JP2004261797A - 吸水剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 毛管吸引力と液透過性の両方の性能を併せ持つ吸水剤を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる吸水剤は、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた、表面架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)および液透過性向上剤(β)を含む粒子状吸水剤であって、該粒子状吸水剤の質量平均粒子径が234〜394μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、無加圧下吸収倍率が15g/g以上、水可溶成分が15質量%以下であり、液透過性向上剤(β)の含有量が該吸水性樹脂粒子(α)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸水剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の質量平均粒子径・粒度分布に調整された吸水性樹脂粒子(α)の表面を架橋剤で改質することおよび液透過性向上剤(β)を含むことで得られる吸水剤であって、優れた毛管吸引力と液透過性を兼ね備えた吸水剤に関する。
現在、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とした吸水性樹脂(吸水剤)およびパルプ等の親水性繊維が幅広く使用されている。上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋重合体等が主原料として用いられている。
近年、これら紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料は、高機能かつ薄型化が進み、衛生材料一枚あたりの吸水性樹脂の使用量や、吸水性樹脂と親水性繊維等からなる吸収体全体に対する吸水性樹脂の質量%が増加する傾向にある。つまりかさ比重の小さい親水性繊維を少なくし、吸水性に優れかつかさ比重の大きい吸水性樹脂を多く使用することにより、吸収体における吸水性樹脂の比率を高め、これにより吸水量を低下させることなく衛生材料の薄型化を図っている。
(1)通液・拡散性
しかしながら、このように親水性繊維の比率を低くし、吸水性樹脂を増加させた衛生材料は単純に液体を貯蔵するという観点からは好ましい方向であるが、実際のおむつの使用状況における液体の分配・拡散を考えた場合には、むしろ問題が生じてくる。多量の吸水性樹脂は吸水により膨潤し、柔らかいゲル状となり、いわゆるゲルブロッキングという液の通液・拡散を大きく妨げる現象をひき起こす。この通液・拡散性を改善する技術として、例えば、以下のような技術が知られている。
食塩水流れ誘導性(SFC)値が少なくとも約30(10−7・cm・s・g−1)であり、圧力下性能(PUP)容量値が0.7psi(5kPa)の閉じ込め圧下で少なくとも23g/gであり、坪量が少なくとも約10gsmであるヒドロゲル形成吸収性重合体を用いる方法が知られている(特許文献1)。
吸水性樹脂の濃度が少なくとも40質量%であり、食塩水流れ誘導性(SFC)値が少なくとも約30(10−7・cm・s・g−1)であり、圧力下性能(PUP)容量値が0.7psi(5kPa)の閉じ込め圧下で少なくとも23g/gである吸収構造体が知られている(特許文献2)。
吸収体において、ゲル層透過性(GLP)が少なくとも4(10−7・g−1)の吸水性樹脂を上層に用い、50g/cmの圧力下での加圧下吸収倍率(AAP)が少なくとも15(g/g)の吸水性樹脂を下層に用いる方法が知られている(特許文献3)。
ポリカチオンを吸水性樹脂に共有結合させる方法が知られている(特許文献4)。
水に不溶で、水に対して膨潤性の重合体を含んでなる複数の吸収性ゲル形成粒子、および尿の中に含まれる少なくとも1種の成分と反応し得る吸収性改良重合体の混合物を含んでなる吸収性材料が知られている(特許文献5)。
球形と球形でない吸水性樹脂の混合物を用いる方法が知られている(特許文献6)。
食塩水流れ誘導性(SFC)値が少なくとも5(10−7・cm・s・g−1)であり、透過性維持剤を含む吸水性樹脂を用いる方法が知られている(特許文献7)。
ヒドロゲル吸収性ポリマーの連続領域により包囲された区域を有する吸収性構造体が知られている(特許文献8)。
少なくとも約0.18g/g/secの動的ゲル化速度、0.7psi(5kPa)の拘束圧の下で少なくとも約25g/gの圧力下性能(PUP)能力値、およびヒドロゲル形成吸収性ポリマーが粒子の形態で存在するとき、少なくとも約100μmのマスメジアン粒子サイズを有するヒドロゲル形成吸収性ポリマーが知られている(特許文献9)。
吸収ゲル化材料の全体の質量の55%乃至100%、好ましくは60%乃至90%が後方の半分の部分に配置されている吸水材が知られている(特許文献10)。
流体獲得帯域を有する吸収性部材が知られている(特許文献11)。
加圧下吸収倍率が30g/g以上であり、且つゲル層通液速度が100秒以下である、吸水性樹脂が知られている(特許文献12)。
架橋重合粒子を嵩比重が0.72g/ml以上に増大するまで研磨する工程を含む方法が知られている(特許文献13)。
吸水性樹脂をポリオールとカチオンを含む表面処理剤で表面処理する方法が知られている(特許文献14)。
吸水性樹脂をポリオールを除く有機架橋化合物とカチオンを含む表面処理剤で表面処理する方法が知られている(特許文献15)。
不飽和アミノアルコールで架橋された水膨潤性ポリマーが知られている(特許文献16)。
生理食塩水流れ誘導性(SFC)が少なくとも40(10−7・cm・s・g−1)、0.7psi(4826.5Pa)でのAULが少なくとも20g/g以上、Frangibility Index(FI)が少なくとも60%であるハイドロゲル形成ポリマーが知られている(特許文献17)。
stericもしくは静電的なスペーサーでコートされた0.7psiでのAULが少なくとも20g/g、ゲル強度が少なくとも1600Paの水不溶性水膨潤性ハイドロゲルが知られている(特許文献18)。
しかし、上記特許文献1〜18に記載された従来の吸水性樹脂は高い液透過性を有した場合、膨潤したゲル粒子間の隙間が大きくなり、毛管吸引力の低下を招いてしまう。毛管吸引力の低下は、衛生材料の表層に吸水性樹脂に取り込まれずに残る残存液が増加し、ドライタッチ性の低下や装着時の不快感、かぶれなど皮膚疾患を招く原因となる。このような問題を避け、吸収体の吸収特性を維持するためには親水性繊維と吸水性樹脂の比率はおのずと制限され、衛生材料の薄型化にも限界が生じてくる。
つまり、従来の技術では液透過性を追及しているが、それによって失われる毛管吸引力には注目されていなかった。また、これまでの技術では、粒度分布が通液と毛管吸引力の非常に重要な因子であるにも関わらず、それについての粒度分布と液透過性や毛管吸引力との関係の詳しい説明がなされていなかった。特に、液透過性と毛管吸引力の双方に優れる粒度分布や、その粒度分布を達成するための手段についても、ほとんど詳細な説明はされていないのが現状である。
(2)粒度
また、粒度分布が制御された吸水性樹脂や吸水性樹脂の粒度分布を制御するような技術としては、例えば、以下のような技術が知られている。
質量メジアン粒径が400〜700μmである高分子ゲル化剤を含む吸収性物品が知られている(特許文献19)。
平均粒径が100〜600μm、粒径分布が対数標準偏差σζ0.35以下の含水ゲル状重合体が知られている(特許文献20)。
297μmの開口部を持つ篩を通過し、105μmの開口部を持つ篩上に捕捉されるような大きさの粒子が少なくとも80%以上である水不溶性で吸収性でヒドロゲルを形成する重合体材料粒子が知られている(特許文献21)。
比表面積50〜450m/mgで且つ親水性度70%以上の親水性二酸化ケイ素微粉末を含む吸水性樹脂粒子が知られている(特許文献22)。
しかし、上記特許文献19〜22などに挙げられた技術は、いずれも液透過性と毛管吸引力の双方に優れた吸水剤を得るために特化した粒度分布を達成するためものではなく、またその範囲も広く、無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率も異なるため、上記の技術から液透過性と毛管吸引力の双方に優れた吸水剤を得ることは困難であった。
国際公開第95/26209号パンフレット 欧州特許第0951913号明細書 欧州特許第0640330号明細書 国際公開第97/12575号パンフレット 国際公開第95/22356号パンフレット 国際公開第98/06364号パンフレット 国際公開第2001/066056号パンフレット 国際公開第97/25013号パンフレット 国際公開第98/47454号パンフレット 国際公開第96/01608号パンフレット 国際公開第97/34558号パンフレット 特開2001−89527号公報 欧州特許第1029886号 国際公開第2000/53644号パンフレット 国際公開第2000/3664号パンフレット 米国特許第6087450号明細書 米国特許第6414214号明細書 米国公開第2002/128618号明細書 米国特許第5051259号明細書 欧州特許第0349240号明細書 欧州特許第0579764号明細書 欧州特許第0629411号明細書
前記特許文献1〜22などの従来技術の吸水性樹脂および/または吸水剤は、液透過性が改良されているが、それと同時に毛管吸引力の低下という性能の低下を引き起こしている。これによって、衛材等などの構成材である吸水体中での拡散性・液透過性は改善されるものの、逆にドライ性や、液保持性が低下するという性能低下を引き起こしており、必ずしも満足すべきものではなかった。つまり、一方の性能を向上させても、もう一方の性能が低下するという問題が発生していた。この問題を解決するために、液透過性と毛管吸引力の両方の性能を併せ持つ、吸水剤の登場が期待されていた。
すなわち本発明は、毛管吸引力と液透過性の両方の性能を併せ持つ吸水剤を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の6点が前記課題を達成するために重要であることを見出した。
(1)質量平均粒子径を300μm前後として、粒度分布の対数標準偏差によって表される粒度分布を特定の範囲に制御すること。
液透過性と毛管吸引力は相反する性質を有しており、300μm前後を境にそれぞれの性能が大きく変化する。よって、前記の範囲の質量平均粒子径・粒度分布の対数標準偏差とすることで、液透過性と毛管吸引力の両方の性能を併せ持つ吸水剤を得ることができる。
(2)無加圧下吸収倍率が15g/g以上(好ましくは15g/g以上、33g/g未満であり、より好ましくは17g/g以上、31g/g未満であり、さらに好ましくは19g/g以上、29g/g未満であり、最も好ましくは23g/g以上、28g/g未満)であること。
CRCが15g/g未満では無加圧下吸収倍率が低すぎて、実使用の上で好ましくない。また、CRCが33g/g未満の範囲、好ましくは29g/g未満の範囲において、液透過性向上剤(β)の効果が特に著しく表れる。
(3)水可溶成分が15質量%以下であること。
本発明において水可溶成分が15質量%を超えると、発明の効果が得られないおそれがあるばかりか、吸水体として使用した場合の性能を低下させるおそれもある。また、安全性の観点からも好ましくない。性能低下の原因としては、吸水剤が吸水し膨潤した時に、吸水剤内部の高分子成分が溶出し、それによって液の透過が阻害されることが挙げられる。
(4)液透過性向上剤(β)を含むことにより、液透過性が向上されていること。
液透過性向上剤(β)を含むことで、液透過性が向上するため、液透過性と毛管吸引力の両方の性能を併せ持つ吸水剤を得ることができる。
(5)吸水性樹脂粒子の表面が架橋処理されていること。
吸水性樹脂粒子の表面が架橋処理されていない場合、液透過性と毛管吸引力を著しく損なうおそれがある。
(6)球形等と比較して表面積が大きい不定形破砕状粒子の形状を有すること。
不定形破砕状粒子とすることで、毛管吸引力がより高性能となり、液透過性と毛管吸引力の両方の性能を併せ持つ吸水剤を得ることができる。
これらの条件を満たすことで、従来にはなかった毛管吸引力と液透過性の両方の性能を併せ持つ吸水剤を得ることができる。
また、該吸水剤に含まれる吸水性樹脂粒子(α)の少なくとも一部が多孔質構造を有することが好ましい。
すなわち、本発明にかかる吸水剤は下記の構成からなる。
アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた、不定形破砕状粒子の表面がさらに架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)および液透過性向上剤(β)を含む粒子状吸水剤であって、
該粒子状吸水剤の質量平均粒子径が234〜394μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、無加圧下吸収倍率が15g/g以上、水可溶成分が15質量%以下であり、
液透過性向上剤(β)の含有量が該吸水性樹脂粒子(α)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲である、吸水剤。
本発明によると、特定の質量平均粒子径および粒度分布の対数標準偏差を有する吸水性樹脂粒子を、特定の吸収倍率になるまで表面架橋を行うこと、および液透過性向上剤(β)を含むことで、従来には無かった液透過性および毛管吸引力の両方の性能を併せ持つ吸水剤を提供することができる。
まず、以下で使用する略語について定義する。
CRCは無加圧下吸収倍率のことを示す。
SFCは0.69質量%生理食塩水流れ誘導性のことを示す。
CSFは0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率のことを示す。
AAPは加圧下吸収倍率のことを示す。
D50は質量平均粒子径のことを示す。
σζは粒度分布の対数標準偏差のことを示す。
生理食塩水は塩化ナトリウム水溶液を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、以下、本発明で吸水剤(好ましくは吸水性樹脂粒子(α)および液透過性向上剤(β)を含む吸水性樹脂組成物)とは、架橋構造を有する吸水性樹脂(以下、単に吸水性樹脂と呼ぶ)を主成分(好ましくは50〜100質量%(もしくは重量%、本発明では重量と質量は同様の意味であり、文中での使用は質量に統一する)、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%)として含み、吸水性樹脂をさらに架橋剤で改質(好ましくは表面改質、特に表面を架橋処理)されたもの、および、さらに他成分を含むことによって改質されたものを吸水剤と呼ぶ。
以下、本発明において、酸基含有の吸水性樹脂粒子を吸水性樹脂粒子(a)と呼び、かかる吸水性樹脂粒子(a)の中でも、さらに粒度を限定された範囲に制御したもの、例えば、質量平均粒子径234〜394μmでσζ0.25〜0.45の範囲であるものを吸水性樹脂粒子(a1)と呼ぶ。また、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた不定形破砕状粒子の表面がさらに架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子を吸水性樹脂粒子(α)と呼ぶ。
