JP2014069287A - 転がり軸受の研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク交換時の砥石の損傷や脱落を防止できるとともに、砥石保持具の磨耗を抑制して精度良く砥石を保持できる転がり軸受の研磨装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受の転動面を超仕上げ加工するための転がり軸受の研磨装置30であって、ワークWの内輪転動面11dを研磨して超仕上げ加工する砥石31と、ワークWの中心軸L1に直交するX方向に沿うように砥石31を移動可能に保持する砥石保持具40と、X方向に直交するY方向に沿うように延在し、砥石31の基端部31bが接続されて砥石31をX方向に沿うように移動させ、内輪転動面11dに対して砥石31を当接または離反させるプッシャー治具50と、を備え、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、Z方向に沿う軸線Pを中心に回動可能に接続されていることを特徴としている。
【選択図】図5

Description

この発明は、転がり軸受の研磨装置に関するものである。
転がり軸受は、内輪の外周面と外輪の内周面とに、転動体が転動自在に嵌め込まれる溝形状の転動面を備えている。内輪および外輪は、切削加工や熱処理、粗仕上げ加工等が施された後に、転動面を研磨することにより超仕上げ加工が施されて形成される。
転動面に超仕上げ加工を施すための転がり軸受の研磨装置は、微細粒子により形成された超仕上げ用の砥石と、砥石を保持する砥石ホルダー(請求項の「砥石保持具」に相当。)と、砥石に接続されて砥石を加圧する砥石加圧レバー(請求項の「プッシャー治具」に相当。)と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
転動面の超仕上げ加工は、内輪または外輪であるワークを該ワークの中心軸周りに回転させながら、砥石加圧レバーにより砥石の先端部をワークの転動面に押圧しつつ、砥石ホルダーおよび砥石加圧レバーごと砥石を転動面に沿うように揺動させて研磨することにより行われる。
一般に、砥石ホルダーには、砥石が挿通される挿通孔が形成されており、挿通孔の軸線に沿って砥石が移動可能に保持される。また、砥石の基端部には、例えば樹脂部材が設けられており、砥石の基端部と砥石加圧レバーとは、砥石の基端部の樹脂部材と砥石加圧レバーとの間に浸透した切削油の表面張力(界面張力)により互いに吸着し合って接続されている。
ところで、超仕上げ加工の終了後、ワークを移動および交換する際に、移動するワークと砥石とが接触することにより、砥石の損傷や脱落が発生するおそれがある。そこで、砥石加圧レバーおよび砥石加圧レバーに接続された砥石をワークから離反する方向に移動させ、ワークと砥石との離間距離を十分に確保した後に、ワークを移動および交換することにより、砥石とワークとの接触を防止して砥石の損傷や脱落を防止している。
特開2004−130457号公報
しかし、従来技術の転がり軸受の研磨装置には、以下の点で改善の余地があった。
従来の転がり軸受の研磨装置にあっては、砥石の基端部とプッシャー治具との間に切削油が十分に浸透していない場合や、転動面の超仕上げ加工時に発生する磨耗粉等が砥石の基端部とプッシャー治具との間に侵入した場合には、切削油の表面張力が十分に得られない。このため、プッシャー治具が砥石をワークから離反する方向に移動させたときに、砥石の基端部とプッシャー治具との接続が解除されて砥石が移動できないおそれがある。したがって、ワークと砥石との離間距離を十分に確保できず、ワークの交換時にワークと砥石とが接触し、砥石の損傷や脱落が発生するおそれがある。
これに対して、砥石とプッシャー治具とを相対移動不能に強固に固定し、砥石とプッシャー治具との接続が解除されるのを防止することが考えられる。しかし、砥石とプッシャー治具との間でプッシャー治具等の製造誤差を吸収できず、砥石保持具の挿通孔内で砥石が傾いた状態で移動するおそれがある。これにより、砥石が傾斜した状態で砥石保持具の挿通孔の内周面と接触するため、砥石保持具が磨耗して砥石の保持位置にズレが発生し、精度良く転動面を超仕上げ加工できないおそれがある。
そこで本発明は、ワーク交換時の砥石の損傷や脱落を防止できるとともに、砥石保持具の磨耗を抑制して精度良く砥石を保持できる転がり軸受の研磨装置の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の転がり軸受の研磨装置は、内輪と、前記内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体と、前記内輪の外周面および前記外輪の内周面に形成され、前記転動体が嵌め込まれる転動面と、を備えた転がり軸受の前記転動面を超仕上げ加工するための転がり軸受の研磨装置であって、ワークである前記内輪または前記外輪に当接し、前記転動面を研磨して超仕上げ加工する砥石と、前記ワークの中心軸に直交する第一方向に沿うように前記砥石を挿通可能な挿通孔を備え、前記第一方向に沿うように前記砥石を移動可能に保持する砥石保持具と、前記第一方向に直交する第二方向に沿うように延在し、前記砥石の基端部が接続されて前記砥石を前記第一方向に沿うように移動させ、前記転動面に対して前記砥石を当接または離反させるプッシャー治具と、を備え、前記砥石の基端部は、前記プッシャー治具に対して、前記第一方向と前記第二方向とに直交する第三方向に沿う軸線を中心に回動可能に接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、砥石の基端部は、プッシャー治具に対して、第三方向に沿う軸線を中心に回動可能に接続されているので、ワーク交換時に砥石をワークから確実に離反させることができ、ワーク交換時に砥石とワークとが接触するのを防止できる。
また、取付誤差や製造誤差等によりプッシャー治具のズレが発生しても、砥石の基端部が回動してプッシャー治具のズレを吸収し、砥石にズレが発生するのを防止できる。これにより、砥石を第一方向に沿うように移動させて、砥石をワークに対して当接離反させることができるので、砥石が傾いた状態で砥石保持具の挿通孔の内周面に接触するのを防止できる。
したがって、ワーク交換時の砥石の損傷や脱落を防止できるとともに、砥石保持具の磨耗を抑制して精度良く砥石を保持できる。
