JP2004252620A - 画像処理装置および方法、並びに、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】階調変換により輝度信号レベルを変更しても色味を保存して画像を再現できるようにする。
【解決手段】Yマトリックス部112とCマトリックス部113は、撮像素子111から取得したオリジナルの色を、輝度信号と色差信号に変換する。階調補正部114は、輝度信号Yの階調調整を行ない、輝度信号Y’に変更し、出力するとともに、さらに、XYZ表色系のY信号としての信号Y’に変換して、色差補正部115に出力する。色差補正部115は、マンセル表色系の色相Hと彩度Cに対応する値であるh1とh2を演算し、階調補正後に、これを保存するようにXYZ表色系における階調調整後のY信号としての信号Y’に基づいて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出する。本発明は、ディジタル画像処理を行なう製品に適用することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】Yマトリックス部112とCマトリックス部113は、撮像素子111から取得したオリジナルの色を、輝度信号と色差信号に変換する。階調補正部114は、輝度信号Yの階調調整を行ない、輝度信号Y’に変更し、出力するとともに、さらに、XYZ表色系のY信号としての信号Y’に変換して、色差補正部115に出力する。色差補正部115は、マンセル表色系の色相Hと彩度Cに対応する値であるh1とh2を演算し、階調補正後に、これを保存するようにXYZ表色系における階調調整後のY信号としての信号Y’に基づいて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出する。本発明は、ディジタル画像処理を行なう製品に適用することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、並びに、プログラムに関し、特に、階調変換により輝度信号レベルを変更しても、色味を保存して画像を再現できるようにした、画像処理装置および方法、並びに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の輝度値が、本来変化しているべき輪郭の部分などで、変化が緩やかになっている場合、ぼやけた印象の画像となる。このような画像に対しては、輝度値の変化を強調することで鮮明な画像が得られる。テレビジョン受像機やデジタルカメラなどにおいて、画像の見えの改善として、鮮鋭化の手法がとられている。
【0003】
この方法では、一般的に、色差信号の調整は、変更前の輝度信号と色差信号との比が保持されるように行なわれる。すなわち、オリジナル色の輝度(Y)と色差信号(C)の比(Y/C比)が保持されるように(Y/C比が一定となるように)、輝度と色差信号のレベルが補正される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−252584号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Y/C比を一定とする補正(色差信号の補正)では、階調変換により輝度信号レベル(Yのレベル)が下げられた場合、経験的に画像の色が黒ずんで見えることがある。また、色差信号レベル(Cのレベル)が大きく、輝度信号レベル(Yのレベル)が小さく、かつ、階調変換により輝度信号レベル(Yのレベル)が上げられた場合、Y/C比を一定とするために、色差信号(Cのレベル)も上げることになり、色差信号(Cのレベル)が飽和してしまうことがあるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、階調変換により輝度信号レベルを変更しても、色が黒ずんだり、飽和してしまうことを抑制するようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理装置は、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、第1の演算手段により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第2の演算手段により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
前記第1の表色系の第1の要素は、輝度または明度に関する要素であるようにすることができる。
【0009】
前記第3の表色系の第7の要素と第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素であるようにすることができる。
【0010】
前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、第3の表色系は、マンセルの表色系であるようにすることができる。
【0011】
前記第1の表色系は、YCrCbの表色系であるようにすることができる。
【0012】
前記画像信号の表色系の各要素に基づいて、第1の表色系の第1乃至第3の要素を演算する第4の演算手段をさらに備えるようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の画像処理方法は、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第2の演算ステップの処理により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第3の演算ステップの処理により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の画像処理装置は、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、第1の演算手段により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、第2の演算手段により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、階調補正手段により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算手段と、第3の演算手段により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
前記第3の表色系の第8の要素は、明度に関する要素であるようにすることができる。
【0017】
前記第3の表色系の第7の要素と第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素であるようにすることができる。
【0018】
前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、第3の表色系は、マンセルの表色系であるようにすることができる。
【0019】
前記第1の表色系は、RGBの表色系であるようにすることができる。
【0020】
本発明の第2の画像処理方法は、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の演算ステップの処理により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、階調補正ステップの処理により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、第3の演算ステップの処理により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2のプログラムは、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の演算ステップの処理により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、階調補正ステップの処理により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、第3の演算ステップの処理により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
第1の本願発明においては、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値が生成される。入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算され、演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値が演算され、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算される。
【0023】
第2の本願発明においては、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算され、演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値が演算されるとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値が演算され、演算された第8の要素の値の階調が補正される。生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値が演算され、この第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素が演算される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したビデオカメラ、例えば、ディジタルスチルビデオカメラ100の主要部の構成例を示す図である。
【0025】
CCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などの撮像素子よりなる撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、さらに、この画像信号からR,G,Bの3原色の信号を生成する。Yマトリックス部112は、このR,G,Bの信号に対してマトリックス演算し、Y信号(輝度成分)を算出する。また、Cマトリックス部113は、R,G,Bの3要素の信号に対してマトリックス演算し、C信号(色差成分)を算出する。なお、この場合のC信号(色差成分)は、CrおよびCbの色差信号で構成されている。
【0026】
Yマトリックス部112により算出されたY信号(輝度成分)は、階調補正部114と色差補正部115に入力される。階調補正部114は、入力されたY信号(輝度成分)に対して階調補正を行ない、その結果を階調補正信号Y’として、図示せぬ後段の処理部に出力する。また、階調補正部114は、階調補正信号Y’を、XYZ表色系の要素Y’として、色差補正部115に出力する。
【0027】
