JP2004263429A - 車両用開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用開閉装置の取付作業性を向上させるとともに、ケーブル張力の低下を防止する。
【解決手段】スライドドアを開閉する駆動力を発生する電動モータが設けられ、スライドドアと電動モータとの間には、スライドドアに駆動力を伝達するケーブル21が設けられる。ケーブル21の一部はハウジング24に移動自在に収容される。ハウジング24にはアウタケーシング32の一端が収容され、アウタケーシング32にはケーブル21が挿通される。ハウジング24内には圧縮コイルばね55が収容されており、圧縮コイルばね55はアウタケーシング32をハウジング24から押し出す方向に付勢する。また、ハウジング24には、圧縮コイルばね55を圧縮状態に仮保持し、圧縮コイルばね55の圧縮状態を解放した後には圧縮コイルばね55の圧縮変位量を規制するストッパ41が設けられる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に設けられた開閉体を開閉する車両用開閉装置に関し、特に、スライドドア、バックドア、トランクリッド、エンジンフード等の開閉に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に設けられる開閉体としては、ガイドレールに沿ってスライド式に開閉を行うスライドドア、サンルーフ、窓等や、ヒンジを支点に揺動式に開閉を行うバックドア、トランクリッド等がある。
【0003】
例えば、ワゴン車やワンボックス車には、側面にスライドドアを設け、車両側方からの乗降や荷物の積み下ろし等を容易に行い得るようにしたものが多く見られる。このようなスライドドアは、車両側面に沿って設けられたガイドレールに案内されるように取り付けられており、操作者がスライドドアを押し引きすることによって開閉を行えるようになっている。
【0004】
このスライドドアは、開閉時に必要とされる車両側方の開放スペースが小さくてすむため、比較的大きな開口部に適用されることが多く、スライドドア自体も大型化する傾向にある。そのため、スライドドアの重量も増加し、女性や子供ではその開閉を自在に行うことが難しい場合もあった。特に坂道では、スライドドアの自重により容易に開けられないなどの問題点があった。
【0005】
そこで、ワンボックス車等のファミリーユースが増加している状況の下、女性や子供でも容易に開閉できるように、スライドドアの開閉装置を搭載した車両が登場し、その利便性から増加する傾向にある。この開閉装置としては、スライドドアに装着されるとともにドラムに巻き付けられたケーブルを、電動モータを用いて巻き取る機構のものが開発されており、電動モータに駆動されるドラムの回転方向によってスライドドアの移動方向が定められる。このドラムと電動モータとの間には、所望の駆動力を得るために歯車減速機構が設けられている。
【0006】
また、ドラムには2本のケーブルが巻き付けられており、スライドドアを開閉する際には、一方のケーブルがドラムの回動により送り出され、他方のケーブルはドラムに巻き取られることになる。このような開閉装置にあっては、スライドドアを開閉途中で停止させた場合や、開閉途中で反転させた場合などには、ケーブルに対する張力が大きく変動するおそれがある。特に、ケーブル張力の低下はケーブルに弛みを生じさせるためスライドドアのスムーズな開閉を阻害する要因となっていた。
【0007】
そこで、ケーブルに所定の張力を付与することにより、ケーブルの弛みを防止するようにした開閉装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。この開閉装置は、ケーブルが挿通されるアウタケーシングの一端をガイドプーリ内に収容し、ばね部材のばね力によってアウタケーシングをガイドプーリ内から押し出すように構成されている。この開閉装置によれば、ケーブル張力が低下したときには、ばね力によってアウタケーシングが押し出されるため、アウタケーシングの径路長を延ばすことができ、ガイドプーリ内にスライドドア側のケーブルを引き込むことができる。ケーブルの引き込みによりケーブル張力の低下は回避されるため、スライドドアのスムーズな開閉が可能となっていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−323725号公報(第4頁、図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、開閉装置を車両に搭載する車両の組立工程においては、開閉装置を車両に装着するとともにケーブルの端部をスライドドアに装着するため、ケーブルに所定の弛み代を設けることが必要となる。このため、作業者はアウタケーシングをばね力に抗してガイドプーリ内に押し込みながら、ケーブルをスライドドアに装着する必要があった。
