JP2009191024A - かご型シロキサン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】メソポーラスシリカやゼオライト等の無機多孔体の製造に適した構造規定剤(Structure-Directing Agent, SDA)として有用な新規化合物を提供すること。
【解決手段】下記式(1)で表されることを特徴とするかご型シロキサン化合物。式中、Rは−OSiR12−R3−NR4 3Xを表すか、又は−R3−NR4 3Xを表す。R1及びR2は、同一の又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3は炭素数2〜18のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは一価のアニオンを表す。このかご型シロキサン化合物は、無機多孔体製造用構造規定剤として特に好適に用いられる。
Figure 2009191024

【選択図】なし

Description

本発明はかご型シロキサン化合物に関する。本発明のかご型シロキサン化合物は、無機多孔体製造のための構造規定剤(Structure-Directing Agent, SDA)として特に有用である。
に関する。
ゼオライトは、多孔質結晶性アルミノケイ酸塩及びメタロケイ酸塩の総称であり、その構造の基本単位は、四面体構造を持つTO4(T=Si,Al等)であり、一つのTO4単位が四つの頂点酸素をそれぞれ隣の四つのTO4単位と共有することにより三次元的に連結し、多孔質な結晶を形成している。
一方、メソポーラスシリカは、ゼオライトなどのミクロポーラス物質と、マクロポーラス物質との中間に位置するシリカであり、細孔径が2〜50nmのものを言う。シリカゲルなど、従来からメソ孔を有する物質は知られていたが、それらと異なり、メソポーラスシリカは、一般に六角柱状の規則的な構造を有し、細孔径分布が非常に狭いことが特徴である。
メソポーラスシリカは、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の陽イオン界面活性剤を構造規定剤として用いることで合成される(特許文献1参照)。その後、陽イオン界面活性剤だけでなく、陰イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤を用いてもメソポーラスシリカは合成され(特許文献2参照)、その生成は界面活性剤とシリカ種間の静電相互作用や水素結合などの弱い相互作用に依存することが現在までに明らかにされている。
ゼオライトは、その細孔径の小ささゆえに、触媒として使用される場合に拡散性が問題となる場合がある。一方、メソポーラスシリカはゼオライトの細孔内に進入できない大きな分子に対応できるものの、骨格がアモルファスであるため反応性が小さいという欠点がある。したがって、ゼオライトの反応性と、メソポーラスシリカの拡散性とを併せ持つメソポーラスゼオライトの創製が期待されている。
特表平5−503449号公報 特開2007−182341号公報
したがって本発明の目的は、メソポーラスシリカやゼオライト等の無機多孔体の製造に適した構造規定剤として有用な新規化合物を提供することにある。
本発明は、下記式(1)で表されることを特徴とするかご型シロキサン化合物を提供するものである。
Figure 2009191024
式中、Rは−OSiR12−R3−NR4 3Xを表すか、又は−R3−NR4 3Xを表す。R1及びR2は、同一の又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3は炭素数2〜18のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは一価のアニオンを表す。
また本発明は、前記のかご型シロキサン化合物からなることを特徴とする無機多孔体製造用構造規定剤を提供するものである。
さらに、本発明は、Si源及び構造規定剤を含有する水溶液を用いてメソポーラスシリカを製造する方法において、該構造規定剤として、前記のかご型シロキサン化合物を用いたことを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、Si源、Al源及び構造規定剤を含有する水溶液を用いてゼオライトを製造する方法において、該構造規定剤として、前記のかご型シロキサン化合物を用いたことを特徴とするゼオライトの製造方法を提供するものである。
本発明に係る新規なかご型シロキサン化合物は、嵩高い立体形状をしているので、メソポーラスシリカやゼオライトを始めとする各種の無機多孔体を合成するときの構造規定剤としてこれを用いると、得られる無機多孔体が規則的な細孔を有するものとなる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明に係る化合物は、前記の式(1)で表されるとおり、かご型シロキサンを基本骨格としている。この基本骨格は[Si812]で表される。かご型シロキサンは、略八面体構造のシロキサン化合物である。かご型シロキサンは、Siからなる頂点を8個有している。この頂点に各種の官能基を導入することで、かご型シロキサンに様々な機能を付与することができる。
