JP2013166205A - 超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置 - Google Patents

超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストを低減することができる超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置の提供。
【解決手段】回転するワーク30A(30B)に押圧され、ワーク30A(30B)の押圧位置の移動方向に対し交差する面内で揺動して超仕上げを行う超仕上げ用砥石52において、揺動方向の一側に粗目加工部53を有し揺動方向の他側に細目加工部54を有し、ワーク30A(30B)を粗目加工部53で加工した後に細目加工部54で加工することで砥石交換を不要とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置に関するものである。
転がり軸受においては、内輪の外周面と外輪の内周面とに、転動体が転動可能に嵌め込まれる溝形状の転走面が形成されるものがある。内輪及び外輪は、切削加工後、熱処理が行われ、その後、転走面に粗仕上げ加工が施され、さらに転走面に超仕上げ加工が施されることになる。粗仕上げ加工では、ワークである内輪あるいは外輪を回転させると共に粗仕上げ用の砥石を回転させながら接触させて転走面を研磨する。超仕上げ加工では、回転するワークに対して超仕上げ用の砥石を回転させず、ワークの接触位置の移動方向に対し交差する面内で転走面に沿って揺動させて転走面を研磨する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−130457号公報
例えば、情報記録再生装置等のスイングアームに用いられる転がり軸受は、その動作精度から動作時のトルク変化が小さい方が良い。このため、転動体を円滑に回転させることができるように、より転走面を滑らかにする必要がある。超仕上げを行う場合、このように要求される表面粗さによっては、粗目仕上げ用の砥石で超仕上げを行う粗目仕上げと、細目仕上げ用の砥石で超仕上げを行う細目仕上げとを行う必要が生じてくる。この場合、超仕上げ加工機に粗目仕上げ用の砥石を取り付け、この粗目仕上げ用の砥石で1ロット分のワークを加工した後、同じ超仕上げ加工機の砥石を細目仕上げ用の砥石に交換して、再度、1ロット分のワークを加工する、といった手順で加工が行われることになり、生産効率が悪い。その結果、製造コストが増大してしまっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造コストを低減することができる超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置の提供を目的とする。
本発明に係る超仕上げ用砥石は、回転するワークに押圧され、該ワークの押圧位置の移動方向に対し交差する面内で揺動して超仕上げを行う超仕上げ用砥石において、前記揺動方向の一側に粗目加工部を有し前記揺動方向の他側に細目加工部を有することを特徴としている。
これにより、揺動方向の一側に設けられた粗目加工部で粗目仕上げを行った後、揺動方向の他側に設けられた細目加工部で細目仕上げを行うことができる。よって、砥石交換なしで超仕上げの粗目仕上げと細目仕上げとを行うことができる。従って、生産効率が向上することになり、製造コストを低減することができる。
本発明に係る超仕上げ用砥石は、前記細目加工部が前記粗目加工部よりも砥粒の粒度が細かいことが好ましい。
これにより、揺動方向の一側に粗目加工部を揺動方向の他側に細目加工部をそれぞれ容易に形成することができる。
本発明に係る超仕上げ用砥石は、前記細目加工部が前記粗目加工部よりも結合材が軟らかいことが好ましい。
これにより、揺動方向の一側に粗目加工部を揺動方向の他側に細目加工部をそれぞれ容易に形成することができる。
本発明に係る転がり軸受の製造方法は、内輪と、該内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体とを備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面に、前記転動体が転動可能に嵌め込まれる溝形状の転走面が形成されてなる転がり軸受を、前記超仕上げ用砥石を用いて加工する転がり軸受の製造方法であって、前記転走面を前記粗目加工部で加工した後に前記細目加工部で加工することを特徴としている。
これにより、揺動方向の一側に粗目加工部を有し揺動方向の他側に細目加工部を有する超仕上げ用砥石の粗目加工部で粗目仕上げを行った後、細目加工部で細目仕上げを行うことになる。よって、砥石交換なしで超仕上げの粗目仕上げと細目仕上げとを行うことができる。従って、生産効率が向上することになり、製造コストを低減することができる。
本発明に係る転がり軸受は、内輪と、該内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体とを備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面に、前記転動体が転動可能に嵌め込まれる溝形状の転走面が形成された転がり軸受において、前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面は、表面粗さが細かい細面領域と、該細面領域の一方に隣り合う該細面領域よりも表面粗さが粗い中間粗さ領域と、前記細面領域の他方に隣り合う前記中間粗さ領域よりも表面粗さが粗い粗面領域と、を有し、前記転動体が前記細面領域に接触することを特徴としている。
この転がり軸受によれば、内輪の転走面及び外輪の転走面に、転動体が接触する表面粗さが細かい細面領域に比べて粗さが粗い中間粗さ領域と粗面領域とを設けることになるため、全面を表面粗さが細かい細面領域にする場合と比べて、細面領域を形成するための加工時間が短くなり、また、細面領域を加工するための砥石の使用量を減らすことができる。よって、製造コストを低減することができる。加えて、粗面領域及び中間粗さ領域を設けることによりグリスの保持力が向上し、グリスの外部漏れが抑制され、耐久性が向上する。
また、本発明に係る転がり軸受は、前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面には、規定の方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置に前記細面領域が設けられており、前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれか一方に前記規定の方向が判別可能となる表示部が設けられていることが好ましい。
これにより、規定の予圧の方向に応じた範囲に細面領域を設けることができ、表面粗さが細かい細面領域を形成する加工の加工時間をさらに短くでき、また、細面領域を加工するための砥石の使用量をさらに減らすことができる。従って、製造コストをさらに低減することができる。加えて、表示部によって規定の方向を判別可能となるため、方向性があっても、取付時に適正な方向に取り付けることが容易となる。
また、本発明に係る転がり軸受は、前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面に、一方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置から逆方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置まで、前記細面領域が設けられていることが好ましい。
これにより、一方向に予圧が付与されても逆方向に予圧が付与されても、転動体が内輪の転走面の細面領域及び外輪の転走面の細面領域に接触することになる。よって、取付時に方向性を考慮する必要がなくなる。
本発明に係る軸受装置は、前記転がり軸受の前記内輪がシャフトに外嵌されてなることを特徴としている。
この軸受装置によれば、転がり軸受の内輪の転走面及び外輪の転走面に、転動体が接触する表面粗さが細かい細面領域に比べて粗さが粗い中間粗さ領域と粗面領域とを設けることになるため、全面を表面粗さが細かい細面領域にする場合と比べて、細面領域を形成するための加工時間が短くなり、また、細面領域を加工するための砥石の使用量を減らすことができる。従って、転がり軸受、ひいては軸受装置の製造コストを低減することができる。加えて、粗面領域を設けることによりグリスの保持力が向上して転がり軸受の耐久性が向上し、ひいては軸受装置の耐久性が向上する。
