JP3947660B2 - 建物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出窓を備える建物に係り、特に、狭小敷地にも対応可能な建物に関する。
【0002】
【背景技術】
出窓は、手軽に室内のスペースを確保(広く)したり、室外の意匠のアクセントになるために広く普及している。この出窓は、例えば、平面台形の出窓を例に説明すると、通常は、建物躯体(建物の壁開口に設けられた柱等)に取り付けられる縦枠と、この縦枠から離れて配置される方立間に袖上枠および袖下枠を連結して袖窓部(袖ユニット)を組み立て、この袖窓部の各方立間に正面上枠および正面下枠を連結材(ジョイント部材)を用いて接合して正面窓部(正面枠ユニット)を組み立てていた。
そして、この各袖ユニットや正面枠ユニット内に、ガラス等の各種面材を嵌め殺し状態に組み込んだり、引違い障子や縦辷り出し窓用の障子等を組み込んで出窓を構成していた。
【0003】
ところで、敷地が狭い狭小地に立てられる建物等では、敷地一杯に建物を建てることが多く、出窓の出幅寸法、つまり建物外壁の壁開口面からの出窓の突出寸法を小さくする必要がある。例えば、通常の出窓の出幅寸法を300mmに設定している場合、狭小地用の出窓では、出幅寸法を200mmなどに短くしていた。
ここで、従来は、縦枠や方立を出幅寸法が異なる各出窓で兼用できるように、各上枠、下枠の長さを調整して出幅寸法を設定していた。
例えば、図15に示すように、建物外壁の壁開口の幅寸法がW1、つまり柱101間の開口幅寸法がW1の場合、狭小地では、図15(A)に示すように、建物の壁開口面(壁面)からの突出寸法(見込み寸法、出幅寸法)L1が200mmの出窓501を用い、通常の場合は、図15(B)に示すように、建物の壁開口面(壁面)からの突出寸法(見込み寸法、出幅寸法)L2が300mmの出窓502を用いていた。
そして、柱101に固定される縦枠511や、方立512は、各出窓501,502で同一のものを用いており、縦枠511および方立512間に架け渡される袖上枠513、袖下枠514の長さ寸法を、出窓501では寸法L11とし、出窓502では寸法L11よりも大きな寸法L12とすることで、出幅寸法L2を大きくしていた。
ここで、壁開口面に対する袖窓部510つまり各枠513,514の傾斜角度θ5は、各出窓501,502で同じ角度(例えば60度)とされている。このため、正面窓部530つまり方立512間に架け渡される正面上枠531および正面下枠532の長さ寸法は、出窓501では寸法W11とされ、出窓502では寸法W11よりも小さな寸法W12とされていた。
【0004】
このような出幅寸法L1,L2が異なる出窓501,502では、袖窓部510および正面窓部530の正面投影面における幅寸法比が、互いに相違することになる。すなわち、正面投影面における幅寸法比とは、図16に示すように、出窓501,502の室外面(正面)を、壁開口面に平行に配置される仮想的な投影面400に投影させた際の各窓部510,530の幅寸法WA,WBである。従って、正面窓部530における幅寸法WAは、図15に示す各窓部510,530の見付け寸法W11,W12となる。また、袖窓部510における幅寸法WBは、出窓501では寸法W13となり、出窓502では寸法W13よりも大きな寸法W14となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの出窓501,502では、各窓部510,530の見付け寸法比つまり寸法W11と寸法W13との割合と、寸法W12と寸法W14との割合とが相違するため、出窓501,502が取り付けられる壁開口の幅寸法W1が同一であっても、各寸法W11とW12とは互いに相違し、寸法W13とW14とも互いに相違していた。このため、各出窓501,502の室外側正面の外観が大きく相違し、例えば、2つの出窓501,502を建物の外壁に並べて配置した際に、各窓部510,530の見た目のバランスが各出窓501,502で大きく相違し、外観デザインの統一が図れないという問題がある。
また、狭小地向けの出窓501では、袖窓部510の寸法L11を出窓502の寸法L12に比べて短くすることで、出幅寸法L1を小さくしているので、特に袖窓部510の採光面積が非常に小さくなってしまうという問題がある。特に、出窓では、正面窓部530だけでなく、袖窓部510からの斜め方向の見通しを向上して眺望性や開放感を高めているため、袖窓部510の寸法L11が小さくなると、出窓を設けるメリットがあまり得られないという問題がある。
このような問題は、平面台形状の出窓に限らず、平面形状が三角、弓形等の平面形状が長方形状の角型出窓以外の各種出窓でも同様である。
本発明の目的は、出幅寸法の異なる出窓間における外観デザインを統一化でき、かつ出幅寸法の小さな出窓であっても眺望性や開放感を高めることができる出窓を用いた建物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、建物の同一壁面に少なくとも2つの出窓が設けられた建物であって、前記壁面には、同一幅寸法とされた少なくとも2つの開口が形成され、この2つの開口には、各窓部の正面投影面における幅寸法比が同一の出窓がそれぞれ取り付けられ、これらの各出窓の一方は、他方の出窓よりも壁開口面から室外側への突出寸法が小さくされていることを特徴とするものである。
出窓は、通常、建物開口の側面の柱等の躯体に取り付けられる袖窓部と、袖窓部間に配置される正面窓部とを備えて構成される。すなわち、平面台形の出窓は、2つの袖窓部とこれらの袖窓部間に配置される1つの正面窓部とで構成され、弓形の出窓は、2つの袖窓部とこれらの袖窓部間に配置される複数の正面窓部とで構成される。また、平面三角形状の出窓は、2つの袖窓部のみで構成される。このため、出窓の各窓部とは、三角出窓では各袖窓部であり、他の出窓では各袖窓部と正面窓部である。そして、各窓部の正面投影面における幅寸法とは、いわゆる各窓部の見付け寸法である。さらに、各窓部の幅寸法比は、例えば、出窓の平面形状毎に、さらに出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法等に応じて予め設定すればよい。
このような本発明では、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法比を所定比率に統一しているので、出幅寸法が異なる各出窓においても、各窓部の見え掛かり部分のバランスが統一されて、外観意匠を向上することができる。さらに、幅寸法比が所定の比率に設定されているため、出幅寸法の小さな出窓における袖窓部は、建物壁面に対する傾斜角度が小さくなり、かつ従来の出窓501の場合に比べると袖窓部の幅寸法は大きくなる。従って、出幅寸法が小さな出窓であっても、袖窓部の開口面積を比較的大きくでき、眺望性や開放感を向上できる。
さらに、このような出窓を有する建物によれば、一つの壁面に出幅寸法の異なる2つの出窓を配置した際に、各窓部の見付け寸法が同一になるため、建物壁面において各出窓を上下あるいは左右に並べて配置した際に、その壁面を非常に統一感があってバランスの良い外観にすることができる。
【0007】
ここで、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法は、出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法に応じて設定され、前記各窓部のうち、前記壁開口面に対して傾斜して配置される袖窓部の傾斜角度および幅寸法は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法(出幅寸法)に応じて設定されていることが好ましい。
例えば、平面台形の出窓であれば、袖窓部の傾斜角度および幅寸法は出幅寸法によって決められるが、正面窓部の幅寸法は、出窓つまり壁開口の幅寸法によって相違する。従って、各窓部の実際の幅寸法は、出窓の出幅寸法および壁開口の幅寸法に応じて設定すればよい。従って、出窓の各窓部の正面投影面における具体的な幅寸法比は、通常は、出窓の幅寸法つまり出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法毎に設定すればよく、壁開口の幅寸法が同一であれば前記幅寸法比も同一にすればよい。
このような構成によれば、出窓の平面形状が同一、つまり台形出窓同士や、三角出窓同士や、弓形出窓同士であり、かつ出窓の幅寸法つまり出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法が同一であれば、出幅寸法が異なる各出窓において各窓部の見付け寸法が同一になるため、各出窓で外観デザインを統一感のあるものにでき、特に同じ建物の壁面に出幅寸法が異なる出窓を上下あるいは左右に並べて配置した場合には、建物としても統一感があり、バランスの良い意匠にすることができる。
【0008】
また、前記出窓は、正面窓部とこの正面窓部の両側に配置された2つの袖窓部を備えており、正面窓部の幅寸法と、2つの袖窓部の正面窓部と平行な方向の幅寸法との比率、つまり各窓部の見付け寸法の比率は、壁開口の幅寸法に応じて設定されていることが好ましい。
