JP2004264188A - 磁歪トルクセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】漏洩磁束を極力低減し、効率よく磁界を形成してトルクを検出するとともに、ノイズを低下させて精度の高いトルクを検出する。
【解決手段】検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフト2と、該センサーシャフト2上に形成され、相互に逆方向に傾斜した複数の溝3a,3bからなる一対のセンサー溝部4a,4bと、センサー溝部4a,4bの外周に装着されたボビン5と、該ボビン5に巻回した励磁コイル6及びその外周に巻回した検出コイル7とからなる一対のコイル部8a,8bと、前記ボビン5の両端部とセンサーシャフト2間に介装されたベアリングと、前記コイル部8a,8b全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジング11とを有する磁歪トルクセンサ1において、前記ベアリングのうち少なくとも一方はリング状の金属補強部材15を一体結合した樹脂製であり、円周方向に沿って複数ヵ所に熱応力逃がし用の切欠き16を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフト2と、該センサーシャフト2上に形成され、相互に逆方向に傾斜した複数の溝3a,3bからなる一対のセンサー溝部4a,4bと、センサー溝部4a,4bの外周に装着されたボビン5と、該ボビン5に巻回した励磁コイル6及びその外周に巻回した検出コイル7とからなる一対のコイル部8a,8bと、前記ボビン5の両端部とセンサーシャフト2間に介装されたベアリングと、前記コイル部8a,8b全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジング11とを有する磁歪トルクセンサ1において、前記ベアリングのうち少なくとも一方はリング状の金属補強部材15を一体結合した樹脂製であり、円周方向に沿って複数ヵ所に熱応力逃がし用の切欠き16を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触の磁歪式トルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ペダルからの踏力に応じてモータ出力を増減して補助動力を付与する動力補助電動自転車において、ペダルに踏み込まれた踏力を検出するためのトルクセンサが備わる。このトルクセンサとして非接触式の磁歪トルクセンサが用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この磁歪トルクセンサは、検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフトと、該センサーシャフト上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向に傾斜した複数の溝からなる一対のセンサー溝部と、該一対のセンサー溝部の外周に装着されたボビンと、各センサー溝部に対応して該ボビンに巻回した励磁コイル及びその外周に巻回した検出コイルとからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部と、前記ボビンの両端部とセンサーシャフト間に介装されたベアリングと、前記コイル部全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジングとを有している。
【0004】
励磁コイルに通電した状態で、センサーシャフトにトルクが付与されて捩れると、軸方向に並ぶセンサー溝部の一方に引っ張り応力が作用し、他方に圧縮応力が作用して磁気特性が逆方向に変化する。この磁気特性の変化をそれぞれに対応する検出コイルのインピーダンスの差として検出することにより、トルクの大きさと方向を検出することができる。
【0005】
従来の磁歪トルクセンサでは、ベアリングが金属の強磁性体で形成されていたため、ベアリングを介して磁束が外部に漏洩し、ハウジングを介して両検出コイル全体の周囲を磁束が流れ検出信号のゲインが小さくなり検出精度を低下させていた。また、漏洩磁束による磁気流路が検出コイルの周囲に形成されるため、この漏洩磁束に外乱磁気が作用し、ノイズの原因となっていた。
【0006】
この点に対処して金属のベアリングを単に樹脂のベアリングに変えたのでは樹脂の熱膨張率が大きいため、温度変化による樹脂の膨張、収縮による寸法変化や熱応力が発生し、検出精度を低下させる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−250673号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、漏洩磁束を極力低減し、効率よく磁界を形成してトルクを検出するとともに、ノイズを低下させて精度の高いトルク検出ができる磁歪トルクセンサの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフトと、該センサーシャフト上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向に傾斜した複数の溝からなる一対のセンサー溝部と、該一対のセンサー溝部の外周に装着されたボビンと、各センサー溝部に対応して該ボビンに巻回した励磁コイル及びその外周に巻回した検出コイルとからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部と、前記ボビンの両端部とセンサーシャフト間に介装されたベアリングと、前記コイル部全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジングとを有する磁歪トルクセンサにおいて、前記ベアリングのうち少なくとも一方は、リング状の金属補強部材を一体結合した樹脂製であり、円周方向に沿って複数ヵ所に熱応力逃がし用の切欠きを設けたことを特徴とする磁歪トルクセンサを提供する。
【0010】
この構成によれば、樹脂製のベアリングを用いることにより、ベアリングからの漏洩磁束を抑えることができる。また、樹脂による強度低下は部分的な、例えばアウトサート成型等による金属の補強部材でまた補強することにより回避することができる。また、樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化及びこれに伴う熱応力は樹脂に設けた複数の切欠きにより逃がされるため、精度の高い軸支が可能となり検出精度が向上する。
【0011】
好ましい構成例では、前記ベアリングのうち他方は、金属の筒体からなり、その内面に摺動性を高めるための樹脂コーティングを施したことを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、ベアリングを金属材料の筒体で形成し、その内面に摩擦を低減して摺動性を高める樹脂コーティングを施したため、強度の大きいベアリングで円滑な摺動性が得られる。この場合、ベアリングを金属材料で構成しても、例えばベアリングとコイルとの間に磁気シールド用のヨークを装着することにより、コイルからベアリングを介しての漏洩磁束を抑えることができる。また、ベアリングをコイルから十分離れた位置に設けることによっても漏洩磁束を抑えることができる。
【0013】
好ましい構成例では、前記筒体からなるベアリングは、筒体の一方の端部側で前記ボビン端部を支持するとともに、該ボビン端部より軸方向外側で前記ハウジング端部を支持することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、金属筒体のベアリングは、軸方向に異なる領域でハウジング及びボビンを支持するため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回された検出コイルによる磁界検出の信頼性が向上する。
【0015】
好ましい構成例では、前記一対のコイル部全体の少なくとも一方の端部に隣接して円環形状の一体部材からなる磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴としている。さらに好ましい構成例では、前記一対のコイル部の両端部に前述のヨークを設けたことを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、センサーシャフトの軸方向に並ぶ2つのコイル部の片側又は両側の端部に隣接して例えば強磁性体からなる円環形状のヨークを設けたため、励磁コイルによる磁束は、コイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、コイルの両外側に漏れる磁束はほとんどなくなる。これにより、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0017】
この場合、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状など)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成され、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化によるぐらつきや分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0018】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0019】