【0010】
アウタケーシングを押し出すばね力は、ケーブルに所定の張力を付与するように設定されており、ばね力に抗してアウタケーシングを押し込むことは困難となっていた。また、ばね部材のばね力を低く設定することにより、アウタケーシングの押し込みを容易にすることは、ケーブル張力の低下を招くとともにスライドドアのスムーズな開閉を困難にするおそれがあった。
【0011】
本発明の目的は、車両用開閉装置の取付作業性を向上させるとともに、ケーブル張力の低下を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用開閉装置は、車体に設けられる開閉体を開閉する車両用開閉装置であって、前記開閉体を開閉するための駆動力を発生する駆動手段と、前記駆動手段と前記開閉体との間に設けられ、前記開閉体に駆動力を伝達するケーブル部材と、前記ケーブル部材の一部を移動自在に収容するハウジングと、前記ハウジングに収容されるばね部材により付勢され、前記ケーブル部材の径路を迂回させることによりケーブル張力を付与する張力部材と、前記ハウジングに設けられ、前記ばね部材を圧縮状態に仮保持する仮保持面と、前記ばね部材の圧縮状態を解放した後には前記ばね部材を所定の圧縮変位量に規制する規制面とを備えるストッパとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用開閉装置は、前記張力部材は前記ハウジングに一端が摺動自在に収容されるとともに前記ケーブル部材が挿通されるアウタケーシングであり、前記ばね部材は前記アウタケーシングを前記ハウジングから押し出す方向に付勢することを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用開閉装置は、前記アウタケーシングはフランジ部を備え、前記フランジ部と前記規制面との接触により前記ばね部材を所定の圧縮変位量に規制することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両用開閉装置によれば、ストッパを用いてばね部材を圧縮状態に仮保持することで、ケーブル部材に弛みを発生させるようにしたので、開閉体に対するケーブル部材の取り付けが容易となり、開閉装置の取付作業性を向上させることができる。
【0016】
また、ばね部材の圧縮状態を解放した後には、ストッパを用いてばね部材の圧縮変位量を規制するようにしたので、ケーブル部材に不要な弛みを発生させることなく適正な張力の付与範囲を設定することができる。つまり、開閉体を開閉する際には、ケーブル部材の取り付けに必要であったケーブル部材の弛みを発生させることがなく、開閉体をスムーズに開閉することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施の形態である車両用開閉装置10(以下、開閉装置10という。)の車両11に対する装着部位を示す説明図であり、図2は図1の開閉装置10の近傍を示す拡大平面図である。
【0019】
図1に示すように、車両11を形成する車体12の側部には開閉体であるスライドドア13が装着されている。スライドドア13は、車体12の側面に沿って設けられたスライドレール14に案内され、実線で示す全開位置と一点鎖線で示す全閉位置との間で開閉自在となっている。
【0020】
図2に示すように、車体12に設けられたスライドレール14には、スライドレール14に沿って移動するローラアッシィ15が組み込まれており、スライドドア13には車両後方に向け突き出されたアーム16が固定されている。アーム16はローラアッシィ15に揺動自在に取り付けられており、スライドドア13はアーム16を介してスライドレール14に案内される。
【0021】
スライドレール14の車両後方端には受けゴム17が設けられており、受けゴム17によってローラアッシィ15の移動はスライドドア13の全開位置で規制される。なお、スライドレール14の車両前方端には曲部14aが形成されており、この曲部14aにローラアッシィ15が案内されることにより、スライドドア13は一点鎖線で示すように車体側に入り込んで閉じられる。
