JP2004263066A - 層状オルガノシリカナノ複合体およびその製造方法 - Google Patents

層状オルガノシリカナノ複合体およびその製造方法 Download PDF

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    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/06Preparatory processes

Abstract

【課題】鋳型とする界面活性剤を除去した後も層状構造を保つことができる層状オルガノシリカナノ複合体を提供する。
【解決手段】有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記アルコキシシランのゾル−ゲル反応を行うことにより、層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、層状構造を有する層状オルガノシリカナノ複合体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、層状粘土鉱物に代表される、層状構造を有する無機結晶の層間に、イオン交換反応や吸着反応等により、種々の機能を有する有機化合物を挿入した有機−無機層状ナノ複合体が知られている。この有機−無機層状ナノ複合体は、例えば、光機能性材料、電子機能性材料、触媒、吸着剤等として用いられている。
【0003】
しかしながら、天然に産出または人工的に合成される層状粘土鉱物は、▲1▼固有のイオン交換容量により層間に挿入することができる有機化合物の量に制限がある、▲2▼無機鉱物層と有機化合物との間にはイオン結合、水素接合等の弱い相互作用しかないため、無機層物層の層間に挿入している有機化合物が流出する恐れがある等の問題点がある。
【0004】
そこで、上記の問題点に対して、新たな層状構造を有する層状無機物質を作製することにより、層間に挿入することができる有機化合物の量を増やすこと、また、有機化合物と無機鉱物層とが直接、共有結合によって結合した有機−無機ナノ複合体の開発が試みられている。
【0005】
上記試みとしては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されているような技術がある。具体的には、上記特許文献1〜3には、有機官能基を有するオルガノアルコキシシランから形成される4面体シートと、金属塩あるいは金属アルコキシドから形成される8面体シートとが重なって形成される表面に有機官能基を有する層状シリケートおよびその製造方法が開示されている。また、例えば、特許文献4には、層状シリケート/色素ナノ複合体の製造方法が開示されている。
【0006】
上記特許文献1〜4に開示のナノ複合体は、アルコキシ基と有機官能基とを有するオルガノアルコキシシランと金属塩の混合物を出発物質として、4面体シート(ケイ素)と8面体シート(金属)とを1:1または2:1の割合で積層した層状シリケートを形成して、その層状シリケートの表面に有機基を導入したものである。
【0007】
ところで、近年、界面活性剤が水中で形成するミセル構造を鋳型とした、メソ細孔を有する多孔性シリカの合成が、基礎、応用研究の両面から特に、注目を集めている。この多孔性シリカの合成により得られる、メソ細孔を有する多孔性無機物質は、鋳型となるミセル液晶相の構造に対応して、ヘキサゴナル相、キュービック相、層状構造を有するラメラ相をとる。そして、これらの中で、ヘキサゴナル相は、強度が高く、規則性も高いため、多くの研究がなされている。具体的には、例えば、非特許文献1には、シリカゲルおよび界面活性剤等を密封した耐熱容器内で水熱合成する方法が開示されている。また、例えば、非特許文献2では、層状ケイ酸塩の1種であるカネマイトと界面活性剤とのイオン交換により製造する方法が開示されている。また、例えば、特許文献5では、界面活性剤が形成する棒状ミセルをシリカ層が包囲した周期的な結晶構造を有するシリカ−界面活性剤ナノ複合体が開示されている。また、上記特許文献5と同様の方法により、有機官能基を有するヘキサゴナル相の多孔性シリカを合成する合成方法が非特許文献3に開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−200034号公報(公開日;1994年7月19日)
【0009】
【特許文献2】
特開平7−126396号公報(公開日;1995年5月16日)
【0010】
【特許文献3】
特開平9−241380号公報(公開日;1997年9月16日)
【0011】
【特許文献4】
特開2002−275385公報(公開日;2002年9月25日)
【0012】
【特許文献5】
特開平9−194298号公報(公開日;1997年7月29日)
【0013】
【非特許文献1】
Nature(1992年35巻710頁)
【0014】
【非特許文献2】
Bull.Chem.Soc.Jpn(1990年63巻988頁)
【0015】
【非特許文献3】
J.Am.Chem.Soc(1999年121巻9611頁)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記例えば、特許文献5および非特許文献1〜3に開示の従来合成法を用いて、ラメラ相の層状シリケートを作製した場合には、鋳型となる界面活性剤を除去すると、層状構造が失われてしまうという問題点がある。
【0017】
上記ヘキサゴナル相は、ハニカム構造が3次元的に形成された固定した構造である。一方、ラメラ相(層状構造)は、2次元的な層状構造である。従って、例えば、ラメラ相の1つの層を巨大分子としてみた場合、さらに高次の構造体を形成するための基本構造(ビルディングブロック)とすることが期待される。従って、鋳型とする界面活性剤を除去した後もラメラ相の層状構造を保つことができる層状オルガノシリカナノ複合体が望まれている。
