以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
(ロータリトランス付きモータ10の概略的な構成)
図1は、本発明の一実施の形態におけるロータリトランス付きモータ10の断面図である。なお図1は、回転軸AXを含む断面で見た場合の断面図である。
図1を参照して、本実施の形態におけるロータリトランス付きモータ10は、いわゆるアウターロータ型のモータであり、ヘキサ巻の円筒状巻線により形成されたコイル22を使用したスロットレスのコア付モータである。ロータリトランス付きモータ10は、シャフト11と、シャフト11の外周に固定されたステータ20と、ロータリトランス付きモータ10の図1中上側(回転軸方向の一方側の一例)に設けられたロータリトランス50およびベアリング部80と、ロータリトランス付きモータ10の図1中下側(回転軸方向の他方側の一例)に設けられたロータリトランス60およびベアリング部90と、ベアリング部80および90によってシャフト11に対して回転可能に設けられたロータ30と、ばね130とを主に備えている。ステータ20とロータ30とはモータ部40を構成している。
またロータリトランス付きモータ10は、ロータ30の図1中上側端部に設けられ、ロータリトランス50の外径側の周囲を囲むリング部材70と、ロータ30の図1中下側端部に設けられ、ロータリトランス60の外径側の周囲を囲むリング部材100とをさらに備えている。リング部材70および100の各々は、ロータリトランス50および60の各々の信号に外部ノイズが侵入することを防止する。
(ステータ20)
ステータ20は、ステータコア21と、コイル22とを含んでいる。ステータコア21の中央には貫通孔が形成されている。回転軸AXに沿って延在するシャフト11の外周面にステータ20が固定された状態となるように、シャフト11がステータコア21の貫通孔に圧入固定または接着固定されている。ステータコア21は、シャフト11の外周面と接触してシャフト11に固定されている。コイル22は、ステータコア21に巻回されている。
ステータコア21の図1中下側の端部には、FPC(Flexible Printed Circuits)よりなる基板(図示無し)が配置されている。コイル22の末端は、FPCに形成された電極用ランド(図示無し)に電気的に接合されている。
ステータコア21の図1中下側の端面にはブッシュ120が配置されている。ブッシュ120は、たとえば樹脂よりなっており、中空円筒状である。ブッシュ120は、たとえば接着剤にてシャフト11に固定されている。シャフト11の外周面の一部には平面が形成されており(Dカット、図示無し)、FPCに接合したリード線(図示無し)はシャフト11のDカットに沿って、モータ部40の外部に引き出されている。
(ロータ30)
ロータ30は、有底筒状のロータケース31と、ロータケース31の内側に装着されたロータマグネット32とを含んでいる。ロータケース31は、図1中上部に設けられた底部31aと、ステータ20の外周を囲う側壁部31bとを含んでいる。ロータマグネット32は、ステータ20に対向するようにロータケース31の側壁部31bの内周面に装着されている。
なお、ロータケース31には、センサが取付けられているが、図1は、センサが見えない位置での断面図であるため、センサ自体は図示されていない。
底部31aの中央には開口31cが形成されている。開口31cは、ロータケース31の図1中上側に設けられている。開口31cには取付部材33が設けられている。取付部材33の外周の一部には、段差が形成されており、この段差が開口31cに圧入固定または接着固定されている。取付部材33の中央には貫通孔33aが形成されている。取付部材33は、後述する回転側ベアリングホルダ84に接着固定されており、回転側ベアリングホルダ84を保持している。
ロータケース31の図1中下側には開口31dが形成されている。開口31dには取付部材34が設けられている。取付部材34は、円盤状であり、ロータケース31の側壁部31bの内周面に圧入固定または接着固定されている。取付部材34の中央には貫通孔34aが形成されている。取付部材34は、後述する回転側ベアリングホルダ94に接着固定されており、回転側ベアリングホルダ94を保持している。
(ベアリング部80)
ベアリング部80は、ベアリング81と、ベアリングホルダ82とを含んでいる。
ベアリング81は、たとえばボールベアリングであり、内輪81aと外輪81bとを含んでいる。
ベアリングホルダ82は、静止側ベアリングホルダ83と、回転側ベアリングホルダ84とを含んでいる。静止側ベアリングホルダ83は、シャフト11の外周面に固定されており、ベアリング81の内輪81aをシャフト11に対して固定している。回転側ベアリングホルダ84は、ロータケース31の開口31cに固定される取付部材33を、ベアリング81の外輪81bに対して固定している。
静止側ベアリングホルダ83は、筒部83aと、フランジ部83bとを含んでいる。筒部83aは円筒状であり、筒部83aの中央には貫通孔が形成されている。筒部83aの貫通孔にはシャフト11が固着されている。
