JP3691410B2 - 建具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建具に係り、例えば、建物の玄関、勝手口などのドア等であって、特に日射を受けるドアなどに利用できる。
【0002】
【背景技術】
従来より、玄関ドアのドアパネルは、金属製の上框、下框、および左右の竪框からなる框組みの室内外側面(表裏両面)に、鋼板等の金属面材を接着して構成されている。また、ドアパネルに要求される断熱性能に応じて、その内部には種々の断熱性能を有した芯材が設けられることが多い。
図9には、竪框91を含む框組み92の室内外側面に金属面材93,94が貼設されたドアパネル90が示されている。このような竪框91は、面内方向(見付方向)の内側に向けて開口した断面コ字形の形材など、室内外方向において対称形状のものが一般的である。
また、ドアパネル90内に芯材95が設けられた場合には、芯材95における所定の位置に切欠き95Aが形成され、この切欠き95Aには錠ケース96が収納される。そして、この錠ケース96に設けられたラッチボルト96Aが、ドア枠97側の受座97Aに係合することにより、ドアパネル90がドア枠97に収まるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のドアパネル90が日射を受けると、室外側の金属面材93がその熱によって大きく熱伸びし、室内側の金属面材94との間で熱伸び量に大きな差が生じることがある。
しかし、熱伸び量の差が大きいと、熱伸び方向(図9の紙面表裏方向)に沿って設けられた竪框91では、室外側が金属面材93と共に伸びようとするが、室内側は伸び量の小さい金属面材94に拘束されるため、片伸び状態となって竪框91自身が室外側に張り出すように反ってしまう。従って、ドアパネル90の周縁部の強度を受け持つ竪框91が反ることにより、ドアパネル90全体が室外側に反ってしまうという問題が生じる。
このような問題は、ドア枠97とドアパネル90との間に隙間を生じさせて気密性や断熱性を低下させたり、光漏れを生じさせるだけではなく、ラッチボルト96Aがドア枠97側の受座97Aに良好に係合しないなどの弊害を生じさせる可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、ドアパネルのようなパネル体の反りを生じ難くできる建具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、金属製の上框、下框、および左右の竪框からなる框組みと、この框組みの室内外側のそれぞれに設けられる金属面材とで構成されるパネル体を備え、前記框のうちの少なくとも前記パネル体の熱伸び方向に沿って設けられる框は、前記室内側および室外側の金属面材の一方にのみ接合される面材接合部を備え、前記金属面材の他方には接合されておらず、前記パネル体内には断熱性を有する芯材が配置され、この芯材と前記熱伸び方向に沿って設けられる框とは室内外方向に重なっていないとともに、前記芯材の室内外方向に沿った見込み寸法は前記框組みの見込寸法よりも大きくされ、この芯材の室内側および室外側の各面には前記室内側および室外側の各金属面材がそれぞれ接着されている建具である。
【0006】
本発明によれば、熱伸び方向に沿って設けられた框は、面材接合部を介して室内側および室外側の金属面材の一方には接合するが、他方には接合しないので、室内側の金属面材における挙動と室外側の金属面材における挙動とは独立している。このため、面材接合部が室外側の金属面材に接合される場合には、日射によって室外側の金属面材が熱伸びすると、この室外側の金属面材に追従して框全体が一様に熱伸びするので、框自身の反りが抑制され、ひいてはパネル体の反りを有効に防止できる。一方、面材接合部が室内側の金属面材に接合される場合には、室外側の金属面材だけが自由に熱伸びして、框自身には熱伸びの影響が及ばないので、框自身、ひいてはパネル体の反りを有効に防止できる。
【0007】
従って、パネル体に錠ケースを設置して、この錠ケースから突出するラッチボルトをドア枠側の受座に係合させる場合においても、パネル体の反りが防止されるので、ラッチボルトをドア枠側の受座に良好に係合させることができる。