【0018】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、鋳型とする界面活性剤を除去した後もラメラ相の層状構造を保つことができる層状オルガノシリカナノ複合体およびその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、上記の課題を解決するために、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させてなることを特徴としている。
【0020】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記混合物には、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物が含まれている構成としてもよい。
【0021】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記有機陽イオン性官能基は、窒素原子を含む構成がより好ましい。
【0022】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、上記の課題を解決するために、有機陽イオン性官能基を有する複数の層状オルガノシリカが積層されており、上記複数の層状オルガノシリカの層間に無機陰イオン、有機陰イオン、および/または、有機金属錯体陰イオンが存在していることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させることにより、表面に有機陽イオン性官能基が存在する層状オルガノシリカナノ複合体が得られる。この層状オルガノシリカナノ複合体は、層間に存在している陰イオン性界面活性剤を除去した場合でも、層状構造を保つことができる。すなわち、従来の構成(従来の層状シリケート材料)と比べて、シリカ骨格のみからなり、他の金属塩または金属アルコキシドを含まない層状オルガノシリカナノ複合体である。上記の構成とすることにより、例えば、上記陰イオン性界面活性剤を除去した後でも、ラメラ相の層状構造を失うことがない層状オルガノシリカナノ複合体を提供することができる。
【0024】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記有機陽イオン性官能基と、該有機陽イオン性官能基と共有結合可能な有機化合物とが共有結合してなる構成としてもよい。
【0025】
上記構成とすることにより、有機陽イオン性官能基と有機化合物とが共有結合を介して結合されているので、層間からの有機化合物の流出をより防止することができる。
【0026】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記オルガノシラン化合物のゾル−ゲル反応を行うことを特徴としている。
【0027】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記オルガノシラン化合物がオルガノアルコキシシランである構成がより好ましい。
【0028】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記水溶液には、有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランが含まれている構成としてもよい。
【0029】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記ゾル−ゲル反応を酸性条件下で行う方法がより好ましい。
【0030】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記ゾル−ゲル反応の後で、無機陰イオン種、有機陰イオン種、および/または、有機金属錯体陰イオン種を有する陰イオン種含有塩を反応させる方法を行っても良い。
【0031】
上記の構成によれば、有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とのゾル−ゲル反応を行うことにより、上記陰イオン性界面活性剤を除去した場合でも層状構造が維持された層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができる。また、上記ゾル−ゲル反応では、単に上記有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを水溶液中で攪拌することにより、層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができるので、従来と比べてより簡単に層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができる。
【0032】
また、上記有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランを添加してゾル−ゲル反応を行うことにより、得られる層状オルガノシリカナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数を制御することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について以下に説明する。
【0034】
本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体は、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させてなる構成である。換言すると、有機陽イオン性官能基を有する複数の層状オルガノシリカが積層されており、上記複数の層状オルガノシリカの層間に無機陰イオン、有機陰イオン、および/または、有機金属錯体陰イオンが存在している構成でもある。
【0035】