本発明においては、基本骨格であるかご型シロキサンにおけるSiからなる8個の頂点それぞれに官能基Rを導入している。8個の官能基Rは、基本骨格であるかご型シロキサンを中心として放射状に延びる構造となる。8個のRは、同一でもよく、あるいは異なっていてもよい。一般に8個のRは同一のものである。本発明において用いられる官能基Rは、−OSiR12−R3−NR4 3X又は−R3−NR4 3Xで表される。
官能基Rが−OSiR12−R3−NR4 3Xで表される場合、R1及びR2は、炭素数が好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。R1及びR2は同一でもよく、又は異なっていてもよい。好ましくはR1とR2は同一の基である。R1及びR2は、官能基Rにおけるシリケート骨格を安定化させる働きを有する。R3は炭素数が好ましくは2〜18、更に好ましくは3〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表し、好ましくは直鎖のアルキレン基である。R4は炭素数が好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。三つのR4は同一でもよく、あるいは異なっていてもよい。好ましくは三つのR4は同一の基である。Xは一価のアニオンを表す。その例としては、ハロゲンイオン、水酸化物イオン等が挙げられる。
官能基Rが−R3−NR4 3Xで表される場合、R3、R4及びXは前記と同義である。
式(1)で表されるかご型シロキサン化合物の具体例としては、Si812(OSi(CH3236N(CH33Br)8、Si812(OSi(CH3236N(C253Br)8、Si812(OSi(CH3236N(C373Br)8、Si812(OSi(C25236N(CH33Br)8、Si812(OSi(C25236N(C253Br)8、Si812(OSi(C25236N(C373Br)8、Si812(OSi(C37236N(CH33Br)8、Si812(OSi(C37236N(C253Br)8、Si812(OSi(C37236N(C373Br)8、Si812(OSi(CH32510N(CH33Br)8、Si812(OSi(CH32510N(C253Br)8、Si812(OSi(CH32510N(C373Br)8、Si812(OSi(C252510N(CH33Br)8、Si812(OSi(C252510N(C253Br)8、Si812(OSi(C252510N(C373Br)8、Si812(OSi(C372510N(CH33Br)8、Si812(OSi(C372510N(C253Br)8、Si812(OSi(C372510N(C373Br)8、Si812(OSi(CH32816N(CH33Br)8、Si812(OSi(CH32816N(C253Br)8、Si812(OSi(CH32816N(C373Br)8、Si812(OSi(C252816N(CH33Br)8、Si812(OSi(C252816N(C253Br)8、Si812(OSi(C252816N(C373Br)8、Si812(OSi(C372816N(CH33Br)8、Si812(OSi(C372816N(C253Br)8、Si812(OSi(C372816N(C373Br)8、Si812(OSi(CH321020N(CH33Br)8、Si812(OSi(CH321020N(C253Br)8、Si812(OSi(CH321020N(C373Br)8、Si812(OSi(C2521020N(CH33Br)8、Si812(OSi(C2521020N(C253Br)8、Si812(OSi(C2521020N(C373Br)8、Si812(OSi(C3721020N(CH33Br)8、Si812(OSi(C3721020N(C253Br)8、Si812(OSi(C3721020N(C373Br)8、Si812(OSi(CH321224N(CH33Br)8、Si812(OSi(CH321224N(C253Br)8、Si812(OSi(CH321224N(C373Br)8、Si812(OSi(C2521224N(CH33Br)8、Si812(OSi(C2521224N(C253Br)8、Si812(OSi(C2521224N(C373Br)8、Si812(OSi(C3721224N(CH33Br)8、Si812(OSi(C3721224N(C253Br)8、Si812(OSi(C3721224N(C373Br)8、Si812(C36N(CH33Br)8、Si812(C36N(C253Br)8、Si812(C36N(C373Br)8、Si812(C36N(CH33Br)8、Si812(C36N(C253Br)8、Si812(C36N(C373Br)8、Si812(C36N(CH33Br)8、Si812(C36N(C253Br)8、Si812(C36N(C373Br)8、Si812(C510N(CH33Br)8、Si812(C510N(C253Br)8、Si812(C510N(C373Br)8、Si812(C510N(CH33Br)8、Si812(C510N(C253Br)8、Si812(C510N(C373Br)8、Si812(C510N(CH33Br)8、Si812(C510N(C253Br)8、Si812(C510N(C373Br)8、Si812(C816N(CH33Br)8、Si812(C816N(C253Br)8、Si812(C81