Cマトリックス部113により算出されたC信号(色差成分)は、色差補正部115に入力される。色差補正部115は、Yマトリックス部112から送信されたY信号(輝度成分)、階調補正部114から送信された信号Y’(XYZ表色系の階調補正信号)、およびCマトリックス部113から送信されたC信号(色差成分)に基づいて、色差補正を行ない、その結果を、色差補正結果C’として、図示せぬ後段の処理部に出力する。このとき、マンセル表色系における色相(H)と彩度(C)を保存するように、色差補正が行なわれる。
【0028】
ここで、マンセル表色系について説明する。
【0029】
マンセル表色系は、色の3属性(要素)である色相(H:Hue)、明度(V:Value)、および彩度(C:Chroma)に基づいて、それぞれ番号または記号で分類された色票を使用して、物体の色と色票を人が見比べて色を表現するものであり、日本では、「三属性による色の表示方法」としてJIS(JIS Z 8721)に規定されている。
【0030】
マンセル表色系において、例えば、りんごの色を表現する場合、人が図2に示されるマンセル色相環に表わされる色の中から、りんごの色に最も近い色を探し、その値をりんごの色とする。図2のマンセル色相環は、実用として用いられている10色(5Y(Yellow),5YR(YellowRed),5R(Red),5RP(RedPurple),5P(Purple),5PB(PurpleBlue),5B(Blue),5BG(BlueGreen),5G(Green),5GY(GreenYellow))を2分割にしたもの(すなわち、10Y,10YR,10R,10RP,10P,10PB,10B,10BG,10G,10GYを含めた20色)を示している。例えば、対象となるりんごの色が、10RPと5Rの中間の2.5Rである場合、2.5Rの明度と彩度を示したマンセル色票(図示せず)上で、明度(V)と彩度(C)が最も近い色がりんごの色とされる。
【0031】
りんごの色が、マンセル色票(図示せず)において、例えば、明度(V)=4であり、彩度(C)=12である色に最も近いとすると、このりんごの色は、「2.5R 4/12」(2.5アール4の12)と表現される。マンセル表色系は、立体で表わされているため(色相、彩度、および明度の3つの軸により表現されるため)、このように、色に対する値を割り当てることができる。
【0032】
図3は、マンセル色相値が1YRの場合の明度(V)/彩度(C)を示したマンセル色票を示す図である。
【0033】
図3の例においては、色相を1YRに固定しており、横軸は彩度値(C)、縦軸は明度値(V)とされている。色は、彩度値(C)の値が大きいほど、より鮮やかであり、明度値(V)の値が大きいほど、明るいとされている。また、彩度(C)=Nは、無彩色を表わしている。
【0034】
表色系(色空間)には、様々な種類があり、所定の表色系(色空間)の色は、他の表色系(色空間)の色に変換することができる。例えば、図4乃至図7に示されるようなJIS Z 8721に規定されている変換テーブルを使用して、マンセル表色系の色をXYZ表色系に変換することができる。また、JIS X 9204に規定されているマトリックスを使用して、XYZ表色系の色をRGBの表色系の色に変換することができる。
【0035】
例えば、扱う信号がディジタルスチルビデオカメラに対応する信号の場合におけるRGBの表色系の色からXYZの表色系の色への変換マトリックスが、式(1)に示される。
【数1】
【0036】
逆に、XYZの表色系の色をRGBの表色系の色に変換するマトリックスが、式(2)に示されている。
【数2】
【0037】
RGBの色は、式(3)、式(4)、および式(5)に基づいて、YCrCbの表色系の色(ディジタルスチルビデオカメラにおいて用いられる色空間の色)に変換することができる。
【数3】
【0038】
式(4)と式(5)で表わされるYCrCb表色系における要素としての色差信号Cr,Cbを、式(6)に適用することで、マンセル表色系の彩度Cに対応する値を演算することができる。
【数4】
【0039】
図3のマンセル色票の値をYCrCb表色系のYC座標に変換したものが図8に示されている。図8において、横軸は式(6)に基づいて演算された色差信号の値とされ、縦軸はY(輝度成分)とされる。また、図8に示されている各ブロックに付してある番号は、図3に示されたそれぞれのブロックの番号に対応する。
【0040】
次に、図9のフローチャートを参照して、図1のディジタルスチルビデオカメラ100における階調調整処理(Dレンジ圧縮処理)を説明する。この処理は、階調調整処理をYCrCb表色系の信号Y(輝度成分)で行なった場合の例である。なお、この処理は、ユーザにより撮影を行なう指令がされたとき開始される。
【0041】
ステップS1において、ディジタルスチルビデオカメラ100の撮像素子111は、RGBの信号(オリジナルの色)を取得する。具体的には、撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、この画像信号からRGBの信号を取得(生成)する。
【0042】
ステップS2において、Yマトリックス部112とCマトリックス部113は、取得したRGBの信号を、YCrCb信号に変換する。具体的には、式(3)乃至式(5)に基づいて、RGB信号がYCrCb信号に変換される。なお、Yマトリックス部112はY信号を生成し、Cマトリックス部113は、Cr信号とCb信号、すなわち、C信号を生成する。
【0043】
ステップS3において、階調補正部114は、Yマトリックス部112から輝度信号Yを取得し、輝度信号Yの階調調整を行なう。すなわち、アンシャープマスク等といった各種フィルタリング処理が輝度信号になされ、画像の鮮鋭性が改善される。XYZ表色系のYの値とYCrCbの表色系のYの値は同一であるため、このときのY’の値がXYZ表色系のY信号としての信号Y’となる。
【0044】
ステップS4において、階調補正部114は、ステップS3の処理により階調調整が行なわれた結果の信号Y’(XYZ表色系のY信号)を色差補正部115に出力する。
【0045】
ステップS5において、色差補正部115は、Yマトリックス部112とCマトリックス部113によりステップS2の処理で生成されたオリジナル色(階調が調整される前の色)のYCrCb信号を、式(7)に従って、XYZ表色系に変換するための演算を行なう。
【数5】
【0046】
ステップS6において、色差補正部115は、マンセル表色系の値h1とh2を算出する。マンセル表色系の色相(H)、彩度(C)、明度(V)と、XYZ表色系の関係の詳細が、以下の式(8)乃至式(23)で示される。値h1とh2は、このうちの式(10)と式(11)で定義されている値である。なお、これらの式は、例えば、文献「書名:系統的画像符号化、著者:宮原誠、発行所:(株)アイピーシー、発行年月日:平成2年7月31日、147頁乃至49頁」に示されるものである。
【数6】
【0047】
ここで、Xc,YまたはZcをAとする関数F(A)は、以下の式(13)と式(14)により定義されている。
【数7】
【0048】
また、座標軸S1,S2,および値M1乃至M3は、式(15)乃至式(19)により示される。なお、θは、式(20)を満たす。
【数8】
【0049】
この座標軸S1,S2上で、マンセル表色系のH,C,およびVが、式(21)乃至式(23)により定義される。
【数9】
【0050】
上述した式(10)と式(11)により求められる値h1とh2が決まれば、H(色相)とC(彩度)が一義的に決定される。このことは、式(21)と式(22)より明らかなように、H(色相)とC(彩度)は、S1,S2により規定され、S1,S2は、式(18)と式(19)からθ,M1,M2により規定され、θは、式(20)より明らかなように、M1,M2により規定され、M1,M2は、式(15)と式(16)から明らかなように、h1とh2により規定されることから明らかである。ただし、値h1とh2は、H(色相)またはC(彩度)の値そのものではない。
【0051】
いま、マンセル表色系で表わした場合におけるオリジナルの色(階調変換前の色)をHVC(色相、明度、彩度)とし、階調変換後の色をH’V’C’とする。本発明では、色相Hと彩度Cを保存するように色差信号の変換が行なわれる。すなわち、H’=H、かつ、C’=Cとなるように色差信号の変換が行なわれる。
【0052】
色相Hと彩度Cを保存する階調変換を実現するには、階調変換後の色を、明度Vのみが変更され、色相Hと彩度Cが変更されていない色とすればよい。しかしながら、マンセル表色系は、ビデオカメラ、テレビジョン受像機といった画像処理装置で多く利用されているRGB,YUV,YPbPr,YCrCbといった表色系(XYZ表色系を除く表色系)との間で、実用上充分に正確に相互に色を変換するための変換式が、まだ発見されていないため、上述した式(8)乃至式(23)に示されるXYZ表色系との間の変換式を使用する。
【0053】
このため、本発明においては、階調変換後のHV’C(オリジナルのマンセル表色系のHVCのうちの、Vのみ、V’となったマンセル表色系の色)をXYZ表色系の値(以下、X’Y’Z’と記述する)に変換することにより、色相と彩度を保存した、明度のみ異なる色が得られるようにする。
【0054】
そこで、ステップS7において、色差補正部115は、階調補正部114によりステップS3の処理で階調調整が行なわれたYCrCb表色系のYの値、すなわち、XYZ表色系における階調調整後のY信号としての値Y’、並びにステップS6の処理により自分自身が算出した値h1およびh2に基づいて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出する(Y’は、ステップS3,ステップS4の処理で既に得られている)。
【0055】
具体的には、以下の式(24)乃至式(29)を用いて、X’Y’Z’が導出される。すなわち、式(13)から式(24)が導出される。
【数10】
【0056】
次に、式(10)からF(Xc’)が求められ、式(25)のXXが定義される。
【数11】
【0057】
式(25)のh1は、ステップS6の処理で得られた値である。また、F(Y’)の値は、式(13)において、AにY’(Y’の値はステップS3の処理で既に得られている)を代入して得られる。従って、式(25)からXXの値は求めることができる。
【0058】
式(24)のAにXc’を代入し、さらに式(25)を適用して、式(26)が得られ、そこに、式(25)のXXを代入することで、Xc’が演算される。
【数12】
【0059】
次に、式(8)に基づいて、式(27)が得られ、これに式(26)で求められたXc’を代入することで、X’が求められる。
【数13】
【0060】
Z’もX’と同様の計算に基づいて算出される。すなわち、最初に式(13)により式(24)が導出され、次に、式(11)によりF(Zc’)が求められ、式(28)のYYが定義される。
【数14】
【0061】
ここで、式(28)のh2は、ステップS6の処理で得られた値である。また、F(Y’)の値は、式(13)において、AにY’(Y’の値はステップS3の処理で既に得られている)を代入して得られる。従って、YYの値は式(28)により、求めることができる。
【0062】
