JPH04210227A - 細孔構造を制御した有機シリカ多孔体及びシリカ多孔体の製造方法 - Google Patents

細孔構造を制御した有機シリカ多孔体及びシリカ多孔体の製造方法

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JPH04210227A
JPH04210227A JP2414138A JP41413890A JPH04210227A JP H04210227 A JPH04210227 A JP H04210227A JP 2414138 A JP2414138 A JP 2414138A JP 41413890 A JP41413890 A JP 41413890A JP H04210227 A JPH04210227 A JP H04210227A
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organic
porous
silica
alkoxysilane
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JP2414138A
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Kanji Sakata
勘治 坂田
Toyoki Kunitake
豊喜 国武
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[00011[産業上の利用分野] 本発明は、細孔構造が分子レベルで制御された有機シリ
カ多孔体又はシリカ多孔体を製造する方法に関する。 [0002]  [従来の技術] ケイ酸ソーダから作製された多孔質のシリカゲル、ホウ
ケイ酸ガラスの分相性を利用した方法やゾル−ゲル法等
により製造された多孔質ガラス、層状ポリケイ酸塩等の
シリカ関連化合物は、その多孔質構造を利用し物質分離
、触媒担体等の分野で使用されている。 [0003]吸着や吸収を利用した物質分離剤、触媒担
体、酵素固定用担体等の用途において、細孔構造に起因
する作用を効果的に発揮させるためには、細孔表面積や
細孔径等の細孔構造を制御することが要求される。 [0004]たとえば、触媒担体として使用される場合
、担持される触媒量は、担体の表面積が大きいほど高担
持量を確保することが可能となり、触媒単位重量当りの
触媒活性の増大が期待される。しかし、細孔表面積を大
きくするとき、細孔径が狭小化し、反応物質や吸着物質
の細孔内における拡散が困難となる。その結果、反応活
性が低下或いは変化する場合がある。 [0005]また、酵素固定用担体においては、細孔径
が小さすぎると酵素の担持が困難になる。そのため、細
孔の径を触媒担体等に比較して大きくすることが必要と
される。 [0006]このように用途に応じ必要な細孔表面積。 細孔径等が変わるため、要求特性に見合った細孔構造を
得ることが要求される。そこで、アルコキシシランを反
応原料としてゾル−ゲル法によりシリカ多孔体を製造す
る場合、溶媒の種類、アルコキシシランの加水分解重縮
合の反応条件、乾燥条件等を変えることによって、細孔
表面積等の細孔構造を制御することが、たとえば[ゾル
−ゲル法の科学J  (1988年アグネ承風社発行 
作花済夫著)第28〜53頁で紹介されている。また、
一般に製造されたシリカ多孔体を加熱処理して焼結させ
ることにより、細孔構造を制御する方法も採用さねでい
る。 [00071[発明が解決しようとする課題]ところが
、焼結によって細孔表面積を制御する方法では、微小細
孔が解消されるものの、目的とする細孔径や細孔表面積
をもったシリカ多孔体を選択的に製造することができな
い。 [0008]他方、アルコキシシラン物質を使用したゾ
ル−ゲル法による場合、溶媒の選択自由度に制約が加わ
る。また、アルコキシシランの加水分解重縮合反応の制
御が困難であり、一定した細孔構造をもつシリカ多孔体
を再現性良く製造することができないのが現状である。 [00091本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、両親媒性物質が作る二分子膜集合
体の構造的特徴を有機シリカ多孔体の構造制御に活用す
ることにより、広い細孔表面積範囲にわたって細孔構造
が制御された有機シリカ多孔体及びシリカ多孔体を再現
性良く製造することを目的とする。 [00101[課題を解決するための手段]本発明の有
機シリカ多孔体の製造方法は、その目的を達成するため
、分子の両末端に極性基及び疎水基がそれぞれ付加され