【0022】
また、スライドレール14の両端にはそれぞれ反転プーリ18,19が装着されており、スライドレール14に隣接して車体12にはスライドアクチュエータ20が装着されている。スライドアクチュエータ20は反転プーリ18,19に向けて延びる2本のケーブル21,22を備えており、反転プーリ18,19を介して案内されるケーブル21,22の端部はローラアッシィ15に組み付けられている。
【0023】
スライドアクチュエータ20を作動させ、ケーブル22を引き込むとともにケーブル21を送り出すことにより、スライドドア13を全閉位置に向けて移動させることができる一方、ケーブル21を引き込むとともにケーブル22を送り出すことにより、スライドドア13を全開位置に向けて移動させることができる。
【0024】
図3は開閉装置10を示す部分分解図であり、スライドアクチュエータ20と反転プーリ18,19との連結径路は概略的に示している。図3に示すように、スライドアクチュエータ20は、駆動手段としての電動モータ23を備えており、電動モータ23はハウジング24に固定されている。ハウジング24にはケーブルドラム25が回転自在に収容されており、ケーブルドラム25の回転軸26と電動モータ23の出力軸とは図示しない減速歯車列や電磁クラッチ等を介して連結される。なお、減速歯車列はウォームやウォームホールなどによって構成される。
【0025】
ケーブルドラム25の外周面には螺旋状のケーブル溝25aが2本形成されており、ケーブルドラム25の両端面にはそれぞれ係合溝25bが形成されている。各ケーブル21,22の一端に形成されるタイコ部22aは係合溝25bに取り付けられ、各ケーブル21,22は2本のケーブル溝25aにそれぞれ案内されてケーブルドラム25に複数回に渡って巻き付けられている。
【0026】
ケーブルドラム25に巻き付けられたケーブル21,22は、ハウジング24の上部に略V字状に形成されるガイド部28,29の挿通口28a,29aより突き出され、反転プーリ18,19を介してローラアッシィ15に案内されている。各反転プーリ18,19は2つの挿通口30a,30b,31a,31bを備えたプーリハウジング30,31をそれぞれ備えており、プーリハウジング30,31内にはプーリ18a,19aが回転自在に収容されている。ガイド部28,29の挿通口28a,29aからプーリハウジング30,31の挿通口30a,31aに案内されるケーブル21,22は、樹脂材料を用いて形成される張力部材としてのアウタケーシング32,33によって被覆されている。このアウタケーシング32,33はチューブ状に形成され、一端はプーリハウジング30,31の挿通口30a,31aに固定される一方、他端はガイド部28,29の挿通口28a,29aよりガイド部28,29内に摺動自在に収容されている。
【0027】
また、電動モータ23や電磁クラッチには図示しない電子制御ユニットを介して電流が供給されており、電動モータ23を回転駆動させるとともに電磁クラッチを締結状態に駆動させることにより、ケーブルドラム25を回転駆動させることができ、各ケーブル21,22をスライドアクチュエータ20から出し引きすることが可能となる。なお、電動モータ23は供給電流に応じて正転または逆転させることができ、各ケーブル21,22の出し引きを制御することによりスライドドア13を開閉双方向に移動させることができる。
【0028】
続いて、スライドアクチュエータ20のガイド部28近傍の構造について説明する。なお、2つのガイド部28,29にはそれぞれ同様の各部材が組み込まれている。図4はハウジング24を形成するハウジング本体34を示す斜視図である。まず、図3に示すように、ハウジング24はハウジング本体34とこれに取り付けられるハウジングカバー35とを備えている。図4に示すように、ハウジング本体34は、ほぼ中央部に形成されケーブルドラム25を収容するドラム収容孔36と、上部に略V字状に延びて形成される2本のばね収容孔37,38とを備えている。ドラム収容孔36とばね収容孔37,38とはドラム収容孔36の上部に形成される開口部36aを介して連通されている。また、ハウジング本体34には、ばね収容孔37,38のそれぞれを径方向から遮断するようにストッパ収容孔39,40が形成されている。
【0029】