式(24)のAにZc’を代入し、さらに式(28)を適用して式(29)が得られ、Zc’が演算される。
【数15】
【0063】
次に、式(9)により、式(30)が導出され、ここに式(29)で得られたZc’を代入することで、Z’が求められる。
【数16】
【0064】
以上の処理により、マンセル表色系の色相Hと彩度Cを変更せず、明度Vのみを変更した階調調整後の色を、XYZ表色系で表した色X’Y’Z’が得られたことになる。
【0065】
ステップS7の処理の後、ステップS8において、色差補正部115は、階調変換後のX’Y’Z’(X’,Z’は色差補正部115がステップS7で演算した値であり、Y’は、階調補正部114がステップS3で生成した値である)から、オリジナル色の色空間の色を演算する。具体的には、色差補正部115は、式(2)のXYZに、X’Y’Z’を代入し、求めたRGBを、式(3)に代入して信号Yを生成し、信号Yと信号Rを式(4)に代入してCrを生成し、信号Yと信号Bを式(5)に代入してCbを生成する。
【0066】
ステップS9において、階調補正部114と色差補正部115は、それぞれ演算した結果を、階調調整結果として後段の処理部に出力し(オリジナルの色の色空間として出力し)、処理を終了する。いまの例の場合、YCrCb信号が出力される。このとき、出力されるYCrCb信号には、色相(H)と彩度(C)が保存されている。
【0067】
以上においては、ステップS6で値h1とh2を算出するようにしたが、色相Hと彩度Cの値そのものを算出することも可能である。しかしながら、値h1とh2を算出するようにした方が、色相Hと彩度Cの値そのものを算出する場合に較べて、演算が簡単となる。
【0068】
図9に示されるような、階調調整処理をYCrCb表色系の信号Y(輝度成分)で行なった結果が図10と図11に示されている。図10は、図8に示されている各ブロック(番号が付してあるブロック)のうち、任意の1つのブロックについて、階調調整により輝度が下げられた場合が示されている。
【0069】
図10において、横軸はC(上述した式(6)に基づいて演算された色差信号の値である彩度値)とされ、縦軸は、Y(YCrCb表色系の輝度成分)またはマンセルV(マンセル表色系における明度)とされる。図中、Cycrcbは、Y/C比が一定となるように階調調整処理が行なわれた(以下、この補正方法を「YC比一定」の方法と称する)場合の補正値を表わし、Chvcは、オリジナル色の色相(H)と彩度(C)を保存し、明度のみを変更するように階調調整する処理が行なわれた(以下、この補正方法をマンセルの色相と彩度を一定とするため、「マンセルHC一定」の方法と称する)場合の補正値を表わす。
【0070】
図10に示されるように、YC比一定とした場合、色を表わすブロックは直線22に沿って移動する。例えば、ブロック11の色をYC比が一定となるように輝度を低下させると、ブロック11は、直線22に沿ってブロック13の位置に移動する。
【0071】
これに対して、マンセルHC一定とした場合、色を表わすブロックは、図中、右側に突出した形状の(正の微分特性の)曲線21に沿って移動する。例えば、ブロック11の色を、マンセルHCが一定となるように、ブロック13と同じ値だけ輝度を低下させると、ブロック11は、曲線21に沿って、ブロック12の位置に移動する。図10に示されるように、階調調整により輝度値(YまたはマンセルVの値)が下げられた場合、同じ輝度における彩度の値(ブロック13の彩度Cycrcbとブロック12の彩度Chvc)は、Cycrcb<Chvcとなる。すなわち、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合、YC比を一定とした補正値の彩度Cycrcbより、マンセルHCを一定とした補正値の彩度Chvcの方が大きくなるため、彩度値(C)が必要以上に低下するのを、従って、色が黒ずんで見えるようになるのを防ぐことができる。
【0072】
また、図10に対応して、図8に示される各ブロック(番号が付してあるブロック)のうち、任意の1つのブロックについて、階調調整により輝度が上げられた場合の例を図11に示す。
【0073】
図11においても、横軸はC(上述した式(6)に基づいて演算された色差信号の値である彩度値)とされ、縦軸はY(YCrCb表色系の輝度成分)またはマンセルV(マンセル表色系における明度)とされる。図中、Cycrcbは、YC比一定として処理が行なわれた場合の補正値を表わし、Chvcは、マンセルHC一定として処理が行なわれた場合の補正値を表わす。
【0074】
図11に示されるように、YC比一定とした場合、色を表わすブロックは、直線42に沿って移動する。例えば、ブロック31の色をYC比一定となるように輝度を上げた場合、ブロック31は、直線42に沿って、ブロック33の位置に移動する。これに対して、マンセルHC一定とした場合、色を表わすブロックは、図中、右側に突出した形状の(正の微分特性の)曲線41に沿って、移動する。例えば、ブロック31の色を、マンセルHCが一定となるように、ブロック33と同じ値だけ輝度を上昇させると、ブロック31は、曲線41に沿って、ブロック32の位置に移動する。
【0075】
図11に示されるように、階調調整により輝度値(YまたはマンセルVの値)が上げられた場合、同じ輝度における彩度の値(ブロック33の彩度Cycrcbとブロック32の彩度Chvc)は、Cycrcb>Chvcとなる。すなわち、階調調整により輝度信号レベルが上げられた場合、YC比を一定とした補正値の彩度Cycrcbより、マンセルHCを一定とした補正値の彩度Chvcの方が小さくなるため、彩度Cの飽和を防ぐことができる。
【0076】
次に、図12と図13を参照して、色空間(表色系)の比較を行なう。図12は、輝度(明度)一定とした場合の、マンセルの表色系の色立体断面を示す図であり、図13は、輝度(明度)一定とした場合の、YCrCbの表色系の色立体断面を示す図である。
【0077】
図12と図13において、色相(H)は角度として示され、彩度(C)は半径長として示されている。図12において、横軸はS1(式(18)で演算された値)とされ、縦軸はS2(式(19)で演算された値)とされる。図13において、横軸はCb(YCrCb表色系のCb)とされ、縦軸はCr(YCrCb表色系のCr)とされる。S1はCbと対応する値であり、S2はCrと対応する値である。
【0078】
図12と図13において、「×」は、C=2の場合、「△」は、C=4の場合、「□」は、C=6の場合、「○」は、C=8の場合を、それぞれ表わしている。Cの値は、図12の場合、式(22)で演算された値であり、図13の場合、式(6)で演算された値である。
【0079】
図12において、色相の値(中心からの角度)がどのような値であったとしても、C=2,C=4,C=6,およびC=8の位置の中心からの距離はほぼ同一となる。すなわち各点は、ほぼ同心円上に位置する(S1とS2の軸においてほぼ同心円上にある)。これに対して、図13において、C=2,C=4,C=6,およびC=8の位置の中心からの距離は、色相の値(中心からの角度)によって異なり、各点は、同心円上には位置しない。すなわち、歪みが生じている。このことから、YCrCbの表色系の色における色差信号の補正(YC比一定による補正)では、図13に示されるように、歪みが生じるため、補正後の色の見え方が変わってしまうが、図12に示されるような、マンセル表色系における色差信号の補正(マンセルHC一定による補正)は、歪みが少ないため、忠実に色の再現をすることができることが判る。
【0080】
なお、以上の例では、階調処理がY信号(輝度成分)で行なわれた場合を例にして説明しているが、これに限らず、階調処理をV信号(HVCの表色系のV)で行なうようにすることもできる。
【0081】
階調処理がHVC表色系の信号V(明度成分)で行なった場合の階調調整処理を、図14のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、ユーザにより撮影を行なう指令がされたとき開始される。また、図14の処理を実行するディタルスチルビデオカメラ100の構成は、図15に示されるようになる。その基本的な構成は、図1とほぼ同様であるが、Yマトリックス部112とCマトリックス部113は不要となる。
【0082】
ステップS51において、ディジタルスチルビデオカメラ100の撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、この画像信号からRGBの信号(オリジナルの色)を取得する。
【0083】
ステップS52において、色差補正部115は、ステップS51の処理により取得されたオリジナル色のRGB信号を取得し、式(1)に基づいて、オリジナル色のRGB信号をXYZ表色系に変換するための演算を行なう。
【0084】
ステップS53において、色差補正部115は、ステップS52の処理により算出したY(XYZ表色系のうちのY)に基づいて、以下の式(32)のaにYを代入し、その式(32)を式(31)に適用してVを算出する。色彩補正部115は、算出したV(HVC表色系のV)を、階調補正部114に出力する。
【数17】
【0085】
また、色差補正部115は、上述した式(10)と式(11)により表わされる値h1とh2を算出する。
【0086】
ステップS54において、階調補正部114は、ステップS53の処理により色差補正部115により算出され、入力されたV(HVC表色系のV)を取得し、明度信号Vの階調調整を行なう。
【0087】
ステップS55において、階調補正部114は、階調調整が行なわれた結果の明度信号V’(ステップS54の処理により階調調整が行なわれた結果)を、XYZ表色系のY信号としての信号Y’に変換する。具体的には、式(33)と式(34)を用いてY’が導出される。
【数18】
【0088】
ステップS56において、階調補正部114は、ステップS55の処理により算出した信号Y’を色差補正部115に出力する。
【0089】
図9の処理において上述したように、オリジナルの色(階調変換前の色)をHVC(色相、明度、彩度)とし、階調変換後の色をH’V’C’とすると、階調変換後でも色相Hと彩度Cを保存するようにする。すなわち、H’=H、かつ、C’=Cとされる。
【0090】
そこで、ステップS57において、色差補正部115は、ステップS53の処理により算出された値h1およびh2、並びに、ステップS55の処理により生成された、XYZ表色系における階調調整後のY信号としてのY’を取得し、上述した式(24)乃至式(29)を用いて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出するが、その説明は上述したものと同様であるため省略する。
【0091】
ステップS58において、色差補正部115は、階調変換後のX’Y’Z’(X’,Z’はステップS57で色差補正部115により演算され、Y’は、ステップS56で階調補正部114により演算されている)から、オリジナル色の表色系の色を演算する。いまの例の場合、オリジナル色は、RGB表色系とされているため、X’Y’Z’表色系の色は、RGB表色系の色へ変換される。具体的には、式(2)のXYZに、X’Y’Z’を代入することでRGBが演算される。