また、本発明に係る軸受装置は、前記転がり軸受には、前記内輪と前記外輪との間の環状空間を塞ぐ環状のシールド板がアキシアル方向の一側に設けられ、前記シャフトに、前記転がり軸受として、アキシアル方向の一方側に位置し該一方側に前記シールド板を備えて配置される第一転がり軸受と、アキシアル方向の他方側に位置し該他方側に前記シールド板を備えて配置される第二転がり軸受とが、アキシアル方向に予圧が付与されることにより、前記第一転がり軸受の前記内輪の前記転走面と前記第二転がり軸受の前記内輪の前記転走面とのアキシアル方向の間隔が前記第一転がり軸受の前記外輪の前記転走面と前記第二転がり軸受の前記外輪の前記転走面とのアキシアル方向の間隔よりも小さくなって装着されることになり、前記第一転がり軸受及び前記第二転がり軸受は、前記外輪の前記転走面における前記シールド板とは反対側に前記細面領域が形成され、前記内輪の前記転走面における前記シールド板側に前記細面領域が形成されていることが好ましい。
これにより、転がり軸受に、予圧の方向に応じた範囲に細面領域を設けることができ、表面粗さが細かい細面領域を形成する加工の加工時間をさらに短くでき、また、細面領域を加工するための砥石の使用量をさらに減らすことができる。従って、転がり軸受、ひいては軸受装置の製造コストをさらに低減することができる。
本発明に係る情報記録再生装置は、前記軸受装置と、前記外輪に外嵌されて該外輪と共に前記シャフトの軸線回りを回動自在とされ、ヘッドジンバルアッセンブリを支持するアーム部を有するキャリッジと、磁気記録媒体を回転させる回転駆動部と、前記キャリッジを回動させ、前記ヘッドジンバルアッセンブリを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、を備えていることを特徴としている。
この情報記録再生装置によれば、製造コストが低減された軸受装置を有するため、製造コストを低減することができる。加えて、耐久性が向上した軸受装置を有するため、耐久性が向上する。さらに、転がり軸受に粗面領域を設けることによりグリスの保持力が向上し、グリスの外部漏れが抑制されるため、磁気記録媒体へのグリスの付着等も抑制でき、信頼性を向上できる。
本発明に係る超仕上げ用砥石、転がり軸受の製造方法、転がり軸受、軸受装置及び情報記録再生装置によれば、製造コストを低減することができる。
本発明に係る情報記録再生装置の第1実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る軸受装置の第1実施形態であるピボット軸を示す縦断面図である。 本発明に係る転がり軸受の第1実施形態を示す予圧付与時の縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の内輪と粗仕上げ用の砥石とを示す縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の外輪と粗仕上げ用の砥石とを示す縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の内輪を超仕上げ用砥石が粗目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の内輪を超仕上げ用砥石が細目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の外輪を超仕上げ用砥石が粗目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図3に示す転がり軸受の外輪を超仕上げ用砥石が細目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 本発明に係る転がり軸受の第2実施形態を示す予圧付与時の縦断面図である 図10に示す転がり軸受の内輪を超仕上げ用砥石が粗目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図10に示す転がり軸受の内輪を超仕上げ用砥石が細目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図10に示す転がり軸受の外輪を超仕上げ用砥石が粗目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。 図10に示す転がり軸受の外輪を超仕上げ用砥石が細目加工部で加工を行う状態を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、軸受装置が情報記録再生装置のピボット軸を構成し、転がり軸受がこのピボット軸に用いられている場合について説明する。
第1実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して垂直記録方式で書き込みを行う装置であって、キャリッジ2と、キャリッジ2の基端側から光導波路3を介して光束を供給するレーザ光源4と、キャリッジ2の先端側に支持されたヘッドジンバルアッセンブリ(HGA)5と、キャリッジ2を回動させ、ヘッドジンバルアッセンブリ5をディスク面(ディスクDの表面)D1に平行な水平面内方向にスキャン移動させるアクチュエータ6と、回転軸線L1を中心にディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモータ(回転駆動部)7と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアッセンブリ5のスライダ5bに対して供給する制御部8と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9と、を備えている。
ハウジング9は、アルミニウム等の金属材料からなる上部開口部を有する箱型形状のものであり、上面視四角形状の底部9aと、底部9aの周縁において底部9aに対して鉛直方向に立設する周壁(不図示)とで構成されている。そして、周壁に囲まれた内側には、上述した各構成品を収容する凹部が形成される。
なお、図1においては、説明を分かりやすくするため、ハウジング9の周囲を取り囲む周壁を省略している。
また、このハウジング9には、ハウジング9の上部開口部を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。底部9aの略中心には、上記スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定されている。
ディスクDの外側で、底部9aの一つの隅角部には、上述したアクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6には、ピボット軸10を中心に水平面内で回転軸線L2を中心に回動可能なキャリッジ2が取り付けられている。
このキャリッジ2は、基端部から先端部に向けて(ディスクD方向に向けて)延設されたアーム部2aと、アーム部2aを介して片持ち状に支持する基部2bとが、削り出し加工等により一体形成されたものである。基部2bは、略直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10回りに回動可能に支持されている。つまり、基部2bはピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ2の回転中心となっている。
アーム部2aは、基部2bにおけるアクチュエータ6が取り付けられた側面2cと反対側の側面(隅角部の反対側の側面)2dにおいて、基部2bの上面の面方向(水平面内方向)と平行に延出する平板状のものであり、基部2bの高さ方向(垂直方向)に沿って3枚延出している。
具体的には、アーム部2aは、基端部から先端部に向かうに従って先細るテーパ形状に形成されており、各アーム部2a間に、ディスクDが挟み込まれるように配置されている。つまり、アーム部2aとディスクDとが、交互に配置可能に構成されており、アクチュエータ6の駆動によってアーム部2aがディスク面D1に平行な方向(水平面内方向)に移動可能になっている。
なお、キャリッジ2及びヘッドジンバルアッセンブリ5は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。