図5(A)はストッパ41を示す平面図であり、(B)は(A)の矢印a方向からストッパ41を示す側面図であり、(C)はストッパ41を示す斜視図である。まず、図3に示すように、ハウジング本体34のストッパ収容孔39,40にはストッパ41が収容されている。図5(A)〜(C)に示すように、ストッパ41は略直方体状の基部42を備えており、基部42のほぼ中央部には短手方向に貫通するフランジ通過孔43が形成され、フランジ通過孔43の両側にはフランジ通過孔43よりも小径のケーブル通過孔44,45が形成されている。これらのフランジ通過孔43とケーブル通過孔44,45とにより一体型の通過孔が形成されている。
【0030】
また、ケーブル通過孔44の開口端の一方には仮保持面46が形成され、ケーブル通過孔45の開口端の一方には規制面47が形成されている。基部42の上端には押込板48が形成される一方、下端には爪部49が形成されており、基部42の前端面には2つの係合凹部50a,50bが形成される一方、後端面には爪部51が形成されている。このストッパ41はストッパ収容孔39,40に対して長手方向に移動自在に設けられており、後述する組付作業時において作業者によりストッパ41は移動操作される。なお、図3に示すストッパ41の位置は組付作業後の位置を示している。
【0031】
図6はアウタケーシング32の一端部を示す断面図である。ばね収容孔37に一端部が収容されるアウタケーシング32は、図6に示すように、ケーブル21を被覆するアウタチューブ52とこれに装着されるスライドキャップ53とを備えており、スライドキャップ53には嵌合孔53aとフランジ部53bとが形成されている。アウタチューブ52はスライドキャップ53の嵌合孔53aに嵌め込まれ、アウタチューブ52の端面と嵌合孔53aの底面とが当接した状態に保持されている。なお、アウタケーシング33も同様の構造を有している。
【0032】
図3に示すように、ばね収容孔37のドラム収容孔36側の端部に設けられた突部37aに固定される環状の支持板54とスライドキャップ53のフランジ部53bとの間には、ばね部材としての圧縮コイルばね55が設けられている。このように設けられる圧縮コイルばね55は、アウタケーシング32の一端をハウジング24のばね収容孔37から押し出す方向に付勢する。アウタケーシング32の他端はプーリハウジング30に固定されるため、圧縮コイルばね55のばね力はハウジング24から押し出されたアウタケーシング32を湾曲方向に弾性変形させる力となる。ハウジング24とプーリハウジング30との間で湾曲するアウタケーシング32に沿って、アウタケーシング32に案内されるケーブル21も湾曲するため、ハウジング24とプーリハウジング30との間に配設されるケーブル21が長く必要となり、プーリハウジング30とローラアッシィ15との間に配設されるケーブル21がプーリハウジング30側に引き込まれることになる。
【0033】
つまり、圧縮コイルばね55のばね力によって、アウタケーシング32を介してケーブル21の径路を迂回させることができ、ケーブル21に対して張力を付与することが可能となる。なお、ケーブル張力が所定の張力を超えた場合には、圧縮コイルばね55のばね力に抗してアウタケーシング32がハウジング24内に入り込むため、ケーブル21に対して過度な張力が加えられることはない。
【0034】
続いて、車両11の組立工程における開閉装置10の組付方法について説明する。車両11の組立工程においては、まず、車体12にスライドアクチュエータ20が取り付けられる。スライドアクチュエータ20には取付ブラケット56が設けられており、この取付ブラケット56を介してスライドアクチュエータ20は車体12に固定される。次いで、スライドレール14の両端に各反転プーリ18,19が固定され、各反転プーリ18,19から延びるケーブル21,22の端部がローラアッシィ15を介してスライドドア13に装着される。各ケーブル21,22の端部にはタイコ部21b,22bが形成されており、このタイコ部21b,22bをローラアッシィ15の取付孔に嵌め込むことによってケーブル21,22とスライドドア13とが連結される。
【0035】
図7(A)〜(C)は組付作業時におけるストッパ41の操作過程を示す説明図である。また、図8(A)は図7(A)に対応してケーブル21の状態を示す説明図であり、図8(B)は図7(C)に対応してケーブル21の状態を示す説明図である。
【0036】
