JP2004249873A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビードフィラー7とサイド補強層8とを具えた空気入りタイヤにおいて、上記ビードフィラー7及びサイド補強層8の少なくとも一方に、25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下であり、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下であるか150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下であり、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤ、特にランフラット耐久性と乗り心地とを改良した空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部の剛性を向上させるために、サイドウォール部のカーカスの最内側面にゴム組成物単体、あるいはゴム組成物と繊維等との複合体からなるサイド補強層が配設されている。しかしながら、タイヤのパンク等によりタイヤの内部圧力(以下、内圧という。)が低下した状態での走行、所謂ランフラット走行においては、タイヤのサイドウォール部の変形が大きくなるにつれサイド補強層の変形も大きくなり、その結果、該サイド補強層の発熱が進み、場合によっては200℃以上の高温に達することもある。このような状態では、サイド補強層がその破壊限界を超えてしまい、タイヤが故障に至る危険性がある。
【0003】
このような故障に至るまでの時間を遅くする手段として、上記サイド補強層の最大厚さを増大するなどして、サイド補強層の体積を増大させる手段があるが、このような方法を採ると、乗り心地の悪化、重量の増加及び騒音の増加等の問題が生じる。また、ビード部のタイヤ半径方向外側にビードフィラーを配設し、該ビードフィラーの最大厚さを増大するなどの手段もあるが、この場合も、乗り心地の悪化、重量の増加及び騒音の増加等の問題が生じる。
【0004】
これに対し、乗り心地の悪化を回避するために、サイド補強層及びビードフィラーの体積を減少させると、サイドウォール部がランフラット走行時にタイヤにかかる荷重を支えきれず、サイドウォール部の変形が非常に大きくなり、サイドウォール部の発熱が過度に進み、結果として、タイヤが早期に故障に至ってしまう。
【0005】
また、乗り心地の悪化を回避するために、サイド補強層及びビードフィラーに用いるゴム組成物の配合を変え、該ゴム組成物の弾性率を低下させた場合も、サイドウォール部がランフラット走行時にタイヤにかかる荷重を支えきれず、サイドウォール部の変形が非常に大きくなり、サイドウォール部の発熱が過度に進み、結果として、タイヤが早期に故障に至ってしまう。
【0006】
一方、タイヤの燃費を改善するために、トレッドゴムの損失正接(tanδ)を下げる方法もあるが、この場合、トレッドのウェット性能が低下してしまうという問題がある。
【0007】
下記の特許文献1には、サイド補強層及びビードフィラーに特定のゴム組成物を用いたタイヤが記載されているが、該タイヤには、ランフラット走行時のタイヤ耐久性と乗り心地とに改善の余地があった。また、サイド補強層を追加した構造を有するタイヤにおいては、転がり抵抗の増大により、燃費性が低下する欠点があった。更に、雨天時の走行性能(ウェット性能)の低下がしばしば発生するという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−79803号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ランフラット走行時のタイヤ耐久性(以下、ランフラット耐久性という)と乗り心地とを改善した空気入りタイヤを提供することにある。また、本発明の他の目的は、ランフラット耐久性及び乗り心地を改善した上、ウェット性能を低下させることなく、燃費性を改善した空気入りタイヤを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ビードフィラーとサイドウォール部のカーカスの最内側面に配置したサイド補強層とを備えたタイヤにおいて、特定の物性を有するゴム組成物を該サイド補強層及びビードフィラーの少なくとも一方に適用することにより、タイヤのランフラット耐久性と乗り心地とを改善でき、また、上記特定の物性を有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーの少なくとも一方に適用することに加え、他の特定の物性のゴム組成物をサイドウォール部に適用することにより、ランフラット耐久性及び乗り心地の改善に加え、ウェット性能を低下させることなく、燃費性を改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記サイド補強層及び上記ビードフイラーの少なくとも一方に用いたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の空気入りタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記サイド補強層及び上記ビードフイラーの少なくとも一方に用いたことを特徴とする。
【0013】
本発明の空気入りタイヤの好適例においては、上記ビードフィラー及びサイド補強層の少なくとも一方に用いるゴム組成物は、ゴム成分としてビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含んでなる。ここで、該共役ジエン系重合体は、ポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方であるのが好ましい。また、該ゴム組成物は、更にゴム成分100質量部に対し50質量部以下のカーボンブラックを配合してなるのが更に好ましい。更に、該カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下であるのが特に好ましい。
【0014】
本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、25℃における1%歪時の損失正接(tanδ)が0.15以下で且つ動的弾性率(E’)が4MPa以下であるゴム組成物を上記サイドウォール部に用いる。ここで、該ゴム組成物は、天然ゴム30〜50質量%とポリブタジエンゴム70〜50質量%とからなるゴム成分100質量部に対し30〜45質量部のカーボンブラックを配合してなり、且つアセトン抽出分が上記ゴム成分100質量部に対し15質量部以下であるのが更に好ましい。また、該カーボンブラックは、その窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下であるのが特に好ましい。
