JP2004260249A

JP2004260249A - 音叉型水晶振動子

Info

Publication number: JP2004260249A
Application number: JP2003045499A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Yoshimatsu; 昌裕吉松
Original assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date: 2003-02-24
Filing date: 2003-02-24
Publication date: 2004-09-16
Anticipated expiration: 2023-02-24
Also published as: JP4298322B2

Abstract

【目的】クリスタルインピーダンス（ＣＩ）を小さく維持して小型化を促進する音叉型振動子を提供する。
【構成】例えばＺカットとした音叉状水晶片からなり、音叉振動を励起する励振電極を主面及び側面に有する音叉腕と音叉基部からなる音叉型水晶振動子において、前記音叉腕の両主面に例えば印刷技術を用いたエッチングによって一定の間隔で二次元方向の凹凸部を設け、凹部内の側面を含む凹凸部上に前記励振電極を形成した構成とする。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は音叉型水晶振動子（以下、音叉型振動子とする）を産業上の技術分野とし、特にクリスタルインピーダンス（ＣＩ）を小さく維持して小型化を促進した音叉型振動子に関する。
【０００２】
【従来の技術】
（発明の背景）音叉型振動子は特に時計用の歩度を刻む信号源として知られ、近年ではジャイロスコープのセンサ素子等にも適用されている。そして、このようなものでも、他の電子部品と同様に小型化が求められている。
【０００３】
（従来技術の一例）第３図は一従来例を説明する音叉型振動子の図で、同図（ａ）は外観図、同図（ｂ）は上面図、同図（ｃ）は正面図である。
音叉型振動子は例えばＺカットとした（通称では＋５度Ｘカット）音叉状水晶片からなり、音叉基部１と一対の音叉腕２（ａｂ）を有する。通常では、結晶軸（ＸＹＺ）のＸ軸を幅、Ｙ軸を長さ、Ｚ軸を厚みとする。そして、各音叉腕２（ａｂ）の４面に励振電極３を形成する「第３図（ａ）」。
【０００４】
励振電極３は、一方の音叉腕２ａでは各組の対向面（両主面と両側面）を同電位として、一組と他組の対向面は逆電位とする。そして、他方の音叉腕２ｂでは一方の音叉腕２ａとは逆電位として、図示しない結線図により一方と他方の音叉腕２（ａｂ）の同電位同士を共通接続する。
【０００５】
このようなものでは、例えば一方の音叉腕２ａの両主面を＋電位とし、両側面を−電位とすると、矢印で示す各電界によって音叉腕２（ａｂ）の両主面から外側面と内側面に向かう電界合成ベクトルＰ、Ｑが発生する「第３図（ｂ）」。
【０００６】
そして、この電界合成ベクトルＰ、Ｑに起因した圧電逆効果によって、一方の音叉腕２ａの外側面では縮小し、内側面では伸張する。したがって、音叉腕２ａ矢印Ａで示すように外方向に撓む。そして、一方の音叉腕２ａとは電位を逆とした他方の音叉腕２ｂは矢印Ｂで示すように反対方向の外方向に撓む「第３図（ｃ）」。
【０００７】
また、前述とは逆に一方の音叉腕２ａの両主面を−電位とし（未図示）、両側面を＋電位とすると、一方の音叉腕２ａの外側面と内側面から両主面に向かう電界ベクトルが発生する。そして、外側面では伸張、内側面では収縮する。したがって、一方の音叉腕２ａは内方向に撓む。そして、他方の音叉湾２ｂは反対方向の内方向に撓む。
【０００８】
これらにより、両主面と両側面に±電位とする交番電圧を印加すると、一対の音叉腕２（ａｂ）が互いに反対方向に水平振動即ち音叉振動が励起される。これらのものでは、音叉腕２（ａｂ）の長さＬと幅Ｗによって共振周波が決定され、概ねＷ／Ｌ２に比例する。そして、発振回路に組み込まれて発振子として、ここではＱの高いインダクタ素子として機能する。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
（従来技術の問題点）しかしながら、上記構成の音叉型振動子では小型化が進行するとＣＩが増大する問題があった。すなわち、音叉腕２（ａｂ）の幅が小さくなると励振電極３の主面電極幅も小さくなり、充分な電界を供給できずにＣＩが増大する。
【００１０】