(1)吸水性樹脂粒子(a1)の製造方法
本発明で用いることのできる吸水性樹脂とは、従来から知られている吸水性樹脂のことであり、例えばイオン交換水中において、必須に自重の5倍以上、好ましくは、50倍から1000倍という多量の水を吸収し、アニオン性、ノニオン性、またはカチオン性の水不溶性ヒドロゲルを形成する従来公知の架橋重合体のことである。
これらは、一般に、不飽和単量体成分(好ましくは酸基、特に、カルボキシル基含有不飽和単量体)を重合して得られる架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤であって、単量体溶液(好ましくは単量体水溶液)の状態で重合され、必要に応じて該重合体を乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕して得られたものである。このような吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物、またはこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の1種または2種以上を挙げることができる。
これらの吸水性樹脂は、1種または混合物で用いられるが、中でも酸基含有の吸水性樹脂が好ましく、カルボン酸またはその塩であるカルボキシル基含有の吸水性樹脂の1種またはその混合物がより好ましく、典型的には、アクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とする単量体を架橋重合することにより得られる重合体、すなわち、必要によりグラフト成分を含むポリアクリル酸(塩)架橋重合体が好ましく用いられる。
また、上記吸水性樹脂としては、水膨潤性水不溶性であることが必須であり、該吸水性樹脂中の水可溶性成分(水溶性高分子)は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下のものが用いられる。
上記アクリル酸塩としては、アクリル酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができる。上記吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸0〜50モル%およびアクリル酸塩100〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%以下とする)の範囲にあるものが好ましく、アクリル酸10〜40モル%およびアクリル酸塩90〜60モル%(但し、両者の合計量は100モル%以下とする)の範囲にあるものがより好ましい。なお、この酸と塩とのモル比を中和率と呼ぶ。上記塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は重合前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよい。
本発明で用いる吸水性樹脂を得るための単量体は、必要に応じて上記アクリル酸(塩)以外の単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセトアミド等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明において、アクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合には、該アクリル酸(塩)以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸および/またはその塩の合計量に対して、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合である。上記アクリル酸(塩)以外の単量体を上記の割合で用いることにより、最終的に得られる吸水性樹脂(吸水剤)の吸収特性がより一層向上すると共に、吸水性樹脂(吸水剤)をより一層安価に得ることができる。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。かかる重合方法は、従来公知であって例えば、米国特許第4625001号明細書、米国特許第4769427号明細書、米国特許第4873299号明細書、米国特許第4093776号明細書、米国特許第4367323号明細書、米国特許第4446261号明細書、米国特許第4683274号明細書、米国特許第4690996号明細書、米国特許第4721647号明細書、米国特許第4738867号明細書、米国特許第4748076号明細書、欧州特許第1178059号明細書などに記載されている。なお、上記単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、10〜70質量%の範囲内が好ましく、20〜60質量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
水溶液重合の方法としては、双腕型ニーダー中で単量体水溶液を、得られる含水ゲルを砕きながら重合する方法や、所定の容器中や駆動するベルト上に単量体水溶液を供給し、重合して得られたゲルをミートチョッパー等で粉砕する方法等が挙げられる。
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。
さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら重合開始剤の使用量は、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.01〜0.1モル%である。これら重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂や吸水剤中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、得られる吸水性樹脂や吸水剤中の水可溶成分量が増加するので好ましくない場合がある。
また、反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよいし、さらに、上記重合開始剤を併用してもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、10〜130℃の範囲が好ましく、15〜120℃の範囲内がより好ましく、20〜100℃の範囲が特に好ましい。また、反応時間や重合圧力も特に限定されるものではなく、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
前記吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、1分子中に2個以上の重合性不飽和基および/または反応性基を有する架橋剤(吸水性樹脂の内部架橋剤)、または、環状化合物であって開環反応により1分子中に2個以上の反応性基が出現する架橋剤を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。少なくとも1種または2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、最終的に得られる吸水性樹脂や吸水剤の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
これら内部架橋剤の使用量は前記単量体(内部架橋剤を除く)に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.02〜1.0モル%、さらに好ましくは0.06〜0.30モル%、特に好ましくは0.08〜0.15モル%の範囲内とされる。上記内部架橋剤の使用量が0.001モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、充分な吸収特性が得られないおそれがある。
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加するようにすればよいが、重合前に添加することが好ましい。
尚、上記重合に際しては、反応系に、澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子0〜50質量%(対単量体)や、その他0〜10質量%(対単量体)の、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;各種界面活性剤;キレート剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤;カオリン、タルク、二酸化珪素等の無機微粒子;ポリ塩化アルミ、硫酸アルミ、硫酸マグネシウムなどの多価金属塩などを添加してもよい。
上記架橋重合体が水溶液重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち含水ゲル状架橋重合体である場合、該架橋重合体は、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕されて吸水性樹脂粒子(a)とする。また、乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂に含まれる水分量で規定され、180℃で3時間の乾燥減量で測定される。)は特に限定されないが、好ましくは室温でも流動性を示す粒子や粉末や粒子状乾燥物凝集体であり、より好ましくは含水率が0.2〜30質量%、さらに好ましくは0.3〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%の粉末状態である。含水率が高くなってしまうと、流動性が悪くなり、製造に支障をきたすばかりか、吸水性樹脂が粉砕できなくなったり、特定の粒度分布に制御できなくなったりする恐れがある。
また、本発明で用いることのできる吸水性樹脂としては、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体のものを挙げることができる。
前記の方法で得られた粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体は粉砕機によって粉砕される。粉砕されることにより吸水性樹脂粒子(a)または吸水性樹脂粒子(a1)が得られる。粉砕機は特に限定されないが、例えばロールミルのようなロール式粉砕機、ハンマーミルのようなハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッターミル、ターボグラインダー、ボールミル、フラッシュミルなどが用いられる。この中でも、粒度分布を制御するためにはロールミルが好ましい。粒度分布を制御するため連続して2回以上粉砕しても良いが、好ましくは3回以上である。2回以上粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても違っていても良い。違う種類の粉砕機を組み合わせて使うことも可能である。
粉砕された吸水性樹脂粒子(a)を特定の粒度分布に制御するため、特定の目開きの篩で分級しても良い。分級機は特に限定されないが、たとえば振動篩(アンバランスウェイト駆動式、共振式、振動モータ式、電磁式、円型振動式など)、面内運動篩(水平運動式、水平円−直線運動式、3次元円運動式など)、可動網式篩、強制攪拌式篩、網面振動式篩、風力篩、音波篩などが用いられ、好ましくは振動篩、面内運動篩が用いられる。本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)を得るためには、好ましくは篩の目開きは1000μm〜300μm、より好ましくは900μm〜400μm、最も好ましくは710μm〜450μmの範囲である。これらの範囲から外れると目的の粒度分布が得られない可能性がある。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a)を特定の粒度分布に制御するため、さらに分級することで、特定の粒子径未満の、粒子の一部またはすべてを除去しても良い。本工程において分級機は特に限定されないが、たとえば前記で例示されたものが好ましく用いられ、他には微粉型分級装置(遠心力式、慣性力式など)などが用いられる。本工程において、本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)を得るために、好ましくは粒子径が200μm未満、より好ましくは150μm未満、最も好ましくは106μm未満の粒子径である粒子の、一部またはすべてが除去される。
また、本発明では好ましくは、前記分級により除去された粒子を、造粒などによって、より大きな粒子または粒子状凝集物に再生し、本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)として用いることを可能とする造粒工程を含んでも良い。造粒工程では、微粉を再生する公知の技術が使用可能である。例えば、温水と吸水性樹脂の微粉を混合し乾燥する方法(US6228930)や、吸水性樹脂の微粉を単量体水溶液と混合し重合する方法(US5264495)、吸水性樹脂の微粉に水を加え特定の面圧以上で造粒する方法(EP844270)、吸水性樹脂の微粉を十分に湿潤させ非晶質のゲルを形成し乾燥・粉砕する方法(US4950692)、吸水性樹脂の微粉と重合ゲルを混合する方法(US5478879)などを用いることが可能であるが、好ましくは前記の温水と吸水性樹脂の微粉を混合し乾燥する方法が用いられる。また、造粒工程で得られた吸水性樹脂は、そのまま本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)としても良いし、前記粉砕および/または分級工程に戻しても良いが、目的とする吸水性樹脂粒子(a1)を得るためには、粉砕および/または分級工程に戻すことが好ましい。このように再生された吸水性樹脂粒子(a)は実質的に多孔質構造を有する。本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)中に含まれる。造粒工程によって再生された吸水性樹脂の割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上である。造粒工程によって再生された吸水性樹脂は、本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)として用いた場合、再生されていないものと比べて表面積が大きいため、より大きな毛管吸引力が得られ、性能的に有利である。
(2)吸水性樹脂粒子(a1)の特徴
