JP2004249674A - 排版ボックス及び孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造や使い勝手に優れた排版ボックスを提供する。
【解決手段】排版ボックスは印刷装置に着脱自在に設けられ、底面部72と天面部85の各前端部の間の開口部71から使用済みの版を内部に収容する。底面部の後端にある左右壁部74a,74b 間にはばねを介して上下動可能に基部77が設けられ、基部に天面部が回動可能に取り付けられる。天面部はストッパ部材92により底面部と平行に基部に取り付けられる。満杯時、操作者は操作突起80と後壁下面に指を掛けて握り、基部と天面部を下降させ版を圧縮する。排版ボックスを装置本体から引出し、廃棄位置で下に傾けてストッパ部材を解除し、天面部を上方に開いて内部の版を落下して廃棄する。圧縮に必要な握力を決めるばねは任意に選定・交換可能である。天面部が連結された操作部は両端部で案内されるので天面部は底面部と平行に下降でき、開口部は均一に閉止され、版原紙はこぼれ落ちない。
【選択図】図9
【解決手段】排版ボックスは印刷装置に着脱自在に設けられ、底面部72と天面部85の各前端部の間の開口部71から使用済みの版を内部に収容する。底面部の後端にある左右壁部74a,74b 間にはばねを介して上下動可能に基部77が設けられ、基部に天面部が回動可能に取り付けられる。天面部はストッパ部材92により底面部と平行に基部に取り付けられる。満杯時、操作者は操作突起80と後壁下面に指を掛けて握り、基部と天面部を下降させ版を圧縮する。排版ボックスを装置本体から引出し、廃棄位置で下に傾けてストッパ部材を解除し、天面部を上方に開いて内部の版を落下して廃棄する。圧縮に必要な握力を決めるばねは任意に選定・交換可能である。天面部が連結された操作部は両端部で案内されるので天面部は底面部と平行に下降でき、開口部は均一に閉止され、版原紙はこぼれ落ちない。
【選択図】図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置の本体に着脱自在に設けられ、使用済みの版を収容する排版ボックス及びこれを使用する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置の一種、例えば孔版印刷装置は、印刷すべき原稿の画像データを読み取るスキャナー部と、このスキャナー部で読み取った画像データに基づいて孔版原紙(版原紙)に穿孔する製版部と、この製版部で製版された孔版原紙を円筒状の版胴に装着し、回転する該版胴に印刷圧を作用させながら印刷用紙を搬送してインク画像を印刷用紙に転写する印刷部と、この印刷部に印刷用紙を給紙する給紙部と、印刷部で印刷された印刷用紙を排紙する排紙部と、版胴に装着された孔版原紙を取り除き、収容しておく排版部とを備えている。
【0003】
そして、新たな画像データによる印刷を行う場合には、版胴に装着されている使用済みの孔版原紙を取り外し、この取り外した孔版原紙を排版ボックスまで搬送し、ここに収容する排版動作を行い、その一方で、新たな画像データに基づいて製版された孔版原紙を版胴に着版して印刷動作を実行するものであり、これを繰り返すことで次々と新たな画像データに基づいて印刷を繰り返し実行することができる。
【0004】
図20には第1従来例の排版ボックス100の装着状態を示す概略構成図が示されている。図20において、版胴101は装置本体102に回転自在に設けられ、この版胴101の外周面に孔版原紙103が巻き付け装着される。この版胴101の外周面の近傍には一対の排版搬送ロール104a、104bが配置され、この一対の排版搬送ロール104a、104bの位置を開口部として排版ボックス100が配置されている。
【0005】
排版ボックス100は、一対の排版搬送ロール104a、104bが配置される前方側の一部と上方側の全部が開口部105として構成され、前方側開口部と反対側には取手部106が設けられている。排版ボックス100は、装置本体102に対して着脱自在に設けられており、この取手部106を手で持ち装置本体102に対し挿入又は引き出し動作を行うことができる。装置本体102側には、排版ボックス100を装着位置に固定し、装置本体102外への引き出しを阻止するロック部材107が設けられている。このロック部材107にはロック操作レバー部107aが一体的に設けられており、このロック部材107による排版ボックス100のロックは、ロック操作レバー部107aを押し下げることで解除される。
【0006】
上記構成において、排版ボックス100が孔版原紙103で満杯になると、図21(A)に示すように、ユーザが一方の手でロック操作レバー部107aを下方に押し下げ、他方の手で排版ボックス100の取手部106を握持して排版ボックス100を装置本体102から引き出す。そして、図21(B)に示すように、取り出した排版ボックス100をゴミ箱等の位置まで運び、これを傾ければ、内部の孔版原紙103が自重によりゴミ箱内に落下する。空になった排版ボックス100を孔版印刷装置の位置まで運び、図21(C)に示すように、一方の手でロック操作レバー部107aを押し下げながら他方の手で取手部106を持って排版ボックス100を装置本体102に挿入し、装着位置まで押し込めば、装置本体102への装着は完了する。
【0007】
図22には第2従来例の排版ボックス110の装着状態を示す概略構成図が示されている。この排版ボックス110とその着脱構造は、下記特許文献1にて開示されたものである。
【0008】
【特許文献1】
公開特許公報(特開平6−199029号)
【0009】
図22において、版胴101は装置本体102に回転自在に設けられ、この版胴101の外周面に孔版原紙103が巻き付け装着される。版胴101の外周面の近傍には一対の排版搬送ロール104a、104bが配置され、この一対の排版搬送ロール104a、104bの位置を開口部として排版ボックス110が配置されている。
【0010】
排版ボックス110は、一対の排版搬送ロール104a、104bが配置される前方側の一部のみが開口部111として構成され、上方側は支持軸112を中心として回転自在の蓋113で被われている。この蓋113の上面中央には、当該蓋113を開放するためのつまみ部114が設けられている。又、排版ボックス110には、前方側開口部111とは反対側に取手部115が設けられており、この取手部115の内側近傍にはロック解除操作部116が設けられている。
【0011】
取手部115を握持すると、ロック解除操作部116も共に握持することによってロックが解除されるよう構成されている。ロック解除操作部116によりロックが解除されるロック部(図示せず)は、排版ボックス110が装置本体102の装着位置から外に引き出されないようにロックするためのものである。排版ボックス110は、取手部115を手で持ち、装置本体102に対して挿入又は引き出し動作を行うことにより、装置本体102に対して自在に着脱することができる。
【0012】
上記構成において、排版ボックス110が孔版原紙103で満杯になると、図23(A)に示すように、ユーザが一方の手で排版ボックス110の取手部115を握持して排版ボックス110を装置本体102から引き出す。そして、図23(B)に示すように、取り出した排版ボックス110を例えばゴミ箱の位置まで運び、傾けると共につまみ部114を他方の手で持って蓋113を開けば内部の孔版原紙103が自重によりゴミ箱内に落下する。空になった排版ボックス110を孔版印刷装置の位置まで運び、一方の手で取手部115を持ち排版ボックス110を装置本体102に挿入し、装着位置まで押し込めば装置本体102への装着は完了する。
【0013】
しかしながら、上記第1従来例の排版ボックス100は、上方が開口しているため、排版ボックス100を装置本体102より引き出した際に、内部の孔版原紙103は圧縮が解除された状態となって膨張し、開口部105の上方側より外にあふれるという問題がある。孔版原紙103が排版ボックス100の外にあふれると、下に落下したり、片手で持ち運びできなかったり、外にあふれる孔版原紙103を押さえた手にインクが付着したりするため、孔版原紙103の廃棄作業が容易でない。
【0014】
又、第2従来例の排版ボックス110では、上方側が蓋113で被われているため、排版ボックス110を装置本体102から引き出した際に内部の孔版原紙103が外にあふれるという問題はない。しかし、排版ボックス110の上方側を被う蓋113は、排版ボックス110の本体に回転自在に支持されているだけなので、排版ボックス110を搬送途中に誤って傾けると蓋113が開いて内部の孔版原紙が外にこぼれ落ちて周囲をインクで汚損することがあるという問題があった。
【0015】
そこで本願出願人は、前述した問題を解決すべく、版原紙の廃棄作業が容易にでき、且つ、構成が簡単で、コスト安である排版ボックスを提供するため、次の特許文献2に開示された排版ボックスを提案した。
