JP2004257047A - 面格子と面格子を備えた建物の窓又は扉構造、及び面格子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】窓ガラスを割られたり、扉を取り外されたりした場合であっても、窃盗犯が建物の中に侵入できないように、窓や扉等の建物の開口部の内側に取り付けられるようにした防犯効果が高く、しかも取付作業が容易な面格子を提供することを課題とする。
【解決手段】建物の開口部7に設けられる伸縮自在の面格子1であって、該面格子1の伸縮方向の両端部には、建物の開口部7の建物内側面22に固定する第1取付面12と、開口部7の内周面8に接する第2取付面11とを有する取付部材10a,10bを備えるものとした。
【選択図】 図1
【解決手段】建物の開口部7に設けられる伸縮自在の面格子1であって、該面格子1の伸縮方向の両端部には、建物の開口部7の建物内側面22に固定する第1取付面12と、開口部7の内周面8に接する第2取付面11とを有する取付部材10a,10bを備えるものとした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、戸建て住宅及びマンション、アパート等の集合住宅の窓や扉等の開口部に設けられる面格子に関し、より詳しくは、防犯効果を高めるために開口部の内側に取り付けるようにした面格子と、その面格子を備えた窓又は扉構造及びその面格子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、戸建て住宅や集合住宅の窓に取り付けられている面格子は、建物との調和やそれ自体の美観を重視したものであって、建物の外側に取り付けるアルミニウム製のもの(以下、外付けの面格子という。)がほとんどであった。
【0003】
一方、戸建て住宅や集合住宅に侵入して、建物の内部から金銭や高価な品物等の財物を盗もうとする者(以下、窃盗犯という。)は、近年その手口が巧妙かつ荒手なものとなってきている。
【0004】
たとえば、外付けの面格子の場合には、その取付金具が外部に露出しているため、窃盗犯が取付金具を固定しているねじをドライバを使って弛めて、面格子自体を建物から取り外した後、窓ガラスを割って建物の中に侵入する手口が多くなっている。
【0005】
つまり、従来のような外付けの面格子の場合には、ドライバを使えば簡単に取り外すことができるので、窓ガラスを割って建物の中に入る時間が短いため、仮に防犯システムが整っている場合であっても、警備会社への通報があってから現場へ警備員が急行するまでには、窃盗犯が建物の中を物色し財物を盗み出すことができる状況にあった。
【0006】
従来の面格子の中には、取付金具を建物の開口部の内周面に取付金具を設けたものもあったが(たとえば、特許文献1を参照。)、窓ガラスの外側にあるアルミニウム製の面格子を鉄梃棒を使って無理矢理建物から取り外されてしまうこともあり、防犯効果は十分なものではなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−137391号公報(第2図)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
また、従来のアルミニウム製の外付けの面格子の場合には、建物の外側に取り付けるため、予め取り付ける窓の大きさに合わせて作られた既製品を使うか、大きめの面格子の縦格子と横格子とを現場で切断して、取り付ける窓の大きさに合わせて組立てて使うかの方法が採用されている。したがって、既製品の大きさを間違えた場合には取付作業ができず、面格子を切断、組立する場合には余分な現場作業が増えることとなりそのための作業時間を必要とするといった問題があった。
【0009】
さらに、従来のアルミニウム製の外付けの面格子を2階以上の窓に取り付ける場合には、建物の外側に作業者の足場を必要とし、密集した土地に建てる戸建て住宅や集合住宅の場合には取付作業が難しいことがあった。
【0010】
この発明は、以上のような事情に鑑み、窓ガラスを割られたり、扉を取り外されたりした場合であっても、窃盗犯が建物の中に侵入できないように、窓や扉等の建物の開口部の内側に取り付けられるようにした防犯効果が高く、しかも取付作業が容易な面格子を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、建物の開口部に設けられる伸縮自在の面格子であって、該面格子の伸縮方向の両端部には、建物の開口部の建物内側面に固定する第1取付面と、前記開口部の内周面に接する第2取付面とを有する取付部材を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記面格子の主たる構成部材である格子部材には、同一平面上に複数の長尺体が所定間隔を保って配置されており、前記長尺体の一部には面格子の伸縮時の最大長さを決定する停止部材を有することを特徴としている。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記格子部材は、前記複数の長尺体の外側端部に設けた前記取付部材と、前記複数の長尺体の内側端部に設けた前記停止部材とを有する単位枠体を構成し、該単位枠体を2個使用し、一方の単位枠体の長尺体と他方の単位枠体の長尺体とが互い違いに並列配置されるようにして組み合わせて一組の面格子とし、該面格子を最大に延ばした状態で前記停止部材同士が当接するようにしたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記長尺体は帯状の板材であって、前記停止部材には前記板材の横断面が挿通する挿通孔を有し、一方の単位枠体の挿通孔を他方の単位枠体の板材が進退することにより、面格子が伸縮自在となるようにしたことを特徴としている。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記板材の平面部は建物の開口部の内周面と平行な向きとなるように配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一つ記載の防犯用面格子を備えた建物の窓又は扉構造としたことを特徴としている。
【0017】