【0092】
ステップS59において、色差補正部115は、それぞれ演算した結果を、階調調整結果として出力し(RGBの表色系の色として出力し)、処理を終了する。いまの例の場合、RGB信号が出力される。このとき、出力されるRGB信号には、色相(H)と彩度(C)が保存されている。勿論、RGB信号ではなく、X’Y’Z’表色系の色をそのまま出力するようにしてもよい。
【0093】
このように、HVC表色系の信号V(明度成分)で階調調整処理を行なった場合においても、本発明を適用することができる。すなわち、HVC表色系の信号V(明度成分)で階調調整が行なわれた場合においても、色相(H)と彩度(C)を保存することができる。
【0094】
以上のように、階調調整が行なわれた場合において、色差信号の調整処理をマンセル表色系におけるHC(色相と彩度)を一定とすることにより、色味を保存することが可能となる。
【0095】
また、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。
【0096】
さらに、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【0097】
また、階調調整が行なわれた場合において、色差信号の調整処理をマンセル表色系におけるHC(色相と彩度)を一定とすることにより、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して、色を再現することが可能となる。
【0098】
なお、本発明はディジタルスチルビデオカメラに限らず、例えば、テレビジョン受像機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、コピー機等、画像信号を扱う画像処理装置に適用することもできる。この場合、オリジナル色の表色系も、各画像処理装置において使用されているものに適宜、置き換えられる。
【0099】
また、画像編集ツール(例えば、フォトショップ(商標))などにおいても、マンセルHC一定としたアルゴリズムを用いることができるため、本発明を適用することができる。
【0100】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、上述した処理は、図16に示されるようなパーソナルコンピュータ300により実行される。
【0101】
図16において、CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302に記憶されているプログラム、または、記憶部308からRAM(Random Access Memory)303にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0102】
CPU301、ROM302、およびRAM303は、内部バス304を介して相互に接続されている。この内部バス304にはまた、入出力インターフェース305も接続されている。
【0103】
入出力インターフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部307、ハードディスクなどより構成される記憶部308、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部309が接続されている。通信部309は、電話回線やCATVを含む各種のネットワークを介しての通信処理を行なう。
【0104】
入出力インターフェース305にはまた、必要に応じてドライブ310が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどによりなるリムーバブルメディア321が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部308にインストールされる。
【0105】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0106】
この記録媒体は、図16に示されるように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されているリムーバブルメディアよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM302や記憶部308が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0107】
なお、本明細書において、コンピュータプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0108】
【発明の効果】
以上の如く、第1の本願発明によれば、階調調整を行なった場合に、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して色を再現することができる。特に、本願発明によれば、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、従来のYC比一定の処理と比較すると、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。また、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【0109】
第2の本願発明によれば、階調調整を行なった場合に、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して色を再現することができる。特に、本願発明によれば、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、従来のYC比一定の処理と比較すると、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。また、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディジタルスチルビデオカメラの主要部の構成例を示すブロック図である。
【図2】マンセル色相環を説明する図である。
【図3】マンセル色相環が1YRにおけるマンセル色票を示す図である。
【図4】変換テーブルの構成を示す図である。
【図5】変換テーブルの構成を示す図である。
【図6】変換テーブルの構成を示す図である。
【図7】変換テーブルの構成を示す図である。
【図8】図3のマンセル色票をYCrCb値に変換した状態を示す図である。
【図9】図1のディジタルスチルビデオカメラの階調調整処理を説明するフローチャートである。
【図10】階調変換により輝度を下げた場合における補正値を説明する図である。
【図11】階調変換により輝度を上げた場合における補正値を説明する図である。
【図12】輝度を一定とした場合のマンセル表色系の色立体断面を示す図である。
【図13】輝度を一定とした場合のYCrCbの表色系の色立体断面を示す図である。
【図14】図1のディジタルスチルビデオカメラの他の階調調整処理を説明するフローチャートである。
【図15】本発明を適用したディジタルスチルビデオカメラの主要部の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 ディジタルスチルビデオカメラ, 111 撮像素子, 112 Yマトリックス部, 113 Cマトリックス部, 114 階調補正部, 115 色差補正部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、並びに、プログラムに関し、特に、階調変換により輝度信号レベルを変更しても、色味を保存して画像を再現できるようにした、画像処理装置および方法、並びに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の輝度値が、本来変化しているべき輪郭の部分などで、変化が緩やかになっている場合、ぼやけた印象の画像となる。このような画像に対しては、輝度値の変化を強調することで鮮明な画像が得られる。テレビジョン受像機やデジタルカメラなどにおいて、画像の見えの改善として、鮮鋭化の手法がとられている。
【0003】
この方法では、一般的に、色差信号の調整は、変更前の輝度信号と色差信号との比が保持されるように行なわれる。すなわち、オリジナル色の輝度(Y)と色差信号(C)の比(Y/C比)が保持されるように(Y/C比が一定となるように)、輝度と色差信号のレベルが補正される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−252584号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Y/C比を一定とする補正(色差信号の補正)では、階調変換により輝度信号レベル(Yのレベル)が下げられた場合、経験的に画像の色が黒ずんで見えることがある。また、色差信号レベル(Cのレベル)が大きく、輝度信号レベル(Yのレベル)が小さく、かつ、階調変換により輝度信号レベル(Yのレベル)が上げられた場合、Y/C比を一定とするために、色差信号(Cのレベル)も上げることになり、色差信号(Cのレベル)が飽和してしまうことがあるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、階調変換により輝度信号レベルを変更しても、色が黒ずんだり、飽和してしまうことを抑制するようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理装置は、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、第1の演算手段により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第2の演算手段により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
前記第1の表色系の第1の要素は、輝度または明度に関する要素であるようにすることができる。
【0009】
前記第3の表色系の第7の要素と第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素であるようにすることができる。
【0010】
前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、第3の表色系は、マンセルの表色系であるようにすることができる。
【0011】
前記第1の表色系は、YCrCbの表色系であるようにすることができる。
【0012】
