解除すれば、患者等を元の寝た状態にすることができる。
【0022】
体移動手段3は、リクライニング機能付ベッド2上に配置して使用する場合、リクライニング時にベッド面21と同様の形状に変形可能である。また、前記トレーは、リクライニング機能を有しないベッド上でも使用することができ、介護者が患者等の上半身部分のトレーを持ち上げ、トレー連結部の固定手段でトレーを変形した形状で固定することにより、患者等をリクライニングした状態に保持することができる。
【0023】
体移動手段3には、介護者による体移動手段3の引き込み用に手掛け部分35を有することが好ましい。体移動手段がトレーの場合は、トレーの側面に手掛け部分が設けられるのが好ましい。体移動手段が前記マットの場合は、手掛け部分35は円筒状移送シート32上に配置されるが、マジックテープ等により取り外し可能であってもよい。
体移動手段3に乗った患者等の移動については、浴槽1からベッド2への移動は、介護者が該手掛け部分35を持ち引き込むことによって行われる。ベッド2から浴槽1への移動は、該手掛け部分35にロープ4を結び、このロープ4を、ベッドと反対側の浴槽壁付近に設置された手摺型掘込フック51に通して、介護者がロープ4を引っ張ることにより定滑車の要領でベッド2から浴槽1へ患者等を移動させることができる。また、介護者が体移動手段3を押し出すことによって行ってもよい。
【0024】
本発明のバスシステムをリビング等にて使用するために、浴槽1の上部には換気扇52を配置することが好ましい。
【0025】
浴槽1内は、入浴時の入浴者の姿勢をリクライニングした状態に調節できるリクライニング補助器53が設けられていてもよい。また、浴槽1内にシャンプー台54を設けてもよい。また、浴槽1内には、蛇口55、シャワー56等の入浴用器具が適宜配置される。
ベッドと反対側の浴槽壁(開閉側壁11に対向する側壁)付近に手摺型掘込フック51を設置することが好ましい。このフック51にロープ4を通して引っ張ることにより、ロープ4に結び付けられた体移動手段3を浴槽1内に引き込むことができる。
浴槽1の側壁には入浴者の補助用にハンドル57を設けることが好ましい。なお、図1に示すような開閉側壁11がベッドと浴槽との架け橋になる場合には、開閉側壁11に設けられたハンドル57は乗用車のドアのような構造が好ましく、ハンドル57が浴槽ベッド間の水平移動の障害とならないような構造が好ましい。また、開閉側壁11に設けられたハンドル57は開閉側壁11開閉用の取っ手としても利用できるが、別途、開閉側壁11の浴槽外側面に開閉側壁11開閉用の取っ手を備えてもよい。
また、開閉側壁11および該開閉側壁11に対向する側壁に設けられた窪み58に補助板を配置することも好ましく、これを入浴者が踏み板にすることによりリクライニングした入浴者の腰が足方向に滑動するのを防止することができる。
【0026】
浴槽1の底部10のほぼ中央には、排泄物放出部6が設けられていることが好ましく、下水道に配管されることが好ましい。排泄物放出部6を設けることにより、おむつを着用したまま排泄した患者等を洗浄したり、患者等が入浴時に排泄した場合に、汚物を直接下水に流すことができる。図5は浴槽1の側面図であり、図中の破線は浴槽を透過した状態を示す。なお、入浴時には排泄物放出部6に蓋61をして入浴水の排出を止めることが必要である。
浴槽1の底部10に設けられた排泄物放出部6は単なる便器水槽でもよいが、一般的な水洗便器のように便器の内側にある配水管から水流が出て洗い流せるものであってもよい。排泄物放出部6は新幹線車両に使用されている便器のようにステンレス製で軽量なものが好ましい。
浴槽底部10は排泄物放出部6へ向かって若干傾斜していることが好ましい。
【0027】
次に、本発明のバスシステムによる患者等の入浴方法の好ましい一実施態様について図1を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、ベッド2上に寝ている患者等の位置を調節して、患者等とベッド2との間に体移動手段3を配置する。次いで、ベッド2を浴槽1に隣接するように移動する。この際、必要によりベッド面21と浴槽底部10との高さを調節する。患者等を浴槽1内へ移動させる観点から、ベッド面21の方が浴槽底部10よりも若干高い位置にあることが好ましい。
【0028】
次に、浴槽1内に水が残っていないことを確認した後、排泄物放出部の蓋61を取り外し、浴槽の開閉側壁11をベッド面21上に倒して浴槽1を開放し、ベッド2と浴槽1との架け橋とする。ベッドをリクライニングさせて患者等の上体を起こす。なお、この際体移動手段3として体移動用マットではなくトレーを用いることにより、リクライニング機能を有しないベッドでも患者等をリクライニングさせることができる。なお、ベッド2の背もたれ部分の傾きと浴槽1の背もたれ部分の傾きとが同じ角度になるようにリクライニング姿勢を調整することが必要であるが、ベッドをリクライニングさせた後にベッド2と体移動手段3との間にくさび形の調節材を用いて調整してもよく、また、浴槽1のリクライニング補助器53を用いて調整してもよい。
【0029】
体移動手段3の手掛け部分35にロープ4を結びつけ、このロープ4を、ベッドと反対側の浴槽壁付近に設置された手摺型掘込フック51に通して、介護者がロープ4を引っ張り、患者等が乗った体移動手段3を浴槽1内に移動させる。移動後体移動手段3を取り外し、浴槽の開閉側壁11を閉め入浴中に開かないようにロックする。