【0015】
また、本発明の空気入りタイヤの他の好適例においては、前記サイド補強層の最大厚さが6〜13mmである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具え、上記サイド補強層及びビードフィラーの少なくとも一方に、25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下であり、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下であるか150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下であり、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を用いたことを特徴とする。
【0017】
加硫後の物性として25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPaを超えるゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いたタイヤは、サイドウォール部の剛性が高くなり過ぎ、乗り心地が悪い。
【0018】
また、加硫後の物性として25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08を超え、且つ150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05を超えるゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いたタイヤは、ランフラット走行時にサイドウォール部が過度に発熱し、該サイドウォール部を構成するゴム組成物中のゴム成分の主鎖が切断されることによりサイドウォール部の弾性率が低下し、大きく撓んで故障に至ってしまう。
【0019】
更に、加硫後の物性として25℃における引張強さ(TB)が10MPa未満のゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いたタイヤは、ランフラット走行時に路面から受ける不測の力により、破壊に至る可能性がある。
【0020】
上記サイド補強層の最大厚さは、6〜13mmであるのが好ましい。サイド補強層の最大厚さが6mm未満では、ランフラット耐久性が低下し、13mmを超えると乗り心地が悪化し、更にタイヤ重量の増加により燃費性が悪化する。
【0021】
タイヤのウェット性能を低下させることなく、燃費性を改善する観点から、加硫後の物性として25℃における1%歪時の損失正接(tanδ)が0.15以下で且つ動的弾性率(E’)が4MPa以下であるゴム組成物を上記サイドウォール部に用いるのが好ましい。25℃における1%歪時の損失正接(tanδ)が0.15を超えるか、動的弾性率(E’)が4MPaを超えるゴム組成物をサイドウォール部に用いた場合、タイヤの転がり抵抗が増大して、燃費が悪化する。この場合、トレッドには通常のトレッドゴムを用いるため、タイヤのウェット性能を低下させることがない。
【0022】
上記サイド補強層及びビードフィラーに用いるゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム(NR)及びジエン系合成ゴムが挙げられ、該ジエン系合成ゴムとしては、ビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体が好ましい。また、該共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴム(BR)及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が特に好ましい。
【0023】
サイド補強層及びビードフィラー用ゴム組成物は、ゴム成分としてビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含んでなるのが好ましい。ビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含まない場合、150℃以上の高温下での硫黄架橋切断に伴なう弾性率低下が支配的となるため、温度上昇による弾性率の低下を抑制できず、ランフラット耐久性が低下する。この観点から、ビニル結合量は30%以上が好ましく、35%以上が更に好ましく、40〜60%であることが特に好ましい。また、前記共役ジエン系重合体は、重量平均分子量(Mw)が20万〜90万であるのが好ましい。重量平均分子量(Mw)が20万未満では、ゴム組成物の引張り特性及び転がり抵抗性が劣り、90万を超えると加工性が劣る傾向がある。この観点から、重量平均分子量(Mw)は30万〜80万が更に好ましく、30万〜70万が特に好ましい。更に、前記共役ジエン系重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が1〜4であるのが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が4を超えると、発熱性の低下及び150℃以上の温度領域での弾性率維持が困難となる傾向がある。
【0024】
上記サイド補強層及びビードフィラーに用いられるゴム組成物は、ゴム成分の50質量%以上が前述した共役ジエン系重合体であるのが好ましい。ゴム成分における前記共役ジエン系重合体の含有量が50質量%未満では、温度上昇による弾性率の低下を抑制できず、ランフラット耐久性が低下することがある。この観点から、前記共役ジエン系重合体の含有量は、60質量%以上であるのが更に好ましく、80質量%以上であるのが特に好ましい。
【0025】
上記共役ジエン系重合体に用いる単量体としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン単量体、並びにスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,2,6−トリルスチレン等の芳香族ビニル単量体が挙げられる。上記共役ジエン単量体の中は、1,3−ブタジエンが好ましく、上記芳香族ビニル単量体の中では、スチレンが好ましい。
