JP2004261904A - 軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置 - Google Patents

軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コストアップを招くことなく、極めて容易にかつ迅速に軸受の外輪及び内輪の軸受軌道面に砥石の形状をなじませて、研削の目残りや精度不良をなくす。
【解決手段】砥石19を交換した直後の1つめの軸受の内輪13の軸受軌道面17の加工条件を、2つめ以降の加工条件に対して、内輪13の回転数を低くして、加工時間を長くすることにより、砥石19の砥粒の最大傾斜角を大きくし、砥粒の破砕脱落を活発にするとともに、臨界圧力を小さくし臨界圧力以上の圧力として砥石の損耗量を増加させる。これにより、交換した砥石19を、迅速に内輪13の軸受軌道面17になじませる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受の内輪または外輪を回転させて軸受軌道面に砥石を押圧接触させて、軸受軌道面を超仕上げする軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、軸受の軸受軌道面は、軸受の内輪または外輪を回転させて軸受軌道面に砥石を押圧接触させて超仕上げを行っている。
軸受の軸受軌道面を超仕上げ加工する場合には、研削の目残りや精度不良を防ぐため、交換した砥石を交換直後に軸受軌道面の形状になじませる必要がある。
そこで、砥石の先端形状を特殊な形状に形成し、砥石交換直後から砥石を軸受軌道面の形状にならわせ、研削の目残りや精度不良を生じさせることを防止する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この方法では、砥石の先端を外輪の軸受軌道面の曲率半径よりも若干大きい曲率半径の円筒面部分と、この円筒面部分の軸方向両側に続く先細り部分とからなる形状にする。そして、砥石の形状を上記のようにしておくことにより、軸受軌道面と砥石の接触面積が小さくなって面圧が上がり、砥粒の脱落が進行しやすくなる。これにより、砥石の形状が短時間で軸受軌道面の形状にならい、いわゆるあたりが連続するようになる。その結果、研削の目残りが発生せず、精度不良による加工不良品として廃棄や再加工がなくなり、砥石交換直後の1つめの軸受から良品とすることができる。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−66956号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の方法では、砥石の先端部分を先細りの特殊な形状に加工しなければならず、砥石の製造コストが高くなってしまうという問題があった。
また、上記の方法は、軸受を構成する外輪の軸受軌道面の超仕上げにしか適応することができず、内輪については、依然として研削の目残りや精度不良が生じる問題があった。
【0006】
本発明は、コストアップを招くことなく、極めて容易にかつ迅速に軸受の外輪及び内輪の軸受軌道面に砥石の形状をならわせて、研削の目残りや精度不良をなくすことが可能な軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る軸受軌道面の超仕上げ方法は、回転する軸受内輪または軸受外輪の軸受軌道面に、砥石を押圧接触させ、軸受軌道面を超仕上げする軸受軌道面の超仕上げ方法において、砥石は、その先端部が軸受軌道面とほぼ同一形状の面を有し、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、軸受内輪または軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低くして、加工時間を長くすることを特徴としている。
【0008】
このような構成の軸受軌道面の超仕上げ方法によれば、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、軸受内輪または軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低くして、加工時間を長くすることにより、砥石の砥粒の最大傾斜角が大きくなり、砥粒の破砕脱落が活発になるとともに、臨界圧力が小さくなり結果として臨界圧力以上の圧力となって砥石の損耗量が急激に増加する。