請求項7に係る発明は、所定の間隔を保って複数本配置される長尺体と、該長尺体の外側端部に固定した建物の開口部に取り付けるための取付部材と、前記長尺体の内側端部に固定した停止部材とを有する格子部材を2個組み合わせて構成した伸縮自在の面格子の製造方法であって、前記停止部材に前記長尺体の横断面が挿通する挿通孔を所定間隔を保って形成する穿孔工程と、該穿孔工程により挿通孔を形成した停止部材に前記長尺体を所定の間隔を保って固定して櫛状体を製作する櫛状体製作工程と、前記櫛状体を2個使用して両者の長尺体の自由端部を向かい合わせて一方の長尺体を他方の停止部材の挿通孔に貫通させて両者を一体にする一体化工程と、該一体化工程により挿通孔を貫通した長尺体の自由端部に前記取付部材を固定する組み付け工程とにより、前記2個の格子部材が長尺体の長手方向に沿って互いに進退でき、かつ前記2個の格子部材が分離不能な状態で一体化するようにしたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態として、個々の格子の平面形状が矩形をした面格子について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に係る面格子の平面図である。
【0020】
図1に示した面格子1は、主たる構成部材である平面形状が矩形をした同じ大きさの格子部材(単位枠体)2を2個使用し、この2個の格子部材2a,2bを組み合わせて一組の面格子を組み立てたものであって、その全長の中程の寸法まで広げた状態を表している。
【0021】
格子部材2a,2bには、同一平面上に同じ長さの複数の長尺体3a,3bが所定間隔を保って並列に配置されている。図示した長尺体3a,3bは帯状の板材としており、その内側端部(一方の端部)4a,4bには長尺体3a,3bである帯状の板材より僅かに大きな幅の帯状の板材である停止部材5a,5bが長尺体3a,3bと直交するように固定されている。帯状の板材の平面部6は建物の開口部7の内周面8と平行な向きとなるように配置されている。これにより、建物の開口部7に占める長尺体3a.3bの平面形状を小さくすることで建物の内部に十分な光が取り込めるようにすると共に、格子部材2a,2bの剛性を高め歪みが生じ難いものとしている。
【0022】
長尺体3a,3bの外側端部(他方の端部)9には、停止部材5a,5bと平行に配置される取付部材10a,10bが固定されている。取付部材10a,10bは断面が略L字型をしており、停止部材5a,5bと向かい合う第2取付面11と第2取付面11と直交する第1取付面12を有している。第1取付面12には、取付部材10a,10bを建物の開口部7に固定するためのビス13のねじ部が貫通するビス止め孔14a,14bが複数穿設されている。
【0023】
停止部材5a,5bには、長尺体3a,3bが挿通できる挿通孔15a,15bが形成されており、一方の格子部材2aの挿通孔15aに他方の格子部材2bの長尺体3bを挿通し、他方の格子部材2bの挿通孔15bに一方の格子部材2aの長尺体3aを挿通することで、2個の格子部材2a,2bを一体化している。
【0024】
つまり、2個の格子部材2a,2bを互いに遠ざけたり近づけたりすることで、一方の格子部材2aの長尺体3aが他方の格子部材2bの挿通孔15bを進退し、他方の格子部材2bの長尺体3bが一方の格子部材2aの挿通孔15aを進退することにより、面格子1が一方向に伸縮自在なものとなっている。
【0025】
これにより、2個の格子部材2a,2bを遠ざけて、面格子1を最大に延ばした状態で各々の停止部材5a,5b同士が当接することで、面格子1の最大長が実現される。
【0026】
なお、図示した実施の形態では、一方の格子部材2aの長尺体3aと他方の格子部材2bの長尺体3bとが重なり合うにして面格子1の側辺部をほぼ面一なものとし、外観をすっきりしたものに仕上げている。しかし、これに限らず、図2に示したように、面格子1の側辺部が2個の格子部材2a,2bで段差を生じるようにしてもよい場合には、隣り合う長尺体3a,3bを等間隔に保つ配置としてもよい。
【0027】
また、図示した実施の形態では、平面形状が矩形をした同じ大きさの格子部材2を2個使用し、この2個の格子部材2a,2bを組み合わせて一組の面格子1を組み立てたものとしている。しかし、これに限らず、図3に示したように、長尺体3a,3bを外管16と外管16の穴の断面形状より小さな外形をした断面形状を有する帯状の板材17との組み合わせによる構成としてもよい。この場合には、外管16の自由端部と帯状の板材17の自由端部との間に、停止部材5a,5bを設けることで外管16から帯状の板材17が抜け出さないようにしておくとよい。
【0028】
さらに、この発明は、図示した実施の形態に限らず、個々の格子の平面形状が菱形をした面格子の場合にも適用できるものである。つまり、右斜め格子材又は左斜め格子材のいずれか一方が前側となり、他方が後側になるように重ね合わせ、その交差部に回動軸を設けることで、いわゆるパンタグラフのように個々の格子の菱形の形状が縦長から横長に又は横長から縦長に変化することで面格子全体を伸縮自在としたものにも適用できる。
【0029】
以下、この発明の実施の形態に係る面格子の製造方法について説明する。
【0030】
図4は、この発明の実施の形態に係る面格子の組立前の状態を示した格子部材の斜視図である。
【0031】
所定の間隔を保って複数本配置される帯状の板材である長尺体3a,3bの一端に固定される帯状の板材である停止部材5a,5bには、予め、長尺体3a,3bの横断面が挿通する挿通孔15a,15bを所定間隔を保って穿設しておく(穿孔工程)。
【0032】
次に、挿通孔15a,15bが穿設されている停止部材5a,5bに、停止部材5a,5bと直交させて複数本の長尺体3a,3bを所定間隔を保って固定することで、櫛状をした櫛状体18a,18bを製作する(櫛状体製作工程)。櫛状体18a,18bは同じ形状のものを2個使用する。
【0033】
次に、2個の櫛状体18a,18bの各々の長尺体3a,3bの内側端部4a,4bを向かい合わせて、一方の長尺体3aを他方の停止部材5bの挿通孔15bに貫通させ、他方の長尺体3bを一方の停止部材5aの挿通孔15aに貫通させて両者を一体にする(一体化工程)。
【0034】