【0026】
上記共役ジエン系重合体は種々の方法で製造することができ、重合方式としては、バッチ重合方式及び連続重合方式の何れでもよい。好ましい製造方法としては、次のようなものが挙げられる。即ち、共役ジエンを含む単量体を不活性溶媒、好ましくは炭化水素溶媒中で、有機金属化合物等の開始剤、好ましくは有機リチウム化合物開始剤の存在下で重合して得られる。上記炭化水素溶媒としては特に制限はないが、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらの中でも、シクロヘキサン及びn−ヘキサンが好ましい。これらの炭化水素溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。開始剤として用いられる有機リチウムとしては、少なくとも1個のリチウム原子が結合しており且つ炭素数2〜20の炭化水素リチウム化合物が好ましく、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、t−オクチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられ、これらの中でも、n−ブチルリチウムが特に好ましい。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。共役ジエン系重合体のビニル結合量は、ジテトラヒドロフリルプロパン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジブチルエーテル、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン等のエーテル及び第3級アミン化合物を重合系に適当量添加することにより、適宜変えることができる。
【0027】
上記共役ジエン系重合体としては、分子中にスズ原子及び/又は窒素原子を含む変性共役ジエン系重合体を用いることができる。分子鎖中にスズ原子や窒素原子などを導入した変性共役ジエン系重合体は、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、カーボンブラック配合ゴム組成物における低発熱性を改良することもできる。該変性共役ジエン系重合体としては、多官能変性剤を用いることにより得られる分岐構造を有するものが特に好ましい。上記変性共役ジエン系重合体は、公知の方法により製造され、通常、有機リチウム開始剤によって重合を開始させ、リチウム活性末端を有する重合体の溶液に各種変性剤を添加することによって得られる(特公平6−89183号公報、特開平11−29659号公報等参照)。例えば、スズ原子は、四塩化スズ,トリブチルスズクロリド,ジオクチルスズジクロリド,ジブチルスズジクロリド,塩化トリフェニルスズ等のスズ化合物を用いて導入し、窒素原子は、ジイソシアナートジフェニルメタン等のイソシアネート系化合物,4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン化合物,4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン,ジメチルイミダゾリジノン,N−メチルピロリドン等の窒素含有化合物を用いて導入することができる。また、例えば、ジエチルアミンのような2級アミン化合物又はヘキサメチレンイミンのようなイミン化合物と有機リチウム化合物とから得られるリチウムアミド開始剤を用いて重合させることにより、変性共役ジエン系重合体を得ることもできる。上記変性共役ジエン系重合体は、ゴム成分中40質量%以上含まれていることが好ましい。
【0028】
一方、上記サイドウォール部に用いるゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)等の合成ジエン系ゴムが挙げられる。これらゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上のブレンドとして用いてもよい。ここで、サイドウォール部用ゴム組成物のゴム成分は、天然ゴムが30〜50質量%で且つポリブタジエンゴムが70〜50質量%であるのが好ましい。サイドウォール部用ゴム組成物のゴム成分において、天然ゴムの含有率が30質量%未満では、サイドウォール部の耐破壊性が低下し、一方、ポリブタジエンゴムの含有率が50質量%未満では、サイドウォール部の耐亀裂性が悪化する。
【0029】
上記サイド補強層に用いるゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し、50質量部以下のカーボンブラックを含んでなるのが好ましい。サイド補強層用ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量が50質量部を超えると、動的弾性率及び損失正接(tanδ)が前述した範囲に入り難くなる。
【0030】
一方、上記サイドウォール部に用いるゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し30〜45質量部のカーボンブラックを含んでなるのが好ましい。サイドウォール部用ゴム組成物におけるカーボンブラックの配合量が30質量部未満では、サイドウォール部の耐破壊性が低下することに加え、ゴム組成物の未加硫時の弾性率が著しく低下し、生産性が悪化する。一方、カーボンブラックの配合量が45質量部を超えると、損失正接(tanδ)が悪化する。
【0031】
上記サイド補強層用ゴム組成物及びサイドウォール部用ゴム組成物に用いるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下、具体的には、窒素吸着比表面積が41m2/g以下であるのが好ましい。上記ゴム組成物に窒素吸着比表面積がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積よりも大きいカーボンブラックを用いると、該ゴム組成物の損失正接(tanδ)が悪化する。
【0032】
上記サイドウォール部用ゴム組成物は、アセトン抽出分が上記ゴム成分100質量部に対し15質量部以下であるのが好ましい。アセトン抽出分が上記ゴム成分100質量部に対し15質量部を超えると、ゴム組成物の損失正接(tanδ)が悪化することに加え、タイヤを長期間使用した際の物性の変化が増大してしまう。
【0033】
