JP2004264331A - マスターバッチ及びそれを用いたトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れ分散性も良好なベース樹脂によるマスターバッチを提供するとともに、光沢があり、色の鮮明な画像が得られ、定着温度幅の広い、安定した光沢の画像と光沢ムラのない画像が得られトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤及びポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)が、式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴とするマスターバッチ(MB)。
4Tg−170≦Sp≦4Tg−110 (1)
90≦Sp≦120 (2)
及び上記マスターバッチを用いたトナー。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも着色剤及びポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)が、式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴とするマスターバッチ(MB)。
4Tg−170≦Sp≦4Tg−110 (1)
90≦Sp≦120 (2)
及び上記マスターバッチを用いたトナー。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマスターバッチ(高着色樹脂)及びそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂を黒色に着色する場合、樹脂あるいは樹脂組成物の粉末、ペレットあるいはペレットと粉末との混合物に粉末あるいは粒状のカーボンブラックを配合し、押出機で溶融混練し、ペレット状に押出して切断してペレット状にする方法が広く行われている。
【0003】
しかしながらこのようなカーボンブラックの粉末をそのまま樹脂又は樹脂組成物に配合する方法では、微粉による作業環境の汚染、ハンドリングの問題、さらに分級あるいは凝集などによるカーボンブラックのブツの発生、後続ロットへの色残り、色混じりの原因などの問題があった。
【0004】
そこで、予め樹脂にカーボンブラックを配合したマスターバッチ(MB)による方法が採用される。カーボンブラックのマスターバッチにはカーボンブラックとのなじみの良いポリスチレン系樹脂が多用されている。
【0005】
一般に使用されるポリスチレン,AS樹脂等によるマスターバッチではマスターバッチの樹脂の耐熱温度を越えた範囲での使用になり、マスターバッチを配合した樹脂組成物の物性低下、耐熱性低下を招き、あるいは成形時のガス発生の増加、モールドデポジット(金型付着物)の増加等をもたらすことになる。したがって、より耐熱性に優れ分散性も良好なベース樹脂によるマスターバッチが望まれている。
【0006】
カーボンブラックは凝集性が高く、一般にストラクチャーと呼ばれる二次凝集を起こしている。このため高濃度のカーボンブラックを含む流体は、チキソトロピーを示す。カーボンブラックを高濃度で含有するマスターバッチも同様な性質を示し、一般に配合樹脂よりも非常に流れ難い。
【0007】
したがって配合樹脂の溶融粘度が低い場合マスターバッチを構成する樹脂の拡散が不十分になり、成形品に「ブツ」が発生する傾向が高い。この傾向は、漆黒性を呈する黒色度の高いグレードのカーボンブラックほど著しい。
【0008】
スチレン系樹脂をマスターバッチ用樹脂として使用することなく、配合用樹脂と同様な高分子量の芳香族ポリカーボネートによるカーボンブラックマスターバッチが知られている(下記特許文献1)。
【0009】
しかしながら、このような高分子量の樹脂によるマスターバッチは、カーボンブラックが比較的黒色度の低い分散の容易なものの場合は比較的良好なマスターバッチを得ることができるが、黒色度が高くストラクチャーが余り発達していない平均粒度の小さい一次粒子のカーボンブラックの場合には、カーボンブラックが均一に分散した良好な着色用マスターバッチを得ることが困難である。
【0010】
一方、非磁性一成分現像法では、一般に、トナーへの帯電性の付与方法が、上記のように薄層化されたトナーと現像スリーブや弾性ブレードなどとの接触によるものにならざるを得ないので、トナーに対する機械的なストレスは極めて大きく、特に連続使用時などにおいては発生する摩擦熱によって、トナーが凝集したり固化したりする場合が少なくない。このような現象は、最終的には現像スリーブや弾性ブレードへのトナー凝集塊の融着を引き起こし、致命的な画像欠陥となって現れる。
【特許文献1】
特開昭61−236854号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するために、例えば微粒子シリカなどの外添剤をトナー粒子表面にまぶしてトナー粒子を非粘着化し、粒子の凝集などを改善する方法も提案されている。しかし、この方法では現像器内での長期間の撹拌により、上記外添剤微粒子のトナー表面からの脱落や飛散、あるいはトナー粒子内への埋没などが起こるなど、初期の特性を維持できないため耐久性の面で不十分であった。結局、上記した問題は、非磁性一成分トナーにおいては主としてトナー用バインダー樹脂の特性の面からの改良が必要と考えられ、従来より抜本的な解決が望まれていた。
【0012】
本発明は上記した現状に鑑み、その課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、耐熱性に優れ分散性も良好なベース樹脂によるマスターバッチを提供するとともに、以下のような性能を有するトナーを提供することにある。
(a)トナーの凝集塊が発生しにくい。
(b)感光体、現像スリーブ、弾性ブレードなどへの融着が少ない。
(c)流動性が良く、トナーの搬送性が高い。
(d)高温高湿環境下でもトナーの凝集・融着が発生しにくい。
(e)定着時のオフセット現象が発生せず、定着強度も高い。
(f)連続使用や長期の使用においても画質の変化が少ない。
その結果として、経時安定性や耐久性などに優れたトナーを提供することに本発明の目的はある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の熱的性質を有するポリエステル樹脂からなるマスターバッチを用いることで上記目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
【0014】
即ち、本発明は、第1に以下の(1)及び(2)のマスターバッチであり、第2に(3)〜(10)のトナーである。
(1)少なくとも着色剤及びポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)が、式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴とするマスターバッチ(MB)。
4Tg−170≦Sp≦4Tg−110 (1)
90≦Sp≦120 (2)
(2)100℃における貯蔵弾性率(G‘)が10E+3以上であり、着色剤/樹脂比が25/75〜55/45である請求項1記載のマスターバッチ(MB)。
(3)請求項(1)、(2)記載のマスターバッチを用いたことを特徴とするトナー。
(4)軟化点が80〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂(a)、2価フェノール(b)、及び2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテル(c)を反応して合成された、主鎖にポリオキシアルキレン部を有し、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4〜10であるポリオール樹脂を含有することを特徴とする請求項(3)記載のトナー。
(5)前記ポリオール樹脂が、該ポリオール樹脂の全量100重量部に対して、前記(c)成分を10〜40重量部含有してなることを特徴とする請求項(4)記載のトナー。
(6)前記(a)成分が、数平均分子量(Mn)の相違する少なくとも2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項(4)又は(5)のいずれかに記載のトナー。
(7)前記ポリオール樹脂が、エポキシ当量20,000以上のものであることを特徴とする請求項(4)〜(6)のいずれかに記載のトナー。