まず、ケーブル21のタイコ部21bをローラアッシィ15に取り付ける際には、図7(A)に示すように、ハウジング24に装着されたストッパ41は予め引き上げられた状態となっている。このように仮保持位置まで引き上げられたストッパ41の仮保持面46とばね収容孔37の支持板54との間には、スライドキャップ53のフランジ部53bが配置されており、フランジ部53bと支持板54との間で圧縮コイルばね55は圧縮状態に仮保持されている。なお、ストッパ41のケーブル通過孔44はフランジ部53bの外径よりも小径に形成されており、フランジ部53bと仮保持面46とは確実に接触するようになっている。
【0037】
このように圧縮コイルばね55を圧縮状態に仮保持すると、図8(A)に示すように、アウタケーシング32は押し出されることなくばね収容孔37内に配置されるため、ハウジング24とプーリハウジング30との間において、アウタケーシング32を直線的に配置することができ、プーリハウジング30から延びるケーブル21に弛みを持たせることができる。これにより、タイコ部21bのローラアッシィ15に対する取り付けが容易となり、開閉装置10の取付作業性を向上させることができる。また、予め圧縮コイルばね55を圧縮状態に仮保持するため、組付作業を考慮して圧縮コイルばね55のばね力を設定する必要がなく、スライドドア13のスムーズな開閉に必要なケーブル張力に応じてばね力を設定することができる。
【0038】
次いで、2つのケーブル21,22とローラアッシィ15とを連結した後には、作業者によってストッパ41は図7(B)に示す解除位置まで押し下げられる。解除位置までストッパ41が押し下げられると、フランジ通過孔43とフランジ部53bとの軸中心が重なるため、フランジ部53bはストッパ41を通り抜け、圧縮コイルばね55の圧縮状態は解放される。これにより、ハウジング24とプーリハウジング30との間におけるアウタケーシング32は湾曲状態となり、取付作業時に設けられていたケーブル21の弛みは取り除かれ、ケーブル21には圧縮コイルばね55のばね力に応じた張力が付与される。
【0039】
続いて、圧縮コイルばね55の圧縮状態を解放した後には、ストッパ41は図7(C)に示す使用位置まで更に押し下げられる。使用位置までストッパ41が押し下げられると、ケーブル通過孔45とフランジ部53bとの軸中心が重なるため、フランジ部53bの摺動範囲はハウジング24の端壁とストッパ41の規制面47との間に規制される。これにより、圧縮コイルばね55の圧縮変位量は図8(B)に符号S1で示す範囲に規制されるため、圧縮コイルばね55によるケーブル21の移動量は符号S1’で示す範囲に抑えられる。このようにストッパ41の規制面47によって圧縮コイルばね55の圧縮変位量を制限することにより、ケーブル21の組付作業性を向上させたまま、スライドドア13のスムーズな開閉に必要なケーブル張力の付与範囲を設定することができる。
【0040】
つまり、ケーブル21の組付作業においてはケーブル21の弛み量を多く設けることが必要となるが、この作業性向上のための弛み量はスライドドア13のスムーズな開閉動作を阻害するため取り除く必要がある。そこで、使用時にはストッパ41を用いて圧縮コイルばね55の圧縮変位量を制限することにより、作業性向上のための弛み量S2の発生を規制することができ、ケーブル21に不要な弛みを生じさせることなくスライドドア13をスムーズに開閉することができる。なお、ケーブル21がケーブルドラム25に巻き取られ、ケーブル張力が所定の張力を超えた場合には、圧縮コイルばね55のばね力に抗してアウタケーシング32がハウジング24内に入り込むため、ケーブル21に対して過度な張力が加えられることはない。
【0041】
図7(C)に示すように、使用位置までストッパ41を押し下げた際には、ストッパ41の下端に形成される爪部49がストッパ収容孔39の底部に形成される係合口39aに係合するため、ストッパ41を使用位置に保持することができ、ケーブル21に不要な弛みを発生させることはない。また、ストッパ41に関して作業者が行う作業は一方向に押し込む作業だけであるため、取付作業の煩雑化を招くことはない。
【0042】
図9は図3のA−A線に沿ってスライドアクチュエータ20の構造を示す断面図である。なお、図9はガイド部29側の構造を示しているが、ガイド部28側も同様の構造を備えている。図3および図9に示すように、ハウジングカバー35のストッパ41に対面する部位にはU字状に切り欠き57が形成されており、この切り欠き57によって係合片58が弾性変形自在に形成されている。この係合片58はストッパ41の係合凹部50a,50bに向けて係合凸部58aを備えており、係合凹部50a,50bと係合凸部58aとを係合させることによってストッパ41の位置を保持することができる。図示する場合には、係合凸部58aが係合凹部50aに係合してストッパ41を使用位置に保持しているが、係合凸部58aを係合凹部50bに係合させることによりストッパ41を仮保持位置に保持することができる。なお、ストッパ41の使用位置において係合凸部58aと係合凹部50aとを係合させることにより、押込みの感触や係合音を介して作業者に作業完了を知らせることができる。