これにより、この交換した砥石は、砥石の先端を突出させるような特殊な加工を行うことなく、極めて迅速かつ容易に軸受軌道面に砥石をなじませることができる。したがって、コストアップを招くことなく、研削の目残りや精度不良をなくし、良好な超仕上げ加工を行うことができる。
特に、軸受外輪の超仕上げにしか適応することができなかった従来の技術と比較して、軸受内輪の超仕上げにも適応することができ、軸受を構成するこれら軸受内輪及び軸受外輪の両方を確実に良好な精度にて超仕上げすることができる。
【0009】
また、上記構成の軸受軌道面の超仕上げ方法において、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめの軸受軌道面を加工する条件に対して、砥石の押圧する圧力を大きくすることが好ましい。
これにより、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工時に、砥石の押圧力を大きくすることにより、砥石をなじませる効果をさらに高めることができる。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明に係る軸受軌道面の超仕上げ装置は、回転する軸受内輪または軸受外輪の軸受軌道面に、砥石を押圧接触させ、軸受軌道面を超仕上げする軸受軌道面の超仕上げ装置において、砥石は、その先端部に軸受軌道面とほぼ同一形状の面を有し、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、軸受内輪または軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低く、加工時間を長くなるように制御する制御部を備えていることを特徴としている。
【0011】
このような構成の軸受軌道面の超仕上げ装置によれば、制御部によって、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工条件が、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、軸受内輪または軸受外輪の単位時間あたりの回転数が低く、すなわち回転速度が遅くされて、加工時間が長くされる。それにより、砥石の最大傾斜角が大きくなり、砥粒の破砕脱落が活発になるとともに、臨界圧力が小さくなり結果として臨界圧力以上の圧力となって砥石の損耗量が急激に増加する。
これにより、この交換した砥石は、砥石の先端を突出させるような特殊な加工を行うことなく、極めて迅速かつ容易に軸受軌道面に砥石をなじませることができ、コストアップを招くことなく、研削の目残りや精度不良をなくし、良好な超仕上げ加工を行うことができる。
特に、軸受外輪の超仕上げにしか適応することができなかった従来の技術と比較して、軸受を構成するこれら軸受内輪及び軸受外輪の両方を確実に良好な精度にて超仕上げすることができる。
【0012】
また、上記構成の軸受軌道面の超仕上げ装置において、制御部が、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめの軸受軌道面を加工する条件に対して、砥石の押圧する圧力を大きくするように制御することが好ましい。
これにより、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工時に、砥石の押圧力を大きくすることにより、砥石をなじませる効果をさらに高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置の好適な実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の超仕上げ装置の正面図である。図2は、図1に示した超仕上げ装置の横断面図である。
本実施の形態による超仕上げ装置11は、軸受の内輪13を超仕上げする装置であり、被加工物である軸受の内輪13は、回転機構(図示せず)により回転自在に支持されるとともに回転軸15の周りで所定の周速で回転される。内輪13は、その外周に環状の軸受軌道面17を有しており、この内輪13の軸受軌道面17には、砥石19が押圧されている。
【0014】
この砥石19は、図3及び図4に示すように、その先端部が所定の曲率を持つ円筒状の曲面19aに形成されている。
また、図1及び図2に示すように、砥石19は、押圧機構である空圧シリンダ23のピストンロッド23bに固定されたアーム21により押圧され、先端部の曲面19aが、内輪13の軸受軌道面17に当接されている。
また、空圧シリンダ23には空圧供給管23aが接続され、外部から駆動用の空気が供給される。
【0015】