上記サイド補強層及びビードフィラーに用いるゴム組成物は、樹脂及び硬化剤を含んでなるのが好ましい。ここで、樹脂及び硬化剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対し合計で3質量部以上が好ましい。樹脂及び硬化剤の総配合量が3質量部未満では、所望の引張特性が得られず、10質量部を超えると、ゴム組成物の損失正接(tanδ)が大きくなり過ぎ、ランフラット耐久性が低下することがある。なお、樹脂と硬化剤の質量比は10/90〜90/10の範囲が好ましく、90/10〜50/50の範囲が更に好ましい。
【0034】
上記樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の樹脂が挙げられる。これらの中ででもフェノール系樹脂が特に好ましい。なお、フェノール系樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を縮合させて得られるオリゴマー及びポリマーであり、フェノール類としては、フェノール、各クレゾール、キシレノール及びt−ブチルフェノール等の低級アルキルフェノール、ノニルフェノール、カシュー油、リグニン等の高級フェノール、レゾルシン、カテコール等の二価のフェノールなどが使用される。一方、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドが主に使用される。主なフェノール樹脂としては、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂等が挙げられ、この中でも、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。フェノール樹脂は、100%フェノール樹脂の他、天然樹脂変性フェノール樹脂、油変性フェノール樹脂等を用いることができる。
【0035】
また、フェノール系樹脂としては、硬化剤を使用して硬化させる2ステップレジンであるノボラック型樹脂を使用することが好ましい。ここで、硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。これらの組み合わせは自由に選ぶことが出来、樹脂及びその硬化剤はそれぞれ複数選択してもよい。また、硬化剤が内添された樹脂を用いてもよい。
【0036】
上記ゴム組成物には、前述のゴム成分の他に、通常ゴム業界で用いられる硫黄、過酸化物等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、補強用充填材、無機充填材等の各種配合剤を、適宜配合することができる。また、該ゴム組成物は、更に、各種材質の粒子、繊維、布等との複合体としてもよい。上記ゴム組成物の各物性は、使用するゴム成分及び配合剤の種類、並びにその配合比を適宜選択することにより、前述の範囲内に調整することができる。
【0037】
本発明の空気入りタイヤは、ビードフィラー及びサイド補強層の少なくとも一方に前述の物性を有するゴム組成物を適用し、或いは、ビードフィラー及びサイド補強層の少なくとも一方に前述の物性を有するゴム組成物を適用し且つサイドウォール部に前述した別の物性を有するゴム組成物を用い、常法により製造することができる。なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
【0038】
次に、本発明のタイヤの実施態様を図面に基づき説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様を示す断面図である。図1に示すタイヤは、左右一対の一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、前記一対のビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部1,2,3を補強するラジアルカーカス4と、該カーカス4のタイヤ半径方向外側に配置された少なくとも2枚のベルト層からなるベルト5と、前記ビード部1内に夫々埋設したリング状のビードコア6のタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラー7と、前記サイドウォール部2の前記カーカス4の最内側面に配置した一対のサイド補強層8とを具える。
【0039】
図示例のタイヤにおいて、ラジアルカーカス4は、折り返しカーカスプライ4a及びダウンカーカスプライ4bとからなり、折り返しカーカスプライ4aの両端部は、ビードコア6の周りに折り返され、折り返し端部を形成している。なお、ラジアルカーカス4の構造及びプライ数は、これに限られるものではない。ビードフィラー7は、折り返しカーカスプライ4aとその折り返し端部との間に位置しており、また、ダウンカーカスプライ4bは、サイドウォール部2と折り返しカーカスプライ4aの折り返し端部との間に配置されている。サイド補強層8は、サイドウォール部2の折り返しカーカスプライ4aの内側に配置されている。ここで、サイド補強層8の最大厚さは6〜13mmが好ましい。また、サイド補強層8は、前記ゴム組成物と有機繊維や無機粒子等との複合体であってもよい。図示例のサイド補強層8の形状は、断面三日月状であるが、その断面形状はサイド補強の機能を有するものであれば特に限定されない。
【0040】
本発明の空気入りタイヤにおいては、上記のビードフィラー7及びサイド補強層8の少なくとも一方を、前述の特定の物性を有するゴム組成物を用いて形成することによって、タイヤの通常走行時における乗り心地性を改善し、ランフラット耐久性を飛躍的に向上することが出来る。また、該ゴム組成物をビードフィラー7及びサイド補強層8の少なくとも一方に用い、前述の別の物性を有するゴム組成物をサイドウォール部2に用いることにより、乗り心地性及びランフラット耐久性の改善に加え、タイヤの燃費性を改善することができる。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
表1に示す配合処方のゴム組成物を調製し、下記に示す方法で動的弾性率及び損失正接、並びに引張強さを測定した。結果を表1に示す。
【0043】
(1)動的弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪み200マイクロメートル(ミクロン)、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25℃、昇温速度3℃/分,測定終了温度250℃の条件で、動的弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)を測定した。