【0043】
また、図9に示すように、ストッパ収容孔40にはストッパ41の背面に設けられた爪部51に対応する係合溝40bが設けられており、ストッパ41の押し込み時には爪部51を介して係合溝40bに案内されながら、ストッパ41は使用位置に向けて移動する。
【0044】
これまで説明したように、ストッパ41を用いて圧縮コイルばね55を圧縮状態に仮保持するようにしたので、スライドドア13に対するケーブル21,22の取り付けが容易となり、開閉装置10の取付作業性を向上させることができる。また、圧縮コイルばね55の圧縮状態を解放した後には、ストッパ41を用いて圧縮コイルばね55の圧縮変位量を所定の範囲内に規制するようにしたので、ケーブル21,22の組付作業性を向上させたまま、スライドドア13のスムーズな開閉に必要なケーブル21,22の張力を得ることができる。
【0045】
なお、ケーブル21が案内される一方のガイド部28を中心に説明したが、ケーブル22が案内される他方のガイド部29にも同様の各部材が組み込まれており、ケーブル22についてもケーブル21と同様に、スライドドア13に対する組付時には所定の弛みが与えられ、使用時にはこの弛みを発生させることなく所定の張力が付与されることになる。また、ストッパ41は図5(A)に一点鎖線で示す対称軸を介して左右対称に形成されており、同一形状のストッパ41がそれぞれのガイド部28,29に対して組み込まれる。他方のガイド部29に組み込まれるストッパ41の仮保持面や規制面は、ガイド部29に組み込まれたストッパ41の仮保持面46や規制面47に対する逆側の面となることはいうまでもない。
【0046】
また、図示するストッパ41は長手方向にスライドすることによって、圧縮コイルばね55の圧縮状態を解放した後に、圧縮コイルばね55の圧縮変位量を規制しているが、このストッパ41形状に限られることなく他の形状を有するストッパ41を用いるようにしても良い。たとえば、相互に平行となる2つの挿入板とこれらを連結する揺動板とを備えたストッパであっても良い。この略F字状の断面形状を備える2つのストッパを揺動自在にハウジング24に設け、アウタケーシング32,33のそれぞれを跨ぐように2つの挿入板を挿入すると、挿入板の両端面つまり仮保持面または規制面をフランジ部53bに当接させることができる。なお、圧縮コイルばね55の圧縮状態を解放する際には、ストッパ41を揺動させることにより挿入板が引き抜かれる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、本実施の形態おいては、開閉体をスライドドア13としているが、これに限らず、リアゲート、トランクリッド、エンジンフード、サンルーフ等、車体12に開閉自在に装着されており、ケーブル21,22の押し引きによって開閉する他の開閉体に本発明を適用しても良い。
【0048】
また、スライドアクチュエータ20のハウジング24に圧縮コイルばね55やストッパ41等を設けるようにしているが、ハウジング24に対してアウタケーシング32,33の一端を固定する一方、プーリハウジング30,31に対してアウタケーシング32,33の他端を摺動自在に収容することにより、ハウジングとしてのプーリハウジング30,31に圧縮コイルばね55やストッパ41等を設けるようにしても良い。
【0049】
さらに、アウタケーシング32,33を湾曲させることでケーブル21,22に対して張力を付与しているが、張力部材としてテンションプーリを設けることにより、ばね力によって揺動されるテンションプーリをケーブルに押し付けるタイプの開閉装置に本発明を適用することもできる。
【0050】