次に、2個の櫛状体18a,18bの挿通孔15a,15bを貫通したそれぞれの長尺体3a,3bの内側端部4a,4bに、断面略L字形の取付部材10a,10bの一方の平面である第2取付面11を対向させるようにして、停止部材5a,5bを固定する(組み付け工程)。
【0035】
これにより、2個の格子部材2a,2bが長尺体3a,3bの長手方向に沿って互いに進退でき、かつ2個の格子部材2a,2bが分離不能な状態で一体化され一組の面格子1が完成する。
【0036】
以下、この発明の実施の形態に係る面格子を建物の開口部に取り付ける方法について説明する。
【0037】
面格子1を建物の開口部7に取り付ける前の状態では、面格子1の両端部に配置されている取付部材10a,10bを最も近づけて最小寸法になるようにする。このとき、一方の停止部材5aが他方の取付部材10bの第2取付面11に当接することとなる。
【0038】
これにより、現場へ運搬する際の面格子1の容積を最小とすることができるため、運送コストが低減される。
【0039】
面格子1は、面格子1を取り付ける窓や扉等の建物の開口部7の大きさや縦横比に応じて、面格子1の伸縮方向を縦横いずれかに決定する。
【0040】
例えば、図5に示したように、面格子1を横方向に伸縮する向きにして取り付ける場合には、まず、開口部7と面格子1との隙間19、又は面格子1を複数使用する場合には面格子1と面格子1との隙間20が、人の手が入らない程度の大きさになるように、予め、面格子1の大きさの選定すると共に、取り付け位置を決定する。
【0041】
次に、定められた取り付け位置に従い、一方の格子部材2aの取付部材10aの第1取付面12aを、建物の開口部7の内側に設けられている額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、一方の格子部材2aの取付部材10aの第2取付面11aを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12aに設けたビス止め孔14aにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、一方の格子部材2aを額縁21の左右いずれかの枠部材に固定する。
【0042】
次に、図6に示したように、他方の格子部材2bの取付部材10bを外側に移動させるようにして、額縁21の反対側の枠部材の位置まで持っていき、他方の格子部材2bの取付部材10bの第1取付面12を額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、他方の格子部材2bの取付部材10bの第2取付面11bを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12bに設けたビス止め孔14bにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、他方の格子部材2bを額縁21の反対側の枠部材に固定する。
【0043】
この発明の実施の形態に係る面格子1は、以上のような簡単な操作で建物の開口部7へ取り付けることができる構造であるから、一組の面格子1の大きさが人間の肩幅程度のものとすれば、一人の作業者で取付作業を行うことができる。そして、1つの開口部7に対して2組の面格子1,1を取り付ける場合には、以上の操作を単に二度繰り返せば済む。
【0044】
なお、面格子1をより強固に開口部7に固定したい場合には、第2取付面12に設けたビス止め孔14a,14bにもビス13を差し込んで、額縁21の内周面8にもビス13をねじ込むようにすればよい。
【0045】
また、図7に示したように、面格子1を縦方向に伸縮する向きにして取り付ける場合には、図5の場合と同様に、定められた取り付け位置に従い、一方の格子部材2aの取付部材10aの第1取付面12aを、建物の開口部7の内側に設けられている額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、一方の格子部材2aの取付部材10aの第2取付面11aを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12aに設けたビス止め孔14aにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、一方の格子部材2aを額縁21の左右いずれかの枠部材に固定する。
【0046】
次に、図8に示したように、他方の格子部材2bの取付部材10bを外側に移動させるようにして、額縁21の反対側の枠部材の位置まで持っていき、他方の格子部材2bの取付部材10bの第1取付面12bを額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、他方の格子部材2bの取付部材10bの第2取付面11bを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12bに設けたビス止め孔14bにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、他方の格子部材2bを額縁21の反対側の枠部材に固定すればよい。
【0047】
なお、面格子1をより強固に開口部7に固定したい場合には、第2取付面11に設けたビス止め孔14a,14bにもビス13を差し込んで、額縁21の内周面8にもビス13をねじ込むようにすればよい。
【0048】
この発明の実施の形態に係る面格子1は、建物の開口部7であれば、特にその取付場所が限定されることはなく、窓にも扉にも適用できるものである。したがって、上記取り付け方法で説明したとおり、窓の内側にこの発明の実施の形態に係る面格子1を固定すれば、窓に防犯用面格子を備えた窓構造が完成し、扉の内側にこの発明の実施の形態に係る面格子1を固定すれば、扉に防犯用面格子を備えた窓構造が完成し、防犯効果の高い建物を提供することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、建物の開口部に設けられる伸縮自在の面格子であって、該面格子の伸縮方向の両端部には、建物の開口部の建物内側面に固定する第1取付面と、開口部の内周面に接する第2取付面とを有する取付部材を備えているので、建物の開口部の外側から取付部材を固定しているビスを取り外すことができないため、たとえ、窃盗犯が窓ガラスや扉を壊して建物の中に侵入しようとしても、面格子自体を破壊することが困難又は破壊することに手間取ることになるから、窃盗犯が建物の中に侵入することがなく財物の盗難を未然に防止できる。また、面格子自体が伸縮自在な小型な形態であり、対向する一対の取付部材を片方ずつ建物の開口部に設けられている額縁にビス止めするだけで面格子の取り付けが可能なため、一人でも取り付けができるほどに取付作業が容易なものとなる。
