JP2004153624A - 音叉型水晶振動子及び棒状振動子 - Google Patents
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- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
- H03H9/15—Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
- H03H9/21—Crystal tuning forks
Abstract
【課題】振動特性を良好に維持して小型化を促進する音叉型振動子及び棒状振動子を提供する。
【解決手段】結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした一対の音叉腕1が基部から延出してなる音叉型水晶振動子において、前記一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片5a,5bを幅方向に例えばシロキサン結合とした直接接合された構成とする。また、結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした棒体からなる棒状振動子において、前記棒体はX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合され、前記Y軸とZ軸のなす両主面に励振電極を設けた構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした一対の音叉腕1が基部から延出してなる音叉型水晶振動子において、前記一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片5a,5bを幅方向に例えばシロキサン結合とした直接接合された構成とする。また、結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした棒体からなる棒状振動子において、前記棒体はX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合され、前記Y軸とZ軸のなす両主面に励振電極を設けた構成とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音叉型水晶振動子(以下、音叉型振動子とする)及びその製造方法並びに棒状振動子を産業上の技術分野とし、特に振動特性に優れて小型化に適した音叉型振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)音叉型振動子は時間の基準源として腕時計等に広く使用されている。近年では、携帯電話等にも採用され、ますますの小型化が要求される。
【0003】
(従来技術の一例)第6図は一従来例を説明する音叉型振動子の図である。
音叉型振動子は一対の音叉腕1(ab)が音叉基部2から延出してなり、結晶軸(XYZ)のZ軸に主面が直交したZカット板からなる。そして、X軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とする。ここでは、幅方向の左側を−X軸として右側を+軸とする。そして、一対の音叉腕1(ab)の4面には励振電極3が形成され、音叉基部2に図示しない引出電極が延出して保持される。
【0004】
励振電極3は、一対の音叉腕1(ab)ともに両主面と両側面を同電位とし、一方の音叉腕1aでは両主面が+電位であれば両側面を−電位とする。そして、他方の音叉腕1bでは一方の音叉腕1aとは逆電位とし、両主面を−電位として両側面を+電位となる結線とする。
【0005】
このようなものでは、第7図及び第8図に示したように一方の音叉腕1aでは両主面から両側面へ向かう電界のうちの、+X軸方向へのベクトル成分Pによって内側面領域は矢印(一重線)で示すようにY軸方向に伸張する。また、−X軸方向へのベクトル成分Qによって外側面領域はY軸方向に縮小する。要するに、+X軸から−軸方向に電界が向かうときはY軸方向に伸張し、−X軸から+X軸方向に電界が向かうときはY軸方向に縮小する。
【0006】
したがって、一方の音叉腕1aは矢印(二重線)で示すように外方向へ傾斜する。他方の音叉腕は同様の理由によって、外方向へ傾斜する。これにより、交番電圧を印加すると一対の音叉腕1(ab)は所謂音叉振動を生ずる。なお、振動周波数はW/L2に比例する(但し、Wは音叉腕の幅、Lは長さ)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)しかしながら、上記構成の音叉型振動子では小型化が進行するとCIが増大する問題があった。すなわち、各音叉腕1(ab)の幅が小さくなると励振電極3の電極面積も小さくなり、充分な電界を供給できずにCIが増大する問題があった。