6N(C373Br)8、Si812(C816N(CH33Br)8、Si812(C816N(C253Br)8、Si812(C816N(C373Br)8、Si812(C816N(CH33Br)8、Si812(C816N(C253Br)8、Si812(C816N(C373Br)8、Si812(C1020N(CH33Br)8、Si812(C1020N(C253Br)8、Si812(C1020N(C373Br)8、Si812(C1020N(CH33Br)8、Si812(C1020N(C253Br)8、Si812(C1020N(C373Br)8、Si812(C1020N(CH33Br)8、Si812(C1020N(C253Br)8、Si812(C1020N(C373Br)8、Si812(C1224N(CH33Br)8、Si812(C1224N(C253Br)8、Si812(C1224N(C373Br)8、Si812(C1224N(CH33Br)8、Si812(C1224N(C253Br)8、Si812(C1224N(C373Br)8、Si812(C1224N(CH33Br)8、Si812(C1224N(C253Br)8、Si812(C1224N(C373Br)8が挙げられる。
次に、(1)で表されるかご型シロキサン化合物の好適な製造方法を、8個の頂点に位置する官能基Rが−OSiR12−R3−NR4 3Xである場合を例にとり説明する。先ず、[Si812]で表される基本骨格を有するかご型シロキサンを合成する。このかご型シロキサンの合成方法は、例えばI. Hasagawa et al., Chem. Lett., pp.1319(1988)並びに特開2004−143449号公報及び特開2007−15991号公報に記載されているとおり、シロキサンの技術分野において公知の方法である。具体的には、例えば以下の式(a)に示すように、水酸化(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム等の水酸化四級アンモニウムの水溶液に、Si源としてのテトラエトキシシラン(TEOS)等のテトラアルコキシシランを加え、室温で攪拌することで化合物A、すなわちSi820(HOCH2CH2N(CH338が得られる。なお、以下の式(a)においては、立方体の図形がSi812骨格を表す。そして、立方体の図形においては、8つの頂点にSiが位置し、そのSiにO-が結合して陰イオンとなっている。式(a)においては立方体の図形における8つの頂点のうち、1つの頂点にのみ、HOCH2CH2+(CH33を対イオンとして表示しているが、これは簡便のために他の対イオンを省略したものであり、実際は8個の頂点すべてに、HOCH2CH2+(CH33イオンが配置している(以下、式(b)ないし式(d)においても同じである。)。
Figure 2009191024
次に、前記の式(a)で得られた化合物Aをシリル化する。このシリル化は、例えばI. Hasagawa et al., Appl. Organometal. Chem., 2003, 17, 287に記載されているとおり、シロキサンの技術分野において公知の方法である。具体的には、クロロジメチルシラン等のハロゲン化ジアルキルシラン(Ra 2HSiX)を、ヘキサン等の有機溶媒に溶解しておき、この溶液に前記の化合物Aを含むメタノール等のアルコール溶液を滴下し、室温で攪拌することで、化合物Aのシリル化物である化合物B、すなわちSi812(OSiRa 2H)8が得られる。この反応式を、以下の式(b)に示す。
Figure 2009191024
次に、前記の式(b)で得られた化合物Bにハロゲン化アルキル基を付加する。具体的には、以下の式(c)に示されるように、一方の末端に二重結合を有し、かつ他方の末端にハロゲンを有するアルケンと化合物Bとを反応させる。反応は、触媒の存在下、窒素雰囲気中で加熱して行う。加熱温度は40〜100℃であることが好ましい。反応は、有機溶媒、例えばトルエン中で行う。反応の触媒としては例えば白金系触媒(塩化白金酸など)を用いる。この反応によって化合物Cが得られる。
Figure 2009191024
最後に、化合物Cにトリアルキルアミンを付加させる。この反応は、以下の式(d)に示されるように、化合物Cにおけるハロゲンとトリアルキルアミンとの交換反応である。反応は、化合物Cとトリアルキルアミン(NRb 3)とを、アセトン等の有機溶媒に溶解して行う。反応温度は室温でよい。室温で反応を行う場合、反応時間は好ましくは12〜24時間である。この反応によって目的とする化合物D、すなわち式(1)で表されるかご型シロキサン化合物が得られる。
Figure 2009191024
このようにして得られた式(1)で表されるかご型シロキサン化合物は、無機多孔体製造のための構造規定剤として特に有用である。無機多孔体としては、例えばメソポーラスシリカ、ゼオライト、メソポラースチタニアやメソポーラスアルミナ等の金属酸化物多孔体、金属多孔体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)で表されるかご型シロキサン化合物は、従来構造規定剤として用いられてきたカチオン系界面活性剤と異なり、1分子で界面活性剤のミセルと類似の構造体として機能する。したがって、式(1)で表されるかご型シロキサン化合物と、該シロキサン化合物を構造規定剤として合成される無機多孔体の細孔の形は、一対一で対応する。そのため、式(1)で表されるかご型シロキサン化合物は、これを構造規定剤として用いることで、無機多孔体の細孔径を精密に制御できるという利点を有する。また、式(1)で表されるかご型シロキサン化合物の構造は、分子、原子レベルで制御可能なので、無機多孔体の構造制御も容易である。