た両親媒性物質と、次式 で示されるアルコキシシラン及びその加水分解重縮合物
から選ばれたmがO又は1の化合物の1種類以上とを含
む混合溶液から溶媒を蒸発させて有機複合体を作製し、
該有機複合体から前記両親媒性物質を抽出除去すること
を特徴とする。 [00111ここで、混合溶液は、更にmが異なるアル
コキシシラン物質の1種類以上、及び/又はメタシロキ
サン結合M  OS iを生成することができるケイ素
以外の金属アルコキシ物質を含有することができる。ま
た、複合体に化学的処理又は熱的処理を施し、残留して
いるS iOR,S iOH等の加水分解重縮合反応を
促進させることも可能である。 [0012]また、シリカ多孔体は、得られた有機シリ
カ多孔体を酸化性雰囲気中で加熱処理することによって
製造される。 [001:31本発明においては、分子の両末端に極性
基及び疎水基が付加された両親媒性物質と、次式(1)
で示されるアルコキシシラン物質のmが0又は1のうち
の1種類以上を混合した溶液を調製する。 Rm ’ St  (OR2)−+−m    ” ”
 ”  (1)[0014]この混合溶液には、必要に
応じてmが異なるアルコキシシラン物質の1種類以上、
メタロキサン結合を生成することができるケイ素以外の
金属アルコキシ物質を加えることもできる。混合溶液か
ら溶媒を乾燥除去することによって、両親媒性物質及び
アルコキシシラン物質からなる有機シリカ複合体が得ら
れる。このとき、規則性がある両親媒性物質の二分子集
合組織を得るため、緩慢な速度で乾燥させ、溶媒を除去
することが好ましい。 [00151有機シリカ複合体は、そのままで、或いは
化学的処理、熱的処理等を施した後で両親媒性物質を抽
出除去することにより多孔質材料として使用される。熱
的処理は、たとえば酸化性雰囲気中で行うことができる
。 [00161本発明で使用される両親媒性物質は、同一
分子内に極性基及び疎水基の両方を同時に有する化合物
である。 [00173極性基としては、スルホン酸塩、硫酸塩。 アンモニウム塩、ポリアミン塩、カルボン酸塩、スルホ
ニル塩、燐酸塩、ホスホン酸塩、ホスホニウム塩、ポリ
エーテル類、アルコール類、糖残基類を含むポリオール
類及びこれらの基の組合せを使用することができる。 [0018]他方、疎水基としては、アルキル基、アル
キルアリル基、脂環基、縮合多環基及びこれらの基の組
合せを使用することができる。 [0019]有機シリカ多孔体の前駆体となるアルコキ
シシラン物質としては、5iOR基(RO:アルコキシ
基或いはアシロキシ基)を含む化合物が使用される。こ
の5iOR基が加水分解反応を受けてシラノール基5i
OHを生成し、5iOH同士或いは5iOHと5iOH
間の重縮合反応によるシロキサン結合5i−0−3iの
生成により架橋し、有機シリカ多孔体を形成する。 [0020]したがって、三次元的な有機シリカ多孔体
を形成するために、前駆体としてのアルコキシシラン物
質は、Si原子に結合した少なくとも3個以上のアルコ
キシ基ORが一分子中にあることが必要である。これを
、一般式で表すと、次の通りである。 R’ m S t  (OR2) 4− m  (rn
: O又は1)及びこれらの加水分解重縮合物 [0021]なお、上式におけるR2は、加水分解を受
けてシラノール基を生成することができるもので、具体
的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、アセ1−キ
シ、アセチルアセトナト、2−メトキシエチル等がある
。 [0022]上記のアルコキシシラン物質は、単独でも
使用することができ、R1が異なるアルコキシシラン物
質によっても細孔構造の異なる有機シリカ多孔体が製造
される。しかし、細孔構造を継続的に変化させた有機シ
リカ多孔体或いはシリカ多孔体の製造を目的とするとき
、これに重縮合性の異なるアルコキシシラン物質、すな
わちmが異なるアルコキシシラン物質を1種類以上組み
合わせて使用することが効果的である。 [0023]なお、R】としては、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、オクチル、オクタデシル、フェニル。 ナフチル、フルオルアルキル、ビニル、アリル、γ−り
ロロプロピル、γ−メタクリロキシプロピル等のアルキ
ル基がある。mが2以上の場合には、R1は同じであっ
ても、異なるアルキル基であっても良い。また、mが0
の場合、相当するアルコキシシラン物質に代えてシリカ
ゾル溶液を使用することもできる。 [0024]アルコキシシラン物質に対し、メタシロキ
サン結合が生成可能なケイ素以外の金属元素Mのアルコ
キシ化合物、カルボキシ化合物、ハロゲン化合物、硝酸