ヘッドジンバルアッセンブリ5は、アーム部2aの先端に連接状態で支持されており、サスペンション5aと、サスペンション5aの先端に取り付けられたスライダ5bとを備えている。
また、ヘッドジンバルアッセンブリ5は、図示しない近接場光発生素子を有するスライダ5bに、レーザ光源4からの光束を導いて近接場光を発生させ、該近接場光を利用してディスクDに各種情報を記録再生させるものである。
なお、近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口やナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されている。
(軸受装置の第1実施形態)
続いて、本発明に係る軸受装置の第1実施形態であるピボット軸10の構成について図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、ピボット軸10は、キャリッジ2を回転軸線L2回りに回転可能に軸支する軸受装置であり、その概略構成としては、ハウジング9の底部9aに立設された図2に示す略円柱状のシャフト20と、該シャフト20の径方向外側に周設されて回転軸線L2を共通軸にしてシャフト20と同軸上に配設されたスリーブ21と、シャフト20とスリーブ21との間に介装された一対の転がり軸受22A,22B(第一転がり軸受,第二転がり軸受)と、を備えている。上記したキャリッジ2はシャフト20の軸線回りを回動自在となっている。
なお、第1実施形態では、回転軸線L2に沿った方向、つまりアキシアル方向を「軸方向」とし、回転軸線L2に直交する方向、つまりラジアル方向を「径方向」とし、回転軸線L2を中心に周回する方向を「周方向」とする。また、軸方向一方側(図2における上側)を「上」とし、その反対側、つまり軸方向他方側(図2における下側)を「下」とする。
シャフト20は、回転軸線L2を中心にして軸方向に延在する軸部材である。このシャフト20は、略円柱形状の軸芯部20aと、軸芯部20aの下端部から径方向外側に突出したフランジ部20bと、軸芯部20aの下端面に垂設された雄ねじ部20cと、を備えている。フランジ部20bは、軸芯部20aの外周に全周に亘って形成された平面視円環状の鍔部であり、フランジ部20bの上面は、内周部が外周部に比べて高くなるように段差状に形成されている。雄ねじ部20cは、外周面に図示しない雄ねじが形成された螺着部である。この雄ねじ部20cがハウジング9の底部9a(図1に示す)に形成された図示しない雌ねじ孔に螺合することで、シャフト20がハウジング9の底部9aに立設されている。この際、フランジ部20bの下面がハウジング9の底部9aに接することで、シャフト20の高さ方向の位置決めがなされている。
スリーブ21は、後述する転がり軸受22A,22Bの外輪31A,31Bにそれぞれ外嵌される略円筒形状の部材であり、このスリーブ21の上端部の内側に転がり軸受22Aが嵌合されてスリーブ21の下端部の内側に転がり軸受22Bが嵌合されている。また、スリーブ21の軸方向中間部(上下2つの転がり軸受22A,22Bの間の部分)の内周面には、転がり軸受22Aと転がり軸受22Bとの軸方向間隔を所定距離に保持させるスペーサ部21aが形成されている。このスペーサ部21aは、全周に亘って径方向内側に向けて突設された平面視円環状の凸部であり、後述する第一、第二転がり軸受22A,22Bの外輪31A,31Bがそれぞれ係止されている。すなわち、スペーサ部21aの上端面に、上側の転がり軸受22Aの外輪31Aの下端部の外縁が係止され、スペーサ部21aの下端面に、下側の転がり軸受22Bの外輪31Bの上端部の外縁が係止されている。
また、スリーブ21は、図1に示すキャリッジ2の基部2bに形成された図示しない取付孔の内側に圧入又は接着嵌合されることで、キャリッジ2と一体的に組み合わされている。
転がり軸受22A及び転がり軸受22Bは、それぞれシャフト20に軸支されたシールド板付き軸受であり、シャフト20にそれぞれ装着されて軸方向に間隔をあけて並設されている。また、軸方向上側に位置する転がり軸受22Aと軸方向下側に位置する転がり軸受22Bとは、同一構成とされており、互いに上下に反転させた向きに配設されている。
以下、説明が重複する場合には、転がり軸受22Aについてのみ説明し、同様の構成の転がり軸受22Bについては、転がり軸受22Aの各符号に対応する符号を括弧書きで記載して説明を略す。
転がり軸受22A(22B)の概略構成としては、平面視円環状の内輪30A(30B)と、回転軸線L2を共通軸にして内輪30A(30B)と同軸上に配設された平面視円環状の外輪31A(31B)と、内輪30A(30B)と外輪31A(31B)との間に転動自在に保持された複数の転動体32A(32B)と、内輪30A(30B)と外輪31A(31B)との間に画成された平面視円環状の環状空間34A(34B)を軸方向一側で塞ぐ環状のシールド板33A(33B)と、を備えている。
内輪30A(30B)は、回転軸線L2を中心にして軸方向に延在する円筒形状の筒体であり、図2に示すシャフト20の軸芯部20aに外嵌されている。
この内輪30A(30B)の外周部には、軸方向の一端部(内輪30Aにおいては図2における上端部、内輪30Bにおいては図2における下端部)のみに、R溝(V溝でも可)からなる識別溝(表示部)38A(38B)が形成されている。
この内輪30A(30B)の軸方向中央部の外周面には、複数の転動体32A(32B)が転動可能に嵌め込まれる湾曲溝形状の転走面40A(40B)が形成されている。この転走面40A(40B)は、回転軸線L2の垂直面に沿って周方向に延在する縦断面視円弧状の溝部であり、内輪30A(30B)の外周面の全周に亘って延設されている。
なお、転がり軸受22Aと同構造で下側に配置される転がり軸受22Bは、その内輪30Bの下端面が、シャフト20のフランジ部20bの上段面20d(フランジ部20bの内周部上面)に当接されており、よって、転がり軸受22Bの内輪30Bの下端面はフランジ部20bによって係止されている。
転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)は、内輪30A(30B)を囲繞すると共に回転軸線L2を中心にして軸方向に延在する円筒形状の筒体であり、内輪30A(30B)の径方向外側に間隔をあけて周設されている。
この外輪31A(31B)の径方向の内端部には、軸方向の一端部(外輪31Aにおいては図2における上端部、外輪31Bにおいては図2における下端部)のみに、シールド板33A(33B)が取り付けられるシールド板取付部(表示部)39A(39B)が形成されている。シールド板取付部39A(39B)は、外輪31A(31B)の内縁部分を断面視略L字状(段差状)に切り欠いた形状をなしており、外輪31A(31B)の全周に亘って形成されている。
図3に示すように、このシールド板取付部39A(39B)の周壁面39a(立ち上がり面)は、後述するシールド板33A(33B)の爪部36を係止するアンダーカット部であり、外輪31A(31B)の端面から軸方向中央側に向かって漸次拡径されたテーパ形状に形成されている。
図2に示すように、外輪31A(31B)の軸方向中央部の内周面には、前記した内輪30A(30B)の転走面40A(40B)に対向して、転動体32A(32B)が転動可能に嵌め込まれる湾曲溝形状の転走面41A(41B)が形成されている。この転走面41A(41B)は、回転軸線L2の垂直面に沿って周方向に延在する縦断面視円弧状の溝部であり、外輪31A(31B)の内周面の全周に亘って延設されている。また、外輪31A(31B)の転走面41A(41B)は、縦断面視において上記した内輪30A(30B)の転走面40A(40B)を反転させた形状に形成されている。
なお、転がり軸受22Aと同構造で下側に配置される転がり軸受22Bは、その外輪31Bの下端面が、シャフト20のフランジ部20bから離間されており、よって、転がり軸受22Bの外輪31Bの下端面は係止されていない。
転動体32A(32B)は、球体(ボール)であり、前記した内輪30A(30B)の転走面40A(40B)と外輪31A(31B)の転走面41A(41B)との間に介在されており、これらの転走面40A,41A(40B,41B)によって径方向両側から回転可能に挟持されている。転動体32A(32B)の半径は、上記した転走面40A,41A(40B,41B)の縦断面視形状の曲率半径よりも若干小さくなっている。
