JP2004254959A - 球誘導部材およびその球誘導部材を備えた遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クルーン面12に遊技球を導くための複数の誘導路(第1〜第4誘導路131〜134)を多段に配置する。第3誘導路133に案内された遊技球は、最下点19Lを中心にして前後に揺動した後、窪み20から第4誘導路134に落下する。第4誘導路134上に落下した遊技球は、徐々に加速されながら後方に転がり、突起28、第1傾斜面271、第2傾斜面272の働きによって、クルーン面12に対して接線方向に滑らかに導かれる。
【効果】入球口6L,6C,6Rに遊技球が入るまでの時間を長くすることができる。遊技球の速度に変化を与えることができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ機などの遊技機に関し、特に、遊技機に適用される球誘導部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技球を導入して遊技を行うパチンコ機などの遊技機に適用され、遊技球の流れに変化を与えるための球誘導部材(ステージやクルーンなど)が知られている。
球誘導部材の一例としてのステージでは、たとえば、その表面に形成された起伏の最下点を中心にして遊技球が反復して転がる(揺動する)ことにより、遊技球が一定時間滞留するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
球誘導部材の一例としてのクルーンでは、たとえば、中央部が低くなるように緩やかに傾斜したクルーン面に案内された遊技球が、一定時間だけクルーン面上を周方向に転がった後、複数の入球口のいずれかに入るようになっている(たとえば、特許文献2および3参照)。
ステージやクルーンなどの球誘導部材を用いれば、遊技球を一定時間だけ滞留させて、遊技球の流れに変化を与えることができるので、視覚的に興趣が向上する。
【0004】
しかしながら、通常、球誘導部材は奥行きや幅の狭い空間に配置する必要があるため大型化が困難である。したがって、上記従来技術のような球誘導部材では、球誘導部材上での遊技球の滞留時間に限界があり、さらに滞留時間を長くして興趣を向上することが困難であった。
そこで、最近では、起伏面を多段に配置することにより遊技球の滞留時間をさらに長くしたステージが知られているが(たとえば、特許文献4参照)、このようなステージでは、厚さが増して、高さの低い空間に配置することが困難となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−157742号公報
【特許文献2】
特開平7−171248号公報
【特許文献3】
特開平9−10393号公報
【特許文献4】
特許第3319444号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、視覚的に興趣をより向上できる球誘導部材およびその球誘導部材を備えた遊技機を提供することを目的とする。
また、この発明の他の目的は、より狭い空間に配置することができる球誘導部材およびその球誘導部材を備えた遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、遊技球を導入して遊技を行う遊技機に適用される球誘導部材(1)であって、中央部が低くなるように傾斜しており、その中央部に遊技球が入球可能な複数の入球口(6L〜6R)が形成されたクルーン面(12)と、上記クルーン面の周囲に設けられ、遊技球を上記クルーン面に導くために多段に配置された複数の誘導路(131〜134)とを含むことを特徴とする球誘導部材である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、遊技球がクルーン面の入球口に入るまでの間に、多段に配置された複数の誘導路上を転がるので、入球口に遊技球が入るまでの時間を長くすることができるとともに、遊技球の動きに多様性を持たせることができる。したがって、視覚的により興趣を向上できる。
【0009】
なお、本発明におけるクルーン面には、円形状のものの他、長円形状のものや、遊技球が回転運動可能な多角形状のものが含まれる。
請求項2記載の発明は、上記複数の誘導路(131〜134)は、遊技球を揺動させて滞留させるための起伏を有する揺動路(133)と、上記揺動路からの遊技球を、上記クルーン面(12)に向けて勢いをつけて案内するための案内路(134)とを含むことを特徴とする請求項1記載の球誘導部材(1)である。
【0010】
この構成によれば、揺動路で遊技球を揺動させて、遊技球が転がる速度を遅くした後、案内路で勢いをつけてクルーン面に案内することにより、遊技球の速度に変化を与えることができる。したがって、視覚的にさらに興趣を向上できる。請求項3記載の発明は、上記案内路(134)からの遊技球を、上記クルーン面(12)に対して接線方向に導くための突起(28)を含むことを特徴とする請求項2記載の球誘導部材(1)である。