平面台形状の出窓のように、左右両端に袖窓部を有する出窓の場合には、左右対称の投影バランスにできるため、外観意匠をより一層向上することができる。
【0009】
さらに、出窓の各袖窓部は、壁開口の両端に設けられた躯体に取り付けられる縦枠と、方立と、縦枠および方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ縦枠および方立をそれぞれ連結する袖上枠および袖下枠とを備えて構成され、正面窓部は、各方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ各方立をそれぞれ連結する正面上枠および正面下枠を備えて構成され、前記袖上枠および袖下枠は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法に応じた長さ寸法に設定され、前記縦枠は、躯体への取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定され、前記方立は、正面上枠および正面下枠の取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定されていることが好ましい。
このような構成の出窓によれば、袖窓部の方立に、正面窓部の上下枠を取り付けているので、正面窓部用の方立(縦枠)を別途用意する必要が無く、部品点数を減少できてコストも低減できる。また、出幅寸法の異なる出窓を構成するためには、各方立、縦枠および袖上枠、袖下枠をその出幅寸法に応じて用意すればよく、正面上枠、下枠や正面窓部に配置される障子等の正面窓部を構成する部品は、壁開口の幅寸法が同一であれば、出窓の出幅寸法に関係なく、各出窓で共通化できるので、コストを低減できる。
【0010】
この際、前記正面窓部には引違い窓が組み込まれ、前記袖窓部には嵌め殺し窓が組み込まれていることが好ましい。
壁開口の幅寸法が同一であれば、出窓の出幅寸法に関係なく、正面窓部の幅寸法を各出窓で同一にすることができ、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法比も同一にできる。このため、例えば、正面窓部を引違い窓にする場合等では、正面窓部の幅寸法が各出窓で異なると、それらの幅寸法に応じた寸法違いの障子や正面枠材を複数種類用意しなければならず、コストが嵩み、在庫も増加するという問題が生じるが、本発明によれば、正面窓部の幅寸法が各出窓で同一になるので、障子を共通化できて在庫も少なくでき、製造コストや在庫管理コストを低減することができる。さらに、本発明では、正面窓部に、網戸、面格子、装飾格子などを設ける場合にも、これらの部材を共通化できるため、より一層在庫を少なくでき、コストも低減できる。
また、袖窓部の長さ寸法が各出窓で異なるが、従来においても、出幅寸法が相違すれば出窓の袖窓部の長さ寸法は異なっていたものであり、かつ嵌め殺し窓であれば、窓枠およびガラス等の面材の長さのみを調整すればよく、引違い窓の幅寸法を異ならせる場合に比べれば、簡単に調整できるため、袖窓部においては従来に対し製造コストが増加することも防止でき、出窓全体としては従来に比べてコストを大幅に低減することができる。
【0011】
また、出窓において建物の壁開口に取り付けられた各窓部の壁開口面に対する傾斜角度は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法(出幅寸法)が大きい場合に比べて小さい場合のほうが小さな傾斜角度にされていることが好ましい。
すなわち、出幅寸法の大きな出窓における袖窓部の壁面に対する傾斜角度をθ2とし、出幅寸法が小さな出窓における同傾斜角度をθ1とした際に、θ2>θ1であればよい。なお、θ2は通常90度以下であり、かつ袖窓部が壁面に平行となることはないため、90度≧θ2>θ1>0度となり、θ2は例えば60度、θ1は45度などにすればよい。
出幅寸法が小さな出窓では、袖窓部の幅寸法も小さくなる。このとき、袖窓部の平面に対する傾斜角度が大きいと、袖窓部が傾斜していることが分かりにくくなり、例えば、平面台形の出窓を構成しているのにも関わらず、平面四角形の出窓のように見えてしまうおそれがある。これに対し、本発明では、出幅寸法が小さな出窓つまり袖窓部の幅寸法が小さな出窓では、袖窓部の傾斜角度を小さくして壁面直交角度つまり90度に対する角度差を大きくしているので、袖窓部が傾斜していることを明確に把握でき、平面四角形の出窓との相違を明確にできて出窓部分の意匠の多様性も確保でき、需要者の多用なニーズに対応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見やすくするために、断面を示すハッチングを基本的に省略して記載している。
本実施形態の出窓としては、図1に示すように、出幅寸法(出窓が取り付けられた壁開口部つまり壁面102Aからの突出寸法、換言すれば見込み寸法)L1,L2が異なる2種類の出窓2,3がある。
出窓2は、図1(A)に示すように、出幅寸法L1が例えば200mmと小さくされ、狭小地に建てられる建物にも取り付けることができるように構成されたものである。
一方、出窓3は、図1(B)に示すように、出幅寸法L2が例えば300mmとされ、一般的な敷地に建てられる建物等に取り付けることができるように構成されている。
なお、出窓には、平面形態(横断面形状)が台形とされた台形出窓、角型とされた角型出窓、三角とされた三角出窓、弓形とされた弓形出窓等があるが、本実施形態の出窓2,3は、台形出窓とされている。さらに、出窓には、開き形態として、正面部分が引違い窓等の開閉窓とされ、袖部分がFIX窓とされたタイプと、正面部分がFIX窓とされ、袖部分が縦辷り出し窓等の開閉窓とされたタイプとがあるが、本実施形態の出窓2,3はいずれも正面部分が引違い窓とされ、袖部分がFIX窓とされたタイプである。
【0014】
これらの各出窓2,3は、出幅寸法の相違に基づく相違点もあるが、基本的な構成は同様であるため、出窓2を例に具体的な構造を説明する。
出窓2は、図2,3にも示すように、袖窓部5、正面窓部6を備えて構成されている。
袖窓部5は、図4の出窓2の横断面図および図5の袖窓部5の縦断面図にも示すように、縦枠11と、方立12と、これらの縦枠11および方立12の上端間に架け渡された袖上枠13と、縦枠11および方立12の下端間に架け渡された袖下枠14とを四角枠状に組み合わせた袖枠ユニット10を備えている。
正面窓部6は、図6の正面窓部6の縦断面図にも示すように、方立12の上端部間および下端部間にそれぞれ架け渡された正面上枠31、正面下枠32とを備えて構成される正面枠ユニット30を備えている。従って、本実施形態では、袖枠ユニット10の方立12は、正面枠ユニット30の縦枠としても機能することになる。
【0015】
ここで、袖枠ユニット10の袖上枠13、袖下枠14には、ボルト挿通溝131,141が形成され、縦枠11、方立12およびボルト挿通溝131,141に挿通される通しボルト15によって、各縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14は四角枠状に組み立てられて袖枠ユニット10を構成している。
すなわち、図7,8にも示すように、方立12の上下両端部分における正面上枠31,正面下枠32の取付面12Aには、ボルト挿通用の長孔121が形成されている。この長孔121から挿入された通しボルト15は、方立12内に配置された裏板151と、ボルト挿通溝131,141とを通して挿通されて縦枠11内に配置された裏板152に螺合されている。この通しボルト15によって、袖上枠13、袖下枠14を挟んで縦枠11および方立12が互いに引き寄せられ、縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14が四角枠状に組み立てられている。なお、この袖枠ユニット10は、通常、工場で予め組み立てられて施工現場に輸送される。
【0016】
一方、方立12と、正面上枠31および正面下枠32とは、図7,8に示すように、上枠用連結材70および下枠用連結材80を用いた従来と同様な方法で連結される。すなわち、各枠31,32の端面(方立接合面)におけるビスホールに連結ネジ90を螺合し、この連結ネジ90を方立12に形成された長孔121や挿通孔122を介して方立12内に突出させ、方立12内に突出されたネジ頭部を各連結材70,80に係合させて連結している。
ここで、上枠用連結材70は、金属板を折曲することで、本体部72および打込部73を備えた断面L字状に形成されている。
本体部72には、連結ネジ90の頭部が挿通可能な丸穴74と、この丸穴74に連続する長溝75とからなる係合溝が左右2カ所に形成されている。長溝75の幅寸法は、連結ネジ90の頭部の直径よりも小さくかつ連結ネジ90の軸の直径よりも大きくされ、長溝75に連結ネジ90を移動させた際には、頭部が抜けないようにされている。
また、本体部72には、長溝75に沿ってかつ打込部73の延出方向に突出された板バネ部77が形成されている。この板バネ部77は、プレス加工等によって形成され、打込部73の延出方向側に湾曲されている。