化合物等を添加することもできる。 [0025]後述するように、混合溶液は、水溶液を主
として使用するため、これら化合物のうちには加水分縮
性が高く、混合溶液調製時に沈殿を生成するものもある
。したがって、その添加量は、使用する化合物によって
異なり、一義的に定めることは難しい。また、難加水分
解性でSi−0−M結合が生成しないものも使用できな
い。 [0026]この点、アルコキシシラン物質に対しては
、一般に相溶性が高い金属アルコキシ化合物M (OR
)nが適している。しかしながら、ケイ素以外の金属ア
ルコキシ化合物は、加水分解性が高いために、金属アル
コキシ化合物を単独で混合溶液に展開すると、沈殿を生
成することがある。この場合には、混合溶液の調製に先
立って、予めアルコキシシラン物質と金属アルコキシ化
合物を所定量混合して付加物を調製し、これを原料とす
ることが好ましい。なお、Siに添加することができる
金属元素Mに関する制約はなく、大部分の金属元素Mに
ついてアルコキシ化合物がある。 [0027]加水分解性を抑えることを考慮するとき、
R[M (OR)。1は、一般に炭素数が多いほうが好
ましい。また、以下に示す各種のカルボキシル化合物M
(OOCR’)も好適な化合物である。Ti  (○C
4H9)4.  Ti  (OC3H7)  (OOC
C17H36)3 、Ti  (QC3R7)  (Q
C(CH3)CHCOCH])2.Zr  (QC4H
9)、s、   ZrO(OOCCH3)  2.Zr
OCl2.vo  (QC4H9)11.   AI(
OOCH)3 、   AI  (OOCCH3)3 
、AI  (OCIH7)] 、   A I  (Q
C(CH3)CHCOOC:H5)l [0028]混合溶液は、所定量の両親媒性物質及びア
ルコキシシラン物質を溶媒に溶解或いは分散することに
よって調製される。溶媒としては、多くの場合に水が使
用されるが、有機溶媒の添加も可能である。ただし、5
iORを加水分解するため、最少限の水は必要である。 アルコキシシラン物質は、一部を除いて難水溶性であり
、水溶液の場合は5iORの加水分解による5iOHの
生成に伴って、混合溶液中に均一に溶解或いは分散する
。そこで、5iOR基の加水分解を促進するため、少量
の酸性物質或いは塩基性物質を添加しても良い。 [0029]両親媒性物質及びアルコキシシラン物質の
混合溶液から溶媒を乾燥除去する方法としては、広口の
開放容器を使用した自然乾燥や発泡しない程度に真空脱
気した雰囲気中での乾燥等を適宜採用することができる
。 [00301溶媒を除去した後に得られる両親媒性物質
を含む有機複合体は、すでに三次元的に架橋したシロキ
サン結合をもっているため、そのままで有機シリカ多孔
体として使用することができる。しかし、更に引き続い
て化学的処理や熱的処理等を施すことも可能である。 [00311化学的処理としては、たとえば残留してい
るS iOR,S iOH等の加水分解電縮合反応を更
に進めるために、酸性物質や塩基性物質を使用した処理
が掲げられる。塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、アンモニ乙ア
ミン、水酸化ナトリウム等の液体或いは溶液に複合体を
直接浸漬処理する方法で、有機シリカ多孔体を安定化す
る。また、密閉容器等を使用して、これら酸性或いは塩
基性物質の蒸気に有機シリカ複合体を晒す方法も有効で
ある。或いは、有機シリカ多孔体中に含まれている未反
応の5iORや5iOHを不活性化するため、(CH3
)3 S 1OR2,(CH3)3 S ic1或いは
へキサメチルジシラザン等のシラザン化合物の液体、溶
液或いは蒸気で同様に処理することもある。
【0032】このようにして作製された有機シリカ複合
体は、両親媒性物質の種類に応じて選択された抽出剤で
両親媒性物質が抽出除去され、細孔構造が制御された有
機シリカ多孔体となる。なお、両親媒性物質を抽出剤で
抽出した後、前述の処理を行うことも可能であるが、両
親媒性物質の規則構造を十分に有機シリカ多孔体に反映
させるためには、両親媒性物質を含む状態での処理が効
果的である。 [0033]有機シリカ多孔体は、酸化雰囲気中での熱
的処理、具体的には大気雰囲気或いは酸素ガス流通下で
の電気炉を使用して300℃以上の加熱処理により、ア
ルコキシシラン物質に結合しているアルキル基が酸化分
解すると、相当するシリカ多孔体となる。このとき、細
孔表面積に若干の減少が見られるものの、有機シリカ多
孔体の細孔構造特性は、シリカ多孔体においても十分に
保持されている。 [0034]
【作用】本発明者等は、多様な分子組織体を形成する両
