JP2004265863A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温保存特性および安全性に優れたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池用の正極活物質として、化学式Lia(Co1-x-yMgxAlybzc (式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、およびzは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、および1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、特に、正極の改良に関する。
現在、リチウムイオン二次電池の正極活物質には、主にコバルト酸リチウム(LiCoO2)系のリチウム含有複合酸化物が用いられている。LiCoO2は、容量、安全性などの諸特性において限界があるため、コバルト(Co)の一部を他の元素で置換することにより、特性の向上が図られている。
例えば、特許文献1では、LiCoO2のCoの一部をマグネシウム(Mg)で置換することにより、サイクル特性を向上させることが提案されている。また、特許文献2では、LiCoO2の一部をアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、および鉄(Fe)からなる群より選択される少なくとも一種と、Mgおよびカルシウム(Ca)からなる群より選択される少なくとも一種の両方とで置換することにより、電池容量を向上させ、かつ過充電時の電池温度の上昇を抑制させることが提案されている。
また、特許文献3では、純度の高い原料を用いて、製造時に混入する不純物である鉄(Fe)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)、シリコン(Si)、およびニッケル(Ni)の濃度を、それぞれ0.03%、0.005%、0.1%、0.1%、および0.15%以下にすることにより、初期容量の低下を抑制させることが提案されている。
これに対して、本発明者らは、電池容量、および内部短絡や過充電時に対する電池の安全性を向上させるために、Coの一部を少量のMgと微量のAlで置換する検討を進めていた。
しかしながら、Coの一部を少量のMgと微量のAlで置換したLiCoO2は、高温保存時にMgが溶出することにより保存特性が低下したり、多量のCOやCO2等のガスが発生するなどの欠点を有する。
本発明者らは鋭意検討の結果、製造過程における原材料などに含まれる不純物の中で、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)が、微量でも上述した問題に対して大きな影響を及ぼすことを突きとめた。ナトリウムおよびカリウムがある程度結晶構造内においてCoサイトに置換すると、結晶構造が安定化し、高温保存後のMgの溶出が抑制される。しかし、その量が多くなりすぎると、ナトリウムやカリウムの酸化物が生成し、O2ガスが発生してしまう。
純度の高い原材料を用いることにより、不純物の量を低減することが可能である。ナトリウムやカリウムの含有量には、上記のような理由により、好適な範囲が存在する。しかし、不純物として含まれる範囲の量では結晶構造は安定化しない。
特開平6−168722号公報 特開2002−203553号公報 特開2000−123834号公報
そこで、本発明は上記従来の問題を解決するものであり、LiCoO2におけるCoの一部を少量のMgと微量のAlで置換した正極活物質において、高純度の原料を用い、かつ所定量のナトリウム塩、およびカリウム塩を別途添加し、正極活物質中のナトリウムおよびカリウムの含有量を最適化することにより、高温保存特性および安全性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、化学式Lia(Co1-x-yMgxAlybzc (式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、およびzは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、および1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質と導電材と結着剤とを含む正極、負極および非水電解質を具備することを特徴とする。
前記結着剤が、平均分子量150000〜350000のポリフッ化ビニリデンであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池では、正極活物質であるリチウム含有複合酸化物における結晶構造を構成するCo原子の一部をNaやK原子に置換することにより、結晶構造が安定化し、高温保存時に起こるMgの電解質中への溶出を抑制し、保存特性の低下を抑制することができる。本発明では、主原料に高純度のものを用いることにより、NaやKの添加量を制御することが可能になり、的確に上述の効果を得ることができる。
本発明では、リチウムイオン二次電池の正極活物質として、化学式Lia(Co1-x-yMgxAlybzc(式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、zは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いる点に特徴を有する。
このように、リチウム含有複合酸化物の結晶構造内にNaおよびKが好適な割合で存在することにより、高温保存時の電解液中へのMgの溶出が抑制され、保存特性の低下が抑制される。
aが1.05を超えると、Li2OやLi2CO3などが生成し、これが分解して、O2やCO2などのガスを発生する。
bが0.85未満では、結晶構造の安定化が不充分となり、サイクル特性が低下する。また、bが1.1を超えると、CoCO3が生成し、CO2などのガスが発生する。
cが1.8未満では、酸素欠損型の結晶構造になり、結晶構造の安定化が不充分となり、サイクル特性が低下する。一方、cが2.1を超えるとO2ガスが発生する。
マグネシウム量を示すxが0.005未満の場合、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の安定化が不十分となる。従って、充放電を繰り返すと、内部抵抗が増大し、サイクル特性が大幅に低下する。一方、xが0.15を超えると、高温保存時に、MgOの生成に伴いO2ガスが多量に発生することにより、電池が膨らみ、充放電サイクル特性が低下する。
アルミニウム量を示すyが0.0001未満の場合、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の安定化が不充分となる。従って、充放電を繰り返すと、内部抵抗が増大し、サイクル特性が大幅に低下する。一方、yが0.01を超えると、活物質の充電容量や放電容量が低下したり、活物質粒子のタップ密度が低下して電極の容量が低下する。