また、前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか一方には、凸部が形成され、前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか他方には、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成され、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記凸部と前記凹部とが嵌合することにより接続され、前記凸部の前記第二方向と交差する側面と、前記凹部の前記第二方向と交差する側面との間には、隙間が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、砥石の基端部とプッシャー治具とは、凸部と凹部とが嵌合することにより接続されているので、従来技術と比べて砥石とプッシャー治具との接続が解除されるのを抑制できる。したがって、砥石をワークから確実に離反させることができるので、ワーク交換時の砥石の損傷や脱落を防止できる。
また、凸部の第二方向と交差する側面と凹部の第二方向と交差する側面との間に隙間を設けているので、砥石の基端部は、第三方向に沿う軸線を中心に容易に回動できる。したがって、砥石保持具の磨耗を確実に抑制して精度良く砥石を保持できる。
また、凸部と凹部とを嵌合および解除するだけで、砥石の基端部とプッシャー治具とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置を容易にメンテナンスできる。
また、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記第三方向に沿うように設けられたピン部材により接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、ピン部材により砥石の基端部とプッシャー治具とが確実に接続されるとともに、ピン部材の中心軸周りに砥石の基端部が容易に回動できる。したがって、砥石をワークから離反させてワーク交換時の砥石の損傷や脱落を確実に防止できるとともに、砥石保持具の磨耗をさらに抑制して精度良く砥石を保持できる。
また、前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか一方には、係合爪部が形成され、前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか他方には、前記係合爪部と係合可能な係合凹部が形成され、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記係合爪部と前記係合凹部とが係合することにより接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、係合爪部と係合凹部とを係合および解除するだけで、砥石の基端部とプッシャー治具とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置を容易にメンテナンスできる。
また、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具との間には、中間部材が設けられ、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記中間部材を介して接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、中間部材の形状を適宜変更することにより、種々の砥石およびプッシャー治具に対応できる。特に、砥石を複雑な形状に加工するのは困難であるため、砥石を加工することなく中間部材の形状を適宜変更して、種々の砥石およびプッシャー治具の形状に対応させる場合に好適である。
また、前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、磁力により接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、砥石の基端部とプッシャー治具とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置を容易にメンテナンスできる。
また、前記砥石の基端部に、樹脂部材を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、樹脂部材は複雑な形状を容易にインジェクション成型できるので、プッシャー治具に対応した砥石の基端部の形状を適宜形成できる。
本発明によれば、砥石の基端部は、プッシャー治具に対して、第三方向に沿う軸線を中心に回動可能に接続されているので、ワーク交換時に砥石をワークから確実に離反させることができ、ワーク交換時に砥石とワークとが接触するのを防止できる。
また、取付誤差や製造誤差等によりプッシャー治具のズレが発生しても、砥石の基端部が回動してプッシャー治具のズレを吸収し、砥石にズレが発生するのを防止できる。これにより、砥石を第一方向に沿うように移動させて、砥石をワークに対して当接離反させることができるので、砥石が傾いた状態で砥石保持具の挿通孔の内周面に接触するのを防止できる。
したがって、ワーク交換時の砥石の損傷や脱落を防止できるとともに、砥石保持具の磨耗を抑制して精度良く砥石を保持できる。
実施形態に係る情報記録再生装置の斜視図である。 実施形態に係る軸受装置の側面断面図である。 第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の全体模式図であり、図3(a)は正面図であり、図3(b)は側面図である。 第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の斜視図である。 第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 図5のA−A線に沿った断面図である。 図5のB−B線に沿った断面図である。 第一実施形態の変形例に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 第二実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 図9のC−C線に沿った断面図である。 第三実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 第四実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 中間部材の斜視図である。 第五実施形態に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。 第五実施形態の変形例に係る転がり軸受の研磨装置の平面図である。
