JP2004254853A - フライヤー - Google Patents

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Abstract

【課題】調理油の温度にオーバーシュートを生じさせず、設定温度を正確に維持可能とする。
【解決手段】3つのバーナ3〜5を油槽2の傾斜底部13に対して周方向へ均等に分散配置し、夫々独立して燃焼制御可能とする一方、バーナコントローラ8は、調理油の温度に応じて、バーナ3〜5の全てを同時に燃焼させるフルパワーモードと、バーナ3〜5のうちの2つを燃焼させるローパワーモードとを選択して実行すると共に、ローパワーモードの実行の際には、2つのバーナの組み合わせを所定の順番で変更して、油槽2の加熱領域を切り替えるようにしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理油を収容する油槽と、その油槽を加熱するバーナとを備えて、フライドチキンやポテト等の食材を加熱調理するフライヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】
フライヤーは、調理油を収容する油槽と、その油槽を加熱する複数のバーナと、油槽内の調理油の温度を検知する温度検出手段と、バーナの燃焼を制御する加熱制御手段としてのコントローラとを備え、コントローラは、温度検出手段により得られる検出温度に基づいて、指示された設定温度に維持されるように、バーナの燃焼/停止を切り替えるオン/オフ制御を実行する(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−77556号公報
【特許文献2】
特開平10−43063号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このオン/オフ制御は、バーナ全体の燃焼状態と、バーナ全体の停止状態とに切り替える形態であるから、調理油の温度にオーバーシュートを生じやすく、たとえデューティ制御によってオン/オフの時間比率を調整してトータル加熱量を調整しても、オーバーシュートの効果的な防止には至らない。
【0005】
そこで、請求項1に記載の発明は、調理油の温度にオーバーシュートが生じることなく、設定温度で正確に維持可能となるフライヤーを提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バーナを油槽に対して分散配置し、夫々独立して燃焼制御可能とする一方、加熱制御手段は、検出温度に応じて、バーナの全てを同時に燃焼させるフルパワーモードと、バーナの一部を燃焼させるローパワーモードとの少なくとも2つの加熱モードの何れかを選択して実行すると共に、ローパワーモードの実行の際には、燃焼させる一部のバーナを所定の順番で変更して、油槽の加熱領域を切り替えるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、油槽の温度分布の均一化をより好適に図るために、油槽を横断面円形とし、バーナを、その油槽の底部に対して周方向へ3つ均等に配置して、ローパワーモードでは2つずつのバーナを順番に燃焼させるようにしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の目的に加えて、各バーナへの負担をより適切に均等化させるために、ローパワーモードの終了時のバーナの順番を記憶する記憶手段を設けて、次回のローパワーモードは前回の続きからバーナを燃焼させるようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、フライヤーの一例を示す概略構成図で、フライヤー1は、調理油を収容する油槽2と、その油槽2の下方にあって油槽2を底部から加熱する3つの第1〜第3バーナ3〜5とを備え、各バーナ3〜5ごとに導かれるガス管には、バーナ電磁弁6が、その上流で分岐前のガス管には、元電磁弁7が夫々設けられて、バーナコントローラ8によって夫々個別に開閉制御される。また、各バーナ3〜5には、夫々点火用の放電電極9と着火検知用のフレームロッド10とが設けられており、バーナコントローラ8は、各バーナ3〜5を夫々独立して燃焼制御可能となっている。11は、各バーナ3〜5の下方にあって燃焼用空気を供給するファンで、バーナコントローラ8によって駆動制御される。
【0009】