【0050】
請求項2に係る発明によれば、面格子の主たる構成部材である格子部材には、同一平面上に複数の長尺体が所定間隔を保って配置されており、長尺体の一部には面格子の伸縮時の最大長さを決定する停止部材を有するので、一度組み立てられた面格子は2個の格子部材に分離する心配がないため、運搬や取付作業での取り扱い時に分解するようなことがない。したがって、組立完成後の製品の取り扱いが容易になる。
【0051】
請求項3に係る発明によれば、格子部材は、複数の長尺体の外側端部に設けた取付部材と、複数の長尺体の内側端部に設けた停止部材とを有する単位枠体を構成し、該単位枠体を2個使用し、一方の単位枠体の長尺体と他方の単位枠体の長尺体とが互い違いに並列配置されるようにして組み合わせて一組の面格子とし、該面格子を最大に延ばした状態で停止部材同士が当接するようにしたので、格子部材の内側端部に設けた単位枠体を構成する端部部材が停止部材を兼ねた構造となっているため、構成部材が少なくて済むから材料コストの低減が可能となる。
【0052】
請求項4に係る発明によれば、長尺体は帯状の板材であって、停止部材には板材の横断面が挿通する挿通孔を有し、一方の単位枠体の挿通孔を他方の単位枠体の板材が進退することにより、面格子が伸縮自在となるようにしたので、長尺体自体を加工することなく停止部材のみに長尺体が挿通する挿通孔を形成する加工することで、面格子を伸縮自在の構造とすることができるため、製造コストの低減が可能となる。
【0053】
請求項5に係る発明によれば、板材の平面部は建物の開口部の内周面と平行な向きとなるように配置されているので、建物の開口部に占める長尺体の平面形状を小さくすることで建物の内部に十分な光が取り込めるようにすると共に、格子部材の剛性を高め歪みが生じ難いものが完成できる。
【0054】
請求項6に係る発明によれば、請求項1乃至5のいずれか一つ記載の防犯用面格子を備えた建物の窓又は扉構造としたので、防犯効果の高い建物を提供することができる。
【0055】
請求項7に係る発明によれば、所定の間隔を保って複数本配置される長尺体と、該長尺体の外側端部に固定した建物の開口部に取り付けるための取付部材と、長尺体の内側端部に固定した停止部材とを有する格子部材を2個組み合わせて構成した伸縮自在の面格子の製造方法であって、停止部材に長尺体の横断面が挿通する挿通孔を所定間隔を保って形成する穿孔工程と、該穿孔工程により挿通孔を形成した停止部材に長尺体を所定の間隔を保って固定して櫛状体を製作する櫛状体製作工程と、櫛状体を2個使用して両者の長尺体の自由端部を向かい合わせて一方の長尺体を他方の停止部材の挿通孔に貫通させて両者を一体にする一体化工程と、該一体化工程により挿通孔を貫通した長尺体の自由端部に取付部材を固定する組み付け工程とにより、2個の格子部材が長尺体の長手方向に沿って互いに進退でき、かつ2個の格子部材が分離不能な状態で一体化するようにしたので、一度組み立てられた面格子は2個の格子部材に分離する心配がないため、運搬や取付作業での取り扱いに気を使う必要がない伸縮自在の面格子が完成できる。したがって、取り付け前は縮めておき、取り付ける際に伸ばして使用することで、運搬と取付作業とが容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る面格子の平面図である。
【図2】同実施の形態に係る面格子の長尺体の配置を変えた別の態様を示す平面図である。
【図3】同実施の形態に係る面格子の長尺体の構造を変えた別の態様を示す平面図である。
【図4】同実施の形態に係る面格子の組立前の状態を示した格子部材の斜視図である。
【図5】同実施の形態に係る面格子の横向きの取り付け状態を示す斜視図であって、一方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図6】同実施の形態に係る面格子の横向きの取り付け状態を示す斜視図であって、両方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図7】同実施の形態に係る面格子の縦向きの取り付け状態を示す斜視図であって、一方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図8】同実施の形態に係る面格子の縦向きの取り付け状態を示す斜視図であって、両方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【符号の説明】
1 面格子
2,2a,2b 格子部材
3a,3b 長尺体
4,4a,4b 内側端部(一方の端部)
5,5a,5b 停止部材
6 平面部
7 開口部
8 内周面
9 外側端部(他方の端部)
10a,10b 取付部材
11,11a,11b 第2取付面
12,12a,12b 第1取付面
13 ビス
14a,14b ビス止め孔
15a,15b 挿通孔
18a,18b 櫛状体
21 額縁
22 内側面(建物内側面)
【発明の属する技術分野】
この発明は、戸建て住宅及びマンション、アパート等の集合住宅の窓や扉等の開口部に設けられる面格子に関し、より詳しくは、防犯効果を高めるために開口部の内側に取り付けるようにした面格子と、その面格子を備えた窓又は扉構造及びその面格子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、戸建て住宅や集合住宅の窓に取り付けられている面格子は、建物との調和やそれ自体の美観を重視したものであって、建物の外側に取り付けるアルミニウム製のもの(以下、外付けの面格子という。)がほとんどであった。
【0003】
一方、戸建て住宅や集合住宅に侵入して、建物の内部から金銭や高価な品物等の財物を盗もうとする者(以下、窃盗犯という。)は、近年その手口が巧妙かつ荒手なものとなってきている。
【0004】