【0044】
(2)引張強さ(TB)
JIS#3号型試験片を用いて、JIS K 6251に準拠して引張試験を行い、25℃における切断時の引張強さ(TB)を測定した。
【0045】
また、上記ゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用い、図1に示す構造を有し且つサイズ215/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを定法に従って製造し、下記に示す方法でランフラット耐久性及び乗り心地を評価した。試作タイヤのサイド補強層の最大厚みと共に、結果を表1に示す。
【0046】
(3)ランフラット耐久性
各試作タイヤを常圧でリム組みし、空気を内圧230kPaで封入してから38℃の室温中に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室温38℃の条件でドラム走行テストを行った。この際の故障発生までの走行距離を測定し、比較例1を100として指数表示し、ランフラット耐久性の指標とした。指数値が大きい程、ランフラット耐久性が良好であることを示す。
【0047】
(4)乗り心地性
各試作タイヤを乗用車に装着し、専門のドライバー2名により乗心地性のフィーリングテストを行い、1〜10の評点をつけその平均値を求めた。該値が大きい程、乗り心地が良好であることを示す。
【0048】
なお、表1中の共役ジエン系重合体Aは、次のようにして製造した。乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、1,3−ブタジエン単量体475g、スチレン25g、2.5mmolのジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)を注入した。これに5.5mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、40℃の開始温度で1時間重合を行った。重合は、昇温条件下で行い最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一で且つ透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この重合系にさらにc−MDIの1Mシクロヘキサン溶液を5mL加えた後、30分間変性反応を行った。この後重合系に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5%溶液0.5mLを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥して共役ジエン系重合体Aを得た。
【0049】
得られた共役ジエン系重合体Aのミクロ構造を赤外法(モレロ法)によって分析したところ、ビニル結合量が54%であった。また、共役ジエン系重合体Aの分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ[GPC;東ソー製HLC−8020, カラム;東ソー製GMX−XL(2本直列), 検出器;示差屈折率計(RI)]により分析したところ、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で重量平均分子量(Mw)が37.0万であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.3であった。
【0050】
【表1】
【0051】
表1から、本発明で規定した物性を有するゴム組成物をサイド補強層及びビードフィラーに用いた実施例1〜4のタイヤは、比較例1のタイヤに比べてランフラット耐久性と乗り心地とが共に改善されていることが分かる。一方、比較例2のタイヤは、25℃における動的弾性率が高すぎるため、サイドウォール部の剛性が高すぎ、乗り心地が大きく悪化していた。また、比較例3のタイヤは、25℃における引張強さが小さすぎるため、ランフラット耐久性が大きく劣っていた。
【0052】
次に、表2に示す配合処方のサイドウォール部用ゴム組成物をそれぞれ調製し、上記に示す方法で動的弾性率及び損失正接を測定した。また、表3に示す配合処方のサイド補強層用ゴム組成物をそれぞれ調製し、上記に示す方法で動的弾性率及び損失正接、並びに引張強さを測定した。結果を表2又は3に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
表2に示す配合処方のゴム組成物をサイドウォール部に用い、表3に示す配合処方のゴム組成物をサイド補強層に用いて、図1の構造を有し且つサイズ215/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを定法に従って製造し、上記に示す方法でランフラット耐久性及び乗り心地を評価し、更に下記に示す方法で転がり抵抗を評価した。ただし、表4中のランフラット耐久性の指数は、比較例4のタイヤの故障発生までの走行距離を100として指数表示したものである。試作タイヤのサイド補強層の最大厚みと共に、結果を表4に示す。
【0056】
(5)転がり抵抗(RR)
外径1707.8mm、幅350mmのスチール平滑面を有する回転ドラムを使用し、内圧230kPa、荷重3.9kNの作用下で180km/hの速度からの惰行性により速度80km/h時の抵抗値を転がり抵抗(RR)とし、比較例4を100として指数表示した。指数値が小さい程、転がり抵抗が小さく、燃費性に優れることを示す。
【0057】
【表4】
【0058】
サイド補強層及びサイドウォール部の夫々に、本発明で夫々規定する物性を有するゴム組成物を夫々適用した実施例5〜8のタイヤは、比較例4のタイヤに比べ、ランフラット耐久性と乗り心地とが改善されていることに加え、転がり抵抗が低く、燃費性も改善されていた。
【0059】
一方、サイドウォール部に動的弾性率及び損失正接が本発明で規定する範囲よりも高いゴム組成物を用いた比較例5のタイヤは、比較例4に比べ転がり抵抗が増大し、燃費性が悪化していた。また、サイドウォール部に損失正接が本発明で規定する範囲よりも高いゴム組成物を用い、更にサイド補強層に動的弾性率及び損失正接の最大値が本発明で規定する範囲より高いゴム組成物を用いた比較例6のタイヤは、比較例4に比べ転がり抵抗が増大して燃費性が悪化していたことに加え、乗り心地も悪化していた。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ビードフィラーとサイドウォール部のカーカスの最内側面に配置したサイド補強層とを具えたタイヤにおいて、特定の物性を有するゴム組成物を該サイド補強層及びビードフィラーの少なくとも一方に用いることにより、ランフラット走行時のランフラット耐久性と、通常走行時の乗り心地とを改善した空気入りタイヤを提供することができる。