親媒性物質に着目し、この両親媒性物質が形成する規則
的な分子組織体を反応場としてゾル−ゲル法を適用する
とき、分子サイズレベルの精密さで細孔構造の制御され
た有機シリカ多孔体或いはシリカ多孔体を製造すること
が可能であると考えた。 [00351両親媒性物質は、分子の両末端にそれぞれ
極性基及び疎水基を有する物質であり、これを水溶液等
の媒体中に溶解或いは分散したとき、球状1円盤状、棒
状、ラメラ状等の分子集合体を形成することが、たとえ
ば1983年学会出版センター発行 日本化学金偏「分
子集合体−その組織化と機能」第106頁に記載されて
いる。また、ある種の両親媒性物質は、生体膜と同様の
二分子膜構造をもった分子集合体を形成する。 [0036]ただし、生体膜と同様に安定な二分子膜を
形成する上では、特定された部分化学構造をもつことが
要求される。たとえば、2本以上のアルキル長鎖、或い
はアゾベンゼン、ビフェニル等の剛いセグメントを含む
アルキル長鎖等である。この点、二分子膜構造をとる両
親媒性物質の化学構造上の特徴及び代表的な化合物例等
に関しては、特願平1−58889号で詳しく説明して
いるので、ここでは省略する。 [0037]水溶液等の媒体中に溶解9分散したときに
形成される両親媒性物質の分子集合体は、両親媒性物質
を構成する極性基や疎水基の媒体に対する親和性、疎水
基の分子構造に起因する分子配向性等によって、集合様
式や集合形態が定まる。これにアルコキシシラン物質を
添加すると、アルコキシシラン物質は、加水分解して媒
体中に分散し、分子集合体を鋳型にする方式で橋掛は固
定化される。したがって、本発明で製造される有機シリ
カ多孔体或いはシリカ多孔体は、両親媒性物質が形成す
る分子集合体の形態を反映し、分子サイズレベルの精密
さで制御された細孔構造をもつものになる。このことか
ら、両親媒性物質を適当に選択すると、細孔構造の形態
や大きさを制御することが可能になる。 [00381両親媒性物質が形成する分子集合体の集合
様式或いは集合形態は、アルコキシシラン物質の添加に
よって微妙に変化する。その変化の様子は、アルコキシ
シラン物質の部分構造に応じ、次のように概略整理する
ことができる。 [0039]前掲したアルコキシシラン物質の構造式の
中で加水分解を受けないアルキル基R1が長鎖であると
き、或いはmが大きいとき、アルコキシシラン物質の疎
水的性質が強くなり、両親媒性物質の規則性が大きく現
れる。その結果、両親媒性物質の分子集合体部分とアル
コキシシラン物質が加水分解重縮合したポリシロキサシ
部分との間で分離が生じ、両親媒性物質を抽出除去すく
と、比較的大きな細孔て構成された細孔表面積の小さん
有機シリカ多孔体が形成される。 [00401e方、mが小さく親水的な510H基を生
成する5iOR基が多い場合、両親媒性物質の組織性力
弱まり、分子集合体の成長は余り見られない。また、シ
ロキサシ結合の架橋密度も高まるため、組織化が阻害さ
れ、規則的な大きな分子集合体を形成し難い状況になる
。その結果、微細孔化して、細孔表面積が大きな有楢シ
リカ多孔体が生成するものと考えられる。 [00411以上に説明したアルコキシシラン物質の共
存による両親媒性物質の分子組織性の変化の様子は、使
用する両親媒性物質の種類によって差がある。一般に、
二分子膜形成能をもたない通常の界面活性剤では、生成
した有機シリカ多孔体の細孔構造にアルコキシシラン物
質の部分構造が与える影響は小さい。これは、この種の
両親媒性物質の分子組織性が弱く、元来、安定で規則市
な分子集合体を形成できないためであると考えられてい
る。 [0042]これに対し、二分子膜形成能をもつ自己組
織性のある両親媒性物質の場合、両親媒性物質が形成す
る二分子膜系の分子集合体の構造が生体膜と類似してい
るため、安定性や規則性が高く、アルコキシシラン物質
の共存により若干の構造変化を受けつつも、分子集合体
が形成される。その結果、多様な且つ広範囲にわたり構
造制御可能な細孔構造の有機シリカ多孔体が作製される
ものと考えられる。 [0043]
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [0044]各種両親媒性物質の50mM相当量及び表
1に示したアルコキシシラン物質或いはアルコキシチタ
ンの所定量を、超音波を照射しながら3mlの純水に分
散させ、複数種類の混合溶液を調製した。開栓したガラ
ス容器に混合溶液を入れ、約20℃の室温で一晩放置し
たところ、水分の蒸発によって固化した。 [0045]固化物を、真空ポンプを使用して約3時間
真空脱気することにより、有機シリカ複合体を得た。ア