たとえば、外付けの面格子の場合には、その取付金具が外部に露出しているため、窃盗犯が取付金具を固定しているねじをドライバを使って弛めて、面格子自体を建物から取り外した後、窓ガラスを割って建物の中に侵入する手口が多くなっている。
【0005】
つまり、従来のような外付けの面格子の場合には、ドライバを使えば簡単に取り外すことができるので、窓ガラスを割って建物の中に入る時間が短いため、仮に防犯システムが整っている場合であっても、警備会社への通報があってから現場へ警備員が急行するまでには、窃盗犯が建物の中を物色し財物を盗み出すことができる状況にあった。
【0006】
従来の面格子の中には、取付金具を建物の開口部の内周面に取付金具を設けたものもあったが(たとえば、特許文献1を参照。)、窓ガラスの外側にあるアルミニウム製の面格子を鉄梃棒を使って無理矢理建物から取り外されてしまうこともあり、防犯効果は十分なものではなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−137391号公報(第2図)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
また、従来のアルミニウム製の外付けの面格子の場合には、建物の外側に取り付けるため、予め取り付ける窓の大きさに合わせて作られた既製品を使うか、大きめの面格子の縦格子と横格子とを現場で切断して、取り付ける窓の大きさに合わせて組立てて使うかの方法が採用されている。したがって、既製品の大きさを間違えた場合には取付作業ができず、面格子を切断、組立する場合には余分な現場作業が増えることとなりそのための作業時間を必要とするといった問題があった。
【0009】
さらに、従来のアルミニウム製の外付けの面格子を2階以上の窓に取り付ける場合には、建物の外側に作業者の足場を必要とし、密集した土地に建てる戸建て住宅や集合住宅の場合には取付作業が難しいことがあった。
【0010】
この発明は、以上のような事情に鑑み、窓ガラスを割られたり、扉を取り外されたりした場合であっても、窃盗犯が建物の中に侵入できないように、窓や扉等の建物の開口部の内側に取り付けられるようにした防犯効果が高く、しかも取付作業が容易な面格子を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、建物の開口部に設けられる伸縮自在の面格子であって、該面格子の伸縮方向の両端部には、建物の開口部の建物内側面に固定する第1取付面と、前記開口部の内周面に接する第2取付面とを有する取付部材を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記面格子の主たる構成部材である格子部材には、同一平面上に複数の長尺体が所定間隔を保って配置されており、前記長尺体の一部には面格子の伸縮時の最大長さを決定する停止部材を有することを特徴としている。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記格子部材は、前記複数の長尺体の外側端部に設けた前記取付部材と、前記複数の長尺体の内側端部に設けた前記停止部材とを有する単位枠体を構成し、該単位枠体を2個使用し、一方の単位枠体の長尺体と他方の単位枠体の長尺体とが互い違いに並列配置されるようにして組み合わせて一組の面格子とし、該面格子を最大に延ばした状態で前記停止部材同士が当接するようにしたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記長尺体は帯状の板材であって、前記停止部材には前記板材の横断面が挿通する挿通孔を有し、一方の単位枠体の挿通孔を他方の単位枠体の板材が進退することにより、面格子が伸縮自在となるようにしたことを特徴としている。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記板材の平面部は建物の開口部の内周面と平行な向きとなるように配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一つ記載の防犯用面格子を備えた建物の窓又は扉構造としたことを特徴としている。
【0017】
請求項7に係る発明は、所定の間隔を保って複数本配置される長尺体と、該長尺体の外側端部に固定した建物の開口部に取り付けるための取付部材と、前記長尺体の内側端部に固定した停止部材とを有する格子部材を2個組み合わせて構成した伸縮自在の面格子の製造方法であって、前記停止部材に前記長尺体の横断面が挿通する挿通孔を所定間隔を保って形成する穿孔工程と、該穿孔工程により挿通孔を形成した停止部材に前記長尺体を所定の間隔を保って固定して櫛状体を製作する櫛状体製作工程と、前記櫛状体を2個使用して両者の長尺体の自由端部を向かい合わせて一方の長尺体を他方の停止部材の挿通孔に貫通させて両者を一体にする一体化工程と、該一体化工程により挿通孔を貫通した長尺体の自由端部に前記取付部材を固定する組み付け工程とにより、前記2個の格子部材が長尺体の長手方向に沿って互いに進退でき、かつ前記2個の格子部材が分離不能な状態で一体化するようにしたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態として、個々の格子の平面形状が矩形をした面格子について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に係る面格子の平面図である。
【0020】
図1に示した面格子1は、主たる構成部材である平面形状が矩形をした同じ大きさの格子部材(単位枠体)2を2個使用し、この2個の格子部材2a,2bを組み合わせて一組の面格子を組み立てたものであって、その全長の中程の寸法まで広げた状態を表している。
【0021】
格子部材2a,2bには、同一平面上に同じ長さの複数の長尺体3a,3bが所定間隔を保って並列に配置されている。図示した長尺体3a,3bは帯状の板材としており、その内側端部(一方の端部)4a,4bには長尺体3a,3bである帯状の板材より僅かに大きな幅の帯状の板材である停止部材5a,5bが長尺体3a,3bと直交するように固定されている。帯状の板材の平面部6は建物の開口部7の内周面8と平行な向きとなるように配置されている。これにより、建物の開口部7に占める長尺体3a.3bの平面形状を小さくすることで建物の内部に十分な光が取り込めるようにすると共に、格子部材2a,2bの剛性を高め歪みが生じ難いものとしている。