また、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに上記混合物には、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物が含まれている構成としてもよい。
【0036】
また、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記オルガノシラン化合物のゾル−ゲル反応を行う方法である。
【0037】
なお、以下の説明では、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物として、有機陽イオン性官能基を有するオルガノアルコキシシランを用い、かつ、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物として、有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランを用いる構成について説明する。
【0038】
具体的には、層状オルガノシリカナノ複合体は、有機陽イオン性官能基を有するオルガノアルコキシシラン(以下、単にオルガノアルコキシシランと称する)の有機陽イオン性官能基と、陰イオン性界面活性剤の陰イオン性官能基とを、水溶液中で静電的に相互作用した状態で、オルガノアルコキシシランのゾル−ゲル反応を行うことにより得られる。
【0039】
そして、上記ゾル−ゲル反応を行う際に、オルガノアルコキシシランとともに、有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシラン(以下、単に、アルコキシシランと称する)を用いることにより、製造される層状オルガノシリカナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数を制御することができる。
【0040】
上記オルガノアルコキシシランは、具体的には化学式(1)
−Si(OZ)4−n ・・・(1)
で表される。上記化学式(1)中のRは、有機基であり、pHの制御された水中で陽イオン性の部位を有するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、上記Rとしては、1級、2級、3級アミノ基、または、4級アンモニウム基等がより好ましい。なお、上記pHの制御された水中のpHとは、後述するゾル−ゲル反応を行う際の、水溶液のpHと同じであればよく、例えば、pH2〜3の範囲内を示している。つまり、化学式(1)中のRは、後述するゾル−ゲル反応を行う際に陽イオン性を示すものである有機基であればよい。
【0041】
上記化学式(1)中のZは、芳香族基または脂肪族基である。上記Zとして、より好ましくは脂肪族基であり、中でも、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。なお、上記化学式(1)において、Rが複数存在する場合には、上記Rは互いに同じでもよく、また、互いに異なっていてもよい。また、上記Zについても同様であり、Zが複数存在する場合には、互いのZは同じでもよく、また、異なっていてもよい。また、上記化学式(1)におけるnは1〜3の整数を示している。
【0042】
上記化学式(1)で表されるオルガノアルコキシシランのうち、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(HN(CHSi(OCH)(以下、ATMSと称する)が、安価であるために好適に用いられる。また、上記オルガノアルコキシシランは、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0043】
上記陰イオン性界面活性剤は、長鎖アルキル基および陰イオン性官能基を有しているものが好適に用いられる。上記長鎖アルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基であることがより好ましい。また、陰イオン性官能基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等が挙げられる。上記例示のうち、スルホン酸基またはリン酸基がより好ましい。
【0044】
上記陰イオン性官能基としては、具体的には、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(CH(CH11OSONa)(以下、SDSと称する)が、安価であるという理由で好適に用いられる。
【0045】
本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法において、上記オルガノアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤との他に、さらに、アルコキシシランを添加してゾル−ゲル反応を行ってもよい。
【0046】
上記アルコキシシランは、具体的には化学式(2)
R´−Si(OZ´)4−m ・・・(2)
で表される。上記化学式(2)中のR´は、有機基であり、陽イオン性官能基を持たないものであれば特に限定されるものではない。具体的には、上記R´としては、直鎖脂肪族基等がより好ましい。上記化学式(2)中のZ´は、芳香族基または脂肪族基である。上記Z´として、より好ましくは脂肪族基であり、中でも、炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。なお、上記化学式(2)において、R´が複数存在する場合には、上記R´は互いに同じでもよく、また、互いに異なっていてもよい。また、上記Z´についても同様であり、Z´が複数存在する場合には、互いのZ´は同じでもよく、また、異なっていてもよい。また、上記化学式(2)におけるmは0〜3の整数を示している。
【0047】
上記化学式(2)で表されるアルコキシシランのうち、例えば、テトラエトキシシラン((CO)Si)(以下、TEOSと称する)が、安価であるという理由で好適に用いられる。また、上記アルコキシシランは、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0048】