以下に、第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置について説明をする。以下では、実施形態に係る転がり軸受を備えた情報記録再生装置および転がり軸受を備えた軸受装置について説明したあと、第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置について説明をする。
(情報記録再生装置)
図1は、実施形態に係る情報記録再生装置1の斜視図である。
図1に示すように、情報記録再生装置1は、記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、書き込みおよび読み取りを行う装置である。情報記録再生装置1は、アーム(回動部材)8と、アーム8の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ4と、ヘッドジンバルアセンブリ4の先端に装着されたスライダ2と、ヘッドジンバルアセンブリ4をスキャン移動させるアクチュエータ(VCM:ボイスコイルモータ)6と、ディスクDを回転させるスピンドルモータ7と、情報に応じて変調した電流をスライダ2に供給する制御部5と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
ハウジング9は、例えばアルミニウムや鉄、ステンレス等の金属材料からなり、上部に開口部を有する箱型形状のものであって、平面視四角形状の底部9aと、底部9aの周縁部から垂直に立設された周壁(不図示)とで構成されている。周壁に囲まれたハウジング9の内側には、上述した各構成品を収容する収容凹部が形成される。底部9aの略中心には、スピンドルモータ7が取り付けられており、スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定されている。
ディスクDの側方には、軸受装置10が配置されている。軸受装置10の一方側端部は、ハウジング9の底部9aに支持されている。軸受装置10の外周面には、アーム8が外嵌固着されている。アーム8の基端部は、上述したアクチュエータ6に接続されている。またアーム8は、基端側から先端側に向かって、ディスクDの表面と平行に延設されている。
アーム8の先端には、ヘッドジンバルアセンブリ4が接続されている。ヘッドジンバルアセンブリ4は、サスペンション3と、サスペンション3の先端に装着され、ディスクDの表面に対向配置されたスライダ2と、を備えている。スライダ2は、ディスクDに対する情報の書き込み(記録)を行う記録素子と、ディスクDから情報の読み取り(再生)を行う再生素子とを備えている。
上記のように構成された情報記録再生装置1において、情報の記録または再生を行うには、まずスピンドルモータ7を駆動して、ディスクDの中心軸L2回りにディスクDを回転させる。また、アクチュエータ6を駆動して、軸受装置10を回動中心としてアーム8を回動させる。これにより、ヘッドジンバルアセンブリ4の先端に配置されたスライダ2を、ディスクDの表面の各部にスキャン移動させることができる。そして、スライダ2の記録素子または再生素子を駆動することにより、ディスクDに対する情報の記録または再生を行うことができる。
(軸受装置)
図2は、実施形態に係る軸受装置10の側面断面図である。
図2に示すように、軸受装置10は、略円柱状に形成されたシャフト20と、シャフト20の軸方向に並んで配置された一対の転がり軸受11,12と、一対の転がり軸受11,12に外嵌される略円筒状のスリーブ15と、を備えている。シャフト20、一対の転がり軸受11,12およびスリーブ15は、それぞれ共通の中心軸L1に対して同軸上に配置されている。
シャフト20は、略円柱形状の棒状部材であり、長手方向(軸方向)の一端側に第一転がり軸受11が装着され、第一転がり軸受11と軸方向に所定間隔を空けて第二転がり軸受12が装着されている。また、シャフト20の一端側の端面には、シャフト20の本体部の直径よりも拡径され、第一転がり軸受11と当接されるフランジ部20aが形成されている。
第一転がり軸受11および第二転がり軸受12は、同一形状で形成された軸受である。したがって、以下では、第一転がり軸受11についてのみ説明をし、第二転がり軸受12については説明を省略する。
第一転がり軸受11は、内輪11aと、内輪11aに対して同軸に配置されて内輪11aを囲繞する外輪11bと、内輪11aと外輪11bとの間に転動自在に保持された複数の転動体11cと、を有している。
第一転がり軸受11の内輪11aには、転動体11cを転動自在に保持する側面断面が円弧状の内輪転動面11dが形成されている。内輪転動面11dは、内輪11aの外周面の全周にわたって形成されている。
第一転がり軸受11の外輪11bには、転動体11cを転動自在に保持する側面断面が円弧状の外輪転動面11eが、内輪転動面11dに対向するように形成されている。外輪転動面11eは、外輪11bの内周面の全周にわたって形成されている。
スリーブ15は、円筒状に形成された部材であり、長手方向(軸方向)の一端側に第一転がり軸受11が装着され、他端側に第二転がり軸受12が装着される。
スリーブ15の軸方向の中間部には、第一転がり軸受11と第二転がり軸受12との間隔を所定距離に保持するスペーサ部17が径方向内側に突出形成されている。なお、スリーブ15とスペーサ部17とは別部材で構成してもよい。
(第一実施形態の転がり軸受の研磨装置)
図3は、第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の全体模式図であり、図3(a)は正面図であり、図3(b)は側面図である。なお、図3(a)では、分かり易くするために、バッキングプレート26については部分的に断面図としている。また、図3(b)では、分かり易くするために、バッキングプレート26およびフロントプレート27を二点鎖線で図示している。
第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30は、ワークWである内輪11aの内輪転動面11dを超仕上げ加工するための装置である。なお、図3(a)および(b)における上下方向は鉛直上下方向に相当する。また、以下では、水平面内においてワークWの中心軸L1に直交する方向をX方向(請求項の「第一方向」に相当。)と定義し、ワークWの中心軸L1に沿うとともにX方向に直交する方向をY方向(請求項の「第二方向」に相当。)と定義し、X方向とY方向とに直交する方向をZ方向(請求項の「第三方向」に相当。)と定義する。本実施形態においては、X方向およびY方向が水平方向に相当し、Z方向が鉛直方向に相当している。