【0022】
長尺体3a,3bの外側端部(他方の端部)9には、停止部材5a,5bと平行に配置される取付部材10a,10bが固定されている。取付部材10a,10bは断面が略L字型をしており、停止部材5a,5bと向かい合う第2取付面11と第2取付面11と直交する第1取付面12を有している。第1取付面12には、取付部材10a,10bを建物の開口部7に固定するためのビス13のねじ部が貫通するビス止め孔14a,14bが複数穿設されている。
【0023】
停止部材5a,5bには、長尺体3a,3bが挿通できる挿通孔15a,15bが形成されており、一方の格子部材2aの挿通孔15aに他方の格子部材2bの長尺体3bを挿通し、他方の格子部材2bの挿通孔15bに一方の格子部材2aの長尺体3aを挿通することで、2個の格子部材2a,2bを一体化している。
【0024】
つまり、2個の格子部材2a,2bを互いに遠ざけたり近づけたりすることで、一方の格子部材2aの長尺体3aが他方の格子部材2bの挿通孔15bを進退し、他方の格子部材2bの長尺体3bが一方の格子部材2aの挿通孔15aを進退することにより、面格子1が一方向に伸縮自在なものとなっている。
【0025】
これにより、2個の格子部材2a,2bを遠ざけて、面格子1を最大に延ばした状態で各々の停止部材5a,5b同士が当接することで、面格子1の最大長が実現される。
【0026】
なお、図示した実施の形態では、一方の格子部材2aの長尺体3aと他方の格子部材2bの長尺体3bとが重なり合うにして面格子1の側辺部をほぼ面一なものとし、外観をすっきりしたものに仕上げている。しかし、これに限らず、図2に示したように、面格子1の側辺部が2個の格子部材2a,2bで段差を生じるようにしてもよい場合には、隣り合う長尺体3a,3bを等間隔に保つ配置としてもよい。
【0027】
また、図示した実施の形態では、平面形状が矩形をした同じ大きさの格子部材2を2個使用し、この2個の格子部材2a,2bを組み合わせて一組の面格子1を組み立てたものとしている。しかし、これに限らず、図3に示したように、長尺体3a,3bを外管16と外管16の穴の断面形状より小さな外形をした断面形状を有する帯状の板材17との組み合わせによる構成としてもよい。この場合には、外管16の自由端部と帯状の板材17の自由端部との間に、停止部材5a,5bを設けることで外管16から帯状の板材17が抜け出さないようにしておくとよい。
【0028】
さらに、この発明は、図示した実施の形態に限らず、個々の格子の平面形状が菱形をした面格子の場合にも適用できるものである。つまり、右斜め格子材又は左斜め格子材のいずれか一方が前側となり、他方が後側になるように重ね合わせ、その交差部に回動軸を設けることで、いわゆるパンタグラフのように個々の格子の菱形の形状が縦長から横長に又は横長から縦長に変化することで面格子全体を伸縮自在としたものにも適用できる。
【0029】
以下、この発明の実施の形態に係る面格子の製造方法について説明する。
【0030】
図4は、この発明の実施の形態に係る面格子の組立前の状態を示した格子部材の斜視図である。
【0031】
所定の間隔を保って複数本配置される帯状の板材である長尺体3a,3bの一端に固定される帯状の板材である停止部材5a,5bには、予め、長尺体3a,3bの横断面が挿通する挿通孔15a,15bを所定間隔を保って穿設しておく(穿孔工程)。
【0032】
次に、挿通孔15a,15bが穿設されている停止部材5a,5bに、停止部材5a,5bと直交させて複数本の長尺体3a,3bを所定間隔を保って固定することで、櫛状をした櫛状体18a,18bを製作する(櫛状体製作工程)。櫛状体18a,18bは同じ形状のものを2個使用する。
【0033】
次に、2個の櫛状体18a,18bの各々の長尺体3a,3bの内側端部4a,4bを向かい合わせて、一方の長尺体3aを他方の停止部材5bの挿通孔15bに貫通させ、他方の長尺体3bを一方の停止部材5aの挿通孔15aに貫通させて両者を一体にする(一体化工程)。
【0034】
次に、2個の櫛状体18a,18bの挿通孔15a,15bを貫通したそれぞれの長尺体3a,3bの内側端部4a,4bに、断面略L字形の取付部材10a,10bの一方の平面である第2取付面11を対向させるようにして、停止部材5a,5bを固定する(組み付け工程)。
【0035】
これにより、2個の格子部材2a,2bが長尺体3a,3bの長手方向に沿って互いに進退でき、かつ2個の格子部材2a,2bが分離不能な状態で一体化され一組の面格子1が完成する。
【0036】
以下、この発明の実施の形態に係る面格子を建物の開口部に取り付ける方法について説明する。
【0037】
面格子1を建物の開口部7に取り付ける前の状態では、面格子1の両端部に配置されている取付部材10a,10bを最も近づけて最小寸法になるようにする。このとき、一方の停止部材5aが他方の取付部材10bの第2取付面11に当接することとなる。
【0038】
これにより、現場へ運搬する際の面格子1の容積を最小とすることができるため、運送コストが低減される。
【0039】
面格子1は、面格子1を取り付ける窓や扉等の建物の開口部7の大きさや縦横比に応じて、面格子1の伸縮方向を縦横いずれかに決定する。
【0040】
例えば、図5に示したように、面格子1を横方向に伸縮する向きにして取り付ける場合には、まず、開口部7と面格子1との隙間19、又は面格子1を複数使用する場合には面格子1と面格子1との隙間20が、人の手が入らない程度の大きさになるように、予め、面格子1の大きさの選定すると共に、取り付け位置を決定する。
【0041】
次に、定められた取り付け位置に従い、一方の格子部材2aの取付部材10aの第1取付面12aを、建物の開口部7の内側に設けられている額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、一方の格子部材2aの取付部材10aの第2取付面11aを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12aに設けたビス止め孔14aにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、一方の格子部材2aを額縁21の左右いずれかの枠部材に固定する。