(8)前記ポリオール樹脂が、軟化点が115〜130℃のものであることを特徴とする請求項(4)〜(7)のいずれかに記載のトナー。
(9)前記(c)成分が、ポリオール樹脂中の前記(a)成分100重量部に対して、10〜50重量部であることを特徴とする請求項(4)〜(8)のいずれかに記載のトナー。
(10)トナー中に含有される離型剤が、融点70〜120℃のものであることを特徴とする請求項(4)〜(9)のいずれかに記載のトナー。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を構成する個々の要件について詳細に説明する。
本発明のマスターバッチ(MB)は、少なくとも着色剤、及びポリエステル樹脂を構成成分とする。
【0016】
本発明に係わるマスターバッチに含有される着色剤としては、任意の適当な顔料や染料が使用される。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0017】
特に、カーボンブラックとしては、着色用カーボンブラックとして市販されているものを用いることができる。具体的には、比較的高い黒色度を要求される場合に使用されるカーボンブラックで、平均一次粒径が10〜24μmのものであり、また特にストラクチャーが余り発達していない吸油量が100 ml/100g以下のものも使用し得る。
【0018】
また、カーボンブラックの表面pHは、ややアルカリ性を示すものと、中性から酸性を示すものとがあるが、ポリエステルはアルカリに弱いため中性から酸性のものが使用され、本発明においても表面pH3〜8、なかでもpH4〜7のものが好ましい。
【0019】
本発明においては、このようなカーボンブラックがマスターバッチ中のカーボンブラック濃度として20〜75重量%となる量で配合される。カーボンブラックの濃度が30重量%よりも低い低濃度の場合には、カーボンブラックをベース樹脂であるオリゴマーへ均一に分散させることが困難な場合があるので、この場合は、一旦30%以上の濃度のマスターバッチを調製し、これに所望量べース樹脂を添加、混練して所望の濃度に調整される。またマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度が高くなる程マスターバッチ自体の粘度が高くなり配合用樹脂への均一な拡散性が低くなる傾向があるので、マスターバッチ中のカーボンブラックの濃度があまりに高濃度であるものは好ましくない。よって、マスターバッチ中のカーボンブラック濃度は30〜60重量%となる量であることが好ましい。
【0020】
本発明の着色用マスターバッチは種々の混合方法により得ることができる。一般的には、例えば、マスターバッチのベース樹脂の粉末又はペレットと着色用顔料カーボンブラックをタンブラー又はスーパーミキサー等で混合したのち、押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、加熱溶融混練してペレット化又は粗粒子化する方法が挙げられる。
マスターバッチ化の段階で、着色剤以外の帯電制御剤、その他添加剤を一緒に分散処理してもよい。
【0021】
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸とより成り、必要に応じてこれら多価アルコール及び多塩基酸の少なくとも一方が3価以上の多官能成分(架橋成分)を含有するモノマー組成物を重合することにより得られる。
【0022】
ポリエステル樹脂の合成に用いられる2価のアルコールとしては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができる。これらのモノマーのうち、特にビスフェノールAアルキレンオキシド付加物を主成分モノマーとして用いるのが好ましく、中でも1分子当たりのアルキレンオキシド平均付加数2〜7の付加物が好ましい。
【0023】
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
【0024】
一方、多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、その他の2価の有機酸を挙げることができる。
【0025】
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多塩基酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物、その他を挙げることができる。
【0026】
これらのポリエステル樹脂は、通常の方法にて合成することができる。具体的には、反応温度(170〜250℃)、反応圧力(5mmHg〜常圧)などの条件をモノマーの反応性に応じて決め、所定の物性が得られた時点で反応を終了すればよい。これらのポリエステル樹脂においては、前記した通り、その軟化点(Sp)及びガラス転移温度(Tg)が前記の式(1)及び(2)で表される範囲にあるものが使用される。
【0027】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の軟化点(Sp)は90〜120℃である。また、ガラス転移温度(Tg)の範囲は、例えば軟化点が90℃の時50〜65℃であり、軟化点が130℃の時60〜75℃である。Spが前記範囲より低い場合は定着時のオフセット現象が発生し易く、前記範囲より高い場合は定着エネルギーが増大し、カラートナーでは光沢性や透明性が悪化する傾向にあるので好ましくない。また、Tgが前記範囲より低い場合はトナーの凝集塊や固着を生じ易く、前記範囲より高い場合は熱定着時の定着強度が低下する傾向にあるため好ましくない。式(1)及び(2)で示される領域以外のものの場合、マスターバッチの製造条件とカーボンブラック(CB)濃度(CB濃度は高い方が好ましい)の関係で実用的でないものとなってしまう。Spは主として樹脂の分子量で調節でき、数平均分子量として好ましくは2000〜20000、より好ましくは3000〜12000とするのがよい。
【0028】
ここで、Tgは主として樹脂を構成するモノマー成分を選択することによって調節できる。具体的には、酸成分として芳香族の多塩基酸を主成分とすることによりTgを高めることができる。即ち、前述した多塩基酸のうち、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸など及びこれらの無水物、低級アルキルエステルなどを主成分として用いるのが望ましい。
【0029】
ポリエステル樹脂のSpはJIS K7210及びK6719に記載されるフローテスターを用いて測定する。具体的には、フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用いて約1gの試料を昇温速度3℃/minで加熱しながら、面積1cm2のプランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ10mmのダイから押し出す。これによりプランジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化点としたものである。
【0030】
次に、ポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子製DSC−200を使用、以下の手順で測定する。先ず、試料を粉砕し、重量10±1mgをアルミ製試料容器に計り取り、その上からアルミ蓋をクリンプする。窒素雰囲気中でDSC法によりガラス転移点(Tg)を測定する。分析条件としては、試料を、室温から昇温速度20℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、降温速度50℃/minで0℃まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気(20cc/min)で再度150℃まで昇温速度20℃/minで加熱してDSC測定を行う。Tgは、解析ソフト〔Tgジョブ〕を用いてピーク立ち上がり温度を読み取る。
【0031】
一方、一般にポリエステル樹脂の酸価が高すぎる場合、安定した高帯電量を得ることが難しく、また高温高湿時における帯電安定性も悪化する傾向にあるので、本発明においてはその酸価を50KOHmg/g以下とするのがよく、より好ましくは30KOHmg/g以下となるよう調製するのがよい。酸価を前記範囲内に調節するための方法としては、樹脂合成時に使用するアルコール系及び酸系のモノマーの添加割合を制御する方法の他、例えばエステル交換法により酸モノマー成分を予め低級アルキルエステル化したものを用いて合成する方法や、アミノ基含有グリコールなどの塩基性成分を組成中に添加することにより、残存酸基を中和する方法などが挙げられるが、これらに限らず公知のあらゆる方法を採用できることは言うまでもない。