筒部83aは、内輪81aと接触して内輪81aの内径側に圧入固定または接着固定されている。シャフト11は、筒部83aの貫通孔に固着されている。これにより、ベアリング81の内輪81aは、静止側ベアリングホルダ83を介してシャフト11に対して固定されている。
フランジ部83bは、円盤状であり、筒部83aの図1中上側に形成されている。フランジ部83bは、筒部83aから外径方向に延在している。フランジ部83bは、その外径側端部にリング状壁部83cを含んでいる。リング状壁部83cは、ベアリング81の外輪81bよりも外側に位置するように設けられている。
ロータリトランス50は、回転側ロータリトランス51と、静止側ロータリトランス52とを含んでいる。回転側ロータリトランス51と静止側ロータリトランス52とは、互いに対向している。静止側ロータリトランス52は、リング状壁部83cの外周面およびリング状壁部83cよりも外側のフランジ部83bの図1中下側の面(以下、底面83dともいう)に当接することで位置合わせされて、静止側ベアリングホルダ83に固定されている。
静止側ロータリトランス52は、円盤状のコイル収容部52bと、コイル52cとを含んでいる。コイル収容部52bは、リング状のコイル収容凹部52aを含んでいる。コイル52cは、コイル収容凹部52aに収容されている。
コイル収容部52bがリング状壁部83cの外周面およびリング状壁部83cよりも外側のフランジ部83bの底面83dに当接するように、リング状壁部83cはコイル収容部52bの開口に嵌着されている。またコイル収容部52bは、リング状壁部83cの外周面およびリング状壁部83cよりも外側のフランジ部83bの底面83dに対して接着固定されていてもよい。これにより、静止側ロータリトランス52は、静止側ベアリングホルダ83に固定されている。
コイル収容凹部52aの外壁の一部には、切欠き(図9における切欠き52fに相当)が設けられている。コイル52cからの引き出し線が、その切欠きを通じて外部に引き出されている。これにより、静止側ロータリトランス52が受信した信号(ロータリトランス50の回転側ロータリトランス51からの信号)を外部に伝達することができる。
回転側ベアリングホルダ84は、筒部84aと、フランジ部84bとを含んでいる。筒部84aは円筒状であり、筒部84aの中央には貫通孔が形成されている。筒部84aの貫通孔にはベアリング81の外輪81bが圧入固定または接着固定されている。筒部84aは、外輪81bと接触して外輪81bの外径側に固定されている。フランジ部84bは、円盤状であり、筒部84aの図1中下側に形成されている。フランジ部84bは、筒部84aから外径方向に延在している。
回転側ロータリトランス51は、筒部84aの外周面と円盤状のフランジ部84bの図1中上側の面(以下、底面84cともいう)の各々と接触することで位置合わせされて、回転側ベアリングホルダ84に固定されている。回転側ロータリトランス51は、筒部84aの外径側に配置されている。
回転側ロータリトランス51は、静止側ロータリトランス52と同様の構成を有しており、円盤状のコイル収容部51bと、コイル51cとを含んでいる。コイル収容部51bは、リング状のコイル収容凹部51aを含んでいる。コイル51cは、コイル収容凹部51aに収容されている。
筒部84aは、コイル収容部51bの開口に嵌着している。または、筒部84aの外周面およびフランジ部84bの底面84cに対してコイル収容部51bが接着固定されていてもよい。これにより、回転側ロータリトランス51は、回転側ベアリングホルダ84に固定されている。
外輪81bは、内輪81aに対して回転可能である。内輪81aは、静止側ベアリングホルダ83を介してシャフト11に固定されている。回転側ベアリングホルダ84のフランジ部84bは外輪81bに固定されており、フランジ部84bの図1中下側の面84dには取付部材33が接着固定されている。取付部材33はロータケース31に取り付けられている。
この結果、回転側ロータリトランス51およびロータ30は、シャフト11に対して一体的に回転可能になっている。
静止側ロータリトランス52と同様に、回転側ロータリトランス51のコイル収容凹部51aの外壁の一部には、切欠き(図9における切欠き52fに相当)が設けられている。コイル51cからの引き出し線が、この切欠きを通じてロータケース31に取付けられている図示しないセンサに接続されている。回転側ロータリトランス51は、この引き出し線を通じて、センサからの信号を静止側ロータリトランス52へと伝達する。
なお、ステータコア21の図1中上側には、コイル22が設けられる部分から図1中上側に延在する延在部21aが形成されている。延在部21aは、コイル22が設けられる部分の外径よりも小さい外径を有している。延在部21aの図1中上側の端面は、ベアリング81の内輪81aの図1中下側の端面を支持する。
延在部21aを設けることで、ステータ20に対するベアリング部80の位置精度を高めることができる。延在部21aは、ステータコア21とは別の部材であってもよい。延在部21aは後述するようにベアリング81の内輪81aに予圧を与える働きをするが、延在部21aがステータコア21とは別の部材とされた場合にも、延在部21aは同様に内輪81aに予圧を与える働きをする。