また、板バネ部77の丸穴74側は緩やかな傾斜面とされ、その打込部73側は傾斜面に連続しかつ本体部72に平行な鉛直面とされている。このため、図8(C)に示すように、ハンマ(木槌)91等を用い、ボルト92等を介して各連結材70の打込部73を打ち込み、連結ネジ90を長溝75に沿って移動させると、丸穴74に挿入された頭部は傾斜面に沿って板バネ部77上を移動して連結ネジ90つまりは正面上枠31を打込部73の延出方向に弾性的に引っ張り、鉛直面の位置で係止される。その結果、正面上枠31と方立12の端面とが圧接して接合されることになる。
【0017】
下枠用連結材80も、丸穴74および長溝75からなる係合溝が、左右2カ所、上下2カ所の計4カ所に形成されている点を除き、上枠用連結材70と同様の構造であり、同様の手順で正面下枠32と方立12とを接合できるため、説明を省略する。なお、下枠用連結材80に4本の係合溝が設けられているのは、正面下枠32の左右の各端面の連結に、下枠用連結材80を共用して利用するためである。
【0018】
このように連結された袖枠ユニット10および正面枠ユニット30の下面には、断熱材51を介して底板50がビス等で固定され、上面には屋根55がビス等で固定されて出窓2を構成している。
この出窓2は、縦枠11が建物100の柱101にビス止めされ、底板50および屋根55が壁102や窓台103にビス止めされ、建物100の壁102の開口に取り付けられている。
さらに、図5にも示すように、袖枠ユニット10には、押縁16によりガラス17(本実施形態では複層ガラス)が嵌め込まれてFIX窓を構成している。
一方、図6にも示すように、正面枠ユニット30には、室内外の2枚の障子35が組み込まれて引違い窓を構成している。
【0019】
また、断熱材51の上面には、図6にも示すように、地板52が取り付けられて仕上げられている。さらに、図9にも示すように、縦枠11には柱101の開口内周面に取り付けられる額縁105にビスなどで固定されて縦枠11と柱101との接続部が室内側に露出しないようにカバーするカバー片111が一体に形成されている。
一方、図6に示すように、壁102の開口上部に配置された額縁105には額縁アングル106がビスなどで固定されて屋根55と壁102との接合部をカバーしている。
【0020】
一方、出窓3は、図1に示すように、袖窓部5および正面窓部6の正面投影面400(図16参照)における幅寸法比が、出窓2における幅寸法比つまり見付け寸法の比率と一致するように設定されている。すなわち、壁102の開口幅寸法W1が共通する各出窓2,3において、正面窓部6の見付け寸法W2は互いに同一とされ、袖窓部5の見付け寸法W3も互いに同一とされている。このため、袖窓部5の見付け寸法W3と、正面窓部6の見付け寸法W2との比率は、各出窓2,3において共通しており、所定の比率に設定されている。この所定の比率は、出窓が設置される建物毎や、複数種類の出窓が用意された出窓シリーズに応じて設定すればよく、例えば、出窓2,3の幅寸法(開口幅寸法W1)に応じて設定すればよい。
このため、出窓3では、壁開口面に対する袖窓部5の傾斜角度θ2が、出窓2のθ1よりも大きくされ、かつ、袖枠ユニット10の袖上枠13、袖下枠14の長さ寸法L4が、出窓2の各枠13,14の長さ寸法L3よりも大きくされている。なお、本実施形態では、角度θ1は45度であり、角度θ2は60度とされている。
【0021】
このような構成とするため、出窓3では、図10,11にも示すように、出窓2に用いられる縦枠11や方立12とは、各枠13,14の接合面の平面傾斜角度が異なる縦枠11Bや方立12Bが用いられている。すなわち、縦枠11では、各枠13,14が接合される接合面112の壁面102Aに対する傾斜角度は45度になるが、縦枠11Bでは傾斜角度は30度とされている。また、方立12では、各枠13,14が接合される接合面125の壁面102Aに対する傾斜角度は45度になるが、方立12Bでは傾斜角度は60度とされている。
なお、その他の構成の内、正面上枠31、正面下枠32、障子35は、出窓2と完全に同一である。一方、底板50、地板52、屋根55は、出窓3の平面形状が出窓2と相違するため、出窓2に用いられるものとは平面形状、寸法が異なるものが用いられている。
また、縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14、正面上枠31、正面下枠32等は、アルミ押出形材等によって製造されている。
【0022】
このような出窓2,3は、例えば、図12に示すように、2階建ての建物100の外壁102において、上下階で左右位置が揃うようにそれぞれ配置される。すなわち、1階の例えばダイニングキッチン部分には出幅寸法L1が200mmの出窓2が設けられ、建物100の2階の居室には出幅寸法L2が300mmの出窓3が設けられる。このため、各出窓2,3の袖窓部5、正面窓部6は、上下方向に揃う位置に配置される。
【0023】
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
(1) 出幅寸法L1,L2の異なる出窓2,3を構成するにあたって、各窓部5,6の見付け幅寸法W2,W3を、各出窓2,3でそれぞれ同一寸法に設定したので、正面窓部6を構成する正面上枠31、正面下枠32、障子35を共通化することができる。このため、正面窓部6を構成する部材を量産化することができ、コストを低減できるとともに、在庫の削減も図ることができる。特に、引違い窓を構成する障子35や、この障子35をガイドするガイドレールなどが形成された正面上枠31、正面下枠32は、構造が複雑であるため、各出窓2,3でこれらの正面窓部6の構成部品を共通化できると、コストを大幅に低減することができる。さらに、正面窓部6に、網戸、面格子、装飾格子等の各部品を組み込む場合も、それらの部品を共通化できるため、より一層コストを低減できる。
【0024】
(2) また、出幅寸法L1の出窓2は、従来の出窓501に比べて、障子35等が組み込まれて単位寸法あたりの重量が大きな正面窓部6の見付け寸法W2が小さいため、袖窓部5の寸法は多少長いが、出窓2全体の重量は大幅に軽減できる。このため、出窓2の支持する建物躯体側への負担を軽減でき、出窓2の支持強度も向上することができる。さらに、出窓2の重量が軽減されると、出窓2を支持する部品の数を少なくしたり、より薄い支持部品を利用することもでき、コストも低減できる。
【0025】
(3) 各出窓2,3は、出幅寸法L1,L2は相違するが、見付け寸法W2,W3が一致するため、出窓2,3が取り付けられた建物100の外壁102を正面から見ると、方立12部分の位置等が上下の出窓2,3で上下方向に揃い、外壁102の外観デザインを統一でき、バランスの良い印象を与えることができる。
【0026】
(4) 従来の出窓501のように、角度θ5のままで袖窓部5を短くして出幅寸法を小さくすると、袖窓部5が正面窓部6や壁面102Aに対して直行する角型出窓との相違が小さくなり、出窓シリーズとして、台形出窓と角型出窓を用意してもその違いが明確にならず、効果的ではないが、本実施形態では、出幅寸法L1が小さい出窓2では、袖窓部5の傾斜角度θ2を小さくして台形形状を強調でき、角型出窓との相違も明確にできて出窓部分の意匠の多様性も確保できるので、例えば、居室には台形出窓を用い、台所には角型出窓を用いる等の需要者の幅広いニーズに応えることができる。
その上、出幅寸法の小さな出窓2においても、袖窓部5の幅寸法L3は、従来の出窓501の幅寸法L11に比べて大きくできるので、袖窓部5の開口面積を出窓501に比べて大きくでき、眺望性や開放感を向上できる。
【0027】
(5) 袖窓部5を構成するにあたって通しボルト15を用いたので、袖窓部5の接合強度を向上でき、組立信頼性を高めることができる。その上、プラスドライバーでの組立が可能で組立作業を簡単に行うことができる。さらに、接合用の部品としては、通しボルト15と裏板151,152のみでよいため、部品点数を少なくできる。
また、出窓2のように、袖窓部5の角度θ2が小さい場合に、縦枠11側から通しボルト15を挿通するには、縦枠11の側面つまり外壁材との隙間を埋めるシール材やバックアップ材が配置される面に孔を形成しなければならず、防水性能の確保が難しいが、本実施形態では、方立12に長孔121を形成し、通しボルト15を方立12側から挿通できるように構成したので、縦枠11部分に貫通孔を設ける必要が無く、縦枠11の防水性能を向上することができる。その上、方立12の長孔121は、正面上枠31、正面下枠32が取り付けられることで、それらの端面で塞がれるため、外部に露出することもなく、意匠性の低下も防止できる。さらに、仮に長孔121から水が浸入しても、方立12内を通して室外側に容易に排水できるので、防水性能の低下も防止できる。
【0028】