前記画像信号の表色系の各要素に基づいて、第1の表色系の第1乃至第3の要素を演算する第4の演算手段をさらに備えるようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の画像処理方法は、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第2の演算ステップの処理により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第3の演算ステップの処理により演算された、第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の画像処理装置は、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、第1の演算手段により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、第2の演算手段により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、階調補正手段により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算手段と、第3の演算手段により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
前記第3の表色系の第8の要素は、明度に関する要素であるようにすることができる。
【0017】
前記第3の表色系の第7の要素と第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素であるようにすることができる。
【0018】
前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、第3の表色系は、マンセルの表色系であるようにすることができる。
【0019】
前記第1の表色系は、RGBの表色系であるようにすることができる。
【0020】
本発明の第2の画像処理方法は、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の演算ステップの処理により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、階調補正ステップの処理により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、第3の演算ステップの処理により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第2のプログラムは、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、第1の演算ステップの処理により演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値を演算するとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、第2の演算ステップの処理により演算された第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、階調補正ステップの処理により生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、第3の演算ステップの処理により演算された第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第2の演算手段により演算された、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素を演算する第4の演算ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
第1の本願発明においては、入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの第1の要素の値の階調を補正して、補正値が生成される。入力された画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算され、演算された第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値が演算され、第2の表色系の第4の要素の値、並びに第3の表色系の第7の要素と第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算される。
【0023】
第2の本願発明においては、入力される画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値が演算され、演算された第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の第8の要素の値が演算されるとともに、第7の要素と第9の要素により規定される値が演算され、演算された第8の要素の値の階調が補正される。生成された補正値から、第2の表色系の第5の要素の値が演算され、この第2の表色系の第5の要素の値、並びに、第7の要素および第9の要素により規定される値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素が演算される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したビデオカメラ、例えば、ディジタルスチルビデオカメラ100の主要部の構成例を示す図である。
【0025】
CCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などの撮像素子よりなる撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、さらに、この画像信号からR,G,Bの3原色の信号を生成する。Yマトリックス部112は、このR,G,Bの信号に対してマトリックス演算し、Y信号(輝度成分)を算出する。また、Cマトリックス部113は、R,G,Bの3要素の信号に対してマトリックス演算し、C信号(色差成分)を算出する。なお、この場合のC信号(色差成分)は、CrおよびCbの色差信号で構成されている。
【0026】
Yマトリックス部112により算出されたY信号(輝度成分)は、階調補正部114と色差補正部115に入力される。階調補正部114は、入力されたY信号(輝度成分)に対して階調補正を行ない、その結果を階調補正信号Y’として、図示せぬ後段の処理部に出力する。また、階調補正部114は、階調補正信号Y’を、XYZ表色系の要素Y’として、色差補正部115に出力する。
【0027】
Cマトリックス部113により算出されたC信号(色差成分)は、色差補正部115に入力される。色差補正部115は、Yマトリックス部112から送信されたY信号(輝度成分)、階調補正部114から送信された信号Y’(XYZ表色系の階調補正信号)、およびCマトリックス部113から送信されたC信号(色差成分)に基づいて、色差補正を行ない、その結果を、色差補正結果C’として、図示せぬ後段の処理部に出力する。このとき、マンセル表色系における色相(H)と彩度(C)を保存するように、色差補正が行なわれる。
【0028】
ここで、マンセル表色系について説明する。
【0029】
マンセル表色系は、色の3属性(要素)である色相(H:Hue)、明度(V:Value)、および彩度(C:Chroma)に基づいて、それぞれ番号または記号で分類された色票を使用して、物体の色と色票を人が見比べて色を表現するものであり、日本では、「三属性による色の表示方法」としてJIS(JIS Z 8721)に規定されている。
【0030】
マンセル表色系において、例えば、りんごの色を表現する場合、人が図2に示されるマンセル色相環に表わされる色の中から、りんごの色に最も近い色を探し、その値をりんごの色とする。図2のマンセル色相環は、実用として用いられている10色(5Y(Yellow),5YR(YellowRed),5R(Red),5RP(RedPurple),5P(Purple),5PB(PurpleBlue),5B(Blue),5BG(BlueGreen),5G(Green),5GY(GreenYellow))を2分割にしたもの(すなわち、10Y,10YR,10R,10RP,10P,10PB,10B,10BG,10G,10GYを含めた20色)を示している。例えば、対象となるりんごの色が、10RPと5Rの中間の2.5Rである場合、2.5Rの明度と彩度を示したマンセル色票(図示せず)上で、明度(V)と彩度(C)が最も近い色がりんごの色とされる。
【0031】
りんごの色が、マンセル色票(図示せず)において、例えば、明度(V)=4であり、彩度(C)=12である色に最も近いとすると、このりんごの色は、「2.5R 4/12」(2.5アール4の12)と表現される。マンセル表色系は、立体で表わされているため(色相、彩度、および明度の3つの軸により表現されるため)、このように、色に対する値を割り当てることができる。
【0032】
図3は、マンセル色相値が1YRの場合の明度(V)/彩度(C)を示したマンセル色票を示す図である。
【0033】
図3の例においては、色相を1YRに固定しており、横軸は彩度値(C)、縦軸は明度値(V)とされている。色は、彩度値(C)の値が大きいほど、より鮮やかであり、明度値(V)の値が大きいほど、明るいとされている。また、彩度(C)=Nは、無彩色を表わしている。
【0034】
表色系(色空間)には、様々な種類があり、所定の表色系(色空間)の色は、他の表色系(色空間)の色に変換することができる。例えば、図4乃至図7に示されるようなJIS Z 8721に規定されている変換テーブルを使用して、マンセル表色系の色をXYZ表色系に変換することができる。また、JIS X 9204に規定されているマトリックスを使用して、XYZ表色系の色をRGBの表色系の色に変換することができる。
【0035】
例えば、扱う信号がディジタルスチルビデオカメラに対応する信号の場合におけるRGBの表色系の色からXYZの表色系の色への変換マトリックスが、式(1)に示される。
【数1】
【0036】
逆に、XYZの表色系の色をRGBの表色系の色に変換するマトリックスが、式(2)に示されている。
【数2】
【0037】
RGBの色は、式(3)、式(4)、および式(5)に基づいて、YCrCbの表色系の色(ディジタルスチルビデオカメラにおいて用いられる色空間の色)に変換することができる。
【数3】
【0038】
式(4)と式(5)で表わされるYCrCb表色系における要素としての色差信号Cr,Cbを、式(6)に適用することで、マンセル表色系の彩度Cに対応する値を演算することができる。
【数4】
【0039】
図3のマンセル色票の値をYCrCb表色系のYC座標に変換したものが図8に示されている。図8において、横軸は式(6)に基づいて演算された色差信号の値とされ、縦軸はY(輝度成分)とされる。また、図8に示されている各ブロックに付してある番号は、図3に示されたそれぞれのブロックの番号に対応する。
【0040】
次に、図9のフローチャートを参照して、図1のディジタルスチルビデオカメラ100における階調調整処理(Dレンジ圧縮処理)を説明する。この処理は、階調調整処理をYCrCb表色系の信号Y(輝度成分)で行なった場合の例である。なお、この処理は、ユーザにより撮影を行なう指令がされたとき開始される。
【0041】
ステップS1において、ディジタルスチルビデオカメラ100の撮像素子111は、RGBの信号(オリジナルの色)を取得する。具体的には、撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、この画像信号からRGBの信号を取得(生成)する。