【0016】
【特許文献2】
公開特許公報(特開2002−96542)
【0017】
図24に示すように、この排版ボックス200は、装置本体201に着脱自在に設けられて、開口部204から導かれる使用済みの版原紙を内部に収容するものである。そして、この排版ボックス200は、所定間隔をおいて対面する底面部202と天面部203の一端側を弾性変形部205で連結してなる部材であり、全体として略U字形をなしている。底面部202と天面部203の他端側は開口部204となっており、この排版ボックス200を装置本体201の装着位置に正規に装着した状態では、装置本体201の一対の排版搬送ロール206a,206bが開口部204に位置するように構成されている。
【0018】
この排版ボックス200によれば、内部の版原紙が満杯になった場合には、図25に示すように、底面部202と天面部203を手で握持し、双方の面を互いに近接する方向に押圧すれば、弾性変形部205の弾性変形により底面部202と天面部203が近接して内部の版原紙が圧縮される。この状態で排版ボックス200を装置本体201から引き出し、引き出した排版ボックス200をゴミ箱等の廃棄位置まで運び、廃棄位置で底面部202と天面部203への押圧力を緩めれば、弾性変形部205が弾性復帰変形して底面部202と天面部203との間が広がり、圧縮挟持されていた版原紙が自重等により落下する。空になった排版ボックス200を装置本体201に挿入して装着することにより、版原紙の廃棄作業が完了する。
【0019】
排版ボックス200が装置本体201から引き出された際には、版原紙は底面部202と天面部203によって挟持された圧縮状態であることから、外にあふれることがない。また、排版ボックス200の構成は底面部202と天面部203とこれを連結する弾性変形部205とであり、回転支持部等が必要ない。排版ボックス200は、底面部202と天面部203とを手で掴んで持つため、取手部等を別途設ける必要がない。又、底面部202と天面部203とを片手で握持する大きさにすることによって版原紙の廃棄作業を全て片手で行うことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に開示された前記排版ボックスも、印刷装置等に着脱可能に取り付けられる排版ボックスとしては、製造技術上の問題や使用時の使い勝手等の面で必ずしも十分なものとはいえず、解決すべきいくつかの課題の存在が見出されるに至った。
【0021】
すなわち、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、略U字形の一体構造であり、底面部202と天面部203の間にある弾性連結部205によって弾性変形機能が定まるわけであるが、その曲率や板厚等の寸法精度を所定の値に精密に設定しておかないと、ユーザが排版作業において排版ボックス200を片手で掴む際に必要な握力を所要の値に設定できない。つまり、収容した版原紙を圧縮して排版ボックス200を装置本体の外に引き出すために、排版ボックスを片手で掴むのに必要な握力は所定の最適値に設定する必要があるが、U字状の板ばねで所定の弾性を実現するには精密な金型設計と試作・実験が必要であり、製造に多大なコストを要するという問題があった。
【0022】
また、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、上述したように、板材を実質的に略U字形に成形したような基本構造であって、片手で掴むだけで収納した版原紙を圧縮できるが、その長手方向の中央で掴まなければ、細長いスリット状の開口部204が長手方向の全長にわたって均一に閉止されない場合があるという問題があった。例えば、排版作業時に、ユーザが不用意に排版ボックス200の長手方向の一端部側を掴んで装置本体201外に引き出した場合には、開口部204の当該一端部側は閉止されるが、開口部204の他端部側は完全には閉止されず、排版ボックス200を取り外してごみ箱の位置まで運ぶ途中で収容した版原紙が外にこぼれてインクで周囲を汚損する場合があった。
【0023】
さらに、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、上述したように、板材を実質的に略U字形に成形したような基本構造であり、側面側は開放されているため、排版ボックス200を取り外してごみ箱の位置まで運ぶ途中で収容した版原紙が該側面側から外にこぼれてしまう場合もあった。
【0024】
さらに、特許文献2に開示された前記排版ボックスは、弾性連結部205を含めて一体に構成されているため、使用につれて弾性連結部205が劣化して弾性が変化すると、修理ができず、排版ボックス全体を交換せざるを得ないという問題があった。また、ユーザによっては、弾性連結部205の当初の弾性では強すぎて作業時に大きな握力が必要であるため、弾性連結部205の弾性を小さくしたい場合もありうるが、特許文献2に開示された前記排版ボックスは弾性連結部205を含めた一体構造であるため、かかる弾性の調整は不可能であった。
【0025】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、排版ボックスを片手で掴んで収容した版原紙を圧縮できるタイプの排版ボックスにおいて、排版ボックスを片手で掴んで内部の版原紙を圧縮するのに適当な握力を簡易かつ精密に設定でき、また排版ボックスを片手で掴んだ場合に排版ボックスの開口部が均一に閉止されるために版原紙がこぼれ落ちる問題もなく、さらにまた、開口部を閉じるための弾性について修理や調整が可能であり、製造や使い勝手に優れた排版ボックスと、かかる排版ボックスを備えた孔版印刷装置を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された排版ボックスは、印刷装置に着脱自在に設けられて前端の開口部から使用済みの版を内部に収容する排版ボックスにおいて、底面部と、前記底面部の後端に前記底面部に対して上下動可能に設けられた基部と、前記基部を前記底面部から離れる方向に付勢する弾性部材と、前記基部にその後端が回動可能に取り付けられて前記底面部の上方に配置された天面部と、前記天面部が前記底面部に対して平行となる位置で前記天面部を前記基部に対して解除可能に固定する固定手段とを有している。
【0027】
請求項2に記載された排版ボックスは、請求項1記載の排版ボックスにおいて、前記基部は、操作者の指がかかる操作部と、前記操作部の両側に設けられた一対の案内手段とを有し、前記弾性部材は、前記一対の案内手段にそれぞれ設けられたばねであることを特徴としている。
【0028】
請求項3に記載された排版ボックスは、請求項2記載の排版ボックスにおいて、前記固定手段は、天面部に移動可能に設けられたストッパ部材と、該ストッパ部材を前記操作部に係合させる付勢手段とを有することを特徴としている。
【0029】
請求項4に記載された排版ボックスは、請求項1又は2又は3記載の排版ボックスにおいて、前記底面部と前記天面部の各両側部の空隙を閉止するために、前記底面部の両側部にそれぞれ側板を設けたことを特徴としている。
【0030】
請求項5に記載された孔版印刷装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の排版ボックスを着脱自在とする排版ボックス挿入室を設けたことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<孔版印刷装置の構成>
図1〜図19は本発明の一実施形態を示し、この実施形態では本発明を孔版印刷装置の排版ボックスに適用した場合が示されている。図1は孔版印刷装置の全体概略構成図、図2は排版ユニットの斜視図、図3は排版ボックスの平面図、図4は排版ボックスの側面図、図5は排版ボックスの正面図、図6は排版ボックスの背面図、図7は図3のA−A切断線における断面図、図8は図3のB−B切断線における断面図、図9は排版ボックスの前面側から見た斜視図、図10は排版ボックスの背面側から見た斜視図、図11は天面部が下降した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図、図12は天面部が下降した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図、図13は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図、図14は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図、図15は天面部を開放した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図、図16は天面部を開放した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図、図17は天面部を開放した状態にある排版ボックスの側面図、図18は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図、図19は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【0032】