(6) 出窓2は、袖窓部5の方立12に、正面窓部6の上下枠31,32を取り付けているので、正面窓部6用の方立(縦枠)を別途用意する必要が無く、部品点数を減少できてコストも低減できる。また、袖窓部5を構成する袖枠ユニット10は、予め工場等で組み立てて輸送することができるので、施工現場では、方立12に各枠31,32を接合するだけで出窓2の骨組みを組み立てることができ、現場における施工作業を軽減できて工期も短縮できる。さらに、袖窓部5は、正面窓部6に比べて幅寸法が小さいため、例えば、正面窓部6を方立12および上下枠31,32で予め枠組みして輸送する場合に比べて、取扱いが容易になり、輸送や設置作業を容易に行うことができる。
【0029】
なお、本発明は、前述の各実施形態に限定されない。
例えば、前記実施形態では、台形出窓2,3に本発明を適用していたが、図13に示すように、弓形の出窓に本発明を適用してもよい。すなわち、図13(A)に模式的に示す出窓301,302のように、見付け寸法W21〜W24が各出窓301,302で同一になるように構成すればよい。このようにすれば、各出窓301,302において正面外観意匠のバランスが統一され、特にこれらの出窓301,302を同じ建物の同一壁面に配置した場合には、その外観意匠を向上することができる。なお、各見付け寸法W21〜W24は、互いに異なる幅寸法でもよいが、これらの各寸法W21〜W24を同じ幅寸法にしたり、袖窓部305の見付け寸法W21とW24とを同一寸法とし、正面窓部306の見付け寸法W22とW23とを同一寸法にすれば、1つの出窓301,302においても各窓部分のバランスを向上できる。
さらに、弓形の出窓としては、出窓301,302のように、4つの窓部305,306で構成されるものに限らず、図13(B)に示すように、2つの袖窓部305と、3個以上の正面窓部306とで構成される出窓311,312でもよい。さらに、図13(C)に示すように、出幅寸法の異なる各出窓321,322において、各正面窓部306を互いに平行に配置してもよい。なお、出窓311,312や出窓321,322のように、各出窓で互いに平行な正面窓部306が存在する場合には、その正面窓部306は各出窓311,312,321,322で完全に同一のものを利用できるので、コストを低減できる利点がある。
さらに、出窓としては、図14に示すような平面三角形状の出窓331,332でもよい。この場合も、各袖窓部305の見付け寸法W31,W32が各出窓331,332でそれぞれ同一になるため、外観意匠を向上することができる。
【0030】
さらに、前記実施形態では、袖窓部5をFIX窓とし、正面窓部6を引違い窓としていたが、この窓構成は限定されず、袖窓部5を縦辷り出し窓等の開閉窓とし、正面窓部6をFIX窓等にしてもよく、これらは適宜設定すればよい。
さらに、正面窓部6には、障子35のみを設けていたが、網戸、装飾格子、面格子などを組み込んでもよい。これらの各部品を組み込む場合も、前記実施形態のように正面窓部6の幅寸法W2が各出窓2,3で同一とされていれば、各部品も共通化でき、より一層コストを低減することができる。
また、袖枠ユニット10や正面枠ユニット30の構成、接合構造などは前記実施形態に限らない。例えば、各枠13,14,31,32は、アルミ押出形材で構成されたものに限らず、他の非鉄金属やステンレス等の金属材で構成されたものでもよいし、金属材だけでなく、合成樹脂や合成木材などのアルミ材に比べて熱伝導率の低い断熱材が枠の室外面および室内面の間に配置されて室外面から室内面への熱伝導が低減された断熱枠材等で構成されたものを利用してもよい。
さらに、袖枠ユニット10は通しボルト15で接合されるものに限らず、各枠13,14を縦枠11や方立12にビス等で固定したものでもよい。
さらに、本発明の出窓は、建物の1つの壁面に単独で取り付けられてもよいし、図12のように上下に配設されるのではなく、壁面102Aの左右に設置されるものでもよい。例えば、平屋建ての建物等において、壁面の左右に出幅寸法の異なるが各窓部の見付け幅寸法比が所定比率(つまり同一)の出窓を設置してもよい。
【0031】
また、縦枠11、方立12の具体的な構造は、出窓の平面形状や、各窓部の開閉方式つまりFIX窓であるか、各種の開閉窓であるかなどに応じて適宜設定すればよい。例えば、出窓としては、前記実施形態の構造に限らず、例えば、袖下枠14を縦枠11および方立12の中間部間に配置し、正面下枠32を各方立12の中間部間に配置して、出窓の上半分に引違い窓やFIX窓を構成し、下半分は外壁材や内壁材を配置して壁面を構成したものでもよい。要するに、袖上枠、下枠や、正面上枠、下枠は、縦枠および方立間や各方立間に上下に間隔をおいて配置されていればよい。
さらに、出窓の出幅寸法としては、200mmのものと、300mmのものとに限らず、実施にあたって適宜設定すればよい。また、前記実施形態や変形例では、各出窓の幅寸法W1つまり壁開口の幅寸法が同一としていたが、本発明は、この出窓の幅寸法が異なる出窓同士においても適用可能である。例えば、幅寸法が異なる2つの壁開口に台形出窓を取り付ける場合、正面窓部6の幅寸法を、各出窓の幅寸法に応じて調整すればよく、各袖窓部5は出窓の幅寸法にかかわらず、出幅寸法が同一であれば同一のものを用いることができるため、出窓の幅寸法が異なる場合も、コストを低減できる。さらに、台形出窓や弓形出窓においては、各袖窓部5の見付け幅寸法は、出窓の幅寸法の相違や、出幅寸法の相違に関係なく、常に一定にできるので、建物の同一壁面に幅寸法や出幅寸法の異なる出窓を取り付けた場合でも、統一感のある外観デザインを維持することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、出幅寸法の異なる出窓間における外観デザインを統一化でき、かつ出幅寸法の小さな出窓であっても眺望性や開放感を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における出窓の平面形態を表す模式図である。
【図2】本実施形態における出窓の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す出窓の分解斜視図である。
【図4】本実施形態の出窓の横断面図である。
【図5】本実施形態の出窓の袖窓部の縦断面図である。
【図6】本実施形態の出窓の正面窓部の縦断面図である。
【図7】本実施形態の出窓の袖窓部と正面窓部との接合部を示す分解斜視図である。
【図8】本実施形態の出窓の袖窓部と正面窓部との接合手順を示す図である。
【図9】図4の袖窓部の拡大横断面図である。
【図10】本実施形態の他の出窓の横断面図である。
【図11】図10の袖窓部の拡大横断面図である。
【図12】本実施形態の出窓を取り付けた建物を示す概略斜視図である。
【図13】本発明の変形例である弓形出窓を示す模式図である。
【図14】本発明の他の変形例である三角出窓を示す模式図である。
【図15】本発明の従来例の出窓の平面形態を示す模式図である。
【図16】本発明における正面投影面の幅寸法を説明するための図である。
【符号の説明】
2,3…台形出窓、5…袖窓部、6…正面窓部、10…袖枠ユニット、11,11B…縦枠、12,12B…方立、12A…取付面、13…袖上枠、14…袖下枠、15…ボルト、16…押縁、17…ガラス、30…正面枠ユニット、31…正面上枠、32…正面下枠、35…障子、50…底板、51…断熱材、52…地板、55…屋根、70…上枠用連結材、72…本体部、73…打込部、74…丸穴、75…長溝、77…板バネ部、80…下枠用連結材、90…連結ネジ、92…ボルト、100…建物、101…柱、102…壁、102A…壁面、103…窓台、105…額縁、106…額縁アングル、111…カバー片、112…接合面、121…長孔、122…挿通孔、125…接合面、131,141…ボルト挿通溝、151,152…裏板、301,302,311,312,321,322,331,332…出窓、305…袖窓部、306…正面窓部、400…正面投影面、501,502…出窓、510…袖窓部、511…縦枠、512…方立、513…袖上枠、514…袖下枠、530…正面窓部、531…正面上枠、532…正面下枠。
【発明の属する技術分野】
本発明は、出窓を備える建物に係り、特に、狭小敷地にも対応可能な建物に関する。
【0002】
【背景技術】
出窓は、手軽に室内のスペースを確保(広く)したり、室外の意匠のアクセントになるために広く普及している。この出窓は、例えば、平面台形の出窓を例に説明すると、通常は、建物躯体(建物の壁開口に設けられた柱等)に取り付けられる縦枠と、この縦枠から離れて配置される方立間に袖上枠および袖下枠を連結して袖窓部(袖ユニット)を組み立て、この袖窓部の各方立間に正面上枠および正面下枠を連結材(ジョイント部材)を用いて接合して正面窓部(正面枠ユニット)を組み立てていた。
そして、この各袖ユニットや正面枠ユニット内に、ガラス等の各種面材を嵌め殺し状態に組み込んだり、引違い障子や縦辷り出し窓用の障子等を組み込んで出窓を構成していた。
【0003】
ところで、敷地が狭い狭小地に立てられる建物等では、敷地一杯に建物を建てることが多く、出窓の出幅寸法、つまり建物外壁の壁開口面からの出窓の突出寸法を小さくする必要がある。例えば、通常の出窓の出幅寸法を300mmに設定している場合、狭小地用の出窓では、出幅寸法を200mmなどに短くしていた。