また、転動体32A(32B)は、周方向に間隔をあけて複数並設されており、これら転動体32A(32B)は、図示しない保持器(リテーナー)によって転動可能に保持されており、その数は2以上の素数である7個とされている。
シールド板33A(33B)は、転がり軸受22A(22B)の軸方向の一側のみに設けられている。シールド板33A(33B)は、環状空間34A(34B)を内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)の外端部側(スリーブ21の開口部側)から塞ぐ平面視円環状の塞ぎ板であり、外周部が上記したシールド板取付部39A(39B)に嵌合されることで外輪31A(31B)に装着されている。また、シールド板33A(33B)の内周部は内輪30A(30B)から離間されており、これにより、内輪30A(30B)と外輪31A(31B)との相対的な軸方向変位が許容されている。
詳しく説明すると、図3に示すように、シールド板33A(33B)の概略構成としては、回転軸線L2に直交する面内に沿って形成された平面視円環状のシールド本体35と、該シールド本体35の外周縁部に突設された複数の爪部36と、を備えている。
シールド本体35の外周部35aは、剛性を高めるために、全周に亘って環状空間34A(34B)側に向かって突出するように段付き形成されており、その底面がシールド板取付部39A(39B)の段差面39bに載置されている。
爪部36は、シールド本体35の外周縁部から径方向外側に向けて斜めに突出した突起部であり、シールド板取付部39A(39B)のテーパ状の周壁面39aに対してアンダーカット嵌合されている。すなわち、この爪部36は、シールド本体35の外周縁部との連設部分を基点に径方向外側に向かって弾性的に折曲変形した状態で、先端がシールド板取付部39A(39B)の周壁面39aに係止されている。このように爪部36がシールド板取付部39A(39B)の周壁面39aに係止されると共にシールド本体35の外周部35aの底面がシールド板取付部39A(39B)の段差面39bに載置されることで、シールド板33A(33B)が外輪31A(31B)に嵌合される。ここで、シールド板33A(33B)には、シールド本体35の外周縁部に沿って複数の爪部36が間欠的に配設されており、複数の爪部36は、平面視において周方向に間隔をあけて均等に配設されている。
なお、上記した爪部36の数は例えば5個であり、転動体32A(32B)の数(7個)と爪部36の数(5個)とは互いに素の関係となっている。
図2に示すように、シャフト20には、転がり軸受として、シャフト20の軸方向の一方側に位置しこの一方側にシールド板33Aを備えて配置される転がり軸受22Aと、軸方向の他方側に位置しこの他方側にシールド板33Bを備えて配置される転がり軸受22Bとが装着されている。
ところで、上記した転がり軸受22Aの内輪30A及び転がり軸受22Bの内輪30Bには、シャフト20の軸方向に予圧が付与されており、その結果、転がり軸受22Aの内輪30Aの転走面40Aと転がり軸受22Bの内輪30Bの転走面40Bとの軸方向の間隔T1が、転がり軸受22Aの外輪31Aの転走面41Aと転がり軸受22Bの外輪31Bの転走面41Bとの軸方向の間隔T2よりも小さくなっている。
言い換えれば、転がり軸受22Aの内輪30Aの転走面40Aと転がり軸受22Bの内輪30Bの転走面40Bとの軸方向の間隔T1が、転がり軸受22Aの外輪31Aの転走面41Aと転がり軸受22Bの外輪31Bの転走面41Bとの軸方向の間隔T2よりも小さくなるように、転がり軸受22Aと転がり軸受22Bとには、それぞれ規定の方向に予圧が付与されている。詳しくは、図2に矢印で示すように、転がり軸受22Aでは、内輪30Aの軸方向の識別溝38Aが形成された側から転動体32Aを介して外輪31Aのシールド板取付部39Aが形成されていない側への規定の方向に予圧が付与されており、転がり軸受22Bでも、内輪30Bの軸方向の識別溝38Bが形成された側から転動体32Bを介して外輪31Bのシールド板取付部39Bが形成されていない側への規定の方向に予圧が付与されている。
(転がり軸受の第1実施形態)
転がり軸受22A(22B)には、上記したように、内輪30A(30B)の軸方向の識別溝38A(38B)が形成された側から外輪31A(31B)の軸方向のシールド板取付部39A(39B)が形成されていない側への規定の方向に予圧が付与されることになり、これにより、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)よりも一の軸方向外側のみに形成された識別溝38A(38B)は、この規定の方向を判別可能とする。また、転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)の転走面41A(41B)よりも一の軸方向外側のみに形成されたシールド板取付部39A(39B)も、識別溝38A(38B)と同側に形成されており、上記予圧の規定の方向を判別可能とする。さらに、転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)の軸方向の一側のみに装着されたシールド板33A(33B)も、識別溝38A(38B)と同側に配置されており、上記予圧の規定の方向を判別可能とする。
予圧付与時に、転がり軸受22A(22B)の内輪30A(30B)の転走面40A(40B)と転動体32A(32B)との接触点60A(60B)は、転がり軸受22A(22B)の内輪30A(30B)の転走面40A(40B)の軸方向中央部40a(40b)よりも識別溝38A(38B)側に位置している。また、転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)の転走面41A(41B)と転動体32A(32B)との接触点61A(61B)は、転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)の転走面41A(41B)の軸方向中央部41a(41b)よりもシールド板取付部39A(39B)とは反対側に位置している。
転がり軸受22A(22B)には、上記したように、内輪30A(30B)の軸方向の識別溝38A(38B)が形成された側から外輪31A(31B)の軸方向のシールド板取付部39A(39B)が形成されていない側への規定の方向に予圧が付与されることになる。図3に示すように、転がり軸受22A(22B)の内輪30A(30B)の転走面40A(40B)には、このように規定の方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点60A(60B)を含むように接触点60A(60B)を中心とした両側所定範囲に、表面粗さが転走面40A(40B)内で最も細かい細面領域40Aa(40Ba)が形成されている。この細面領域40Aa(40Ba)は、内輪30A(30B)の軸方向の一定位置にて周方向の全域に連続するように転走面40A(40B)に形成されている。
そして、転走面40A(40B)において、細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)側に隣り合って、細面領域40Aa(40Ba)よりも表面粗さが粗い粗面領域40Ab(40Bb)が形成されており、細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)とは反対側に隣り合って、細面領域40Aa(40Ba)よりも表面粗さが粗く粗面領域40Ab(40Bb)よりも表面粗さが細かい中間粗さ領域40Ac(40Bc)が形成されている。また、中間粗さ領域40Ac(40Bc)の識別溝38A(38B)とは反対側に隣り合って、粗面領域40Ab(40Bb)よりもさらに表面粗さが粗い最粗面領域40Ad(40Bd)が形成されている。これら粗面領域40Ab(40Bb)、中間粗さ領域40Ac(40Bc)及び最粗面領域40Ad(40Bd)もそれぞれ、内輪30A(30B)の軸方向の一定位置にて周方向の全域に連続するように転走面40A(40B)に形成されている。