ナトリウムやカリウム量を示すzが0.0002未満の場合、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の安定化が不充分となる。従って、高温下で電池を保存するとMgが電解液中に溶出し、容量が低下する。一方、zが0.008を超えると、ナトリウムやカリウムの酸化物の生成により、O2ガスの発生量が多くなるため、電池が膨らみ、保存前後における電池の厚さ変化が大きくなる。
正極活物質は、例えば、リチウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、コバルト塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩を酸化雰囲気下で高温で焼成することにより得られる。リチウム塩には、高純度の公知の塩が使用可能であり、特に高純度の炭酸リチウムを用いるのが好ましい。マグネシウム塩には、高純度の公知の塩が使用可能であり、特に高純度の硫酸マグネシウムを用いるのが好ましい。コバルト塩には、公知の塩が使用可能であり、特に硫酸コバルトを用いるのが好ましい。また、不純物としてあまりアルカリ金属を含まないので、コバルト塩としては通常の工業レベルの純度のものを用いればよい。ナトリウム塩およびカリウム塩としては、公知の塩が使用可能であり、特に炭酸塩を用いるのが好ましい。
正極は、例えば、Niなどの金属箔等からなる集電体上に正極合剤を塗布した後、圧延し、乾燥することにより得られる。
前記正極合剤には、上述した正極活物質と、従来より用いられている導電材、結着剤、および分散媒などとを混合したものが用いられる。
前記導電材には、カーボンブラック、黒鉛粉末、および炭素繊維などが望ましい。
前記結着剤には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと表す)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと表す)が好ましく、特にPVdFがより好ましい。
さらに、平均分子量が150000〜350000であるPVdFが特に好ましい。分子量150000以上のPVdFを用いた場合には、正極合剤の結着強度が向上し、微量でも十分な強度が得られる。そして、絶縁性を有する結着剤の量が少なくて済むことから、内部抵抗が低減され、電池の負荷特性が向上し、サイクル特性が向上するという相乗効果が得られる。しかし、PVdFの平均分子量が350000を超えると、負荷特性が低下し、サイクル特性が低下しやすくなる。
前記分散媒には、水系分散媒やN−メチル−2−ピロリドンなどの有機系分散媒を用いることができる。
前記負極は、例えば、Cuなどの金属箔等からなる集電体上に負極合剤を塗布した後、圧延し、乾燥することにより得られる。
前記負極合剤には、負極活物質、結着剤、および分散媒などを混合したものが用いられる。また、結着剤や分散媒には、正極と同様のものを用いることができる。
前記負極活物質としては、炭素材料が好ましい。この炭素材料としては、黒鉛の核粒子と、前記核粒子表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素とからなる複合材料が好ましい。この材料を用いると、正極からマグネシウムが溶出しても、負極特性が劣化するのを防ぐことができる。なぜなら、表面の非晶質炭素中にマグネシウムが取り込まれ、黒鉛の層間にマグネシウムが挿入されるからである。このため、高温保存後の容量低下がさらに改善される。
正極や負極がシート状の場合、合剤層は集電体の両面に設けることが好ましく、一方の面の合剤層が複数層から構成されていてもよい。合剤層の他に、活物質を含まない保護層、集電体上に下塗り層、または合剤層間に中間層等を有していてもよい。
非水電解質には、リチウム塩を含む非水溶媒が用いられる。非水溶媒には、例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類などの従来よりリチウム二次電池で用いられているものを用いればよい。また、非水電解質に、さらに従来より公知の添加剤を添加してもよい。
リチウム塩には、LiBF4 、LiPF6などを単独またはこれらを混合したものを用いればよい。その中でも、LiPF6を単独で用いるのが好ましい。非水電解質中に含まれるリチウム塩の濃度は、特に限定されないが、0.2〜2mol/Lが好ましく、0.5〜1.5mol/Lがより好ましい。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
《実施例1》
以下の方法により図1に示す角型リチウムイオン二次電池を作製した。図1は、本発明の角型リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
(1)正極活物質の調製
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を、ビュレットを用いて反応槽に連続供給した。常温でこの水溶液を滴下しながら攪拌した後、NaOHで中和し、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。なお、材料の調製には、小数点以下4桁の精度を持つ電子天秤を用いた。
この前駆体と、炭酸リチウム(純度99.999%)と、炭酸ナトリウム(純度99.999%)とを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0012となるように、混合した。そして、この混合物を600℃で10時間仮焼成した後、粉砕した。次いで、粉砕された焼成物を900℃で再度10時間焼成した後、粉砕、分級し、粉末状の正極活物質を得た。ここで、正極活物質中における各元素の含有量について、微量添加した分と不純物として含まれる分との総量を正確に知るために、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定した。その結果、Mgは12500ppm、Alは840ppm、Naは240ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0012と特定した。
(2)正極の作製
上記で得られた正極活物質を100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを1.5重量部と、さらに結着剤として平均分子量300000のポリフッ化ビニリデン(PVdF)を2重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン溶液中に加え、撹拌・混合し、ペースト状の正極合剤を得た。この正極合剤を、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、圧延し、これを所定寸法に裁断し、正極とした。
(3)負極の作製
負極活物質として平均粒径20μmの燐片状黒鉛を100重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を樹脂成分で1重量部と、結着剤としてスチレン−ブタジエンゴムを2重量部とを加え、撹拌・混合し、ペースト状の負極合剤を得た。負極合剤を厚さ10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥した後、圧延し、これを所定寸法に裁断し、負極とした。