ここで、従来は、縦枠や方立を出幅寸法が異なる各出窓で兼用できるように、各上枠、下枠の長さを調整して出幅寸法を設定していた。
例えば、図15に示すように、建物外壁の壁開口の幅寸法がW1、つまり柱101間の開口幅寸法がW1の場合、狭小地では、図15(A)に示すように、建物の壁開口面(壁面)からの突出寸法(見込み寸法、出幅寸法)L1が200mmの出窓501を用い、通常の場合は、図15(B)に示すように、建物の壁開口面(壁面)からの突出寸法(見込み寸法、出幅寸法)L2が300mmの出窓502を用いていた。
そして、柱101に固定される縦枠511や、方立512は、各出窓501,502で同一のものを用いており、縦枠511および方立512間に架け渡される袖上枠513、袖下枠514の長さ寸法を、出窓501では寸法L11とし、出窓502では寸法L11よりも大きな寸法L12とすることで、出幅寸法L2を大きくしていた。
ここで、壁開口面に対する袖窓部510つまり各枠513,514の傾斜角度θ5は、各出窓501,502で同じ角度(例えば60度)とされている。このため、正面窓部530つまり方立512間に架け渡される正面上枠531および正面下枠532の長さ寸法は、出窓501では寸法W11とされ、出窓502では寸法W11よりも小さな寸法W12とされていた。
【0004】
このような出幅寸法L1,L2が異なる出窓501,502では、袖窓部510および正面窓部530の正面投影面における幅寸法比が、互いに相違することになる。すなわち、正面投影面における幅寸法比とは、図16に示すように、出窓501,502の室外面(正面)を、壁開口面に平行に配置される仮想的な投影面400に投影させた際の各窓部510,530の幅寸法WA,WBである。従って、正面窓部530における幅寸法WAは、図15に示す各窓部510,530の見付け寸法W11,W12となる。また、袖窓部510における幅寸法WBは、出窓501では寸法W13となり、出窓502では寸法W13よりも大きな寸法W14となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの出窓501,502では、各窓部510,530の見付け寸法比つまり寸法W11と寸法W13との割合と、寸法W12と寸法W14との割合とが相違するため、出窓501,502が取り付けられる壁開口の幅寸法W1が同一であっても、各寸法W11とW12とは互いに相違し、寸法W13とW14とも互いに相違していた。このため、各出窓501,502の室外側正面の外観が大きく相違し、例えば、2つの出窓501,502を建物の外壁に並べて配置した際に、各窓部510,530の見た目のバランスが各出窓501,502で大きく相違し、外観デザインの統一が図れないという問題がある。
また、狭小地向けの出窓501では、袖窓部510の寸法L11を出窓502の寸法L12に比べて短くすることで、出幅寸法L1を小さくしているので、特に袖窓部510の採光面積が非常に小さくなってしまうという問題がある。特に、出窓では、正面窓部530だけでなく、袖窓部510からの斜め方向の見通しを向上して眺望性や開放感を高めているため、袖窓部510の寸法L11が小さくなると、出窓を設けるメリットがあまり得られないという問題がある。
このような問題は、平面台形状の出窓に限らず、平面形状が三角、弓形等の平面形状が長方形状の角型出窓以外の各種出窓でも同様である。
本発明の目的は、出幅寸法の異なる出窓間における外観デザインを統一化でき、かつ出幅寸法の小さな出窓であっても眺望性や開放感を高めることができる出窓を用いた建物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、建物の同一壁面に少なくとも2つの出窓が設けられた建物であって、前記壁面には、同一幅寸法とされた少なくとも2つの開口が形成され、この2つの開口には、各窓部の正面投影面における幅寸法比が同一の出窓がそれぞれ取り付けられ、これらの各出窓の一方は、他方の出窓よりも壁開口面から室外側への突出寸法が小さくされていることを特徴とするものである。
出窓は、通常、建物開口の側面の柱等の躯体に取り付けられる袖窓部と、袖窓部間に配置される正面窓部とを備えて構成される。すなわち、平面台形の出窓は、2つの袖窓部とこれらの袖窓部間に配置される1つの正面窓部とで構成され、弓形の出窓は、2つの袖窓部とこれらの袖窓部間に配置される複数の正面窓部とで構成される。また、平面三角形状の出窓は、2つの袖窓部のみで構成される。このため、出窓の各窓部とは、三角出窓では各袖窓部であり、他の出窓では各袖窓部と正面窓部である。そして、各窓部の正面投影面における幅寸法とは、いわゆる各窓部の見付け寸法である。さらに、各窓部の幅寸法比は、例えば、出窓の平面形状毎に、さらに出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法等に応じて予め設定すればよい。
このような本発明では、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法比を所定比率に統一しているので、出幅寸法が異なる各出窓においても、各窓部の見え掛かり部分のバランスが統一されて、外観意匠を向上することができる。さらに、幅寸法比が所定の比率に設定されているため、出幅寸法の小さな出窓における袖窓部は、建物壁面に対する傾斜角度が小さくなり、かつ従来の出窓501の場合に比べると袖窓部の幅寸法は大きくなる。従って、出幅寸法が小さな出窓であっても、袖窓部の開口面積を比較的大きくでき、眺望性や開放感を向上できる。
さらに、このような出窓を有する建物によれば、一つの壁面に出幅寸法の異なる2つの出窓を配置した際に、各窓部の見付け寸法が同一になるため、建物壁面において各出窓を上下あるいは左右に並べて配置した際に、その壁面を非常に統一感があってバランスの良い外観にすることができる。
【0007】
ここで、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法は、出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法に応じて設定され、前記各窓部のうち、前記壁開口面に対して傾斜して配置される袖窓部の傾斜角度および幅寸法は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法(出幅寸法)に応じて設定されていることが好ましい。
例えば、平面台形の出窓であれば、袖窓部の傾斜角度および幅寸法は出幅寸法によって決められるが、正面窓部の幅寸法は、出窓つまり壁開口の幅寸法によって相違する。従って、各窓部の実際の幅寸法は、出窓の出幅寸法および壁開口の幅寸法に応じて設定すればよい。従って、出窓の各窓部の正面投影面における具体的な幅寸法比は、通常は、出窓の幅寸法つまり出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法毎に設定すればよく、壁開口の幅寸法が同一であれば前記幅寸法比も同一にすればよい。
このような構成によれば、出窓の平面形状が同一、つまり台形出窓同士や、三角出窓同士や、弓形出窓同士であり、かつ出窓の幅寸法つまり出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法が同一であれば、出幅寸法が異なる各出窓において各窓部の見付け寸法が同一になるため、各出窓で外観デザインを統一感のあるものにでき、特に同じ建物の壁面に出幅寸法が異なる出窓を上下あるいは左右に並べて配置した場合には、建物としても統一感があり、バランスの良い意匠にすることができる。
【0008】
また、前記出窓は、正面窓部とこの正面窓部の両側に配置された2つの袖窓部を備えており、正面窓部の幅寸法と、2つの袖窓部の正面窓部と平行な方向の幅寸法との比率、つまり各窓部の見付け寸法の比率は、壁開口の幅寸法に応じて設定されていることが好ましい。
平面台形状の出窓のように、左右両端に袖窓部を有する出窓の場合には、左右対称の投影バランスにできるため、外観意匠をより一層向上することができる。
【0009】
さらに、出窓の各袖窓部は、壁開口の両端に設けられた躯体に取り付けられる縦枠と、方立と、縦枠および方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ縦枠および方立をそれぞれ連結する袖上枠および袖下枠とを備えて構成され、正面窓部は、各方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ各方立をそれぞれ連結する正面上枠および正面下枠を備えて構成され、前記袖上枠および袖下枠は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法に応じた長さ寸法に設定され、前記縦枠は、躯体への取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定され、前記方立は、正面上枠および正面下枠の取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定されていることが好ましい。
