JP3008461B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP3008461B2 JP2216380A JP21638090A JP3008461B2 JP 3008461 B2 JP3008461 B2 JP 3008461B2 JP 2216380 A JP2216380 A JP 2216380A JP 21638090 A JP21638090 A JP 21638090A JP 3008461 B2 JP3008461 B2 JP 3008461B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、電子写真の分野における静電荷像現像用ト
ナーの製造方法に係わるものである。
〈従来の技術〉 従来電子写真法として米国特許第2297691号、特公昭4
2−23910号公報および特公昭43−24748号公報などに種
々の方法が記載されているが、一般には光導電物質を利
用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーで現像し必要に応じて紙など
に粉像を転写した後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気など
により定着するものである。
また、近年、分光された光で露光して原稿の静電潜像
を形成せしめ、これを各色のカラートナーで現像して色
付きの複写画像を得、あるいは各色の複写画像を重ね合
わせてフルカラーの画像を得るカラー複写の方法も実用
化されている。
トナーとしては、スチレン系樹脂などのバインダー樹
脂中に各種の着色剤(カーボンブラックなどの染顔料)
や帯電制御剤を分散させたものを1〜30μm程度に微粉
砕した粒子が用いられており、このようなトナーはガラ
スビーズ、鉄粉またはファーなどのキャリア物質と混合
して用いられる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 従来用いられてきたトナーには、以下のような問題点
があった。
1)低温で定着することができないため、エネルギー消
費が大きく高速定着に不向きである。
2)熱ロール定着時の高温オフセット現象が発生しやす
く、定着器への負担が大きい。
3)軟質塩化ビニルシートへの付着や移行が見られ、画
像の汚染・欠落が生じやすい。
4)定着後の透明性や光沢性が悪く、フルカラートナー
の用途には使用できない。
5)機械的耐久性が低いため長期の使用ができない。
これらの問題点を解決するために、トナーの材料面や
処方面で多くの検討がなされている。一般にスチレン系
樹脂に対し、ポリエステル樹脂は塩化ビニール付着性や
低温定着性の面から有利であるとされる。また、透明性
などにも優れるのでフルカラートナー用の樹脂としても
使用される。しかし、いくつかの問題点も残されてお
り、総合的に満足するものは未だ提出されていないのが
実状である。従って、速やかな改良が望まれていた。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明はこのような実情に基づいてなされたもので、
その目的は、上記の問題点が解消された高性能の静電荷
現像用トナーを提供することにある。
そこで、本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検
討した結果、特定の方法によりポリエステル樹脂中にフ
ェノキシ樹脂を均一に溶解させた樹脂組成物を用いるこ
とにより、上記目的を満足し得ることを見いだし本発明
に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、着色剤及び樹脂を含有す
る静電荷像現像用トナーにおいて、該樹脂の主成分が、
ポリエステル樹脂及びフェノキシ樹脂を、該フェノキシ
樹脂の軟化点以上の温度で混合溶融せしめてなる樹脂組
成物であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに存
する。
〈作 用〉 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、ポリエステル樹脂にフェノキシ樹
脂を均一に溶融混合したものをバインダーとし、これに
着色剤その他の必要な成分を含有させてトナーを構成す
る。
このうち、ポリエステル樹脂としては何ら限定される
ものではなく、公知のあらゆるポリエステル樹脂が使用
可能であるが、その中でも特に本発明に好ましいものと
しては、樹脂の分子量分布の広がりの目安であるMw/Mn
の値が3.0以上のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂のMw/Mnの値を3.0以上とするために
は、分子量の異なる数種の樹脂を溶解または溶融状態で
混合する方法や単量体成分から重合体を形成するときに
ある程度の架橋を施す方法など各種の方法を採用するこ
とができる。これらの製造法のうちでも、架橋の程度を
低い範囲内に抑えてMw/Mnを調整する方法が本発明に最
もふさわしい方法であり、それは重合反応系に架橋性の
モノマーを添加することによって達成される。
Mw/Mnを3.0以上とすることにより、低温定着性を保持
ししかも熱ロール定着における高温での耐オフセット性
を著しく向上させることができる。
本発明に係わるポリエステル樹脂は、多価アルコール
と多塩基酸とより成り、必要に応じてこれら多価アルコ
ールおよび多塩基酸の少なくとも一方が3価以上の多官
能性成分を含有する単量体組成物を重合することにより