なお、ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070の方法に準じて測定される。ただし、樹脂が溶媒に溶解しにくい場合はジオキサンなどの良溶媒を用いても差し支えない。
【0032】
また、本発明に係わるトナーの樹脂として、本発明の性能を損なわない範囲内で他の公知の樹脂を混合使用することも可能である。例えば本発明以外のポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、スチレンブタジエン樹脂などが挙げられる。
【0033】
また、本発明では定着性改良のために、軟化点が80〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂をも含有することが必要である。その配合量は結着樹脂100重量部中に5〜30重量部である。軟化点が80℃を下回ったものでは、簡単にデベ凝集(ソフトケーキング)を起こし、150℃を上回るものではコールドオフセット温度を上昇させてしまい好ましくない。配合量についても同様のことが当て嵌まり、配合量が多すぎるとデベ凝集を引き起こし、少ないと定着性改良に効果がない。
【0034】
本発明で用いられるポリオール樹脂とは、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいう。ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は4〜10であることが好ましい。分子量分布を示すMw/Mnが4より小さいと、オイルローラーやオイル塗布フェルトのような簡易オイル塗布タイプの定着装置ではオフセットが生じ易く、実質的に定着温度幅が得られず、また10以上では、十分な画像光沢や発色が得られず、本発明の目的とする効果が達成し得ない。このように、Mw/Mnは4〜10が好ましく、5〜8がさらに好ましい。主鎖にポリオキシアルレン部を有するポリオール樹脂を用いることにより、光沢の発現性が良くなる。なお、該主鎖のポリオキシアルキレン部の同定は、NMR法によって行う。
【0035】
本発明のポリオール樹脂の製造方法としては、以下の手順による。ポリオール樹脂の製造に使用されるエポキシ樹脂(a)としては、例えばビスフェノールAやビスフェノールとエピクロロヒドリン樹脂とを縮合反応させて得られたものが挙げられる。中でも、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いて、ポリオール樹脂を合成すれば適正な分子量分布が得られ、本発明の前記第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像を提供できる。この場合に、低分子量成分の数平均分子量が360〜2,000であり、高分子量成分の数平均分子量が3,000〜10,000であることが好ましい。2価フェノール(b)としてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。
【0036】
また、前記ポリオール樹脂の合成に使用される(c)成分の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下のものが例示される。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物等のアルキレンオキサイドとビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた前記付加物をさらにエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化しても良い。
【0037】
前記(c)成分の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、前記ポリオール樹脂中に前記(a)成分のエポキシ樹脂に対して10〜50重量%入っていれば、本発明の第一の課題である光沢があり、色の鮮明な画像が得られるトナーが得られ、さらに第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像の提供と第三の課題である光沢ムラのない画像が得られる。10重量%より少ないと添加した効果が得られず、50重量%より多いと光沢が出過ぎたり、場合によっては保存性が悪化するなど悪影響を与える傾向がある。前記ポリオール中のグリシジルエーテルの量が少ないとカールが増す等の不具合が生じ、また、多すぎると光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。特に、下記一般式(1)であらわされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【0038】
【化1】
【0039】
n+mが8を越える場合には、デベ凝集性の悪化や保存性の悪化の可能性がある。
前記(a)、(b)及び(c)成分の比率は、各々25〜70重量部、10〜40重量部、及び15〜40重量部が好ましい。
【0040】
さらに、前記ポリオール樹脂は、エポキシ基を有さないものでエポキシ価20,000以上としたものを用いれば感作性や製造時安定性の点で優れる。具体的には、末端のエポキシ基を1価フェノールもしくは過剰の2価フェノール類等とさらに反応させれば良い。前記エポキシ基と反応せしめられる1価フェノール類としては以下のものが例示される。フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。前記2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また該ポリオール樹脂の軟化点は、115〜130℃の範囲のものであれば本発明の第二の目的である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像を提供できる。115℃未満では十分な定着温度幅が得にくく、逆に130℃を越えると十分な画像光沢が得にくいという問題を生ずる傾向にある。
【0041】
さらに、前記ポリオール樹脂が合成されたポリオール樹脂100重量部に対して、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテル(c)を10〜40重量部を合成してなれば、発明の第一の課題である光沢があり色の鮮明な画像が得られるトナーが得られ、さらに第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像、そして第三の課題である光沢ムラのない画像が得られるトナーが得られる。10重量部より少ないとカールが増す等の不具合が生じ、40重量部より多いとデベ凝集を起こし易く保存性の悪化の可能性がある。
結着樹脂100重量部中のポリオール量は、5〜40重量部であることが好ましい。これはデベ凝集性及び高温オフセット性を最適化するためである。
【0042】
本発明に用いられる離型剤としては軟化点は70〜120℃であれば保存性に優れたトナーが得られる。軟化点が70℃よりも低いと保存安定性のみならず、画像表面が荒れ光沢が低くなりやすい。逆に、軟化点が120℃より高くても画像表面が荒れやすく光沢が低くなるなど高品質な画像としては貧弱なものとなりやすいからである。
【0043】
具体的な離型剤としては、低分子量のポリエチレンやポリプロピレン、それらの共重合体等の合成ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバワックス等の植物ワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物ワックス、モンタンワックスやオゾケライト等の鉱物ワックス、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂ワックスなどが挙げられる。ワックスを化学構造の点からみると、炭化水素系のワックス、エステル系のワックス、アミド系のワックス等知られている。この中で、保存性や画像品質、定着温度幅等評価すると、エステル系のワックスが、好適である。
【0044】
離型剤の量はトナー全体に対して1〜6重量部が好適である。6重量部より多いと保存安定性等に問題が生じたり、画像表面が荒れ光沢が低くなったりする。また、1重量部より少なくても画像表面が荒れやすく画像品質として貧弱なものとなりやすい。
【0045】
次に、本発明のトナーに用いられるその他の材料について説明する。