また、芯材が各金属面材と接合されていることから、室外側の金属面材における熱伸びにより、芯材における室外側の金属面材側も歪みを生じることとなる。このため、芯材と框とが室内外方向に重なっていると、芯材との重なり部分を介して、芯材の歪みにより框にも歪みが生じ易くなる。これに対して本発明では、芯材と框とが室内外方向に重なっていないから、芯材の歪みと框の挙動とは独立しており、芯材を配置した場合でも框の歪み等が防止される。換言すれば、パネル体の歪みを防止しつつ、当該パネル体に良好な断熱性能を付与できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記面材接合部を前記室外側の金属面材に接合し、前記框組みと前記室内側の金属面材との間に、室内外方向の互いの位置を維持するための位置決め部材を設けていることを特徴とする建具である。
熱伸び方向に沿って設けられる框において、室内側の金属面材と面材接合部とを接合し、かつ室外側の金属面材とは接合しない構成では、室外側の金属面材における挙動を拘束するものがほとんどないため、熱が加えられた室外側の金属面は、大きく熱伸びしてしまう可能性がある。これに対して本発明では、室外側の金属面と框とを接合することで全体の熱容量が大きくなるため、室外側の金属面材に熱が加えられても、この加えられた熱が、金属面材に接合された框にまで伝導されて拡散し、室外側の金属面材における熱伸び量を小さく抑えることができる。
【0009】
また、框組みと室内側の金属面材との間に位置決め部材を配置したので、室内側の金属面材は、框組みに対する室内外方向の所定位置に維持される。
なお、位置決め部材としては、樹脂等の熱伝導率の小さな材料で形成することが望ましい。この場合には、室外側の金属面材に加えられた日射による熱が室内側の金属面材にはほとんど伝達されないので、室内側の金属面材における挙動と室外側の金属面材における挙動とが独立した状態を維持できる。
ただし、熱伝導率があまり小さくない材料で位置決め部材を形成する場合でも、框組みにおける上下の端部側等の必要な箇所に、短尺材等の小さな位置決め部材を配置することにより、室内側の金属面材を框組みに維持できるとともに、室外側の金属面材に加えられた熱が室内側の金属面材へと伝達されることを抑えることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記パネル体の熱伸び方向に沿って設けられる框は、左右の竪框であり、これら左右の竪框の間には、当該左右の竪框に沿った仕切り框が設けられ、前記パネル体内において、前記芯材が前記仕切り框と前記左右の竪框のうちの吊り元側の竪框との間に配置されるとともに、前記仕切り框と前記左右の竪框のうちの戸先側の竪框との間が錠ケースを収納可能な収納空間とされていることを特徴とする建具である。
このような構成では、左右の竪框の間に仕切り框を設けたので、パネル体の剛性を向上させることができ、パネル体の内部における一部に収納空間が設けられていても、十分なパネル強度を確保できる。
また、パネル体に錠ケースを配置する際には、戸先側の竪框と仕切り框との間に設けた収納空間に錠ケースを設置するだけでよいので、従来の構造(図9)における芯材への切欠き作業等が不要となり、錠ケースの取り付け作業における負担を軽減できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記戸先側の竪框および前記仕切り框における室内側間には、断熱パネルが跨設され、この断熱パネルの室内側には、前記室内側の金属面材が接合されていることを特徴とする建具である。
このような構成では、吊り元側の竪框および仕切り框と、室内側の金属面材とが断熱パネルによって遮られるので、建具に十分な断熱性能を確保できる。
このように、各框と室内側の金属面材との間における空間を断熱パネルで塞いだので、この断熱パネルがスペーサーとして機能し、室内側の金属面材と框組みとの室内外方向の位置関係が良好に維持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る建具としての玄関ドア1を示す外観姿図、図2は、図1における玄関ドア1の内部に設けられたパネル体としてのドアパネル20を示す図、図3は、玄関ドア1を示す縦断面図、図4は、玄関ドア1を示す横断面図、図5は、玄関ドア1の戸先側の要部を拡大して示す横断面図、図6は、玄関ドア1の吊り元側の要部を拡大して示す横断面図、図7は、図6での要部を示す拡大斜視図である。
本発明の建具である玄関ドア1は、図1に示すように、いわゆる片開きドアであり、建物等の開口部に配置されるとともに、アルミ製の押出形材からなる上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みしたドア枠10と、このドア枠10内に配置されるドアパネル20とを備えている。