以上により、転がり軸受22A(22B)に規定の方向に予圧が付与された場合に、転動体32A(32B)が転走面40A(40B)の細面領域40Aa(40Ba)に接触し、粗面領域40Ab(40Bb)、中間粗さ領域40Ac(40Bc)及び最粗面領域40Ad(40Bd)に接触することはない。このように、転がり軸受22A(22B)では、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)における識別溝38A(38B)側、言い換えればシールド板33A(33B)側に細面領域40Aa(40Ba)が形成されている。
また、転がり軸受22A(22B)の外輪31A(31B)の転走面41A(41B)には、上記のように規定の方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点61A(61B)を含むように接触点61A(61B)を中心とした両側所定範囲に、表面粗さが転走面41A(41B)内で最も細かい細面領域41Aa(41Ba)が形成されている。この細面領域41Aa(41Ba)は、外輪31A(31B)の軸方向の一定位置にて周方向の全域に連続するように転走面41A(41B)に形成されている。
そして、転走面41A(41B)において、細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)とは反対側に隣り合って、細面領域41Aa(41Ba)よりも表面粗さが粗い粗面領域41Ab(41Bb)が形成されており、細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)側に隣り合って、細面領域41Aa(41Ba)よりも表面粗さが粗く粗面領域41Ab(41Bb)よりも表面粗さが細かい中間粗さ領域41Ac(41Bc)が形成されている。また、中間粗さ領域41Ac(41Bc)のシールド板取付部39A(39B)側に隣り合って、粗面領域41Ab(41Bb)よりもさらに表面粗さが粗い最粗面領域41Ad(41Bd)が形成されている。これら粗面領域41Ab(41Bb)、中間粗さ領域41Ac(41Bc)及び最粗面領域41Ad(41Bd)もそれぞれ、外輪31A(31B)の軸方向の一定位置にて周方向の全域に連続するように転走面41A(41B)に形成されている。
以上により、転がり軸受22A(22B)に規定の方向に予圧が付与された場合に、転動体32A(32B)が転走面41A(41B)の細面領域41Aa(41Ba)に接触し、粗面領域41Ab(41Bb)、中間粗さ領域41Ac(41Bc)及び最粗面領域41Ad(41Bd)に接触することはない。このように、転がり軸受22A(22B)では、外輪31A(31B)の転走面41A(41B)におけるシールド板取付部39A(39B)とは反対側、言い換えればシールド板33A(33B)とは反対側に細面領域41Aa(41Ba)が形成されている。
具体的に、細面領域40Aa,41Aa,40Ba,41Baは中心線平均粗さRaが0.03μm以下であり、粗面領域40Ab,41Ab,40Bb,41Bbは中心線平均粗さRaが0.035μmより大きく0.04μm以下であり、中間粗さ領域40Ac,41Ac,40Bc,41Bcは中心線平均粗さRaが0.03μmより大きく0.035μm以下であり、最粗面領域40Ad,41Ad,40Bd,41Bdは中心線平均粗さRaが0.04μmより大きくなっている。
(超仕上げ砥石の第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の超仕上げ用砥石52について説明する。
図6に示すように、超仕上げ用砥石52は、一側に粗目加工部53を有し他側に精研用の細目加工部54を有する二層構造になっており、加工を行う研磨部55が、これらの積層方向に対し直交する一方向の端部にこれら粗目加工部53及び細目加工部54の両方に跨るように形成されている。その結果、研磨部55は、粗目加工部53からなる研磨面53Aと、細目加工部54からなる研磨面54Aとを有している。
研磨部55は、粗目加工部53及び細目加工部54の境界面が最も外側に位置するように湾曲する形状をなしており、研磨面53A,54Aが内輪30A(30B)の転走面40A(40B)及び図8に示す外輪31A(31B)の転走面41A(41B)の縦断面と同等の曲率半径を有する断面円弧状をなしている。研磨部55は、回転する内輪30A(30B)の転走面40A(40B)及び回転する外輪31A(31B)の転走面41A(41B)に研磨面53A,54Aにおいて押圧され、これら転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)の押圧位置の移動方向に対し交差する面内で揺動して転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)を超仕上げ加工することになる。その結果、超仕上げ用砥石52は、その揺動方向の一側に粗目加工部53を有し揺動方向の他側に細目加工部54を有している。
ここで、細目加工部54は、粗目加工部53よりも、細かい粒度の砥粒と軟らかい結合材とが用いられており、ワークである内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)の表面状態をより滑らかに仕上げることができるようになっている。具体的には、細目加工部54の砥粒の粒度は♯10000〜♯12000であり、粗目加工部53の砥粒の粒度は♯6000〜♯7000となっている。また、砥粒の種類は立方窒化ほう素(CBN)系、あるいは合成ダイヤモンド(SD)系となっている。結合材としてはビトリファイドボンドが主材として用いられ、その構成材料の配合により硬さが調整されている。なお、細目加工部54の砥粒の粒度を粗目加工部53よりも細かくしつつ同じ結合材を用いても良く、細目加工部54の結合材を粗目加工部53よりも軟らかくしつつ同じ粒度の砥粒を用いても良い。つまり、細目加工部54は、粗目加工部53よりも、ワークである内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)の転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)の表面状態をより滑らかに仕上げることができるようになっていれば良い。
(転がり軸受の製造方法の第1実施形態)
次に、上記構造の転がり軸受22A(22B)の製造方法について説明する。
内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)をそれぞれ切削加工し、その後、熱処理を行う。切削加工において内輪30A(30B)に転走面40A(40B)の下溝を、外輪31A(31B)に転走面41A(41B)の下溝を形成することになる。なお、場合によっては、下溝を形成せず、後述の粗仕上げ加工で直接転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)を形成しても良い。
熱処理後、転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)をそれぞれ全面に亘って粗仕上げ加工を施す。粗仕上げ加工では、図4に示すように、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)の形状に倣った外形形状の粗仕上げ用の砥石51を回転させると共に、内輪30A(30B)を回転させ、これらを接触させて転走面40A(40B)の全面を研磨加工することになる。同様に、図5に示すように、外輪31A(31B)の転走面41A(41B)に倣った外形形状の粗仕上げ用の砥石51を回転させると共に、外輪31A(31B)を回転させ、これらを接触させて転走面41A(41B)の全面を研磨加工することになる。
上記の粗仕上げ加工後、転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)のそれぞれに、図3に示すように規定の方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点60A(60B)及び接触点61A(61B)を含む所定の範囲だけに表面粗さが細かい細面領域40Aa(40Ba)及び細面領域41Aa(41Ba)を形成するように超仕上げ加工を施す。