またさらに、図示するストッパ41は2つのケーブル通過孔44,45を備えているが、ケーブル通過孔44,45の開口端のそれぞれに仮保持面と規制面とを形成することにより、1つのケーブル通過孔を備えたストッパを形成しても良い。このようにストッパを形成するようにすると、ストッパの低コスト化を達成することができる。このようなストッパを用いる場合のストッパの仮保持位置と使用位置とは同位置となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の車両用開閉装置によれば、ストッパを用いてばね部材を圧縮状態に仮保持することで、ケーブル部材に弛みを発生させるようにしたので、開閉体に対するケーブル部材の取り付けが容易となり、開閉装置の取付作業性を向上させることができる。
【0052】
また、ばね部材の圧縮状態を解放した後には、ストッパを用いてばね部材の圧縮変位量を規制するようにしたので、ケーブル部材に不要な弛みを発生させることなく適正な張力の付与範囲を設定することができ、開閉体をスムーズに開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施の形態である車両用開閉装置の車両に対する装着部位を示す説明図である。
【図2】図1の車両用開閉装置の近傍を示す拡大平面図である。
【図3】図1の車両用開閉装置を示す部分分解図である。
【図4】ハウジング本体を示す斜視図である。
【図5】(A)はストッパを示す平面図であり、(B)は(A)の矢印a方向からストッパを示す側面図であり、(C)はストッパを示す斜視図である。
【図6】アウタケーシングの一端部を示す断面図である。
【図7】(A)〜(C)は組付作業時におけるストッパの操作過程を示す説明図である。
【図8】(A)は図7(A)に対応してケーブルの状態を示す説明図であり、(B)は図7(C)に対応してケーブルの状態を示す説明図である。
【図9】図3のA−A線に沿ってスライドアクチュエータの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 車両用開閉装置
11 車両
12 車体
13 スライドドア(開閉体)
14 スライドレール
14a 曲部
15 ローラアッシィ
16 アーム
17 受けゴム
18,19 反転プーリ
18a,19a プーリ
20 スライドアクチュエータ
21,22 ケーブル(ケーブル部材)
21b,22a,22b タイコ部
23 電動モータ(駆動手段)
24 ハウジング
25 ケーブルドラム
25a ケーブル溝
25b 係合溝
26 回転軸
28,29 ガイド部
28a,29a 挿通口
30,31 プーリハウジング
30a,30b,31a,31b 挿通口
32,33 アウタケーシング(張力部材)
34 ハウジング本体
35 ハウジングカバー
36 ドラム収容孔
36a 開口部
37,38 ばね収容孔
37a,38a 突部
39 ストッパ収容孔
39a 係合口
40 ストッパ収容孔
40b 係合溝
41 ストッパ
42 基部
43 フランジ通過孔
44,45 ケーブル通過孔
46 仮保持面
47 規制面
48 押込板
49 爪部
50a,50b 係合凹部
51 爪部
52 アウタチューブ
53 スライドキャップ
53a 嵌合孔
53b フランジ部
54 支持板
55 圧縮コイルばね(ばね部材)
56 取付ブラケット
57 切り欠き
58 係合片
58a 係合凸部

Claims (3)

  1. 車体に設けられる開閉体を開閉する車両用開閉装置であって、
    前記開閉体を開閉するための駆動力を発生する駆動手段と、
    前記駆動手段と前記開閉体との間に設けられ、前記開閉体に駆動力を伝達するケーブル部材と、
    前記ケーブル部材の一部を移動自在に収容するハウジングと、
    前記ハウジングに収容されるばね部材により付勢され、前記ケーブル部材の径路を迂回させることによりケーブル張力を付与する張力部材と、
    前記ハウジングに設けられ、前記ばね部材を圧縮状態に仮保持する仮保持面と、前記ばね部材の圧縮状態を解放した後には前記ばね部材を所定の圧縮変位量に規制する規制面とを備えるストッパとを有することを特徴とする車両用開閉装置。
  2. 請求項1記載の車両用開閉装置において、前記張力部材は前記ハウジングに一端が摺動自在に収容されるとともに前記ケーブル部材が挿通されるアウタケーシングであり、前記ばね部材は前記アウタケーシングを前記ハウジングから押し出す方向に付勢することを特徴とする車両用開閉装置。
  3. 請求項2記載の車両用開閉装置において、前記アウタケーシングはフランジ部を備え、前記フランジ部と前記規制面との接触により前記ばね部材を所定の圧縮変位量に規制することを特徴とする車両用開閉装置。
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