図1において、孔版印刷装置1は、主として原稿読取部2と製版部3と印刷部4と給紙部5と排紙部6と排版部7から構成されている。
【0033】
『原稿読取部』
原稿読取部2は、装置本体10の上面側に設けられた原稿読取ユニット11を有している。この原稿読取ユニット11は、装置本体10の上面に設けられた上方開口部に回転支持軸12を介して取り付けられている。従って、この原稿読取ユニット11は、この上方開口部を塞ぐ閉位置と上方開口部を開放する開位置との間で、回転支持軸12を中心として回動自在である。
【0034】
原稿読取部2は、原稿読取ユニット11の上面に設けられた原稿斜め載置面13と、この原稿斜め載置面13に載置された原稿を搬送する複数の原稿搬送ロール14と、この原稿搬送ロール14を回転させるロール回転駆動手段(図示せず)と、原稿搬送ロール14で搬送される原稿の画像データを読み取るラインイメージスキャナー15とを有している。
【0035】
そして、原稿斜め載置面13に置かれた原稿は、原稿搬送ロール14の回転により搬送され、この搬送される原稿内容をラインイメージスキャナー15が読み取る。
【0036】
『製版部』
製版部3は、装置本体10内に設けられ、ロール巻きにされた長尺状の版原紙である孔版原紙18を収容し、且つ、回転自在に支持する原紙収容部19と、この原紙収容部19に対し孔版原紙18の搬送方向の下流に配置されたサーマルヘッド20と、このサーマルヘッド20の対向位置に配置され、メインモータ(図示せず)の駆動力により回転するプラテンロール21と、サーマルヘッド20及びプラテンロール21に対し孔版原紙18の搬送方向の下流に配置され、孔版原紙18を切断する原紙カッタ22とを有している。
【0037】
前記原稿読取ユニット11を回転支持軸12を中心に上方の開位置へ移動させ、装置本体10の上方開口部を開放すると、装置本体10内にある原紙収容部19が外部に表れる。そして、この外部に対して開放された原紙収容部19から孔版原紙18のロールを出し入れすることにより、該孔版原紙18の交換を行うことができる。サーマルヘッド20は、前記原稿読取ユニット11の下面側に固定されており、プラテンロール21は装置本体10側に支持されている。従って、サーマルヘッド20は、原稿読取ユニット11が開位置にある場合はプラテンロール21から離れた上方の離間位置に位置し、原稿読取ユニット11が閉位置にある場合はプラテンロール21に圧接する圧接位置に位置する。
【0038】
原紙収容部19に新たな孔版原紙18のロールを装着したい場合には、まず原稿読取ユニット11を開位置に設定して原紙収容部19に新たな孔版原紙18のロールを装着する。次に、孔版原紙18のロールから帯状の孔版原紙18を繰り出し、これをプラテンロール21の上を経て所定の経路に配置する。そして、原稿読取ユニット11を閉位置に設定すれば、前記孔版原紙18は、原稿読取ユニット11の下面側にあるサーマルヘッド20とプラテンロール21との間に挟まれる。
【0039】
そして、サーマルヘッド20とプラテンロール21との間に配置された孔版原紙18をプラテンロール21の回転により搬送し、前記ラインイメージスキャナー15で読み取った画像データに基づいてサーマルヘッド20の各点状発熱体を選択的に発熱動作させることにより、孔版原紙18を感熱穿孔して孔版画像を形成し、この製版された孔版原紙18の後端側を原紙カッタ22で切断し、所定長さの孔版原紙18を作成する。
【0040】
『印刷部』
印刷部4は、多孔構造によるインク通過性の部材(例えばスクリーン)で外周壁25aが構成され、メインモータ(図示せず)の駆動力によって図1のa矢印方向に回転する円筒状の版胴25と、この版胴25の外周壁25aに設けられ、孔版原紙18の先端をクランプするクランプ部26とを有している。
【0041】
又、印刷部4は、前記版胴25の内部に配置され、外周壁25aの内周面に接触するスキージロール27と、このスキージロール27に所定のギャップを介して配置されたドクターロール28と、この双方のロール27、28の間のくさびエリアにインクを供給するインク供給部29とを有している。又、スキージロール27に版胴25の外周壁25aを介して対向する外側の位置に配置された押圧ロール30と、この押圧ロール30を版胴25の外周壁25aに押圧する押圧位置(図1の実線位置)と版胴25の外周面から離間する離間位置(図1の仮想線位置)との間で移動させるプレス圧手段(図示せず)とを有している。
【0042】
押圧ロール30は、印刷時には版胴25の回転に連動して押圧位置と離間位置との間を変移し、版胴25の回転に同期して搬送されて来る印刷媒体である印刷用紙31の通過時には押圧位置に位置し、それ以外の時(印刷用紙31の非通過時)には離間位置に位置するよう構成されている。
【0043】
そして、製版部3から搬送される孔版原紙18の先端をクランプ部26でクランプし、このクランプした状態で版胴25が回転して孔版原紙18が版胴25の外周壁25aに巻き付け装着される。版胴25の回転に同期して搬送されて来る印刷用紙31を押圧ロール30が版胴25の孔版原紙18に押圧することにより、印刷用紙31に孔版原紙18の穿孔部分からインクが転写されて画像が印刷される。
【0044】
『給紙部』
給紙部5は、印刷媒体である印刷用紙31が積層される給紙台35と、この給紙台35から最上位置の印刷用紙31のみを送り出す一次給紙ロール36と、この一次給紙ロール36によって送り出された印刷用紙31を版胴25の回転に同期して版胴25と押圧ロール30間に搬送する一対の二次給紙ロール37a、37bとを有している。一次給紙ロール36や二次給紙ロール37a、37bは各給紙クラッチ(図示せず)を介してメインモータ(図示せず)の回転が選択的に伝達されることによって所定タイミングで回転されるよう構成されている。
【0045】
『排紙部』
排紙部6は、版胴25と押圧ロール30によって印刷が行なわれる位置よりも搬送方向の下流側であって版胴25の外周壁25aに近接した位置に配置された用紙分離爪部40と、この用紙分離爪部40と版胴25の外周壁25aとの間にエアーを吹き付ける送風手段41と、版胴25の外周壁25aより離間した印刷用紙31を受け取り、この受け取った印刷用紙31を搬送するベルト搬送手段42と、ベルト搬送手段42の最下流の下方位置に配置され、排出される印刷用紙31を受け入れて積層状態で載置する排紙台43とを有している。
【0046】
ベルト搬送手段42は、一対のベルト掛け部材44a、44bと、この一対のベルト掛け部材44a、44b間に掛けられたベルト45と、このベルト45の印刷用紙31の搬送面側を吸引するための吸引手段(図示せず)と、上記ベルト掛け部材44a(又は44b)を介してベルト45をメインモータ(図示せず)の駆動力によって回転駆動させるベルト駆動手段(図示せず)とを有している。そして、印刷された印刷用紙18の先端を送風手段41のエアーや用紙分離爪部40の引き剥がしで版胴25から離間させ、版胴25から離れた該印刷用紙31をベルト搬送手段42によって排紙台43まで搬送するものである。
【0047】
『排版部』
排版部7は、装置本体10の上面側に移動自在に設けられた排版ユニット50を有している。この排版ユニット50は、装置本体10に対して平行リンク部材51a、51bを介して連結されており、装置本体10の上面側に設けられた前述した上方開口部を塞ぐ閉位置と、該上方開口部を開放する開位置との間を、平行移動できるように構成されている。つまり、装置本体10の上面側は上方開口部とされているが、ここに前述した原稿読取ユニット11と該排版ユニット50とが配置され、これらユニット11、50を開位置に移動させることにより装置本体10の上面側がほぼ全開状態で開放される構成となっている。
【0048】
排版部7は、版胴25に巻き付け装着された孔版原紙18の先端がクランプ解除され、このクランプ解除された孔版原紙18を版胴25から引き剥がしながら搬送する排版搬送手段である一対の排版搬送ロール52a、52bと、この一対の排版搬送ロール52a、52bによって搬送されて来る孔版原紙18を収納する排版ボックス70とを有している。一対の排版搬送ロール52a、52bは、排版ユニット50側に支持されており、排版ユニット50が閉位置に設定された場合には、排版搬送ロール52bに排版クラッチ(図示せず)を介してメインモータ(図示せず)の回転が選択的に伝達されるよう構成されている。
【0049】
『排版ボックスの構成』