(4)電池の組立
上記で得られた正極と負極とを、厚さ20μmの微多孔性のポリエチレンからなるセパレータを介して扁平な渦巻状に捲回し、電極群1を得た。そして、正極と負極に、それぞれ正極リード2および負極リード3の端部を溶接した。電極群1の上部にポリエチレン樹脂製の絶縁リング(図示しない)を装着した後、アルミニウム製の電池ケース4内に収納した。正極リード2の他端をアルミニウム製の封口板5の周縁部にスポット溶接した。負極リード3の他端を封口板5の中央部にあるニッケル製の負極端子6の下部にスポット溶接した。電池ケース4の開口端部と封口板5とをレーザー溶接した後、所定量の非水電解質を注入口より電池ケース4内に注入した。なお、非水電解質は、体積比3:5:2のエチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、ジエチルカーボネートとからなる混合溶媒に、0.9mol/Lの濃度でLiPF6を溶解させることにより得られた。そして、注入口をアルミニウム製の封栓7で塞ぎ、レーザーで封栓7を封口板5に溶接し、図1に示す構造の角形リチウムイオン二次電池(以下、電池と表す)1Aを作製した。なお、この電池の設計容量は680mAhであり、電池のサイズは、厚さ5.2mm、幅34mm、および高さ36mmとした。
《実施例2》
0.992mol/Lの硫酸コバルトと、0.005mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.992Mg0.005Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。そして、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.992:0.005:0.003:0.001となるように、すなわち、得られる正極活物質の組成がLi(Co0.992Mg0.005Al0.003Na0.001)O2となるように、この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは1240ppm、Alは838ppm、Naは240ppm、Kは5ppmであった。この分析値から、中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.992Mg0.05Al0.003Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池2Aを作製した。
《実施例3》
0.847mol/Lの硫酸コバルトと、0.150mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.847Mg0.15Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.847:0.15:0.003:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.847Mg0.15Al0.003Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは37500ppm、Alは841ppm、Naは240ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.8471Mg0.1499Al0.003Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池3Aを作製した。
《実施例4》
0.9499mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.0001mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9499Mg0.05Al0.0001(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9499:0.05:0.0001:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9499Mg0.05Al0.0001Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12600ppm、Alは14ppm、Naは235ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.9495Mg0.0504Al0.0001Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池4Aを作製した。
《実施例5》
0.9495mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.0005mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9495Mg0.05Al0.0005(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9495:0.05:0.0005:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9495Mg0.05Al0.0005Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは142ppm、Naは243ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.9495Mg0.05Al0.0005Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池5Aを作製した。
《実施例6》
0.945mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.005mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.945Mg0.05Al0.005(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.945:0.05:0.005:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.945Mg0.05Al0.005Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各濃度の元素を測定したところ、Mgは12600ppm、Alは1390ppm、Naは245ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.9446Mg0.0504Al0.005Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池6Aを作製した。