(ベアリング部90)
ベアリング部90は、ベアリング91と、ベアリングホルダ92とを含んでいる。
ベアリング91は、たとえばボールベアリングであり、内輪91aと外輪91bとを含んでいる。
ベアリングホルダ92は、静止側ベアリングホルダ93と、回転側ベアリングホルダ94とを含んでいる。静止側ベアリングホルダ93は、シャフト11の外周面に固定されており、ベアリング91の内輪91aをシャフト11に対して固定している。回転側ベアリングホルダ94は、ロータケース31の開口31dに固定される取付部材34をベアリング91の外輪91bに対して固定している。
静止側ベアリングホルダ93は、上述した静止側ベアリングホルダ83と同様の形状で構成されている。静止側ベアリングホルダ83および93を同形状の部材とすることで、静止側ベアリングホルダ83および93の部品の共通化を図ることができる。静止側ベアリングホルダ93は、静止側ベアリングホルダ83とは異なる形状で構成されていてもよい。
静止側ベアリングホルダ93は、筒部93aと、フランジ部93bとを含んでいる。筒部93aは円筒状であり、筒部93aの中央には貫通孔が形成されている。筒部93aの貫通孔にはシャフト11が固着されている。
筒部93aは、内輪91aの内径側に圧入固定または接着固定されている。シャフト11は、筒部93aの貫通孔に圧入固定または接着固定されている。これにより、ベアリング91の内輪91aは、静止側ベアリングホルダ93を介してシャフト11に対して固定されている。
また、静止側ベアリングホルダ93の円盤状のフランジ部93bもまた、筒部93aから外径方向に延在しており、リング状壁部93cを含んでいる。リング状壁部93cは、図1中上側に延出しており、ベアリング91の外輪91bよりも外側に位置するように設けられている。
ブッシュ120と、静止側ベアリングホルダ93の筒部93aとの間には所定のばね定数を有するばね(コイルばね)130が配置されている。筒部93aにはベアリング91の内輪91aが固定されており、ばね130は筒部93aに当接している。これにより、ばね130は、筒部93aを介して内輪91aに予圧を与えている。また、ブッシュ120はステータコア21と当接しており、ステータコア21の延在部21aは、ベアリング81の内輪81aに当接している。このため、ばね130は、シャフト11および延在部21aを介して内輪81aに予圧を与えている。
ロータリトランス60は、回転側ロータリトランス61と、静止側ロータリトランス62とを含んでいる。回転側ロータリトランス61と静止側ロータリトランス62とは、互いに対向している。静止側ロータリトランス62は、リング状壁部93cの外周面およびリング状壁部93cよりも外側のフランジ部93bの図1中上側の面(以下、底面93dともいう)に当接することで位置合わせされて、静止側ベアリングホルダ93に固定されている。
静止側ロータリトランス62も、静止側ロータリトランス52と同様の構成を有している。具体的には、静止側ロータリトランス62は、円盤状のコイル収容部62bと、コイル62cとを含んでいる。コイル収容部62bは、リング状のコイル収容凹部62aを含んでいる。コイル62cは、コイル収容凹部62aに収容されている。
コイル収容部62bがリング状壁部93cの外周面およびリング状壁部93cよりも外側のフランジ部93bの底面93dに当接するように、リング状壁部93cはコイル収容部62bに嵌着している。またコイル収容部62bは、リング状壁部93cの外周面およびリング状壁部93cよりも外側のフランジ部93bの底面93dに対して接着固定されていてもよい。これにより、静止側ロータリトランス62は、静止側ベアリングホルダ93に固定されている。
コイル収容凹部52aと同様に、コイル収容凹部62aの外壁の一部には、切欠き(図9における切欠き52fに相当)が設けられている。コイル62cからの引き出し線が、その切欠きを通じて外部に引き出されている。これにより、静止側ロータリトランス62が受信した信号(ロータリトランス60の回転側ロータリトランス61からの信号)を外部に伝達することができる。
回転側ベアリングホルダ94は、上述した回転側ベアリングホルダ84と同様の形状で構成されている。回転側ベアリングホルダ84および94を同形状の部材とすることで、回転側ベアリングホルダ84および94の部品の共通化を図ることができる。回転側ベアリングホルダ94は、回転側ベアリングホルダ84とは異なる形状で構成されていてもよい。
回転側ベアリングホルダ94は、筒部94aと、フランジ部94bとを含んでいる。筒部94aは円筒状であり、筒部94aの中央には貫通孔が形成されている。筒部94aの貫通孔にはベアリング91の外輪91bが圧入固定または接着固定されている。筒部94aは、外輪91bと接触して外輪91bの外径側に固定されている。フランジ部94bは、円盤状であり、筒部94aの図1中上側に形成されている。フランジ部94bは、筒部94aから外径方向に延在している。