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物である。着色剤の使用量は、一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0046】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0047】
その他の添加物として、例えばコロイド状シリカ、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
【0048】
以上のような材料からなる本発明のトナーは、キャリアと共に2成分系現像剤として使用しても良く、あるいはキャリアを含有させて1成分系現像剤として使用してもよい。ここで使用されるキャリアとしては鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、従来と同様である。なおこれらキャリアは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリ弗化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等である。いずれにしてもトナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
【0049】
本発明において、ポリオール樹脂の軟化点、Tgを測定する方法としては、次の方法を用いる。軟化点を測定する装置として、メトラ社の全自動滴点装置FP5/FP53を使用し、以下の手順で測定する。
▲1▼粉砕試料を溶融つぼに入れて20分放置した後、試料カップ(滴下口径6.35mm)のカップのふちまで試料を注ぎ込み、常温になるまで冷却してカートリッジにセットする。
▲2▼FP−5コントロールユニットに所定の昇温速度(1℃/min)測定開始温度(予期軟化温度の15℃以下に設定する)をセットする。
FP−53加熱炉にカートリッジを装着し、30秒放置後、スタートレバーを押し下げ、測定を開始する(以後の測定は自動的に行なわれる)。
▲3▼測定が終了したら、カートリッジをはずす。
▲4▼軟化点(℃)は、以下のように計算する。
FP−5の結果表示パネルAの値+補正値
得られた結果に上記の補正値を加えれば、デュラン水銀法の結果と対応する。また、結果表示パネルAの値と測定開始温度(パネルB、Cの値)の差が15℃以上でない時は試験をやりなおす。
ポリオール樹脂のエポキシ当量はJIS K7236の4.2に示される指示薬滴定法によった。
【0050】
本発明に係わるトナーは、従来公知の方法を含めて各種製造法で製造可能だが、一般的製造法としては次の例が挙げられる。
▲1▼樹脂、帯電制御物質、着色剤及び必要に応じて加えられる添加剤をヘンシェルミキサーなどで均一に分散する。
▲2▼分散物をニーダー、エクストルーダー、ロールミルなどで溶融混練する。
▲3▼混練物をハンマーミル、カッターミルなどで粗粉砕した後、ジェットミル、I式ミルなどで微粉砕する。
▲4▼微粉砕物を分散式分級機、ジグザグ分級機などで分級する。
▲5▼場合により、分級物中にシリカなどをヘンシェルミキサーなどで分散する。
【0051】
本発明に係わるトナーは、前述した通り、樹脂として軟化点とガラス転移温度とが特定の範囲の、換言すれば低軟化点でも高ガラス転移温度のポリエステル樹脂を用いるとともに、トナー粒子表面には微粒子添加剤を含有させることにより、機械的なストレスに対する強度を高め、トナーの凝集性や融着性を抑制し、耐久性を向上させることを可能にするものである。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例により限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を表すものとする。
【0053】
[ポリエステル樹脂の合成及び物性]
表1に示す材料を用いてポリエステル樹脂1〜3を合成した。表1に示す組成の材料をガラス製3リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で窒素気流下、前半200℃常圧、後半220℃減圧にて撹拌しつつ反応を進めた。軟化点を測定しながら反応の状態を追跡し、所定の物性に達した時点で反応を停止させ、次いで室温まで冷却して各ポリエステル樹脂を得た。
【0054】
【表1】
【0055】
なお、表1中、アルコール及び酸成分を略号・記号で表したが、それらは以下の原材料名を表す。
ジオールA : ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
ジオールB : ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
TPA : テレフタル酸
IDSA : イソドデセニルコハク酸
TMAA : 無水トリメリト酸
上記のポリエステル樹脂1〜3の物性値を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
[比較用ポリエステル樹脂4〜6の合成及び物性]
下記の表3に示される組成材料を用いる他は、前記のポリエステル樹脂の製造方法と全く同一にして反応を行った。軟化点を測定しながら反応を進め、所定の物性に達した時点で反応を停止させ、次いで室温まで冷却して各ポリエステル樹脂を得た。
【0058】
【表3】
なお、表3中、アルコール及び酸成分を略号・記号で表したが、それらは表1と同義である。表4にこれらのポリエステル樹脂の物性値を示す。
【0059】
【表4】
【0060】
[マスターバッチの製造]
上記、各ポリエステル樹脂を使ってCB(カーボンブラック、デグザ社製 Nip35)濃度 50重量%となるように、ニーダーと2本ロールを使ってマスターバッチを作った。
【0061】
【表5】
【0062】
[ポリオール樹脂の製造例等]
下記表6の特性を有するポリオール樹脂を製造した。また、併用した結晶性ポリエステルの軟化点を表7に、ワックスの種類・特性を表8に示した。
【0063】
【表6】
ここで、(A); アルキレンオキサイド付加物(重量部)であり、(B);アルキレンオキサイド付加物/エポキシ樹脂x100である。
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
[実施例1〜7及び比較例1〜5]
市販のトナー用ポリエステル樹脂80部、結晶性ポリエステル1 10部、ポリオール1 10部を結着樹脂として、CB濃度10%となるようにMBを使用し、帯電調整剤(オリエント化学製S−34 1部)、離型剤(PPワックス1部)と合成エステルワックス((融点105℃、針入度 1)1部)一緒に混合・混練、粉砕、表面処理をしてトナーを得た。
MB No.1〜12について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察をしたところ、MB No.11以外は分散は良好であった。
各実施例及び比較例のトナーの評価結果を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】
[実施例8〜19及び比較例6〜20]
実施例1と同様にトナーを製造し、評価をした。各実施例及び比較例のトナーの評価結果を表10に示す。なお、表10中で、「結晶性PEsNo.」の項で例えば「2/10部」とあるのは、表7に示される結晶性PEsNo.2を10部添加したことを示す。同様に、「ポリオールNo.」の項で例えば「1/10部」とあるのは、表6に示されるポリオールNo.1を10部添加したことを示し、「ワックス」の項で例えば「No.1/1部」とあるのは、表8に示されるワックスNo.1を1部添加したことを示す。
【0069】
【表10】
【0070】
【発明の効果】
本発明のマスターバッチは、CB(カーボンブラック)等の着色剤の分散性が良好であり、このマスターバッチを用いたトナーは、画像特性にも優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明はマスターバッチ(高着色樹脂)及びそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱可塑性樹脂を黒色に着色する場合、樹脂あるいは樹脂組成物の粉末、ペレットあるいはペレットと粉末との混合物に粉末あるいは粒状のカーボンブラックを配合し、押出機で溶融混練し、ペレット状に押出して切断してペレット状にする方法が広く行われている。
【0003】