【0014】
以下、本実施形態の特徴的な構成を有するドアパネル20を説明する。
図2において、ドアパネル20は、略中央に縦長の開口部30Aが形成されたドアパネル本体30と、この開口部30Aに設置される中窓50とを備えて構成されている。
【0015】
ドアパネル本体30は、図2〜図4に示すように、それぞれ断面コ字状のアルミ製の押出形材からなる上框31、下框32、および左右の竪框を構成する戸先側竪框33、吊り元側竪框34で形成された框組み35と、この框組み35の室外側に接合される室外側の金属面材としての外鋼板36と、この框組み35の室内側に設けられるが、框組み35の室内側には接合されない室内側の金属面材としての内鋼板37とを備え、縦長の矩形状に形成されている。
【0016】
框組み35において、図2,4に示すように、上下の框31,32には、竪框33,34に沿った仕切り框40の上端および下端が溶接されている。仕切り框40は、竪框33,34と同じ断面コ字状で同じ断面寸法に形成され、そのコ字状の開口側と吊り元側竪框34のコ字状の開口側とが互いに向き合っている。
【0017】
各框31〜34,40は、それぞれ面材接合部としての室外側端面31A,32A,33A,34A,40Aと、室内側端面31B,32B,33B,34B,40Bとを備えている。この際、室外側端面31A,32A,33A,34A,40Aには、外鋼板36が接合されるが、室内側端面31B,32B,33B,34B,40Bには、内鋼板37が接合されないようになっている。
【0018】
また、框組み35の内側は、仕切り框40によって、戸先側竪框33および仕切り框40の間である戸先側空間42と、吊り元側竪框34および仕切り框40の間である吊り元側空間43との2つの縦長の空間に仕切られている。
【0019】
図4の右側および図5に拡大して示すように、戸先側空間42には、縦枠13に設けられた受座13Aに対して進退して係脱するラッチボルト61やデッドボルト(図示略)を有する錠ケース60が収納され、この錠ケース60は、戸先側竪框33にビス止めされている。このラッチボルト61は、戸先側竪框33に取り付けられたドアノブ62の操作により進退可能となっている。そして、この戸先側空間42が、本発明の請求項5に示された収納空間である。
ここで、戸先側空間42の見付寸法は、錠ケース60の見付寸法よりもやや大きい程度であり、錠ケース60を収納可能な必要最小限の大きさとされている。
【0020】
一方、図4の左側に示すように、吊り元側空間43には、ウレタンを発泡させた断熱ボード41が配置されている。そして、断熱ボード41の断熱性により、ドアパネル20ひいては玄関ドア1全体が断熱ドアとして機能している。
【0021】
断熱ボード41は、図3も参照すれば、開口部30Aに対応する切欠きが形成された上側断熱ボード41Aと、この上側断熱ボード41Aの下側に開口部30Aを挟むように配置される下側断熱ボード41Bとで構成され、室内外方向に沿った厚さ寸法(見込寸法)が、框組み35の見込寸法よりも大きい。
【0022】
断熱ボード41の室外側の面は、框組み35と同様に外鋼板36に接着等され、その厚さ寸法が大きいことで、框組み35より室内側に位置する室内側の面が、内鋼板37に接着等されている。これにより、断熱ボード41の厚さ寸法が大きい分、框組み35と内鋼板37とは、室内外方向に離間することになり、内鋼板37は、框組み35に接合されない。また、ドアパネル本体30内の断熱ボード41が補強材として機能し、ドアパネル本体30の強度が十分に確保されるようになっている。
【0023】
このような断熱ボード41(41A,41B)は、熱伸び方向に沿って設けられる框である吊り元側竪框34および仕切り框40に加えて、上下の框31,32とは室内外方向に重ならない位置に設けられている。つまり、断熱ボード41が、框31,32,34,40のコ字型部分の内部に入り込んでいないこととなる。
【0024】
さらに、下側断熱ボード41Bの上面には、図3に示すように、切欠き状の排水溝41B1が、断熱ボード41Bの横方向の全長に渡って形成されている。この下側断熱ボード41Bの左右両端は、吊り元側竪框34および仕切り框40のコ字形状の開口側の先端に当接されている。このため、中窓50の隙間から入り込んだ雨水等は、排水溝41B1で受けられて、吊り元側竪框34および仕切り框40におけるコ字形の内部空間を通って下方へ流れ、下框32に形成された図示しない排水孔から室外側へと排出されるようになっている。