なお、このヨークは、センサー溝部に対向してセンサー溝部から外れない位置に設けることが好ましい。これにより、励磁コイルによる磁束はほとんど全てコイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、ヨークの外側に漏れる磁束はほとんどなくなるため、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0020】
さらに好ましい構成例では、軸方向に並ぶ各々のコイル部の両側に隣接して前記磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、各コイル部の両側に隣接してヨークが設けられるため、各コイルの周囲に確実に磁界が形成され、漏洩磁束がさらに確実に低減するとともに隣接するコイル間の磁界の影響が確実になくなり、検出精度がさらに高められる。
【0022】
好ましい構成例では、前記ハウジングは円筒形状であり、その一方の端部に縮径された円筒鍔部を有し、該円筒鍔部に前記金属の筒体からなるベアリングをハウジングの内側に突出するように組込み、この突出部上に前記ボビン端部を装着して一体集合部材を形成し、この一体集合部材にセンサーシャフトを組込み、抜け止めクリップで固定したことを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、円筒形状のハウジングの一方の端部に縮径された円筒鍔部が形成されるため、製造時に、予めこの円筒鍔部に金属筒体のベアリングをハウジングの内側に突出するように接合し、コイルを巻回したボビンにヨーク及びヨーク位置決めのカラーを差込み、このボビンをハウジング内に突出するベアリング外周部に嵌め合わせ、反対側の端部にボビンホルダーからなるベアリングを装着してボビンの他端を軸支させる。これにより、一体集合部材のセンサー集合体を形成し、この集合体にセンサーシャフトを挿入しサークリップ等の止め輪で抜け止め固定する。以上の如くコイルや円環形状のヨークを予め一体に組立てたボビン組立集合体をハウジングの一方の端部から挿入してセンサー集合体を形成し、これをセンサーシャフト上に嵌め込むことができる。これにより、製造時の組立作業性及び信頼性が向上する。
【0024】
好ましい構成例では、前記ベアリングは、前記円筒鍔部の軸方向全長にわたってハウジング端部を支持するとともに該円筒鍔部より軸方向内側に突出する長さを有し、該突出した部分で前記ボビン端部を支持することを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、ベアリングの長さは、ハウジング端部の円筒鍔部全長を支持可能で且つその軸方向内側でボビン端部を支持可能とする十分な長さであるため、ボビンとハウジングとを相互に干渉させることなく安定して両者を支持することができる。
【0026】
好ましい構成例では、前記各コイル部の軸方向の中心とセンサー溝部の軸方向の中心が一致していることを特徴としている。
【0027】
この構成によれば、コイル部がセンサー溝部の中心位置に設けられるため、軸の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部が軸方向にずれた場合でも安定して磁界を検出できる。
【0028】
好ましい構成例では、前記一対のセンサー溝部及びコイル部は、軸芯が同一で軸芯に対する直角面内で軸芯に関し対称に設けられたことを特徴としている。
【0029】
この構成によれば、センサーシャフト上のセンサー溝部及びボビン上のコイル部はともに軸に直角な断面において軸芯に関し点対称、すなわち同心円に沿って形成される。これにより一対のセンサー溝部に対する正、逆方向の応力が常に安定して同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。
【0030】
好ましい構成例では、前記ハウジングは、その内面が内部に収容されたボビンの外周部と非接触状態で前記ベアリングに支持されたことを特徴としている。
【0031】
この構成によれば、ハウジング内面はボビンの外周部と非接触であるため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回されたコイルは安定してセンサーシャフト上に支持され、検出の信頼性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の基本構成を示す要部構成図であり、図2はその磁界の説明図である。
【0033】
この磁歪トルクセンサ1は、検出すべきトルクが付与されて捻られるセンサーシャフト2と、該センサーシャフト2上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向(例えば反対方向の45°に傾斜して相互に直交する角度)に傾斜した複数の溝3a,3bからなる一対のセンサー溝部4a,4bと、該一対のセンサー溝部4a,4bの外周に装着されたボビン5と、各センサー溝部4a,4bに対応して該ボビン5に巻回した励磁コイル6及びその外周に巻回した検出コイル7とからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部8a,8bと、前記ボビン5の一方の端部とセンサーシャフト2間に介装されたベアリング9と、前記ボビンの他方の端部に設けたベアリングを兼ねたボビンホルダ10と、前記コイル部8a,8b全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジング11とを有している。
【0034】
ハウジング11は円筒形状であり、一方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成される。この円筒鍔部50がベアリング9(後述)上に支持される。ベアリング9は、円筒鍔部50を支持するとともにハウジング11内部に突出するだけの十分な長さを有し、このハウジング11内への突出部上にボビン5の端部を支持する。すなわち、ベアリング9は、軸方向の別領域でボビン5端部及びハウジング11端部を支持する。これにより、ボビン端部及びハウジング端部がそれぞれ安定してベアリング9上に支持されるとともに、ハウジング11に外力が作用した場合にその外力がボビン側に影響することを防止できる。
【0035】
39はカラーであり、後述の円環形状のヨーク12とハウジング11端部の内面間に装着され、ヨーク12を固定保持する。
【0036】
両方の励磁コイル6,6に通電することにより、各コイル部8a,8bの周りに磁束が流れて磁界が形成される。この状態でセンサーシャフト2にトルクが付与されて捩られると、その表面の一方のセンサー溝部4aの溝3aに引っ張り応力が作用し、他方のセンサー溝部4bの溝3bに圧縮応力が作用して検出コイル7,7のインピーダンスが逆方向に変化する。この変化の差を増幅して取り出すことによりトルクが検出される。
【0037】
ボビン5上には、軸方向に並んだ一対のコイル部8a,8b全体の端部に強磁性体の円環形状のヨーク12が装着される。各ヨーク12は、円環形状の非分割一体部品からなり(図15、図16参照)、円筒状ボビンのコイル部に隣接して嵌め込まれる。
【0038】
これらのヨーク12は、それぞれセンサー溝部4bに対向する範囲内の位置に装着される。これらのヨーク12により、図2に示すように、各コイル部8a.8bの外側に隣接して磁束流路13を形成し、磁束が各コイル部8a,8bの外側に漏れることを防止する。なお、図2では図の明瞭化のため磁束を代表的に一本のみ示してあるが、実際には多数の磁束が各コイル部の周囲に流れ磁界が形成される。
【0039】
ボビン5の一方の端部を支持するベアリング9は、金属製の筒体であり、その内面に摺動性を高める樹脂コーティング14が施されている。
【0040】
ベアリング9は金属材料で形成されるため磁束流路となり得るが、このベアリング9はセンサー溝部4bより軸方向外側に外れた位置のセンサーシャフト2上に設けられ、コイル部8bからの距離が遠くなるため、また漏洩磁束防止用のヨーク12があるため、このベアリング9を通して外部に漏れる磁束はほとんどない。したがって、磁束を漏洩させることなく、金属材料を用いて安定して堅固にボビン5及びハウジング11を支持することができる。
【0041】
ボビン5の他方の端部を支持するボビンホルダ10は樹脂の成型品であり、内周部10aがベアリングとして機能し、外周部10bがハウジング11の支持材として機能し、中間部分でボビン5の端部を保持する。この中間部分に鉄等の金属材料からなるリング状の補強部材15が例えばアウトサート成型により埋設される。
【0042】
ボビンホルダ10の内周部10a及び外周部10bには、後述の図12に示すように、円周に沿って放射状に複数の切欠き16が形成される。この切欠き16により樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化やこれに伴う熱応力を逃がし安定したベアリング作用及びボビン保持作用を達成する。
【0043】