図3(a)および(b)に示すように、本実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、主にプレッシャーロータ22と、バッキングプレート26と、フロントプレート27と、シュー28と、一対の回転ローラ25a,25bと、砥石31と、砥石保持具40と、プッシャー治具50と、により構成されている。以下に、転がり軸受の研磨装置30の各構成部品について説明する。
図3(a)に示すように、プレッシャーロータ22は、ワークWの中心軸L1と同軸上に配置された円柱状の部材である。プレッシャーロータ22は、Y方向に沿ってスライド移動可能となっており、ワークW側に設けられた縮径部22aがワークWに挿入可能となっている。縮径部22aは、ワークWに挿入されてワークWを回転自在に支持する。
バッキングプレート26およびフロントプレート27は、それぞれワークWを挟んでY方向(すなわち軸方向)の両側に配置されており、ワークWのY方向への移動を規制している。
図3(b)に示すように、シュー28は、X方向において後述する砥石31とは反対側に配置されている。シュー28は、砥石31をワークWに押圧してワークWの内輪転動面11dを超仕上げ加工する際に、ワークWと当接してX方向への移動を規制するとともに、ワークWの内輪転動面11d以外の外周面Waを研磨している。
一対の回転ローラ25a,25bは、円柱状の部材であり、ワークWを挟んでZ方向(すなわち鉛直上下方向)の両側に配置されている。例えば、上側の回転ローラ25aは、ワークWに向かって付勢されており、下側の回転ローラ25bは、ワークWと当接してワークWの下側への移動を規制している。これにより、一対の回転ローラ25a,25bの外周面は、それぞれワークWの外周面Waと当接する。
本実施形態では、例えば上側の回転ローラ25aが不図示のモータ等の駆動装置に接続されており、回転ローラ25aの中心軸周りに回転可能に形成されている。上側の回転ローラ25aが回転することにより、ワークWは、プレッシャーロータ22および下側の回転ローラ25bに支持されて中心軸L1周りに回転する。
(砥石)
図4は、第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の斜視図である。
図5は、第一実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。なお、図4および図5では、分かり易くするために、転がり軸受の研磨装置30うちプッシャー治具50、砥石保持具40および砥石31以外の図示を省略している。また、図5において、砥石31の先端部31aがワークWから離間している状態を二点鎖線で図示している。
図4に示すように、砥石31は、ワークWである例えば内輪11aの内輪転動面11dに当接して、内輪転動面11dを超仕上げ加工するものである。
図5に示すように、砥石31は、例えば合成ダイヤモンド等の砥粒がボンド等の結合材料によって結合された角柱状の部材であり、ワークWの内輪転動面11dに当接する先端部31aと、プッシャー治具50に接続される基端部31bと、先端部31aと基端部31bとの間に配置される本体部31cと、により構成されている。
図6は、図5のA−A線に沿った断面図である。
図6に示すように、砥石31の本体部31cは、後述する砥石保持具40に形成された挿通孔42内に挿通されており、砥石保持具40によってX方向に沿うように移動可能に保持される。
砥石31の先端部31aは、Z方向から見て内輪転動面11dの側面断面(図2参照)と同じ曲率を有する曲面形状に形成されている。砥石31の先端部31aは、中心軸L1周りに回転するワークWの内輪転動面11dに向かって、プッシャー治具50によって押圧される。
砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に接続されており、ブロック状の樹脂部材32を備えている。樹脂部材32は、X方向から見た外形が砥石31の本体部31cと同一の矩形状に形成されている。樹脂部材32は、例えば接着剤により砥石31に接着固定されて砥石31と一体化しており、砥石31の基端部31bを構成するとともに、プッシャー治具50の凹部52と嵌合可能な凸部33を構成している。
(砥石保持具)
図5に示すように、砥石保持具40は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成された長尺の棒状部材であり、Y方向に沿うように延在している。
砥石保持具40の先端部40aには、X方向に沿うように砥石31を挿通可能な挿通孔42が形成されている。挿通孔42は、砥石保持具40の先端部40aをX方向に貫通しており、挿通孔42内には、砥石31の本体部31cが配置される。挿通孔42の内形は、砥石31の外形よりも若干大きく形成されており、X方向に沿うように砥石31を移動可能に保持している。
砥石保持具40の基端部40bは、転がり軸受の研磨装置30の本体(不図示)に、例えばモータ等のアクチュエータ(不図示)を介して接続されている。アクチュエータは、超仕上げ加工前後のワークWの着脱時に砥石保持具40を移動させ、砥石保持具40に保持された砥石31を、ワークWの加工原点位置に対して近接離反させている。また、アクチュエータは、内輪転動面11dの超仕上げ加工時に、砥石保持具40に保持された砥石31を、砥石保持具40ごとワークWの内輪転動面11dの湾曲形状に沿って揺動させている。
(プッシャー治具)
プッシャー治具50は、砥石保持具40と同様に、例えばアルミニウム等の金属材料により形成された長尺の棒状部材であり、砥石保持具40に対して略平行に、Y方向に沿うように延在している。
図6に示すように、プッシャー治具50の先端部50aには、砥石31が配置されている側に開口を有する凹部52が形成されている。凹部52は、砥石31の基端部31bの樹脂部材32(すなわち凸部33)が嵌合可能に形成されている。
図7は、図5のB−B線に沿った断面図である。
図7に示すように、凹部52のZ方向に面する両側面52a,52bの離間距離は、砥石31の凸部33のZ方向に面する両側面33a,33bの離間距離よりも短くなるように形成されている。これにより、砥石31の基端部31bは、凹部52のZ方向に面する両側面52a,52bにより挟持されて、砥石31のZ方向への移動が抑制された状態で保持される。