【0025】
また、図4,5に示すように、断熱ボード41の厚さ寸法と框組み35の見込寸法の差によって生じる框組み35の室内側と内鋼板37との隙間には、室内外方向の互いの位置(間隔)を維持するためのスペーサーとなる断熱パネル38および位置決め樹脂ブロック39が配置されている。
【0026】
断熱パネル38は、断熱性を有する板材であって、戸先側竪框33および仕切り框40の室内側に跨設されており、断熱パネル38の室外側面は、上下の框31,32における室内側端面31B,32Bの戸先側の一部と(図示略)、戸先側竪框33、仕切り框40における室内側端面33B,40Bの全面とに両面テープ等で仮止めされ、その室内側面は、内鋼板37に接着剤で接着されている。
【0027】
位置決め樹脂ブロック39は、図6,7に示すように、吊り元側竪框34の室内側端面34Bと内鋼板37との間に配置されるとともに、互いの室内外方向の位置(間隔)を維持するためのスペーサーとして機能する略直方体状で樹脂製の部材であり、直方体で短尺状のブロック本体39Aと、このブロック本体39Aの室外側面から突出する一対の突出片39Bとを備えて構成される。
【0028】
また、図7に示すように、吊り元側竪框34の室内側端面34Bにおける下側には、長方形の係止孔34B1が2つ形成されている。これら2つの係止孔34B1には、位置決め樹脂ブロック39の一対の突出片39Bがそれぞれ挿入される。そして、各突出片39Bに形成された爪部39B1が、室内側端面34Bと係合することにより、位置決め樹脂ブロック39が、室内側端面34Bに係止されるようになっている。
従って、直方体状のブロック本体39Aが、吊り元側竪框34の室内側端面34Bと、内鋼板37とに当接することとなり、吊り元側竪框34および内鋼板37における室内外方向の互いの位置(間隔)が維持されている。
【0029】
なお、図示を省略しているが、吊り元側竪框34の室内側端面34Bにおける上側にも、下側と同様の係止孔が形成されており、下側と同様に位置決め樹脂ブロック39が取り付けられている。このため、吊り元側竪框34と内鋼板37との間の隙間が、上下に渡って同じ大きさで維持されている。
【0030】
以上説明したように、ドアパネル20のパネル本体30では、外鋼板36は、接着剤によって、各框31〜34,40における室外側端面31A,32A,33A,34A,40Aおよび断熱ボード41の室外側面に接着されているが、内鋼板37は、接着剤によって、断熱ボード41の室内側面、断熱パネル38の室内側面、および位置決め樹脂ブロック39のブロック本体39Aに接着されており、各框31〜34,40の室内側端面31B,32B,33B,34B,40Bには接合されていない。
【0031】
中窓50は、図3,4に示すように、ドアパネル本体30に形成された開口部30A内に嵌め込まれる複層ガラス51と、この複層ガラス51を室内外面側から挟持する額縁52とを備えて構成されている。このように、中窓50に複層ガラス51を採用したので、ドアパネル20における採光性や意匠性を確保されるとともに、防音性や断熱性の低下が抑えられている。
【0032】
額縁52は、複層ガラス51を保持するとともに、ドアパネル20を化粧するための部材であり、図2〜図4に示すように、室内側から複層ガラス51を保持するアルミ製の内額縁53と、室外側から複層ガラス51を保持するアルミ製の外額縁54と、これらの額縁53,54の間に配置されて、両額縁53,54を連結する樹脂製の取付部材55とを備えて構成される。ここで、各額縁52(53,54)は、図1,2に示すように、形材の端部同士を45度接合することで枠組みされている。
【0033】
図4に示すように、内額縁53と外額縁54とが対面する側(裏面側)には、爪を有する嵌合凹部53A,54Bがそれぞれ形成されている。
一方、取付部材55には、内額縁53の嵌合凹部53Aに嵌合される嵌合凸部55Aと、外額縁54の嵌合凹部54Bに嵌合される嵌合凸部55Bとが形成されており、嵌合凹部53A,54Bおよび嵌合凸部55A,55Bが嵌合された際には、嵌合凸部55A,55Bが、嵌合凹部53A,54Bの爪に係止されて、嵌合が外れないようなスナップ構造とされている。なお、このような取付部材55は、額縁53,54の大きさに合わせて複数個配置されている。
【0034】