次に、排版ボックス70に係わる構成を図2〜図10を用いて詳しく説明する。以下の説明では、排版ボックス70の各部分ごとに、必要に応じて当該部分の構造の特徴が最もよく表れている図を挙げて説明するが、これは当該部分がその他の図に記載されていないことを意味しない。
【0050】
図2に示すように、排版ユニット50には上プレート50aと下プレート50bで囲まれた排版ボックス挿入室54が構成されており、この排版ボックス挿入室54の後方部は装置本体10の外部に露出している。この後方の露出部から、排版ボックス70を前記排版ボックス挿入室54内に挿入して装着できる。反対に、前記排版ボックス挿入室54内に装着された排版ボックス70を引き出して装置本体10の外部に取り出すことができる。
【0051】
図1乃至図2に示すように、この排版ボックス70は、排版ボックス挿入室54内の装着位置では、前端側の開口部71が一対の排版搬送ロール52a、52bに臨むように配置され、排版搬送ロール52a,52bによって搬送された使用済みの孔版原紙を開口部71から受け入れて内部に収容することができる。
【0052】
図9又は図10に示すように、排版ボックス70は、少なくとも孔版原紙18の幅以上の幅を有する略平板状の底面部72を有している。底面部72の左右の側縁には、それぞれ所定高さの側板73が設けられている。また、底面部72の後端には所定高さの後壁74が設けられている。図8に示すように、後壁74の内面は湾曲面をもって底面部72の内面 (上面)に連続している。図10に示すように、この後壁74の中央には上端に開放された開口75が形成されており、後壁74を左後壁74aと右後壁74bの2つに分割している。また、後壁74の前記開口75の下方には、排版ボックス70を掴む際の手掛かりとなる凹部76が形成されている。
【0053】
図10に示すように、前記左後壁74aと右後壁74bの間には、上下動可能な部材である基部77が設けられている。この基部77は、後壁74の開口75に横置きで配置される略直方体形の操作部78と、該操作部78の両端部の下面から下方に突出した一対の案内手段79(図8参照)とを有している。前記操作部78は、その後面中央に操作者が親指を乗せるための操作突起80を有している。また、前記案内手段79は棒状であり、図3に示すように、その径は平面視において操作部78の端部よりも小さく、図8に示すように、その長さは後壁74の高さの半分程度である。
【0054】
一方、図10に示すように、前記左後壁74a及び右後壁74bには、その上端面と前記開口75の内側面との双方に開口する案内孔81が形成されている。この案内孔81は、図8に示すように、前記後壁74の開口75の底に相当する位置まで形成されている。
【0055】
そして、図10に示すように、この両案内孔81に操作部78の両端部と前記一対の案内手段79,79が挿入されており、これによって基部77は全体として後壁74に対して上下移動可能となっている。ここで、操作部78の両端部は案内孔81の内面に接して摺動可能となっている。また、図8に示すように、案内孔81の底には案内手段79が摺動可能に出没する摺動孔82が形成されている。そして、この案内孔81の内部には弾性部材としてのコイルばね83が設けられているが、このばね83は案内手段79の周囲に設けられており、その上端は操作部78の端部の下面に当接している。
【0056】
従って、操作者が、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛けて握り方向に力を入れれば、ばね83の付勢力に抗しながら操作部78は案内孔81に沿って底面部72に対して平行を保持した状態で下降することができる。このとき、案内手段79は摺動孔82から下方に突出する。
【0057】
図9に示すように、前記基部77には、天面部85の後端が回動軸86をもって回動可能に取り付けられている。天面部85は、前記底面部72と同様、少なくとも孔版原紙18の幅以上の幅を有する略平板状の板部材であり、前記底面部72の上方に配置される。
【0058】
図3、図9等に示すように、前記天面部85には、前記天面部85が前記底面部72に対して平行となる位置で前記天面部85を前記基部77に対して固定する固定手段87が設けられている。すなわち、天面部85の上面中央には、溝88とカバー89からなる案内路90と、貫通孔を有する板部91とが設けられている。前記案内路90内には、板状のストッパ部材92が摺動可能に設けられている。ストッパ部材92は一端側が上方に立ち上げられた操作片93である略L字形の板材であり、その操作片93には案内棒94が取り付けられている。該案内棒94は前記板部91の貫通孔を挿通しており、その先端には抜け止め95が設けられている。そして、ストッパ部材92の操作片93と板部91との間において、該案内棒94の周囲には付勢手段としてのコイルばね96が設けられている。このばね96はストッパ部材92を板部91と反対側に向けて付勢し、ストッパ部材92の他端を天面部85の後端から外方に突出させる。一方、前記ストッパ部材92の他端に隣接する前記基部77の操作部78には、前記天面部85が前記底面部72と平行になった状態で前記ストッパ部材92の他端が係合する係合部97が形成されている。
【0059】
従って、通常は、天面部85は底面部72と平行になった状態でストッパ部材92によって操作部78に固定されているが、ストッパ部材92の操作片93をばねの付勢力に抗して板部91に向けて押せば、ストッパ部材92の他端が操作部78の係合部97から外れるので、天面部85は基部77に対して回動可能となり、天面部85を上方に向けて回動させれば排版ボックス70の内部空間を開放することができる。
【0060】
図3、図9等に示すように、底面部72と天面部85の前端側には、前方に向け、かつ互いに近接する方向に突出する握持爪部72a,85aがそれぞれ設けられている。この一対の握持爪部72a,85aの先端側には、一対の排版搬送ロール52a、52bとの干渉を避けるための凹部72b,85bが設けられており、一対の握持爪部72a,85aの先端を一対の排版ロール52a、52bに十分近接させて配置できるようになっている。
【0061】
図3、図9等に示すように、天面部85の前端側には上方に突出するロック部98が設けられている。また、排版ボックス70を排版ユニット50に装着した際、前記ロック部98に対向する排版ユニット50の所定位置には、ロック部98に係止するロック係止部55(図2に示す)が設けられている。排版ボックス70は、前端側の開口部71を閉じる方向に天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54内に挿入可能である。そして、この装着位置で手を離せば、ばね83の付勢力によって天面部85が上方の原位置に復帰し、ロック部98がロック係止部55に係止されるので、排版ボックス挿入室54からの引き出しが阻止される。操作部78を押えて天面部85を下降させれば、ロック部98がロック係止部55から離れてロックが解除されるので、排版ボックス70を装置本体10外に引き出すことができる。
【0062】
なお、図3、図9等に示すように、底面部72と天面部85の各内面、及び、一対の握持爪部の各内面には、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられている。
【0063】
<製版及び印刷動作>
次に、上記孔版印刷装置1の製版、印刷動作を簡単に説明する。製版動作が選択されると、版胴25に孔版原紙18が巻付け装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には孔版原紙18の先端のクランプを解除し、孔版原紙18の先端を一対の排版搬送ロール52a、52b間に導き、一対の排版搬送ロール52a、52bの回転により孔版原紙18を版胴25より剥ぎ取りながら搬送する。一対の排版搬送ロール52a、52bにより搬送された孔版原紙18は排版ボックス53の開口部71より内部に送り込まれ、これで排版動作が終了する。
【0064】
排版処理が終了すると、原稿読み取り動作により読み取った画像データに基づき孔版原紙18にサーマルヘッド20にて感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙18が版胴25に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで製版動作が終了する。
【0065】
次に、印刷動作が選択されると、給紙台35上に印刷用紙31があるか否かをチェックし、印刷用紙31がなければ紙なしエラー処理を行う。又、孔版原紙18が版胴25に着版されているか否かをチェックし、孔版原紙18が着版されていなければ版無しエラー処理を行う。又、スキージロール27及びドクターロール28間のインク溜まりにインクがあるか否かをチェックし、インクがなければインク無しエラー処理を行う。
【0066】