【0011】
この構成によれば、クルーン面に対して接線方向に遊技球を案内して、一定時間だけクルーン面上を周方向に転がした後、複数の入球口のいずれかに入れることができる。したがって、入球口に遊技球が入るまでの時間を長くすることができるので、視覚的により興趣を向上できる。
上記案内路(134)は、上記クルーン面(12)に向けて遊技球を滑らかに導くための傾斜面(271,272)を含むことが好ましい。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記複数の誘導路(131〜134)のうち隣接する少なくとも2つの誘導路は、それぞれ起伏を有しており、起伏の高低のピーク(極点)が上下方向に重ならないように(互いに上下に位置しないように)ずらして配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球誘導部材(1)である。
この構成によれば、起伏の高低のピーク(最上点と最下点)が上下方向に重ならないようにずらして配置されているので、各誘導路の最上点と最下点とが上下方向に重なるように配置された従来の多段型の球誘導部材(ステージ)と比較して、球誘導部材の厚さを薄くすることができる。したがって、より狭い(高さの低い)空間に球誘導部材を配置することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、遊技球を遊技領域(たとえば、遊技盤)に導入して遊技を行う遊技機であって、請求項1〜4のいずれかに記載の球誘導部材(1)を備え、上記球誘導部材により、遊技球を上記遊技領域の所定位置に導くことができるようにしたことを特徴とする遊技機である。
この構成によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果を奏する球誘導部材を備えた遊技機を提供することができる。
【0014】
特に、球誘導部材により、遊技球の入球に対して遊技者に有利な(多数個の賞球を獲得可能な)大当たり遊技を実行するか否かを決定するための大当たり抽選を実行する始動口や、遊技球の入球に対して予め定める個数の賞球を遊技者に付与する入賞口といった、遊技者に特典を付与するための所定の通過領域(所定位置)に遊技球を導くことができるので、遊技球の流れに遊技者の注目を集めることができる。したがって、視覚的に興趣をより向上できる遊技機を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る球誘導部材1を備えた表示装置2の外観構成を示す斜視図である。また、図2は、球誘導部材1を表示装置2から取り外した状態を示す分解斜視図である。ただし、図1および図2において、左下方向を前方、右上方向を後方として説明する。
【0016】
図1および図2を参照して、この表示装置2は、たとえば、遊技球を遊技盤に向けて発射して遊技を行うパチンコ機に適用される。遊技盤には、たとえば、発射された遊技球が遊技盤の盤面に沿って落下する過程で入球可能な始動口が配置されていて、この始動口に遊技球が入った場合には、遊技者に有利な(多数個の賞球を獲得可能な)大当たり遊技を実行するか否かを決定するための大当たり抽選が実行される。
【0017】
表示装置2には、大当たり抽選の結果を表示するために用いられるドラム表示器3が配置されている。このドラム表示器3は、たとえば略円筒状であって、その外周面には、複数種類の図柄(数字や絵柄など)が描かれている。ドラム表示器3は、たとえば、その前方側以外(上方側、下方側、後方側および端面側)がカバー4で覆われており、このカバー4によって軸線回りに回転可能に保持されている。
【0018】
始動口に遊技球が入ると、ドラム表示器3が軸線回りに回転を開始し、所定時間経過後に停止する。ドラム表示器3の回転が停止すると、上記複数種類の図柄のうちいずれかの図柄が前方から視認可能となり、その図柄(停止図柄)などによって大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かが遊技者に報知される。
ドラム表示器3の左右両側には、たとえば、遊技盤に沿って落下する遊技球を表示装置2内に導くための導入部材(左導入部材5Lと右導入部材5R)が配置されている。各導入部材5L,5Rは、表示装置2の前側上方から後側下方に向かって略L字状に湾曲した形状となっていて、その上端部には、前方に向かって開放する開口51が形成されている。表示装置2がパチンコ機に取り付けられると、各導入部材5L,5Rの開口51が遊技盤の盤面に臨んだ状態となり、遊技盤に沿って落下する遊技球を開口51から導入部材5L,5R内に導いて、当該導入部材5L,5R内を通して表示装置2内の後側下方に案内することが可能となる。
【0019】