【0042】
ステップS2において、Yマトリックス部112とCマトリックス部113は、取得したRGBの信号を、YCrCb信号に変換する。具体的には、式(3)乃至式(5)に基づいて、RGB信号がYCrCb信号に変換される。なお、Yマトリックス部112はY信号を生成し、Cマトリックス部113は、Cr信号とCb信号、すなわち、C信号を生成する。
【0043】
ステップS3において、階調補正部114は、Yマトリックス部112から輝度信号Yを取得し、輝度信号Yの階調調整を行なう。すなわち、アンシャープマスク等といった各種フィルタリング処理が輝度信号になされ、画像の鮮鋭性が改善される。XYZ表色系のYの値とYCrCbの表色系のYの値は同一であるため、このときのY’の値がXYZ表色系のY信号としての信号Y’となる。
【0044】
ステップS4において、階調補正部114は、ステップS3の処理により階調調整が行なわれた結果の信号Y’(XYZ表色系のY信号)を色差補正部115に出力する。
【0045】
ステップS5において、色差補正部115は、Yマトリックス部112とCマトリックス部113によりステップS2の処理で生成されたオリジナル色(階調が調整される前の色)のYCrCb信号を、式(7)に従って、XYZ表色系に変換するための演算を行なう。
【数5】
【0046】
ステップS6において、色差補正部115は、マンセル表色系の値h1とh2を算出する。マンセル表色系の色相(H)、彩度(C)、明度(V)と、XYZ表色系の関係の詳細が、以下の式(8)乃至式(23)で示される。値h1とh2は、このうちの式(10)と式(11)で定義されている値である。なお、これらの式は、例えば、文献「書名:系統的画像符号化、著者:宮原誠、発行所:(株)アイピーシー、発行年月日:平成2年7月31日、147頁乃至49頁」に示されるものである。
【数6】
【0047】
ここで、Xc,YまたはZcをAとする関数F(A)は、以下の式(13)と式(14)により定義されている。
【数7】
【0048】
また、座標軸S1,S2,および値M1乃至M3は、式(15)乃至式(19)により示される。なお、θは、式(20)を満たす。
【数8】
【0049】
この座標軸S1,S2上で、マンセル表色系のH,C,およびVが、式(21)乃至式(23)により定義される。
【数9】
【0050】
上述した式(10)と式(11)により求められる値h1とh2が決まれば、H(色相)とC(彩度)が一義的に決定される。このことは、式(21)と式(22)より明らかなように、H(色相)とC(彩度)は、S1,S2により規定され、S1,S2は、式(18)と式(19)からθ,M1,M2により規定され、θは、式(20)より明らかなように、M1,M2により規定され、M1,M2は、式(15)と式(16)から明らかなように、h1とh2により規定されることから明らかである。ただし、値h1とh2は、H(色相)またはC(彩度)の値そのものではない。
【0051】
いま、マンセル表色系で表わした場合におけるオリジナルの色(階調変換前の色)をHVC(色相、明度、彩度)とし、階調変換後の色をH’V’C’とする。本発明では、色相Hと彩度Cを保存するように色差信号の変換が行なわれる。すなわち、H’=H、かつ、C’=Cとなるように色差信号の変換が行なわれる。
【0052】
色相Hと彩度Cを保存する階調変換を実現するには、階調変換後の色を、明度Vのみが変更され、色相Hと彩度Cが変更されていない色とすればよい。しかしながら、マンセル表色系は、ビデオカメラ、テレビジョン受像機といった画像処理装置で多く利用されているRGB,YUV,YPbPr,YCrCbといった表色系(XYZ表色系を除く表色系)との間で、実用上充分に正確に相互に色を変換するための変換式が、まだ発見されていないため、上述した式(8)乃至式(23)に示されるXYZ表色系との間の変換式を使用する。
【0053】
このため、本発明においては、階調変換後のHV’C(オリジナルのマンセル表色系のHVCのうちの、Vのみ、V’となったマンセル表色系の色)をXYZ表色系の値(以下、X’Y’Z’と記述する)に変換することにより、色相と彩度を保存した、明度のみ異なる色が得られるようにする。
【0054】
そこで、ステップS7において、色差補正部115は、階調補正部114によりステップS3の処理で階調調整が行なわれたYCrCb表色系のYの値、すなわち、XYZ表色系における階調調整後のY信号としての値Y’、並びにステップS6の処理により自分自身が算出した値h1およびh2に基づいて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出する(Y’は、ステップS3,ステップS4の処理で既に得られている)。
【0055】
具体的には、以下の式(24)乃至式(29)を用いて、X’Y’Z’が導出される。すなわち、式(13)から式(24)が導出される。
【数10】
【0056】
次に、式(10)からF(Xc’)が求められ、式(25)のXXが定義される。
【数11】
【0057】
式(25)のh1は、ステップS6の処理で得られた値である。また、F(Y’)の値は、式(13)において、AにY’(Y’の値はステップS3の処理で既に得られている)を代入して得られる。従って、式(25)からXXの値は求めることができる。
【0058】
式(24)のAにXc’を代入し、さらに式(25)を適用して、式(26)が得られ、そこに、式(25)のXXを代入することで、Xc’が演算される。
【数12】
【0059】
次に、式(8)に基づいて、式(27)が得られ、これに式(26)で求められたXc’を代入することで、X’が求められる。
【数13】
【0060】
Z’もX’と同様の計算に基づいて算出される。すなわち、最初に式(13)により式(24)が導出され、次に、式(11)によりF(Zc’)が求められ、式(28)のYYが定義される。
【数14】
【0061】
ここで、式(28)のh2は、ステップS6の処理で得られた値である。また、F(Y’)の値は、式(13)において、AにY’(Y’の値はステップS3の処理で既に得られている)を代入して得られる。従って、YYの値は式(28)により、求めることができる。
【0062】
式(24)のAにZc’を代入し、さらに式(28)を適用して式(29)が得られ、Zc’が演算される。
【数15】
【0063】
次に、式(9)により、式(30)が導出され、ここに式(29)で得られたZc’を代入することで、Z’が求められる。
【数16】
【0064】
以上の処理により、マンセル表色系の色相Hと彩度Cを変更せず、明度Vのみを変更した階調調整後の色を、XYZ表色系で表した色X’Y’Z’が得られたことになる。
【0065】
ステップS7の処理の後、ステップS8において、色差補正部115は、階調変換後のX’Y’Z’(X’,Z’は色差補正部115がステップS7で演算した値であり、Y’は、階調補正部114がステップS3で生成した値である)から、オリジナル色の色空間の色を演算する。具体的には、色差補正部115は、式(2)のXYZに、X’Y’Z’を代入し、求めたRGBを、式(3)に代入して信号Yを生成し、信号Yと信号Rを式(4)に代入してCrを生成し、信号Yと信号Bを式(5)に代入してCbを生成する。
【0066】
ステップS9において、階調補正部114と色差補正部115は、それぞれ演算した結果を、階調調整結果として後段の処理部に出力し(オリジナルの色の色空間として出力し)、処理を終了する。いまの例の場合、YCrCb信号が出力される。このとき、出力されるYCrCb信号には、色相(H)と彩度(C)が保存されている。
【0067】
以上においては、ステップS6で値h1とh2を算出するようにしたが、色相Hと彩度Cの値そのものを算出することも可能である。しかしながら、値h1とh2を算出するようにした方が、色相Hと彩度Cの値そのものを算出する場合に較べて、演算が簡単となる。
【0068】
図9に示されるような、階調調整処理をYCrCb表色系の信号Y(輝度成分)で行なった結果が図10と図11に示されている。図10は、図8に示されている各ブロック(番号が付してあるブロック)のうち、任意の1つのブロックについて、階調調整により輝度が下げられた場合が示されている。
【0069】
図10において、横軸はC(上述した式(6)に基づいて演算された色差信号の値である彩度値)とされ、縦軸は、Y(YCrCb表色系の輝度成分)またはマンセルV(マンセル表色系における明度)とされる。図中、Cycrcbは、Y/C比が一定となるように階調調整処理が行なわれた(以下、この補正方法を「YC比一定」の方法と称する)場合の補正値を表わし、Chvcは、オリジナル色の色相(H)と彩度(C)を保存し、明度のみを変更するように階調調整する処理が行なわれた(以下、この補正方法をマンセルの色相と彩度を一定とするため、「マンセルHC一定」の方法と称する)場合の補正値を表わす。
【0070】
図10に示されるように、YC比一定とした場合、色を表わすブロックは直線22に沿って移動する。例えば、ブロック11の色をYC比が一定となるように輝度を低下させると、ブロック11は、直線22に沿ってブロック13の位置に移動する。
【0071】
これに対して、マンセルHC一定とした場合、色を表わすブロックは、図中、右側に突出した形状の(正の微分特性の)曲線21に沿って移動する。例えば、ブロック11の色を、マンセルHCが一定となるように、ブロック13と同じ値だけ輝度を低下させると、ブロック11は、曲線21に沿って、ブロック12の位置に移動する。図10に示されるように、階調調整により輝度値(YまたはマンセルVの値)が下げられた場合、同じ輝度における彩度の値(ブロック13の彩度Cycrcbとブロック12の彩度Chvc)は、Cycrcb<Chvcとなる。すなわち、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合、YC比を一定とした補正値の彩度Cycrcbより、マンセルHCを一定とした補正値の彩度Chvcの方が大きくなるため、彩度値(C)が必要以上に低下するのを、従って、色が黒ずんで見えるようになるのを防ぐことができる。
【0072】
また、図10に対応して、図8に示される各ブロック(番号が付してあるブロック)のうち、任意の1つのブロックについて、階調調整により輝度が上げられた場合の例を図11に示す。
【0073】
図11においても、横軸はC(上述した式(6)に基づいて演算された色差信号の値である彩度値)とされ、縦軸はY(YCrCb表色系の輝度成分)またはマンセルV(マンセル表色系における明度)とされる。図中、Cycrcbは、YC比一定として処理が行なわれた場合の補正値を表わし、Chvcは、マンセルHC一定として処理が行なわれた場合の補正値を表わす。
【0074】
図11に示されるように、YC比一定とした場合、色を表わすブロックは、直線42に沿って移動する。例えば、ブロック31の色をYC比一定となるように輝度を上げた場合、ブロック31は、直線42に沿って、ブロック33の位置に移動する。これに対して、マンセルHC一定とした場合、色を表わすブロックは、図中、右側に突出した形状の(正の微分特性の)曲線41に沿って、移動する。例えば、ブロック31の色を、マンセルHCが一定となるように、ブロック33と同じ値だけ輝度を上昇させると、ブロック31は、曲線41に沿って、ブロック32の位置に移動する。