《実施例7》
0.94mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.01mol/Lの硫酸アルミニウム(純度
99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.94Mg0.05Al0.01(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.94:0.05:0.01:0.001となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.94Mg0.05Al0.01Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは2800ppm、Naは245ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.94Mg0.05Al0.01Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池7Aを作製した。
《実施例8》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムをLi、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0002となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.00022となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12490ppm、Alは842ppm、Naは48ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.9471Mg0.0499Al0.003Na0.00022と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池8Aを作製した。
《実施例9》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.008となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0082となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12510ppm、Alは840ppm、Naは1900ppm、Kは6ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.0082と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池9Aを作製した。
《実施例10》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.9447:0.05:0.003:0.0002となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.00022となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12520ppm、Alは842ppm、Naは5ppm、Kは80ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.00022と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池10Aを作製した。
《実施例11》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.008となるように、すなわち正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.0082となるように混合したこと以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは842ppm、Naは6ppm、Kは3230ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.0082と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池11Aを作製した。
《実施例12》
正極の結着剤として平均分子量が150000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池12Aを作製した。
《実施例13》
正極の結着剤として平均分子量が100000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池13Aを作製した。
《実施例14》
正極の結着剤として平均分子量が400000であるPVdFを用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池14Aを作製した。
《比較例1》
0.987mol/Lの硫酸コバルトと、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.997Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Al、およびNaのモル比が1:0.997:0.003:0.001となるように、すなわち、得られる正極活物質の組成が
LiCo0.997Al0.003Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは6ppm、Alは842ppm、Naは241ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.997Al0.003Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池1Bを作製した。
《比較例2》
0.797mol/Lの硫酸コバルトと、0.2mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.797Mg0.2Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.797:0.2:0.003:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.797Mg0.2Al0.003Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは50000ppm、Alは841ppm、Naは243ppm、Kは6ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.7972Mg0.1998Al0.003Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池2Bを作製した。