得られる。
以上において、ポリエステル樹脂の合成に用いられる
2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオールなどのジオール類、ビスフェノール
A、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化
ビスフェノールAやポリオキシプロピレン化ビスフェノ
ールAなどのビスフェノールAアルキレンオキシド付加
物、その他を挙げることができる。これらのモノマーの
うち、特にブスフェノールAアルキレンオキシド付加物
を主成分モノマーとして用いるのが好ましく、中でも一
分子当りのアルキレンオキシドの平均付加数が2〜7の
付加物がより好ましい。
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多価アル
コールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキ
サンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリト
ール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタ
ントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリ
オール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−
トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることが
できる。
一方、多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマー
ル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼ
ライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキ
ルエステル、その他の2価の有機酸を挙げることができ
る。
ポリエステルの架橋化に関与する3価以上の多塩基酸
としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、1、2、4−シクロヘ
キサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキ
サントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチ
ル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレ
ンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカル
ボン酸、およびこれらの無水物、その他を挙げることが
できる。
Mw/Mnを3.0以上とするために、ポリエステルの架橋化
に関与する3価以上の多価アルコールおよび/または多
塩基酸による成分は、重合体における構造単位としての
アルコール成分または酸成分の各々における3〜80mol
%の割合で含有されるのが好ましい。3mol%以下の場
合、架橋の程度が不十分なためMw/Mnが3.0以上のポリエ
ステルを得ることが困難であり、従って定着時の高温オ
フセットを防止し難い。また、80mol%以上の使用量で
は、溶剤不溶分であるゲルコンテント極端に増大するた
め定着性が悪化し好ましくない。
これらのポリエステル樹脂においては、その軟化点が
90℃より低い場合は、容易にブロッキングを起こすため
保存安定性が悪かったり、機械的な耐久性の面で問題を
生じる場合がある。また、軟化点が150℃を越える場合
には、定着性能が悪化し、透明性や光沢性にも難が生ず
る場合があるので本発明用ポリエステル樹脂の軟化点は
90〜150℃の範囲内にあるのが好ましく、さらには100〜
130℃の範囲内にあるのがより好ましい。
さらに、一般にポリエステル樹脂の酸価が高い場合、
高温高湿時における帯電安定性が悪化する傾向にあるの
で、本発明のポリエステル樹脂においては、その酸価が
10KOHmg/g以下、より好ましくは5KOHmg/gとなるよう調
整するのがよい。
酸価を低く調節するための方法としては、たとえばエ
ステル交換法により、酸モノマー成分をあらかじめ低級
アルキルエステル化したものを用いて合成する方法やア
ミノ基含有グリコールなどの塩基性成分を組成中に添加
することにより、残存酸基を中和する方法などが挙げら
れるが、これらに限らず公知のあらゆる方法を採用でき
る。
なお、本発明におけるポリエステル樹脂は、通常公知
の方法で合成することができる。具体的には、反応温度
(170℃〜250℃)、反応圧力(5mmHg〜常圧)などの条
件をモノマーの反応性などに応じて決め、所定の物性が
得られた時点で反応を終了すればよい。
フェノキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとから合成される高分子量ポリヒドロキシポリエ
ーテルであって、下記の化学構造式(1)で示される。
化学構造式(1) 以上のフェノキシ樹脂の軟化点として、耐衝撃性や強
靭性などの機械的耐久性の改善などのため、150℃以上
であるのが好ましく、より好ましくは180℃以上である
のがよい。
このようなフェノキシ樹脂の具体的な例としては、ベ
ークライトPKHJ、PKHH、PSHC(以上、ユニオンカーバイ
ド社製、商品名)などが挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂とフェノキシ樹脂と