また、嵌合凸部55A,55B同士は、別体として形成されており、図4における上下方向(紙面表裏方向)に沿って互いにスライドする構造となっている。これにより、外鋼板36がドアパネル20の上下方向に沿って熱伸びしても、この熱伸びに対して外額縁54だけが追従して、内額縁53は追従しないようになっている。このため、外額縁54とドアパネル20における開口部40Aとの間に、外鋼板36の熱伸びに対応する分のクリアランスを取っておくことで、外鋼板36の熱伸びによる影響が外額縁54に何ら及ばないようになっている。
【0035】
以上のような構成のドアパネル20において、ドアパネル20の室外側が日射を受けると、外鋼板36が上下方向(熱伸び方向)に沿って伸びる。
この際、外鋼板36と框組み35とが、各框31〜34,40における室外側端面31A,32A,33A,34A,40Aを介して接着されているので、外鋼板36の熱伸びに追従して、熱伸び方向に沿った竪框33,34および仕切り框40が上下方向に伸びる。
【0036】
これに対し、框組み35の室内側と内鋼板37とは、断熱パネル38を介して、各框33,34,40の室内側端面33B,34B,40Bにおいて仮止めされているだけであるから、框組み35と内鋼板37とは接合されておらず、外鋼板36や框組み35の熱伸びの影響を受けない。
【0037】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)玄関ドア1のドアパネル20において、熱伸び方向に沿って設けられた框33,34,40と内鋼板37とが接合されていないので、内鋼板37における挙動と外鋼板36における挙動とは独立している。従って、内鋼板37等に関係なく、外鋼板36と框33,34,40とが一様に熱伸びするので、框33,34,40自身の反りが抑制され、ひいてはドアパネル20の反りを有効に防止できる。このことにより、錠ケース60のラッチボルト61やデットボルトを、ドア枠10側の受座13Aに良好に係合させることができる。
【0038】
(2)外鋼板36と内鋼板37とは、断熱ボード41や断熱パネル38、熱伝導率の低い位置決め樹脂ブロック39を介して接合されているので、室内外間における熱伝導を確実に抑えることができる。このため、玄関ドア1において十分な断熱性能を確保できる。
【0039】
(3)外鋼板36と框組み35とを接合したので、外鋼板36に框組み35が接合されていない場合に比べて、外鋼板36側での熱容量が大きくなるため、外鋼板36に加えられた熱が、接合された框組み35にまで伝導して拡散し、外鋼板36の熱伸び量そのものを抑えることができる。
【0040】
(4)内鋼板37と吊り元側竪框34との間に、位置決め樹脂ブロック39を配置したので、内鋼板37の室外側への折曲等を確実に防止できる。この際、短尺の位置決め樹脂ブロック39を吊り元側竪框34の上下側に1つずつ配置したので、内鋼板37の上下の両端側が固定されることにより、内鋼板37の室外側への折曲等をより確実に防止できる。また、このように短尺の位置決め樹脂ブロック39を必要最小限の数だけ配置したので、内鋼板37の固定を確実なものにするとともに、余分な熱伝導を抑えることにより、玄関ドア1の断熱性能を確保できる。
【0041】
(5)断熱ボード41と各框31,32,34,40とは室内外方向で一切重なり部分がないため、断熱ボード41の歪みが框34,40に対して影響を及ぼさない。このため、外鋼板36が熱伸びして断熱ボード41に歪み等が生じても框31,32,34,40における歪み等の発生を確実に防止できる。さらに、断熱ボード41を框31,32,34,40に接触すらさせなければ、より一層確実に、框31,32,34,40における歪み等の発生を防止できる。
【0042】
(6)左右の竪框33,34の間に仕切り框40を設けたので、ドアパネル20の剛性を向上させることができ、ドアパネル20内の一部に中空状の戸先側空間42が設けられていても、十分なドアパネル20の強度を確保できる。
【0043】
(7)ドアパネル20に錠ケース60を配置する際には、ドアパネル20に錠ケース60を収納可能な戸先側空間42を設け、この戸先側空間42に錠ケース60を設置するだけでよいので、従来のように、ドアパネル内の芯材に切欠きを形成して配置する作業を不要にでき、錠ケース60の取り付け作業における負担を軽減できる。
【0044】
(8)戸先側空間42の寸法を錠ケース60が収まる程度の寸法としたので、ドアパネル20の錠ケース60部分における剛性を維持できる。これにより、錠ケース60において歪み等が生じ難いため、より確実にラッチボルト61等を受座13Aに係合させることができる。