《比較例3》
0.95mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、およびNaのモル比が1:0.95:0.05:0.001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.95Mg0.05Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは4ppm、Naは240ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.95Mg0.05Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池3Bを作製した。
《比較例4》
0.9mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.05mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.9Mg0.05Al0.05(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.9:0.05:0.05:0.001になるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.9Mg0.05Al0.05Na0.0012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12510ppm、Alは13900ppm、Naは244ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.9Mg0.05Al0.05Na0.0012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池4Bを作製した。
《比較例5》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムとを、Li、Co、Mg、およびAlのモル比が1:0.947:0.05:0.003となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.0032となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12510ppm、Alは842ppm、Naは5ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.0032と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池5Bを作製した。
《比較例6》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0001となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.00012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12490ppm、Alは841ppm、Naは24ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.00012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池6Bを作製した。
《比較例7》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸ナトリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびNaのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.01となるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは840ppm、Naは2380ppm、Kは5ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.003Na0.012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は実施例1と同様の方法により電池7Bを作製した。
《比較例8》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体として、Co0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、純度99.999%炭酸リチウムと、0.0001mol/Lの濃度の炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.0001になるように、すなわち得られる正極活物質の組成がLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.00012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により、粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12500ppm、Alは838ppm、Naは5ppm、Kは40ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.00012と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池8Bを作製した。
《比較例9》
0.947mol/Lの硫酸コバルトと、0.05mol/Lの硫酸マグネシウム(純度99.999%)と、0.003mol/Lの硫酸アルミニウム(純度99.999%)とを含む水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、前駆体としてCo0.947Mg0.05Al0.003(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と、炭酸リチウムと、炭酸カリウムとを、Li、Co、Mg、Al、およびKのモル比が1:0.947:0.05:0.003:0.01となるように、すなわち得られる正極活物質の組成が
LiCo0.947Mg0.05Al0.0030.012となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により粉末状の正極活物質を得た。
そして、ICP発光分析法により正極活物質中の各元素の濃度を測定したところ、Mgは12510ppm、Alは839ppm、Naは5ppm、Kは4000ppmであった。この分析値から中心遷移金属の総和が1になるようにCoの値を決定し、正極活物質の組成をLiCo0.947Mg0.05Al0.0030.00992と特定した。
この正極活物質を用いた以外は、実施例1と同様の方法により電池9Bを作製した。