の混合割合としては、重量比で97〜60:3〜40であるのが
好ましい。この範囲よりフェノキシ樹脂が少ない場合
は、機械的耐久性が低いため長期間安定的に使用するこ
とができない場合がある。また、フェノキシ樹脂が多い
時は、軟化点が上昇するので低温定着しにくくなり、透
明性や光沢性も悪化する傾向にある。
本発明においては、トナー製造時に、これらのフェノ
キシ樹脂を他の樹脂とその軟化点以上の温度で加熱混練
して溶融させてもよいが、その場合完全に均一に溶融さ
せるのが難しく、均一溶融できてもそのために要するエ
ネルギーや労力はきわめて多大である。
本発明においては、ポリエステル樹脂の重合反応が終
了する際に、室温まで放冷することなく加熱状態を保持
したまま、より好ましくは再加熱の必要がない様、フェ
ノキシ樹脂の軟化点以上の温度を常に保持したままフェ
ノキシ樹脂を添加し、フェノキシ樹脂の軟化点以上の温
度で混合溶融した後取り出した樹脂組成物を用いるのが
好ましい。この場合、ポリエステル樹脂製造時の反応温
度を利用して、単にフェノキシ樹脂を反応系中に添加す
ることにより、容易にフェノキシ樹脂をポリエステル樹
脂中に均一溶融することが可能である。この時の溶融温
度としてはフェノキシ樹脂の軟化点を考慮すると、180
℃以上がよく、より好ましくは200℃以上であるのがよ
い。
本発明に使用できる着色剤としては、カーボンブラッ
ク、ランプブラック、鉄黒、群青、アニリンブルー、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザ
イエローG、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キ
ナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、ト
リアリルメタン系染料、モノアゾおよびジスアゾ系染顔
料など従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合
して使用し得る。これらの着色剤は、樹脂100重量部に
対して好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは2〜1
0重量部の範囲で用いられる。
本発明においては、以上の樹脂成分及び着色剤の他に
各種の構成成分を含んでよい。
まず、トナー用樹脂として、上記の本発明に係わる樹
脂組成物の他に、必要に応じて他の樹脂をトナーの製造
時に添加することを考慮してもよい。この種の樹脂とし
ては、例えばエポキシ樹脂、スチレン/アクリル共重合
樹脂、スチレン/アミノアクリル共重合樹脂、シリコー
ン樹脂など各種公知のものを挙げることができる。
また、現像機構上または画像を向上せしめる目的のた
め、磁性微粉体をトナー中に含有させることができる。
該磁性粉体としてはフェライト、マグネタイトなど強磁
性を示す元素を含む合金あるいは化合物を挙げることが
でき、該磁性体は平均粒径0.05〜1μmの粉末の形で樹
脂中に70重量%以下の量を分散させて用いることができ
る。
帯電制御剤としては、公知のものがすべて使用可能で
ある。例えば、正帯電性用としてニグロシン染料、4級
アンモニウム塩、スチレン/アミノアクリレート共重合
体、ポリアミン樹脂などがあり、負帯電性用としてクロ
ム、コバルト、アルミニウム等の金属含有アゾ染料、ア
ルキルサリチル酸の金属塩等が知られている。使用量と
しては、樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部、より好ま
しくは0.5〜5重量部がよい。帯電制御剤は、樹脂中に
混合してもトナー粒子表面に付着させた形で用いてもよ
い。
この他、トナー中には熱特性・物理特性等を調整する
目的で各種可塑剤・離型剤等の助剤を添加することも可
能である。たとえば、オフセット性改良のための低分子
量ポリオレフィンや流動性改良のためのコロイダルシリ
カなどが挙げられる。その添加量は、樹脂100重量部に
対し0.1〜10重量部が適当である。
本発明のトナーの一般的製造法としては、次のように
行われる。
樹脂、着色剤、帯電制御剤などをヘンシェルミキサー
などで均一に分散する。
分散物をニーダー、エクストルーダー、ロールミルな
どで溶融混練する。
混練物をハンマーミル、カッターミルなどで粗粉砕し
た後、ジェットミル、I式ミルで微粉砕する。
微粉砕物を分散式分級器、ジグザグ分級器などで分級
する。
場合により、分級物中にシリカなどをヘンシェルミキ
サーなどで分散する。
本発明のトナーをキャリアと混合して二成分系現像剤
として使用する場合、キャリアとしては粒径30〜200μ
m程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉など従来
から公知のものが使用できる。また、これらの表面にシ
リコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂などあるい
はこれら樹脂の混合物をコーティングしたものも好適に
使用できる。キャリアとトナーとの混合重量比は、100:
1〜10が良好である。
なお、本発明におけるポリエステル樹脂のMw/Mnの値
はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GP
C)によって測定した値から算出した。測定条件は、温
度25℃で溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流