【0008】
そこで、第9図に示したように各音叉腕1(ab)の両主面に対向する凹所4を設けて励振電極3を形成する。このようにすれば、X軸(幅)方向での電界が直線的になるので電界強度が増してCIを小さくできることが提案されている(特許文献1及び2)。しかしながら、この場合には主面の中央部に対向する凹所4を設けるため、強度が低下して耐衝撃性に問題を生ずる。
【0009】
(発明の目的)本発明は振動特性を良好に維持して小型化を促進する音叉型振動子及び棒状振動子を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】特開2002−76827号公報
【特許文献2】特開2002−204141号公報
【特許文献3】日本国特許第3335122号
【0011】
【課題を解決するための手段】
(着目点及び適用)本発明は、特許文献1及び2で示されるように電界がX軸方向に直線的になればCIが小さくなる点に着目し、特許文献3で示される直接接合技術を用いたX軸の極性を逆とした電界印加法を適用した。
【0012】
(解決手段)本発明の請求項1、2は、一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合、具体的にはシロキサン結合(Si−O−Si)によって接合した構成とする。
【0013】
このようなものでは、例えば一方の音叉腕の両側面に励振電極を設けて電界を印加すると、第1と第2の水晶片のX軸方向が逆向きなので、内側面が伸張すると外側面は縮小する。したがって、一方と他方の音叉腕の両側面に逆向きの電界を印加すれば音叉振動を生ずる。これにより、電界方向がX軸方向で直線的となるのでCIを小さくして振動特性を良好にし、小型化を促進する。
【0014】
請求項3は、結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした棒体からなる棒状振動子において、前記棒体はX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合された構成とする。
【0015】
本発明から付随的に派生した発明であり、電界がX軸方向に沿って直線状となるので電界強度が高まり、所謂屈曲振動姿態の棒状振動子が得られる。勿論、一端部側に対面する励振電極を形成し、他端部を保持した場合での振動も期待できる。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0016】
【実施例】
第1図は本発明の第1実施例を説明する音叉型振動子の図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
音叉型振動子は前述したようにZカット板からなり、音叉基部2から一対の音叉腕1(ab)が延出してなる。一対の音叉腕1(ab)はそれぞれ内側と外側の第1と第2の水晶片5(ab)からなる。
【0017】
そして、一対の音叉腕1(ab)は各第1水晶片5aを外側から内側に向かって、第2水晶片5bを内側から外側に向かって−X軸から+X軸とする。なお、図では−X軸の記載は省略してある。そして、一対の音叉腕1(ab)の両側面に励振電極3を形成し、一対の音叉腕1(ab)ともに対をなす電位として、一方と他方とでは電界の向きが逆となる結線とする。
【0018】
一対の音叉腕1(ab)の第1と第2の水晶片5(ab)及び基部2の一部となる第3の水晶片6は直接接合によって形成される。直接接合は接合面を鏡面研磨して親水化(OH基化)して仮接合(オプティカルコンタクト)し、これを加熱してシロキサン結合(Si−O−Si)によって原子間レベルで接合される。
【0019】
このようなものでは、第2図及び第3図に示したように、例えば一方の音叉腕1aの外側面を+として内側面を−とした電界を印加すると以下になる。すなわち、内側の第1水晶片5aは前述したように−X軸から+X軸方向に電界が向かうので、即ち電界方向と±X軸の極性を逆にするのでY軸方向に伸張する。そして、外側の第2水晶片5bは電界方向が+X軸から−X軸方向に向かうので、即ち電界方向と±X軸の極性を同じにするのでY軸方向に縮小する。
【0020】
したがって、一方の音叉腕1aは外方向に傾斜する。また、他方の音叉腕1bも同様な理由によって外方向に傾斜する。そして、電界方向を逆向きにすれは、一対の音叉腕1(ab)は内方向に傾斜する。これらから、交番電圧を印加すれば音叉振動を生ずる。
【0021】