この超仕上げ加工では、図6に示すように、内輪30A(30B)を回転させる一方で、超仕上げ用砥石52を、回転させずに、その研磨部55の粗目加工部53からなる研磨面53Aを、転走面40A(40B)の上記した接触点60A(60B)に対し研磨代分ずれた押圧基準位置60a(60b)に押圧する。そして、粗目加工部53を、この押圧基準位置60a(60b)の移動方向に対し交差する面内で押圧基準位置60a(60b)を中心として両側に往復揺動させる。次に、図7に示すように、細目加工部54からなる研磨面54Aを転走面40A(40B)の上記した接触点60A(60B)に対し研磨代分ずれた押圧基準位置60a(60b)に押圧する。そして、細目加工部54を、この押圧基準位置60a(60b)の移動方向に対し交差する面内で押圧基準位置60a(60b)を中心に両側に往復揺動させて表面粗さが細かい細面領域40Aa(40Ba)を形成する。このとき、粗目加工部53及び細目加工部54のいずれで加工する場合も、研磨面53A,54Aが転走面40A(40B)に沿って移動するように、転走面40A(40B)の曲率の中心Oを中心に超仕上げ用砥石52を両側に揺動させる。
このようにして粗目加工部53と細目加工部54とを有する一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらし、最初に粗目加工部53で粗目の超仕上げ加工を細面領域40Aa(40Ba)の位置に部分的に行った後、細目加工部54で細目の超仕上げ加工を細面領域40Aa(40Ba)の位置に部分的に行うことで、細面領域40Aa(40Ba)を形成する。
このように一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらして加工を行うことになるため、粗目加工部53により細面領域40Aa(40Ba)の位置を加工する際に、細目加工部54が細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)側を加工することになり、細目加工部54により細面領域40Aa(40Ba)の位置を加工する際に、粗目加工部53が細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)とは反対側を加工することになる。その結果、粗目加工部53からなる研磨面53Aのみで研磨される部分が細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)とは反対側に形成されることになり、この部分が、中間粗さ領域40Ac(40Bc)となる。また、細目加工部54からなる研磨面54Aのみで研磨される部分が細面領域40Aa(40Ba)の識別溝38A(38B)側に形成されることになり、この部分が、粗面領域40Ab(40Bb)となる。さらに、超仕上げ用砥石52で研磨されていない部分が、粗仕上げ加工で形成された最粗面領域40Ad(40Bd)となる。超仕上げ加工時には、転走面40A(40B)における識別溝38A(38B)側に、超仕上げ用砥石52が接触するように、超仕上げ用砥石52が内輪30A(30B)に対し傾斜して超仕上げ加工機にセットされる。
同様に、図8に示すように、外輪31A(31B)を回転させる一方で、超仕上げ用砥石52を、回転させずに、その研磨部55の粗目加工部53からなる研磨面53Aを転走面41A(41B)の上記した接触点61A(61B)に対し研磨代分ずれた押圧基準位置61a(61b)に押圧する。そして、粗目加工部53を、この押圧基準位置61a(61b)の移動方向に対し交差する面内で押圧基準位置61a(61b)を中心に両側に往復揺動させる。次に、図9に示すように、細目加工部54からなる研磨面54Aを転走面41A(41B)の上記した接触点61A(61B)に対し研磨代分ずれた押圧基準位置61a(61b)に押圧する。そして、細目加工部54を、この押圧基準位置61a(61b)の移動方向に対し交差する面内で押圧基準位置61a(61b)を中心として両側に往復揺動させて表面粗さが細かい細面領域41Aa(41Ba)を形成する。このとき、粗目加工部53,54のいずれで加工する場合も、研磨面53A,54Aが、転走面41A(41B)に沿って移動するように、転走面41A(41B)の曲率の中心Oを中心に超仕上げ用砥石52を両側に揺動させる。
このようにして粗目加工部53と細目加工部54とを有する一つの超仕上げ用砥石52の揺動方向の位置をずらし、最初に粗目加工部53で粗目の超仕上げ加工を細面領域41Aa(41Ba)の位置に部分的に行った後、細目加工部54で細目の超仕上げ加工を細面領域41Aa(41Ba)の位置に部分的に行うことで、細面領域41Aa(41Ba)を形成する。
このように一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらして加工を行うことになるため、粗目加工部53により細面領域41Aa(41Ba)の位置を加工する際に、細目加工部54が細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)とは反対側を加工することになり、細目加工部54により細面領域41Aa(41Ba)の位置を加工する際に、粗目加工部53が細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)側を加工することになる。その結果、粗目加工部53からなる研磨面53Aのみで研磨される部分が細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)側に形成されることになり、この部分が、中間粗さ領域41Ac(41Bc)となる。また、細目加工部54からなる研磨面54Aのみで研磨される部分が細面領域41Aa(41Ba)のシールド板取付部39A(39B)とは反対側に形成されることになり、この部分が、粗面領域41Ab(41Bb)となる。さらに、超仕上げ用砥石52で研磨されていない部分が、粗仕上げ加工で形成された最粗面領域41Ad,(41Bd)となる。この超仕上げ加工時には、転走面41A(41B)におけるシールド板取付部39A(39B)とは反対側に、超仕上げ用砥石52が接触するように超仕上げ用砥石52が外輪31A(31B)に対し傾斜して超仕上げ加工機にセットされる。
そして、上記のようにして加工が完了した内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)を、識別溝38A(38B)及びシールド板取付部39A(39B)が軸方向同側に向く姿勢として、これらの間に、複数の転動体32A(32B)を配置し、図示しない保持器で複数の転動体32A(32B)を等間隔に配置し、シールド板取付部(表示部)39A(39B)にシールド板33A(33B)を取り付ける。
(ピボット軸の製造方法)
次に、ピボット軸10の製造方法について、説明する。
まず、図2に示すシャフト20の軸芯部20aの下端部の外周面に図示しない接着剤(例えば嫌気性の接着剤)を塗布する。そして、シャフト20の軸芯部20aに転がり軸受22Bをシールド板33Bを下側にして挿通して、内輪30Bの下端面がフランジ部20bの上段面20dに当接するまで転がり軸受22Bを押し込む。
次いで、スリーブ21の上端部及び下端部の各内周面にそれぞれ図示しない接着剤を塗布した後、シャフト20の軸芯部20aにスリーブ21を挿通して、スペーサ部21aの下端面が転がり軸受22Bの外輪31Bの上端面に当接するまでスリーブ21を押し込む。
次いで、転がり軸受22Aをシャフト20の軸芯部20aにシールド板33Aを上側にして挿通させながら、シャフト20の軸芯部20aとスリーブ21との間に画成された円環状の空間内に転がり軸受22Aを挿入し、外輪31Aの下端面がスペーサ部21aの上端面に当接するまで転がり軸受22Aを押し込む。
次いで、転がり軸受22A及び転がり軸受22Bに対して軸方向に予圧を付与する。
即ち、図示しない押圧治具で転がり軸受22Aの内輪30Aを転がり軸受22B側に向けて所定圧力で押圧しながら、転がり軸受22A及び転がり軸受22Bをシャフト20及びスリーブ21に固定する。
上述したように内輪30Aが押圧治具により押圧されると、転がり軸受22Aの内輪30Aの転走面40Aと転動体32Aとは転走面40Aの軸方向中央部40aより転がり軸受22Bとは反対側(上側)で点接触する(細面領域40Aa内の接触点60A)。また、外輪31Aの転走面41Aと転動体32Aとは、転走面41Aの軸方向中央部41aよりも転がり軸受22B側(下側)で点接触する(細面領域41Aa内の接触点61A)。従って、予圧方向が、図2に示す矢印方向となる。