したがって、このボビンホルダ10によれば、樹脂材料を用いて磁束の漏洩を確実に防止するとともに補強部材15を用いて樹脂による強度の低下や寸法精度の悪化を回避し、ボビン5及びハウジング11を安定して堅固に支持することができる。
【0044】
筒状のハウジング11はその両端部のみでボビンホルダ10及びベアリング9を介してセンサーシャフト2上に支持され、筒体中間部ではボビン5やヨーク12に接していない。したがって、ハウジング11に外力が作用してもその外力はボビン5にはほとんど作用せずボビン5の変形やこれに伴う磁界の変化は起こらない。したがって、安定した高精度のトルク検出ができる。
【0045】
各コイル部8a,8bの軸方向の中心とこれに対応する各センサー溝部4a,4bの軸方向の中心は一致している。これにより、センサーシャフト2の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部8a,8bが軸方向にずれた場合であっても安定して磁界を検出できる。この場合、軸方向のコイル部8a,8bの幅aとセンサー溝部4a.4bの幅bの比b/aは、約1.25〜3.0であることが望ましい。この範囲より小さいと、コイル部に位置ずれが生じたときにセンサー溝部から外れて安定した磁界検出ができなくなるおそれを生じる。また、この範囲より大きくなると、コイル幅が狭くなりすぎて適正な磁界形成及び磁界検出ができなくなるおそれを生じる。
【0046】
センサー溝部4a及びコイル部8aの一方の組とセンサー溝部4b及びコイル部8bの他方の組は、センサー溝部及びコイル部の軸芯が同一で軸芯に対する直角面内で軸芯に関し対称に、すなわち同心円に沿って形成される。
【0047】
また、軸方向に沿って見た場合には、並列する2つのセンサー溝部間の中央に関し左右対称に形成される。
【0048】
これにより、一対のセンサー溝部4a,4bに対し、正逆方向の応力が常に安定して両方に同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。また、製造上も両方が対称で同じ形状となるため容易に製造可能となる。
【0049】
図3は、上記実施形態に係る磁歪トルクセンサの回路図である。
各励磁コイル6は発振回路に接続され所定強度の磁界を形成する。各検出コイル7は整流回路に接続されインピーダンス変化の差を検出し、これを増幅してマイコンに入力し、A/D変換してトルクを算出する。
【0050】
図4は本発明が適用される動力補助自転車の合力機構部の側面図であり、図5はそのA−A断面図である。
【0051】
ケーシング17内にモータ制御用プリント基板18が装着され、3本のモータ線19及2本の電源線20が接続される。ケーシング17内にさらにトルクセンサ用プリント基板21が装着され、カプラ22を介してリード線が接続される。ペダルクランク軸23の周囲に磁歪トルクセンサ24が装着される。ペダルクランク軸23にフロント側の大スプロケット25が装着される。ペダルクランク軸23の後方に電動モータ28が備わる。電動モータ28の出力軸29に小スプロケット26が連結される。27はテンショナーである。
【0052】
ペダルクランク軸23の両端にペダル部材30が取り付けられる。大スプロケット25と後輪車軸のスプロケット(不図示)間にチェーン(不図示)が巻き掛けられ、このチェーンの途中に電動モータ28に連結された小スプロケット26が係合する。これにより、チェーンを介してペダルクランク軸23からの踏力と電動モータ28からの補助動力が融合し、その合力により後輪を駆動する。モータ28からの補助動力は、ペダルクランク軸23に加わる踏力に応じて変わる。この踏力は、磁歪トルクセンサ24で検出され、その踏力に応じた所定のアシスト比となるように補助動力が演算され、これに基づいて電動モータ28が駆動される。
【0053】
磁歪トルクセンサ24を構成するセンサーシャフト31の一方の端部がセレーション34(図6、図7参照)及びサークリップ32によりペダルクランク軸23に固定され、他方の端部の外ギヤ35(図6、図7)がワンウェイギヤ33に噛み合って踏力をセンサーシャフト31に付与してこれを軸周りに捩る。
【0054】
図6は、上記磁歪トルクセンサ24の断面図である。この実施形態は、前述の図1の実施形態の基本構成をさらに具体化したものである。
【0055】
ペダルクランク軸23(図5)にセンサーシャフト31が装着される。センサーシャフト31の外周表面にセンサー溝部4a,4bが軸方向に並んで形成される。これらのセンサー溝部4a,4bの外周にボビン5が装着される。ボビン5の一方の端部はベアリング9で支持される。このベアリング9上にハウジング11の端部が支持される。ベアリング9の外側端部に非磁性の樹脂又はステンレスのワッシャ35が装着され、その外側にサークリップ36が嵌め込まれる。
【0056】
ボビン5に巻回された2つのコイル部8a,8b間の中央に巻線端子37が設けられ、リード線38が接続される。コイル部8a,8bの両外側に隣接して漏洩磁束防止用の第1ヨーク12a及び第2ヨーク12bが装着される。第1ヨーク12aとハウジング11との間に樹脂からなるカラー39が嵌め込まれ第1ヨーク12aを固定保持する。
【0057】
ハウジング11は円筒形状であり、一方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成される。この円筒鍔部50がベアリング9上に支持される。ベアリング9の長さは、円筒鍔部50全長を支持するとともにハウジング11内部に突出するだけの十分な長さであり、このハウジング11内への突出部上にボビン5の端部を支持する。
【0058】
励磁コイル6は、例えばφ0.1mmの巻き線を1層27ターンで3層81ターンとしてボビン5の両コイル部8a,8bに一次巻線として巻回する。検出コイル7は、励磁コイル6の上に2次巻線として、同じくφ0.1mmの巻き線を1層27ターンで9層243ターンを巻回して形成する。これにより、例えばセンサーシャフト31の外径が約φ28.7mmのとき、検出コイル7の外径(直径)は、約33.4mmとなる。
【0059】
また、この実施例では、各コイル部8a,8bの幅a(図1)は、3.3mmであり、センサー溝部4a,4bの幅bは、8.2mmである。したがって、この例では、b/a=2.48である。
【0060】
補強部材15が一体にアウトサート成型されたボビンホルダ10は、ワッシャ40及びニードルベアリング用サークリップ41を介してセンサーシャフト31に固定される。
【0061】
上記構成では、ボビン5は、その一方の端部がベアリング機能を有するボビンホルダ10の内部10aを介してセンサーシャフト31上に支持され、他方の端部がベアリング9を介して同じくセンサーシャフト31上に支持される。これにより、前述のように、ボビン5の両端部がセンサーシャフト31上に堅固に支持されるとともにベアリングを通した漏洩磁束を抑えることができる。
【0062】
また、円筒状のハウジング11はその両端部のみでボビンホルダ10及びベアリング9を介してセンサーシャフト2上に支持され、ハウジング中間部ではボビン5やヨーク12に接していない。したがって、ハウジング11に外力が作用してもその外力はボビン5にはほとんど作用せずボビン5の変形やこれに伴う磁界の変化は起こらない。したがって、安定した高精度のトルク検出ができる。
【0063】
図7は、センサーシャフトの単品図である。
前述のように、このセンサーシャフト31の外周表面にセンサー溝部4a,4bが軸方向に並んで形成される。42,43はサークリップ嵌合用の溝である。
【0064】
図8(A)〜(D)は、それぞれボビン5の正面図、上面図、側面図及び断面図である。
ボビン5の端部にリード線ガイド兼位置決め用突出部45、45が形成されている。46は、巻線端子の支持部である。
【0065】
図9は、巻線端子を装着した状態のボビンの構成説明図である。
ボビン5と一体の支持部46に、励磁コイル及び検出コイルの各巻き始め及び巻き終わりに対応して4本の巻線端子37が嵌め込まれて固定される。各巻線端子37にリード線38が接続され、リード線ガイド用突出部45を通して取り出され、前述のトルクセンサ用のプリント基板21(図4)に接続される。
【0066】
図10は、ハウジングの単品の構成説明図であり、図11はベアリングを装着した状態の構成説明図である。
コイル保護及び磁気シールド用のハウジング11の一方の端部上側にボビンホルダ装着用の凹部47が形成され、他方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成され、この円筒鍔部50にベアリング9が装着される。
【0067】
ベアリング9は、円筒状の金属スリーブの内面に摩擦を低減して摺動性を高めるための樹脂コーティングを施したものである。このベアリング9は、(B)に示すように、ハウジング11の端部内縁側に挿入される。このベアリング9が図6に示すように、センサーシャフト31に装着されハウジング11を支持するとともに、ハウジング11の内側でボビン5を支持する。
【0068】
図12は、ボビンホルダの構成説明図である。
樹脂からなるボビンホルダ10にリング状の金属製補強部材15が一体に例えばアウトサート成型により取り付けられる。この補強部材15の内周縁側の樹脂材からなる内周部10a及び外周縁側の樹脂材からなる外周部10bには、樹脂材の熱変形を吸収し、及び熱変形による熱応力を逃がすための複数の切欠き16が円周に沿って形成される。内周部10aが前述のセンサーシャフト31に摺接してベアリング部材として機能する(図6参照)。48はリード線の挿通口である。