この空圧シリンダ23は保持部材25により固定保持され、砥石19は保持部材25に滑り案内されつつ保持されている。また、保持部材25は揺動軸部材27に固定されている。したがって、砥石19及び空圧シリンダ23は保持部材25と揺動方向に一体的に動作する。この揺動軸部材27にはサーボモータ29の回転軸29aが連結されており、1回転中で任意のステップポジションが得られるようになっている。また、得られたステップポジションを揺動中心として、任意の揺動角度(揺動振幅)で揺動自在となっている。なお、このときの揺動中心軸31は、軸受軌道面17の曲率の中心と略一致している。
【0016】
そして、サーボモータ29には制御部30が接続されている。この制御部30は、サーボモータ29の揺動振幅、揺動中心の移動動作を制御するとともに、内輪13を回転させる回転機構及び砥石19を内輪13に押圧する押圧機構である空圧シリンダ23も制御する。
【0017】
次に、この超仕上げ装置11の動作を説明する。
空圧シリンダ23の空圧によって、ピストンロッド23bが縮退すると、ピストンロッド23bに接続されたアーム21が従動し、アーム21の先端に取り付けられた砥石19が内輪13の軸受軌道面17に押圧される。この状態で、内輪13を回転するとともに、サーボモータ29によって揺動軸部材27を揺動すると、それに応じて砥石19も揺動中心軸31の周りで例えば揺動角αで揺動し、軸受軌道面17の研磨が行われる。
【0018】
そして、研磨が終わった内輪13は超仕上げ装置11から取り外され、次の未加工の内輪が超仕上げ装置11に取り付けられて、超仕上げが行われる。このサイクルを自動的に繰り返すうちに砥石19は徐々に摩耗していき、保持部材25に設けられた摩耗検出手段(図示せず)により砥石19の摩耗状態が検出される。砥石19の摩耗が設定値まで達すると、超仕上げ装置11の運転が停止される。超仕上げ装置11の運転停止に伴い、作業者は摩耗した砥石を新たな砥石と交換する。砥石19を交換した場合、目残りや精度不良をなくすために、交換した砥石19を軸受軌道面17にいち早くなじませる必要がある。
【0019】
このため、本実施形態の超仕上げ装置11では、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面17の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面17を加工する条件に対して変えている。
つまり、砥石19が摩耗して、その砥石19の摩耗が摩耗検出手段によって検出されると、超仕上げ装置11の制御部30が、砥石交換直後の1つめの加工条件を、通常の加工条件に代えて予め記憶されている加工条件に変更する。
【0020】
具体的には、内輪13を回転させる回転機構を制御し、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面17の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面17を加工する条件に対して、内輪13の単位時間あたりの回転数を低くして、加工時間を長くする。例えば、2つめ以降の加工条件に対して、回転数を9分の1から4分の1程度にすると良く、加工時間は2倍から6倍程度にすると良い。
このように内輪13の回転数を低くすると、砥石19の砥粒の最大傾斜角が大きくなり、砥粒の破砕脱落が活発になるとともに、臨界圧力が小さくなり結果として臨界圧力以上の圧力となって砥石の損耗量が急激に増加する。これにより、この交換した砥石19は、極めて迅速に、内輪13の軸受軌道面17になじむこととなる。
なお、この条件により加工を行うと、軸受軌道面17の研磨量は逆に減少するため、通常の加工時と同程度の研磨量を得るようにして、後工程の組立工程における組立不良とならないように、加工時間を長くしている。
【0021】
その後、2つめの軸受軌道面の加工からは、制御部30は、再び通常の加工条件に戻し、この通常の加工条件にて制御を行う。
【0022】
このように、上述した超仕上げ装置及び超仕上げ方法によれば、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面17の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面17を加工する条件に対して、内輪13の回転数を低くして、加工時間を長くすることにより、砥石の先端を突出させるような特殊な加工を行うことなく、極めて容易に軸受軌道面17に砥石19をなじませることができる。そのため、コストアップを招くことなく、研削の目残りや精度不良をなくし、良好な超仕上げ加工を行うことができる。