一方、転がり軸受22Bの内輪30Bがフランジ部20b側から押圧されることになるため、転がり軸受22Bの内輪30Bの転走面40Bと転動体32Bとは転走面40Bの軸方向中央部40bよりもフランジ部20b側(下側)で点接触する(細面領域40Ba内の接触点60B)。また、外輪31Bの転走面41Bと転動体32Bとは転走面41Bの軸方向中央部41bよりも転がり軸受22A側(上側)で点接触する(細面領域40Ba内の接触点61B)。従って、予圧方向が、図2に示す矢印方向となる。
以上により、転がり軸受22A及び転がり軸受22Bに予圧が付与され、ピボット軸10が完成する。
以上に述べた超仕上げ用砥石52によれば、揺動方向の一側に設けられた粗目加工部53で粗目仕上げを行った後、揺動方向の他側に設けられた細目加工部54で細目仕上げを行うことができる。よって、砥石交換なしで超仕上げの粗目仕上げと細目仕上げとを行うことができる。従って、生産効率を向上することができる。
また、超仕上げ用砥石52は、細目加工部54が粗目加工部53よりも砥粒の粒度が細かく、細目加工部54が粗目加工部53よりも結合材が軟らかいため、揺動方向の一側に粗目加工部53を揺動方向の他側に細目加工部54をそれぞれ容易に形成することができる。
また、上記した転がり軸受22A,22Bの製造方法によれば、揺動方向の一側に粗目加工部53を有し揺動方向の他側に細目加工部54を有する超仕上げ用砥石52を用いて、その粗目加工部53で粗目仕上げを行った後、細目加工部54で細目仕上げを行うことになる。よって、砥石交換なしで超仕上げの粗目仕上げと細目仕上げとを行うことができる。従って、生産効率を向上することができる。
また、上記した転がり軸受22A(22B)によれば、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)及び外輪31A(31B)の転走面41A(41B)に、転動体32A(32B)が接触する表面粗さが細かい細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)に比べて粗さが粗い粗面領域40Ab,41Ab(40Bb,41Bb)、中間粗さ領域40Ac,41Ac(40Bc,41Bc)及び最粗面領域40Ad,41Ad(40Bd,41Bd)を設けることになるため、転走面40A,41A(40B,41B)の全面を表面粗さが細かい細面領域にする場合と比べて、細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)を形成するための加工時間が短くなる。従って、生産効率を向上し、製造コストを低減することができる。また、細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)を加工するための超仕上げ用砥石52の使用量を減らすことができる。加えて、粗面領域40Ab,41Ab(40Bb,41Bb)、中間粗さ領域40Ac,41Ac(40Bc,41Bc)及び最粗面領域40Ad,41Ad(40Bd,41Bd)を設けることによりグリスの保持力が向上し、グリスの外部漏れが抑制され、耐久性が向上する。
また、規定の予圧の方向に応じた範囲のみに細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)を設けるため、表面粗さが細かい細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)を形成する加工の加工時間をさらに短くできる。従って、生産効率をさらに向上することができる。また、細面領域40Aa,41Aa(40Ba,41Ba)を加工するための超仕上げ用砥石52の使用量をさらに減らすことができる。加えて、内輪30A(30B)及び外輪31A(31B)が識別溝38A(38B)及びシールド板取付部39A(39B)によって予圧の規定方向を判別可能となるため、方向性があっても、超仕上げ加工機への取付時に適正な方向に取り付けることが容易となり、転がり軸受22A(22B)への組み上げも容易となる。加えて、識別溝38A(38B)、シールド板取付部39A(39B)及びシールド板33A(33B)によって予圧の規定方向を判別可能となるため、シャフト20への転がり軸受22A(22B)の方向性のある組み付けも容易となる。
また、転がり軸受22A及び転がり軸受22Bを備えたピボット軸10によれば、上記のように、製造コストが低減された転がり軸受22A及び転がり軸受22Bを用いるため、ピボット軸10の製造コストを低減することができる。加えて、グリスの保持力が向上し耐久性が向上した転がり軸受22A及び転がり軸受22Bを用いるため、ピボット軸10の耐久性が向上する。
また、上記したピボット軸10を備えた情報記録再生装置1によれば、製造コストが低減されたピボット軸10を有するため、製造コストを低減することができ、耐久性を向上したピボット軸10を有するため、耐久性が向上する。加えて、転がり軸受22A及び転がり軸受22Bのグリスの保持力が向上し、グリスの外部漏れが抑制されるため、ディスクDへのグリスの付着等も抑制でき、信頼性を向上できる。
なお、転がり軸受22A(22B)として、以下の第2実施形態を採用することも可能である。
(転がり軸受の第2実施形態)
識別溝を設けない場合や、シールド板取付部がなかったり、シールド板取付部が両側にあったり等、規定の予圧の方向を判別可能にできない場合には、図10に示すように、転がり軸受22A(22B)が、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)に、一方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点60A(60B)と逆方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点60A’(60B’)とを含んで、これらを結ぶ全範囲に細面領域40Aa’(40Ba’)を設ける。このとき、細面領域40Aa’(40Ba’)を、接触点60A(60B)の接触点60A’(60B’)とは反対側及び接触点60A’(60B’)の接触点60A(60B)とは反対側にそれぞれ所定幅延出させる。この場合、細面領域40Aa’(40Ba’)の一方側及び他方側に隣り合って均等な面積の粗面領域40Ab(40Bb)及び中間粗さ領域40Ac’(40Bc’)が設けられることになり、最粗面領域は設けられない。
同様に、外輪31A(31B)の転走面41A(41B)に、一方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点61A(61B)と逆方向に予圧が付与された場合に転動体32A(32B)が接触する位置である接触点61A’(61B’)とを含んで、これらを結ぶ全範囲に細面領域41Aa’(41Ba’)を設ける。このとき、細面領域41Aa’(41Ba’)を、接触点61A(61B)の接触点61A’(61B’)とは反対側及び接触点61A’(61B’)の接触点61A(61B)とは反対側にそれぞれ所定幅延出させる。この場合、細面領域41Aa’(41Ba’)の一方側及び他方側に隣り合って均等な面積の粗面領域41Ab(41Bb)及び中間粗さ領域41Ac’(41Bc’)が設けられることになり、最粗面領域は設けられない。
これにより、一方向に予圧が付与されても逆方向に予圧が付与されても、転動体32A(32B)が内輪30A(30B)の転走面40A(40B)の細面領域40Aa’(40Ba’)及び外輪31A(31B)の転走面41A(41B)の細面領域41Aa’(41Ba’)に接触することになる。よって、取付時に方向性を考慮する必要がなくなる。
(転がり軸受の製造方法の第2実施形態)
第2実施形態の転がり軸受22A(22B)を製造する場合、転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)の細面領域40Aa’(40Ba’)及び細面領域41Aa’(41Ba’)の範囲で、超仕上げ用砥石52の粗目加工部53を往復揺動させた後、細目加工部54を揺動させて細面領域40Aa’(40Ba’)及び細面領域41Aa’(41Ba’)を形成することになる。