【0069】
図13は第2ヨーク12b形状説明図であり、図14は第1ヨーク12aの形状説明図である。
第2ヨーク12bにはボビン端部の突出部45(図9)に嵌め合わされる切欠き49が形成される。
【0070】
これらの第1ヨーク及び第2ヨークは、前述のようにコイルの両側に隣接して磁束流路を形成するためのものであり、図示したように、非分割の円環形状の一体部品である。このように、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状などあるいは外周縁にフランジを突出させた形状等を含む)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成される。したがって、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化や分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0071】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、トルクセンサの少なくとも一方の端部に樹脂製のベアリングを用いることにより、ベアリングからの漏洩磁束を抑えるとともに、樹脂による強度低下を部分的な例えばアウトサート成型等による金属の補強部材で補強することにより回避することができる。また、樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化及びこれに伴う熱応力は樹脂に設けた複数の切欠きにより逃がされるため、精度の高い軸支が可能となり検出精度が向上する。
【0073】
また、前記ベアリングのうち他方は、金属の筒体からなり、その内面に摺動性を高めるための樹脂コーティングを施した構成によれば、ベアリングを金属材料の筒体で形成し、その内面に摩擦を低減して摺動性を高める樹脂コーティングを施したため、強度の大きいベアリングで円滑な摺動性が得られる。この場合、ベアリングを金属材料で構成しても、例えばベアリングとコイルとの間に磁気シールド用のヨークを装着することにより、コイルからベアリングを介しての漏洩磁束を抑えることができる。また、ベアリングをコイルから十分離れた位置に設けることによっても漏洩磁束を抑えることができる。
【0074】
また、前記筒体からなるベアリングは、筒体の一方の端部側で前記ボビン端部を支持するとともに、該ボビン端部より軸方向外側で前記ハウジング端部を支持する構成によれば、金属筒体のベアリングは、軸方向に異なる領域でハウジング及びボビンを支持するため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回された検出コイルによる磁界検出の信頼性が向上する。
【0075】
また、前記一対のコイル部全体の少なくとも軸方向の両端部に隣接して円環形状の一体部材からなる磁束流路形成用のヨークを設けた構成によれば、センサーシャフトの軸方向に並ぶ2つのコイル部の両側の端部に隣接して例えば強磁性体からなる円環形状のヨークを設けたため、励磁コイルによる磁束は、コイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、コイルの両外側に漏れる磁束はほとんどなくなる。これにより、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0076】
この場合、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状など)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成され、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化や分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0077】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0078】
また、軸方向に並ぶ各々のコイル部の両側に隣接して前記磁束流路形成用のヨークを設けた構成によれば、各コイル部の両側に隣接してヨークが設けられるため、各コイルの周囲に確実に磁界が形成され、漏洩磁束がさらに確実に低減するとともに隣接するコイル間の磁界の影響が確実になくなり、検出精度がさらに高められる。
【0079】
また、前記ハウジングは円筒形状であり、その一方の端部に縮径された円筒鍔部を有し、該円筒鍔部に前記金属の筒体からなるベアリングを介して前記センサーシャフトが嵌合し、製造時にセンサーシャフトを前記ハウジングの一方の端部の円筒鍔部に組付けた状態で他方の端部側から前記ボビンをセンサーシャフト上に組込み可能とした構成によれば、円筒形状のハウジングの一方の端部に縮径された円筒鍔部が形成されるため、製造時に、予めこの円筒鍔部に金属筒体のベアリングを接合し、このベアリングを挿通してセンサーシャフトを組込み、円筒鍔部と反対側の端部側からボビンを含め他の部品をハウジング内のセンサーシャフト上に順番に挿入して組み込むことができる。あるいは、コイルや円環形状のヨークを予め一体に組立てたボビン組立集合体をハウジングの一方の端部からセンサーシャフト上に嵌め込むこともできる。これにより、製造時の組立作業性及び信頼性が向上する。
【0080】
また、前記ベアリングは、前記円筒鍔部の軸方向全長にわたってハウジング端部を支持するとともに該円筒鍔部より軸方向内側に突出する長さを有し、該突出した部分で前記ボビン端部を支持する構成によれば、ベアリングの長さは、ハウジング端部の円筒鍔部全長を支持可能で且つその軸方向内側でボビン端部を支持可能とする十分な長さであるため、ボビンとハウジングとを相互に干渉させることなく安定して両者を支持することができる。
【0081】
また、前記各コイル部の軸方向の中心とセンサー溝部の軸方向の中心が一致している構成によれば、コイル部がセンサー溝部の中心位置に設けられるため、軸の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部が軸方向にずれた場合でも安定して磁界を検出できる。
【0082】
また、前記一対のセンサー溝部及びコイル部は、軸芯に対し直角な面内で軸芯に関し対称に設けられた構成により、一対のセンサー溝部に発生する正逆方向の応力が常に安定して同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。
【0083】
また、前記ハウジングは、その内面が内部に収容されたボビンの外周部と非接触状態で前記ベアリングに支持された構成によれば、ハウジング内面はボビンの外周部と非接触であるため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回されたコイルは安定してセンサーシャフト上に支持され、検出の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の基本構成を示す要部構成図。
【図2】図1の実施形態の磁界説明図。
【図3】図1の磁歪トルクセンサの回路図。
【図4】本発明が適用される動力補助自転車の合力機構部の側面図。
【図5】図4のA−A断面図。
【図6】図4の実施形態の磁歪トルクセンサの断面図。
【図7】センサーシャフトの単品図。
【図8】ボビンの構成説明図。
【図9】巻線端子を装着した状態のボビンの構成説明図。
【図10】ハウジングの形状説明図。
【図11】ベアリングを装着した状態のベアリングの形状説明図。
【図12】ボビンホルダの形状説明図。
【図13】第2ヨークの形状説明図。
【図14】第1ヨークの形状説明図。
【符号の説明】
1:磁歪センサ、2:センサーシャフト、3a,3b:溝、
4a,4b:センサー溝部、5:ボビン、6:励磁コイル、7:検出コイル、
8a,8b:コイル部、9:ベアリング、10:ボビンホルダ、
10a:内周部、10b:外周部、11:ハウジング、12:ヨーク、
12a:第1ヨーク、12b:第2ヨーク、13:磁束流路、
14:樹脂コーティング、15:補強部材、16:切欠き、
17:ケーシング、18:プリント基板、19:モータ線、20:電源線、
21:プリント基板、22:カプラ、23:ペダルクランク軸、
24:磁歪トルクセンサ、25:大スプロケット、26:小スプロケット、
27:テンショナー、28:電動モータ、29:出力軸、30:ペダル部材、
31:センサーシャフト、32:サークリップ、33:ワンウェイギヤ、
34:セレーション、35:ワッシャ、36:C形サークリップ、
37:巻線端子、38:リード線、39:カラー、40:ワッシャ、
41:ニードルベアリング用サークリップ、42,43:サークリップ用の溝、
44:リングプレート、45:リード線ガイド用突出部、
46:巻線端子の支持部、47:凹部、48:リード線挿通口、49:切欠き、
