JP2004265863A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リチウムイオン二次電池用の正極活物質として、化学式Lia(Co1-x-yMgxAly)bMzOc (式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、およびzは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、および1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いる。
【選択図】なし
Description
しかしながら、Coの一部を少量のMgと微量のAlで置換したLiCoO2は、高温保存時にMgが溶出することにより保存特性が低下したり、多量のCOやCO2等のガスが発生するなどの欠点を有する。
前記結着剤が、平均分子量150000〜350000のポリフッ化ビニリデンであることが好ましい。
aが1.05を超えると、Li2OやLi2CO3などが生成し、これが分解して、O2やCO2などのガスを発生する。
cが1.8未満では、酸素欠損型の結晶構造になり、結晶構造の安定化が不充分となり、サイクル特性が低下する。一方、cが2.1を超えるとO2ガスが発生する。
前記正極合剤には、上述した正極活物質と、従来より用いられている導電材、結着剤、および分散媒などとを混合したものが用いられる。
前記結着剤には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと表す)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと表す)が好ましく、特にPVdFがより好ましい。
前記分散媒には、水系分散媒やN−メチル−2−ピロリドンなどの有機系分散媒を用いることができる。
前記負極合剤には、負極活物質、結着剤、および分散媒などを混合したものが用いられる。また、結着剤や分散媒には、正極と同様のものを用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
以下の方法により図1に示す角型リチウムイオン二次電池を作製した。図1は、本発明の角型リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
(1)正極活物質の調製
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を、ビュレットを用いて反応槽に連続供給した。常温でこの水溶液を滴下しながら攪拌した後、NaOHで中和し、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。なお、材料の調製には、小数点以下4桁の精度を持つ電子天秤を用いた。
上記で得られた正極活物質を100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを1.5重量部と、さらに結着剤として平均分子量300000のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を2重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン溶液中に加え、撹拌・混合し、ペースト状の正極合剤を得た。この正極合剤を、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、圧延し、これを所定寸法に裁断し、正極とした。
負極活物質として平均粒径20μmの燐片状黒鉛を100重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を樹脂成分で1重量部と、結着剤としてスチレン−ブタジエンゴムを2重量部とを加え、撹拌・混合し、ペースト状の負極合剤を得た。負極合剤を厚さ10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、圧延し、これを所定寸法に裁断し、負極とした。
上記で得られた正極と負極とを、厚さ20μmの微多孔性のポリエチレンからなるセパレータを介して扁平な渦巻状に捲回し、電極群1を得た。そして、正極と負極に、それぞれ正極リード2および負極リード3の端部を溶接した。電極群1の上部にポリエチレン樹脂製の絶縁リング(図示しない)を装着した後、アルミニウム製の電池ケース4内に収納した。正極リード2の他端をアルミニウム製の封口板5の周縁部にスポット溶接した。負極リード3の他端を封口板5の中央部にあるニッケル製の負極端子6の下部にスポット溶接した。電池ケース4の開口端部と封口板5とをレーザー溶接した後、所定量の非水電解質を注入口より電池ケース4内に注入した。なお、非水電解質は、体積比3:5:2のエチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジエチルカーボネートとからなる混合溶媒に、0.9mol/Lの濃度でLiPF6を溶解させることにより得られた。そして、注入口をアルミニウム製の封栓7で塞ぎ、レーザーで封栓7を封口板5に溶接し、図1に示す構造の角形リチウムイオン二次電池(以下、電池と表す)1Aを作製した。なお、この電池の設計容量は680mAhであり、電池のサイズは、厚さ5.2mm、幅34mm、および高さ36mmとした。
0.992mol/Lの硫酸コバルトと、0.005mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.992Mg0.005Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。そして、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.992:0.005:0.003:0.001となるように、すなわち、得られる正極活物質の組成がLi(Co0.992Mg0.005Al0.003Na0.001)O2となるように、この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池2Aを作製した。
0.847mol/Lの硫酸コバルトと、0.150mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.847Mg0.15Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.847:0.15:0.003:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.847Mg0.15Al0.003Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池3Aを作製した。
0.9499mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.0001mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9499Mg0.05Al0.0001(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9499:0.05:0.0001:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9499Mg0.05Al0.0001Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池4Aを作製した。
0.9495mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.0005mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9495Mg0.05Al0.0005(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9495:0.05:0.0005:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9495Mg0.05Al0.0005Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池5Aを作製した。
0.945mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.005mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.945Mg0.05Al0.005(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.945:0.05:0.005:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.945Mg0.05Al0.005Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池6Aを作製した。
0.94mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.01mol/Lの硫酸アルミニウム(純度