このような構成であれば、一対の音叉腕1(ab)にはX軸方向の電界を直線状として印加するので、従来例に比較して電界効率を高める。また、凹所等を設けることがないので、耐衝撃性も良好とする。したがって、CIを小さくできて振動特性を高め、小型化を促進できる。また、各音叉腕1(ab)の両側面にのみ励振電極3を形成し、両主面の励振電極3を不要にするので、電極形成を容易にする。
【0022】
【他の事項】
上記実施例では、一対の音叉腕1(ab)はいずれも内側及び外側に向かって+X軸となる第1及び第2の水晶片5(ab)としたが、例えば第4図に示したように一方の音叉腕1aは内側及び外側に向かって+X軸となる第1と第2の水晶片5(ab)とし、他方の音叉腕1bはこれとは逆に内側及び外側に向かって−X軸となる第1と第2の水晶片としてもよい。
【0023】
この場合、一方と他方の音叉腕1(ab)では逆向きの電界方向となるようにすれば音叉振動となる。すなわち、一方の音叉腕1aでは外側から内側に向かう電界とすれば、他方の音叉腕1bでは内側から外側に向かう電界とすればよい。
【0024】
また、音叉型振動子として説明したが、本発明によれば付随的に次のことが言える。すなわち、電界がX軸に沿って直線状であるため電界強度が非常に高くなる。したがって、第5図に示したようにY軸とZ軸のなす両主面に励振電極3を設けて所謂棒体の屈曲振動としても、同様にCIを小さくするので、本発明を適用できる。
【0025】
これらの場合、通常の屈曲振動を得る場合は棒体の節点領域を保持する。さらには、一端部を固定端として強制的な節点領域として他端部を自由端として励振した場合でも、電界が直線状なのでその振動が期待できる。なお、音叉型振動子は貼り合わせによるZカットとしたが、例えば温度特性等との関係から概ね±10度を含むものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合、具体的にはシロキサン結合(Si−O−Si)によって接合する。また、X軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合して棒体を形成し、Y−Z面の両主面に励振電極を形成する。したがって、振動特性を良好に維持して小型化を促進する音叉型振動子及び棒状振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する音叉型振動子の図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図3】本発明の一実施例の作用を説明する音叉型振動子の正面図である。
【図4】本発明の一実施例の他の例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図5】本発明の他の実施例を説明する棒状振動子の図である。
【図6】従来例を説明する音叉型振動子の図である。
【図7】従来例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図8】従来例の作用を説明する音叉型振動子の正面図である。
【図9】従来例の作用を説明する音叉型振動子の上面図である。
【符号の説明】
1 音叉腕、2、6 音叉基部、3 励振電極、4 凹所、5 水晶片。
【発明の属する技術分野】
本発明は音叉型水晶振動子(以下、音叉型振動子とする)及びその製造方法並びに棒状振動子を産業上の技術分野とし、特に振動特性に優れて小型化に適した音叉型振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】
(発明の背景)音叉型振動子は時間の基準源として腕時計等に広く使用されている。近年では、携帯電話等にも採用され、ますますの小型化が要求される。
【0003】
(従来技術の一例)第6図は一従来例を説明する音叉型振動子の図である。
音叉型振動子は一対の音叉腕1(ab)が音叉基部2から延出してなり、結晶軸(XYZ)のZ軸に主面が直交したZカット板からなる。そして、X軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とする。ここでは、幅方向の左側を−X軸として右側を+軸とする。そして、一対の音叉腕1(ab)の4面には励振電極3が形成され、音叉基部2に図示しない引出電極が延出して保持される。
【0004】
励振電極3は、一対の音叉腕1(ab)ともに両主面と両側面を同電位とし、一方の音叉腕1aでは両主面が+電位であれば両側面を−電位とする。そして、他方の音叉腕1bでは一方の音叉腕1aとは逆電位とし、両主面を−電位として両側面を+電位となる結線とする。
【0005】