【0075】
図11に示されるように、階調調整により輝度値(YまたはマンセルVの値)が上げられた場合、同じ輝度における彩度の値(ブロック33の彩度Cycrcbとブロック32の彩度Chvc)は、Cycrcb>Chvcとなる。すなわち、階調調整により輝度信号レベルが上げられた場合、YC比を一定とした補正値の彩度Cycrcbより、マンセルHCを一定とした補正値の彩度Chvcの方が小さくなるため、彩度Cの飽和を防ぐことができる。
【0076】
次に、図12と図13を参照して、色空間(表色系)の比較を行なう。図12は、輝度(明度)一定とした場合の、マンセルの表色系の色立体断面を示す図であり、図13は、輝度(明度)一定とした場合の、YCrCbの表色系の色立体断面を示す図である。
【0077】
図12と図13において、色相(H)は角度として示され、彩度(C)は半径長として示されている。図12において、横軸はS1(式(18)で演算された値)とされ、縦軸はS2(式(19)で演算された値)とされる。図13において、横軸はCb(YCrCb表色系のCb)とされ、縦軸はCr(YCrCb表色系のCr)とされる。S1はCbと対応する値であり、S2はCrと対応する値である。
【0078】
図12と図13において、「×」は、C=2の場合、「△」は、C=4の場合、「□」は、C=6の場合、「○」は、C=8の場合を、それぞれ表わしている。Cの値は、図12の場合、式(22)で演算された値であり、図13の場合、式(6)で演算された値である。
【0079】
図12において、色相の値(中心からの角度)がどのような値であったとしても、C=2,C=4,C=6,およびC=8の位置の中心からの距離はほぼ同一となる。すなわち各点は、ほぼ同心円上に位置する(S1とS2の軸においてほぼ同心円上にある)。これに対して、図13において、C=2,C=4,C=6,およびC=8の位置の中心からの距離は、色相の値(中心からの角度)によって異なり、各点は、同心円上には位置しない。すなわち、歪みが生じている。このことから、YCrCbの表色系の色における色差信号の補正(YC比一定による補正)では、図13に示されるように、歪みが生じるため、補正後の色の見え方が変わってしまうが、図12に示されるような、マンセル表色系における色差信号の補正(マンセルHC一定による補正)は、歪みが少ないため、忠実に色の再現をすることができることが判る。
【0080】
なお、以上の例では、階調処理がY信号(輝度成分)で行なわれた場合を例にして説明しているが、これに限らず、階調処理をV信号(HVCの表色系のV)で行なうようにすることもできる。
【0081】
階調処理がHVC表色系の信号V(明度成分)で行なった場合の階調調整処理を、図14のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、ユーザにより撮影を行なう指令がされたとき開始される。また、図14の処理を実行するディタルスチルビデオカメラ100の構成は、図15に示されるようになる。その基本的な構成は、図1とほぼ同様であるが、Yマトリックス部112とCマトリックス部113は不要となる。
【0082】
ステップS51において、ディジタルスチルビデオカメラ100の撮像素子111は、被写体からの光画像を画像信号として取得し、この画像信号からRGBの信号(オリジナルの色)を取得する。
【0083】
ステップS52において、色差補正部115は、ステップS51の処理により取得されたオリジナル色のRGB信号を取得し、式(1)に基づいて、オリジナル色のRGB信号をXYZ表色系に変換するための演算を行なう。
【0084】
ステップS53において、色差補正部115は、ステップS52の処理により算出したY(XYZ表色系のうちのY)に基づいて、以下の式(32)のaにYを代入し、その式(32)を式(31)に適用してVを算出する。色彩補正部115は、算出したV(HVC表色系のV)を、階調補正部114に出力する。
【数17】
【0085】
また、色差補正部115は、上述した式(10)と式(11)により表わされる値h1とh2を算出する。
【0086】
ステップS54において、階調補正部114は、ステップS53の処理により色差補正部115により算出され、入力されたV(HVC表色系のV)を取得し、明度信号Vの階調調整を行なう。
【0087】
ステップS55において、階調補正部114は、階調調整が行なわれた結果の明度信号V’(ステップS54の処理により階調調整が行なわれた結果)を、XYZ表色系のY信号としての信号Y’に変換する。具体的には、式(33)と式(34)を用いてY’が導出される。
【数18】
【0088】
ステップS56において、階調補正部114は、ステップS55の処理により算出した信号Y’を色差補正部115に出力する。
【0089】
図9の処理において上述したように、オリジナルの色(階調変換前の色)をHVC(色相、明度、彩度)とし、階調変換後の色をH’V’C’とすると、階調変換後でも色相Hと彩度Cを保存するようにする。すなわち、H’=H、かつ、C’=Cとされる。
【0090】
そこで、ステップS57において、色差補正部115は、ステップS53の処理により算出された値h1およびh2、並びに、ステップS55の処理により生成された、XYZ表色系における階調調整後のY信号としてのY’を取得し、上述した式(24)乃至式(29)を用いて、XYZ表色系におけるX’とZ’を算出するが、その説明は上述したものと同様であるため省略する。
【0091】
ステップS58において、色差補正部115は、階調変換後のX’Y’Z’(X’,Z’はステップS57で色差補正部115により演算され、Y’は、ステップS56で階調補正部114により演算されている)から、オリジナル色の表色系の色を演算する。いまの例の場合、オリジナル色は、RGB表色系とされているため、X’Y’Z’表色系の色は、RGB表色系の色へ変換される。具体的には、式(2)のXYZに、X’Y’Z’を代入することでRGBが演算される。
【0092】
ステップS59において、色差補正部115は、それぞれ演算した結果を、階調調整結果として出力し(RGBの表色系の色として出力し)、処理を終了する。いまの例の場合、RGB信号が出力される。このとき、出力されるRGB信号には、色相(H)と彩度(C)が保存されている。勿論、RGB信号ではなく、X’Y’Z’表色系の色をそのまま出力するようにしてもよい。
【0093】
このように、HVC表色系の信号V(明度成分)で階調調整処理を行なった場合においても、本発明を適用することができる。すなわち、HVC表色系の信号V(明度成分)で階調調整が行なわれた場合においても、色相(H)と彩度(C)を保存することができる。
【0094】
以上のように、階調調整が行なわれた場合において、色差信号の調整処理をマンセル表色系におけるHC(色相と彩度)を一定とすることにより、色味を保存することが可能となる。
【0095】
また、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。
【0096】
さらに、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【0097】
また、階調調整が行なわれた場合において、色差信号の調整処理をマンセル表色系におけるHC(色相と彩度)を一定とすることにより、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して、色を再現することが可能となる。
【0098】
なお、本発明はディジタルスチルビデオカメラに限らず、例えば、テレビジョン受像機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、コピー機等、画像信号を扱う画像処理装置に適用することもできる。この場合、オリジナル色の表色系も、各画像処理装置において使用されているものに適宜、置き換えられる。
【0099】
また、画像編集ツール(例えば、フォトショップ(商標))などにおいても、マンセルHC一定としたアルゴリズムを用いることができるため、本発明を適用することができる。
【0100】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、上述した処理は、図16に示されるようなパーソナルコンピュータ300により実行される。
【0101】
図16において、CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302に記憶されているプログラム、または、記憶部308からRAM(Random Access Memory)303にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM303にはまた、CPU301が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0102】
CPU301、ROM302、およびRAM303は、内部バス304を介して相互に接続されている。この内部バス304にはまた、入出力インターフェース305も接続されている。
【0103】
入出力インターフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部307、ハードディスクなどより構成される記憶部308、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部309が接続されている。通信部309は、電話回線やCATVを含む各種のネットワークを介しての通信処理を行なう。
【0104】
入出力インターフェース305にはまた、必要に応じてドライブ310が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどによりなるリムーバブルメディア321が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部308にインストールされる。
【0105】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0106】
この記録媒体は、図16に示されるように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されているリムーバブルメディアよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM302や記憶部308が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0107】
なお、本明細書において、コンピュータプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0108】
【発明の効果】