なお、ここでの油槽2は、横断面が円形で、その底部は、中心部が最も深いコールドゾーン12と、そのコールドゾーン12へ向かって低くなるすり鉢状の傾斜底部13との二段形状を呈している。また、各バーナ3〜5は、夫々偏平なバーナを複数個並設してユニット化した箱状を呈しており、図2に示すように、コールドゾーン12を中心として周方向へ均等に配置されて、傾斜底部13を加熱可能となっている。
一方、油槽2には、調理油の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ14が設けられて、温度センサ14による温度検出信号がバーナコントローラ8に入力される。15は、フライヤー1の正面にあってバーナコントローラ8に電気的接続されるフライコントローラで、図示しない表示部の他、調理開始スイッチや設定温度、調理時間等の調理メニューが選択可能な操作部が設けられている。
【0010】
そして、バーナコントローラ8は、フライコントローラ15で調理メニューを選択して調理開始スイッチをONすると、選択された調理メニューに従って、温度センサ14により得られる調理油の温度を監視しつつ、バーナ電磁弁6及び元電磁弁7の開閉制御と各バーナ3〜5の点消火制御とを行い、油槽2に投入された食材の加熱調理を行う。以下、図3のフローチャートに基づいて加熱調理制御を説明する。
【0011】
フライコントローラ15で調理開始スイッチがONされて加熱調理が開始されると、S1で調理タイマーがスタートし、S2で調理油の温度Txを検出して、S3で設定温度Tsと比較する。この結果、検出温度Txが、設定温度Tsより1℃低い(Ts−1)以上の温度であれば、S4で各バーナ3〜5を燃焼させず、S7でのタイムアップを判別し、タイムアップしていなければ、再びS2で検出温度Txを監視する。一方、S3において、検出温度Txが、10℃以内の差で設定温度Tsより低ければ、S5に移行し、各バーナ3〜5のうちの一部を燃焼させるローパワーモードを実行する。
【0012】
但し、このローパワーモードは、図4,5に示すように、S20,21で第1、第2バーナ3,4を10秒間燃焼させ、次にS22,23で第2、第3バーナ4,5を10秒間燃焼させ、次にS24,25で第1、第3バーナ3,5を10秒間燃焼させて再びS20へ戻るというように、夫々2つずつのバーナを組み合わせを替えて順番に燃焼させて、傾斜底部13への加熱領域を切り替えるものとなっている。このように加熱領域を順番に切り替えることで、各バーナ3〜5の個々の燃焼時間が均等になり、調理油の温度分布の均一化も図られる。
【0013】
そして、図3におけるS3の判別で、検出温度Txが、設定温度Tsよりも10℃を超えて低い場合は、S6へ移行し、全てのバーナ3〜5を同時に燃焼させるフルパワーモードを実行する。なお、ローパワーモード、フルパワーモードで検出温度Txが(Ts−1)以上に達すると、S4で燃焼停止する。
こうしてS3での検出温度Txと設定温度Tsとの比較結果に基づいて、燃焼停止、ローパワーモード、フルパワーモードの何れかを実行し、調理油の温度を設定温度Tsに維持して加熱調理を行う。S7でタイムアップすれば、S8で全バーナ3〜5の燃焼を停止させてアラームを鳴動させ、加熱調理を終了する。
【0014】
なお、ローパワーモードの実行中に、検出温度Txが(Ts−10)≦Tx<(Ts−1)の範囲から外れると、ローパワーモードを終了して燃焼停止或いはフルパワーモードへ移行することになるが、バーナコントローラ8は、この終了時に燃焼していたバーナ3〜5の組み合わせを不揮発性メモリ等に記憶しておき、次回のローパワーモードでは、その記憶していたバーナの組み合わせからローパワーモードを実行するようにしている。このようにローパワーモードの終了時のバーナの順番を記憶する記憶手段を設けて、次回は前回の続きから実行するようにすれば、各バーナ3〜5への負担がより適切に均等化される。
【0015】
このように上記形態のフライヤー1によれば、複数あるバーナ3〜5を2つずつ順番に燃焼させるローパワーモードの採用により、調理油を徐々に加熱できるため、温度のオーバーシュートが効果的に防止され、設定温度を正確に維持可能となる。しかも、油槽2内の調理油の温度分布が均一となると共に、各バーナ3〜5の負担も均等となって全体での耐久性も向上する。一方、調理油の温度が設定温度からかなり低下している場合には、フルパワーモードで全バーナ3〜5を燃焼させるので、設定温度まで迅速に到達させることができる。従って、調理油の温度の迅速な立ち上がりとオーバーシュートの防止とが共に実現可能となり、調理性能が向上する。
特にここでは、油槽2を横断面円形とし、3つのバーナ3〜5を油槽2の傾斜底部13に対して周方向へ均等に配置して、ローパワーモードでは2つずつのバーナを順番に燃焼させるようにしているから、油槽2の温度分布の均一化がより好適に図られるようになっている。