このようなものでは、第7図及び第8図に示したように一方の音叉腕1aでは両主面から両側面へ向かう電界のうちの、+X軸方向へのベクトル成分Pによって内側面領域は矢印(一重線)で示すようにY軸方向に伸張する。また、−X軸方向へのベクトル成分Qによって外側面領域はY軸方向に縮小する。要するに、+X軸から−軸方向に電界が向かうときはY軸方向に伸張し、−X軸から+X軸方向に電界が向かうときはY軸方向に縮小する。
【0006】
したがって、一方の音叉腕1aは矢印(二重線)で示すように外方向へ傾斜する。他方の音叉腕は同様の理由によって、外方向へ傾斜する。これにより、交番電圧を印加すると一対の音叉腕1(ab)は所謂音叉振動を生ずる。なお、振動周波数はW/L2に比例する(但し、Wは音叉腕の幅、Lは長さ)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)しかしながら、上記構成の音叉型振動子では小型化が進行するとCIが増大する問題があった。すなわち、各音叉腕1(ab)の幅が小さくなると励振電極3の電極面積も小さくなり、充分な電界を供給できずにCIが増大する問題があった。
【0008】
そこで、第9図に示したように各音叉腕1(ab)の両主面に対向する凹所4を設けて励振電極3を形成する。このようにすれば、X軸(幅)方向での電界が直線的になるので電界強度が増してCIを小さくできることが提案されている(特許文献1及び2)。しかしながら、この場合には主面の中央部に対向する凹所4を設けるため、強度が低下して耐衝撃性に問題を生ずる。
【0009】
(発明の目的)本発明は振動特性を良好に維持して小型化を促進する音叉型振動子及び棒状振動子を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】特開2002−76827号公報
【特許文献2】特開2002−204141号公報
【特許文献3】日本国特許第3335122号
【0011】
【課題を解決するための手段】
(着目点及び適用)本発明は、特許文献1及び2で示されるように電界がX軸方向に直線的になればCIが小さくなる点に着目し、特許文献3で示される直接接合技術を用いたX軸の極性を逆とした電界印加法を適用した。
【0012】
(解決手段)本発明の請求項1、2は、一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合、具体的にはシロキサン結合(Si−O−Si)によって接合した構成とする。
【0013】
このようなものでは、例えば一方の音叉腕の両側面に励振電極を設けて電界を印加すると、第1と第2の水晶片のX軸方向が逆向きなので、内側面が伸張すると外側面は縮小する。したがって、一方と他方の音叉腕の両側面に逆向きの電界を印加すれば音叉振動を生ずる。これにより、電界方向がX軸方向で直線的となるのでCIを小さくして振動特性を良好にし、小型化を促進する。
【0014】
請求項3は、結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした棒体からなる棒状振動子において、前記棒体はX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合された構成とする。
【0015】
本発明から付随的に派生した発明であり、電界がX軸方向に沿って直線状となるので電界強度が高まり、所謂屈曲振動姿態の棒状振動子が得られる。勿論、一端部側に対面する励振電極を形成し、他端部を保持した場合での振動も期待できる。以下、本発明の一実施例を説明する。
【0016】
【実施例】
第1図は本発明の第1実施例を説明する音叉型振動子の図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
音叉型振動子は前述したようにZカット板からなり、音叉基部2から一対の音叉腕1(ab)が延出してなる。一対の音叉腕1(ab)はそれぞれ内側と外側の第1と第2の水晶片5(ab)からなる。
【0017】
そして、一対の音叉腕1(ab)は各第1水晶片5aを外側から内側に向かって、第2水晶片5bを内側から外側に向かって−X軸から+X軸とする。なお、図では−X軸の記載は省略してある。そして、一対の音叉腕1(ab)の両側面に励振電極3を形成し、一対の音叉腕1(ab)ともに対をなす電位として、一方と他方とでは電界の向きが逆となる結線とする。
【0018】
一対の音叉腕1(ab)の第1と第2の水晶片5(ab)及び基部2の一部となる第3の水晶片6は直接接合によって形成される。直接接合は接合面を鏡面研磨して親水化(OH基化)して仮接合(オプティカルコンタクト)し、これを加熱してシロキサン結合(Si−O−Si)によって原子間レベルで接合される。
【0019】