上記オルガノアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とのゾル−ゲル反応、または、上記オルガノアルコキシシランとアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とのゾル−ゲル反応は、酸性条件下で行うことがより好ましい。具体的には、pHが2〜3の範囲内でゾル−ゲル反応が行われることがより好ましい。
【0049】
上記のようにゾルーゲル反応を酸性条件下で行うためには、具体的には、例えば、上記オルガノアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤と、または、上記オルガノアルコキシシランとアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを水に溶かして水溶液とした後、上記水溶液にpH調整剤を添加することにより、この水溶液のpHを調整すればよい。
【0050】
上記pH調整剤としては、フッ酸以外の酸であれば、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
【0051】
また、オルガノアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを反応させる際に、さらにアルコキシシランを添加する場合には、上記オルガノアルコキシシランとアルコキシシランとの組成(混合比)を変えることにより、最終的に得られる層状オルガノシリカナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数を制御することができる。具体的には、オルガノアルコキシシランとアルコキシシランとの混合モル比としては、1:0〜1:5の範囲内がより好ましく、1:0〜1:2の範囲内がさらに好ましい。上記混合モル比が上記範囲を外れると層状構造が形成されない場合がある。また、最終的に得られる層状オルガノシリカナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数としては、有機陽イオン性官能基の種類や、使用する用途等により適宜設定すればよい。具体的には、層状オルガノシリカナノ複合体に含まれるケイ素原子の数に対する有機陽イオン性官能基の数としては、1:1〜1:3の範囲内がより好ましい。
【0052】
そして、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体を製造するには、オルガノアルコキシシラン単独、または、オルガノアルコキシシランおよびアルコキシシランの混合物と、陰イオン性界面活性剤とを、蒸留水に溶解して、pHを上記条件に調整した後、密封して室温で攪拌する。上記操作を行うことにより、沈殿物(層状オルガノシリカナノ複合体)を得ることができる。そして、上記沈殿物は、適宜、ろ別、蒸留水での洗浄、乾燥等の操作を行っても良い。
【0053】
上記オルガノアルコキシシラン単独、または、オルガノアルコキシシランとアルコキシシランとの混合物と、陰イオン性界面活性剤との混合モル比としては、1:0.1〜1:10の範囲内がより好ましく、1:0.5〜1:2の範囲内がさらに好ましく、1:0.8〜1:1.2の範囲内が最も好ましい。上記混合モル比1:0.1よりも小さくなった場合には、層状構造が形成されない場合がある。一方、上記モル比が1:10よりも大きくなった場合には、層状構造が形成されない場合がある。
【0054】
また、上記水溶液中における、陰イオン性界面活性剤の濃度としては、0.1〜0.5mol/Lの範囲内がより好ましく、0.15〜0.2mol/Lの範囲内がさらに好ましい。上記水溶液に対する陰イオン性界面活性剤の濃度が0.1mol/Lよりも低くなると、層状構造が形成されない場合がある。一方、上記水溶液に対する陰イオン性界面活性剤の濃度が0.5mol/Lよりも高くなると、溶液中に上記陰イオン性界面活性剤が溶解しない場合がある。
【0055】
また、上記攪拌操作を行う攪拌時間、すなわち、ゾル−ゲル反応を行う反応時間としては、用いる物質(上記オルガノアルコキシシラン、アルコキシシランおよび陰イオン性界面活性剤)の種類や量、陰イオン性界面活性剤の濃度等によって適宜すればよく、数分〜8週間の範囲内がより好ましく、1週間以上反応させることがさらに好ましい。
【0056】
さらに、上記の製造方法により得られた層状オルガノシリカナノ複合体を、無機塩、有機塩および有機金属錯体塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の陰イオン種含有塩を含む水溶液中に添加して、攪拌することにより、イオン交換反応を行うことができる。上記イオン交換反応を行うことにより、上記製造方法により得られた層状オルガノシリカナノ複合体の層状構造を保ったまま、鋳型とした陰イオン性界面活性剤の代わりに、上記無機塩に含まれている無機陰イオン種、有機塩に含まれている有機陰イオン種、および/または、有機金属錯体塩に含まれている有機金属錯体陰イオン種が層間に挿入された層状オルガノシリカナノ複合体を得ることができる。従って、上記無機塩、有機塩、有機金属錯体塩とは、それぞれ、無機陰イオン種、有機陰イオン種、有機金属錯体陰イオン種を含む塩であり、かつ、蒸留水に溶解するものであれば特に限定されるものではない。上記無機塩としては、具体的には、例えば、塩化水素、塩化ナトリウム、臭化カリウム等が挙げられる。上記有機塩としては、具体的には、例えば、オクチル硫酸ナトリウム塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、フェニルリン酸二ナトリウム塩等が挙げられる。上記有機金属錯体塩としては、例えば、ヘキサシアノ鉄カリウム塩、オクタシアノモリブデンカリウム塩、ヘキサフルオロルテニウムカリウム塩等が挙げられる。なお、本発明では、上記無機塩、有機塩および有機金属錯体塩を陰イオン種含有塩と称している。