【0016】
なお、上記形態では、ローパワーモードではバーナを2つずつの組み合わせで切り替え燃焼させているが、1つずつを順番に燃焼させても良いし、バーナの数が4以上であれば、1以上でバーナの数より1少ない数までの組み合わせで順番に燃焼させても良い。また、ローパワーモードは1つのパターンに限らず、例えば設定温度から5℃以内の差で低い場合はバーナ1つずつを順番に、5℃〜10℃の差で低い場合はバーナ2つずつを順番にというように、設定温度からの低下量に応じて燃焼させるバーナの数を変えることで、複数の加熱モードを選択することもできる。
【0017】
また、上記形態では、フルパワーモード、ローパワーモード共に選択したバーナを連続燃焼させているが、両モードでもバーナの燃焼はオン/オフ制御で所定時間ごとに断続的に燃焼させることもできる。よって、ローパワーモードの場合は、一回のオン時間内でバーナの燃焼を所定の組み合わせで順番に切り替えても良いし、一回のオンごとにバーナの燃焼を順番に切り替えても良い。
その他、油槽の形態やバーナの種類等は適宜変更可能で、油槽を密封する蓋を有する圧力フライヤーであっても本発明は適用可能である。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ローパワーモードの採用により、調理油を徐々に加熱できるため、温度のオーバーシュートが効果的に防止され、設定温度を正確に維持可能となる。しかも、油槽内の調理油の温度分布が均一となると共に、各バーナの負担も均等となって全体での耐久性が向上する。一方、調理油の温度が設定温度からかなり低下している場合には、フルパワーモードで全バーナを燃焼させるので、設定温度まで迅速に到達させることができる。従って、調理油の温度の迅速な立ち上がりとオーバーシュートの防止とが共に実現可能となり、調理性能が向上する。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、油槽を横断面円形とし、バーナを、その油槽の底部に対して周方向へ3つ均等に配置して、ローパワーモードでは2つずつのバーナを順番に燃焼させることで、油槽の温度分布の均一化がより好適に図られるようになっている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、ローパワーモードの終了時のバーナの順番を記憶する記憶手段を設けて、次回のローパワーモードは前回の続きからバーナを燃焼させるようにしたことで、各バーナへの負担がより適切に均等化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】フライヤーの概略構成図である。
【図2】バーナの配置状態を示す油槽底部の説明図である。
【図3】加熱調理制御のフローチャートである。
【図4】ローパワーモードでのバーナ切替制御のフローチャートである。
【図5】ローパワーモードでのバーナの切替状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1・・フライヤー、2・・油槽、3・・第1バーナ、4・・第2バーナ、5・・第3バーナ、8・・バーナコントローラ、13・・傾斜底部、15・・フライコントローラ。

Claims (3)

  1. 調理油を収容する油槽と、その油槽を加熱する複数のバーナと、前記調理油の温度を検出する温度検出手段と、その温度検出手段により得られる検出温度に基づいて前記バーナの燃焼を制御する加熱制御手段とを備えたフライヤーであって、
    前記バーナを前記油槽に対して分散配置し、夫々独立して燃焼制御可能とする一方、前記加熱制御手段は、前記検出温度に応じて、前記バーナの全てを同時に燃焼させるフルパワーモードと、前記バーナの一部を燃焼させるローパワーモードとの少なくとも2つの加熱モードの何れかを選択して実行すると共に、前記ローパワーモードの実行の際には、燃焼させる一部のバーナを所定の順番で変更して、前記油槽の加熱領域を切り替えるようにしたことを特徴とするフライヤー。
  2. 油槽を横断面円形とし、バーナを、その油槽の底部に対して周方向へ3つ均等に配置して、ローパワーモードでは2つずつのバーナを順番に燃焼させる請求項1に記載のフライヤー。
  3. ローパワーモードの終了時のバーナの順番を記憶する記憶手段を設けて、次回のローパワーモードは前回の続きからバーナを燃焼させるようにした請求項1または2に記載のフライヤー。
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