実施例1〜14および比較例1〜9において、材料を添加した量より求めた化学式と、分析値より求めた化学式とを表1および2に示す。
Figure 2004265863
Figure 2004265863
[電池の評価]
実施例1〜14および比較例1〜9の各電池について以下に示す評価を行った。
(イ)充放電サイクル特性
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電するサイクルを繰り返した。そして、初期容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を容量維持率Aとした。
(ロ)高温保存特性
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの定電流放電するサイクルを2回繰り返し、2サイクル目の放電容量を調べた。
その後、充電状態の電池を85℃で3日間保存した。そして、保存後の電池を再び同じ条件で充放電を2サイクル行った。そして、保存前の2サイクル目の放電容量に対する保存後の2サイクル目の放電容量の割合を容量維持率Bとした。
(ハ)初期レート特性
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流136mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電し、この時の放電容量を調べた。その後、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流1360mAおよび放電終止電圧2.75Vの条件で定電流放電した。そして、この時の放電容量を調べた。放電電流136mAで放電した時の放電容量に対する放電電流
1360mAで放電した時の放電容量の割合を初期レート特性として評価した。
(ニ)電池の厚さの変化
充電状態の4.2Vの電池の厚さを測定した。その後、60℃で20日間保存した後、室温で5時間以上静置した電池の厚さを測定した。そして、保存前後の電池の厚さの変化を求めた。
(ホ)正極利用率
20℃環境下で、充電電圧4.20Vおよび最大電流680mAの条件で2時間定電圧充電した後、放電電流680mAおよび終止電圧2.75Vの条件で定電流放電した。この時の放電容量を正極活物質の重量で割った値を正極利用率とした。
上記の評価結果を表3および4に示す。
Figure 2004265863
Figure 2004265863
実施例1の電池1Aでは、比較例1、3、および5の電池1B、3B、および5Bの場合よりも、容量維持率Aが大きく、良好なサイクル特性が得られた。また、容量維持率Bが大きく、電池の厚さの変化が小さく、良好な保存特性が得られた。
実施例1、2および3の電池1A、2Aおよび3Aの場合と、比較例1および2の電池1Bおよび2Bの場合とを比較すると、マグネシウムを添加しない電池1B以外では、良好なサイクル特性が得られることがわかった。しかし、マグネシウムの添加量が過多の電池2Bでは、正極の利用率が低下し、高温保存後の電池厚さ変化も1mmを超えた。したがって、リチウム含有複合酸化物LiCoO2におけるCoの一部をマグネシウムで置換する場合のマグネシウムの含有量は0.005〜0.15mol%が最適であることがわかった。
実施例4〜7の電池4A〜7Aの場合と、比較例3および4の電池3Bおよび4Bの場合とを比較すると、アルミニウムを添加しない電池3B以外では、良好なサイクル特性が得られることがわかった。しかし、アルミニウムの添加量が過多の電池4Bでは、正極の利用率が約10%低下した。したがって、リチウム含有複合酸化物LiCoO2におけるCoの一部をアルミニウムで置換する場合のアルミニウムの含有量は0.0001〜0.01mol%が最適であることがわかった。
実施例8および9の電池8Aおよび9Aの場合と、比較例5、6および7の電池5B、6Bおよび7Bの場合とを比較すると、ナトリウムを添加しない電池5B以外では、良好な保存特性が得られることがわかった。しかし、微量のナトリウムを含む電池6Bでは、保存特性は向上せず、ナトリウムの添加量が過多の比較例7の電池7Bは、正極の利用率が約11%も低下した。したがって、リチウム含有複合酸化物LiCoO2におけるCoの一部をナトリウムで置換する場合のナトリウムの含有量は0.0002〜0.008mol%が最適であることがわかった。
実施例10および11の電池10Aおよび11Aの場合と、比較例5、8、および9の電池5B、8Bおよび9Bの場合とを比較すると、カリウムを添加しない電池5B以外の場合では、良好な保存特性が得られることがわかった。しかし、微量のカリウムを含む電池8Bでは、保存特性は向上せず、カリウムの添加量が過多の電池9Bは、正極の利用率が約12%低下した。したがって、リチウム含有複合酸化物LiCoO2におけるCoの一部をカリウムで置換する場合のカリウムの含有量は0.0002〜0.008mol%が最適であることがわかった。
実施例1および12〜14の電池1Aおよび12A〜14Aを比較すると、正極に含有される結着剤のPVdFの平均分子量が150000〜350000である電池1Aおよび12Aでは、初期レート特性とサイクル特性の両方がさらに向上することがわかった。結着剤の平均分子量が400000である電池14Aでは、初期レート特性が少し低下した。分子量が100000である電池13Aでは、正極の強度が低下し、サイクル特性が少し低下した。
以上のように、本発明によれば、高純度の原料を用い、ナトリウムおよびカリウムの添加量を制御したリチウム含有複合酸化物を正極活物質として用いることで、高温保存特性に優れ、かつ充放電サイクル特性および安全性にも優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明の実施例の角型リチウムイオン二次電池の一部を切り欠いた斜視図である。
符号の説明
1 電極群
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 負極端子
7 封栓

Claims (2)

  1. 化学式Lia(Co1-x-yMgxAlybzc (式中のMは、NaおよびKからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。また、式中のa、b、c、x、y、およびzは、それぞれ0≦a≦1.05、0.005≦x≦0.15、0.0001≦y≦0.01、0.0002≦z≦0.008、0.85≦b≦1.1、および1.8≦c≦2.1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質と導電材と結着剤とを含む正極、負極および非水電解質を具備することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記結着剤が、平均分子量150000〜350000のポリフッ化ビニリデンである請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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