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)は以下の特徴を有する。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)は、球状、繊維状、棒状、略球状、偏平状、不定形状、造粒粒子状、多孔質構造を有する粒子等、特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状のものが好ましく使用できる。また、好ましくは多孔質構造(発泡構造でもよい)を有する粒子および/または前記造粒工程で再生された吸水性樹脂粒子(a)を一部含み、その割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上である。さらに、その嵩比重(JIS K−3362で規定)は、吸水剤の優れた物性から好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲である。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)の粒径としては、質量平均粒子径が、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは100〜800μm、さらに好ましくは200〜400μm、特に好ましくは250〜380μmの範囲が好適に用いられる。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)は、(粒子径が300μm以上の粒子)/(粒子径が300μm未満の粒子)の質量比が、好ましくは80/20〜20/80の範囲であり、より好ましくは78/22〜30/70の範囲であり、75/25〜40/60であることが特に好ましい。
上記に加えて、さらに好ましい粒度分布の範囲を以下に示す。
(粒子径が300μm未満かつ150μm以上の粒子)/(粒子径が150μm未満の粒子)の質量比は、好ましくは100/0〜50/50の範囲であり、より好ましくは99.5/0.5〜65/35の範囲であり、99/1〜75/25であることが特に好ましい。
(粒子径が500μm以上の粒子)/(粒子径が500μm未満かつ300μm以上の粒子)の質量比は、好ましくは60/40〜0/100の範囲であり、より好ましくは50/50〜0/100の範囲であり、40/60〜0/100であることが特に好ましい。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂粒子(a1)は、好ましくは前記の粒度分布に調整されることで、液透過性および毛管吸引力の両方優れた、本発明の吸水剤を得ることができる。
なお、本発明で言う「粒子径が300μm以上の粒子」とは、後述する分級方法で分級された後に、測定される300μmの目開きを有するメッシュの上に残った粒子を指す。また、「粒子径が300μm未満の粒子」とは同様に後述する分級方法で分級された後に、測定される300μmの目開きを有するメッシュを通過した粒子を指す。他の目開きの大きさについても同様である(例えば850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、212μm、200μm、150μm、45μmなど)。なお、例えば、300μmの目開きを有するメッシュで粒子の50質量%が分級される場合、質量平均粒子径(D50)は300μmである。
上記の方法により得られた吸水性樹脂粒子(a1)は、無加圧下での0.9質量%生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率が、好ましくは15〜50g/g、より好ましくは20〜40g/g、最も好ましくは25〜35g/gの範囲である。この無加圧下吸収倍率などの物性は目的に応じて適宜調整されるが、15g/g未満や50g/gを超えるような場合には、本発明の吸水剤が得られなくなる恐れがある。
上記の方法により得られた吸水性樹脂粒子(a1)は、架橋構造を有しており、該吸水性樹脂粒子中の水可溶成分が、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下のものが用いられる。吸水性樹脂粒子の水可溶成分は後述の方法で測定される。
(3)吸水剤の製造方法
本発明に用いられる吸水剤は、好ましくは、前記方法により得られた吸水性樹脂粒子(a1)の表面を特定の表面架橋剤を用いて架橋処理し、液透過性向上剤(β)を添加することによって得られる。
好ましくは、無加圧下吸収倍率(CRC)が15g/g以上、33g/g未満の範囲、および/または、加圧下吸収倍率(AAP)が15〜29g/gの範囲まで表面架橋される。
本発明で好適に使用される表面架橋剤としては、吸水性樹脂中の官能基と反応しうる官能基(好ましくはカルボキシル基と脱水反応またはエステル交換反応する官能基)を、少なくとも2個有する化合物を例示することが出来る。吸水性樹脂中の官能基は、好ましくはアニオン性解離基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
このような表面架橋剤としては例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩または有機塩(例えば、アゼチジニウム塩等);
2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;
ポリアジリジン等のアジリジン化合物;
1,2−エチレンビスオキサゾリン、ビスオキサゾリン、ポリオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;
尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノン等の炭酸誘導体;
1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;
エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン;登録商標);
オキセタン化合物;
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノブロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;
亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物または塩化物または硫酸塩または硝酸塩または炭酸塩等の多価金属化合物;
等を挙げることができる。これらの1種または複数を組み合わせて使用することができる。
また、これら表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂粒子(a1)100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部の範囲であり、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内である。10質量部を越える場合には、見合っただけの性能が出ずに不経済となるばかりか、残存する表面架橋剤の量が多くなるため好ましくない。さらに、表面架橋剤の使用量が0.001質量部未満の場合には、0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が十分でない恐れがある。
また、表面架橋剤の反応をより加速し吸収特性をより向上するために、無機酸、有機酸等を用いても良い。これらの無機酸、有機酸としては硫酸、リン酸、塩酸、クエン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセリンリン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、フマル酸、プロヒオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、マロン酸、酪酸、イソ酪酸、イミジノ酢酸、リンゴ酸、イセチオン酸、シトラコン酸、アジピン酸、イタコン酸、クロトン酸、シュウ酸、サリチル酸、没食子酸、ソルビン酸、グルコン酸、p−トルエンスルホン酸等が例示される。また、欧州特許第0668080号公報に示された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸等を用いてもよい。これらの使用量は、吸水性樹脂のpH等によって異なるが、吸水性樹脂粒子(a1)100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。
本発明において吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂粒子(a1)の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂粒子(a1)の固形分100質量部に対して、0を越え、20質量部以下が好ましく、0.5質量部〜10質量部の範囲内がより好ましく、0.5〜5質量部の範囲内がさらに好ましい。
また、吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類:ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂粒子(a1)の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂粒子(a1)の固形分100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
また、吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とをより均一に混合するため、非架橋性の水溶性無機塩基類(好ましくは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、水溶性アルミニウム塩、アンモニアあるいはその水酸化物)や、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(好ましくは、炭酸水素塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩等)を、吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とを混合する際に共存させても良い。これらの使用量は、吸水性樹脂粒子(a1)の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂粒子(a1)の固形分100質量部に対して0.005〜10質量部の範囲内が好ましく、0.05〜5質量部の範囲内がより好ましい。
そして、吸水性樹脂粒子(a1)に表面架橋剤を混合する際、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂粒子(a1)を分散させた後、表面架橋剤を添加してもよいが、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解あるいは分散させた表面架橋剤を、攪拌下に、吸水性樹脂粒子(a1)に直接、噴霧若しくは滴下して添加する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な無機微粒子粉末や、水溶性の多価金属類や、界面活性剤等を共存させてもよい。
吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
吸水性樹脂粒子(a1)と表面架橋剤とを混合した後、その混合物は、加熱処理および/あるいは光照射処理をおこなわれることにより、吸水性樹脂粒子(a1)の表面が架橋され、好ましくは、無加圧下吸収倍率(CRC)が15g/g以上、33g/g未満の範囲、および/または、加圧下吸収倍率(AAP)が15〜29g/gの範囲まで表面架橋される。本発明で加熱処理を行う場合、処理時間は、1分〜180分が好ましく、3分〜120分がより好ましく、5分〜100分がさらに好ましい。処理温度は60〜250℃の範囲が好ましく、100〜210℃の範囲がより好ましく、120〜200℃の範囲がさらに好ましい。加熱温度が60℃未満では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な架橋が達成されず、目的とする吸水剤が得られなくなるおそれがある。また処理温度が250℃を越えると、得られる表面が架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)がダメージを受け、吸収倍率に優れたものが得られにくいとことがある。
前記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。加熱処理にかえて本発明において光照射処理を行う場合には、紫外線を照射することが好ましく、また、光重合開始剤を使用することができる。
前記の表面処理工程で、吸水性樹脂粒子(a1)が加熱された場合には、その吸水性樹脂粒子を冷却することが好ましい。冷却は100〜20℃の範囲までされることが好ましい。また、冷却に使用される冷却機としては、例えば上記加熱処理に用いられる乾燥機の熱媒体を冷媒体に変換したものが用いられる。
前記の工程を経て、得られた吸水剤は好ましくは、整粒工程によって粒度分布が調整されることが好ましい。
上記の本発明に係る吸水剤の製造方法においては、さらに、必要に応じて、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、金属石鹸、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールなどの親水性高分子、パラフィン、疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加する等、吸水剤や吸水性樹脂粒子に種々の機能を付与する工程を含んでいてもよい。これら添加剤の使用量は、吸水剤100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜1質量部の範囲で用いられる。
本発明でいう液透過性向上剤(β)とは、表面が架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)と液透過性向上剤(β)が混合されることによって得られる吸水剤のSFCが、添加されない吸水性樹脂粒子(α)のSFCに比べて向上する物質を示す。液透過性向上剤(β)の添加は表面処理の前、中、後のいつに行っても良い。液透過性向上剤(β)はスペーサー的な役割またはイオン的な表面架橋効果などにより、膨潤した吸水性樹脂粒子間の隙間を広げ、液透過性を向上させる効果がある。逆に毛管吸引力を低下させる効果もある。しかし、驚くべきことに特定の範囲の粒度分布に制御された本発明の吸水剤は、液透過性と毛管吸引力に優れるため、液透過性向上剤(β)を含んでも高い毛管吸引力を維持することが可能である。また、驚くべきことに特定の粒度分布に制御された本発明の吸水剤は、液透過性向上剤(β)を含んだ場合、その液透過性向上効果が従来のものと比べて著しく高い。すなわち、通常SFCは粒度分布によって大きく変化し、平均粒径が小さいほどその値は小さくなるが、本発明者らは液透過性向上剤(β)を含む吸水剤のSFCは、粒度分布がある特定の範囲であればその粒度分布に関わらず、CRCにのみ依存するという特徴を発見した。一方、液透過性向上剤(β)を含む吸水剤のCSFは粒度分布に依存するため、ある特定の粒度分布に制御された吸水剤が液透過性向上剤(β)を含むことで、SFCとCSFの両方に優れた吸水剤を得ることができた。
本発明で使用される液透過性向上剤(β)は、例えば、親水性の無機化合物が挙げられ、水不溶性親水性の無機微粒子や水溶性の多価金属塩などが好ましく用いられる。本発明でいう親水性とは例えば、EP0629411に記載されている親水性度が70%以上のものが挙げられる。本発明において、カチオン性高分子化合物(US5797893のカラム11に例示されているものなど)や疎水性の無機微粒子などは液透過性を向上させるが、吸水剤の接触角を増加させ、CSFの著しい低下を招くため、使用されることは好ましくない場合がある。吸水剤の表面張力を低下させるような界面活性剤は、CSFの著しい低下を招くため、本発明に使用されることは好ましくない。