【0045】
(9)框33,40と内鋼板37との間に、スペーサーとなる断熱パネル38を配置したので、この断熱パネル38が裏打ち材として機能し、内鋼板37の窪み等の変形を防止できる。この際、スペーサーとして断熱パネル38を採用したので、断熱性を有する芯材41がこの位置になくても、十分な断熱性能を確保できる。
【0046】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、戸先側竪框において、室外側端面の見付寸法および室内側端面の見付寸法は、同じでなくともよく、任意に設定できる。
図8には、このような変形例としてのドアパネル100における戸先側の要部が示されている。
このドアパネル100を構成する戸先側竪框101において、室外側端面101Aの見付寸法は、戸先側空間142の見付寸法と略同じであって、室内側端面101Bの見付寸法より大きくなるように形成されている。このため、室外側端面101Aが、外鋼板102の裏打ち材として機能し、外鋼板102の窪み等の変形を防止できる。
また、室外側端面101Aの面積が大きくなると、外鋼板102の熱容量が大きくなるため、外鋼板102に加えられた熱が、より一層効果的に拡散され、外鋼板102の熱伸びを小さく抑えることができる。
なお、このような点は戸先側竪框に限らず、吊り元側竪框や上框等のその他の框においても同様である。
【0047】
また、本実施形態において、外鋼板36の室外側面には、特に何も設けていないが、例えば、外鋼板36の室外側面に化粧パネルを取り付けて、ドアパネル20の意匠性を向上させる目的の他、外鋼板36に日射が直に照射するのを防ぐようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態において、断熱性を有する芯材としては、ウレタンを発泡させた断熱ボード41を採用したが、これに限らず、例えば、単層のペーパーハニカムコアや、ペーパーハニカムコアを重ねた複層構造のもの、単層または複層構造のペーパーロールコアを用いたもの、樹脂製や木製のもの等の各種芯材を採用できる。要するに、芯材の構造や材質等は、要求される断熱性能に応じて決めればよい。
【0049】
本実施形態のドアパネル20において、框組み35の室外側面に外鋼板36を接着し、框組み35の室内側面と内鋼板37とが接着しない構成を採用しているが、これとは逆に、框組み35の室内側面に内鋼板37を接着し、框組み35の室外側面と外鋼板36とが接着しない構成としてもよい。つまり、框組み35は、外鋼板36および内鋼板37の一方と接合し、他方とは接合しない構成とすればよいことになる。ただし、本実施形態の方が、外鋼板36側の熱容量が大きくなるので、外鋼板36に加えられた熱が框組みへと伝導して拡散し、外鋼板36が熱伸びし難いという利点がある。
【0050】
本実施形態において、戸先側竪框33および仕切り框40の室内側に断熱パネル38を配置したが、框組み35に対して、内鋼板37の剛性が大きくて凹み難い場合など、内鋼板37が室内外方向へ位置ずれし難い場合には、特に配置しなくてもよい。また、断熱パネル38を、断熱性を有していないスペーサーとしてもよい。ただし、本実施形態の方が、内鋼板37の変形やずれの防止、およびドアパネル20の断熱性等の点に優れるという利点がある。
【0051】
また、断熱パネル38を、戸先側竪框33および仕切り框40を跨設するように構成したが、これに限らず、例えば、框組み35の室内側の全面に渡って配置されるように構成してもよい。この場合には、断熱ボード41の厚さ寸法を框組み35の厚さ寸法と同じ程度に構成すればよい。
【0052】
本実施形態において、断熱ボード41と各框31,32,34,40とは、室内外方向に一切重ならない構成としたが、各框31,32,34,40の一部もしくは全部が重なるような構成としてもよい。ただし、本実施形態の方が、各框31,32,34,40における歪み等の発生を確実に防止できるという利点がある。
【0053】
本実施形態において、戸先側空間42の寸法を錠ケース60が収まる程度の寸法としたが、この寸法は特に限定されず任意の寸法としてよい。ただし、本実施形態の方が、ドアパネル20の錠ケース60部分における剛性を維持できるうえ、確実にラッチボルト61等を受座13Aに係合させることができるという利点がある。
【0054】