ドラム表示器3の下方には、カバー4との間に一定の空間Sが形成されている(図2参照)。球誘導部材1は、たとえば上記空間S内に配置され、導入部材5L,5R内を通って表示装置2内に導かれた遊技球を、複数(たとえば、3つ)の入球口6L,6C,6Rのいずれかに誘導する役割を果たす。各入球口6L,6C,6Rの下方には、前後方向に延びる放出路7L,7C,7Rが形成されている。各放出路7L,7C,7Rの前端は開放されていて、球誘導部材1(表示装置2)がパチンコ機に取り付けられると、各放出路7L,7C,7Rの前端が遊技盤の盤面に臨んだ状態となる。
【0020】
したがって、いずれかの入球口6L,6C,6Rに入った遊技球は、その入球口6L,6C,6Rに対応する放出路7L,7C,7Rを通って前方に導かれ、遊技盤の盤面に向かって放出されるようになっている。遊技盤には、たとえば、中央の放出路7Cの下方に始動口が配置されていて、中央の放出路7Cから遊技盤の盤面に落下する遊技球は、他の放出路7L,7Rから落下する遊技球よりも始動口に入りやすくなっている。
【0021】
上記のように、表示装置2の左右両側の上方から開口51に入った遊技球は、導入部材5L,5Rによって表示装置2内の下部に導かれた後、球誘導部材1に誘導されて、表示装置2の左右方向中央部の下方から遊技盤の盤面に戻される。このような構成によれば、遊技球がワープしたような感覚を遊技者に与えることができるので、遊技の興趣がより向上する。特に、入った入球口6L,6C,6Rによって遊技球が異なる放出口7L,7C,7Rに導かれ、いずれの放出口7L,7C,7Rから放出されるかによって遊技球の始動口への入りやすさが異なるので、遊技者はいずれの入球口6L,6C,6Rに遊技球が入るかに注目することとなり、さらに興趣が向上する。
【0022】
球誘導部材1の下面には、たとえば、複数のLED素子8が電気的に接続された基板9が取り付けられている。各LED素子8は、上方(球誘導部材1)に向かって光軸が延びるように配置されている。球誘導部材1は、たとえば、ポリカーボネイトなどの光透過性を有する材料で形成されていて、その下面には、複数の凹凸が形成されている。したがって、複数のLED素子8を発光させた場合には、その照射光が球誘導部材1の下面の凹凸で乱反射し、球誘導部材1全体が明るく照らし出されるようになっている。これにより、視覚的に興趣をより向上できる。
【0023】
球誘導部材1の左右両端部には、たとえば、前後方向に延びる突条10が形成されており、カバー2の左右端面壁の内面下部には、各突条10に対応する係合凹部11が前後方向に延びている(図2参照)。球誘導部材1は、その突条10が係合凹部11内に沿うようにして、表示装置2の前方からドラム表示器3の下方の空間S内に挿入されることにより取り付けられる。
図3は、球誘導部材1の斜視図である。また、図4は、球誘導部材1の正面図である。ただし、図3に示す矢印は、当該球誘導部材1上を転がる遊技球の流れを示しており、高さの高い位置から低い位置へと延びるように記している。
【0024】
図3および図4を参照して、球誘導部材1は、入球口6L,6C,6Rが形成された略円形のクルーン面12と、遊技球をクルーン面12に導くために多段に配置された複数の誘導路(たとえば、第1誘導路131、第2誘導路132、第3誘導路133、第4誘導路134の4つ)とを有している。
第1誘導路131は、たとえば、クルーン面12の後方を左右に延びていて、前後方向に約15mmの幅を有している。通常、遊技球(パチンコ球)の直径は約11mmであって、第1誘導路131に沿って左右方向に遊技球が転がることができるようになっている。左導入部材5Lから表示装置2内に導かれた遊技球は、第1誘導路131の左端から球誘導部材1上に案内され、右導入部材5Rから表示装置2内に導かれた遊技球は、第1誘導路131の右端から球誘導部材1上に案内される。
【0025】
第1誘導路131は、たとえば、左右方向に沿って起伏を有していて、左右方向略中央に最上点14Hが形成されており、最上点14Hと左端および右端との間の略中央にそれぞれ最下点14Lが形成されている。したがって、各導入部材5L,5Rから第1誘導路131上に案内された遊技球は、その勢いによっては最上点14Hを乗り越えるなどした後、いずれかの最下点14Lを中心にして左右に反復して転がる(揺動する)ことにより、第1誘導路131上に一定時間滞留するようになっている。
【0026】
各最下点14Lの周囲には、たとえば、第2誘導路132側(前方)に向かって傾斜する窪み15が形成されており、これらの窪み15の近傍を除く第1誘導路131の前端には、遊技球が前方に転がり落ちるのを防止するためのリブ16が立設されている。したがって、第1誘導路131に案内された遊技球は、いずれかの最下点14Lを中心にして一定時間だけ揺動した後、窪み15から第2誘導路132へと落下する。
【0027】