【0057】
また、イオン交換反応により、上記陰イオン性界面活性剤とは異なる陰イオン種が層間に導入されている層状オルガノシリカナノ複合体に対して、さらに他のイオン交換反応を行うことにより、さらに異なる陰イオン種を上記層間に導入することができる。
【0058】
すなわち、ゾル−ゲル反応を行い製造された層状オルガノシリカナノ複合体に対して、所望の陰イオン種含有塩を用いてイオン交換反応を行うことにより、層間に所望の陰イオン種を導入した層状オルガノシリカナノ複合体を得ることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体は、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させてなる構成である。
【0060】
つまり、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させることにより、表面に有機陽イオン性官能基が存在する層状オルガノシリカナノ複合体が得られる。この層状オルガノシリカナノ複合体は、層間に存在している陰イオン性界面活性剤を除去した場合でも、層状構造を保つことができる。すなわち、従来の構成(従来の層状シリケート材料)と比べて、シリカ骨格のみからなり、他の金属塩または金属アルコキシドを含まない層状オルガノシリカナノ複合体である。上記の構成とすることにより、例えば、上記陰イオン性界面活性剤を除去した後でも、ラメラ相の層状構造を失うことがない層状オルガノシリカナノ複合体を提供することができる。
【0061】
本発明の、表面に有機陽イオン性官能基を有する層状オルガノシリカナノ複合体は、従来と比べて、より簡単に製造することができる。しかも、上記ナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数を調整することができる。また、従来の層状シリケート材料と異なり、シリカ骨格のみからなり、他の金属イオンを含まない。さらに、本発明のナノ複合体は、イオン交換反応により、層状構造を保ったまま、様々な陰イオン種を層間に挿入することができる。そして、このような層状オルガノシリカナノ複合体は、例えば、光機能性材料、電子機能性材料、触媒、吸着剤等への種々の応用が可能である。
【0062】
また、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記アルコキシシランのゾル−ゲル反応を行う方法である。
【0063】
上記製造方法を行う、つまり、有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより、上記陰イオン性界面活性剤を除去した場合でも層状構造が維持された層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができる。また、上記ゾル−ゲル反応では、単に上記有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを水溶液中で攪拌することにより、層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができるので、従来と比べてより簡単に層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができる。
【0064】
また、上記有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランを添加してゾル−ゲル反応を行うことにより、得られる層状オルガノシリカナノ複合体の表面に存在する有機陽イオン性官能基の数を制御することができる。
【0065】
また、上記操作により得られる層状オルガノシリカナノ複合体の層間には、上述したように、イオン交換反応により、有機化合物を挿入することができる。そして、挿入した有機化合物の流出を防ぐためには、層状無機骨格(層状オルガノシリカ)と有機化合物との間に共有結合を形成することがより好ましい。そこで、本実施の形態にかかる層状オルガノシリカナノ複合体において、上記有機陽イオン性官能基がアンモニウム基である場合、層間に挿入する有機化合物として、例えば、酸無水物等を選択することにより、共有結合を形成することができる(ここではアミド結合)。このように共有結合を形成することで、層状オルガノシリカナノ複合体の層間に挿入される有機化合物の流出をより一層防止することができる。
【0066】
なお、上記の説明では、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物として、有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランについて説明している。しかしながら、上記に限定されるものではなく、例えば、化学式(3)
−SiX4−n ・・・(3)
で表されるオルガノハロシランを用いても良い(R、nについては上記と同じであり、Xはハロゲン基を表す)。また、上記と同様に、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物としては、例えば、化学式(4)
R´−SiX4−m ・・・(4)
で表されるハロシランを用いても良い(R´、mについては上記と同じであり、Xはハロゲン基を表す)。
【0067】
上記化学式(3)で表されるオルガノハロシランを用いる場合には、このオルガノハロシランに水またはアルコールを加えることにより、Si−X結合が加水分解して、オルガノアルコキシシランまたはその加水分解物が生成することとなる。そして、他は上記説明のオルガノアルコキシシランと同様の操作を行うことにより、本発明にかかる層状オルガノシリカナノ複合体を得ることができる。
【0068】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0069】