しかしながらこのようなカーボンブラックの粉末をそのまま樹脂又は樹脂組成物に配合する方法では、微粉による作業環境の汚染、ハンドリングの問題、さらに分級あるいは凝集などによるカーボンブラックのブツの発生、後続ロットへの色残り、色混じりの原因などの問題があった。
【0004】
そこで、予め樹脂にカーボンブラックを配合したマスターバッチ(MB)による方法が採用される。カーボンブラックのマスターバッチにはカーボンブラックとのなじみの良いポリスチレン系樹脂が多用されている。
【0005】
一般に使用されるポリスチレン,AS樹脂等によるマスターバッチではマスターバッチの樹脂の耐熱温度を越えた範囲での使用になり、マスターバッチを配合した樹脂組成物の物性低下、耐熱性低下を招き、あるいは成形時のガス発生の増加、モールドデポジット(金型付着物)の増加等をもたらすことになる。したがって、より耐熱性に優れ分散性も良好なベース樹脂によるマスターバッチが望まれている。
【0006】
カーボンブラックは凝集性が高く、一般にストラクチャーと呼ばれる二次凝集を起こしている。このため高濃度のカーボンブラックを含む流体は、チキソトロピーを示す。カーボンブラックを高濃度で含有するマスターバッチも同様な性質を示し、一般に配合樹脂よりも非常に流れ難い。
【0007】
したがって配合樹脂の溶融粘度が低い場合マスターバッチを構成する樹脂の拡散が不十分になり、成形品に「ブツ」が発生する傾向が高い。この傾向は、漆黒性を呈する黒色度の高いグレードのカーボンブラックほど著しい。
【0008】
スチレン系樹脂をマスターバッチ用樹脂として使用することなく、配合用樹脂と同様な高分子量の芳香族ポリカーボネートによるカーボンブラックマスターバッチが知られている(下記特許文献1)。
【0009】
しかしながら、このような高分子量の樹脂によるマスターバッチは、カーボンブラックが比較的黒色度の低い分散の容易なものの場合は比較的良好なマスターバッチを得ることができるが、黒色度が高くストラクチャーが余り発達していない平均粒度の小さい一次粒子のカーボンブラックの場合には、カーボンブラックが均一に分散した良好な着色用マスターバッチを得ることが困難である。
【0010】
一方、非磁性一成分現像法では、一般に、トナーへの帯電性の付与方法が、上記のように薄層化されたトナーと現像スリーブや弾性ブレードなどとの接触によるものにならざるを得ないので、トナーに対する機械的なストレスは極めて大きく、特に連続使用時などにおいては発生する摩擦熱によって、トナーが凝集したり固化したりする場合が少なくない。このような現象は、最終的には現像スリーブや弾性ブレードへのトナー凝集塊の融着を引き起こし、致命的な画像欠陥となって現れる。
【特許文献1】
特開昭61−236854号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決するために、例えば微粒子シリカなどの外添剤をトナー粒子表面にまぶしてトナー粒子を非粘着化し、粒子の凝集などを改善する方法も提案されている。しかし、この方法では現像器内での長期間の撹拌により、上記外添剤微粒子のトナー表面からの脱落や飛散、あるいはトナー粒子内への埋没などが起こるなど、初期の特性を維持できないため耐久性の面で不十分であった。結局、上記した問題は、非磁性一成分トナーにおいては主としてトナー用バインダー樹脂の特性の面からの改良が必要と考えられ、従来より抜本的な解決が望まれていた。
【0012】
本発明は上記した現状に鑑み、その課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、耐熱性に優れ分散性も良好なベース樹脂によるマスターバッチを提供するとともに、以下のような性能を有するトナーを提供することにある。
(a)トナーの凝集塊が発生しにくい。
(b)感光体、現像スリーブ、弾性ブレードなどへの融着が少ない。
(c)流動性が良く、トナーの搬送性が高い。
(d)高温高湿環境下でもトナーの凝集・融着が発生しにくい。
(e)定着時のオフセット現象が発生せず、定着強度も高い。
(f)連続使用や長期の使用においても画質の変化が少ない。
その結果として、経時安定性や耐久性などに優れたトナーを提供することに本発明の目的はある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の熱的性質を有するポリエステル樹脂からなるマスターバッチを用いることで上記目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
【0014】
即ち、本発明は、第1に以下の(1)及び(2)のマスターバッチであり、第2に(3)〜(10)のトナーである。
(1)少なくとも着色剤及びポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)が、式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴とするマスターバッチ(MB)。
4Tg−170≦Sp≦4Tg−110 (1)
90≦Sp≦120 (2)
(2)100℃における貯蔵弾性率(G‘)が10E+3以上であり、着色剤/樹脂比が25/75〜55/45である請求項1記載のマスターバッチ(MB)。
(3)請求項(1)、(2)記載のマスターバッチを用いたことを特徴とするトナー。
(4)軟化点が80〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂(a)、2価フェノール(b)、及び2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテル(c)を反応して合成された、主鎖にポリオキシアルキレン部を有し、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4〜10であるポリオール樹脂を含有することを特徴とする請求項(3)記載のトナー。
(5)前記ポリオール樹脂が、該ポリオール樹脂の全量100重量部に対して、前記(c)成分を10〜40重量部含有してなることを特徴とする請求項(4)記載のトナー。
(6)前記(a)成分が、数平均分子量(Mn)の相違する少なくとも2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項(4)又は(5)のいずれかに記載のトナー。
(7)前記ポリオール樹脂が、エポキシ当量20,000以上のものであることを特徴とする請求項(4)〜(6)のいずれかに記載のトナー。
(8)前記ポリオール樹脂が、軟化点が115〜130℃のものであることを特徴とする請求項(4)〜(7)のいずれかに記載のトナー。
(9)前記(c)成分が、ポリオール樹脂中の前記(a)成分100重量部に対して、10〜50重量部であることを特徴とする請求項(4)〜(8)のいずれかに記載のトナー。
(10)トナー中に含有される離型剤が、融点70〜120℃のものであることを特徴とする請求項(4)〜(9)のいずれかに記載のトナー。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を構成する個々の要件について詳細に説明する。
本発明のマスターバッチ(MB)は、少なくとも着色剤、及びポリエステル樹脂を構成成分とする。
【0016】
本発明に係わるマスターバッチに含有される着色剤としては、任意の適当な顔料や染料が使用される。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、アントラキノン染料、モノアゾ及びジスアゾ系染顔料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0017】
特に、カーボンブラックとしては、着色用カーボンブラックとして市販されているものを用いることができる。具体的には、比較的高い黒色度を要求される場合に使用されるカーボンブラックで、平均一次粒径が10〜24μmのものであり、また特にストラクチャーが余り発達していない吸油量が100 ml/100g以下のものも使用し得る。
【0018】
また、カーボンブラックの表面pHは、ややアルカリ性を示すものと、中性から酸性を示すものとがあるが、ポリエステルはアルカリに弱いため中性から酸性のものが使用され、本発明においても表面pH3〜8、なかでもpH4〜7のものが好ましい。
【0019】