第2誘導路132は、たとえば、クルーン面12の左右両側にそれぞれ前後に延びていて、最も狭い部分(前端部)で左右方向に約15mmの幅を有している。第1誘導路131の窪み15から前方に案内される遊技球は、その勢いによっては第3誘導路133に落下する場合もあるが、通常は第2誘導路132へと案内され、当該第2誘導路132に沿って前方に転がるようになっている。第2誘導路132は、たとえば、後方側が低くなるように緩やかに傾斜(たとえば、水平方向に対して3〜5°)しており、そのクルーン面12側の端部には、前端から後端部にかけて、遊技球が第3誘導路133に転がり落ちるのを防止するためのリブ17が立設されている。
【0028】
したがって、第1誘導路131から第2誘導路132に案内され、当該第2誘導路132に沿って前方へと転がった遊技球は、通常は第2誘導路132に沿って後方へと転がり、後端部の最下点18Lから第3誘導路133に案内される。ただし、第2誘導路132に案内された遊技球の勢いによっては、第2誘導路132の前端から遊技盤の盤面に落下する場合もある。
第3誘導路133は、たとえば、第1誘導路131および第2誘導路132のクルーン面12側に隣接して延びる略半円環状の誘導路であって、最も狭い部分(前後方向中央部)で径方向に約15mmの幅を有している。第1誘導路131から直接第3誘導路133に落下した遊技球や、第2誘導路132から第3誘導路133に案内された遊技球は、その勢いによっては当該第3誘導路133の後端部から第4誘導路134に落下する場合もあるが、通常は第3誘導路133に沿って転がるようになっている。
【0029】
第3誘導路133の左部および右部は、それぞれ前後方向に沿って起伏(たとえば、水平方向に対して3〜5°)を有していて、たとえば、第2誘導路132の最下点18Lからの遊技球の落下点よりも後側に最上点19Hが形成されており、前後方向の略中央に最下点19Lが形成されている。したがって、第3誘導路133に案内された遊技球は、前方へと転がった後、通常は最下点19Lを中心にして前後に揺動することにより、第3誘導路133上に一定時間滞留するようになっている。ただし、第3誘導路133に案内された遊技球の勢いによっては、第3誘導路133の前端から遊技盤の盤面に落下する場合もある。
【0030】
各最下点19Lの周囲には、たとえば、第4誘導路134側(クルーン面12側)に向かって傾斜する窪み20が形成されており、第3誘導路133の左部および右部の第4誘導路134側の端部には、各窪み20の前後に、遊技球が第4誘導路134に転がり落ちるのを防止するためのリブ21が立設されている。したがって、第3誘導路133に案内された遊技球は、第3誘導路133の左部および右部の外周を区画する壁面22(第2誘導路132との段差部分の壁面)とリブ20との間で、最下点19Lを中心にして一定時間だけ前後に揺動した後、窪み20から第4誘導路134へと落下する。
【0031】
第4誘導路134は、たとえば、クルーン面12の外周(第3誘導路133の内周)に隣接して延びる略円環状の誘導路であって、径方向に約15mmの幅を有している。第3誘導路133の後端部から第4誘導路134に落下した遊技球は、そのまま第4誘導路134の後端部からクルーン面12に落下するが、第3誘導路133の窪み20から第4誘導路134に案内された遊技球は、第4誘導路134に沿って転がるようになっている。
【0032】
第4誘導路134の左部および右部のクルーン面12側の端部には、遊技球がクルーン面12に転がり落ちるのを防止するためのリブ23が立設されている。したがって、第4誘導路134に案内された遊技球は、第4誘導路134の外周を区画する壁面24(第3誘導路133との段差部分の壁面)とリブ23との間を通って転がる。
第4誘導路134は、たとえば周方向に沿って起伏(たとえば、水平方向に対して3〜5°)を有していて、第3誘導路133の窪み20(最下点19L)からの遊技球の落下点よりも手前側に、最上点25Hが形成されている。したがって、第3誘導路133の窪み20から第4誘導路134に案内された遊技球は、通常は第4誘導路134に沿って後方側に転がるようになっているが、遊技球の勢いによっては、最上点25Hを乗り越えて前方に転がる場合もある。
【0033】
第4誘導路134の外周を区画する壁面24の前端部には落下口26が形成されており、この落下口26により第4誘導路134の前端部が前方に開放されている。落下口26は、遊技盤の盤面に臨んでいて、第4誘導路134の最上点25Hを乗り越えた遊技球は、当該落下口26から遊技盤に落下する場合がある。第4誘導路134の後端部には、たとえば、クルーン面12に向かって低くなるように傾斜した第1傾斜面271が形成されており、この第1傾斜面271の左右両側には、第4誘導路134から第1傾斜面271に遊技球が滑らかに転がるようにするための第2傾斜面272が形成されている。さらに、第4誘導路134の外周を区画する壁面24の後端部には、その左右方向中央部が前方に張り出した突起28が形成されている。第4誘導路134上を後方側へと徐々に加速しながら(勢いをつけて)転がる遊技球は、突起28、第1傾斜面271および第2傾斜面272の働きによって、クルーン面12に対して接線方向に滑らかに導かれるようになっている。