また、凹部52のY方向に面する(すなわちY方向と交差する)両側面52c,52dの離間距離は、砥石31の凸部33のY方向に面する(すなわちY方向と交差する)両側面33c,33dの離間距離よりも広くなるように形成されている。したがって、凸部33の側面33cと凹部52の側面52cとの間、および凸部33の側面33dと凹部52の側面52dとの間には、隙間が形成される。これにより、砥石31の基端部31bは、凹部52内においてY方向に移動可能な状態で保持され、Z方向に沿う軸線Pを中心に回動可能に接続される。
図5に示すように、プッシャー治具50の基端部50bは、砥石保持具40の基端部40bに、例えば油圧シリンダ等の加圧手段(不図示)を介して接続されている。加圧手段は、プッシャー治具50を砥石保持具40に対して略平行の状態としたまま、X方向にスライド移動させるものである。これにより、プッシャー治具50は、プッシャー治具50の先端部50aに接続された砥石31をX方向に沿って移動させ、内輪転動面11dに対して砥石31の先端部31aを当接または離反させることができる。
(作用)
続いて、上述のように形成された転がり軸受の研磨装置30の作用について説明する。
図3(a)に示すように、まず、ワークWを転がり軸受の研磨装置30にセットする。
具体的には、不図示のアクチュエータを駆動して、砥石31を砥石保持具40およびプッシャー治具50ごと、ワークWの加工原点位置から離間させる。このとき、プッシャー治具50と砥石保持具40とは略平行のまま互いに離間した状態(すなわち砥石31がプッシャー治具50により押圧されていない状態)となっている。
次いで、バッキングプレート26、フロントプレート27、シュー28および一対の回転ローラ25a,25bで囲まれた領域に、中心軸L1がY方向に沿うようにワークWをセットする。
次いで、プレッシャーロータ22をY方向に沿ってスライド移動させ、先端の縮径部22aをワークWに挿入して、ワークWを中心軸L1周りに回転可能に支持する。
次いで、不図示のアクチュエータを駆動して、砥石31を砥石保持具40およびプッシャー治具50ごと、ワークWの加工原点位置に移動させる。
続いて、図3(b)に示すように、上側の回転ローラ25aを回転させて、ワークWを中心軸L1周りに回転させる。
次いで、図5に示すように、加圧手段を作動させてプッシャー治具50を砥石保持具40側(図5における左側)にスライド移動させ、砥石31の先端部31aを回転するワークWの内輪転動面11dに押圧する。
ここで、例えば転がり軸受の研磨装置30の本体に対するプッシャー治具50の取付誤差や、プッシャー治具50の製造誤差等により、プッシャー治具50のズレが発生する場合がある。しかし、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、軸線Pを中心に回動可能に接続されているので、砥石31の基端部31bが回動して、X方向およびY方向に対するプッシャー治具50のズレを吸収できる。これにより、砥石31は、傾いた状態で砥石保持具40の挿通孔42の内周面に接触するのが防止されて、X方向に沿うように砥石保持具40の挿通孔42内を移動する。
次いで、回転するワークWの内輪転動面11dに砥石31の先端部31aを押圧したまま、不図示のアクチュエータを駆動し、内輪転動面11dの湾曲形状に沿って、砥石保持具40およびプッシャー治具50ごと砥石31の先端部31aを揺動させる。これにより、内輪転動面11dには、超仕上げ加工が施される。内輪転動面11dが研磨され、所定の面粗度になった時点で、内輪転動面11dの超仕上げ加工が終了する。
内輪転動面11dの超仕上げ加工が終了した後、ワークWを着脱してワークWの交換を行う。このとき、加圧手段の作動を解除して、プッシャー治具50を砥石保持具40とは反対側(図5における右側)にスライド移動させ、砥石31の先端部31aをワークWから離反させる。
ここで、従来技術においては、砥石の基端部とプッシャー治具とは、切削油の表面張力(界面張力)により互いに吸着し合って接続されていたため、砥石とプッシャー治具との接続が解除されて砥石がワークから離反できないおそれがあった。
しかし、本実施形態では、砥石31は、基端部31bの凸部33とプッシャー治具50の凹部52とが嵌合することにより接続されているので、従来技術と比べて砥石31とプッシャー治具50との接続が解除されるのを抑制できる。したがって、砥石31をワークWから確実に離反させることができる。また、砥石31をワークWから離反させる場合においても、前述同様に、砥石31の基端部31bが回動して、Y方向に対するプッシャー治具50のズレが吸収される。したがって、砥石31は、傾いた状態で砥石保持具40の挿通孔42の内周面に接触するのが防止されて、X方向に沿うように砥石保持具40の挿通孔42内を移動する。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態によれば、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、Z方向に沿う軸線Pを中心に回動可能に接続されているので、ワークW交換時に砥石31をワークWから確実に離反させることができ、ワークW交換時に砥石31とワークWとが接触するのを防止できる。
また、取付誤差や製造誤差等により、プッシャー治具50のズレが発生しても、砥石31の基端部31bが回動してプッシャー治具50のズレを吸収し、砥石31にズレが発生するのを防止できる。これにより、砥石31をX方向に沿うように移動させて、砥石31をワークWに対して当接離反させることができるので、砥石31が傾いた状態で砥石保持具40の挿通孔42の内周面に接触するのを防止できる。
したがって、ワークW交換時の砥石31の損傷や脱落を防止できるとともに、砥石保持具40の磨耗を抑制して精度良く砥石31を保持できる。
また、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とは、凸部33と凹部52とが嵌合することにより接続されているので、従来技術と比べて砥石31とプッシャー治具50との接続が解除されるのを抑制できる。したがって、砥石31をワークWから確実に離反させることができるので、ワークW交換時の砥石31の損傷や脱落を防止できる。
また、凸部33のY方向と交差する側面33c,33dと凹部52のY方向と交差する側面52c,52dとの間に隙間を設けているので、砥石31の基端部31bは、Z方向に沿う軸線Pを中心に容易に回動できる。したがって、砥石保持具40の磨耗を確実に抑制して精度良く砥石31を保持できる。
また、凸部33と凹部52とを嵌合および解除するだけで、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置30を容易にメンテナンスできる。
(第一実施形態の変形例)