本発明で使用される液透過性向上剤(β)が無機微粒子の場合、その粒子径は取扱い性や添加効果の点から、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。前記粒子径は、1次粒子の粒子径である場合と2次粒子(造粒物、凝集体)の粒子径である場合の両方の場合を含む。非凝集体(1次粒子)のシリカやアルミナなどのように粒子の硬度が高く、衝撃力で容易に壊れない化合物の粒子を使用する場合は、凝集体や造粒物の1次粒子の粒子径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.1μm以下である。
これら本発明で使用する液透過性向上剤(β)の具体例としては、例えば、タルク、カオリン、フラー土、ベントナイト、活性白土、重晶石、天然アスファルタム、ストロンチウム鉱石、イルメナイト、パーライトなどの鉱産物;硫酸アルミニウム14〜18水塩(または無水物)、硫酸カリウムアルミニウム12水塩、硫酸ナトリウムアルミニウム12水塩、硫酸アンモニウムアルミニウム12水塩、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物類;その他の多価金属塩、多価金属酸化物および多価金属水酸化物;親水性のアモルファスシリカ(例、乾式法:トクヤマ社 ReolosilQS−20、沈殿法:DEGUSSA社 Sipernat22S, Sipernat2200)類;酸化ケイ素・酸化アルミ・酸化マグネシウム複合体(例、ENGELHARD社 Attagel#50)、酸化ケイ素・酸化アルミニウム複合体、酸化ケイ素・酸化マグネシウム複合体などの酸化物複合体類;などを挙げる事が出来る。また、米国特許第5164459号公報、欧州特許第761241号公報などに例示されたものも使用可能である。これらの粒子の中から親水性の粒子(例えば、硫酸アルミニウム14〜18水塩や親水性のアモルファスシリカ)を選択して使用するのが好ましいが、粒子の親水性が低い場合は、粒子表面を親水性化合物で処理して親水化したものを使用すれば良い。これらのものを単独で用いても良いし、2種以上使用してもよい。
本発明で使用する液透過性向上剤(β)の混合方法としては、硫酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩やカチオン性高分子化合物を水溶液として混合する方法やスラリー状として混合する方法、粉体として混合する方法などで混合されるが、好ましくは粉体として混合する方法である。また、吸水性樹脂粒子に対する添加量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。添加量が5質量%より多くなると吸収倍率の低下を招き、0.01質量%より少ないと添加の効果が得られなくなる恐れがある。また、添加量を変えることで、吸水剤の液透過性および毛管吸引力を調整することが可能である。
吸水性樹脂粒子と液透過性向上剤(β)の混合装置は、特に大きな混合力を備える必要はなく、例えば、解砕機や篩機などで混合されても良い。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機、スタティックミキサー等が好適である。また、添加の時期は前記製法において、吸水剤が得られる前、製造中、製造後のいずれでも良いが、好ましくは表面架橋後である。
こうして得られた吸水剤は、好ましくは、下記のCRC、AAP、SFC、CSF、粒度分布、表面張力、接触角、嵩比重、水可溶分、形状、含水率などを有するものであるが、その他の方法で本発明の吸水剤を得てもよい。
また、本発明では、さらに消毒剤、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、本発明の吸水剤に種々の機能を付与させることもできる。
(4)本発明の吸水剤の特徴
本発明の吸水剤は以下の特徴を有する。
本発明の吸水剤は、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた、架橋構造を有する吸水性樹脂粒子(α)、および液透過性向上剤(β)を含む粒子状吸水剤である。
本発明の吸水剤は、吸水性樹脂中の官能基と反応しうる官能基(好ましくはカルボキシル基と脱水反応またはエステル交換反応する官能基)を、少なくとも2個有する化合物によって、表面を架橋処理されてなる粒子である。
本発明の吸水剤は、無加圧下での0.9質量%生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率(CRC)が、15g/g以上であり、好ましくは15g/g以上、33g/g未満であり、より好ましくは17g/g以上、31g/g未満であり、さらに好ましくは19g/g以上、29g/g未満であり、最も好ましくは23g/g以上、28g/g未満である。CRCが15g/g未満となると吸収倍率が低すぎるため、吸水体などに用いられた場合十分な性能が得られないおそれがあるばかりか、経済的にも不利である。また、CRCが33g/g以上となると、ゲルの吸収倍率が高くなりすぎゲルの強度が低下するため、液透過性向上剤(β)による液透過性の向上(SFCの向上)が十分でなく、目的とする性能が得られないおそれがある。本発明の吸水剤に含まれる液透過性向上剤(β)は、CRCが33g/g未満で特に効果があり、CRCが29g/g未満で著しい効果がある。
本発明の吸水剤の粒度分布は、実質、前記吸水性樹脂粒子(a1)と同様のものが好ましい。本発明の吸水剤の特徴は、液透過性と毛管吸引力の双方に優れた性能を兼ね備えていることであるが、これを達成するためには厳密に制御された粒度分布が必要となる。本発明者は液透過性と毛管吸引力が粒子径300μm前後を境に大きく変化することを発見し、本発明に利用した。すなわち、粒子径300μm前後を境に、これよりも大きな粒子径をもつ粒子は高い液透過性を有するが、毛管吸引力に劣り、これよりも小さな粒子径をもつ粒子は毛管吸引力に優れるが液透過性は著しく低下する。これを利用して、本発明者らは質量平均粒子径(D50)を300μm前後として、特定の粒度分布の対数標準偏差(σζ)に制御し、液透過性向上剤(β)を含有させることで、液透過性と毛管吸引力の双方に優れた性能を兼ね備えている吸水剤を得ることが可能になることを発見し、本発明に至った。
本発明の吸水剤の粒度分布は、具体的には下記のものである。
本発明の吸水剤は、質量平均粒子径(D50)が、好ましくは234〜394μmの範囲、より好ましくは256〜363μmの範囲、最も好ましくは281〜331μmの範囲である。液透過性と毛管吸引力は300μm前後の粒子径を境にその性能が大きく変化する。小さな粒子径は毛管吸引力に有利であるが、液透過性には不利である。また、大きな粒子径は液透過性には有利であるが、毛管吸引力には不利となる。すなわち、質量平均粒子径(D50)が233μm以下や395μm以上となった場合、本発明の目的とする液透過性と毛管吸引力の双方に優れた吸水剤が得られず、どちらか一方のみに優れた吸水剤となるおそれがある。
本発明の吸水剤は、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45の範囲であることが好ましく、0.27〜0.43の範囲がより好ましく、0.30〜0.40の範囲が最も好ましい。粒度分布の対数標準偏差(σζ)が小さいほど粒度分布が狭いことをあらわすが、本発明の吸水剤は、ある程度の広がりをもつことが重要となる。粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25未満の場合は、毛管吸引力が低下するだけでなく、生産性が著しく低下してしまう。0.45を超える場合には粒度分布が広がりすぎて、液透過性が低下するおそれがある。また、本発明の吸水剤は、その吸水剤中、その粒子が300μmの上下200μm(すなわち100〜500μm)の範囲に、該吸水剤に対して、好ましくは80質量%以上含まれ、より好ましくは85質量%以上含まれる。
本発明の吸水剤は、(粒子径が300μm以上の粒子)/(粒子径が300μm未満の粒子)の質量比が、好ましくは80/20〜20/80の範囲であり、より好ましくは78/22〜30/70の範囲であり、75/25〜40/60であることが特に好ましい。
上記に加えて、さらに好ましい粒度分布の範囲を以下に示す。
(粒子径が300μm未満かつ150μm以上の粒子)/(粒子径が150μm未満の粒子)の質量比が、好ましくは100/0〜50/50の範囲であり、より好ましくは99.5/0.5〜65/35の範囲であり、99/1〜75/25であることが特に好ましい。
(粒子径が500μm以上の粒子)/(粒子径が500μm未満かつ300μm以上の粒子)の質量比が、好ましくは60/40〜0/100の範囲であり、より好ましくは50/50〜0/100の範囲であり、40/60〜0/100であることが特に好ましい。
本発明の吸水剤は、好ましくは前記の粒度分布に調整されることで、液透過性および毛管吸引力の両方に優れた性能を持つことができる。
本発明の吸水剤としては、吸水剤中の水可溶成分が、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、最も好ましくは10質量%以下のものが用いられる。吸水剤中の水可溶成分が15質量%以下の場合に、特に本発明で用いることのできる液透過性向上剤(β)の効果が著しく表れる。本発明において水可溶成分が15質量%を超えると、発明の効果が得られないおそれがあるばかりか、吸水体として使用した場合の性能を低下させるおそれもある。また、安全性の観点からも好ましくない。性能低下の原因としては、吸水剤が吸水し膨潤した時に、吸水剤内部の高分子成分が溶出し、それによって液の透過が阻害されることが挙げられる。高分子成分は、吸水剤粒子表面を液が流れる際に抵抗となっていると考えられる。また、同様に高分子成分の溶出は、被吸収溶液の粘度を上げ、毛管吸引力を低下させるおそれもある。吸水剤の水可溶成分は後述の方法で測定される。
本発明の吸水剤としては、吸水剤に含まれる吸水性樹脂粒子(α)の一部が多孔質構造(発泡構造でもよい)を有するものが好ましい。ここでいう多孔質構造を有するとは、吸水性樹脂粒子(α)の微粒子が凝集した状態または気泡を体積の10%以上含有するような状態のことである。また、この多孔質構造は、前記造粒工程によって得られるものであることがさらに好ましく、その中でもUS6228930に記載の方法で得られた微粒子の造粒物であることが最も好ましい。多孔質構造を有する吸水性樹脂粒子(α)の割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上である。
本発明の吸水剤は、0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が、好ましくは50(10−7・cm・s・g−1)以上、より好ましくは70(10−7・cm・s・g−1)以上、最も好ましくは100(10−7・cm・s・g−1)以上である。SFCが50(10−7・cm・s・g−1)未満であると、吸水体として使用した場合、液透過性や拡散性が十分でない恐れがある。また、好ましくは、SFCの上限値は500(10−7・cm・s・g−1)である。0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)は後述の測定法で測定される。
本発明の吸水剤は、0.90質量%生理食塩水への毛管吸引力を表す毛管吸収倍率(CSF)が、好ましくは15g/g以上、より好ましくは18g/g以上、さらに好ましくは20g/g以上、最も好ましくは23g/g以上である。CSFが15g/g未満であると、吸水体の一部として使用した場合、ドライ性や液保持性が十分でない恐れがある。0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率(CSF)は後述の測定法で測定される。
本発明の吸水剤のCSFは、吸水剤の毛管力に少なからず影響を受ける。吸水剤の毛管力pは下記の式で表される性質を有する。
p ∝ γ・cosθ/Rc
ここで、
p:吸水剤の毛管力
γ:吸水剤の表面張力
θ:吸水剤の接触角
Rc:吸水剤の粒度分布に依存する毛管半径相当の値
である。
上記の式からわかるように、毛管力pは吸水剤の表面張力γ、吸水剤の接触角θ、吸水剤の粒度分布に依存する毛管半径相当の値Rcによって変化する。すなわち、表面張力γが大きいほど毛管力pは大きくなり、接触角θが0に近いほど毛管力pは大きくなる。よって、本発明の吸水剤の表面張力γ、接触角θは下記の範囲であることが好ましい。
本発明の吸水剤は、その表面張力が好ましくは30(mN/m)以上、より好ましくは50(mN/m)以上、最も好ましくは70(mN/m)以上である。表面張力が30(mN/m)未満になると、CSFが低下するばかりか、目的とする性能が得られない可能性がある。表面張力は後述の測定法で測定される。
本発明の吸水剤は、その接触角が好ましくは80°以下、より好ましくは50°以下、もっとも好ましくは30°以下である。接触角が80°より大きくなると、CSFが低下するばかりか、目的とする性能が得られない可能性がある。接触角は後述の測定法で測定される。
本発明の吸水剤は、優れた液透過性と毛管吸引力を併せ持つ。液透過性と毛管吸引力はその一方が向上すると、もう一方が低下する関係にあるが、本発明の吸水剤は従来にない優れた関係を有している。すなわち、本発明の吸水剤は、以下の関係式を満たすことが好ましい。
SFC(10−7・cm・s・g−1) ≧ ε−8×CSF(g/g)
ここでεは定数でありε=260である。
また、本発明の吸水剤は、より好ましくは前記の式をε=270の時に満たし、最も好ましくは前記の式をε=280の時に満たす。
すなわち、本発明の吸水剤は、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた、不定形破砕状粒子の表面がさらに架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)を含む粒子状吸水剤であって、該粒子状吸水剤が、
SFC(10−7・cm・s・g−1) ≧ 260−8×CSF(g/g)
を満たし、かつ、SFCが50〜500(10−7・cm・s・g−1)の範囲、質量平均粒子径(D50)が234〜394μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45であることが好ましい。
より好ましくは、前記吸水剤がさらに液透過性向上剤(β)を含み、その液透過性向上剤(β)の含有量が該吸水性樹脂粒子(α)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲である。
したがって、本発明の吸水剤は液透過性と毛管吸引力を併せ持つので、おむつ中で優れた液拡散性を示すとともに液戻り量を低減させることができる。そして、本発明の吸水剤は、高濃度コアのおむつ中、特に、コア濃度が50質量%以上のおむつ中で前記特徴を発揮することができる。
本発明の吸水剤は、0.9質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AAP)が、好ましくは15〜29g/g、より好ましくは20〜27g/gの範囲である。