なお、各框としては、本実施形態のようなアルミ製の押出形材に限らず、例えば、鋼材等であってもよい。
【0055】
本実施形態において、仕切り框40を上下の框31,32に対して取り付ける際に、溶接により行っていたが、連結金具等を用いて行ってもよい。連結のための手段は、特に限定されない。
【0056】
本実施形態において、ドアパネル20を縦長の矩形状としたが、これに限らず、例えば、横長の矩形状や、略正方形状としてもよく、このような場合でも、それぞれの熱伸び方向に沿って配置される框に対して、本発明に係る構造を適用できる。
【0057】
本実施形態において、本発明の建具を玄関ドア1としたが、これに限らず、勝手口のドアや、建物内において使用されるドア等の各種のドア、さらにはドア以外の建具とすることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、熱伸び方向に沿って設けられた框が、室内側および室外側の金属面材の一方には接合するが、他方には接合しないので、室内側および室外側の金属面材における挙動がそれぞれ独立する。従って、面材接合部が室外側の金属面材に接合される場合には、日射によって室外側の金属面材が熱伸びすると、この室外側の金属面材に追従して框全体が一様に熱伸びする。一方、面材接合部が室内側の金属面材に接合される場合には、室外側の金属面材だけが自由に熱伸びして、框自身には熱伸びの影響が及ばない。このように、いずれの場合においても、框自身の反りが抑制され、ひいてはパネル体の反りを有効に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る建具としてのドアを示す外観姿図である。
【図2】図1において、前記ドアの内部に設けられたドアパネルを示す図ある。
【図3】前記ドアを示す縦断面図である。
【図4】前記ドアを示す横断面図である。
【図5】前記ドアの戸先側の要部を拡大して示す横断面図である。
【図6】前記ドアの吊り元側の要部を拡大して示す横断面図である。
【図7】図6での要部を示す拡大斜視図である。
【図8】本発明の変形例の要部を拡大して示す横断面図である。
【図9】従来のドアを示す横断面図である。
【符号の説明】
1…建具である玄関ドア、20,100…パネル体としてのドアパネル、31…上框、31A,32A,33A,34A,40A,101A…室外側端面、32…下框、33,101…左右の竪框を構成する戸先側竪框、34…左右の竪框を構成する吊り元側竪框、35…框組み、36,102…室外側の金属面材としての外鋼板、37…室内側の金属面材としての内鋼板、38…断熱パネル、39…位置決め部材としての位置決め樹脂ブロック、40…仕切り框、41…芯材としての断熱ボード、42…収納空間としての戸先側空間、60…錠ケース
Claims (4)
- 金属製の上框、下框、および左右の竪框からなる框組みと、この框組みの室内外側のそれぞれに設けられる金属面材とで構成されるパネル体を備え、
前記框のうちの少なくとも前記パネル体の熱伸び方向に沿って設けられる框は、前記室内側および室外側の金属面材の一方にのみ接合される面材接合部を備え、前記金属面材の他方には接合されておらず、
前記パネル体内には断熱性を有する芯材が配置され、この芯材と前記熱伸び方向に沿って設けられる框とは室内外方向に重なっていないとともに、
前記芯材の室内外方向に沿った見込み寸法は前記框組みの見込寸法よりも大きくされ、この芯材の室内側および室外側の各面には前記室内側および室外側の各金属面材がそれぞれ接着されている建具。 - 前記面材接合部は、前記室外側の金属面材に接合され、
前記框組みと前記室内側の金属面材との間には、室内外方向の互いの位置を維持するための位置決め部材が設けられている請求項1に記載の建具。 - 前記パネル体の熱伸び方向に沿って設けられる框は、左右の竪框であり、これら左右の竪框の間には、当該左右の竪框に沿った仕切り框が設けられ、前記パネル体内において、前記芯材が前記仕切り框と前記左右の竪框のうちの吊り元側の竪框との間に配置されるとともに、前記仕切り框と前記左右の竪框のうちの戸先側の竪框との間が錠ケースを収納可能な収納空間とされている請求項1または請求項2に記載の建具。
- 前記戸先側の竪框および前記仕切り框における室内側間には、断熱パネルが跨設され、この断熱パネルの室内側には、前記室内側の金属面材が接合されている請求項3に記載の建具。
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