また、音叉型振動子を音叉型角速度センサに適用した場合には、例えば音叉振動を励起する励振電極を一方の音叉腕２ａに、角速度を検出する図示しないセンサ電極を他方の音叉腕２ｂに形成する。したがって、一方の音叉腕２ａのみで音叉振動を励起するので、ＣＩが大きくなる問題があった。
【００１１】
（発明の目的）本発明はＣＩを小さく維持して小型化を促進する音叉型振動子を提供することを目的とする。
【００１２】
【特許文献１】特開２００２−２０４１４１号公報
【００１３】
【課題を解決するための手段】
（着目点）本発明は前述した主面電極幅とＣＩとの関係に、即ち主面電極面積が大きくなればＣＩは小さくなる点に着目した。なお、特許文献１ではＸ軸方向へ直線上の電界を得るべく凹部４を設けており、基本的に発想が異なる。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、音叉腕の主面に二次元方向の凹凸部を設けて励振電極を形成した構成とする。これにより、励振電極の面積が増加して電界強度が高まり、ＣＩを小さくする。以下、本発明の一実施例を説明する。
【００１５】
【実施例】
第１図は本発明の一実施例を説明する音叉型振動子の一部外観図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【００１６】
音叉型振動子は前述したように音叉基部１と一対の音叉腕２（ａｂ）を有するＺカットの音叉状水晶片からなり、音叉振動を励起する励振電極３を各音叉腕２（ａｂ）に設けてなる。但し、Ｘ軸を幅、Ｙ軸を長さ、Ｚ軸を厚みとする。
【００１７】
そして、各音叉腕２（ａｂ）の両主面には長さ（結晶軸のＹ軸）と幅（同Ｘ軸）の二次元方向に例えば印刷技術を用いたエッチングによって一定の間隔で凹部４を設ける。要するに、各音叉腕２（ａｂ）の両主面に二次元方向の凹凸部４、５が設けられる。ここでの凹凸部４、５はそれぞれ同一の正方形として各辺が長さ及び幅方向に平行とし、幅方向に５個を、長さ方向に８個を形成する。凹部４の深さは正方形の一辺の長さ即ち凹部４を立方体とする。そして、両主面の凹部内の側面を含む凹凸部４、５上に励振電極３を形成した構成とする。
【００１８】
このようなものでは、音叉主面を平坦面とした従来例に対して、本実施例による励振電極３の形成された音叉主面の表面積は３倍になる。例えば、凹凸部４、５の一辺の長さを例えば１０μｍとすると従来例では４０００μｍ^２となり、本実施例では１２０００μｍ^２となる。したがって、両主面と両側面との間の電界密度が高まるので、ＣＩが小さくなる。
【００１９】
【他の事項】
上記実施例では凹凸部４、５とした正方形の各辺は音叉腕の幅と長さ方向に平行としたが、例えば第２図（平面図）に示したようにしてもよい。すなわち、図示しない二次元の幾何学的座標軸ＸＹ軸を４５度回転して、Ｘ′Ｙ′座標に沿って凹凸部４、５を形成してもよい。なお、黒塗部が凹部４である。この場合、凹部４を形成する正方形の各辺が幅と長さ方向に平行なときに比較して、凹部側面からの音叉側面に対する電界密度が高まるのでさらにＣＩを小さくできる。
【００２０】
また、凹凸部４、５はそれぞれ正方形としたが、例えば凹部４を円として二次元方向に並べてもよく凹凸部４、５の形状は任意に選択できる。但し、正方形とした場合が最も表面積を大きくできる。また、凹部４は立方体としたが深さ方向は任意に設定できる。但し、深さに比例して表面積が大きくなることは言うまでもない。
【００２１】
また、実際にはエッチングによって凹部４を形成するので必ずしも幾何学上の立方体にはならない。そして、励振電極３は便宜的に凹凸面上にのみ形成したが、実際には凹凸面の外周にまたがって形成される。そして、音叉型振動子として説明したが、例えば前述した角速度センサでの音叉振動を励起する駆動電極にも適用できることは勿論である。
【００２２】
【発明の効果】
本発明は音叉腕の主面に二次元方向の凹凸部を設けて励振電極を形成した構成とする。したがって、励振電極の面積が増加して電界強度が高まり、ＣＩを小さく維持して小型化を促進する音叉型振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施例の一実施例を説明する音叉型振動子の一部外観図である。
【図２】本実施例の他の例を説明する音叉型振動子の一部平面図である。
【図３】従来例を説明する音叉型振動子の図で、同図（ａ）は外観図、同図（ｂ）は上面図、同図（ｃ）は正面図である。
【符号の説明】
１音叉基部、２音叉腕、３励振電極、４凹部、５凸部．

Claims

音叉振動を励起する励振電極を主面及び側面に有する音叉腕と音叉基部からなる音叉型水晶振動子において、前記音叉腕の主面に二次元方向の凹凸部を設けて前記励振電極を形成したことを特徴とする音叉型水晶振動子。