この場合、内輪30A(30B)の転走面40A(40B)に、一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらして加工を行うことになるため、図11に示すように、粗目加工部53により、細面領域40Aa’(40Ba’)の位置である転走面40A(40B)の中央を加工する際に、細目加工部54が転走面40A(40B)の一端側を加工することになり、この部分が、粗面領域40Ab(40Bb)となる。また、図12に示すように、細目加工部54により、細面領域40Aa’(40Ba’)の位置である転走面40A(40B)の中央を加工する際に、粗目加工部53が転走面40A(40B)の他端側を加工することになり、この部分が、中間粗さ領域40Ac’(40Bc’)となる。
同様に、外輪31A(31B)の転走面41A(41B)にも、一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらして加工を行うことになるため、図13に示すように、粗目加工部53により、細面領域41Aa’(41Ba’)の位置である転走面41A(41B)の中央を加工する際に、細目加工部54が転走面41A(41B)の一端側を加工することになり、この部分が、粗面領域41Ab(41Bb)となる。また、図14に示すように、細目加工部54により、細面領域41Aa’(41Ba’)の位置である転走面41A(41B)の中央を加工する際に、粗目加工部53が転走面41A(41B)の他端側を加工することになり、この部分が、中間粗さ領域41Ac’(41Bc’)となる。
なお、転走面40A(40B)及び転走面41A(41B)について、それぞれの全面を、一つの超仕上げ用砥石52の位置をずらして粗目加工部53による粗目の超仕上げ加工及びこれに続く細目加工部54による細目の超仕上げ加工を行って、全面を細面領域とすることも可能である。
1 情報記録再生装置
2 キャリッジ
2a アーム部
5 ヘッドジンバルアッセンブリ
6 アクチュエータ
7 スピンドルモータ(回転駆動部)
10 ピボット軸(軸受装置)
20 シャフト
21 スリーブ
22A 転がり軸受(第一及び第二転がり軸受の一方)
22B 転がり軸受(第一及び第二転がり軸受の他方)
30A 内輪(ワーク)
30B 内輪(ワーク)
31A 外輪(ワーク)
31B 外輪(ワーク)
32A 転動体
32B 転動体
33A シールド板
33B シールド板
34A 環状空間
34B 環状空間
38A 識別溝(表示部)
38B 識別溝(表示部)
39A シールド板取付部(表示部)
39B シールド板取付部(表示部)
40A 転走面
40Aa 細面領域
40Aa’ 細面領域
40Ab 粗面領域
40Ac 粗面領域
40Ac’ 粗面領域
40B 転走面
40Ba 細面領域
40Ba’ 細面領域
40Bb 粗面領域
40Bc 粗面領域
40Bc’ 粗面領域
41A 転走面
41Aa 細面領域
41Aa’ 細面領域
41Ab 粗面領域
41Ac 粗面領域
41Ac’ 粗面領域
41B 転走面
41Ba 細面領域
41Ba’ 細面領域
41Bb 粗面領域
41Bc 粗面領域
41Bc’ 粗面領域
52 超仕上げ用砥石
53 粗目加工部
54 細目加工部
60A 接触点
60a 押圧基準位置
60A’ 接触点
60B 接触点
60b 押圧基準位置
60B’ 接触点
61A 接触点
61a 押圧基準位置
61A’ 接触点
61B 接触点
61b 押圧基準位置
61B’ 接触点

Claims (10)

  1. 回転するワークに押圧され、該ワークの押圧位置の移動方向に対し交差する面内で揺動して超仕上げを行う超仕上げ用砥石において、
    前記揺動方向の一側に粗目加工部を有し前記揺動方向の他側に細目加工部を有することを特徴とする超仕上げ用砥石。
  2. 請求項1に記載の超仕上げ用砥石において、
    前記細目加工部は前記粗目加工部よりも砥粒の粒度が細かいことを特徴とする超仕上げ用砥石。
  3. 請求項1又は2に記載の超仕上げ用砥石において、
    前記細目加工部は前記粗目加工部よりも結合材が軟らかいことを特徴とする超仕上げ用砥石。
  4. 内輪と、該内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体とを備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面に、前記転動体が転動可能に嵌め込まれる溝形状の転走面が形成されてなる転がり軸受を、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超仕上げ用砥石を用いて加工する転がり軸受の製造方法であって、
    前記転走面を前記粗目加工部で加工した後に前記細目加工部で加工することを特徴とする転がり軸受の製造方法。
  5. 内輪と、該内輪を囲繞する外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に保持された複数の転動体とを備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面に、前記転動体が転動可能に嵌め込まれる溝形状の転走面が形成された転がり軸受において、
    前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面は、表面粗さが細かい細面領域と、該細面領域の一方に隣り合う該細面領域よりも表面粗さが粗い中間粗さ領域と、前記細面領域の他方に隣り合う前記中間粗さ領域よりも表面粗さが粗い粗面領域と、を有し、前記転動体が前記細面領域に接触することを特徴とする転がり軸受。
  6. 請求項5に記載の転がり軸受において、
    前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面には、規定の方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置に前記細面領域が設けられており、
    前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれか一方に前記規定の方向が判別可能となる表示部が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  7. 請求項5に記載の転がり軸受において、
    前記内輪の前記転走面及び前記外輪の前記転走面には、一方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置から逆方向に予圧が付与された場合に前記転動体が接触する位置まで、前記細面領域が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  8. 請求項5に記載の転がり軸受の前記内輪がシャフトに外嵌されてなることを特徴とする軸受装置。
  9. 請求項8に記載の軸受装置において、
    前記転がり軸受には、前記内輪と前記外輪との間の環状空間を塞ぐ環状のシールド板がアキシアル方向の一側に設けられ、
    前記シャフトに、前記転がり軸受として、アキシアル方向の一方側に位置し該一方側に前記シールド板を備えて配置される第一転がり軸受と、アキシアル方向の他方側に位置し該他方側に前記シールド板を備えて配置される第二転がり軸受とが、アキシアル方向に予圧が付与されることにより、前記第一転がり軸受の前記内輪の前記転走面と前記第二転がり軸受の前記内輪の前記転走面とのアキシアル方向の間隔が前記第一転がり軸受の前記外輪の前記転走面と前記第二転がり軸受の前記外輪の前記転走面とのアキシアル方向の間隔よりも小さくなって装着されることになり、
    前記第一転がり軸受及び前記第二転がり軸受は、前記外輪の前記転走面における前記シールド板とは反対側に前記細面領域が形成され、前記内輪の前記転走面における前記シールド板側に前記細面領域が形成されていることを特徴とする軸受装置。
  10. 請求項8に記載の軸受装置と、
    前記外輪に外嵌されて該外輪と共に前記シャフトの軸線回りを回動自在とされ、ヘッドジンバルアッセンブリを支持するアーム部を有するキャリッジと、
    磁気記録媒体を回転させる回転駆動部と、
    前記キャリッジを回動させ、前記ヘッドジンバルアッセンブリを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
    を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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