【0042】
次に、図6に示したように、他方の格子部材2bの取付部材10bを外側に移動させるようにして、額縁21の反対側の枠部材の位置まで持っていき、他方の格子部材2bの取付部材10bの第1取付面12を額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、他方の格子部材2bの取付部材10bの第2取付面11bを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12bに設けたビス止め孔14bにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、他方の格子部材2bを額縁21の反対側の枠部材に固定する。
【0043】
この発明の実施の形態に係る面格子1は、以上のような簡単な操作で建物の開口部7へ取り付けることができる構造であるから、一組の面格子1の大きさが人間の肩幅程度のものとすれば、一人の作業者で取付作業を行うことができる。そして、1つの開口部7に対して2組の面格子1,1を取り付ける場合には、以上の操作を単に二度繰り返せば済む。
【0044】
なお、面格子1をより強固に開口部7に固定したい場合には、第2取付面12に設けたビス止め孔14a,14bにもビス13を差し込んで、額縁21の内周面8にもビス13をねじ込むようにすればよい。
【0045】
また、図7に示したように、面格子1を縦方向に伸縮する向きにして取り付ける場合には、図5の場合と同様に、定められた取り付け位置に従い、一方の格子部材2aの取付部材10aの第1取付面12aを、建物の開口部7の内側に設けられている額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、一方の格子部材2aの取付部材10aの第2取付面11aを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12aに設けたビス止め孔14aにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、一方の格子部材2aを額縁21の左右いずれかの枠部材に固定する。
【0046】
次に、図8に示したように、他方の格子部材2bの取付部材10bを外側に移動させるようにして、額縁21の反対側の枠部材の位置まで持っていき、他方の格子部材2bの取付部材10bの第1取付面12bを額縁21の内側面(建物内側面)22に宛うと共に、他方の格子部材2bの取付部材10bの第2取付面11bを開口部7の内周面に当たる額縁21の内周面8に宛うようにして、少なくとも第1取付面12bに設けたビス止め孔14bにビス13を差し込んで額縁21にビス13をねじ込んで、他方の格子部材2bを額縁21の反対側の枠部材に固定すればよい。
【0047】
なお、面格子1をより強固に開口部7に固定したい場合には、第2取付面11に設けたビス止め孔14a,14bにもビス13を差し込んで、額縁21の内周面8にもビス13をねじ込むようにすればよい。
【0048】
この発明の実施の形態に係る面格子1は、建物の開口部7であれば、特にその取付場所が限定されることはなく、窓にも扉にも適用できるものである。したがって、上記取り付け方法で説明したとおり、窓の内側にこの発明の実施の形態に係る面格子1を固定すれば、窓に防犯用面格子を備えた窓構造が完成し、扉の内側にこの発明の実施の形態に係る面格子1を固定すれば、扉に防犯用面格子を備えた窓構造が完成し、防犯効果の高い建物を提供することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、建物の開口部に設けられる伸縮自在の面格子であって、該面格子の伸縮方向の両端部には、建物の開口部の建物内側面に固定する第1取付面と、開口部の内周面に接する第2取付面とを有する取付部材を備えているので、建物の開口部の外側から取付部材を固定しているビスを取り外すことができないため、たとえ、窃盗犯が窓ガラスや扉を壊して建物の中に侵入しようとしても、面格子自体を破壊することが困難又は破壊することに手間取ることになるから、窃盗犯が建物の中に侵入することがなく財物の盗難を未然に防止できる。また、面格子自体が伸縮自在な小型な形態であり、対向する一対の取付部材を片方ずつ建物の開口部に設けられている額縁にビス止めするだけで面格子の取り付けが可能なため、一人でも取り付けができるほどに取付作業が容易なものとなる。
【0050】
請求項2に係る発明によれば、面格子の主たる構成部材である格子部材には、同一平面上に複数の長尺体が所定間隔を保って配置されており、長尺体の一部には面格子の伸縮時の最大長さを決定する停止部材を有するので、一度組み立てられた面格子は2個の格子部材に分離する心配がないため、運搬や取付作業での取り扱い時に分解するようなことがない。したがって、組立完成後の製品の取り扱いが容易になる。
【0051】
請求項3に係る発明によれば、格子部材は、複数の長尺体の外側端部に設けた取付部材と、複数の長尺体の内側端部に設けた停止部材とを有する単位枠体を構成し、該単位枠体を2個使用し、一方の単位枠体の長尺体と他方の単位枠体の長尺体とが互い違いに並列配置されるようにして組み合わせて一組の面格子とし、該面格子を最大に延ばした状態で停止部材同士が当接するようにしたので、格子部材の内側端部に設けた単位枠体を構成する端部部材が停止部材を兼ねた構造となっているため、構成部材が少なくて済むから材料コストの低減が可能となる。
【0052】
請求項4に係る発明によれば、長尺体は帯状の板材であって、停止部材には板材の横断面が挿通する挿通孔を有し、一方の単位枠体の挿通孔を他方の単位枠体の板材が進退することにより、面格子が伸縮自在となるようにしたので、長尺体自体を加工することなく停止部材のみに長尺体が挿通する挿通孔を形成する加工することで、面格子を伸縮自在の構造とすることができるため、製造コストの低減が可能となる。
【0053】
請求項5に係る発明によれば、板材の平面部は建物の開口部の内周面と平行な向きとなるように配置されているので、建物の開口部に占める長尺体の平面形状を小さくすることで建物の内部に十分な光が取り込めるようにすると共に、格子部材の剛性を高め歪みが生じ難いものが完成できる。
【0054】