以上の如く、第1の本願発明によれば、階調調整を行なった場合に、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して色を再現することができる。特に、本願発明によれば、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、従来のYC比一定の処理と比較すると、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。また、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【0109】
第2の本願発明によれば、階調調整を行なった場合に、人の感覚にマッチしたマンセル表色系でいうところの色相と彩度を保存して色を再現することができる。特に、本願発明によれば、階調調整により輝度信号レベルが下げられた場合においても、従来のYC比一定の処理と比較すると、彩度が必要以上に低い値となって、色が黒ずんで見えるのを抑制することができる。また、色差信号レベルが大きく、かつ、輝度信号レベルが小さい場合であって、階調調整により輝度信号レベルが上げられたときにおいても、色差信号の飽和を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディジタルスチルビデオカメラの主要部の構成例を示すブロック図である。
【図2】マンセル色相環を説明する図である。
【図3】マンセル色相環が1YRにおけるマンセル色票を示す図である。
【図4】変換テーブルの構成を示す図である。
【図5】変換テーブルの構成を示す図である。
【図6】変換テーブルの構成を示す図である。
【図7】変換テーブルの構成を示す図である。
【図8】図3のマンセル色票をYCrCb値に変換した状態を示す図である。
【図9】図1のディジタルスチルビデオカメラの階調調整処理を説明するフローチャートである。
【図10】階調変換により輝度を下げた場合における補正値を説明する図である。
【図11】階調変換により輝度を上げた場合における補正値を説明する図である。
【図12】輝度を一定とした場合のマンセル表色系の色立体断面を示す図である。
【図13】輝度を一定とした場合のYCrCbの表色系の色立体断面を示す図である。
【図14】図1のディジタルスチルビデオカメラの他の階調調整処理を説明するフローチャートである。
【図15】本発明を適用したディジタルスチルビデオカメラの主要部の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 ディジタルスチルビデオカメラ, 111 撮像素子, 112 Yマトリックス部, 113 Cマトリックス部, 114 階調補正部, 115 色差補正部
Claims (15)
- 画像信号の階調を調整する画像処理装置において、
入力された前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの前記第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、
入力された前記画像信号により規定される、前記第1の表色系の前記第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により演算された前記第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、
前記第2の表色系の前記第4の要素の値、並びに前記第2の演算手段により演算された、前記第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の表色系の前記第1の要素は、輝度または明度に関する要素である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、
前記第3の表色系は、マンセルの表色系である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記第1の表色系は、YCrCbの表色系である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記画像信号の表色系の各要素に基づいて、前記第1の表色系の第1乃至第3の要素を演算する第4の演算手段を
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 画像信号の階調を調整する画像処理装置の画像処理方法において、
入力された前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの前記第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、
入力された前記画像信号により規定される、前記第1の表色系の前記第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、
前記第1の演算ステップの処理により演算された前記第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、
前記第2の表色系の前記第4の要素の値、並びに前記第2の演算ステップの処理により演算された、前記第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 画像信号の階調を調整するプログラムであって、
入力された前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素のうちの前記第1の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、
入力された前記画像信号により規定される、前記第1の表色系の前記第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、
前記第1の演算ステップの処理により演算された前記第4乃至第6の要素の値に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、
前記第2の表色系の前記第4の要素の値、並びに前記第3の演算ステップの処理により演算された、前記第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至第6の要素の値を演算する第3の演算ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 画像信号の階調を調整する画像処理装置において、
入力される前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により演算された前記第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第8の要素の値を演算するとともに、前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算手段と、
前記第2の演算手段により演算された前記第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正手段と、
前記階調補正手段により生成された前記補正値から、前記第2の表色系の前記第5の要素の値を演算する第3の演算手段と、
前記第3の演算手段により演算された前記第2の表色系の前記第5の要素の値、並びに、前記第2の演算手段により演算された、前記第7の要素および前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至前記第6の要素を演算する第4の演算手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記第3の表色系の前記第8の要素は、明度に関する要素である
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記第3の表色系の前記第7の要素と前記第9の要素は、それぞれ色相と彩度に関する要素である
ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。 - 前記第2の表色系は、XYZの表色系であり、
前記第3の表色系は、マンセルの表色系である
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 - 前記第1の表色系は、RGBの表色系である
ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。 - 画像信号の階調を調整する画像処理装置の画像処理方法において、
入力される前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、
前記第1の演算ステップの処理により演算された前記第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第8の要素の値を演算するとともに、前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、
前記第2の演算ステップの処理により演算された前記第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、
前記階調補正ステップの処理により生成された前記補正値から、前記第2の表色系の前記第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、
前記第3の演算ステップの処理により演算された前記第2の表色系の前記第5の要素の値、並びに、前記第2の演算手段により演算された、前記第7の要素および前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至前記第6の要素を演算する第4の演算ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 画像信号の階調を調整するプログラムであって、
入力される前記画像信号により規定される、第1の表色系の第1乃至第3の要素の値に基づいて、第2の表色系の第4乃至第6の要素の値を演算する第1の演算ステップと、
前記第1の演算ステップの処理により演算された前記第4乃至第6の要素に基づいて、第7乃至第9の要素で表現される第3の表色系の前記第8の要素の値を演算するとともに、前記第7の要素と前記第9の要素により規定される値を演算する第2の演算ステップと、
前記第2の演算ステップの処理により演算された前記第8の要素の値の階調を補正して、補正値を生成する階調補正ステップと、
前記階調補正ステップの処理により生成された前記補正値から、前記第2の表色系の前記第5の要素の値を演算する第3の演算ステップと、
前記第3の演算ステップの処理により演算された前記第2の表色系の前記第5の要素の値、並びに、前記第2の演算手段により演算された、前記第7の要素および前記第9の要素により規定される値に基づいて、前記第2の表色系の前記第4乃至前記第6の要素を演算する第4の演算ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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