式(1)で表されるかご型シロキサン化合物を構造規定剤として用いて例えばメソポーラスシリカを製造する場合には、Si源及び該シロキサン化合物を含有する水溶液を用いればよい。メソポーラスシリカの製造には大別して水熱合成法(塩基性条件下)及び溶媒揮発法がある。
水熱合成法においては、式(1)で表されるかご型シロキサン化合物及びアルカリを水に溶解し、撹拌しながらテトラアルコキシシラン等のSi源を添加し、水熱合成を行う。水熱合成の条件は、温度が好ましくは80〜100℃、時間が好ましくは6〜24時間である。このようにして得られた固形物をエタノール、塩酸、水の混合溶液中で撹拌し、構造規定剤を抽出、除去する。このときの条件は、好ましくは25〜60℃で6〜48時間である。これにより、目的とするメソポーラスシリカが得られる。
前記のSi源としては、例えばアルコキシシランを用いることができる。アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン等の単量体又はこれらの多量体及びこれらの混合物が使用できる。また、これらに代えて、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、コロイダルシリカ、水ガラス、酸化ケイ素等も用いることができる。
溶媒揮発法においては、テトラアルコキシシラン等のSi源と、エタノール等のアルコール、またはテトラヒドロフランなどの極性有機溶媒、及び蒸留水を混合し、塩酸等の酸でpHを調整して、25〜60℃に加熱する。次に、エタノール等のアルコール、またはテトラヒドロフランなどの極性有機溶媒と式(1)で表されるかご型シロキサン化合物を添加する。このようにして調製された液をスライドガラス等の硬質表面に滴下し乾燥させる。このようにして得られた固形物をエタノール、塩酸、水の混合溶液中で撹拌し、構造規定剤を抽出、除去する。このときの条件は、好ましくは25〜60℃で6〜48時間である。これにより、目的とするメソポーラスシリカが得られる。
式(1)で表されるかご型シロキサン化合物を構造規定剤として用いてゼオライトを製造する場合には、Si源、Al源及び該シロキサン化合物を含有する水溶液を用いればよい。具体的には、蒸留水にアルカリを添加して液を塩基性にした状態下にAl源、Si源及び前記シロキサン化合物を一括して添加する。そして水溶液を室温で0.5〜1時間攪拌した後に、好ましくは60〜100℃、更に好ましくは70〜90℃に加熱する。加熱時間は好ましくは1〜72時間、更に好ましくは12〜24時間とする。次いで、水熱合成を行う。水熱合成は静置状態で行うか、又は攪拌下に行う。水熱合成の条件は、温度が好ましくは80〜200℃、更に好ましくは90〜175℃であり、時間が好ましくは0.5〜120時間、更に好ましくは1〜24時間である。水熱合成によって沈殿物をろ過で分離し、乾燥した後に焼成する。焼成によって細孔内に存在するかご型シロキサン化合物を除去する。焼成は、例えば昇温速度1〜20℃/分で行い、400〜600℃の焼成温度を1〜10時間保持すればよい。このようにして、目的とするゼオライトが得られる。
前記のSi源としては、先に例示したものと同様のものを用いることができる。またAl源としては、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシドを用いることができる。また、これらに代えて、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、酢酸アンモニウム等のアルミニウム塩、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等も用いることができる。
式(1)で表されるかご型シロキサン化合物を構造規定剤として用いて金属酸化物多孔体を製造する場合には、チタンアルコキシドやアルミニウムアルコキシド等の金属アルコキシドを原料として用い、上述のメソポーラスシリカの製造方法と同様の操作を行えばよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
前記の式(a)にしたがい反応を行った。水酸化(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム(コリン)水溶液(50%)に、テトラエトキシシラン(TEOS)を加えて室温で4時間攪拌した(1TEOS:1コリン)。生成物である化合物A、すなわちSi820(HOCH2CH2N(CH338の水和物を得た。得られた化合物Aを、メタノールに溶解した(SiO2:1.38mol/L)。
次に、前記の式(b)にしたがい反応を行った。クロロジメチルシラン(HSiCl(CH32)をヘキサンに溶解した。この溶液を水浴で攪拌しながら、この溶液中に化合物Aのメタノール溶液を滴下した。添加の比率は、1Si:32HSiCl(CH32となるようにした。室温で1時間攪拌後、ヘキサン相をデカンテーションし、溶媒を除去した。得られた固体をアセトニトリルで洗浄した。このようにして、生成物である化合物B、すなわちSi812(OSiH(CH328を得た。