請求項6に係る発明によれば、請求項1乃至5のいずれか一つ記載の防犯用面格子を備えた建物の窓又は扉構造としたので、防犯効果の高い建物を提供することができる。
【0055】
請求項7に係る発明によれば、所定の間隔を保って複数本配置される長尺体と、該長尺体の外側端部に固定した建物の開口部に取り付けるための取付部材と、長尺体の内側端部に固定した停止部材とを有する格子部材を2個組み合わせて構成した伸縮自在の面格子の製造方法であって、停止部材に長尺体の横断面が挿通する挿通孔を所定間隔を保って形成する穿孔工程と、該穿孔工程により挿通孔を形成した停止部材に長尺体を所定の間隔を保って固定して櫛状体を製作する櫛状体製作工程と、櫛状体を2個使用して両者の長尺体の自由端部を向かい合わせて一方の長尺体を他方の停止部材の挿通孔に貫通させて両者を一体にする一体化工程と、該一体化工程により挿通孔を貫通した長尺体の自由端部に取付部材を固定する組み付け工程とにより、2個の格子部材が長尺体の長手方向に沿って互いに進退でき、かつ2個の格子部材が分離不能な状態で一体化するようにしたので、一度組み立てられた面格子は2個の格子部材に分離する心配がないため、運搬や取付作業での取り扱いに気を使う必要がない伸縮自在の面格子が完成できる。したがって、取り付け前は縮めておき、取り付ける際に伸ばして使用することで、運搬と取付作業とが容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る面格子の平面図である。
【図2】同実施の形態に係る面格子の長尺体の配置を変えた別の態様を示す平面図である。
【図3】同実施の形態に係る面格子の長尺体の構造を変えた別の態様を示す平面図である。
【図4】同実施の形態に係る面格子の組立前の状態を示した格子部材の斜視図である。
【図5】同実施の形態に係る面格子の横向きの取り付け状態を示す斜視図であって、一方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図6】同実施の形態に係る面格子の横向きの取り付け状態を示す斜視図であって、両方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図7】同実施の形態に係る面格子の縦向きの取り付け状態を示す斜視図であって、一方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【図8】同実施の形態に係る面格子の縦向きの取り付け状態を示す斜視図であって、両方の取付部材を固定した状態を示したものである。
【符号の説明】
1 面格子
2,2a,2b 格子部材
3a,3b 長尺体
4,4a,4b 内側端部(一方の端部)
5,5a,5b 停止部材
6 平面部
7 開口部
8 内周面
9 外側端部(他方の端部)
10a,10b 取付部材
11,11a,11b 第2取付面
12,12a,12b 第1取付面
13 ビス
14a,14b ビス止め孔
15a,15b 挿通孔
18a,18b 櫛状体
21 額縁
22 内側面(建物内側面)
Claims (7)
- 建物の開口部に設けられる伸縮自在の面格子であって、該面格子の伸縮方向の両端部には、建物の開口部の建物内側面に固定する第1取付面と、前記開口部の内周面に接する第2取付面とを有する取付部材を備えていることを特徴とする面格子。
- 前記面格子の主たる構成部材である格子部材には、同一平面上に複数の長尺体が所定間隔を保って配置されており、前記長尺体の一部には面格子の伸縮時の最大長さを決定する停止部材を有することを特徴とする請求項1に記載の面格子。
- 前記格子部材は、前記複数の長尺体の外側端部に設けた前記取付部材と、前記複数の長尺体の内側端部に設けた前記停止部材とを有する単位枠体を構成し、該単位枠体を2個使用し、一方の単位枠体の長尺体と他方の単位枠体の長尺体とが互い違いに並列配置されるようにして組み合わせて一組の面格子とし、該面格子を最大に延ばした状態で前記停止部材同士が当接するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の面格子。
- 前記長尺体は帯状の板材であって、前記停止部材には前記板材の横断面が挿通する挿通孔を有し、一方の単位枠体の挿通孔を他方の単位枠体の板材が進退することにより、面格子が伸縮自在となるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の面格子。
- 前記板材の平面部は建物の開口部の内周面と平行な向きとなるように配置されていることを請求項4に記載の面格子。
- 請求項1乃至5のいずれか一つ記載の面格子を備えた建物の窓又は扉構造。
- 所定の間隔を保って複数本配置される長尺体と、該長尺体の外側端部に固定した建物の開口部に取り付けるための取付部材と、前記長尺体の内側端部に固定した停止部材とを有する格子部材を2個組み合わせて構成した伸縮自在の面格子の製造方法であって、前記停止部材に前記長尺体の横断面が挿通する挿通孔を所定間隔を保って形成する穿孔工程と、該穿孔工程により挿通孔を形成した停止部材に前記長尺体を所定の間隔を保って固定して櫛状体を製作する櫛状体製作工程と、前記櫛状体を2個使用して両者の長尺体の自由端部を向かい合わせて一方の長尺体を他方の停止部材の挿通孔に貫通させて両者を一体にする一体化工程と、該一体化工程により挿通孔を貫通した長尺体の自由端部に前記取付部材を固定する組み付け工程とにより、前記2個の格子部材が長尺体の長手方向に沿って互いに進退でき、かつ前記2個の格子部材が分離不能な状態で一体化するようにしたことを特徴とする面格子の製造方法。
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JP2009024428A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Seiki Hanbai Co Ltd | 建物開口部用面格子装置 |
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2003
- 2003-02-25 JP JP2003046974A patent/JP2004257047A/ja active Pending
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