本発明においては、このようなカーボンブラックがマスターバッチ中のカーボンブラック濃度として20〜75重量%となる量で配合される。カーボンブラックの濃度が30重量%よりも低い低濃度の場合には、カーボンブラックをベース樹脂であるオリゴマーへ均一に分散させることが困難な場合があるので、この場合は、一旦30%以上の濃度のマスターバッチを調製し、これに所望量べース樹脂を添加、混練して所望の濃度に調整される。またマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度が高くなる程マスターバッチ自体の粘度が高くなり配合用樹脂への均一な拡散性が低くなる傾向があるので、マスターバッチ中のカーボンブラックの濃度があまりに高濃度であるものは好ましくない。よって、マスターバッチ中のカーボンブラック濃度は30〜60重量%となる量であることが好ましい。
【0020】
本発明の着色用マスターバッチは種々の混合方法により得ることができる。一般的には、例えば、マスターバッチのベース樹脂の粉末又はペレットと着色用顔料カーボンブラックをタンブラー又はスーパーミキサー等で混合したのち、押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、加熱溶融混練してペレット化又は粗粒子化する方法が挙げられる。
マスターバッチ化の段階で、着色剤以外の帯電制御剤、その他添加剤を一緒に分散処理してもよい。
【0021】
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸とより成り、必要に応じてこれら多価アルコール及び多塩基酸の少なくとも一方が3価以上の多官能成分(架橋成分)を含有するモノマー組成物を重合することにより得られる。
【0022】
ポリエステル樹脂の合成に用いられる2価のアルコールとしては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができる。これらのモノマーのうち、特にビスフェノールAアルキレンオキシド付加物を主成分モノマーとして用いるのが好ましく、中でも1分子当たりのアルキレンオキシド平均付加数2〜7の付加物が好ましい。
【0023】
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
【0024】
一方、多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、その他の2価の有機酸を挙げることができる。
【0025】
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多塩基酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物、その他を挙げることができる。
【0026】
これらのポリエステル樹脂は、通常の方法にて合成することができる。具体的には、反応温度(170〜250℃)、反応圧力(5mmHg〜常圧)などの条件をモノマーの反応性に応じて決め、所定の物性が得られた時点で反応を終了すればよい。これらのポリエステル樹脂においては、前記した通り、その軟化点(Sp)及びガラス転移温度(Tg)が前記の式(1)及び(2)で表される範囲にあるものが使用される。
【0027】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の軟化点(Sp)は90〜120℃である。また、ガラス転移温度(Tg)の範囲は、例えば軟化点が90℃の時50〜65℃であり、軟化点が130℃の時60〜75℃である。Spが前記範囲より低い場合は定着時のオフセット現象が発生し易く、前記範囲より高い場合は定着エネルギーが増大し、カラートナーでは光沢性や透明性が悪化する傾向にあるので好ましくない。また、Tgが前記範囲より低い場合はトナーの凝集塊や固着を生じ易く、前記範囲より高い場合は熱定着時の定着強度が低下する傾向にあるため好ましくない。式(1)及び(2)で示される領域以外のものの場合、マスターバッチの製造条件とカーボンブラック(CB)濃度(CB濃度は高い方が好ましい)の関係で実用的でないものとなってしまう。Spは主として樹脂の分子量で調節でき、数平均分子量として好ましくは2000〜20000、より好ましくは3000〜12000とするのがよい。
【0028】
ここで、Tgは主として樹脂を構成するモノマー成分を選択することによって調節できる。具体的には、酸成分として芳香族の多塩基酸を主成分とすることによりTgを高めることができる。即ち、前述した多塩基酸のうち、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸など及びこれらの無水物、低級アルキルエステルなどを主成分として用いるのが望ましい。
【0029】
ポリエステル樹脂のSpはJIS K7210及びK6719に記載されるフローテスターを用いて測定する。具体的には、フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用いて約1gの試料を昇温速度3℃/minで加熱しながら、面積1cm2のプランジャーにより30kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ10mmのダイから押し出す。これによりプランジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化点としたものである。
【0030】
次に、ポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子製DSC−200を使用、以下の手順で測定する。先ず、試料を粉砕し、重量10±1mgをアルミ製試料容器に計り取り、その上からアルミ蓋をクリンプする。窒素雰囲気中でDSC法によりガラス転移点(Tg)を測定する。分析条件としては、試料を、室温から昇温速度20℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、降温速度50℃/minで0℃まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気(20cc/min)で再度150℃まで昇温速度20℃/minで加熱してDSC測定を行う。Tgは、解析ソフト〔Tgジョブ〕を用いてピーク立ち上がり温度を読み取る。
【0031】
一方、一般にポリエステル樹脂の酸価が高すぎる場合、安定した高帯電量を得ることが難しく、また高温高湿時における帯電安定性も悪化する傾向にあるので、本発明においてはその酸価を50KOHmg/g以下とするのがよく、より好ましくは30KOHmg/g以下となるよう調製するのがよい。酸価を前記範囲内に調節するための方法としては、樹脂合成時に使用するアルコール系及び酸系のモノマーの添加割合を制御する方法の他、例えばエステル交換法により酸モノマー成分を予め低級アルキルエステル化したものを用いて合成する方法や、アミノ基含有グリコールなどの塩基性成分を組成中に添加することにより、残存酸基を中和する方法などが挙げられるが、これらに限らず公知のあらゆる方法を採用できることは言うまでもない。
なお、ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070の方法に準じて測定される。ただし、樹脂が溶媒に溶解しにくい場合はジオキサンなどの良溶媒を用いても差し支えない。
【0032】
また、本発明に係わるトナーの樹脂として、本発明の性能を損なわない範囲内で他の公知の樹脂を混合使用することも可能である。例えば本発明以外のポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、スチレンブタジエン樹脂などが挙げられる。
【0033】
また、本発明では定着性改良のために、軟化点が80〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂をも含有することが必要である。その配合量は結着樹脂100重量部中に5〜30重量部である。軟化点が80℃を下回ったものでは、簡単にデベ凝集(ソフトケーキング)を起こし、150℃を上回るものではコールドオフセット温度を上昇させてしまい好ましくない。配合量についても同様のことが当て嵌まり、配合量が多すぎるとデベ凝集を引き起こし、少ないと定着性改良に効果がない。
【0034】
本発明で用いられるポリオール樹脂とは、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいう。ポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は4〜10であることが好ましい。分子量分布を示すMw/Mnが4より小さいと、オイルローラーやオイル塗布フェルトのような簡易オイル塗布タイプの定着装置ではオフセットが生じ易く、実質的に定着温度幅が得られず、また10以上では、十分な画像光沢や発色が得られず、本発明の目的とする効果が達成し得ない。このように、Mw/Mnは4〜10が好ましく、5〜8がさらに好ましい。主鎖にポリオキシアルレン部を有するポリオール樹脂を用いることにより、光沢の発現性が良くなる。なお、該主鎖のポリオキシアルキレン部の同定は、NMR法によって行う。