回転側ロータリトランス61は、筒部94aの外周面と円盤状のフランジ部94bの図1中下側の面(以下、底面94cともいう)の各々と接触することで位置合わせされて、回転側ベアリングホルダ94に固定されている。回転側ロータリトランス61は、筒部94aの外径側に配置されている。
回転側ロータリトランス61も、回転側ロータリトランス51と同様の構成を有しており、円盤状のコイル収容部61bと、コイル61cとを含んでいる。コイル収容部61bは、リング状の平面形状を有している。コイル収容部61bは、コイル収容凹部61aを含んでいる。コイル収容凹部61aは、図1の断面において凹形状を有している。コイル61cは、コイル収容凹部61aの内部に収容されている。コイル61cの詳細な収容方法については後述する。
筒部94aは、コイル収容部61bに嵌着している。または、筒部94aの外周面およびフランジ部94bの底面94cに対して、コイル収容部61bが接着固定されていてもよい。これにより、回転側ロータリトランス61は、回転側ベアリングホルダ94に固定されている。
外輪91bは、内輪91aに対して回転可能である。内輪91aは、静止側ベアリングホルダ93を介してシャフト11に固定されている。回転側ベアリングホルダ94のフランジ部94bは外輪91bに固定されており、フランジ部94bの図1中上側の面94dには取付部材34が接着固定されている。取付部材34は、ロータケース31の開口31dに固定されている。
この結果、ロータリトランス60の回転側ロータリトランス61およびロータ30は、シャフト11に対して一体的に回転可能になっている。
静止側ロータリトランス62と同様に、回転側ロータリトランス61のコイル収容凹部61aの外壁の一部には、切欠き(図9における切欠き52fに相当)が設けられている。コイル61cからの引き出し線が、この切欠きを通じてロータケース31に取付けられている図示しないセンサに接続されている。回転側ロータリトランス61は、この引き出し線を通じて、センサからの信号を静止側ロータリトランス62へと伝達する。
上述のように、ベアリング部80および90は、同様の部材により構成されており、同様の形状を有している。ベアリング部80および90を同形状の部材とすることで、ベアリング部80および90の部品の共通化を図ることができる。ベアリング部80および90の各々を構成する部材は、互いに異なる形状を有していてもよい。
また、ロータリトランス50および60は、同様の部材により構成されており、同様の形状を有している。ロータリトランス50および60を同形状の部材とすることで、ロータリトランス50および60の部品の共通化を図ることができる。ロータリトランス50および60の各々を構成する部材は、互いに異なる形状を有していてもよい。
取付部材13は、回転側ベアリングホルダ94を安定してロータ30に固定するために設けられている。取付部材13は、筒部13aと、フランジ部13bとを含んでいる。筒部13aは、円筒状である。筒部13aの中央には、回転側ベアリングホルダ94のフランジ部94bの外径と略等しい内径を有する貫通孔が形成されている。
フランジ部13bは、円盤状であり、筒部13aの図1中上側において外径側に延在している。ロータケース31の開口31dには、円環状の段差部31eが形成されている。フランジ部13bは、段差部31eに対して圧入固定または接着固定されている。
フランジ部13bを段差部31eに圧入固定または接着固定するとともに、筒部13aにフランジ部94bを圧入固定または接着固定することで、回転側ベアリングホルダ94がロータケース31に安定して固定される。
なお、フランジ部13bの図1中上側の面13dは、取付部材34の図1中下側の面の外側部分34bと当接している。この当接する部分で取付部材13と取付部材34とが接着固定されていてもよい。
モータ部40からの漏洩磁束がロータリトランス50およびロータリトランス60の信号に対するノイズ(内部ノイズ)とならないようにするために、ステータ20、取付部材33、および取付部材34によって、回転側ベアリングホルダ84および94を通らない磁路が形成され、モータ部40内で磁気回路が形成されることが好ましい。
この観点で、取付部材33および34は、磁性金属よりなることが好ましく、回転側ベアリングホルダ84および94は非磁性材料よりなることが好ましい。
(リング部材70および100)
図2は、本発明の一実施の形態におけるリング部材70の構成を示す分解斜視図である。
図1および図2を参照して、リング部材70は、ロータリトランス50を囲繞している。リング部材70は、回転側ロータリトランス51と微小間隔を隔てて回転側ロータリトランス51の外径側に配置されている。
リング部材70は、内径側部材71と、外径側部材72とを含んでいる。内径側部材71は主に電界シールドとして作用し、外径側部材72は、主に磁界シールドとして作用する。その結果、内径側部材71および外径側部材72は電磁シールドとして作用する。
外部ノイズの磁界を抑制するために、内径側部材71が非磁性の非鉄金属および磁性電波吸収材料のうち少なくともいずれか一方よりなっており、外径側部材72が磁性電波吸収材料よりなっている。