このような構成の出窓によれば、袖窓部の方立に、正面窓部の上下枠を取り付けているので、正面窓部用の方立(縦枠)を別途用意する必要が無く、部品点数を減少できてコストも低減できる。また、出幅寸法の異なる出窓を構成するためには、各方立、縦枠および袖上枠、袖下枠をその出幅寸法に応じて用意すればよく、正面上枠、下枠や正面窓部に配置される障子等の正面窓部を構成する部品は、壁開口の幅寸法が同一であれば、出窓の出幅寸法に関係なく、各出窓で共通化できるので、コストを低減できる。
【0010】
この際、前記正面窓部には引違い窓が組み込まれ、前記袖窓部には嵌め殺し窓が組み込まれていることが好ましい。
壁開口の幅寸法が同一であれば、出窓の出幅寸法に関係なく、正面窓部の幅寸法を各出窓で同一にすることができ、出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法比も同一にできる。このため、例えば、正面窓部を引違い窓にする場合等では、正面窓部の幅寸法が各出窓で異なると、それらの幅寸法に応じた寸法違いの障子や正面枠材を複数種類用意しなければならず、コストが嵩み、在庫も増加するという問題が生じるが、本発明によれば、正面窓部の幅寸法が各出窓で同一になるので、障子を共通化できて在庫も少なくでき、製造コストや在庫管理コストを低減することができる。さらに、本発明では、正面窓部に、網戸、面格子、装飾格子などを設ける場合にも、これらの部材を共通化できるため、より一層在庫を少なくでき、コストも低減できる。
また、袖窓部の長さ寸法が各出窓で異なるが、従来においても、出幅寸法が相違すれば出窓の袖窓部の長さ寸法は異なっていたものであり、かつ嵌め殺し窓であれば、窓枠およびガラス等の面材の長さのみを調整すればよく、引違い窓の幅寸法を異ならせる場合に比べれば、簡単に調整できるため、袖窓部においては従来に対し製造コストが増加することも防止でき、出窓全体としては従来に比べてコストを大幅に低減することができる。
【0011】
また、出窓において建物の壁開口に取り付けられた各窓部の壁開口面に対する傾斜角度は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法(出幅寸法)が大きい場合に比べて小さい場合のほうが小さな傾斜角度にされていることが好ましい。
すなわち、出幅寸法の大きな出窓における袖窓部の壁面に対する傾斜角度をθ2とし、出幅寸法が小さな出窓における同傾斜角度をθ1とした際に、θ2>θ1であればよい。なお、θ2は通常90度以下であり、かつ袖窓部が壁面に平行となることはないため、90度≧θ2>θ1>0度となり、θ2は例えば60度、θ1は45度などにすればよい。
出幅寸法が小さな出窓では、袖窓部の幅寸法も小さくなる。このとき、袖窓部の平面に対する傾斜角度が大きいと、袖窓部が傾斜していることが分かりにくくなり、例えば、平面台形の出窓を構成しているのにも関わらず、平面四角形の出窓のように見えてしまうおそれがある。これに対し、本発明では、出幅寸法が小さな出窓つまり袖窓部の幅寸法が小さな出窓では、袖窓部の傾斜角度を小さくして壁面直交角度つまり90度に対する角度差を大きくしているので、袖窓部が傾斜していることを明確に把握でき、平面四角形の出窓との相違を明確にできて出窓部分の意匠の多様性も確保でき、需要者の多用なニーズに対応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見やすくするために、断面を示すハッチングを基本的に省略して記載している。
本実施形態の出窓としては、図1に示すように、出幅寸法(出窓が取り付けられた壁開口部つまり壁面102Aからの突出寸法、換言すれば見込み寸法)L1,L2が異なる2種類の出窓2,3がある。
出窓2は、図1(A)に示すように、出幅寸法L1が例えば200mmと小さくされ、狭小地に建てられる建物にも取り付けることができるように構成されたものである。
一方、出窓3は、図1(B)に示すように、出幅寸法L2が例えば300mmとされ、一般的な敷地に建てられる建物等に取り付けることができるように構成されている。
なお、出窓には、平面形態(横断面形状)が台形とされた台形出窓、角型とされた角型出窓、三角とされた三角出窓、弓形とされた弓形出窓等があるが、本実施形態の出窓2,3は、台形出窓とされている。さらに、出窓には、開き形態として、正面部分が引違い窓等の開閉窓とされ、袖部分がFIX窓とされたタイプと、正面部分がFIX窓とされ、袖部分が縦辷り出し窓等の開閉窓とされたタイプとがあるが、本実施形態の出窓2,3はいずれも正面部分が引違い窓とされ、袖部分がFIX窓とされたタイプである。
【0014】
これらの各出窓2,3は、出幅寸法の相違に基づく相違点もあるが、基本的な構成は同様であるため、出窓2を例に具体的な構造を説明する。
出窓2は、図2,3にも示すように、袖窓部5、正面窓部6を備えて構成されている。
袖窓部5は、図4の出窓2の横断面図および図5の袖窓部5の縦断面図にも示すように、縦枠11と、方立12と、これらの縦枠11および方立12の上端間に架け渡された袖上枠13と、縦枠11および方立12の下端間に架け渡された袖下枠14とを四角枠状に組み合わせた袖枠ユニット10を備えている。
正面窓部6は、図6の正面窓部6の縦断面図にも示すように、方立12の上端部間および下端部間にそれぞれ架け渡された正面上枠31、正面下枠32とを備えて構成される正面枠ユニット30を備えている。従って、本実施形態では、袖枠ユニット10の方立12は、正面枠ユニット30の縦枠としても機能することになる。
【0015】
ここで、袖枠ユニット10の袖上枠13、袖下枠14には、ボルト挿通溝131,141が形成され、縦枠11、方立12およびボルト挿通溝131,141に挿通される通しボルト15によって、各縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14は四角枠状に組み立てられて袖枠ユニット10を構成している。
すなわち、図7,8にも示すように、方立12の上下両端部分における正面上枠31,正面下枠32の取付面12Aには、ボルト挿通用の長孔121が形成されている。この長孔121から挿入された通しボルト15は、方立12内に配置された裏板151と、ボルト挿通溝131,141とを通して挿通されて縦枠11内に配置された裏板152に螺合されている。この通しボルト15によって、袖上枠13、袖下枠14を挟んで縦枠11および方立12が互いに引き寄せられ、縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14が四角枠状に組み立てられている。なお、この袖枠ユニット10は、通常、工場で予め組み立てられて施工現場に輸送される。
【0016】
一方、方立12と、正面上枠31および正面下枠32とは、図7,8に示すように、上枠用連結材70および下枠用連結材80を用いた従来と同様な方法で連結される。すなわち、各枠31,32の端面(方立接合面)におけるビスホールに連結ネジ90を螺合し、この連結ネジ90を方立12に形成された長孔121や挿通孔122を介して方立12内に突出させ、方立12内に突出されたネジ頭部を各連結材70,80に係合させて連結している。
ここで、上枠用連結材70は、金属板を折曲することで、本体部72および打込部73を備えた断面L字状に形成されている。
本体部72には、連結ネジ90の頭部が挿通可能な丸穴74と、この丸穴74に連続する長溝75とからなる係合溝が左右2カ所に形成されている。長溝75の幅寸法は、連結ネジ90の頭部の直径よりも小さくかつ連結ネジ90の軸の直径よりも大きくされ、長溝75に連結ネジ90を移動させた際には、頭部が抜けないようにされている。
また、本体部72には、長溝75に沿ってかつ打込部73の延出方向に突出された板バネ部77が形成されている。この板バネ部77は、プレス加工等によって形成され、打込部73の延出方向側に湾曲されている。
また、板バネ部77の丸穴74側は緩やかな傾斜面とされ、その打込部73側は傾斜面に連続しかつ本体部72に平行な鉛直面とされている。このため、図8(C)に示すように、ハンマ(木槌)91等を用い、ボルト92等を介して各連結材70の打込部73を打ち込み、連結ネジ90を長溝75に沿って移動させると、丸穴74に挿入された頭部は傾斜面に沿って板バネ部77上を移動して連結ネジ90つまりは正面上枠31を打込部73の延出方向に弾性的に引っ張り、鉛直面の位置で係止される。その結果、正面上枠31と方立12の端面とが圧接して接合されることになる。
【0017】
下枠用連結材80も、丸穴74および長溝75からなる係合溝が、左右2カ所、上下2カ所の計4カ所に形成されている点を除き、上枠用連結材70と同様の構造であり、同様の手順で正面下枠32と方立12とを接合できるため、説明を省略する。なお、下枠用連結材80に4本の係合溝が設けられているのは、正面下枠32の左右の各端面の連結に、下枠用連結材80を共用して利用するためである。
【0018】
このように連結された袖枠ユニット10および正面枠ユニット30の下面には、断熱材51を介して底板50がビス等で固定され、上面には屋根55がビス等で固定されて出窓2を構成している。