【0061】
また、特定の物性を有するゴム組成物を上記サイド補強層及びビードフィラーの少なくとも一方に用い、更に別の特定の物性を有するゴム組成物をサイドウォール部に用いることにより、ランフラット走行時のランフラット耐久性と通常走行時の乗り心地とが改善されていることに加え、燃費性を改善した空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ラジアルカーカス
4a 折り返しカーカスプライ
4b ダウンカーカスプライ
5 ベルト
6 ビードコア
7 ビードフィラー
8 サイド補強層
Claims (20)
- 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記サイド補強層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記サイド補強層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ゴム組成物は、ゴム成分としてビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含んでなることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記共役ジエン系重合体がポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物は、更にゴム成分100質量部に対し50質量部以下のカーボンブラックを配合してなることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下であることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
- 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記ビードフィラーに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記ビードフィラーに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ゴム組成物は、ゴム成分としてビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含んでなることを特徴とする請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
- 前記共役ジエン系重合体がポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方であることを特徴とする請求項9に記載の空気入りタイヤ。
- 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、25〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.08以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記ビードフィラー及び上記サイド補強層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、前記一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、前記ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、前記サイドウォール部の前記カーカスの最内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りタイヤにおいて、
25℃における1%歪時の動的弾性率(E’)が10.5MPa以下で、150〜250℃における1%歪時の損失正接(tanδ)の最大値が0.05以下で、且つ25℃における引張強さ(TB)が10MPa以上であるゴム組成物を上記ビードフィラー及び上記サイド補強層に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ゴム組成物は、ゴム成分としてビニル結合量が25%以上の共役ジエン系重合体を含んでなることを特徴とする請求項11又は12に記載の空気入りタイヤ。
- 前記共役ジエン系重合体がポリブタジエンゴム及びスチレン・ブタジエン共重合体ゴムの少なくとも一方であることを特徴とする請求項13に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物は、更にゴム成分100質量部に対し50質量部以下のカーボンブラックを配合してなることを特徴とする請求項13に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下であることを特徴とする請求項15に記載の空気入りタイヤ。
- 25℃における1%歪時の損失正接(tanδ)が0.15以下で且つ動的弾性率(E’)が4MPa以下であるゴム組成物を上記サイドウォール部に用いたことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物は、天然ゴム30〜50質量%とポリブタジエンゴム70〜50質量%とからなるゴム成分100質量部に対し30〜45質量部のカーボンブラックを配合してなり、且つアセトン抽出分が上記ゴム成分100質量部に対し15質量部以下であることを特徴とする請求項17に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)がFEF級のカーボンブラックの窒素吸着比表面積以下であることを特徴とする請求項18に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイド補強層の最大厚さが6〜13mmであることを特徴とする請求項1〜19の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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