具体的には、内径側部材71としては、黄銅(真鍮)にニッケルめっきしたものや、アルミ材にアルマイト処理したものなどを用いることができる。外径側部材72としては、NiZnフェライト、MnZnフェライトなどのソフトフェライト材や、未着磁のプラスチックフェライトマグネットなどを用いることができる。また外径側部材72としては、後述するエンコーダマグネット110と同様に、着磁したマグネットを用いることもできる。
内径側部材71および外径側部材72の各々は、環状である。内径側部材71は、筒部71aと、フランジ部71bとを含んでいる。筒部71aは、円筒状であり、その中央に貫通孔を有している。
筒部71aの貫通孔の内径は、回転側ベアリングホルダ84のフランジ部84bの外径よりも大きい。筒部71aの貫通孔の内周面とロータリトランス50の外周面との間には隙間が存在している。回転側ロータリトランス51のコイル51cからの引き出し線は、この隙間を経由してロータケース31に取付けられているセンサ(図示無し)に接続されている。
筒部71aの外周面には外径側部材72が装着されている。筒部72aの外径は、外径側部材72の内径とほぼ等しい。外径側部材72は、圧入によって内径側部材71に固定されていてもよいし、接着剤によって内径側部材71に固定されていてもよい。
フランジ部71bは円盤状であり、筒部71aの図1中下側において外径方向に延在している。リング部材70は、フランジ部71bの図1中下側の面をロータケース31の底部31aの図1中上側の面に接着固定することで、ロータ30に固定されている。
なお、フランジ部71bは、外側部分の厚みが薄くされ、段差を有するような形状となっている。フランジ部71bはほぼ均一の厚みを有していてもよく、この段差は設けられていなくてもよい。
リング部材70とロータリトランス50との間の隙間は、なるべく小さいことが好ましい。この隙間を通じて外部ノイズがロータリトランス50に侵入するおそれがあるためである。
また、本実施の形態では、回転側ロータリトランス51よりも少し高い程度の高さのリング部材70が、回転側ロータリトランス51の外径側に配置されており、回転側ロータリトランス51の外側の周囲を囲んでいる。しかし、リング部材70の高さが大きいほど、外部ノイズの侵入を防止する効果は高くなるため、リング部材70は、ロータリトランス50の高さよりも大きく、ロータリトランス50全体の外側の周囲を囲んでいることが好ましい。
図1を参照して、リング部材100は、ロータリトランス60を囲繞している。リング部材100は、回転側ロータリトランス61と微小間隔を隔てて回転側ロータリトランス61の外径側に配置されている。
リング部材100は、内径側部材としての取付部材13と、外径側部材としてのエンコーダマグネット110とを含んでいる。取付部材13は主に電界シールドとして作用する。エンコーダマグネット110は、磁気シールド用磁石として機能し、主に磁界シールドとして作用する。その結果、取付部材13およびエンコーダマグネット110は電磁シールドとして作用する。
取付部材13は、内径側部材71と同様に、非磁性の非鉄金属および磁性電波吸収材料のうち少なくともいずれか一方よりなっている。エンコーダマグネット110は、外径側部材72と同様に、磁性電波吸収材料よりなっている。
具体的には、取付部材13としては、黄銅(真鍮)にニッケルめっきしたものや、アルミ材にアルマイト処理したものなどを用いることができる。エンコーダマグネット110としては、着磁したマグネットを用いることもできる。エンコーダマグネット110は、たとえばプラスチックフェライトマグネットの表面が多極着磁された構成を有している。
取付部材13の筒部13aの貫通孔の内径は、回転側ベアリングホルダ94のフランジ部94bの外径よりも大きい。筒部13aの貫通孔の内周面とロータリトランス60の外周面との間には隙間が存在している。回転側ロータリトランス61のコイル61cからの引き出し線は、この隙間を経由してロータケース31に取付けられているセンサ(図示無し)に接続されている。
筒部13aの一部には小径部13cが設けられており、小径部13cの外径は、エンコーダマグネット110の内径とほぼ等しい。小径部13cの外周面にはエンコーダマグネット110が装着されている。エンコーダマグネット110は、圧入によって取付部材13に固定されていてもよいし、接着剤によって取付部材13に固定されていてもよい。
エンコーダマグネット110は、環状であり、その外周面には周方向に多数の磁極が着磁されている。エンコーダマグネット110は、エンコーダのセンサ(図示無し)による検知の対象となる磁界を発生する。すなわち、エンコーダマグネット110の外周には着磁された磁極を検出するMR(磁気抵抗)素子(図示せず)が設けられている。MR素子から検出した信号は、ロータリトランス付きモータ10の制御信号として用いられる。
なお、筒部13aは小径部13cを含んでいなくてもよく、エンコーダマグネット110の内径は、小径部13c以外の筒部13aの部分に装着されていてもよい。