【0023】
なお、上記の例では、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面17の加工時に、回転機構を制御して、内輪13の回転数を低くしたが、回転数を低くするとともに、空圧シリンダ23を制御して砥石19の押圧する圧力を大きくしても良く、このようにすると、砥石19をなじませる効果をさらに高めることができる。
【0024】
図5は、上述した実施の形態における内輪に代えて、外輪の軸受軌道面を超仕上げする様子を示す断面図である。
図5に示す砥石61は、制御部(図示せず)によりその動作が制御可能なヘッド63に装着されており、砥石61とヘッド63とによりワーク加工部を構成している。また、制御部は外輪67の回転も制御可能である。砥石61の先端部は、軸受軌道面69とほぼ同様の曲率半径を持つ円筒状の曲面に形成されている。
【0025】
また、被加工物である転がり軸受の外輪67は、被加工時に回転機構によって回転される。この外輪67は、転動体(図示せず)が転がり接触する軸受軌道面69を有し、この軸受軌道面69の回転中心軸を含む断面の曲率中心軸回りで砥石61が押圧機構によって押圧されつつ揺動することになる。なお、中心位置Oは軸受軌道面69の曲率中心と一致している。
【0026】
外輪67の軌道面69を超仕上げする場合、ワーク加工部によって、砥石61が所定の揺動振幅で揺動しながら加圧して軸受軌道面69を超仕上げする。
【0027】
そして、外輪67を超仕上げする場合も内輪を超仕上げする場合と同様に、砥石61の摩耗が摩耗検出手段(図示せず)によって検出されると、超仕上げ装置の制御部が、砥石交換直後の1つめの外輪67の軸受軌道面69の加工条件を、通常の加工条件に代えて予め記憶されている加工条件に変更する。
これにより、交換した直後の1つめの砥石61による軸受軌道面69の加工条件が、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、外輪67の回転数が低くされて、加工時間が長くされる。
【0028】
したがって、交換した砥石61は、極めて迅速に、外輪67の軸受軌道面69になじむこととなる。
その後、2つめの軸受軌道面の加工からは、制御部は、再び通常の加工条件に戻し、この通常の加工条件にて制御を行う。
【0029】
このように、外輪67を加工する場合も、内輪13を加工する上記の実施形態の超仕上げ装置11及び超仕上げ方法の場合と同様に、交換した直後の1つめの軸受軌道面69の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面69を加工する条件に対して、外輪67の回転数を低くして、加工時間を長くすることにより、砥石の先端を突出させるような特殊な加工を行うことなく、極めて容易に軸受軌道面69に砥石61をなじませることができる。したがって、コストアップを招くことなく、研削の目残りや精度不良をなくし、良好な超仕上げ加工を行うことができる。
【0030】
また、外輪67を超仕上げする場合でも、交換した直後の1つめの軸受軌道面69の加工時に、回転数を低くするとともに、押圧機構を制御して砥石61の押圧する圧力を大きくすると良い。このようにすると、砥石61をなじませる効果をさらに高めることができる。
【0031】
また、上述した実施の形態は、軸受の外輪の超仕上げにしか適応することができなかった従来の技術と比較して、軸受を構成する内輪及び外輪の両方に適応することができるので、内輪及び外輪を確実に良好な精度にて超仕上げすることができる。
【0032】
なお、上記の実施の形態では、いずれも、砥石19、61を揺動させて湾曲面からなる玉軸受の内輪13、外輪67の軸受軌道面17、69の超仕上げを行う場合を例にとって説明したが、本発明は、湾曲面の軸受軌道面を有する玉軸受に限らず、断面が直線状の軸受軌道面を有する円筒ころ軸受や円錐ころ軸受の内輪、外輪の超仕上げにも適応可能である。
【0033】
図6は、断面が直線状の軸受軌道面を超仕上げする砥石を示す斜視図である。図7は、断面が直線状の軸受軌道面を有する内輪、外輪の超仕上げの様子を示す断面図である。
図6及び図7に示すように、先端部が平面形状の砥石71を用いて、円錐ころ軸受の外輪73、内輪75の軸受軌道面77、79(図7(a)、(b)参照)を超仕上げする場合、あるいは円筒ころ軸受の内輪、外輪81の軸受軌道面83(図7(c)参照、ただし、外輪のみ図示)を超仕上げする場合も、砥石71を交換した直後の1つめの軸受軌道面77、79、83を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面77、79、83を加工する条件に対して、回転数を低くして、加工時間を長くする。これにより、交換した砥石71を迅速に軸受軌道面77、79、83になじませて目残りや精度不良をなくすことができる。