【0034】
クルーン面12は、たとえば中央部が低くなるように緩やかに傾斜(たとえば、水平方向に対して3〜5°)しており、その中央部に3つの入球口6L,6C,6Rが形成されている。クルーン面12の中央部へ向かう傾斜は緩やかであるので、第4誘導路134からクルーン面12に対して接線方向に導かれた遊技球は、一定時間だけクルーン面12上を周方向に転がった後、3つの入球口6L,6C,6Rのいずれかに入る。左の入球口6Lに入った遊技球は左の放出路7Lに導かれ、右の入球口6Rに入った遊技球は右の放出路7Rに導かれ、中央の入球口6Cに入った遊技球は中央の放出路7Cに導かれるようになっている。
【0035】
この実施形態では、表示装置2内に導かれた遊技球がクルーン面12の入球口6L,6C,6Rに入るまでの間に、多段に配置された複数の誘導路(第1誘導路131、第2誘導路132、第3誘導路133および第4誘導路134)上を転がるので、入球口6L,6C,6Rに遊技球が入るまでの時間を長くすることができるとともに、遊技球の動きに多様性を持たせることができる。したがって、視覚的により興趣を向上できる。
【0036】
特に、第3誘導路133で遊技球を揺動させて、遊技球が転がる速度を遅くした後、第4誘導路134で勢いをつけてクルーン面12に案内することにより、遊技球の速度に変化を与えることができる。したがって、視覚的にさらに興趣を向上できる。
また、この実施形態では、第2誘導路132の最下点18Lと第3誘導路133の最上点19Hとが上下方向に重ならないように(互いに上下に位置しないように)ずらして配置されており、また、第3誘導路133の最下点19Lと第4誘導路134の最上点25Hとが上下方向に重ならないようにずらして配置されている。したがって、各誘導路の最上点と最下点とが上下方向に重なるように配置された従来の多段型の球誘導部材(ステージ)と比較して、球誘導部材1の厚さを薄くすることができるので、より狭い(高さの低い)空間に球誘導部材1を配置することができる。
【0037】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、クルーン面12に遊技球を導くための誘導路は、4つ(第1〜第4誘導路131〜134)に限らず、もっと少なくてもよいし、もっと多くてもよい。
クルーン面12に形成された入球口6L〜6Rは、3つに限らず、もっと多くてもよいし、少なくてもよい。
【0038】
表示装置2は、大当たり抽選の結果を表示するものに限らず、遊技内容に関する他の情報を表示するものであってもよい。
球誘導部材1は、表示装置2に備えられた構成に限らず、表示装置とは別個に設けられていてもよい。
球誘導部材1は、パチンコ機に限らず、遊技球を導入して遊技を行う他の遊技機(たとえば、スマートボール機など)にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る球誘導部材を備えた表示装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】球誘導部材を表示装置から取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図3】球誘導部材の斜視図である。
【図4】球誘導部材の正面図である。
【符号の説明】
1 球誘導部材
6L〜6H 入球口
12 クルーン面
131〜134 第1〜第4誘導路
18L,19L 最下点
19H,25H 最上点
28 突起
Claims (5)
- 遊技球を導入して遊技を行う遊技機に適用される球誘導部材であって、
中央部が低くなるように傾斜しており、その中央部に遊技球が入球可能な複数の入球口が形成されたクルーン面と、
上記クルーン面の周囲に設けられ、遊技球を上記クルーン面に導くために多段に配置された複数の誘導路とを含むことを特徴とする球誘導部材。 - 上記複数の誘導路は、
遊技球を揺動させて滞留させるための起伏を有する揺動路と、
上記揺動路からの遊技球を、上記クルーン面に向けて勢いをつけて案内するための案内路とを含むことを特徴とする請求項1記載の球誘導部材。 - 上記案内路からの遊技球を、上記クルーン面に対して接線方向に導くための突起を含むことを特徴とする請求項2記載の球誘導部材。
- 上記複数の誘導路のうち隣接する少なくとも2つの誘導路は、それぞれ起伏を有しており、起伏の高低のピークが上下方向に重ならないようにずらして配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球誘導部材。
- 遊技球を遊技領域に導入して遊技を行う遊技機であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の球誘導部材を備え、
上記球誘導部材により、遊技球を上記遊技領域の所定位置に導くことができるようにしたことを特徴とする遊技機。
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