次に、前記の式(c)にしたがい反応を行った。化合物B(1.0g、0.98mmol)、5−ブロモ−1−ペンテン(1.2g、7.9mmol)、0.02MのH2PtCl6・6H2Oアセトニトリル溶液(0.393ml、7.9μmol)及びトルエン(1ml)を窒素雰囲気下、70℃で6時間攪拌した。反応によって生成した固形物及び溶媒を除去することによって、生成物である化合物C、すなわちSi812(OSi(CH32510Br)8を得た。化合物Cの13C NMRスペクトルとIRスペクトルをそれぞれ図1(a)、図2(a)に示す。13C NMRスペクトルの測定には溶媒としてD2Oを用いた。
最後に、前記の式(d)にしたがい反応を行った。化合物C(1.6g、0.73mmol)及びトリメチルアミン(1.7g、29mmol)をアセトン溶媒中、室温で6時間攪拌した。トリメチルアミンはドライアイスでトラップした。このようにして、最終生成物である式(1)で表されるかご型シロキサン化合物、すなわちSi812(OSi(CH32510N(CH33Br)8を得た。未反応のトリエチルアミンは減圧除去した。得られたかご型シロキサン化合物の13C NMRスペクトルとIRスペクトルをそれぞれ図1(b)、図2(b)に示す。また29Si NMRスペクトルを図3に示す。
図1(a)に示す結果から、化合物Cにおいて1位〜5位のメチレン炭素に帰属されるシグナルが明瞭に観察され、5−ブロモ−ペンテンにSiH基がヒドロシリル化により付加されたことが確認された。また図2(a)に示す結果から、シロキサン骨格(1000〜1200cm-1)、Si−CH3基(1250cm-1)、CH3及びCH2基(2800〜3000cm-1,1400〜1460cm-1)によるピークが確認された。また、図1(b)に示す結果から、図1(a)において観察された−22−Brのシグナルが消えていることが判る。またトリメチルアンモニウム基の−3に帰属されるシグナルが観察される。同様に、図2(b)より、トリメチルアンモニウム基によるピーク(960cm-1,1490cm-1)が観察される。これらのことから、化合物Cとトリメチルアミンが反応して、式(1)で表されるかご型シロキサン化合物が生成したことが確認された。
また、図3に示す結果から、化合物Cにおいてに示す29Si NMRスペクトルから、かご型シロキサンの基本骨格である[Si812]に帰属されるQ4シグナル(−110ppm付近)と、それらに結合した−OSi(CH32−によるシグナル(12ppm付近)が観測され、最終生成物であるSi812(OSi(CH33510N(CH33Br)8において、シロキサン骨格が保持されていることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1で得られた最終生成物を構造規定剤として用い、水熱合成法(酸性条件)でメソポーラスシリカを合成した。詳細には、蒸留水に構造規定剤及び5M塩酸を加え、攪拌しながらテトラエトキシシラン(TEOS)を滴下し、室温で1時間攪拌した。その後、80℃で20時間静置した。生成した沈殿を濾過で回収し、室温で乾燥しシリカを得た。これらのモル比は、1モルのTEOSに対し、HClが9.2モル、H2Oが130モル、構造規定剤が0.015モルであった。得られたシリカをXRDで測定したところ、3.4nm付近にピークを示し、メソスケールの秩序構造をもつことが確認された。
図1(a)は実施例1で得られた化合物Cの13C NMRスペクトルであり、図1(b)は実施例1で得られた最終生成物の13C NMRスペクトルである。 図2(a)は実施例1で得られた化合物CのIRスペクトルであり、図2(b)は実施例1で得られた最終生成物のIRスペクトルである。 図3は、実施例1で得られた最終生成物の29Si NMRスペクトルである。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とするかご型シロキサン化合物。
    Figure 2009191024
    式中、Rは−OSiR12−R3−NR4 3Xを表すか、又は−R3−NR4 3Xを表す。R1及びR2は、同一の又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3は炭素数2〜18のアルキレン基を表し、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは一価のアニオンを表す。
  2. 請求項1記載のかご型シロキサン化合物からなることを特徴とする無機多孔体製造用構造規定剤。
  3. Si源及び構造規定剤を含有する水溶液を用いてメソポーラスシリカを製造する方法において、該構造規定剤として、請求項1に記載のかご型シロキサン化合物を用いたことを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法。
  4. Si源、Al源及び構造規定剤を含有する水溶液を用いてゼオライトを製造する方法において、該構造規定剤として、請求項1に記載のかご型シロキサン化合物を用いたことを特徴とするゼオライトの製造方法。
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