【0034】
図8は、自動車等において、その車輪の車軸を懸架装置に回転自在に支持する軸受ユニットを示す断面図である。
そして、本発明の超仕上げ方法は、このような軸受ユニットの超仕上げ時にも適応可能である。
図8に示すように、この軸受ユニットは、懸架装置に支持された状態で使用時にも回転しない静止輪である外輪91の内径側に、車輪を固定した状態で使用時に回転する回転輪であるハブ92を回転自在に支持している。
【0035】
ハブ92を回転自在に支持するために、外輪91の内周面には、複列の軸受軌道面96が設けられている。また、ハブ92の外周面及びこのハブ92に外嵌するナット97により、ハブ92に対し結合固定した状態でハブ92とともに回転輪を構成する内輪98の外周面に、軸受軌道面99が設けられている。
そして、これら各軸受軌道面99と上記各軸受軌道面96との間にそれぞれ複数個ずつの転動体100を、それぞれ保持器101により保持した状態で転動自在に設け、外輪91の内側に上記ハブ92及び内輪98が、回転自在に支持されている。
【0036】
そして、図9に示すように、この軸受ユニットの外輪91、内輪98及びハブ92のそれぞれの軸受軌道面96、99を、砥石102によって超仕上げする際にも、砥石102を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、回転数を低くして、加工時間を長くする。これにより、交換した砥石104を迅速に軸受軌道面96、99になじませて目残りや精度不良をなくすことができる。
【0037】
なお、上記の実施形態では、砥石を交換した直後の1つめの加工条件を、被加工物である内輪、外輪の単位時間あたりの回転数を低くし、加工時間を長くしたが、これらの回転数、加工時間の条件は、砥石の仕様や厚さに応じて適宜設定される。
【0038】
(実施例)
本発明に係る実施形態の軸受軌道面の超仕上げ方法を砥石の交換直後1個目の超仕上げに適用した場合と、通常の加工方法を砥石交換後2個目以降の超仕上げに適用した場合とで、超仕上げ加工試験を行い、それぞれの加工精度を比較した。被加工物は、玉軸受の軌道面とした。
【0039】
(1)内輪の比較
被加工物である内輪として、軸受軌道面の曲率が4.1mm、軸受軌道面直径28.0mmのものを用いた。
この内輪の軸受軌道面を超仕上げする際に、砥石を交換した直後の1つめの加工条件を、通常の内輪の回転数の6分の1倍とし、加工時間を約4倍とした。具体的には、通常の加工条件である内輪の回転数は毎分1500回であるところを、砥石の交換直後には250回とした。また、通常の加工条件である内輪の加工時間は6秒間であるところを、砥石の交換直後には25秒間とした。
なお、他の条件である砥石の揺動周期や押圧力は同等とした。
【0040】
図10及び図11は、それぞれの試験結果を示すものであり、図に示すように、それぞれの軸受軌道面の超仕上げの精度は、ほぼ同じような形状精度であった。すなわち、本発明に係る超仕上げ方法によれば、2個目以降に通常の加工を行った場合と同様に砥石が軌道面になじんで、良好な加工精度が得られたことが確認できた。
【0041】
(2)外輪の比較
被加工物である外輪として、軸受軌道面の曲率が4.2mm、軸受軌道面直径が44.0mmのものを用いた。
この外輪の軸受軌道面を超仕上げする際に、砥石を交換した直後の1つめの加工条件を、内輪の場合と同様に、通常の外輪の回転数の6分の1倍とし、加工時間を約4倍とした。なお、他の条件である砥石の揺動周期、押圧力は同じにした。
【0042】
図12及び図13は、それぞれの試験結果を示すものであり、図に示すように、それぞれの軸受軌道面の超仕上げの精度は、ほぼ同じような形状精度であった。すなわち、本発明に係る超仕上げ方法によれば、内輪の場合と同様に、外輪においても、2個目以降に通常の加工を行った場合と同様に砥石が軌道面になじんで、良好な加工精度が得られたことが確認できた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の軸受軌道面の超仕上げ方法及び超仕上げ装置によれば、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、軸受内輪あるいは軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低くして、加工時間を長くすることにより、砥石の先端を突出させるような特殊な加工を行うことなく、極めて容易に軸受軌道面に砥石をなじませることができる。したがって、コストアップを招くことなく、研削の目残りや精度不良をなくし、良好な超仕上げ加工を行うことができる。