速で流し、試料濃度8mg/mlのテトラヒドロフランの試料
溶液を0.5ml注入して測定する。カラムとしては、概ね
5×102〜5×106の分子量領域を的確に測定するため
に、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせ
るのがよい。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作製された検量線の対数値とカウント数との関係
から算出した。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を
使用した。
本発明における樹脂の軟化点は、JIS K7210およびK6
719に記載されるフローテスターを用いて測定した。具
体的には、第1図に示すように、フローテスター(CFT
−500,島津製作所製)を用いて約1gの試料3を昇温速度
6℃/min.で加熱しながら、面積1cm2のプランジャー1
により20kg/cm2の荷重を与え、孔径1mm、長さ1mmのダイ
4から押し出す。これにより第2図に示すようなプラン
ジャーストローク−温度曲線を描き、そのS字曲線の高
さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化温度とし
たものである。
一方、本発明におけるポリエステル樹脂の酸価は、JI
S K0070に記載される方法に準じて測定される。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。実施例中「部」は
「重量部」を示す。
合成例1(比較用ポリエステル樹脂の製造) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 1070g (平均分子量約355、以下同様) フマール酸 240g ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸 40g 以上の物質をガラス製2リットルの4つ口フラスコに
入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ーおよび窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター
中で窒素気流下、前半200℃常圧、後半220℃減圧にて攪
拌しつつ反応を進めた。
得られたポリエステル樹脂の酸価は2.0KOHmg/g、軟化
点は111℃であった。また、Mw/Mnは5.5であった。
合成例2(樹脂組成物Aの合成) 合成例1と全く同一のモノマー組成と反応条件でポリ
エステル樹脂を重合し、合成例1と同様の物性値を有す
るポリエステル樹脂を得た。
次に、反応終了後も最終の反応温度(220℃)を保持
したまま、このポリエステル樹脂80部に対してフェノキ
シ樹脂ベークライトPKHCを20部の割合で投入して溶融攪
拌を行い、樹脂組成物を作製した。
合成例3(樹脂組成物Bの合成) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 540g ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 490g (平均分子量約325) テレフタル酸 330g ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸無水物 100g 以上の物質を用いる以外は合成例1と同様に反応を行
ってポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の酸価は3.3KOHmg/g、軟化
点は123℃であった。また、Mw/Mnは14.5であった。
合成例2と同様にして、上記ポリエステル樹脂90部に
対して、フェノキシ樹脂ベークライトPKHHを10部の割合
で投入して溶融攪拌を行い、樹脂組成物を作製した。
合成例4(樹脂組成物Cの合成) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 530g ペンタエリスリトール 200g フマール酸 230g 以上の物質を用いる以外は合成例1と同様に反応を行
ってポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の酸価は0.8KOHmg/g、軟化
点は127℃であった。また、Mw/Mnは34.8であった。
以下、合成例2と同様に、上記ポリエステル樹脂90部
に対して、フェノキシ樹脂ベークライトPKHJを10部の割
合で投入して溶融攪拌を行い、樹脂組成物を作製した。
(実施例1〜7および比較例1〜2) 表1に実施例1〜7および比較例1〜2のトナー組成
を一覧表にして示す。
トナーの作製法としては以下のように行った。
各々のトナーの材料をニーダーで溶融混練し、冷却後
ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでエアージェット
方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微粉末を分
級して粒径5〜20μmを選別してトナーを得た。コール
ターカウンターによって測定された体積平均粒径は、い
ずれも10±0.5μmの範囲内であった。
これらのトナーとキャリアとを混合して現像剤を作製
するが、キャリアとしては、正帯電トナーの場合(実施
例1〜4および比較例1)はフッ素系樹脂でコーティン
グされた平均粒径約70μmのフェライト粉を用い、負帯
電性トナーの場合(実施例5〜7および比較例2)はシ