リング部材100とロータリトランス60との間の隙間は、なるべく小さいことが好ましい。この隙間を通じて外部ノイズがロータリトランス60に侵入するおそれがあるためである。
また、本実施の形態では、回転側ロータリトランス61よりも少し高い程度の高さのリング部材100が、回転側ロータリトランス61の外径側に配置されており、回転側ロータリトランス61の外側の周囲を囲んでいる。しかし、リング部材100の高さが大きいほど、外部ノイズの侵入を防止する効果は高くなるため、リング部材100は、ロータリトランス60の高さよりも大きく、ロータリトランス60全体の外側の周囲を囲んでいることが好ましい。
なお、本実施の形態では、2つの部材でリング部材70および100が構成されているが、リング部材70および100のうち少なくともいずれか一方のリング部材は、1つの部材よりなっていてもよい。たとえば、リング部材は、非磁性材料の非鉄金属の部分と、着磁されていない磁性電波吸収材料の部分とを、インサート成形などにより一体化したものであってもよい。この場合、リング部材は、非鉄金属の部分と、磁性電波吸収材料の部分とを含んでいる。
また、リング部材70および100のうち少なくともいずれか一方のリング部材を、磁性電波吸収材料よりなる外径側部材だけで構成すれば、外部ノイズの磁界を抑制する効果が得られる。リング部材70および100のうち少なくともいずれか一方のリング部材を、非磁性材料の非鉄金属よりなる外径側部材だけで構成すれば、外部ノイズの電界を抑制する効果が得られる。
但し、リング部材70を磁性電波吸収材料よりなる1つのリング部材で構成する場合には、リング部材70をロータケース31の底部31aに直接接触するように固定すると、リング部材70がモータ部40からの漏洩磁束の磁路となり、ロータリトランス50に内部ノイズの影響がでる場合がある。このため、リング部材70をロータケース31から磁気的に隔絶する(切り離す)ことが好ましい。
また、本実施の形態のように、2つの部材でリング部材70および100が構成されている場合にも、磁路となる恐れのない非磁性材料の非鉄金属で内径側部材71および取付部材13の各々を形成し、筒部71aおよび13aの各々が、磁性電波吸収材料で形成された外径側部材72およびエンコーダマグネット110の各々よりもロータリトランス50または60に近い側に位置していることが好ましい。これにより、非磁性材料の非鉄金属によってロータリトランス50または60が取り囲まれる。
(ロータリトランス付きモータの組立方法)
続いて、ロータリトランス付きモータ10の組立方法について、図3〜図8を用いて説明する。
図3を参照して、始めにロータ30と、ロータ30のロータケース31の図3中上側の端部に設けられたリング部材70とを準備する(ステップS1)。
図4を参照して、次に、サブアッシーSA1およびSA2を準備する(ステップS2)。サブアッシーSA1は、取付部材33に、ロータリトランス50と、ベアリング部80とを組み付けたものである。回転側ロータリトランス51は回転側ベアリングホルダ84を介してベアリング81の外輪81bに間接的に固定されており、静止側ロータリトランス52は静止側ベアリングホルダ83を介してベアリング81の内輪81aに間接的に固定されている。まず、取付部材33と接着固定された回転側ベアリングホルダ84の筒部84aに対して、ベアリング81の外輪81bは圧入固定または接着固定されている。治具(図示無し)に取付部材33をセットし、治具がベアリング81の内輪81aに当接して支持する。これによって内輪81aの下方側がベアリング81のボールに当接し、外輪81bの上方側がベアリング81のボールに当接する。次に所定のギャップ(たとえば、50μm)にするためのシムプレート(図示無し)を回転側ロータリトランス51と静止側ロータリトランス52との間に入れる。そして、静止側ベアリングホルダ83の上面から軽く押圧した状態で、内輪81aと静止側ベアリングホルダ83の筒部83aとを圧入固定または接着固定する。その後、取付部材33を治具から外し、取付部材33を所定の場所に載置した後、シムプレートを抜き取る。シムプレートを抜き取ると、静止側ロータリトランス52を固定した静止側ベアリングホルダ83は自重により下降し、内輪81aの上方側がベアリング81のボールに当接し、外輪81bの下方側がベアリング81のボールに当接する。これによって、回転側ロータリトランス51と静止側ロータリトランス52とのギャップ(以降、ロータリトランス50のギャップ)は所定のギャップよりも小さい値の状態になる。