図8は、第一実施形態の変形例に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
続いて、第一実施形態の変形例に係る転がり軸受の研磨装置30について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第一実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31に凸部33が形成され、プッシャー治具50に凹部52が形成されていた(図6参照)。
これに対して、図8に示す第一実施形態の変形例のように、砥石31に凹部34が形成され、プッシャー治具50に凸部54が形成されていてもよい。
図8に示すように、砥石31の基端部31bは、樹脂部材32を備えている。樹脂部材32は、プッシャー治具50側に開口を有するとともにZ方向視で略C字形状に形成された凹部34を備えている。
また、プッシャー治具50の先端部50aは、樹脂部材32の凹部34に嵌合可能な凸部54を備えている。凸部54は、Z方向に沿って延設されるとともに砥石31側に向かって突出した略円柱形状に形成されている。
プッシャー治具50の凸部54の外形は、砥石31の凹部34の内形よりも若干小さく形成されており、砥石31の凹部34とプッシャー治具50の凸部54とを嵌合したとき、凸部54の外周面と凹部34の内周面との間には隙間が形成される。また、砥石31の凹部34とプッシャー治具50の凸部54とを嵌合したとき、砥石31の基端部31bの端面とプッシャー治具50の先端部50aとの間には隙間が形成される。これにより、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、凸部54のZ方向に沿う中心軸である軸線P周りに回動可能に接続される。
なお、砥石31の凹部34は樹脂部材32に形成されており、弾性変形可能となっている。したがって、X方向から砥石31の凹部34にプッシャー治具50の凸部54を嵌合できる。
(第二実施形態)
図9は、第二実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
図10は、図9のC−C線に沿った断面図である。
続いて、第二実施形態の転がり軸受の研磨装置30について説明する。
第一実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とは、砥石31の凸部33とプッシャー治具50の凹部52とが嵌合することにより接続されていた(図6参照)。
これに対して、図9に示すように、第二実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とは、ピン部材61により接続されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図10に示すように、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50側に開口を有する断面視略U字形状に形成されており、プッシャー治具50の先端部50aをZ方向の両側から挟持している。砥石31の基端部31bには、Z方向に沿って貫通する貫通孔35が形成されている。また、プッシャー治具50の先端部50aには、砥石31の貫通孔35と同心の貫通孔55が形成されている。
砥石31の貫通孔35およびプッシャー治具50の貫通孔55には、ピン部材61が挿通されている。
ピン部材61は、例えば金属等からなる円柱状の部材であり、砥石31の貫通孔35およびプッシャー治具50の貫通孔55の内部に配置される本体部61aと、本体部61aの上方において拡径した頭部61bとを有している。ピン部材61の頭部61bが砥石31の上面に当接することにより、ピン部材61の下方への脱落が防止される。また、ピン部材61の本体部61aが砥石31の貫通孔35およびプッシャー治具50の貫通孔55の内部に配置されることにより、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、ピン部材61の中心軸である軸線P周りに回動可能に接続される。
なお、第二実施形態では、砥石31の基端部31bに樹脂部材32(図6参照)を設けることなく貫通孔35を形成しているが、砥石31の基端部31bに樹脂部材32を設け、樹脂部材32に貫通孔35を形成してもよい。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態によれば、ピン部材61により砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とが確実に接続されるとともに、ピン部材61の中心軸(すなわち軸線P)周りに砥石31の基端部31bが容易に回動できる。したがって、砥石31をワークWから離反させてワークW交換時の砥石31の損傷や脱落を確実に防止できるとともに、砥石保持具40の磨耗をさらに抑制して精度良く砥石31を保持できる。
(第三実施形態)
図11は、第三実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
続いて、第三実施形態の転がり軸受の研磨装置30について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図11に示すように、第三実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31の基端部31bに係合凹部332aが形成され、プッシャー治具50には係合爪部352a,352bが形成され、係合凹部332aと係合爪部352a,352bとが係合して、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とが接続されている点で、第一実施形態とは異なっている。
砥石31の基端部31bは、樹脂部材332を備えている。樹脂部材332は、プッシャー治具50側に開口を有するとともにZ方向視で略U字形状に形成された係合凹部332aを備えている。
プッシャー治具50の先端部50aには、砥石31側に向かって一対の係合爪部352a,352bが立設されている。一対の係合爪部352a,352bは、X方向に沿って延びるとともに、砥石31側の先端部が互いにY方向に広がるように形成されている。一対の係合爪部352a,352bの先端部におけるY方向に沿った最大幅は、係合凹部332aのY方向に沿った幅よりも広くなるように形成されている。これにより、係合凹部332a内に一対の係合爪部352a,352bを配置することで、係合凹部332aと一対の係合爪部352a,352bとが係合可能となっている。
砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、一対の係合爪部352a,352bの基端部近傍においてZ方向に沿う軸線P周りに回動可能に接続される。
(第三実施形態の効果)
第三実施形態によれば、係合爪部352a,352bと係合凹部332aとを係合および解除するだけで、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置30を容易にメンテナンスできる。
(第四実施形態)
図12は、第四実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
続いて、第四実施形態の転がり軸受の研磨装置30について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図12に示すように、第四実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50との間に中間部材65が設けられ、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とは中間部材65を介して接続されている点で、第一実施形態とは異なっている。
図12に示すように、砥石31の基端部31bには、凸部433が形成されている。凸部433は、Z方向から見て砥石31の先端部31a側に短辺を有し、プッシャー治具50側に長辺を有する略等足台形状に形成されており、Z方向に沿って延設されている。また、プッシャー治具50の先端部50aには、凸部454が形成されている。凸部454は、Z方向から見てプッシャー治具50の先端部50a側に短辺を有し、砥石31側に長辺を有する略等足台形状に形成されており、Z方向に沿って延設されている。砥石31の凸部433およびプッシャー治具50の凸部454は、いわゆるダブテール凸部となっている。
図13は、中間部材65の斜視図である。
中間部材65は、例えば樹脂や金属等により形成された略ブロック状の部材である。中間部材65のX方向の両側面には、それぞれプッシャー治具50の凸部454および砥石31の凸部433(いずれも図12参照)と嵌合可能な溝部65a,65bが、Z方向に沿って延設されている。溝部65a,65bは、それぞれZ方向から見て、プッシャー治具50の凸部454および砥石31の凸部433の外形に対応した略等足台形状に形成されており、いわゆるダブテール溝部となっている。
本実施形態は、プッシャー治具50の凸部454および砥石31の凸部433がそれぞれダブテール凸部となっており、中間部材65の溝部65a,65bがそれぞれダブテール溝部となっている。したがって、プッシャー治具50の凸部454と溝部65aとを嵌合し、砥石31の凸部433と溝部65bとを嵌合することにより、砥石31とプッシャー治具50とのX方向への相対移動が確実に規制される。これにより、砥石31とプッシャー治具50との接続が解除されるのが確実に抑制される。
また、本実施形態は、プッシャー治具50の凸部454と嵌合される溝部65aの内形が、プッシャー治具50の凸部454の外形よりも若干大きく形成されている。これにより、図12に示すように、プッシャー治具50の凸部454と溝部65aとを嵌合したとき、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、凸部454のX方向およびY方向の略中央においてZ方向に沿う軸線P周りに回動可能に接続される。
プッシャー治具50の凸部454と嵌合される溝部65aは、Z方向の上側端部が閉塞されてストッパ部65cとなっている。
ストッパ部65cは、プッシャー治具50の凸部454と溝部65aとを嵌合したときプッシャー治具50の凸部454の上端面と当接する。これにより、中間部材65の下方への移動が規制されて中間部材65の落下が防止される。
(第四実施形態の効果)
第四実施形態によれば、中間部材65の形状を適宜変更することにより、種々の砥石31およびプッシャー治具50に対応できる。特に、砥石31を複雑な形状に加工するのは困難であるため、砥石31を加工することなく中間部材65の形状を適宜変更して、種々の砥石31およびプッシャー治具50の形状に対応させる場合に好適である。
(第五実施形態)
図14は、第五実施形態に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
続いて、第五実施形態の転がり軸受の研磨装置30について説明する。なお、以下では、第一実施形態と同様の構成部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図14に示すように、第五実施形態の転がり軸受の研磨装置30は、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とが磁力により接続されている点で、第一実施形態とは異なっている。
砥石31の基端部31bには、例えば鉄等の磁性材料により形成された板状の被吸着部材37が貼付されている。また、プッシャー治具50の先端部50aには、砥石31の基端部31bに対応する位置に、マグネット57が貼付されている。これにより、砥石31の基端部31bは、マグネット57の磁力により吸引されてプッシャー治具50に接続される。砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50のマグネット57の境界面におけるY方向の略中央付近において、Z方向に沿う軸線P周りに回動可能に接続される。
(第五実施形態の変形例)
図15は、第五実施形態の変形例に係る転がり軸受の研磨装置30の平面図である。
図15に示す第五実施形態の変形例のように、被吸着部材37のプッシャー治具50側の端面37aを、Z方向から見てプッシャー治具50側に膨出する曲面に形成してもよい。これにより、被吸着部材37の端面37aと、プッシャー治具50のマグネット57とは線接触できる。したがって、砥石31の基端部31bは、プッシャー治具50に対して、軸線P周りに容易に回動可能に接続される。
(第五実施形態および第五実施形態の変形例の効果)
第五実施形態および第五実施形態の変形例によれば、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とを容易に着脱できる。したがって、転がり軸受の研磨装置30を容易にメンテナンスできる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