【0030】
浴槽1内で患者等の衣類を脱がせ、シャワーで患者等の身体を洗浄する。シャワー浴終了後、排泄物放出部の蓋61を取り付け、蛇口からお湯を出し、患者等を入浴させる。
【0031】
入浴が終了したら、排泄物放出部の蓋61を取り外して排水する。入浴中に患者等が排便した場合でも汚水を下水道に排出することができる。排水後シャワーで再度洗浄した後、患者等の体をよく拭く。
【0032】
浴槽1内に水が残っていないことを確認した後、浴槽の開閉側壁11をベッド面21上に倒して浴槽1を開放してベッド2と浴槽1との架け橋とする。浴槽1内で体移動手段3を配置して患者等を体移動手段3上に乗せ、体移動手段3の手掛け部分35を持って患者等が乗った体移動手段3を引っ張り、浴槽1からベッドへ移動させる。体移動手段3としてトレーを用いた場合は、この後トレー連結部の固定手段を解除し、患者等を元の寝た状態にすることができる。
【0033】
本発明のバスシステムは、布おむつ等の汚物のついた衣類の洗い場に利用することもできる。このため下水道に配管されることが好ましい。
【0034】
本発明のバスシステムの周壁には窓のない壁を配置することもでき、本発明のバスシステムは省スペースであるため押入れ内に設置することもできる。
また、本発明のバスシステムの周壁には、外から見えないように曇りガラスやスモークシールを貼ったガラスを配置してもよい。特に、患者等の精神的苦痛を開放するために、紫外線カットガラスやスモークシールを貼ったガラスを配置して、外からは内部を見えないようにしつつ、内部からは外の景色を眺めることができるようにするのが好ましい。
また、本発明のバスシステムの周壁に不使用時や来客時の目隠しに扉を配置してもよい。扉は転倒防止柵としても利用することができる。
本発明のバスシステムによれば、患者等のプライバシーを保護しつつ、入浴しながら周囲の人々と会話することが可能となる。
【0035】
本発明のバスシステムは、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人のみならず、車椅子や松葉杖を利用する人も使用することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明のバスシステムは、重病人や寝たきり老人等の自立歩行が困難な人の入浴に好適である。すなわち、女性や子供のような力の弱い者でも患者等の入浴の介護をすることができ介護者の体力的負担を軽減することができ、かつ、低コストで据え置き型のバスシステムを設置することができるため、従来の簡易型浴槽の設置・後片付け等の問題を解消し介護者の負担を軽減することができる。
【0037】
また、本発明のバスシステムは、リクライニングした姿勢を保持したまま浴室に移動することにより、浴槽を小型化し、かつ、床ずれを解消することができる。しかも、本発明のバスシステムは省スペースであるためリビング等に設置することもでき、リクライニングした状態で入浴することができるので、患者等は介護者や家族と向かい合いながら入浴することができるため安心感があり、会話もはずみ、患者等および介護者双方の精神的負担も軽減することができる。
【0038】
さらに、本発明のバスシステムは、排泄物放出部(便器)を配置することで患者等の汚物を拭ってから入浴させる必要がなくなり、排泄後の身体洗浄においても介護者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の家庭介護用バスシステムの好ましい一実施態様の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の家庭介護用バスシステムの別の好ましい一実施態様の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の家庭介護用バスシステムの別の好ましい一実施態様の斜視図である。
【図4】図4は本発明に用いられる体移動用マットの斜視図である。
【図5】図5は、浴槽の側面図である。
【符号の説明】
1 浴槽
10 浴槽の底部
11 浴槽の開閉側壁
2 ベッド
21 ベッド面
3 体移動手段
31 マット芯材
32 円筒状移送シート
33 人体上半身部に対応する部分
34 人体下半身部に対応する部分
35 手掛け部分
4 ロープ
51 手摺型掘込フック
52 換気扇
54 シャンプー台
6 排泄物放出部
61 排泄物放出部の蓋
Claims (4)
- 浴槽側壁の一面が開閉する浴槽と、前記浴槽に隣接して配置でき、ベッド面の高さが前記浴槽底部と略同高であるベッドと、前記ベッドからリクライニングした姿勢を保持したまま入浴者を前記浴槽へ移動しうる体移動手段とを有してなることを特徴とするバスシステム。
- 前記浴槽側壁の一面が外側に開き、前記浴槽の底部とベッド面との架け橋となることを特徴とする請求項1記載のバスシステム。
- 前記浴槽の底部に排泄物放出部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバスシステム。
- 屈曲可能なマット芯材の表面に、少なくとも2つに分割された周回可能な円筒状移送シートが巻かれたことを特徴とする体移動用マット。
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