サブアッシーSA2は、取付部材34に、ロータリトランス60と、ベアリング部90と、リング部材100とを組み付けたものである。回転側ロータリトランス61は回転側ベアリングホルダ94を介してベアリング91の外輪91bに間接的に固定されており、静止側ロータリトランス62は静止側ベアリングホルダ93を介してベアリング91の内輪91aに間接的に固定されている。リング部材100は、回転側ロータリトランス61の外径部を取り囲むように外輪91bに間接的に固定されている。まず、取付部材34と接着固定された回転側ベアリングホルダ94の筒部94aに対して、ベアリング91の外輪91bは圧入固定または接着固定されている。治具(図示無し)に取付部材34をセットし、治具がベアリング91の内輪91aに当接して支持する。これによって内輪91aの下方側がベアリング91のボールに当接し、外輪91bの上方側がベアリング91のボールに当接する。次に所定のギャップ(たとえば、50μm)にするためのシムプレート(図示無し)を回転側ロータリトランス61と静止側ロータリトランス62との間に入れる。そして、静止側ベアリングホルダ93の上面から軽く押圧した状態で、内輪91aと静止側ベアリングホルダ93の筒部93aとを圧入固定または接着固定する。その後、取付部材34を治具から外し、取付部材34を所定の場所に載置した後、シムプレートを抜き取る。シムプレートを抜き取ると、静止側ロータリトランス62を固定した静止側ベアリングホルダ93は自重により下降し、内輪91aの上方側がベアリング91のボールに当接し、外輪91bの下方側がベアリング91のボールに当接する。これによって、回転側ロータリトランス61と静止側ロータリトランス62とのギャップ(以降、ロータリトランス60のギャップ)は所定のギャップよりも小さい値の状態になる。
図5を参照して、次に、回転側ロータリトランス51の外径部がリング部材70に取り囲まれるように、サブアッシーSA1をロータケース31の開口31cに固定する(ステップS3)。サブアッシーSA1は、固定した状態で治具(図示無し)にセットされ、その位置が固定される。
図6を参照して、次に、シャフト11に固定したステータ20およびブッシュ120を、ロータケース31の開口31d側からロータケース31の内部に挿入する(ステップS4)。そして、シャフト11の図6中上側の端部を、サブアッシーSA1の静止側ベアリングホルダ83の貫通孔に挿通する。シャフト11は、静止側ベアリングホルダ83に対して、すきま嵌め程度の比較的弱い嵌合により固定される。
図7を参照して、次に、シャフト11にばね130を装着する(ステップS5)。バネ130の図6中上側の端部はブッシュ120と接触する。
図8を参照して、次に、シャフト11の図8中下側の端部を、サブアッシーSA2の静止側ベアリングホルダ93の貫通孔に挿通し、ロータケース31の開口31dをサブアッシーSA2で塞ぐようにサブアッシーSA2をロータケース31に固定する(ステップS6)。シャフト11は、静止側ベアリングホルダ93に対して、すきま嵌め程度の比較的弱い嵌合により固定される。
ステップS6においてサブアッシーSA2がロータケース31に固定されると、ばね130が縮み、ベアリング81の内輪81aは、ブッシュ120およびステータコア21を介してばね130によって付勢され、内輪81aには予圧が加えられる。シャフト11と静止側ベアリングホルダ83との嵌合はすきま嵌め程度の弱い嵌合であるので、静止側ベアリングホルダ83は、ばね130の付勢力によって図8中上方(シャフト11の図8中上側の端部の方)に僅かに移動する。この移動によって、ロータリトランス50のギャップは所定の値よりも小さい値の状態から所定の値に復帰する。
また、ステップS6においてサブアッシーSA2がロータケース31に固定されると、ばね130が縮み、ベアリング91の内輪91aは、静止側ベアリングホルダ93の筒部93aを介してばね130によって付勢され、内輪91aには予圧が加えられる。シャフト11と静止側ベアリングホルダ93との嵌合はすきま嵌め程度の弱い嵌合であるので、静止側ベアリングホルダ93は、ばね130の付勢力によって図8中下方(シャフト11の図8中下側の端部の方)に僅かに移動する。この移動によって、ロータリトランス60のギャップは所定の値よりも小さい値の状態から所定の値に復帰する。
ロータリトランス50および60の各々のギャップは、ばね130の付勢力によって静止側ベアリングホルダ83および93の各々が所定の位置まで移動するよう、ばね130のバネ定数を適切な値に設定することにより、所定の値(ギャップ)に復帰することができる。
図1を参照して、その後、シャフト11と、静止側ベアリングホルダ83および93の各々との間を接着固定する(ステップS7)。これにより、本実施の形態におけるロータリトランス付きモータ10が完成する。
なお、ロータリトランス付きモータ10を、ハウジング(図示無し)に対してハウジング取付部材などを介して取り付ける場合、ステップS7の工程の代わりに次の工程を行ってもよい。すなわち、一方のハウジング取付部材と、シャフト11の図8中上側の端部および静止側ベアリングホルダ83とを接着により固定する。他方のハウジング取付部材と、シャフト11の図8中下側の端部および静止側ベアリングホルダ93とを接着により固定する。
この工程を行う場合には、シャフト11と静止側ベアリングホルダ83および93の各々との間は、依然としてすきま嵌め程度の嵌合状態となっている。また、内輪81aおよび91aの各々に予圧が付勢された状態で、静止側ベアリングホルダ83および93の各々がハウジング取付部材に接着により固定される。