99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.94Mg0.05Al0.01(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.94:0.05:0.01:0.001となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.94Mg0.05Al0.01Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池7Aを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムをLi、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0002となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0002O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池8Aを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.008となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.008O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池9Aを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.9447:0.05:0.003:0.0002となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003K0.0002O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池10Aを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.008となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003K0.008O2となるように混合したこと以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池11Aを作製した。
正極の結着剤として平均分子量が150000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池12Aを作製した。
正極の結着剤として平均分子量が100000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池13Aを作製した。
正極の結着剤として平均分子量が400000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池14Aを作製した。
0.987mol/Lの硫酸コバルトと、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.997Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Al、およびNaのモル比が1:0.997:0.003:0.001となるように、すなわち、得られる正極活物質の組成が
LiCo0.997Al0.003Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池1Bを作製した。
0.797mol/Lの硫酸コバルトと、0.2mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.797Mg0.2Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.797:0.2:0.003:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.797Mg0.2Al0.003Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池2Bを作製した。
0.95mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、およびNaのモル比が1:0.95:0.05:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.95Mg0.05Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池3Bを作製した。
0.9mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.05mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9Mg0.05Al0.05(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9:0.05:0.05:0.001になるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9Mg0.05Al0.05Na0.001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池4Bを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムとを、Li、Co、Mg、およびAlのモル比が1:0.947:0.05:0.003となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池5Bを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池6Bを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.01となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.01O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は実施例1と同様の方法により電池7Bを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体として、Co0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、純度99.999%炭酸リチウムと、0.0001mol/Lの濃度の炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0001になるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003K0.0001O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により、粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池8Bを作製した。
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.01となるように、すなわち得られる正極活物質の組成が
LiCo0.947Mg0.05Al0.003K0.01O2となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池9Bを作製した。
実施例1〜14および比較例1〜9において、材料を添加した量より求めた化学式と、分析値より求めた化学式とを表1および2に示す。
実施例1〜14および比較例1〜9の各電池について以下に示す評価を行った。
(イ)充放電サイクル特性
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電するサイクルを繰り返した。そして、初期容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を容量維持率Aとした。
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの定電流放電するサイクルを2回繰り返し、2サイクル目の放電容量を調べた。
その後、充電状態の電池を85℃で3日間保存した。そして、保存後の電池を再び同じ条件で充放電を2サイクル行った。そして、保存前の2サイクル目の放電容量に対する保存後の2サイクル目の放電容量の割合を容量維持率Bとした。
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流136mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電し、この時の放電容量を調べた。その後、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流1360mAおよび放電終止電圧2.75Vの条件で定電流放電した。そして、この時の放電容量を調べた。放電電流136mAで放電した時の放電容量に対する放電電流
1360mAで放電した時の放電容量の割合を初期レート特性として評価した。
充電状態の4.2Vの電池の厚さを測定した。その後、60℃で20日間保存した後、室温で5時間以上静置した電池の厚さを測定した。そして、保存前後の電池の厚さの変化を求めた。
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電した。この時の放電容量を正極活物質の重量で割った値を正極利用率とした。
上記の評価結果を表3および4に示す。
実施例1、2および3の電池1A、2Aおよび3Aの場合と、比較例1および2の電池1Bおよび2Bの場合とを比較すると、マグネシウムを添加しない電池1B以外では、良好なサイクル特性が得られることがわかった。しかし、マグネシウムの添加量が過多の電池2Bでは、正極の利用率が低下し、高温保存後の電池厚さ変化も1mmを超えた。したがって、リチウム含有複合酸化物LiCoO2におけるCoの一部をマグネシウムで置換する場合のマグネシウムの含有量は0.005〜0.15mol%が最適であることがわかった。
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 負極端子
7 封栓
Claims (2)
- 化学式Lia(Co1-x-yMgxAly)bMzOc (式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、およびzは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、および1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質と導電材と結着剤とを含む正極、負極および非水電解質を具備することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 前記結着剤が、平均分子量150000〜350000のポリフッ化ビニリデンである請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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