本発明の吸水剤の含水率は特に限定されないが、好ましくは0質量%以上400質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
本発明の吸水剤としては、嵩比重が0.40g/ml未満のものや0.90g/mlを超えるものでもよいが、好ましくは嵩比重が0.40〜0.90g/mlであり、0.50〜0.80g/mlの範囲であることがさらに好ましい(嵩比重の測定法はJIS K−3362で規定されている)。嵩比重が0.40g/ml未満のものや0.90g/mlを超えるものの場合には、プロセスによるダメージを受けやすくなり、物性が低下するおそれがある。
(5)吸水体の製法および吸水特性
本発明の吸水剤は、適当な素材と組み合わせることにより、たとえば、衛生材料の吸収層として好適な吸水体とすることができる。以下、吸水体について説明する。
吸水体とは血液や体液、尿などを吸収する、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に用いられる、吸水性樹脂または吸水剤、とその他の素材からなる成形された組成物のことであり、用いられる素材の例としては、たとえば、セルロース繊維が挙げられる。セルロース繊維の具体例としては、木材からのメカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、溶解パルプ等の木材パルプ繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維等を例示できる。好ましいセルロース繊維は木材パルプ繊維である。これらセルロース繊維はナイロン、ポリエステル等の合成繊維を一部含有していてもよい。本発明の吸水剤を吸水体の一部として使用する際には、吸水体中に含まれる本発明の吸水剤の質量が、好ましくは20〜100質量%の範囲である。吸水体中に含まれる本発明の吸水剤の質量が、20質量%未満になると、十分な効果が得られなくなるおそれがある。
上記方法により得られた吸水剤とセルロース繊維から吸水体を得るには、たとえば、セルロース繊維からなる紙やマットに吸水剤を散布し、必要によりこれらで挟持する方法、セルロース繊維と吸水剤を均一にブレンドする方法、など吸水体を得るための公知の手段を適宜選択できる。好ましくは、吸水剤とセルロース繊維を乾式混含した後、圧縮する方法である。この方法により、セルロース繊維からの吸水剤の脱落を著しく抑えることが可能である。圧縮は加熱下に行うことが好ましく、その温度範囲は、好ましくは50〜200℃である。また、吸水体を得るために、特表平9−509591号や特開平9−290000号に記載されている方法も好ましく用いられる。
本発明の吸水剤は、吸水体に使用された場合、液透過性と毛管吸引力のバランスが良いため、液の取り込みが早く、また、吸水体表層の液の残存量が少ない、非常に優れた吸水体が得られる。
また、これらの優れた吸水特性を有しているため種々の用途の吸水保水剤として使用できる。例えば紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の吸収物品用吸水保水剤;水苔代替、土壌改質改良剤、保水剤、農薬効力持続剤等の農園芸用保水剤;内装壁材用結露防止剤、セメント添加剤等の建築用保水剤;リリースコントロール剤、保冷剤、使い捨てカイロ、汚泥凝固剤、食品用鮮度保持剤、イオン交換カラム材料、スラッジまたはオイルの脱水剤、乾燥剤、湿度調整材料等で使用できる。また、本発明で得られた吸水剤は紙おむつ、生理用ナプキンなどの、糞、尿または血液の吸収用衛生材料に特に好適に用いられる。
吸水体は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に用いられる場合、(a)着用者の体に隣接して配置される液体透過性のトップシート、(b)着用者の身体から遠くに、着用者の衣類に隣接して配置される、液体に対して不透過性のバックシート、および(c)トップシートとバックシートの間に配置された吸水体を含んでなる構成で使用されることが好ましい。吸水体は二層以上であっても良いし、パルプ層などとともに用いても良い。
より好ましい構成では、吸水体中の吸水剤は、坪量が60g/m〜1500g/mであることが好ましく、より好ましくは100g/m〜1000g/m、さらに好ましくは200g/m〜800g/mである。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。吸水性樹脂粒子または吸水剤の諸性能は、以下の方法で測定した。下記の測定は室温(25℃)、湿度50RH%の条件下で行われた。
なお、衛生材料などの最終製品として使用された吸水剤の場合は、吸水剤は吸湿しているので、適宜、吸水剤を最終製品から分離して減圧低温乾燥後(例えば、1mmHg以下、60℃で12時間)に測定すればよい。また、本発明の実施例および比較例において使用された吸水剤の含水率はすべて6質量%以下であった。
(1)無加圧下吸収倍率(0.90質量%生理食塩水に対する無加圧下で30分の吸収倍率/CRC)
吸水性樹脂粒子または吸水剤の0.20gを不織布製(南国パルプ工業(株)製、商品名:ヒートロンペーパー、型式:GSP−22)の袋(85mm×60mm)に均一に入れてシールした後、室温で大過剰(通常500ml程度)の0.9質量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心機:型式H−122)を用いてedana ABSORBENCY II 441.1−99に記載の遠心力で3分間水切りを行った後、袋の質量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂粒子あるいは吸水剤を用いずに行い、その時の質量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0から、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
無加圧下吸収倍率(g/g)
=(W1(g)−W0(g))/(吸水性樹脂粒子または吸水剤の質量(g))−1
(2)加圧下吸収倍率(0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率/AAP)
図1に示す装置を用いて測定した。
内径60mmのプラスチックの支持円筒100の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)101を融着させ、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、該網上に吸水剤(102)0.90gを均一に散布し、その上に、吸水剤に対して4.83kPa(0.7psi)の荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒の内壁面との間に隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストン103と荷重104とをこの順に載置し、この測定装置一式の質量Wa(g)を測定した。
直径150mmのペトリ皿105の内側に直径90mmのガラスフィルター106(株式会社相互理化学硝子製作所社製、細孔直径:100〜120μm)を置き、0.90質量%生理食塩水108(20〜25℃)をガラスフィルターの上面と同じレベルになるように加えた。その上に、直径90mmの濾紙(107)1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で吸収させた。1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その質量Wb(g)を測定した。そして、Wa、Wbから、下記の式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
加圧下吸収倍率(g/g)
=(Wb(g)−Wa(g))/吸水剤の質量((0.9)g)
(3)質量平均粒子径(D50)および粒度分布の対数標準偏差(σζ)
吸水性樹脂粒子または吸水剤を目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmなどのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、R=50質量%に相当する粒径を質量平均粒子径(D50)として読み取った。また、粒度分布の対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ = 0.5 × ln(X2/X1)
(X1はR=84.1%、X2は15.9%の時のそれぞれの粒径)
質量平均粒子径(D50)および粒度分布の対数標準偏差(σζ)を測定する際の分級方法は、吸水性樹脂粒子または吸水剤10.0gを、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるい(THE IIDA TESTING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により、5分間、分級を行った。
(4)0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)
0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)は吸水剤の膨潤時の液透過性を示す値である。SFCの値が大きいほど高い液透過性を有することを示している。
特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行った。
図2に示す装置を用い、容器40に均一に入れた吸水剤(0.900g)を人工尿(1)中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲル44のゲル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69質量%生理食塩水33を、一定の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させた。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行った。コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録した。膨潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する流速F(t)は増加質量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定した。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtとし、tと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tと10分間の間に得た流速を使用してF(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算した。F(t=0)はF(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算した。
0.69質量%生理食塩水流れ誘導性
=(F(t=0)×L)/(ρ×A×ΔP)
=(F(t=0)×L)/139506
ここで、
(t=0):g/sで表した流速
:cmで表したゲル層の最初の厚さ
ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm
A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27cm
ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
およびSFC値の単位は(10−7・cm・s・g−1)である。
図2に示す装置としては、タンク31には、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下端は、0.69質量%生理食塩水33をセル41中の膨潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるように配置した。タンク31中の0.69質量%生理食塩水33は、コック35の付いたコック付きL字管34を通じてセル41へ供給された。セル41の下には、通過した液を補集する容器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部には吸水剤あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り付けてあった。セル41は、セルを乗せるための台の上に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステンレス製の金網43の上に設置した。
人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを混合したものを用いた。
(5)0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率(CSF)
CSFは吸水剤の毛管吸引力をあらわす指標である。
本発明における毛管吸収倍率は、水柱20cmの負の圧力勾配における所定時間内での吸収体の液体の吸収能力を0.06psi荷重下で測定する。図3を参照して、これらの毛管吸収能力を測定するための装置および方法を記載する。
多孔質ガラス板1(グラスフィルター粒子番号#3; (株)相互理化学硝子製作所製のBuchner型フィルター TOP 17G‐3(code no.1175−03))の液吸収面を有する直径60mmのグラスフィルター2の下部に導管3をつなぎ、この導管3を直径10cmの液溜容器4の下部に備え付けられている口に接続した。前記グラスフィルターの多孔質ガラス板は平均孔径が20〜30μmであって、その毛管力によって60cmの液面高さの差を付けた状態でも水柱の負圧に抗して多孔質ガラス板内に水を保持することが出来、空気の導入が無い状態を保てるものである。グラスフィルター2に高さを上下させるための支持リング5をはめ、系に0.90質量%生理食塩水6を満たし、液溜容器を天秤上7に載せた。導管中、およびグラスフィルターの多孔質ガラス板の下部に空気がないことを確認してから液溜容器4中の0.90質量%生理食塩水6上部の液面レベルと多孔質ガラス板1の上面の高低差が20cmになるように調節してグラスフィルターをスタンド8に固定した。
多孔質ガラス板1上に測定試料9(吸水性樹脂粒子または吸水剤)0.44gをロート中のガラスフィルター上に均一にすばやく散布し、さらにその上に直径59mmの荷重10(0.06psi)を載せ、30分後に測定試料9に吸収された0.90質量%生理食塩水の値(W20)を測定した。
毛管吸収倍率は以下の式で求められる。
吸水性樹脂粒子または吸水剤の20cm高さでの毛管吸収倍率D1(g/g)
=吸収量(W20)(g)/0.44(g)
(6)可溶分(水可溶成分)量