そして、これらのチェックを全て通ると、版胴25が回転され、この回転に同期して給紙部5より印刷用紙31が版胴25に給紙される。この給紙された印刷用紙31は押圧ロール30で版胴25の孔版原紙18に押圧されることによって印刷用紙31にインク画像が転写され、印刷された印刷用紙31は用紙分離爪部40や送風手段41等の作用により版胴25の外周壁25aより剥離されてベルト搬送手段42で搬送され、ベルト45の最下流より排紙台43に排出される。排紙台43に排紙された印刷用紙31はここで積層状態で載置される。この印刷動作が設定枚数だけ行われて印刷動作が完了する。
【0067】
<孔版原紙の廃棄動作>
次に、排版ボックス70内に収納された孔版原紙18を装置本体10外に廃棄する際の動作について説明する。以下の説明にあたっては、天面部85が所定位置から下降した状態を示す図11〜図19を主として参照する。
【0068】
排版ボックス70の内部にある孔版原紙18が満杯になると、図示しない操作者が、排版ボックス70を装置外に取り出す。すなわち、操作者は、図10において、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛け、握る方向に力を入れる。図11〜図14に示すように、ばねの付勢力に抗して操作部78は案内孔81に沿って平行に下降する。操作部78は、その両端で案内されているので、移動状態が安定しており、移動中に傾くことがない。従って、操作部78に連結された天面部85は底面部72と略平行な状態を保持しながら底面部72に接近することができ、その結果、該排版ボックス70内に収納されていた使用済みの孔版原紙は一様に圧縮される。また、前述したようにロック部98がロック係止部55から離れてロックが解除されるので、排版ボックス70を排版ユニット50から外して装置本体10外に取り出すことができる。
【0069】
排版ボックス挿入室54から引き出した排版ボックス70をゴミ箱等の廃棄位置まで運ぶ。ここで、底面部72と天面部85の各先端側にある開口部71は均一に閉止されているので、背部の孔版原紙が外にこぼれ落ちるおそれはない。また、底面部72と天面部85の各両側部は、その少なくとも一部が側板73で覆われているので、底面部72と天面部85の側面側の隙間から廃棄された孔版原紙が外にこぼれ落ちるおそれも少ない。さらに、天面部85は固定手段87によって固定されているので、排版ボックス70を搬送途中に傾けても天面部85が誤って開いてしまうことはなく、内部の孔版原紙が外にこぼれ落ちることはない。
【0070】
ゴミ箱等の廃棄位置において、操作者は操作部78の操作突起80に加えていた力を弱める。操作部78はばねの付勢力によって上方の原位置に戻り、天面部85もこれと共に上昇して底面部72との間隔が広がり、排版ボックス70の前端側の開口部71が広がる(図9参照)。この状態で排版ボックス70を開口部71を下にして傾ければ、排版ボックス70内に収納されていた廃棄された孔版原紙は開口部71から出て落下し、ゴミ箱等に廃棄される。開口部71から孔版原紙が出にくい場合には、開口部71を下に向けた状態で排版ボックス70を左右に傾ければ、側板73の前方において開いている天面部85と底面部72の側縁の間隙から、廃棄された孔版原紙が外に出て落下し、ゴミ箱等に廃棄される。
【0071】
上述のように天面部85と底面部72の間隔が最も広い状態で、前端側の開口部71や天面部85と底面部72の側縁の間隙から孔版原紙が排出されない場合には、図11に示すように天面部85を下降させて底面部72との間で孔版原紙を圧縮した状態において、排版ボックス70を下に向けたまま、図15に示すように天面部85の固定手段87を解除して天面部85を開き、排版ボックス70の内部空間を開放する。
【0072】
すなわち、操作者は、片手で排版ボックス70の基部77等を保持したまま (図11に示す状態)、もう一方の手でストッパ部材92を操作する。ストッパ部材92の操作片93をばね96に抗して板部91の側に向けて移動させれば、ストッパ部材92の他端は操作部78の係合部97から外れ、天面部85は回動軸86を中心として回動可能となる。具体的には、親指と人差し指で操作片93と板部91をつまんで操作片93によるロックを解除し、操作片93と板部91をつまんだまま上方に持ち上げて図15に示すように天面部85を上方に回動させる。このような簡単な操作で排版ボックス70の内部空間が全面的に開放され、排版ボックス70内にある圧縮された孔版原紙は自重等により確実に外に落下してゴミ箱等に廃棄される。
【0073】
そして、廃棄後には操作片93と板部91から指を離すだけで、天面部85は自重で閉止方向に回動し、ストッパ部材92はばね96の付勢力で原位置に戻るので、ストッパ部材92が再び操作部78の係合部97に係合し、天面部85は底面部72と略平行な状態に自動的にロックされる。
【0074】
廃棄後、排版ボックス70を再び排版ユニット50に装着する場合には、天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54に挿入し、所定位置に設定後、手を離す。ばね83の復元力により天面部85が上昇して原位置に戻り、ロック部98がロック係止部55に係合してロックされる。操作部78を掴まない限り排版ボックス70は排版ユニット50に確実に装着され、装置本体10から不用意に外れる等の不都合は生じない。
【0075】
<実施形態の効果>
本例の排版ボックス70によれば、排版ボックス70を片手で掴んで内部の版原紙を圧縮する際に必要な握力は、ばね83の弾性力によって決まるので、適当なばね定数のばね83を選定すれば、天面部85の下降による圧縮に必要な力を簡易かつ精密に設定できる。
【0076】
また排版ボックス70の操作部78を片手で掴んだ場合、天面部85が連結された操作部78はその両端部において一対の後壁74a,74bの案内孔81,81で安定して案内されているので、天面部85は底面部72と平行な状態を保って下降でき、排版ボックス70の開口部71は均一に閉止される。このため、排版ボックス70を装置本体10外で持ち運ぶ途中で版原紙がこぼれ落ちる問題もない。
【0077】
さらにまた、操作部78に設けられたばね83は当然交換可能であるので、天面部85の下降に必要な操作力が大きすぎる場合には、これを小さくするためにばね83を交換することができる。また、使用によりばね83の弾性が経年変化した場合にも交換することができる。
【0078】
上記孔版原紙18の廃棄作業において、排版ボックス70が装置本体10より引き出された際には、孔版原紙18は底面部72と天面部85との間で圧縮され、挟持された状態であることから、外にあふれることがなく、孔版原紙18の廃棄作業が容易にできる。
【0079】
又、上記実施形態では、底面部72と天面部85との開口部71の一端側には、前方方向で、且つ、互いに近接する方向に突出する握持爪部85a,72aが設けられているので、開口部71付近に位置する孔版原紙18には開口部71より内部に位置する孔版原紙18よりも一対の握持爪部85a,72aによって大きな圧縮力が作用するため、開口部71付近の孔版原紙18を確実に握持でき、孔版原紙18の廃棄残し等による排版のジャミング防止に有効である。
【0080】
又、上記実施形態では、ばね83の付勢力に抗して天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54に排版ボックス70を装着し、この装着位置で手を離せば、ばね83の復元力で天面部85が元の上方の位置に復帰して排版ボックス70が排版ボックス挿入室54から引き出せないようにロックされる。そして、このロックを解除するためには、ばね83の付勢力に抗して天面部85を下降させればよい。すなわち、排版ボックス70の引き出し動作を行う際には、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛けて握り方向に力を入れれば、ばね83の付勢力に抗しながら操作部78は案内孔81に沿って下降し、従って天面部85は底面部72に対して平行を保持した状態で下降する。これによって排版ボックス70内の孔版原紙18が圧縮挟持されると共にロック部98のロックが解除となるので、片手で掴んだそのままの状態で該排版ボックス70を装置本体10外に取り出すことができる。
このように、本例によれば、ロック解除やロックするための操作を別個に行う必要がなく取扱いが容易である。
【0081】
尚、上記実施形態では、排版ボックス70側のロック部98が突起形状を有し、装置本体10側(排版ボックス挿入室54側)のロック係止部55が溝形状を有するが、逆に、排版ボックス70側のロック部98が溝形状で、装置本体10側のロック係止部55が突起形状であっても良い。但し、装置本体10側のロック係止部が突起形状の場合にはロック時にロック係止部が天面部85にあまりにも突出して孔版原紙18の引き込み動作の支障にならないように設計する必要がある。
【0082】