リコーン樹脂でコーティングされた平均粒径約70μmの
フェライト粉を用いた。トナー濃度としてはいずれも5w
t%とし、Vブレンダーにて所定時間混合して現像剤を
得た。
なお、上記の現像剤で画像出しを行うに当たっては、
市販の複写機を使用し、正帯電性現像剤では有機光導電
体を、負帯電性現像剤ではセレンをそれぞれ感光体とす
るものを用いた。
これらのトナーおよび現像剤を用いて以下のようなテ
ストを行、トナーの評価を行った。
(摩擦帯電量) ブローオフ法によって現像剤の摩擦帯電量を測定し
た。
(最低定着温度および耐オフセット温度) 市販の複写機の熱ロール定着器(上ロール:テフロ
ン、下ロール:シリコーン)を温度可変に改造した定着
ユニットを用い、一定のトナー量が現像された未定着の
紙を通す。熱ロール温度を変えながら同じことを繰り返
し、指で擦ってトナー像が剥離しない最低のロール温度
を最低定着温度とする。また、目視で高温オフセット現
象の発生が見られない最高のロール温度を耐オフセット
温度とする。
(耐塩化ビニール性) 容器に入れたトナーの中に、白色シート状の軟質塩化
ビニールを差込んだ後、50℃の温度で一昼夜保持した時
の塩化ビニールシートへのトナー汚染の状況を目視で観
察する。全く汚染しないものを○とし、汚染するものを
×と評価する。
(OHP透過性) OHP(オーバーヘッドプロジェクター)で透過しても
鮮明な色調を再現することは、フルカラートナーにおい
ては必須の性能である。OHP透過性は、トナー像を定着
したOHP用シートを実際にOHPで透過させ、目視により判
定した。透過像の色再現が良好なものを○、不鮮明なも
のを×とした。
(連続実写テスト) 作製した現像剤を用いて、前記のような複写機で各々
10万枚の連続実写テストを行った。評価は、画像濃度・
カブリの推移を中心とした画質の変化を総合的に見て耐
久性を判定した。
以上のテストの評価結果を表2にまとめた。
これからも明らかなように、本発明のトナーは優れた
性能を有している。
〈発明の効果〉 本発明によって得られる結果は以下の通りである。
本発明の熱定着トナーの使用により、 (1) 比較的低温で定着することが可能なので、少な
いエネルギーの消費で充分な定着強度が得られる。
(2) 熱ロール定着時の高温オフセットの現象が発生
し難いため、あらゆる定着条件で汚れのない鮮明なトナ
ー定着画像が得られる。
(3) 軟質塩化ビニールシートへのトナーの付着や移
行がないので、トナー画像の欠落や汚染が発生しない。
(4) 良好なOHP透過性を有するのて、フルカラート
ナーにも適用が容易である。
(5) 機械的な耐久性が高いため、長期間の使用や連
続使用においても初期と同様の画質を維持しうる。
以上のように、本発明によれば容易な方法によって優
れた効果を有するトナーが得られるので、本発明は工業
的にきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はフローテスターの中心部分を示す概略の断面図
であり、第2図はフローテスターのプランジャーストロ
ーク(変位)−温度曲線である。 1……プランジャー、2……シリンダー、3……試料、
4……ダイ、5……ダイ押え。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾田 博文 神奈川県茅ケ崎市円蔵370番地 三菱化 成株式会社茅ヶ崎事業所内 (56)参考文献 特開 昭52−143025(JP,A) 特開 昭54−84727(JP,A) 特開 昭54−94037(JP,A) 特開 昭56−11459(JP,A) 特開 昭58−181057(JP,A) 特開 昭49−6931(JP,A) 特開 昭50−99740(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤及び樹脂を含有する静電荷像現像用
    トナーにおいて、該樹脂の主成分が、ポリエステル樹脂
    及びフェノキシ樹脂を、該フェノキシ樹脂の軟化点以上
    の温度で混合溶融せしめてなる樹脂組成物であることを
    特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】前記樹脂組成物が、ポリエステル樹脂をそ
    の製造の為の重合反応が終了する際に、フェノキシ樹脂
    の軟化点以上の温度に保持しつつ該フェノキシ樹脂と混
    合溶融せしめてなる樹脂組成物であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の静電荷像現像用トナー。
JP2216380A 1990-08-16 1990-08-16 静電荷像現像用トナー Expired - Fee Related JP3008461B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102610298B1 (ko) * 2021-12-03 2023-12-06 석현택 자기장과 미세전류가 동시 제공되는 신체접촉기구
KR102610297B1 (ko) * 2021-12-03 2023-12-06 석현택 자기장과 미세전류가 동시 제공되는 신체접촉기구

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KR102610298B1 (ko) * 2021-12-03 2023-12-06 석현택 자기장과 미세전류가 동시 제공되는 신체접촉기구
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