このようなものでは、第2図及び第3図に示したように、例えば一方の音叉腕1aの外側面を+として内側面を−とした電界を印加すると以下になる。すなわち、内側の第1水晶片5aは前述したように−X軸から+X軸方向に電界が向かうので、即ち電界方向と±X軸の極性を逆にするのでY軸方向に伸張する。そして、外側の第2水晶片5bは電界方向が+X軸から−X軸方向に向かうので、即ち電界方向と±X軸の極性を同じにするのでY軸方向に縮小する。
【0020】
したがって、一方の音叉腕1aは外方向に傾斜する。また、他方の音叉腕1bも同様な理由によって外方向に傾斜する。そして、電界方向を逆向きにすれは、一対の音叉腕1(ab)は内方向に傾斜する。これらから、交番電圧を印加すれば音叉振動を生ずる。
【0021】
このような構成であれば、一対の音叉腕1(ab)にはX軸方向の電界を直線状として印加するので、従来例に比較して電界効率を高める。また、凹所等を設けることがないので、耐衝撃性も良好とする。したがって、CIを小さくできて振動特性を高め、小型化を促進できる。また、各音叉腕1(ab)の両側面にのみ励振電極3を形成し、両主面の励振電極3を不要にするので、電極形成を容易にする。
【0022】
【他の事項】
上記実施例では、一対の音叉腕1(ab)はいずれも内側及び外側に向かって+X軸となる第1及び第2の水晶片5(ab)としたが、例えば第4図に示したように一方の音叉腕1aは内側及び外側に向かって+X軸となる第1と第2の水晶片5(ab)とし、他方の音叉腕1bはこれとは逆に内側及び外側に向かって−X軸となる第1と第2の水晶片としてもよい。
【0023】
この場合、一方と他方の音叉腕1(ab)では逆向きの電界方向となるようにすれば音叉振動となる。すなわち、一方の音叉腕1aでは外側から内側に向かう電界とすれば、他方の音叉腕1bでは内側から外側に向かう電界とすればよい。
【0024】
また、音叉型振動子として説明したが、本発明によれば付随的に次のことが言える。すなわち、電界がX軸に沿って直線状であるため電界強度が非常に高くなる。したがって、第5図に示したようにY軸とZ軸のなす両主面に励振電極3を設けて所謂棒体の屈曲振動としても、同様にCIを小さくするので、本発明を適用できる。
【0025】
これらの場合、通常の屈曲振動を得る場合は棒体の節点領域を保持する。さらには、一端部を固定端として強制的な節点領域として他端部を自由端として励振した場合でも、電界が直線状なのでその振動が期待できる。なお、音叉型振動子は貼り合わせによるZカットとしたが、例えば温度特性等との関係から概ね±10度を含むものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合、具体的にはシロキサン結合(Si−O−Si)によって接合する。また、X軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合して棒体を形成し、Y−Z面の両主面に励振電極を形成する。したがって、振動特性を良好に維持して小型化を促進する音叉型振動子及び棒状振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する音叉型振動子の図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図3】本発明の一実施例の作用を説明する音叉型振動子の正面図である。
【図4】本発明の一実施例の他の例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図5】本発明の他の実施例を説明する棒状振動子の図である。
【図6】従来例を説明する音叉型振動子の図である。
【図7】従来例を説明する音叉型振動子の上面図である。
【図8】従来例の作用を説明する音叉型振動子の正面図である。
【図9】従来例の作用を説明する音叉型振動子の上面図である。
【符号の説明】
1 音叉腕、2、6 音叉基部、3 励振電極、4 凹所、5 水晶片。
Claims (3)
- 結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした一対の音叉腕が基部から延出してなる音叉型水晶振動子において、前記一対の音叉腕のそれぞれはX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合されたことを特徴とする音叉型水晶振動子。
- 前記直接接合はシロキサン結合(Si−O−Si)である請求項1の音叉型水晶振動子。
- 結晶軸(XYZ)のX軸を幅、Y軸を長さ、Z軸を厚み方向とした棒体からなる棒状振動子において、前記棒体はX軸方向を逆向きとした第1と第2の水晶片を幅方向に直接接合され、前記Y軸とZ軸のなす両主面に励振電極を設けたことを特徴とする棒状振動子。
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