又、上記実施形態では、底面部72と天面部85の各内面には、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられているので、内部に収容された孔版原紙18がリブ99を介してしか底面部72や天面部85に密着せず、密着面積が非常に小さいため、孔版原紙18がインク等の粘着性等によって底面部72や天面部85に密着して取れにくいという事態を防止でき、廃棄作業がスムーズにできる。
【0083】
又、上記実施形態では、一対の握持爪部85a,72aの各内面にも、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられているので、一対の握持爪部85a,72aで握持された孔版原紙18もリブ99を介してしか各握持爪部85a,72aに密着せず、密着面積が非常に小さいため、孔版原紙18がインク等の粘着性等によって一対の握持爪部85a,72aに密着して取れないという事態を防止でき、廃棄作業がスムーズにできる。
【0084】
又、上記実施形態では、一対の握持爪部85a,72aの先端側には、装置本体10側の排版搬送ロール52a、52bとの干渉を避けるための凹部85b,72bが設けられているので、排版搬送ロール52a、52bの搬送最下流の付近まで一対の握持爪部85a,72aの先端を位置させることができるため、開口部71付近の孔版原紙18を確実に廃棄でき、孔版原紙18の廃棄残し等による排版のジャミング防止に有効である。
【0085】
尚、上記実施形態によれば、排版ボックス70を孔版印刷装置1に使用した場合を示したが、印刷に使用した版原紙を収容する排版ボックスを装置本体に有する印刷装置に適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
請求項1に記載された排版ボックスによれば、天面部の下降による圧縮に必要な力を精密に設定できるので製造が容易であり、修理等に便利である。また、天面部と底面部の平行状態を保持して圧縮でき、開口部の閉止が一様なので、版原紙がこぼれ落ちる問題もなく、ワンタッチで開放できる天面部により版原紙の廃棄がさらに迅速・確実に行なえる。
【0087】
請求項2に記載された排版ボックスによれば、さらに天面部を昇降させる基部を操作者の指がかかる操作部で操作し、操作部の両側が一対の案内手段で案内されているので、操作が安定し、天面部が実質的に底面部と平行を保持した状態で移動することができる。
【0088】
請求項3に記載された排版ボックスによれば、天面部の位置固定を、移動可能なストッパ部材を付勢手段で付勢して操作部に係合させて行なう構成としたので、天面部の位置固定が機構的に確実で操作もワンタッチで行なえるという効果がある。
【0089】
請求項4に記載された排版ボックスは、底面部と天面部の各両側部の空隙を側板で閉止しているので、廃棄された孔版原紙が当該空隙から外にこぼれ落ちにくいという効果がある。
【0090】
請求項5に記載された孔版印刷装置によれば、請求項1〜4に記載の排版ボックスを着脱自在としているので、装着した排版ボックスについて以上説明したものと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は孔版印刷装置の全体概略構成図である。
【図2】図2は排版ユニットの斜視図である。
【図3】図3は排版ボックスの平面図である。
【図4】図4は排版ボックスの側面図である。
【図5】図5は排版ボックスの正面図である。
【図6】図6は排版ボックスの背面図である。
【図7】図7は図3のA−A切断線における断面図である。
【図8】図8は図3のB−B切断線における断面図である。
【図9】図9は排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図10】図10は排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図11】図11は天面部が下降した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図12】図12は天面部が下降した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図13】図13は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図である。
【図14】図14は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【図15】図15は天面部を開放した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図16】図16は天面部を開放した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図17】図17は天面部を開放した状態にある排版ボックスの側面図である。
【図18】図18は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図である。
【図19】図19は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【図20】第1従来例の排版ボックスの装着状態を示す概略構成図である。
【図21】(A),(B),(C)は、それぞれ第1従来例の排版ボックスによる孔版原紙の廃棄作業工程を示す斜視図である。
【図22】第2従来例の排版ボックスの装着状態を示す概略構成図である。
【図23】(A),(B),(C)は、それぞれ第2従来例の排版ボックスによる孔版原紙の廃棄作業工程を示す斜視図である。
【図24】本出願人が先に提案した排版ボックス及びその装着状態を示す断面図である。
【図25】本出願人が先に提案した排版ボックスを手で把持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…印刷装置としての孔版印刷装置
70…排版ボックス
72…開口部
73…側板
77…基部
78…操作部
79…案内手段
83…弾性部材としてのコイルばね(ばね)
85…天面部
87…固定手段
92…ストッパ部材
96…付勢手段としてのコイルばね(ばね)
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置の本体に着脱自在に設けられ、使用済みの版を収容する排版ボックス及びこれを使用する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置の一種、例えば孔版印刷装置は、印刷すべき原稿の画像データを読み取るスキャナー部と、このスキャナー部で読み取った画像データに基づいて孔版原紙(版原紙)に穿孔する製版部と、この製版部で製版された孔版原紙を円筒状の版胴に装着し、回転する該版胴に印刷圧を作用させながら印刷用紙を搬送してインク画像を印刷用紙に転写する印刷部と、この印刷部に印刷用紙を給紙する給紙部と、印刷部で印刷された印刷用紙を排紙する排紙部と、版胴に装着された孔版原紙を取り除き、収容しておく排版部とを備えている。
【0003】
そして、新たな画像データによる印刷を行う場合には、版胴に装着されている使用済みの孔版原紙を取り外し、この取り外した孔版原紙を排版ボックスまで搬送し、ここに収容する排版動作を行い、その一方で、新たな画像データに基づいて製版された孔版原紙を版胴に着版して印刷動作を実行するものであり、これを繰り返すことで次々と新たな画像データに基づいて印刷を繰り返し実行することができる。
【0004】
図20には第1従来例の排版ボックス100の装着状態を示す概略構成図が示されている。図20において、版胴101は装置本体102に回転自在に設けられ、この版胴101の外周面に孔版原紙103が巻き付け装着される。この版胴101の外周面の近傍には一対の排版搬送ロール104a、104bが配置され、この一対の排版搬送ロール104a、104bの位置を開口部として排版ボックス100が配置されている。
【0005】
排版ボックス100は、一対の排版搬送ロール104a、104bが配置される前方側の一部と上方側の全部が開口部105として構成され、前方側開口部と反対側には取手部106が設けられている。排版ボックス100は、装置本体102に対して着脱自在に設けられており、この取手部106を手で持ち装置本体102に対し挿入又は引き出し動作を行うことができる。装置本体102側には、排版ボックス100を装着位置に固定し、装置本体102外への引き出しを阻止するロック部材107が設けられている。このロック部材107にはロック操作レバー部107aが一体的に設けられており、このロック部材107による排版ボックス100のロックは、ロック操作レバー部107aを押し下げることで解除される。
【0006】