特に、軸受の外輪の超仕上げにしか適応することができなかった従来の技術と比較して、軸受を構成するこれら内輪及び外輪の両方に適応することができるので、これら内輪及び外輪を確実に良好な精度にて超仕上げすることができる。
また、砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面の加工時に、砥石の押圧力を大きくすることにより、砥石をなじませる効果をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超仕上げ装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す超仕上げ装置の横断面図である。
【図3】本発明に係る超仕上げ加工に用いる砥石の形状を示す斜視図である。
【図4】超仕上げ加工時における軸受の内輪への砥石の接触状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は側面図である。
【図5】外輪を超仕上げする様子を示す断面図である。
【図6】断面が直線状の軸受軌道面を超仕上げする砥石を示す斜視図である。
【図7】断面が直線状の軸受軌道面を有する内輪、外輪の超仕上げの様子を示す断面図であり、(a)は円錐ころ軸受の外輪、(b)は円錐ころ軸受の内輪、(c)は円筒ころ軸受の外輪を示す。
【図8】自動車等の車輪の車軸を懸架装置に回転自在に支持する軸受ユニットを示す断面図である。
【図9】超仕上げ加工時における軸受ユニットのハブ、内輪及び外輪への砥石の接触状態を示す断面図であり、(a)はハブ、(b)は外輪、(c)は内輪を示す。
【図10】本発明の超仕上げ方法によって超仕上げ加工を行った軸受軌道面の形状精度を示すグラフ図である。
【図11】通常の超仕上げ方法によって超仕上げ加工を行った軸受軌道面の形状精度を示すグラフ図である。
【図12】本発明の超仕上げ方法によって超仕上げ加工を行った軸受軌道面の形状精度を示すグラフ図である。
【図13】通常の超仕上げ方法によって超仕上げ加工を行った軸受軌道面の形状精度を示すグラフ図である。
【符号の説明】
11、41 超仕上げ装置
13、75、98 内輪(軸受内輪)
17、69、77、79、83、96、99 軸受軌道面
19、61、71、102 砥石
67、73、81、91 外輪(軸受外輪)
92 ハブ(軸受内輪)

Claims (4)

  1. 回転する軸受内輪または軸受外輪の軸受軌道面に、砥石を押圧接触させ、前記軸受軌道面を超仕上げする軸受軌道面の超仕上げ方法において、
    前記砥石は、その先端部が前記軸受軌道面とほぼ同一形状の円筒面を有し、
    前記砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、前記軸受内輪または前記軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低くして、加工時間を長くすることを特徴とする軸受軌道面の超仕上げ方法。
  2. 前記砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめの軸受軌道面を加工する条件に対して、前記砥石の押圧する圧力を大きくすることを特徴とする請求項1記載の軸受軌道面の超仕上げ方法。
  3. 回転する軸受内輪または軸受外輪の軸受軌道面に、砥石を押圧接触させ、前記軸受軌道面を超仕上げする軸受軌道面の超仕上げ装置において、
    前記砥石は、その先端部に前記軸受軌道面とほぼ同一形状の面を有し、
    前記砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめ以降の軸受軌道面を加工する条件に対して、前記軸受内輪または前記軸受外輪の単位時間あたりの回転数を低く、加工時間を長くなるように制御する制御部を備えていることを特徴とする軸受軌道面の超仕上げ装置。
  4. 前記制御部は、前記砥石を交換した直後の1つめの軸受軌道面を加工する条件を、2つめの軸受軌道面を加工する条件に対して、前記砥石の押圧する圧力を大きくするように制御することを特徴とする請求項3に記載の軸受軌道面の超仕上げ装置。
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