50:円筒鍔部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触の磁歪式トルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ペダルからの踏力に応じてモータ出力を増減して補助動力を付与する動力補助電動自転車において、ペダルに踏み込まれた踏力を検出するためのトルクセンサが備わる。このトルクセンサとして非接触式の磁歪トルクセンサが用いられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この磁歪トルクセンサは、検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフトと、該センサーシャフト上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向に傾斜した複数の溝からなる一対のセンサー溝部と、該一対のセンサー溝部の外周に装着されたボビンと、各センサー溝部に対応して該ボビンに巻回した励磁コイル及びその外周に巻回した検出コイルとからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部と、前記ボビンの両端部とセンサーシャフト間に介装されたベアリングと、前記コイル部全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジングとを有している。
【0004】
励磁コイルに通電した状態で、センサーシャフトにトルクが付与されて捩れると、軸方向に並ぶセンサー溝部の一方に引っ張り応力が作用し、他方に圧縮応力が作用して磁気特性が逆方向に変化する。この磁気特性の変化をそれぞれに対応する検出コイルのインピーダンスの差として検出することにより、トルクの大きさと方向を検出することができる。
【0005】
従来の磁歪トルクセンサでは、ベアリングが金属の強磁性体で形成されていたため、ベアリングを介して磁束が外部に漏洩し、ハウジングを介して両検出コイル全体の周囲を磁束が流れ検出信号のゲインが小さくなり検出精度を低下させていた。また、漏洩磁束による磁気流路が検出コイルの周囲に形成されるため、この漏洩磁束に外乱磁気が作用し、ノイズの原因となっていた。
【0006】
この点に対処して金属のベアリングを単に樹脂のベアリングに変えたのでは樹脂の熱膨張率が大きいため、温度変化による樹脂の膨張、収縮による寸法変化や熱応力が発生し、検出精度を低下させる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−250673号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、漏洩磁束を極力低減し、効率よく磁界を形成してトルクを検出するとともに、ノイズを低下させて精度の高いトルク検出ができる磁歪トルクセンサの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフトと、該センサーシャフト上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向に傾斜した複数の溝からなる一対のセンサー溝部と、該一対のセンサー溝部の外周に装着されたボビンと、各センサー溝部に対応して該ボビンに巻回した励磁コイル及びその外周に巻回した検出コイルとからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部と、前記ボビンの両端部とセンサーシャフト間に介装されたベアリングと、前記コイル部全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジングとを有する磁歪トルクセンサにおいて、前記ベアリングのうち少なくとも一方は、リング状の金属補強部材を一体結合した樹脂製であり、円周方向に沿って複数ヵ所に熱応力逃がし用の切欠きを設けたことを特徴とする磁歪トルクセンサを提供する。
【0010】
この構成によれば、樹脂製のベアリングを用いることにより、ベアリングからの漏洩磁束を抑えることができる。また、樹脂による強度低下は部分的な、例えばアウトサート成型等による金属の補強部材でまた補強することにより回避することができる。また、樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化及びこれに伴う熱応力は樹脂に設けた複数の切欠きにより逃がされるため、精度の高い軸支が可能となり検出精度が向上する。
【0011】
好ましい構成例では、前記ベアリングのうち他方は、金属の筒体からなり、その内面に摺動性を高めるための樹脂コーティングを施したことを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、ベアリングを金属材料の筒体で形成し、その内面に摩擦を低減して摺動性を高める樹脂コーティングを施したため、強度の大きいベアリングで円滑な摺動性が得られる。この場合、ベアリングを金属材料で構成しても、例えばベアリングとコイルとの間に磁気シールド用のヨークを装着することにより、コイルからベアリングを介しての漏洩磁束を抑えることができる。また、ベアリングをコイルから十分離れた位置に設けることによっても漏洩磁束を抑えることができる。
【0013】
好ましい構成例では、前記筒体からなるベアリングは、筒体の一方の端部側で前記ボビン端部を支持するとともに、該ボビン端部より軸方向外側で前記ハウジング端部を支持することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、金属筒体のベアリングは、軸方向に異なる領域でハウジング及びボビンを支持するため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回された検出コイルによる磁界検出の信頼性が向上する。
【0015】
好ましい構成例では、前記一対のコイル部全体の少なくとも一方の端部に隣接して円環形状の一体部材からなる磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴としている。さらに好ましい構成例では、前記一対のコイル部の両端部に前述のヨークを設けたことを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、センサーシャフトの軸方向に並ぶ2つのコイル部の片側又は両側の端部に隣接して例えば強磁性体からなる円環形状のヨークを設けたため、励磁コイルによる磁束は、コイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、コイルの両外側に漏れる磁束はほとんどなくなる。これにより、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0017】
この場合、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状など)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成され、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化によるぐらつきや分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0018】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0019】
なお、このヨークは、センサー溝部に対向してセンサー溝部から外れない位置に設けることが好ましい。これにより、励磁コイルによる磁束はほとんど全てコイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、ヨークの外側に漏れる磁束はほとんどなくなるため、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0020】
さらに好ましい構成例では、軸方向に並ぶ各々のコイル部の両側に隣接して前記磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、各コイル部の両側に隣接してヨークが設けられるため、各コイルの周囲に確実に磁界が形成され、漏洩磁束がさらに確実に低減するとともに隣接するコイル間の磁界の影響が確実になくなり、検出精度がさらに高められる。
【0022】
好ましい構成例では、前記ハウジングは円筒形状であり、その一方の端部に縮径された円筒鍔部を有し、該円筒鍔部に前記金属の筒体からなるベアリングをハウジングの内側に突出するように組込み、この突出部上に前記ボビン端部を装着して一体集合部材を形成し、この一体集合部材にセンサーシャフトを組込み、抜け止めクリップで固定したことを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、円筒形状のハウジングの一方の端部に縮径された円筒鍔部が形成されるため、製造時に、予めこの円筒鍔部に金属筒体のベアリングをハウジングの内側に突出するように接合し、コイルを巻回したボビンにヨーク及びヨーク位置決めのカラーを差込み、このボビンをハウジング内に突出するベアリング外周部に嵌め合わせ、反対側の端部にボビンホルダーからなるベアリングを装着してボビンの他端を軸支させる。これにより、一体集合部材のセンサー集合体を形成し、この集合体にセンサーシャフトを挿入しサークリップ等の止め輪で抜け止め固定する。以上の如くコイルや円環形状のヨークを予め一体に組立てたボビン組立集合体をハウジングの一方の端部から挿入してセンサー集合体を形成し、これをセンサーシャフト上に嵌め込むことができる。これにより、製造時の組立作業性及び信頼性が向上する。