上述の組立方法では、コイルばね130の付勢力を用いて内輪81aおよび91aの各々に予圧を加えるので、ロータリトランス50および60の各々のギャップを所定の値(ギャップ)に復帰させることができる。これにより、従来のように個々の部品の寸法精度にバラツキがある場合でも、組立時に個々の部品の寸法に基づいてシムプレートなどを用いて位置(高さ)を調整する作業は不要である。その結果、組み立ての際の作業効率を向上することができる。
(コイルの収容方法)
ロータリトランス付きモータ10の組立の際には、ロータリトランスのコイルのリード線が繰り返し動かされるため、リード線の断線が生じやすい。本実施の形態では次の方法で、リード線の断線が抑止される。以下、コイル51cをコイル収容部52bに収容する場合を例に挙げて説明する。
図9は、本発明の一実施の形態において、コイル52cをコイル収容部52bに収容する際の収容方法を模式的に示す斜視図である。
図1および図9を参照して、コイル収容部52bのコイル収容凹部52aの内部にはコイル52cが収容されている。コイル収容部52bには切欠き52fが形成されている。コイル収容凹部52aの底部は、切欠き52fを経由してコイル収容部52bの外部に通じている。
コイル52cの両端(コイル52cの巻き始めおよび巻き終わり)の各々からは、リード線52d(導線の一例)の各々が延在している。リード線52dの各々は切欠き52fからコイル収容部52bの外部に引き出されている。
リード線52dの各々は、絶縁体よりなる弾性チューブ52eの各々で被覆されている。リード線52dの各々は弾性チューブ52eの各々に挿通されている。弾性チューブ52eは、たとえばシリコーンチューブよりなっている。
コイル収容凹部52aからの浮き上がりを防止するために、コイル52cは、コイル収容凹部52aに対してエポキシ系接着剤で接着されている。領域RG1は、エポキシ接着剤で接着される領域である。
コイル52cの両端付近のリード線52d(リード線52dの根元)および弾性チューブ52eは、硬化後にゴム状弾性を示す接着剤である弾性接着剤にて、コイル収容部52bの切欠き52f付近に接着されている。領域RG2(ハッチングで示された領域)は、弾性接着剤で接着される領域である。弾性接着剤としては、たとえば、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤、またはアクリル系接着剤などが用いられる。特に弾性接着剤としては、高い耐熱性を有するシリコーン系接着剤が用いられることが好ましい。
なお、上述のコイルの収容方法は、コイル51cをコイル収容部51bに収容する場合、コイル52cをコイル収容部52bに収容する場合、コイル61cをコイル収容部61bに収容する場合、およびコイル62cをコイル収容部62bに収容する場合のうち少なくともいずれか1つの場合に用いられればよい。
図1を参照して、本実施の形態におけるロータリトランス付きモータ10は、静止部材SMと、回転軸AXを中心として静止部材SMに対して相対的に回転する回転部材RMとを備えたものとして捉えることもできる。この場合、静止部材SMは、シャフト11と、ステータ20と、静止側ベアリングホルダ83および93と、ブッシュ120とを主に含んでいる。回転部材RMは、ロータ30と、取付部材33および34と、回転側ベアリングホルダ84および94とを主に含んでいる。ロータリトランス50は、ロータリトランス付きモータ10の図1中上側(回転軸方向の一方側の一例)において、静止部材SMと回転部材RMとの間で信号を伝達する。ロータリトランス60は、ロータリトランス付きモータ10の図1中下側(回転軸方向の他方側の一例)において、静止部材SMと回転部材RMとの間で信号を伝達する。ベアリング81は、ロータリトランス付きモータ10の図1中上側において、静止部材SMに対して回転部材RMを回転可能に支持している。ベアリング91は、ロータリトランス付きモータ10の図1中下側において、静止部材SMに対して回転部材RMを回転可能に支持している。
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、コイルばねの付勢力を用いて、ロータリトランスのギャップが所定の値になるように組み立てるため、従来のような、部品の寸法精度にバラツキがある場合でも、個々に位置決めを調整するためにシムプレートなどを用いる必要がない。このため、ロータリトランス付きモータの組立ての作業効率を向上することができる。
加えて、リング部材の機能により、ロータリトランスへの外部ノイズの侵入を防止できる。これにより、出力信号の精度を向上することができる。その結果、ロータリトランスの動作の安定性を向上することができる。
また、コイルのリード線が弾性チューブに挿通されており、コイルの両端付近のリード線および弾性チューブが弾性接着剤にて固定されているため、モータの組立の際にリード線が繰り返し動かされても、弾性接着剤の有する柔軟性により、リード線を拘束する力は弱くなる。その結果、リード線の断線を抑止することができる。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。