この出窓2は、縦枠11が建物100の柱101にビス止めされ、底板50および屋根55が壁102や窓台103にビス止めされ、建物100の壁102の開口に取り付けられている。
さらに、図5にも示すように、袖枠ユニット10には、押縁16によりガラス17(本実施形態では複層ガラス)が嵌め込まれてFIX窓を構成している。
一方、図6にも示すように、正面枠ユニット30には、室内外の2枚の障子35が組み込まれて引違い窓を構成している。
【0019】
また、断熱材51の上面には、図6にも示すように、地板52が取り付けられて仕上げられている。さらに、図9にも示すように、縦枠11には柱101の開口内周面に取り付けられる額縁105にビスなどで固定されて縦枠11と柱101との接続部が室内側に露出しないようにカバーするカバー片111が一体に形成されている。
一方、図6に示すように、壁102の開口上部に配置された額縁105には額縁アングル106がビスなどで固定されて屋根55と壁102との接合部をカバーしている。
【0020】
一方、出窓3は、図1に示すように、袖窓部5および正面窓部6の正面投影面400(図16参照)における幅寸法比が、出窓2における幅寸法比つまり見付け寸法の比率と一致するように設定されている。すなわち、壁102の開口幅寸法W1が共通する各出窓2,3において、正面窓部6の見付け寸法W2は互いに同一とされ、袖窓部5の見付け寸法W3も互いに同一とされている。このため、袖窓部5の見付け寸法W3と、正面窓部6の見付け寸法W2との比率は、各出窓2,3において共通しており、所定の比率に設定されている。この所定の比率は、出窓が設置される建物毎や、複数種類の出窓が用意された出窓シリーズに応じて設定すればよく、例えば、出窓2,3の幅寸法(開口幅寸法W1)に応じて設定すればよい。
このため、出窓3では、壁開口面に対する袖窓部5の傾斜角度θ2が、出窓2のθ1よりも大きくされ、かつ、袖枠ユニット10の袖上枠13、袖下枠14の長さ寸法L4が、出窓2の各枠13,14の長さ寸法L3よりも大きくされている。なお、本実施形態では、角度θ1は45度であり、角度θ2は60度とされている。
【0021】
このような構成とするため、出窓3では、図10,11にも示すように、出窓2に用いられる縦枠11や方立12とは、各枠13,14の接合面の平面傾斜角度が異なる縦枠11Bや方立12Bが用いられている。すなわち、縦枠11では、各枠13,14が接合される接合面112の壁面102Aに対する傾斜角度は45度になるが、縦枠11Bでは傾斜角度は30度とされている。また、方立12では、各枠13,14が接合される接合面125の壁面102Aに対する傾斜角度は45度になるが、方立12Bでは傾斜角度は60度とされている。
なお、その他の構成の内、正面上枠31、正面下枠32、障子35は、出窓2と完全に同一である。一方、底板50、地板52、屋根55は、出窓3の平面形状が出窓2と相違するため、出窓2に用いられるものとは平面形状、寸法が異なるものが用いられている。
また、縦枠11、方立12、袖上枠13、袖下枠14、正面上枠31、正面下枠32等は、アルミ押出形材等によって製造されている。
【0022】
このような出窓2,3は、例えば、図12に示すように、2階建ての建物100の外壁102において、上下階で左右位置が揃うようにそれぞれ配置される。すなわち、1階の例えばダイニングキッチン部分には出幅寸法L1が200mmの出窓2が設けられ、建物100の2階の居室には出幅寸法L2が300mmの出窓3が設けられる。このため、各出窓2,3の袖窓部5、正面窓部6は、上下方向に揃う位置に配置される。
【0023】
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
(1) 出幅寸法L1,L2の異なる出窓2,3を構成するにあたって、各窓部5,6の見付け幅寸法W2,W3を、各出窓2,3でそれぞれ同一寸法に設定したので、正面窓部6を構成する正面上枠31、正面下枠32、障子35を共通化することができる。このため、正面窓部6を構成する部材を量産化することができ、コストを低減できるとともに、在庫の削減も図ることができる。特に、引違い窓を構成する障子35や、この障子35をガイドするガイドレールなどが形成された正面上枠31、正面下枠32は、構造が複雑であるため、各出窓2,3でこれらの正面窓部6の構成部品を共通化できると、コストを大幅に低減することができる。さらに、正面窓部6に、網戸、面格子、装飾格子等の各部品を組み込む場合も、それらの部品を共通化できるため、より一層コストを低減できる。
【0024】
(2) また、出幅寸法L1の出窓2は、従来の出窓501に比べて、障子35等が組み込まれて単位寸法あたりの重量が大きな正面窓部6の見付け寸法W2が小さいため、袖窓部5の寸法は多少長いが、出窓2全体の重量は大幅に軽減できる。このため、出窓2の支持する建物躯体側への負担を軽減でき、出窓2の支持強度も向上することができる。さらに、出窓2の重量が軽減されると、出窓2を支持する部品の数を少なくしたり、より薄い支持部品を利用することもでき、コストも低減できる。
【0025】
(3) 各出窓2,3は、出幅寸法L1,L2は相違するが、見付け寸法W2,W3が一致するため、出窓2,3が取り付けられた建物100の外壁102を正面から見ると、方立12部分の位置等が上下の出窓2,3で上下方向に揃い、外壁102の外観デザインを統一でき、バランスの良い印象を与えることができる。
【0026】
(4) 従来の出窓501のように、角度θ5のままで袖窓部5を短くして出幅寸法を小さくすると、袖窓部5が正面窓部6や壁面102Aに対して直行する角型出窓との相違が小さくなり、出窓シリーズとして、台形出窓と角型出窓を用意してもその違いが明確にならず、効果的ではないが、本実施形態では、出幅寸法L1が小さい出窓2では、袖窓部5の傾斜角度θ2を小さくして台形形状を強調でき、角型出窓との相違も明確にできて出窓部分の意匠の多様性も確保できるので、例えば、居室には台形出窓を用い、台所には角型出窓を用いる等の需要者の幅広いニーズに応えることができる。
その上、出幅寸法の小さな出窓2においても、袖窓部5の幅寸法L3は、従来の出窓501の幅寸法L11に比べて大きくできるので、袖窓部5の開口面積を出窓501に比べて大きくでき、眺望性や開放感を向上できる。
【0027】
(5) 袖窓部5を構成するにあたって通しボルト15を用いたので、袖窓部5の接合強度を向上でき、組立信頼性を高めることができる。その上、プラスドライバーでの組立が可能で組立作業を簡単に行うことができる。さらに、接合用の部品としては、通しボルト15と裏板151,152のみでよいため、部品点数を少なくできる。
また、出窓2のように、袖窓部5の角度θ2が小さい場合に、縦枠11側から通しボルト15を挿通するには、縦枠11の側面つまり外壁材との隙間を埋めるシール材やバックアップ材が配置される面に孔を形成しなければならず、防水性能の確保が難しいが、本実施形態では、方立12に長孔121を形成し、通しボルト15を方立12側から挿通できるように構成したので、縦枠11部分に貫通孔を設ける必要が無く、縦枠11の防水性能を向上することができる。その上、方立12の長孔121は、正面上枠31、正面下枠32が取り付けられることで、それらの端面で塞がれるため、外部に露出することもなく、意匠性の低下も防止できる。さらに、仮に長孔121から水が浸入しても、方立12内を通して室外側に容易に排水できるので、防水性能の低下も防止できる。
【0028】
(6) 出窓2は、袖窓部5の方立12に、正面窓部6の上下枠31,32を取り付けているので、正面窓部6用の方立(縦枠)を別途用意する必要が無く、部品点数を減少できてコストも低減できる。また、袖窓部5を構成する袖枠ユニット10は、予め工場等で組み立てて輸送することができるので、施工現場では、方立12に各枠31,32を接合するだけで出窓2の骨組みを組み立てることができ、現場における施工作業を軽減できて工期も短縮できる。さらに、袖窓部5は、正面窓部6に比べて幅寸法が小さいため、例えば、正面窓部6を方立12および上下枠31,32で予め枠組みして輸送する場合に比べて、取扱いが容易になり、輸送や設置作業を容易に行うことができる。
【0029】
なお、本発明は、前述の各実施形態に限定されない。
例えば、前記実施形態では、台形出窓2,3に本発明を適用していたが、図13に示すように、弓形の出窓に本発明を適用してもよい。すなわち、図13(A)に模式的に示す出窓301,302のように、見付け寸法W21〜W24が各出窓301,302で同一になるように構成すればよい。このようにすれば、各出窓301,302において正面外観意匠のバランスが統一され、特にこれらの出窓301,302を同じ建物の同一壁面に配置した場合には、その外観意匠を向上することができる。なお、各見付け寸法W21〜W24は、互いに異なる幅寸法でもよいが、これらの各寸法W21〜W24を同じ幅寸法にしたり、袖窓部305の見付け寸法W21とW24とを同一寸法とし、正面窓部306の見付け寸法W22とW23とを同一寸法にすれば、1つの出窓301,302においても各窓部分のバランスを向上できる。