【0024】
好ましい構成例では、前記ベアリングは、前記円筒鍔部の軸方向全長にわたってハウジング端部を支持するとともに該円筒鍔部より軸方向内側に突出する長さを有し、該突出した部分で前記ボビン端部を支持することを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、ベアリングの長さは、ハウジング端部の円筒鍔部全長を支持可能で且つその軸方向内側でボビン端部を支持可能とする十分な長さであるため、ボビンとハウジングとを相互に干渉させることなく安定して両者を支持することができる。
【0026】
好ましい構成例では、前記各コイル部の軸方向の中心とセンサー溝部の軸方向の中心が一致していることを特徴としている。
【0027】
この構成によれば、コイル部がセンサー溝部の中心位置に設けられるため、軸の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部が軸方向にずれた場合でも安定して磁界を検出できる。
【0028】
好ましい構成例では、前記一対のセンサー溝部及びコイル部は、軸芯が同一で軸芯に対する直角面内で軸芯に関し対称に設けられたことを特徴としている。
【0029】
この構成によれば、センサーシャフト上のセンサー溝部及びボビン上のコイル部はともに軸に直角な断面において軸芯に関し点対称、すなわち同心円に沿って形成される。これにより一対のセンサー溝部に対する正、逆方向の応力が常に安定して同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。
【0030】
好ましい構成例では、前記ハウジングは、その内面が内部に収容されたボビンの外周部と非接触状態で前記ベアリングに支持されたことを特徴としている。
【0031】
この構成によれば、ハウジング内面はボビンの外周部と非接触であるため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回されたコイルは安定してセンサーシャフト上に支持され、検出の信頼性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の基本構成を示す要部構成図であり、図2はその磁界の説明図である。
【0033】
この磁歪トルクセンサ1は、検出すべきトルクが付与されて捻られるセンサーシャフト2と、該センサーシャフト2上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向(例えば反対方向の45°に傾斜して相互に直交する角度)に傾斜した複数の溝3a,3bからなる一対のセンサー溝部4a,4bと、該一対のセンサー溝部4a,4bの外周に装着されたボビン5と、各センサー溝部4a,4bに対応して該ボビン5に巻回した励磁コイル6及びその外周に巻回した検出コイル7とからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部8a,8bと、前記ボビン5の一方の端部とセンサーシャフト2間に介装されたベアリング9と、前記ボビンの他方の端部に設けたベアリングを兼ねたボビンホルダ10と、前記コイル部8a,8b全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジング11とを有している。
【0034】
ハウジング11は円筒形状であり、一方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成される。この円筒鍔部50がベアリング9(後述)上に支持される。ベアリング9は、円筒鍔部50を支持するとともにハウジング11内部に突出するだけの十分な長さを有し、このハウジング11内への突出部上にボビン5の端部を支持する。すなわち、ベアリング9は、軸方向の別領域でボビン5端部及びハウジング11端部を支持する。これにより、ボビン端部及びハウジング端部がそれぞれ安定してベアリング9上に支持されるとともに、ハウジング11に外力が作用した場合にその外力がボビン側に影響することを防止できる。
【0035】
39はカラーであり、後述の円環形状のヨーク12とハウジング11端部の内面間に装着され、ヨーク12を固定保持する。
【0036】
両方の励磁コイル6,6に通電することにより、各コイル部8a,8bの周りに磁束が流れて磁界が形成される。この状態でセンサーシャフト2にトルクが付与されて捩られると、その表面の一方のセンサー溝部4aの溝3aに引っ張り応力が作用し、他方のセンサー溝部4bの溝3bに圧縮応力が作用して検出コイル7,7のインピーダンスが逆方向に変化する。この変化の差を増幅して取り出すことによりトルクが検出される。
【0037】
ボビン5上には、軸方向に並んだ一対のコイル部8a,8b全体の端部に強磁性体の円環形状のヨーク12が装着される。各ヨーク12は、円環形状の非分割一体部品からなり(図15、図16参照)、円筒状ボビンのコイル部に隣接して嵌め込まれる。
【0038】
これらのヨーク12は、それぞれセンサー溝部4bに対向する範囲内の位置に装着される。これらのヨーク12により、図2に示すように、各コイル部8a.8bの外側に隣接して磁束流路13を形成し、磁束が各コイル部8a,8bの外側に漏れることを防止する。なお、図2では図の明瞭化のため磁束を代表的に一本のみ示してあるが、実際には多数の磁束が各コイル部の周囲に流れ磁界が形成される。
【0039】
ボビン5の一方の端部を支持するベアリング9は、金属製の筒体であり、その内面に摺動性を高める樹脂コーティング14が施されている。
【0040】
ベアリング9は金属材料で形成されるため磁束流路となり得るが、このベアリング9はセンサー溝部4bより軸方向外側に外れた位置のセンサーシャフト2上に設けられ、コイル部8bからの距離が遠くなるため、また漏洩磁束防止用のヨーク12があるため、このベアリング9を通して外部に漏れる磁束はほとんどない。したがって、磁束を漏洩させることなく、金属材料を用いて安定して堅固にボビン5及びハウジング11を支持することができる。
【0041】
ボビン5の他方の端部を支持するボビンホルダ10は樹脂の成型品であり、内周部10aがベアリングとして機能し、外周部10bがハウジング11の支持材として機能し、中間部分でボビン5の端部を保持する。この中間部分に鉄等の金属材料からなるリング状の補強部材15が例えばアウトサート成型により埋設される。
【0042】
ボビンホルダ10の内周部10a及び外周部10bには、後述の図12に示すように、円周に沿って放射状に複数の切欠き16が形成される。この切欠き16により樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化やこれに伴う熱応力を逃がし安定したベアリング作用及びボビン保持作用を達成する。
【0043】
したがって、このボビンホルダ10によれば、樹脂材料を用いて磁束の漏洩を確実に防止するとともに補強部材15を用いて樹脂による強度の低下や寸法精度の悪化を回避し、ボビン5及びハウジング11を安定して堅固に支持することができる。
【0044】
筒状のハウジング11はその両端部のみでボビンホルダ10及びベアリング9を介してセンサーシャフト2上に支持され、筒体中間部ではボビン5やヨーク12に接していない。したがって、ハウジング11に外力が作用してもその外力はボビン5にはほとんど作用せずボビン5の変形やこれに伴う磁界の変化は起こらない。したがって、安定した高精度のトルク検出ができる。
【0045】
各コイル部8a,8bの軸方向の中心とこれに対応する各センサー溝部4a,4bの軸方向の中心は一致している。これにより、センサーシャフト2の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部8a,8bが軸方向にずれた場合であっても安定して磁界を検出できる。この場合、軸方向のコイル部8a,8bの幅aとセンサー溝部4a.4bの幅bの比b/aは、約1.25〜3.0であることが望ましい。この範囲より小さいと、コイル部に位置ずれが生じたときにセンサー溝部から外れて安定した磁界検出ができなくなるおそれを生じる。また、この範囲より大きくなると、コイル幅が狭くなりすぎて適正な磁界形成及び磁界検出ができなくなるおそれを生じる。
【0046】
センサー溝部4a及びコイル部8aの一方の組とセンサー溝部4b及びコイル部8bの他方の組は、センサー溝部及びコイル部の軸芯が同一で軸芯に対する直角面内で軸芯に関し対称に、すなわち同心円に沿って形成される。
【0047】
また、軸方向に沿って見た場合には、並列する2つのセンサー溝部間の中央に関し左右対称に形成される。
【0048】
これにより、一対のセンサー溝部4a,4bに対し、正逆方向の応力が常に安定して両方に同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。また、製造上も両方が対称で同じ形状となるため容易に製造可能となる。
【0049】
図3は、上記実施形態に係る磁歪トルクセンサの回路図である。
各励磁コイル6は発振回路に接続され所定強度の磁界を形成する。各検出コイル7は整流回路に接続されインピーダンス変化の差を検出し、これを増幅してマイコンに入力し、A/D変換してトルクを算出する。
【0050】