〔実施例1〕
3−アミノプロピルトリメトキシシラン(ATMS)2.78mmolおよびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)2.92mmolを、蒸留水15mlに溶解し、さらに、塩酸(0.5mol/L)を加えて上記水溶液のpHを2.5に調整すると、白い沈殿物が生成した。そして、この沈殿物を含む水溶液を室温で4週間攪拌した。その後、得られた沈殿物をろ別して、蒸留水およびエタノールで洗浄した後、真空乾燥することにより、層状オルガノシリカナノ複合体を得た。
【0070】
そして、得られた乾燥粉末(層状オルガノシリカナノ複合体)のX線回折パターンを測定した。結果を図1のaに示す。上記結果を解析した結果、このX線回折パターンは、2θ=2.2°の非常に鋭い回折ピークと、2θ=4.5°、6.7°の弱い回折ピークを示した。そして、これらの回折ピークはそれぞれ、ラメラ構造(ラメラ相)の(100)、(200)、(300)回折線に帰属され、d値は、4.1nmであった。これにより、得られた乾燥粉末は、層状構造を有することが示された。また、上記乾燥粉末の元素分析を行った結果、該乾燥粉末の組成は、CH(CH11OSO ・H(CHSiO1.5・HOであることが確認された。
【0071】
〔実施例2〕
ATMS2.78mmol、テトラエトキシシラン(TEOS)2.78mmol、および、SDS2.78mmolを蒸留水に溶解し、さらに、塩酸(0.5mol/L)を加えて上記水溶液のpHを2.5に調整すると、白い沈殿物が生成した。そして、この沈殿物を含む水溶液を室温で4週間攪拌した。その後、得られた沈殿物をろ別して、蒸留水およびエタノールで洗浄した後、真空乾燥することにより、層状オルガノシリカナノ複合体を得た。
【0072】
得られた乾燥粉末(層状オルガノシリカナノ複合体)のX線回折パターンを測定した。このX線回折パターン測定の結果より、d値が、3.3nmの層状構造を有することが示された。
【0073】
〔実施例3〕
実施例1にて得られた乾燥粉末(層状オルガノシリカナノ複合体)0.5gをエタノール250ml中に分散させて、36重量%塩酸6gを加えた後、終夜攪拌した。その後、沈殿物をろ別し、蒸留水およびエタノールで洗浄して、真空乾燥させることにより粉体(A)を得た。
【0074】
そして、得られた粉体(A)のX線回折パターンを測定した。結果を図1のbに示す。上記結果を解析した結果、このX線回折パターンは、2θ=6.3°、12.4°にピークが検出され、これらは、それぞれ、ラメラ構造(ラメラ相)の(100)、(200)回折線に帰属された。また、d値は、1.3nmであった。また、上記粉体(A)の元素分析を行った結果、該粉体(A)の組成は、Cl・H(CHSiO1.5・HOであることが確認された。さらに、上記粉体(A)の、13C固体CP−MAS−NMR測定を行った。結果を図2に示す。その結果、アミノプロピル基の3つのメチレン基に由来するピークのみが観測され、SDSに由来するピークは観測されなかった。これらの結果より、実施例1で得られた層状オルガノシリカナノ複合体は、イオン交換反応により、鋳型としたSDSが除去されて、その代わりにClイオンが挿入されていること、および、鋳型である界面活性剤(SDS)を除去した後も層状構造が保たれていることが分かる。そして、さらに、上記粉体(A)の29Si固体HPDEC−MAS−NMR測定を行った。結果を図3に示す。その結果、1つの脂肪族炭素と3つの−OSi基に結合したSiに由来するピークが−68ppmに観測され、それ以外のピークは観測されなかった。これにより、ゾル−ゲル反応が完全に進行していることが分かる。
【0075】
〔実施例4〕
上記実施例3で得られた粉体(A)を、オクチル硫酸ナトリウム水溶液(0.02mol/L)中で終夜攪拌した。その後、沈殿物をろ別し、蒸留水およびエタノールで洗浄して、真空乾燥させることにより粉体(B)を得た。
【0076】
そして、得られた粉体(B)のX線回折パターンを測定した。結果を図4のaに示す。上記結果を解析した結果、このX線回折パターンは、2θ=2.7°、5.4°にピークが検出され、これらは、それぞれ、ラメラ構造(ラメラ相)の(100)、(200)回折線に帰属された。また、d値は、3.3nmであった。このことから、Clイオンがオクチル硫酸イオンにイオン交換されることにより、この実施例で得られた層状オルガノシリカナノ複合体は、実施例3で得られたナノ複合体と比べて面間隔が2nm広がったこと、および、有機陰イオンによるイオン交換が可能であることが分かる。
【0077】
〔実施例5〕
オクチル硫酸ナトリウム水溶液をヘキサシアノ鉄カリウム塩(KFe(CN))水溶液(0.01mol/L)に変えた以外は実施例4と同様の操作を行うことにより、粉体(C)を得た。
【0078】
そして、得られた粉体(C)のX線回折パターンを測定した。結果を図4のbに示す。上記結果を解析した結果、このX線回折パターンは、2θ=5.7°、11.4°にピークが検出され、これらは、それぞれラメラ構造(ラメラ相)の(100)、(200)回折線に帰属された。また、d値は、1.56nmであった。このことから、Clイオンが[Fe(CN)3−イオンにイオン交換されることにより、この実施例で得られた層状オルガノシリカナノ複合体は、実施例3で得られたナノ複合体と比べて面間隔が0.26nm広がったこと、および、有機金属錯体陰イオンによるイオン交換が可能であることが分かる。
【0079】
【発明の効果】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、以上のように、有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させてなる構成である。