上記構成において、排版ボックス100が孔版原紙103で満杯になると、図21(A)に示すように、ユーザが一方の手でロック操作レバー部107aを下方に押し下げ、他方の手で排版ボックス100の取手部106を握持して排版ボックス100を装置本体102から引き出す。そして、図21(B)に示すように、取り出した排版ボックス100をゴミ箱等の位置まで運び、これを傾ければ、内部の孔版原紙103が自重によりゴミ箱内に落下する。空になった排版ボックス100を孔版印刷装置の位置まで運び、図21(C)に示すように、一方の手でロック操作レバー部107aを押し下げながら他方の手で取手部106を持って排版ボックス100を装置本体102に挿入し、装着位置まで押し込めば、装置本体102への装着は完了する。
【0007】
図22には第2従来例の排版ボックス110の装着状態を示す概略構成図が示されている。この排版ボックス110とその着脱構造は、下記特許文献1にて開示されたものである。
【0008】
【特許文献1】
公開特許公報(特開平6−199029号)
【0009】
図22において、版胴101は装置本体102に回転自在に設けられ、この版胴101の外周面に孔版原紙103が巻き付け装着される。版胴101の外周面の近傍には一対の排版搬送ロール104a、104bが配置され、この一対の排版搬送ロール104a、104bの位置を開口部として排版ボックス110が配置されている。
【0010】
排版ボックス110は、一対の排版搬送ロール104a、104bが配置される前方側の一部のみが開口部111として構成され、上方側は支持軸112を中心として回転自在の蓋113で被われている。この蓋113の上面中央には、当該蓋113を開放するためのつまみ部114が設けられている。又、排版ボックス110には、前方側開口部111とは反対側に取手部115が設けられており、この取手部115の内側近傍にはロック解除操作部116が設けられている。
【0011】
取手部115を握持すると、ロック解除操作部116も共に握持することによってロックが解除されるよう構成されている。ロック解除操作部116によりロックが解除されるロック部(図示せず)は、排版ボックス110が装置本体102の装着位置から外に引き出されないようにロックするためのものである。排版ボックス110は、取手部115を手で持ち、装置本体102に対して挿入又は引き出し動作を行うことにより、装置本体102に対して自在に着脱することができる。
【0012】
上記構成において、排版ボックス110が孔版原紙103で満杯になると、図23(A)に示すように、ユーザが一方の手で排版ボックス110の取手部115を握持して排版ボックス110を装置本体102から引き出す。そして、図23(B)に示すように、取り出した排版ボックス110を例えばゴミ箱の位置まで運び、傾けると共につまみ部114を他方の手で持って蓋113を開けば内部の孔版原紙103が自重によりゴミ箱内に落下する。空になった排版ボックス110を孔版印刷装置の位置まで運び、一方の手で取手部115を持ち排版ボックス110を装置本体102に挿入し、装着位置まで押し込めば装置本体102への装着は完了する。
【0013】
しかしながら、上記第1従来例の排版ボックス100は、上方が開口しているため、排版ボックス100を装置本体102より引き出した際に、内部の孔版原紙103は圧縮が解除された状態となって膨張し、開口部105の上方側より外にあふれるという問題がある。孔版原紙103が排版ボックス100の外にあふれると、下に落下したり、片手で持ち運びできなかったり、外にあふれる孔版原紙103を押さえた手にインクが付着したりするため、孔版原紙103の廃棄作業が容易でない。
【0014】
又、第2従来例の排版ボックス110では、上方側が蓋113で被われているため、排版ボックス110を装置本体102から引き出した際に内部の孔版原紙103が外にあふれるという問題はない。しかし、排版ボックス110の上方側を被う蓋113は、排版ボックス110の本体に回転自在に支持されているだけなので、排版ボックス110を搬送途中に誤って傾けると蓋113が開いて内部の孔版原紙が外にこぼれ落ちて周囲をインクで汚損することがあるという問題があった。
【0015】
そこで本願出願人は、前述した問題を解決すべく、版原紙の廃棄作業が容易にでき、且つ、構成が簡単で、コスト安である排版ボックスを提供するため、次の特許文献2に開示された排版ボックスを提案した。
【0016】
【特許文献2】
公開特許公報(特開2002−96542)
【0017】
図24に示すように、この排版ボックス200は、装置本体201に着脱自在に設けられて、開口部204から導かれる使用済みの版原紙を内部に収容するものである。そして、この排版ボックス200は、所定間隔をおいて対面する底面部202と天面部203の一端側を弾性変形部205で連結してなる部材であり、全体として略U字形をなしている。底面部202と天面部203の他端側は開口部204となっており、この排版ボックス200を装置本体201の装着位置に正規に装着した状態では、装置本体201の一対の排版搬送ロール206a,206bが開口部204に位置するように構成されている。
【0018】
この排版ボックス200によれば、内部の版原紙が満杯になった場合には、図25に示すように、底面部202と天面部203を手で握持し、双方の面を互いに近接する方向に押圧すれば、弾性変形部205の弾性変形により底面部202と天面部203が近接して内部の版原紙が圧縮される。この状態で排版ボックス200を装置本体201から引き出し、引き出した排版ボックス200をゴミ箱等の廃棄位置まで運び、廃棄位置で底面部202と天面部203への押圧力を緩めれば、弾性変形部205が弾性復帰変形して底面部202と天面部203との間が広がり、圧縮挟持されていた版原紙が自重等により落下する。空になった排版ボックス200を装置本体201に挿入して装着することにより、版原紙の廃棄作業が完了する。
【0019】
排版ボックス200が装置本体201から引き出された際には、版原紙は底面部202と天面部203によって挟持された圧縮状態であることから、外にあふれることがない。また、排版ボックス200の構成は底面部202と天面部203とこれを連結する弾性変形部205とであり、回転支持部等が必要ない。排版ボックス200は、底面部202と天面部203とを手で掴んで持つため、取手部等を別途設ける必要がない。又、底面部202と天面部203とを片手で握持する大きさにすることによって版原紙の廃棄作業を全て片手で行うことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に開示された前記排版ボックスも、印刷装置等に着脱可能に取り付けられる排版ボックスとしては、製造技術上の問題や使用時の使い勝手等の面で必ずしも十分なものとはいえず、解決すべきいくつかの課題の存在が見出されるに至った。
【0021】
すなわち、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、略U字形の一体構造であり、底面部202と天面部203の間にある弾性連結部205によって弾性変形機能が定まるわけであるが、その曲率や板厚等の寸法精度を所定の値に精密に設定しておかないと、ユーザが排版作業において排版ボックス200を片手で掴む際に必要な握力を所要の値に設定できない。つまり、収容した版原紙を圧縮して排版ボックス200を装置本体の外に引き出すために、排版ボックスを片手で掴むのに必要な握力は所定の最適値に設定する必要があるが、U字状の板ばねで所定の弾性を実現するには精密な金型設計と試作・実験が必要であり、製造に多大なコストを要するという問題があった。
【0022】
また、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、上述したように、板材を実質的に略U字形に成形したような基本構造であって、片手で掴むだけで収納した版原紙を圧縮できるが、その長手方向の中央で掴まなければ、細長いスリット状の開口部204が長手方向の全長にわたって均一に閉止されない場合があるという問題があった。例えば、排版作業時に、ユーザが不用意に排版ボックス200の長手方向の一端部側を掴んで装置本体201外に引き出した場合には、開口部204の当該一端部側は閉止されるが、開口部204の他端部側は完全には閉止されず、排版ボックス200を取り外してごみ箱の位置まで運ぶ途中で収容した版原紙が外にこぼれてインクで周囲を汚損する場合があった。
【0023】
さらに、特許文献2に開示された前記排版ボックスによれば、上述したように、板材を実質的に略U字形に成形したような基本構造であり、側面側は開放されているため、排版ボックス200を取り外してごみ箱の位置まで運ぶ途中で収容した版原紙が該側面側から外にこぼれてしまう場合もあった。
【0024】