ンモニア水を底に張ったガラス密閉容器に乾燥後の有機
シリカ複合体を封入し、室温で1週間放置した。最終的
に、メタノールで両親媒性物質を抽出除去し、白色から
透明にかけた色調をもつ有機シリカ多孔体を得た。この
有機シリカ多孔体は、塊状9粒状等の形態であった。 [0046]得られた有機シリカ多孔体の一部を、3゜
0℃に設定されている箱形電気炉で3時間熱処理するこ
とによりシリカ多孔体にした。このシリカ多孔体の細孔
表面積を、液体窒素温度における窒素ガス吸着量を測定
することにより求めた。 [0047]このときの製造条件及び得られた有機シリ
カ多孔体、シリカ多孔体の細孔表面積を、表1に示す。 なお、表1における両親媒性物質は、次の通りである。 このうち、化合物1は通常の界面活性剤、化合物2及び
3は二分子膜形成能をもった両親媒性物質である。
【化1】
【化2】
【化3】 [0048]また、実験番号16〜18は、両親媒性物
質無添加の例として、同様な方法で製造した有機シリカ
多孔体及びシリカ多孔体である。何れの例においても、
得られた多孔体の細孔表面積は1m”7g以下の低表面
積であり、アルコキシシラン物質の組成依存性もほとん
ど見られなかった。 [0049]なお、表1におけるI及びIIはそれぞれ
有機シリカ多孔体及びシリカ多孔体の細孔表面積を示す
。また、その他の欄に示されているa及びbは、次の構
造式をもつ化合物を示す。
【表1】 [00501
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、両親媒性物質の二分子膜集合体が形成する組織を利
用し、この集合体を鋳型にしてアルコキシシラン物質を
橋掛は固定することにより、二分子膜集合体の形状を倣
った分子サイズレベルで構造制御された有機シリカ多孔
体を製造することができる。また、有機シリカ多孔体に
含まれている両親媒性物質を分解除去すると、同様な細
孔構造をもったシリカ多孔体となる。得られた有機シリ
カ多孔体或いはシリカ多孔体は、使用する両親媒性物質
及びアルコキシシラン物質の種類を選択することにより
、その細孔構造を高精度で再現性良く制御することがで
きる。そのため、物質分離剤、触媒担体、酵素固定用担
体等の用途に応じた細孔構造をもつ多孔質材料が得られ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子の両末端に極性基及び疎水基がそれぞ
    れ付加された両親媒性物質と、次式 R_m^1Si(OR^2)_4_−_m 〔ただし、m;0、1、2、3の何れかの整数R^1、
    R^2;同じ又は異なるアルキル基〕で示されるアルコ
    キシシラン及びその加水分解重縮合物から選ばれたmが
    0又は1の化合物の1種類以上とを含む混合溶液から溶
    媒を蒸発させて有機複合体を作製し、該有機複合体から
    前記両親媒性物質を抽出除去することを特徴とする細孔
    構造を制御した有機シリカ多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の混合溶液は、更にmが異な
    るアルコキシシラン物質の1種類以上を含有しているこ
    とを特徴とする細孔構造を制御した有機シリカ多孔体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の混合溶液は、更
    にメタシロキサン結合M−O−Siを生成することがで
    きるケイ素以外の金属アルコキシ物質を含有しているこ
    とを特徴とする細孔構造を制御した有機シリカ多孔体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の有機複合体に化学的処理又
    は熱的処理を施し、残留しているSiOR、SiOH等
    の加水分解重縮合反応を促進させることを特徴とする有
    機シリカ多孔体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れかの方法で製造した有
    機シリカ多孔体を酸化性雰囲気中で加熱処理し、アルコ
    キシシラン物質に結合しているアルキル基を酸化分解す
    ることを特徴とするシリカ多孔体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載の両親媒性物
    質は、二分子膜形成能をもつものであることを特徴とす
    る有機シリカ多孔体又はシリカ多孔体の製造方法。
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