【0035】
本発明のポリオール樹脂の製造方法としては、以下の手順による。ポリオール樹脂の製造に使用されるエポキシ樹脂(a)としては、例えばビスフェノールAやビスフェノールとエピクロロヒドリン樹脂とを縮合反応させて得られたものが挙げられる。中でも、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いて、ポリオール樹脂を合成すれば適正な分子量分布が得られ、本発明の前記第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像を提供できる。この場合に、低分子量成分の数平均分子量が360〜2,000であり、高分子量成分の数平均分子量が3,000〜10,000であることが好ましい。2価フェノール(b)としてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。
【0036】
また、前記ポリオール樹脂の合成に使用される(c)成分の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては以下のものが例示される。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物等のアルキレンオキサイドとビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた前記付加物をさらにエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化しても良い。
【0037】
前記(c)成分の2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルが、前記ポリオール樹脂中に前記(a)成分のエポキシ樹脂に対して10〜50重量%入っていれば、本発明の第一の課題である光沢があり、色の鮮明な画像が得られるトナーが得られ、さらに第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像の提供と第三の課題である光沢ムラのない画像が得られる。10重量%より少ないと添加した効果が得られず、50重量%より多いと光沢が出過ぎたり、場合によっては保存性が悪化するなど悪影響を与える傾向がある。前記ポリオール中のグリシジルエーテルの量が少ないとカールが増す等の不具合が生じ、また、多すぎると光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。特に、下記一般式(1)であらわされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【0038】
【化1】
【0039】
n+mが8を越える場合には、デベ凝集性の悪化や保存性の悪化の可能性がある。
前記(a)、(b)及び(c)成分の比率は、各々25〜70重量部、10〜40重量部、及び15〜40重量部が好ましい。
【0040】
さらに、前記ポリオール樹脂は、エポキシ基を有さないものでエポキシ価20,000以上としたものを用いれば感作性や製造時安定性の点で優れる。具体的には、末端のエポキシ基を1価フェノールもしくは過剰の2価フェノール類等とさらに反応させれば良い。前記エポキシ基と反応せしめられる1価フェノール類としては以下のものが例示される。フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。前記2価フェノールとしてはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールが挙げられる。また該ポリオール樹脂の軟化点は、115〜130℃の範囲のものであれば本発明の第二の目的である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像を提供できる。115℃未満では十分な定着温度幅が得にくく、逆に130℃を越えると十分な画像光沢が得にくいという問題を生ずる傾向にある。
【0041】
さらに、前記ポリオール樹脂が合成されたポリオール樹脂100重量部に対して、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテル(c)を10〜40重量部を合成してなれば、発明の第一の課題である光沢があり色の鮮明な画像が得られるトナーが得られ、さらに第二の課題である定着温度幅の広いトナーを提供し、安定した光沢の画像、そして第三の課題である光沢ムラのない画像が得られるトナーが得られる。10重量部より少ないとカールが増す等の不具合が生じ、40重量部より多いとデベ凝集を起こし易く保存性の悪化の可能性がある。
結着樹脂100重量部中のポリオール量は、5〜40重量部であることが好ましい。これはデベ凝集性及び高温オフセット性を最適化するためである。
【0042】
本発明に用いられる離型剤としては軟化点は70〜120℃であれば保存性に優れたトナーが得られる。軟化点が70℃よりも低いと保存安定性のみならず、画像表面が荒れ光沢が低くなりやすい。逆に、軟化点が120℃より高くても画像表面が荒れやすく光沢が低くなるなど高品質な画像としては貧弱なものとなりやすいからである。
【0043】
具体的な離型剤としては、低分子量のポリエチレンやポリプロピレン、それらの共重合体等の合成ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバワックス等の植物ワックス、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物ワックス、モンタンワックスやオゾケライト等の鉱物ワックス、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂ワックスなどが挙げられる。ワックスを化学構造の点からみると、炭化水素系のワックス、エステル系のワックス、アミド系のワックス等知られている。この中で、保存性や画像品質、定着温度幅等評価すると、エステル系のワックスが、好適である。
【0044】
離型剤の量はトナー全体に対して1〜6重量部が好適である。6重量部より多いと保存安定性等に問題が生じたり、画像表面が荒れ光沢が低くなったりする。また、1重量部より少なくても画像表面が荒れやすく画像品質として貧弱なものとなりやすい。
【0045】
次に、本発明のトナーに用いられるその他の材料について説明する。
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物である。着色剤の使用量は、一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0046】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0047】
その他の添加物として、例えばコロイド状シリカ、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
【0048】
以上のような材料からなる本発明のトナーは、キャリアと共に2成分系現像剤として使用しても良く、あるいはキャリアを含有させて1成分系現像剤として使用してもよい。ここで使用されるキャリアとしては鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、従来と同様である。なおこれらキャリアは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリ弗化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等である。いずれにしてもトナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
【0049】
本発明において、ポリオール樹脂の軟化点、Tgを測定する方法としては、次の方法を用いる。軟化点を測定する装置として、メトラ社の全自動滴点装置FP5/FP53を使用し、以下の手順で測定する。
▲1▼粉砕試料を溶融つぼに入れて20分放置した後、試料カップ(滴下口径6.35mm)のカップのふちまで試料を注ぎ込み、常温になるまで冷却してカートリッジにセットする。
▲2▼FP−5コントロールユニットに所定の昇温速度(1℃/min)測定開始温度(予期軟化温度の15℃以下に設定する)をセットする。