250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.90質量%生理食塩水184.3gを測り取り、その水溶液中に吸水性樹脂粒子または吸水剤1.00gを加え16時間攪拌することにより樹脂中の可溶分を抽出した。この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過することにより得られた濾液の50.0gを測り取り測定溶液とした。
はじめに0.90質量%生理食塩水だけを、まず、0.1NのNaOH水溶液でpH10まで滴定を行い、その後、0.1NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定して空滴定量([bNaOH]ml、[bHCl]ml)を得た。
同様の滴定操作を測定溶液についても行うことにより滴定量([NaOH]ml、[HCl]ml)を求めた。
例えば、既知量のアクリル酸とそのナトリウム塩からなる吸水性樹脂または吸水性樹脂粒子または吸水剤の場合、そのモノマーの平均分子量と上記操作により得られた滴定量をもとに、吸水性樹脂中の可溶分量を以下の計算式により算出することができる。未知量の場合は滴定により求めた中和率を用いてモノマーの平均分子量を算出する。
可溶分(質量%)=0.1×(平均分子量)×184.3×100×([HCl]−[bHCl])/1000/1.0/50.0
中和率(mol%)=(1−([NaOH]−[bNaOH])/([HCl]−[bHCl]))×100
(7)表面張力
120mlのガラスビーカーに80mlの0.90質量%生理食塩水を測りとり、その水溶液中に吸水剤1.00gを加え、5分間穏やかに攪拌した。1分間静置後、その溶液の表面張力をプレート法で測定した。吸水剤を入れていない0.90質量%生理食塩水の表面張力は72(mN/m)であった。
(8)接触角
SUS板上に両面粘着テープを貼り、その上に吸水性樹脂粒子または吸水剤を撒き、両面テープに付着しなかった吸水性樹脂粒子または吸水剤を掻き落として表面が吸水性樹脂粒子または吸水剤で覆われた試料板を作成した。0.90質量%生理食塩水を該試料板に接触させた時の接触角を、20℃、60%RHの条件下、接触角計(協和界面科学(株)製,FACE CA−X型)を用いて液滴法にて測定した。0.90質量%生理食塩水の液滴を試料板に滴下してから1秒後の接触角を1試料について5回測定し、その平均値を求めて吸水性樹脂粒子または吸水剤の接触角とした。
(実施例1)
(1)重合
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5438g(単量体濃度39質量%)にポリエチレングリコールジアクリレート9.36g(0.08モル%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液29.34gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液24.45gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(A1)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A1)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き180μmのJIS標準篩で分級することで、目開き180μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(B1F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(B1)を得た。
(3)微粉造粒
前記(2)の粉砕・分級において除去された吸水性樹脂粒子(B1F)をUS6228930に記載されたGranulation Example 1の方法に準じて造粒した。この造粒物を前記(2)と同様の手順で粉砕・分級した。このようにして造粒された吸水性樹脂粒子(B1A)を得た。この造粒された吸水性樹脂粒子(B1A)を写真撮影して得た図を図4に示す。ここに見られるように、吸水性樹脂粒子(B1A)は多孔質構造を有していた。
(4)微粉造粒品の混合
吸水性樹脂粒子(B1)90質量部と吸水性樹脂粒子(B1A)10質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B1A10)を得た。吸水性樹脂粒子(B1A10)のCRCは33.4g/gであった。
(5)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(B1A10)100gに1,4−ブタンジオール1.0g、純水4.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を195℃で20分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C1−1A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C1−1A10)のCRCは28.3g/g、SFCは50(10−7・cm・s・g−1)、CSFは24.1g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C1−1A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D1−1A10)を得た。得られた吸水剤(D1−1A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。また、D50およびσζを求める際に使用した対数正規確率紙についても図5に示した。
(実施例2)
実施例1で得られた吸水性樹脂粒子(B1A10)100gに1,4−ブタンジオール0.5g、プロピレングリコール1.0g、純水4.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を210℃で25分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C1−2A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C1−2A10)のCRCは28.0g/g、SFCは60(10−7・cm・s・g−1)、CSFは24.0g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C1−2A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D1−2A10)を得た。得られた吸水剤(D1−2A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例3)
実施例1で得られた吸水性樹脂粒子(B1A10)100gにプロピレングリコール2.0g、純水4.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を215℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C1−3A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C1−3A10)のCRCは27.5g/g、SFCは66(10−7・cm・s・g−1)、CSFは23.8g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C1−3A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D1−3A10)を得た。得られた吸水剤(D1−3A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例4)
(1)重合
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5438g(単量体濃度39質量%)にポリエチレングリコールジアクリレート11.7g(0.10モル%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液29.34gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液24.45gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(4)を取り出した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(4)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(4)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(A4)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A4)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き180μmのJIS標準篩で分級することで、目開き180μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(B4F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(B4)を得た。
(3)微粉造粒
前記(2)の粉砕・分級において除去された吸水性樹脂粒子(B4F)を実施例1の(3)と同様にして造粒した。この造粒物を前記実施例1の(2)と同様の手順で粉砕・分級した。このようにして造粒された吸水性樹脂粒子(B4A)を得た。
(4)微粉造粒品の混合
吸水性樹脂粒子(B4)90質量部と吸水性樹脂粒子(B4A)10質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B4A10)を得た。吸水性樹脂粒子(B4A10)のCRCは31.8g/gであった。
(5)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(B4A10)100gに1,4−ブタンジオール0.3g、プロピレングリコール1.5g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を220℃で25分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C4−4A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C4−4A10)のCRCは27.0g/g、SFCは70(10−7・cm・s・g−1)、CSFは23.1g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C4−4A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−4A10)を得た。得られた吸水剤(D4−4A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例5)
実施例4で得られた吸水性樹脂粒子(B4A10)100gに1,4−ブタンジオール0.4g、プロピレングリコール0.6g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を210℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C4−5A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C4−5A10)のCRCは26.0g/g、SFCは78(10−7・cm・s・g−1)、CSFは22.1g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−5A10)を得た。得られた吸水剤(D4−5A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例6)
実施例5で得られた吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.2質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−6A10)を得た。得られた吸水剤(D4−6A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例7)
(1)重合
実施例4と同様の操作を行い、吸水性樹脂(A4)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A4)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き150μmのJIS標準篩で分級することで、目開き150μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(B7F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(B7)を得た。
(3)微粉造粒
前記(2)の粉砕・分級において除去された吸水性樹脂粒子(B7F)を実施例1の(3)と同様にして造粒した。この造粒物を前記(2)と同様の手順で粉砕・分級した。このようにして造粒された吸水性樹脂粒子(B7A)を得た。
(4)微粉造粒品の混合
吸水性樹脂粒子(B7)90質量部と吸水性樹脂粒子(B7A)10質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B7A10)を得た。同様に、吸水性樹脂粒子(B7)80質量部と吸水性樹脂粒子(B7A)20質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B7A20)を得た。同様に、吸水性樹脂粒子(B7)70質量部と吸水性樹脂粒子(B7A)30質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B7A30)を得た。吸水性樹脂粒子(B7)のCRCは32.1g/g、吸水性樹脂粒子(B7A10)のCRCは31.8g/g、吸水性樹脂粒子(B7A20)のCRCは31.6g/g、吸水性樹脂粒子(B7A30)のCRCは31.3g/g、であった。
(5)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(B7)100gにエチレンカーボネート0.5g、純水4.5gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を200℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子を得た。次に、この吸水性樹脂粒子100質量部に、Sipernat22S(親水性アモルファスシリカ、Degussa社より入手)1.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D7−7A00)を得た。得られた吸水剤(D7−7A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
吸水性樹脂粒子(B7)のかわりに吸水性樹脂粒子(B7A10)を用いて上記と同様の操作を行い、吸水剤(D7−7A10)を得た。得られた吸水剤(D7−7A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