各実施形態および各変形例においては、転がり軸受の研磨装置30により、内輪11aの内輪転動面11dを超仕上げ加工していたが、超仕上げ加工の対象は内輪転動面11dに限定されない。例えば、転がり軸受の研磨装置30により、外輪11bの外輪転動面11eを超仕上げ加工してもよい。
樹脂部材32の形状は、第一実施形態および第一実施形態の変形例に限定されることはない。
また、第二実施形態では、砥石31の基端部31bが断面視略U字形状に形成されており、プッシャー治具50の先端部50aをZ方向の両側から挟持するとともに、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50の先端部50aにピン部材61が挿通されていた(図10参照)。これに対して、例えば砥石31の基端部31bにおけるZ方向の両側面のうち一方側面を凹ませて段部を形成し、この段部にプッシャー治具50の先端部50aを重ねて配置するとともに、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50の先端部50aにピン部材61が挿通されていてもよい。
また、ピン部材61の形状は、第二実施形態に限定されることはない。例えば、ピン部材61は、ボルトであり、砥石31の基端部31bおよびプッシャー治具50のいずれか一方に螺着されることにより、砥石31の基端部31bとプッシャー治具50とが回動可能に接続されていてもよい。
また、第三実施形態では、砥石31の基端部31bに係合凹部332aが形成され、プッシャー治具50には係合爪部352a,352bが形成されていたが、砥石31の基端部31bに係合凸部が形成され、プッシャー治具50に係合凹部が形成されていてもよい。
また、係合凹部332aおよび係合爪部352a,352bの形状は、第三実施形態に限定されることはない。
また、中間部材65の形状は、第四実施形態に限定されることはない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
11・・・第一転がり軸受(転がり軸受) 11a・・・内輪 11b・・・外輪 11c・・・転動体 11d・・・内輪転動面(転動面) 11e・・・外輪転動面(転動面) 12・・・第二転がり軸受(転がり軸受) 30・・・転がり軸受の研磨装置 31・・・砥石 31b・・・砥石の基端部 32,332・・・樹脂部材 33・・・凸部 33c,33d・・・側面 34・・・凹部 40・・・砥石保持具 42・・・挿通孔 50・・・プッシャー治具 52・・・凹部 52c,52d・・・側面 54・・・凸部 61・・・ピン部材 65・・・中間部材 332a・・・係合凹部 352a,352b・・・係合凹部 L1・・・中心軸 P・・・軸線 W・・・ワーク

Claims (7)

  1. 内輪と、前記内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体と、前記内輪の外周面および前記外輪の内周面に形成され、前記転動体が嵌め込まれる転動面と、を備えた転がり軸受の前記転動面を加工するための転がり軸受の研磨装置であって、
    ワークである前記内輪または前記外輪に当接し、前記転動面を研磨して加工する砥石と、
    前記ワークの中心軸に直交する第一方向に沿うように前記砥石を挿通可能な挿通孔を備え、前記第一方向に沿うように前記砥石を移動可能に保持する砥石保持具と、
    前記第一方向に直交する第二方向に沿うように延在し、前記砥石の基端部が接続されて前記砥石を前記第一方向に沿うように移動させ、前記転動面に対して前記砥石を当接または離反させるプッシャー治具と、
    を備え、
    前記砥石の基端部は、前記プッシャー治具に対して、前記第一方向と前記第二方向とに直交する第三方向に沿う軸線を中心に回動可能に接続されていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか一方には、凸部が形成され、
    前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか他方には、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成され、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記凸部と前記凹部とが嵌合することにより接続され、
    前記凸部の前記第二方向と交差する側面と、前記凹部の前記第二方向と交差する側面との間には、隙間が設けられていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  3. 請求項1に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記第三方向に沿うように設けられたピン部材により接続されていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  4. 請求項1に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか一方には、係合爪部が形成され、
    前記砥石の基端部および前記プッシャー治具のいずれか他方には、前記係合爪部と係合可能な係合凹部が形成され、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記係合爪部と前記係合凹部とが係合することにより接続されていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  5. 請求項1に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具との間には、中間部材が設けられ、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、前記中間部材を介して接続されていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  6. 請求項1に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部と前記プッシャー治具とは、磁力により接続されていることを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の転がり軸受の研磨装置であって、
    前記砥石の基端部に、樹脂部材を備えたことを特徴とする転がり軸受の研磨装置。
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