図4は本発明が適用される動力補助自転車の合力機構部の側面図であり、図5はそのA−A断面図である。
【0051】
ケーシング17内にモータ制御用プリント基板18が装着され、3本のモータ線19及2本の電源線20が接続される。ケーシング17内にさらにトルクセンサ用プリント基板21が装着され、カプラ22を介してリード線が接続される。ペダルクランク軸23の周囲に磁歪トルクセンサ24が装着される。ペダルクランク軸23にフロント側の大スプロケット25が装着される。ペダルクランク軸23の後方に電動モータ28が備わる。電動モータ28の出力軸29に小スプロケット26が連結される。27はテンショナーである。
【0052】
ペダルクランク軸23の両端にペダル部材30が取り付けられる。大スプロケット25と後輪車軸のスプロケット(不図示)間にチェーン(不図示)が巻き掛けられ、このチェーンの途中に電動モータ28に連結された小スプロケット26が係合する。これにより、チェーンを介してペダルクランク軸23からの踏力と電動モータ28からの補助動力が融合し、その合力により後輪を駆動する。モータ28からの補助動力は、ペダルクランク軸23に加わる踏力に応じて変わる。この踏力は、磁歪トルクセンサ24で検出され、その踏力に応じた所定のアシスト比となるように補助動力が演算され、これに基づいて電動モータ28が駆動される。
【0053】
磁歪トルクセンサ24を構成するセンサーシャフト31の一方の端部がセレーション34(図6、図7参照)及びサークリップ32によりペダルクランク軸23に固定され、他方の端部の外ギヤ35(図6、図7)がワンウェイギヤ33に噛み合って踏力をセンサーシャフト31に付与してこれを軸周りに捩る。
【0054】
図6は、上記磁歪トルクセンサ24の断面図である。この実施形態は、前述の図1の実施形態の基本構成をさらに具体化したものである。
【0055】
ペダルクランク軸23(図5)にセンサーシャフト31が装着される。センサーシャフト31の外周表面にセンサー溝部4a,4bが軸方向に並んで形成される。これらのセンサー溝部4a,4bの外周にボビン5が装着される。ボビン5の一方の端部はベアリング9で支持される。このベアリング9上にハウジング11の端部が支持される。ベアリング9の外側端部に非磁性の樹脂又はステンレスのワッシャ35が装着され、その外側にサークリップ36が嵌め込まれる。
【0056】
ボビン5に巻回された2つのコイル部8a,8b間の中央に巻線端子37が設けられ、リード線38が接続される。コイル部8a,8bの両外側に隣接して漏洩磁束防止用の第1ヨーク12a及び第2ヨーク12bが装着される。第1ヨーク12aとハウジング11との間に樹脂からなるカラー39が嵌め込まれ第1ヨーク12aを固定保持する。
【0057】
ハウジング11は円筒形状であり、一方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成される。この円筒鍔部50がベアリング9上に支持される。ベアリング9の長さは、円筒鍔部50全長を支持するとともにハウジング11内部に突出するだけの十分な長さであり、このハウジング11内への突出部上にボビン5の端部を支持する。
【0058】
励磁コイル6は、例えばφ0.1mmの巻き線を1層27ターンで3層81ターンとしてボビン5の両コイル部8a,8bに一次巻線として巻回する。検出コイル7は、励磁コイル6の上に2次巻線として、同じくφ0.1mmの巻き線を1層27ターンで9層243ターンを巻回して形成する。これにより、例えばセンサーシャフト31の外径が約φ28.7mmのとき、検出コイル7の外径(直径)は、約33.4mmとなる。
【0059】
また、この実施例では、各コイル部8a,8bの幅a(図1)は、3.3mmであり、センサー溝部4a,4bの幅bは、8.2mmである。したがって、この例では、b/a=2.48である。
【0060】
補強部材15が一体にアウトサート成型されたボビンホルダ10は、ワッシャ40及びニードルベアリング用サークリップ41を介してセンサーシャフト31に固定される。
【0061】
上記構成では、ボビン5は、その一方の端部がベアリング機能を有するボビンホルダ10の内部10aを介してセンサーシャフト31上に支持され、他方の端部がベアリング9を介して同じくセンサーシャフト31上に支持される。これにより、前述のように、ボビン5の両端部がセンサーシャフト31上に堅固に支持されるとともにベアリングを通した漏洩磁束を抑えることができる。
【0062】
また、円筒状のハウジング11はその両端部のみでボビンホルダ10及びベアリング9を介してセンサーシャフト2上に支持され、ハウジング中間部ではボビン5やヨーク12に接していない。したがって、ハウジング11に外力が作用してもその外力はボビン5にはほとんど作用せずボビン5の変形やこれに伴う磁界の変化は起こらない。したがって、安定した高精度のトルク検出ができる。
【0063】
図7は、センサーシャフトの単品図である。
前述のように、このセンサーシャフト31の外周表面にセンサー溝部4a,4bが軸方向に並んで形成される。42,43はサークリップ嵌合用の溝である。
【0064】
図8(A)〜(D)は、それぞれボビン5の正面図、上面図、側面図及び断面図である。
ボビン5の端部にリード線ガイド兼位置決め用突出部45、45が形成されている。46は、巻線端子の支持部である。
【0065】
図9は、巻線端子を装着した状態のボビンの構成説明図である。
ボビン5と一体の支持部46に、励磁コイル及び検出コイルの各巻き始め及び巻き終わりに対応して4本の巻線端子37が嵌め込まれて固定される。各巻線端子37にリード線38が接続され、リード線ガイド用突出部45を通して取り出され、前述のトルクセンサ用のプリント基板21(図4)に接続される。
【0066】
図10は、ハウジングの単品の構成説明図であり、図11はベアリングを装着した状態の構成説明図である。
コイル保護及び磁気シールド用のハウジング11の一方の端部上側にボビンホルダ装着用の凹部47が形成され、他方の端部に縮径された円筒鍔部50が形成され、この円筒鍔部50にベアリング9が装着される。
【0067】
ベアリング9は、円筒状の金属スリーブの内面に摩擦を低減して摺動性を高めるための樹脂コーティングを施したものである。このベアリング9は、(B)に示すように、ハウジング11の端部内縁側に挿入される。このベアリング9が図6に示すように、センサーシャフト31に装着されハウジング11を支持するとともに、ハウジング11の内側でボビン5を支持する。
【0068】
図12は、ボビンホルダの構成説明図である。
樹脂からなるボビンホルダ10にリング状の金属製補強部材15が一体に例えばアウトサート成型により取り付けられる。この補強部材15の内周縁側の樹脂材からなる内周部10a及び外周縁側の樹脂材からなる外周部10bには、樹脂材の熱変形を吸収し、及び熱変形による熱応力を逃がすための複数の切欠き16が円周に沿って形成される。内周部10aが前述のセンサーシャフト31に摺接してベアリング部材として機能する(図6参照)。48はリード線の挿通口である。
【0069】
図13は第2ヨーク12b形状説明図であり、図14は第1ヨーク12aの形状説明図である。
第2ヨーク12bにはボビン端部の突出部45(図9)に嵌め合わされる切欠き49が形成される。
【0070】
これらの第1ヨーク及び第2ヨークは、前述のようにコイルの両側に隣接して磁束流路を形成するためのものであり、図示したように、非分割の円環形状の一体部品である。このように、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状などあるいは外周縁にフランジを突出させた形状等を含む)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成される。したがって、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化や分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0071】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、トルクセンサの少なくとも一方の端部に樹脂製のベアリングを用いることにより、ベアリングからの漏洩磁束を抑えるとともに、樹脂による強度低下を部分的な例えばアウトサート成型等による金属の補強部材で補強することにより回避することができる。また、樹脂の熱膨張、収縮による寸法変化及びこれに伴う熱応力は樹脂に設けた複数の切欠きにより逃がされるため、精度の高い軸支が可能となり検出精度が向上する。
【0073】
また、前記ベアリングのうち他方は、金属の筒体からなり、その内面に摺動性を高めるための樹脂コーティングを施した構成によれば、ベアリングを金属材料の筒体で形成し、その内面に摩擦を低減して摺動性を高める樹脂コーティングを施したため、強度の大きいベアリングで円滑な摺動性が得られる。この場合、ベアリングを金属材料で構成しても、例えばベアリングとコイルとの間に磁気シールド用のヨークを装着することにより、コイルからベアリングを介しての漏洩磁束を抑えることができる。また、ベアリングをコイルから十分離れた位置に設けることによっても漏洩磁束を抑えることができる。
【0074】