吸水性樹脂粒子(B7)のかわりに吸水性樹脂粒子(B7A20)を用いて上記と同様の操作を行い、吸水剤(D7−7A20)を得た。得られた吸水剤(D7−7A20)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
吸水性樹脂粒子(B7)のかわりに吸水性樹脂粒子(B7A30)を用いて上記と同様の操作を行い、吸水剤(D7−7A30)を得た。得られた吸水剤(D7−7A30)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例8)
吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部と硫酸アルミニウム14〜18水塩(和光純薬工業株式会社より入手、乳鉢ですりつぶし微粉砕したもの)0.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−8A10)を得た。得られた吸水剤(D4−8A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例9)
吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部とポリ塩化アルミニウム(キシダ化学株式会社より入手)0.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−9A10)を得た。得られた吸水剤(D4−9A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例10)
得られる吸水性樹脂粒子の粒子径がより細かい粒子径となるようにロールミルの条件を調整し、実施例4と同様の操作を行った。これにより、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C4−10A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C4−10A10)100質量部とラポナイトRD(日本シリカ工業株式会社より入手)0.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−10A10)を得た。得られた吸水剤(D4−10A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例11)
得られる吸水性樹脂粒子の粒子径がより細かい粒子径となるようにロールミルの条件を調整し、実施例10と同様の操作を行った。これにより、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C4−11A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C4−11A10)100質量部とキョーワード700(協和化学工業株式会社より入手)0.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−11A10)を得た。得られた吸水剤(D4−11A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例12)
得られる吸水性樹脂粒子の粒子径がより細かい粒子径となるようにロールミルの条件を調整し、実施例11と同様の操作を行った。これにより、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C4−12A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C4−12A10)100質量部とアルミナ(0.5μm、関東化学株式会社より入手)0.7質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−12A10)を得た。得られた吸水剤(D4−12A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例13)
吸水剤(D4−5A10)30gおよび直径6mmのガラスビーズ10gを、直径6cm、高さ11cmのガラス製容器に入れて、ペイントシェーカー(東洋精機製作所 製品No.488)に取り付け、800cycle/min(CPM)で10分間振盪後、ガラスビーズを除去した。このようにして、吸水剤(D4−13A10D)を得た。得られた吸水剤(D4−13A10D)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例14)
吸水剤(D7−7A10)を用いて、実施例13と同様の操作を行い、吸水剤(D7−14A10D)を得た。得られた吸水剤(D7−14A10D)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例15)
(1)重合
実施例4と同様の操作を行い、吸水性樹脂(A4)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A4)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き500μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で500μmを通過した粒子を目開き150μmのJIS標準篩で分級することで、目開き150μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(B15F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(B15)を得た。
(3)微粉造粒
前記(2)の粉砕・分級において除去された吸水性樹脂粒子(B15F)を実施例1の(3)と同様にして造粒した。この造粒物を前記(2)と同様の手順で粉砕・分級した。このようにして造粒された吸水性樹脂粒子(B15A)を得た。
(4)微粉造粒品の混合
吸水性樹脂粒子(B15)90質量部と吸水性樹脂粒子(B15A)10質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B15A10)を得た。吸水性樹脂粒子(B15A10)のCRCは31.7g/gであった。
(5)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(B15A10)100gに2−オキサゾリジノン0.4g、プロピレングリコール2.0g、純水4.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を185℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き500μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C15−15A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C15−15A10)のCRCは26.0g/g、SFCは39(10−7・cm・s・g−1)、CSFは23.9g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部に、酸化マグネシウム1.0g(0.2μm、和光純薬工業株式会社より入手)を均一に混合し、吸水剤(D15−15A10)を得た。得られた吸水剤(D15−15A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例16)
得られる吸水性樹脂粒子の粒子径がより粗い粒子径となるようにロールミルの条件を調整し、実施例4の(1)〜(4)と同様の操作を行った。これにより、吸水性樹脂粒子(B16A10)を得た。吸水性樹脂粒子(B16A10)100gに炭酸エチレン1.0g、純水4.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を200℃で40分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C16−16A10)を得た。吸水性樹脂粒子(C16−16A10)のCRCは23.1g/g、SFCは113(10−7・cm・s・g−1)、CSFは19.2g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部に、ベントナイト1.0g(関東化学株式会社より入手)を均一に混合し、吸水剤(D16−16A10)を得た。得られた吸水剤(D16−16A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例17)
吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部とタルク(関東化学株式会社より入手)2.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D16−17A10)を得た。得られた吸水剤(D16−17A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例18)
吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部とglass powder Nisshinbo PFE−30is (Nisshinboより入手)1.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D16−18A10)を得た。得られた吸水剤(D16−18A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例19)
吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部とSipernat2200(Degussa社より入手)1.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D15−19A10)を得た。得られた吸水剤(D15−19A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例20)
吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部とフラー土(関東化学株式会社より入手)0.7質量部を均一に混合し、吸水剤(D15−20A10)を得た。得られた吸水剤(D15−20A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例21)
吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部とカオリン(関東化学株式会社より入手)1.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D15−21A10)を得た。得られた吸水剤(D15−21A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例22)
吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部とReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.1質量部と硫酸アルミニウム14〜18水塩(和光純薬工業株式会社より入手、乳鉢ですりつぶし微粉砕したもの)0.5質量部を均一に混合し、吸水剤(D4−22A10)を得た。得られた吸水剤(D4−22A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例23)
(1)重合
攪拌翼を有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型反応器中で、71.3モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5438g(単量体濃度39質量%)にポリエチレングリコールジアクリレート9.36g(0.08モル%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、攪拌しながら、単量体水溶液に、発泡剤前駆体としての2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩の10質量%水溶液54.5gを添加した。その後、該水溶液を窒素気流下、温度25℃で攪拌した。攪拌を開始してから約7分後に水溶液は白濁し、平均粒子径9μmの白色の微粒子状固体が生成した。該微粒子状固体は発泡剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二アクリル酸塩であった。2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二アクリル酸塩は単量体水溶液中に均一に分散していた。この時点(攪拌を開始してから10分後)で、単量体水溶液を攪拌しながら、10質量%過硫酸ナトリウム水溶液29.34gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液24.45gを添加した。十分に攪拌した後、該単量体水溶液を静置した。およそ1分後に重合が開始した。これにより20分後、気泡含有含水ゲルを得た。そして、生成したゲルを粉砕した後、50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、発泡による多孔質構造を有する、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(A23)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A23)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き180μmのJIS標準篩で分級することで、目開き180μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(B23F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(B23)を得た。
(3)混合
吸水性樹脂粒子(B1)90質量部と吸水性樹脂粒子(B23)10質量部を均一に混合し、吸水性樹脂粒子(B23F10)を得た。吸水性樹脂粒子(B23F10)のCRCは33.6g/gであった。
(4)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(B23F10)100gに1,4−ブタンジオール1.0g、プロピレングリコール2.0g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を195℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(C23−23F10)を得た。吸水性樹脂粒子(C23−23F10)のCRCは26.3g/g、SFCは70(10−7・cm・s・g−1)、CSFは21.7g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(C23−23F10)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D23−23F10)を得た。得られた吸水剤(D23−23F10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例24)
吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部とポリエチレン微粒子1.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D16−24A10)を得た。得られた吸水剤(D16−24A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例25)
吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部とSipernatD17(Degussa社より入手)1.0質量部を均一に混合し、吸水剤(D15−25A10)を得た。得られた吸水剤(D15−25A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例26)
吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部とアエロジルR−972(疎水性アモルファスシリカ、Degussa社より入手)0.3質量部を均一に混合し、吸水剤(D16−26A10)を得た。得られた吸水剤(D16−26A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例27)
吸水性樹脂粒子(C4−5A10)100質量部とポリエチレンイミンP−1000(日本触媒株式会社製)1.5質量部を均一に混合し、90℃で60分間乾燥させた。次に、目開き600μmの篩を通過させて、吸水剤(D4−27A10)を得た。得られた吸水剤(D4−27A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例28)
吸水性樹脂粒子(C15−15A10)100質量部とCatiofastPR8106(BASF社製)3質量部を均一に混合し、90℃で60分間乾燥させた。次に、目開き500μmの篩を通過させて、吸水剤(D15−28A10)を得た。得られた吸水剤(D15−28A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(実施例29)
吸水性樹脂粒子(C16−16A10)100質量部とポリアミジン(三菱化学社製)の10質量%水溶液2質量部を均一に混合し、90℃で60分間乾燥させた。次に、目開き600μmの篩を通過させて、吸水剤(D16−29A10)を得た。得られた吸水剤(D16−29A10)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例1)
(1)重合
実施例4と同様の操作を行い、吸水性樹脂(A4)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(A4)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準篩で分級し、大部分が850μm以下の範囲にある吸水性樹脂を得た。次に、これを目開き150μmのJIS標準篩で分級することで、目開き150μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(X1F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(X1)を得た。
(3)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(X1)100gに1,4−ブタンジオール0.4g、プロピレングリコール0.6g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を212℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(X1−1A00)を得た。吸水性樹脂粒子(X1−1A00)のCRCは26.5g/g、SFCは98(10−7・cm・s・g−1)、CSFは19.1g/gであった。
次に、この吸水性樹脂粒子(X1−1A00)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、比較吸水剤(Y1−1A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y1−1A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例2)
比較例1で得られた吸水性樹脂粒子(X1−1A00)100質量部とReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.2質量部を均一に混合し、比較吸水剤(Y1−2A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y1−2A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例3)
比較例1で得られた吸水性樹脂粒子(X1−1A00)100質量部とポリ塩化アルミニウム(キシダ化学より入手)0.5質量部を均一に混合し、比較吸水剤(Y1−3A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y1−3A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例4)
比較例1で得られた吸水性樹脂粒子(X1−1A00)100質量部とカオリン(関東化学より入手)1.0質量部を均一に混合し、比較吸水剤(Y1−4A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y1−4A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例5)
硫酸アルミニウム14〜18水塩(和光純薬より入手、乳鉢ですりつぶし微粉砕したもの)0.5質量部と純水4.5質量部を混合し水溶液とした後、吸水剤(C4−5A10)100質量部と均一に混合し、60℃で20分間乾燥し、目開き850μmのJIS標準篩を通過させて比較吸水剤(Y5−5A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y5−5A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
(比較例6)
(1)重合
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5443g(単量体濃度39質量%)にポリエチレングリコールジアクリレート3.82g(0.033モル%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液29.27gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液24.22gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(c6)を取り出した。
得られた含水ゲル状架橋重合体(c6)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(c6)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。このようにして、不定形で、容易に粉砕される粒子状や粉末状や粒子状乾燥物凝集体の吸水性樹脂(V6)を得た。
(2)粉砕・分級
得られた吸水性樹脂(V6)をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級した。次に、前記の操作で600μmを通過した粒子を目開き150μmのJIS標準篩で分級することで、目開き150μmのJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粒子(W6F)を除去した。このようにして吸水性樹脂粒子(W6)を得た。
(3)表面処理
前記で得られた吸水性樹脂粒子(W6)100gにエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1g、プロピレングリコール1.0g、純水3.0gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を195℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子(X6−6A00)を得た。吸水性樹脂粒子(X6−6A00)のCRCは35.2g/g、SFCは2(10−7・cm・s・g−1)、CSFは28.2g/gであった。
次に、吸水性樹脂粒子(X6−6A00)100質量部に、ReolosilQS−20(親水性アモルファスシリカ、TOKUYAMA社製)0.3質量部を均一に混合し、比較吸水剤(Y6−6A00)を得た。得られた比較吸水剤(Y6−6A00)も粉末形状であり、その諸物性を測定した結果を表1、表2、表3に示した。
Figure 2004261797
Figure 2004261797
Figure 2004261797
(実施例1〜23、比較例1〜6で得られた吸水剤について)
本発明の実施例1〜23によって得られた吸水剤は、すべて本発明の関係式SFC≧260−8・CSFを満たしており、液透過性と毛管吸引力の双方において優れている。一方、比較例1〜6によって得られた比較吸水剤は質量平均粒子径や粒度分布の対数標準偏差が適当でない、または水可溶成分が多いことから、液透過性に優れたものや毛管吸引力に優れたものはあるものの、その双方に優れてはいない。
図6に本発明の吸水剤1〜23と比較吸水剤1〜6のCSF−SFCプロットを示す。
(実施例1〜5で得られた吸水剤について)
実施例1〜5はCRCの変化によって、液透過性向上剤(β)の効果が変化することを示している。図7に液透過性向上剤(β)の添加前(表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子)と添加後(本発明の吸水剤)のCRC,SFCのプロットを示す。この図7から、CRCが29g/g未満で特に液透過性向上剤(β)の効果が優れていると考えられる。
(実施例7で得られた吸水剤について)
これらを比較すると、吸水性樹脂粒子中に含まれる造粒された吸水性樹脂粒子の割合が大きくなると、得られた吸水剤の毛管吸引力(CSF)が大きくなることがわかる。これより、本発明の吸水剤は造粒された吸水性樹脂粒子を含む吸水性樹脂粒子を表面処理し、液透過性向上剤(β)を含むものが好ましい。すなわち、該吸水剤に含まれる吸水性樹脂粒子の少なくとも一部が多孔質構造を有することが好ましい。
(実施例13〜14で得られた吸水剤について)
本発明の吸水剤は機械的なダメージを受けた後にも、優れた性能を示し、商業的に生産される場合においても、有利である。
本発明で得られた吸水剤は、紙おむつ、生理用ナプキンなどの、糞、尿または血液の吸収用衛生材料に特に好適に用いられる。
0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AAP)の測定に用いる測定装置の概略の断面図。 0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)の測定に用いる測定装置の概略の断面図。 0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率(CSF)の測定に用いる測定装置の概略の断面図。 実施例1で得られた造粒された吸水性樹脂粒子(B1A)を写真撮影して得た図。 吸水剤(D1−1A10)のD50およびσζを対数正規確率紙を用いて求めた図。 横軸をCSF(g/g)、縦軸をSFC(10−7・cm・s・g−1)とした図。比較例により得られた比較吸水剤に対して、本発明の実施例により得られた吸水剤が、より高い液透過性と毛管吸引力を有していることを示した。 横軸をCRC(g/g)、縦軸をSFC(10−7・cm・s・g−1)とした図。実施例1〜5に記載の表面が架橋処理された吸水性樹脂粒子と本発明の吸水剤のCRC,SFCをプロットした。液透過性向上剤(β)の効果はCRCが29g/g未満で著しく高いことを示した。
符号の説明
100 プラスチックの支持円筒
101 ステンレス製400メッシュの金網
102 膨潤ゲル
103 ピストン
104 荷重(おもり)
105 ペトリ皿
106 ガラスフィルター
107 濾紙
108 0.90質量%生理食塩水
31 タンク
32 ガラス管
33 0.69質量%生理食塩水
34 コック付きL字管
35 コック
40 容器
41 セル
42 ステンレス製金網
43 ステンレス製金網
44 膨潤ゲル
45 ガラスフィルター
46 ピストン
47 ピストン中の穴
48 補集容器
49 上皿天秤
1 多孔質ガラス板
2 ガラスフィルター
3 導管
4 液溜容器
5 支持リング
6 0.90質量%生理食塩水
7 天秤
8 スタンド
9 測定試料(吸水性樹脂粒子または吸水剤)
10 荷重(0.41kPa(0.06psi))
11 外気吸入パイプ

Claims (8)

  1. アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を架橋重合して得られた、不定形破砕状粒子の表面がさらに架橋処理されてなる吸水性樹脂粒子(α)および液透過性向上剤(β)を含む粒子状吸水剤であって、
    該粒子状吸水剤の質量平均粒子径が234〜394μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.25〜0.45、無加圧下吸収倍率が15g/g以上、水可溶成分が15質量%以下であり、
    液透過性向上剤(β)の含有量が該吸水性樹脂粒子(α)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲である、吸水剤。
  2. 前記吸水剤に含まれる吸水性樹脂粒子(α)が多孔質構造を有する粒子を含んでなる、請求項1に記載の吸水剤。
  3. 前記吸水剤中、粒子径が100〜500μmである粒子が、該吸水剤に対して80質量%以上である、請求項1または2に記載の吸水剤。
  4. 前記吸水剤の(粒子径が300μm以上の粒子)/(粒子径が300μm未満の粒子)の質量比が80/20〜20/80の範囲である、請求項1から3までのいずれかに記載の吸水剤。
  5. 前記吸水剤の0.90質量%生理食塩水への毛管吸収倍率が15g/g以上である、請求項1から4までのいずれかに記載の吸水剤。
  6. 前記吸水剤の0.69質量%生理食塩水流れ誘導性が50(10−7・cm・s・g−1)以上である、請求項1から5までのいずれかに記載の吸水剤。
  7. 前記吸水剤の無加圧下吸収倍率が29g/g未満である、請求項1から6までのいずれかに記載の吸水剤。
  8. 前記液透過性向上剤(β)が水不溶性親水性の無機微粒子および/または水溶性の多価金属塩である、請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤。
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