さらに、弓形の出窓としては、出窓301,302のように、4つの窓部305,306で構成されるものに限らず、図13(B)に示すように、2つの袖窓部305と、3個以上の正面窓部306とで構成される出窓311,312でもよい。さらに、図13(C)に示すように、出幅寸法の異なる各出窓321,322において、各正面窓部306を互いに平行に配置してもよい。なお、出窓311,312や出窓321,322のように、各出窓で互いに平行な正面窓部306が存在する場合には、その正面窓部306は各出窓311,312,321,322で完全に同一のものを利用できるので、コストを低減できる利点がある。
さらに、出窓としては、図14に示すような平面三角形状の出窓331,332でもよい。この場合も、各袖窓部305の見付け寸法W31,W32が各出窓331,332でそれぞれ同一になるため、外観意匠を向上することができる。
【0030】
さらに、前記実施形態では、袖窓部5をFIX窓とし、正面窓部6を引違い窓としていたが、この窓構成は限定されず、袖窓部5を縦辷り出し窓等の開閉窓とし、正面窓部6をFIX窓等にしてもよく、これらは適宜設定すればよい。
さらに、正面窓部6には、障子35のみを設けていたが、網戸、装飾格子、面格子などを組み込んでもよい。これらの各部品を組み込む場合も、前記実施形態のように正面窓部6の幅寸法W2が各出窓2,3で同一とされていれば、各部品も共通化でき、より一層コストを低減することができる。
また、袖枠ユニット10や正面枠ユニット30の構成、接合構造などは前記実施形態に限らない。例えば、各枠13,14,31,32は、アルミ押出形材で構成されたものに限らず、他の非鉄金属やステンレス等の金属材で構成されたものでもよいし、金属材だけでなく、合成樹脂や合成木材などのアルミ材に比べて熱伝導率の低い断熱材が枠の室外面および室内面の間に配置されて室外面から室内面への熱伝導が低減された断熱枠材等で構成されたものを利用してもよい。
さらに、袖枠ユニット10は通しボルト15で接合されるものに限らず、各枠13,14を縦枠11や方立12にビス等で固定したものでもよい。
さらに、本発明の出窓は、建物の1つの壁面に単独で取り付けられてもよいし、図12のように上下に配設されるのではなく、壁面102Aの左右に設置されるものでもよい。例えば、平屋建ての建物等において、壁面の左右に出幅寸法の異なるが各窓部の見付け幅寸法比が所定比率(つまり同一)の出窓を設置してもよい。
【0031】
また、縦枠11、方立12の具体的な構造は、出窓の平面形状や、各窓部の開閉方式つまりFIX窓であるか、各種の開閉窓であるかなどに応じて適宜設定すればよい。例えば、出窓としては、前記実施形態の構造に限らず、例えば、袖下枠14を縦枠11および方立12の中間部間に配置し、正面下枠32を各方立12の中間部間に配置して、出窓の上半分に引違い窓やFIX窓を構成し、下半分は外壁材や内壁材を配置して壁面を構成したものでもよい。要するに、袖上枠、下枠や、正面上枠、下枠は、縦枠および方立間や各方立間に上下に間隔をおいて配置されていればよい。
さらに、出窓の出幅寸法としては、200mmのものと、300mmのものとに限らず、実施にあたって適宜設定すればよい。また、前記実施形態や変形例では、各出窓の幅寸法W1つまり壁開口の幅寸法が同一としていたが、本発明は、この出窓の幅寸法が異なる出窓同士においても適用可能である。例えば、幅寸法が異なる2つの壁開口に台形出窓を取り付ける場合、正面窓部6の幅寸法を、各出窓の幅寸法に応じて調整すればよく、各袖窓部5は出窓の幅寸法にかかわらず、出幅寸法が同一であれば同一のものを用いることができるため、出窓の幅寸法が異なる場合も、コストを低減できる。さらに、台形出窓や弓形出窓においては、各袖窓部5の見付け幅寸法は、出窓の幅寸法の相違や、出幅寸法の相違に関係なく、常に一定にできるので、建物の同一壁面に幅寸法や出幅寸法の異なる出窓を取り付けた場合でも、統一感のある外観デザインを維持することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、出幅寸法の異なる出窓間における外観デザインを統一化でき、かつ出幅寸法の小さな出窓であっても眺望性や開放感を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における出窓の平面形態を表す模式図である。
【図2】本実施形態における出窓の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す出窓の分解斜視図である。
【図4】本実施形態の出窓の横断面図である。
【図5】本実施形態の出窓の袖窓部の縦断面図である。
【図6】本実施形態の出窓の正面窓部の縦断面図である。
【図7】本実施形態の出窓の袖窓部と正面窓部との接合部を示す分解斜視図である。
【図8】本実施形態の出窓の袖窓部と正面窓部との接合手順を示す図である。
【図9】図4の袖窓部の拡大横断面図である。
【図10】本実施形態の他の出窓の横断面図である。
【図11】図10の袖窓部の拡大横断面図である。
【図12】本実施形態の出窓を取り付けた建物を示す概略斜視図である。
【図13】本発明の変形例である弓形出窓を示す模式図である。
【図14】本発明の他の変形例である三角出窓を示す模式図である。
【図15】本発明の従来例の出窓の平面形態を示す模式図である。
【図16】本発明における正面投影面の幅寸法を説明するための図である。
【符号の説明】
2,3…台形出窓、5…袖窓部、6…正面窓部、10…袖枠ユニット、11,11B…縦枠、12,12B…方立、12A…取付面、13…袖上枠、14…袖下枠、15…ボルト、16…押縁、17…ガラス、30…正面枠ユニット、31…正面上枠、32…正面下枠、35…障子、50…底板、51…断熱材、52…地板、55…屋根、70…上枠用連結材、72…本体部、73…打込部、74…丸穴、75…長溝、77…板バネ部、80…下枠用連結材、90…連結ネジ、92…ボルト、100…建物、101…柱、102…壁、102A…壁面、103…窓台、105…額縁、106…額縁アングル、111…カバー片、112…接合面、121…長孔、122…挿通孔、125…接合面、131,141…ボルト挿通溝、151,152…裏板、301,302,311,312,321,322,331,332…出窓、305…袖窓部、306…正面窓部、400…正面投影面、501,502…出窓、510…袖窓部、511…縦枠、512…方立、513…袖上枠、514…袖下枠、530…正面窓部、531…正面上枠、532…正面下枠。
Claims (6)
- 建物の同一壁面に少なくとも2つの出窓が設けられた建物であって、
前記壁面には、同一幅寸法とされた少なくとも2つの開口が形成され、この2つの開口には、各窓部の正面投影面における幅寸法比が同一の出窓がそれぞれ取り付けられ、これらの各出窓の一方は、他方の出窓よりも壁開口面から室外側への突出寸法が小さくされている建物。 - 出窓の各窓部の正面投影面における幅寸法は、出窓が取り付けられる壁開口の幅寸法に応じて設定され、
前記各窓部のうち、前記壁開口面に対して傾斜して配置される袖窓部の傾斜角度および幅寸法は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法に応じて設定されている請求項1に記載の建物。 - 前記出窓は、正面窓部とこの正面窓部の両側に配置された2つの袖窓部を備えており、正面窓部の幅寸法と、2つの袖窓部の正面窓部と平行な方向の幅寸法との比率は、壁開口の幅寸法に応じて設定されている請求項2に記載の建物。
- 出窓の各袖窓部は、壁開口の両端に設けられた躯体に取り付けられる縦枠と、方立と、縦枠および方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ縦枠および方立をそれぞれ連結する袖上枠および袖下枠とを備えて構成され、
正面窓部は、各方立間に上下に間隔をおいて配置されかつ各方立をそれぞれ連結する正面上枠および正面下枠を備えて構成され、
前記袖上枠および袖下枠は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法に応じた長さ寸法に設定され、
前記縦枠は、躯体への取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定され、
前記方立は、正面上枠および正面下枠の取付面に対する袖上枠および袖下枠の取付面の傾斜角度が、袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度に応じて設定されている請求項3に記載の建物。 - 前記正面窓部には引違い窓が組み込まれ、前記袖窓部には嵌め殺し窓が組み込まれている請求項4に記載の建物。
- 出窓において建物の壁開口に取り付けられた袖窓部の壁開口面に対する傾斜角度は、壁開口面から室外側への出窓の突出寸法が大きい場合に比べて小さい場合のほうが小さな傾斜角度にされている請求項1に記載の建物。
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