また、前記筒体からなるベアリングは、筒体の一方の端部側で前記ボビン端部を支持するとともに、該ボビン端部より軸方向外側で前記ハウジング端部を支持する構成によれば、金属筒体のベアリングは、軸方向に異なる領域でハウジング及びボビンを支持するため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回された検出コイルによる磁界検出の信頼性が向上する。
【0075】
また、前記一対のコイル部全体の少なくとも軸方向の両端部に隣接して円環形状の一体部材からなる磁束流路形成用のヨークを設けた構成によれば、センサーシャフトの軸方向に並ぶ2つのコイル部の両側の端部に隣接して例えば強磁性体からなる円環形状のヨークを設けたため、励磁コイルによる磁束は、コイルに隣接するヨーク内を通って磁路が形成され、コイルの両外側に漏れる磁束はほとんどなくなる。これにより、効率よく磁界が形成されるとともに漏洩磁束が拾うノイズが低減し、検出精度が向上する。
【0076】
この場合、ヨークが円環形状(穴あき円板や略円筒形状など)の一体部品であるため、磁路は分断されず円滑な磁束流路が形成され、例えば半分に分割した部品を接着剤等で接合した構成に比べ、接着剤の経年変化や分割境界部での離接がセンサ出力に与える影響を防止でき、検出の精度及び信頼性が向上する。
【0077】
さらに円環形状のヨークを用いることにより、製造組立時に、このヨークを円筒状のボビンあるいはセンサーシャフトの軸方向の一方の側から組込むことができ、組立の作業性が向上する。
【0078】
また、軸方向に並ぶ各々のコイル部の両側に隣接して前記磁束流路形成用のヨークを設けた構成によれば、各コイル部の両側に隣接してヨークが設けられるため、各コイルの周囲に確実に磁界が形成され、漏洩磁束がさらに確実に低減するとともに隣接するコイル間の磁界の影響が確実になくなり、検出精度がさらに高められる。
【0079】
また、前記ハウジングは円筒形状であり、その一方の端部に縮径された円筒鍔部を有し、該円筒鍔部に前記金属の筒体からなるベアリングを介して前記センサーシャフトが嵌合し、製造時にセンサーシャフトを前記ハウジングの一方の端部の円筒鍔部に組付けた状態で他方の端部側から前記ボビンをセンサーシャフト上に組込み可能とした構成によれば、円筒形状のハウジングの一方の端部に縮径された円筒鍔部が形成されるため、製造時に、予めこの円筒鍔部に金属筒体のベアリングを接合し、このベアリングを挿通してセンサーシャフトを組込み、円筒鍔部と反対側の端部側からボビンを含め他の部品をハウジング内のセンサーシャフト上に順番に挿入して組み込むことができる。あるいは、コイルや円環形状のヨークを予め一体に組立てたボビン組立集合体をハウジングの一方の端部からセンサーシャフト上に嵌め込むこともできる。これにより、製造時の組立作業性及び信頼性が向上する。
【0080】
また、前記ベアリングは、前記円筒鍔部の軸方向全長にわたってハウジング端部を支持するとともに該円筒鍔部より軸方向内側に突出する長さを有し、該突出した部分で前記ボビン端部を支持する構成によれば、ベアリングの長さは、ハウジング端部の円筒鍔部全長を支持可能で且つその軸方向内側でボビン端部を支持可能とする十分な長さであるため、ボビンとハウジングとを相互に干渉させることなく安定して両者を支持することができる。
【0081】
また、前記各コイル部の軸方向の中心とセンサー溝部の軸方向の中心が一致している構成によれば、コイル部がセンサー溝部の中心位置に設けられるため、軸の撓みや振動がある場合あるいは外力によりコイル部が軸方向にずれた場合でも安定して磁界を検出できる。
【0082】
また、前記一対のセンサー溝部及びコイル部は、軸芯に対し直角な面内で軸芯に関し対称に設けられた構成により、一対のセンサー溝部に発生する正逆方向の応力が常に安定して同等に付与されるとともにコイルのインピーダンス変化も同等に検出できるため、常に安定して高精度のトルク検出が可能になる。
【0083】
また、前記ハウジングは、その内面が内部に収容されたボビンの外周部と非接触状態で前記ベアリングに支持された構成によれば、ハウジング内面はボビンの外周部と非接触であるため、ハウジングに作用する外力がボビンに影響しなくなり、ボビンに巻回されたコイルは安定してセンサーシャフト上に支持され、検出の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の基本構成を示す要部構成図。
【図2】図1の実施形態の磁界説明図。
【図3】図1の磁歪トルクセンサの回路図。
【図4】本発明が適用される動力補助自転車の合力機構部の側面図。
【図5】図4のA−A断面図。
【図6】図4の実施形態の磁歪トルクセンサの断面図。
【図7】センサーシャフトの単品図。
【図8】ボビンの構成説明図。
【図9】巻線端子を装着した状態のボビンの構成説明図。
【図10】ハウジングの形状説明図。
【図11】ベアリングを装着した状態のベアリングの形状説明図。
【図12】ボビンホルダの形状説明図。
【図13】第2ヨークの形状説明図。
【図14】第1ヨークの形状説明図。
【符号の説明】
1:磁歪センサ、2:センサーシャフト、3a,3b:溝、
4a,4b:センサー溝部、5:ボビン、6:励磁コイル、7:検出コイル、
8a,8b:コイル部、9:ベアリング、10:ボビンホルダ、
10a:内周部、10b:外周部、11:ハウジング、12:ヨーク、
12a:第1ヨーク、12b:第2ヨーク、13:磁束流路、
14:樹脂コーティング、15:補強部材、16:切欠き、
17:ケーシング、18:プリント基板、19:モータ線、20:電源線、
21:プリント基板、22:カプラ、23:ペダルクランク軸、
24:磁歪トルクセンサ、25:大スプロケット、26:小スプロケット、
27:テンショナー、28:電動モータ、29:出力軸、30:ペダル部材、
31:センサーシャフト、32:サークリップ、33:ワンウェイギヤ、
34:セレーション、35:ワッシャ、36:C形サークリップ、
37:巻線端子、38:リード線、39:カラー、40:ワッシャ、
41:ニードルベアリング用サークリップ、42,43:サークリップ用の溝、
44:リングプレート、45:リード線ガイド用突出部、
46:巻線端子の支持部、47:凹部、48:リード線挿通口、49:切欠き、
50:円筒鍔部。
Claims (9)
- 検出すべきトルクが付与されるセンサーシャフトと、
該センサーシャフト上に軸方向に並んで形成された相互に逆方向に傾斜した複数の溝からなる一対のセンサー溝部と、
該一対のセンサー溝部の外周に装着されたボビンと、
各センサー溝部に対応して該ボビンに巻回した励磁コイル及びその外周に巻回した検出コイルとからなる軸方向に並ぶ一対のコイル部と、
前記ボビンの両端部とセンサーシャフト間に介装されたベアリングと、
前記コイル部全体を覆うコイル保護及び磁気シールド用のハウジングとを有する磁歪トルクセンサにおいて、
前記ベアリングのうち少なくとも一方は、リング状の金属補強部材を一体結合した樹脂製であり、円周方向に沿って複数ヵ所に熱応力逃がし用の切欠きを設けたことを特徴とする磁歪トルクセンサ。 - 前記ベアリングのうち他方は、金属の筒体からなり、その内面に摺動性を高めるための樹脂コーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記筒体からなるベアリングは、筒体の一方の端部側で前記ボビン端部を支持するとともに、該ボビン端部より軸方向外側で前記ハウジング端部を支持することを特徴とする請求項2に記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記一対のコイル部全体の少なくとも軸方向の両端部に隣接して円環形状の一体部材からなる磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁歪トルクセンサ。
- 軸方向に並ぶ各々のコイル部の両側に隣接して前記磁束流路形成用のヨークを設けたことを特徴とする請求項4に記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記ハウジングは円筒形状であり、その一方の端部に縮径された円筒鍔部を有し、該円筒鍔部に前記金属の筒体からなるベアリングをハウジングの内側に突出するように組込み、この突出部上に前記ボビン端部を装着して一体集合部材を形成し、この一体集合部材にセンサーシャフトを組込み、抜け止めクリップで固定したことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記ベアリングは、前記円筒鍔部の軸方向全長にわたってハウジング端部を支持するとともに該円筒鍔部より軸方向内側に突出する長さを有し、該突出した部分で前記ボビン端部を支持することを特徴とする請求項6に記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記各コイル部の軸方向の中心とセンサー溝部の軸方向の中心が一致していることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の磁歪トルクセンサ。
- 前記一対のセンサー溝部及びコイル部は、軸芯が同一で軸芯に対する直角面内で軸芯に関し対称に設けられたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の磁歪トルクセンサ。
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