【0080】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記混合物には、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物が含まれている構成としてもよい。
【0081】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記有機陽イオン性官能基は、窒素原子を含む構成がより好ましい。
【0082】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、以上のように、有機陽イオン性官能基を有する複数の層状オルガノシリカが積層されており、上記複数の層状オルガノシリカの層間に無機陰イオン、有機陰イオン、および/または、有機金属錯体陰イオンが存在している構成である。
【0083】
それゆえ、この層状オルガノシリカナノ複合体は、層間に存在している陰イオン性界面活性剤を除去した場合でも、層状構造を保つことができると言う効果を奏する。
【0084】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体は、さらに、上記有機陽イオン性官能基と、該有機陽イオン性官能基と共有結合可能な有機化合物とが共有結合してなる構成としてもよい。それゆえ、層間からの有機化合物の流出をより防止することができる。
【0085】
本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、以上のように、有機陽イオン性官能基を有するアルコキシシランと陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記アルコキシシランのゾル−ゲル反応を行う構成である。
【0086】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記水溶液には、有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランが含まれている構成としてもよい。
【0087】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記ゾル−ゲル反応を酸性条件下で行う方法がより好ましい。
【0088】
また、本発明の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法は、さらに、上記ゾル−ゲル反応の後で、無機陰イオン種、有機陰イオン種、および/または、有機金属錯体陰イオン種を有する陰イオン種含有塩を反応させる方法を行っても良い。
【0089】
それゆえ、従来と比べてより簡単に層状オルガノシリカナノ複合体を製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる製造方法により得られた層状オルガノシリカナノ複合体のX線回折パターンを示す画像であり、aは実施例1のナノ複合体のX線回折パターンを示す画像であり、bは実施例3のナノ複合体(粉体(A))のX線回折パターンを示す画像である。
【図2】実施例3のナノ複合体の13C固体NMRスペクトルを示す画像である。
【図3】実施例3のナノ複合体の29Si固体NMRスペクトルを示す画像である。
【図4】aは実施例4のナノ複合体(粉体(B))のX線回折パターンを示す画像であり、bは実施例5のナノ複合体(粉体(C))のX線回折パターンを示す画像である。

Claims (10)

  1. 有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と、陰イオン性界面活性剤とを含む混合物を反応させてなることを特徴とする層状オルガノシリカナノ複合体。
  2. さらに上記混合物には、有機陽イオン性官能基を有しないシラン化合物が含まれていることを特徴とする請求項1記載の層状オルガノシリカナノ複合体。
  3. 上記有機陽イオン性官能基は、窒素原子を含むことを特徴とする請求項1または2記載の層状オルガノシリカナノ複合体。
  4. 有機陽イオン性官能基を有する複数の層状オルガノシリカが積層されており、上記複数の層状オルガノシリカの層間には無機陰イオン、有機陰イオン、および/または、有機金属錯体陰イオンが存在していることを特徴とする層状オルガノシリカナノ複合体。
  5. 上記有機陽イオン性官能基と、該有機陽イオン性官能基と共有結合可能な有機化合物とが共有結合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の層状オルガノシリカナノ複合体。
  6. 有機陽イオン性官能基を有するオルガノシラン化合物と陰イオン性界面活性剤とを含む水溶液で、上記オルガノシラン化合物のゾル−ゲル反応を行うことを特徴とする層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法。
  7. 上記オルガノシラン化合物がオルガノアルコキシシランであることを特徴とする請求項6記載の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法。
  8. さらに、上記水溶液には、有機陽イオン性官能基を有しないアルコキシシランが含まれていることを特徴とする請求項6または7記載の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法。
  9. 上記ゾル−ゲル反応を酸性条件下で行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法。
  10. さらに、上記ゾル−ゲル反応の後で、無機陰イオン種、有機陰イオン種、および/または、有機金属錯体陰イオン種を有する陰イオン種含有塩を反応させることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の層状オルガノシリカナノ複合体の製造方法。
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