FP−53加熱炉にカートリッジを装着し、30秒放置後、スタートレバーを押し下げ、測定を開始する(以後の測定は自動的に行なわれる)。
▲3▼測定が終了したら、カートリッジをはずす。
▲4▼軟化点(℃)は、以下のように計算する。
FP−5の結果表示パネルAの値+補正値
得られた結果に上記の補正値を加えれば、デュラン水銀法の結果と対応する。また、結果表示パネルAの値と測定開始温度(パネルB、Cの値)の差が15℃以上でない時は試験をやりなおす。
ポリオール樹脂のエポキシ当量はJIS K7236の4.2に示される指示薬滴定法によった。
【0050】
本発明に係わるトナーは、従来公知の方法を含めて各種製造法で製造可能だが、一般的製造法としては次の例が挙げられる。
▲1▼樹脂、帯電制御物質、着色剤及び必要に応じて加えられる添加剤をヘンシェルミキサーなどで均一に分散する。
▲2▼分散物をニーダー、エクストルーダー、ロールミルなどで溶融混練する。
▲3▼混練物をハンマーミル、カッターミルなどで粗粉砕した後、ジェットミル、I式ミルなどで微粉砕する。
▲4▼微粉砕物を分散式分級機、ジグザグ分級機などで分級する。
▲5▼場合により、分級物中にシリカなどをヘンシェルミキサーなどで分散する。
【0051】
本発明に係わるトナーは、前述した通り、樹脂として軟化点とガラス転移温度とが特定の範囲の、換言すれば低軟化点でも高ガラス転移温度のポリエステル樹脂を用いるとともに、トナー粒子表面には微粒子添加剤を含有させることにより、機械的なストレスに対する強度を高め、トナーの凝集性や融着性を抑制し、耐久性を向上させることを可能にするものである。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例により限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を表すものとする。
【0053】
[ポリエステル樹脂の合成及び物性]
表1に示す材料を用いてポリエステル樹脂1〜3を合成した。表1に示す組成の材料をガラス製3リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で窒素気流下、前半200℃常圧、後半220℃減圧にて撹拌しつつ反応を進めた。軟化点を測定しながら反応の状態を追跡し、所定の物性に達した時点で反応を停止させ、次いで室温まで冷却して各ポリエステル樹脂を得た。
【0054】
【表1】
【0055】
なお、表1中、アルコール及び酸成分を略号・記号で表したが、それらは以下の原材料名を表す。
ジオールA : ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
ジオールB : ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
TPA : テレフタル酸
IDSA : イソドデセニルコハク酸
TMAA : 無水トリメリト酸
上記のポリエステル樹脂1〜3の物性値を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】
[比較用ポリエステル樹脂4〜6の合成及び物性]
下記の表3に示される組成材料を用いる他は、前記のポリエステル樹脂の製造方法と全く同一にして反応を行った。軟化点を測定しながら反応を進め、所定の物性に達した時点で反応を停止させ、次いで室温まで冷却して各ポリエステル樹脂を得た。
【0058】
【表3】
なお、表3中、アルコール及び酸成分を略号・記号で表したが、それらは表1と同義である。表4にこれらのポリエステル樹脂の物性値を示す。
【0059】
【表4】
【0060】
[マスターバッチの製造]
上記、各ポリエステル樹脂を使ってCB(カーボンブラック、デグザ社製 Nip35)濃度 50重量%となるように、ニーダーと2本ロールを使ってマスターバッチを作った。
【0061】
【表5】
【0062】
[ポリオール樹脂の製造例等]
下記表6の特性を有するポリオール樹脂を製造した。また、併用した結晶性ポリエステルの軟化点を表7に、ワックスの種類・特性を表8に示した。
【0063】
【表6】
ここで、(A); アルキレンオキサイド付加物(重量部)であり、(B);アルキレンオキサイド付加物/エポキシ樹脂x100である。
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
[実施例1〜7及び比較例1〜5]
市販のトナー用ポリエステル樹脂80部、結晶性ポリエステル1 10部、ポリオール1 10部を結着樹脂として、CB濃度10%となるようにMBを使用し、帯電調整剤(オリエント化学製S−34 1部)、離型剤(PPワックス1部)と合成エステルワックス((融点105℃、針入度 1)1部)一緒に混合・混練、粉砕、表面処理をしてトナーを得た。
MB No.1〜12について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察をしたところ、MB No.11以外は分散は良好であった。
各実施例及び比較例のトナーの評価結果を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】
[実施例8〜19及び比較例6〜20]
実施例1と同様にトナーを製造し、評価をした。各実施例及び比較例のトナーの評価結果を表10に示す。なお、表10中で、「結晶性PEsNo.」の項で例えば「2/10部」とあるのは、表7に示される結晶性PEsNo.2を10部添加したことを示す。同様に、「ポリオールNo.」の項で例えば「1/10部」とあるのは、表6に示されるポリオールNo.1を10部添加したことを示し、「ワックス」の項で例えば「No.1/1部」とあるのは、表8に示されるワックスNo.1を1部添加したことを示す。
【0069】
【表10】
【0070】
【発明の効果】
本発明のマスターバッチは、CB(カーボンブラック)等の着色剤の分散性が良好であり、このマスターバッチを用いたトナーは、画像特性にも優れている。
Claims (10)
- 少なくとも着色剤及びポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)と軟化点(Sp)が、式(1)及び(2)の関係を満足することを特徴とするマスターバッチ(MB)。
4Tg−170≦Sp≦4Tg−110 (1)
90≦Sp≦120 (2) - 100℃における貯蔵弾性率(G‘)が10E+3以上であり、着色剤/樹脂比が25/75〜55/45である請求項1記載のマスターバッチ(MB)。
- 請求項1又は2に記載のマスターバッチを用いたことを特徴とするトナー。
- 軟化点が80〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂(a)、2価フェノール(b)、及び2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物あるいはそのグリシジルエーテル(c)を反応して合成された、主鎖にポリオキシアルキレン部を有し、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4〜10であるポリオール樹脂を含有することを特徴とする請求項3記載のトナー。
- 前記ポリオール樹脂が、該ポリオール樹脂の全量100重量部に対して、前記(c)成分を10〜40重量部含有してなることを特徴とする請求項4記載のトナー。
- 前記(a)成分が、数平均分子量(Mn)の相違する少なくとも2種以上のビスフェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリオール樹脂が、エポキシ当量20,000以上のものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリオール樹脂が、軟化点が115〜130℃のものであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のトナー。
- 前記(c)成分が、ポリオール樹脂中の前記(a)成分100重量部に対して、10〜50重量部であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のトナー。
- トナー中に含有される離型剤が、融点70〜120℃のものであることを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載のトナー。
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