さらに、特許文献2に開示された前記排版ボックスは、弾性連結部205を含めて一体に構成されているため、使用につれて弾性連結部205が劣化して弾性が変化すると、修理ができず、排版ボックス全体を交換せざるを得ないという問題があった。また、ユーザによっては、弾性連結部205の当初の弾性では強すぎて作業時に大きな握力が必要であるため、弾性連結部205の弾性を小さくしたい場合もありうるが、特許文献2に開示された前記排版ボックスは弾性連結部205を含めた一体構造であるため、かかる弾性の調整は不可能であった。
【0025】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、排版ボックスを片手で掴んで収容した版原紙を圧縮できるタイプの排版ボックスにおいて、排版ボックスを片手で掴んで内部の版原紙を圧縮するのに適当な握力を簡易かつ精密に設定でき、また排版ボックスを片手で掴んだ場合に排版ボックスの開口部が均一に閉止されるために版原紙がこぼれ落ちる問題もなく、さらにまた、開口部を閉じるための弾性について修理や調整が可能であり、製造や使い勝手に優れた排版ボックスと、かかる排版ボックスを備えた孔版印刷装置を提供することを目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された排版ボックスは、印刷装置に着脱自在に設けられて前端の開口部から使用済みの版を内部に収容する排版ボックスにおいて、底面部と、前記底面部の後端に前記底面部に対して上下動可能に設けられた基部と、前記基部を前記底面部から離れる方向に付勢する弾性部材と、前記基部にその後端が回動可能に取り付けられて前記底面部の上方に配置された天面部と、前記天面部が前記底面部に対して平行となる位置で前記天面部を前記基部に対して解除可能に固定する固定手段とを有している。
【0027】
請求項2に記載された排版ボックスは、請求項1記載の排版ボックスにおいて、前記基部は、操作者の指がかかる操作部と、前記操作部の両側に設けられた一対の案内手段とを有し、前記弾性部材は、前記一対の案内手段にそれぞれ設けられたばねであることを特徴としている。
【0028】
請求項3に記載された排版ボックスは、請求項2記載の排版ボックスにおいて、前記固定手段は、天面部に移動可能に設けられたストッパ部材と、該ストッパ部材を前記操作部に係合させる付勢手段とを有することを特徴としている。
【0029】
請求項4に記載された排版ボックスは、請求項1又は2又は3記載の排版ボックスにおいて、前記底面部と前記天面部の各両側部の空隙を閉止するために、前記底面部の両側部にそれぞれ側板を設けたことを特徴としている。
【0030】
請求項5に記載された孔版印刷装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の排版ボックスを着脱自在とする排版ボックス挿入室を設けたことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<孔版印刷装置の構成>
図1〜図19は本発明の一実施形態を示し、この実施形態では本発明を孔版印刷装置の排版ボックスに適用した場合が示されている。図1は孔版印刷装置の全体概略構成図、図2は排版ユニットの斜視図、図3は排版ボックスの平面図、図4は排版ボックスの側面図、図5は排版ボックスの正面図、図6は排版ボックスの背面図、図7は図3のA−A切断線における断面図、図8は図3のB−B切断線における断面図、図9は排版ボックスの前面側から見た斜視図、図10は排版ボックスの背面側から見た斜視図、図11は天面部が下降した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図、図12は天面部が下降した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図、図13は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図、図14は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図、図15は天面部を開放した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図、図16は天面部を開放した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図、図17は天面部を開放した状態にある排版ボックスの側面図、図18は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図、図19は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【0032】
図1において、孔版印刷装置1は、主として原稿読取部2と製版部3と印刷部4と給紙部5と排紙部6と排版部7から構成されている。
【0033】
『原稿読取部』
原稿読取部2は、装置本体10の上面側に設けられた原稿読取ユニット11を有している。この原稿読取ユニット11は、装置本体10の上面に設けられた上方開口部に回転支持軸12を介して取り付けられている。従って、この原稿読取ユニット11は、この上方開口部を塞ぐ閉位置と上方開口部を開放する開位置との間で、回転支持軸12を中心として回動自在である。
【0034】
原稿読取部2は、原稿読取ユニット11の上面に設けられた原稿斜め載置面13と、この原稿斜め載置面13に載置された原稿を搬送する複数の原稿搬送ロール14と、この原稿搬送ロール14を回転させるロール回転駆動手段(図示せず)と、原稿搬送ロール14で搬送される原稿の画像データを読み取るラインイメージスキャナー15とを有している。
【0035】
そして、原稿斜め載置面13に置かれた原稿は、原稿搬送ロール14の回転により搬送され、この搬送される原稿内容をラインイメージスキャナー15が読み取る。
【0036】
『製版部』
製版部3は、装置本体10内に設けられ、ロール巻きにされた長尺状の版原紙である孔版原紙18を収容し、且つ、回転自在に支持する原紙収容部19と、この原紙収容部19に対し孔版原紙18の搬送方向の下流に配置されたサーマルヘッド20と、このサーマルヘッド20の対向位置に配置され、メインモータ(図示せず)の駆動力により回転するプラテンロール21と、サーマルヘッド20及びプラテンロール21に対し孔版原紙18の搬送方向の下流に配置され、孔版原紙18を切断する原紙カッタ22とを有している。
【0037】
前記原稿読取ユニット11を回転支持軸12を中心に上方の開位置へ移動させ、装置本体10の上方開口部を開放すると、装置本体10内にある原紙収容部19が外部に表れる。そして、この外部に対して開放された原紙収容部19から孔版原紙18のロールを出し入れすることにより、該孔版原紙18の交換を行うことができる。サーマルヘッド20は、前記原稿読取ユニット11の下面側に固定されており、プラテンロール21は装置本体10側に支持されている。従って、サーマルヘッド20は、原稿読取ユニット11が開位置にある場合はプラテンロール21から離れた上方の離間位置に位置し、原稿読取ユニット11が閉位置にある場合はプラテンロール21に圧接する圧接位置に位置する。
【0038】
原紙収容部19に新たな孔版原紙18のロールを装着したい場合には、まず原稿読取ユニット11を開位置に設定して原紙収容部19に新たな孔版原紙18のロールを装着する。次に、孔版原紙18のロールから帯状の孔版原紙18を繰り出し、これをプラテンロール21の上を経て所定の経路に配置する。そして、原稿読取ユニット11を閉位置に設定すれば、前記孔版原紙18は、原稿読取ユニット11の下面側にあるサーマルヘッド20とプラテンロール21との間に挟まれる。
【0039】
そして、サーマルヘッド20とプラテンロール21との間に配置された孔版原紙18をプラテンロール21の回転により搬送し、前記ラインイメージスキャナー15で読み取った画像データに基づいてサーマルヘッド20の各点状発熱体を選択的に発熱動作させることにより、孔版原紙18を感熱穿孔して孔版画像を形成し、この製版された孔版原紙18の後端側を原紙カッタ22で切断し、所定長さの孔版原紙18を作成する。
【0040】
『印刷部』
印刷部4は、多孔構造によるインク通過性の部材(例えばスクリーン)で外周壁25aが構成され、メインモータ(図示せず)の駆動力によって図1のa矢印方向に回転する円筒状の版胴25と、この版胴25の外周壁25aに設けられ、孔版原紙18の先端をクランプするクランプ部26とを有している。
【0041】
又、印刷部4は、前記版胴25の内部に配置され、外周壁25aの内周面に接触するスキージロール27と、このスキージロール27に所定のギャップを介して配置されたドクターロール28と、この双方のロール27、28の間のくさびエリアにインクを供給するインク供給部29とを有している。又、スキージロール27に版胴25の外周壁25aを介して対向する外側の位置に配置された押圧ロール30と、この押圧ロール30を版胴25の外周壁25aに押圧する押圧位置(図1の実線位置)と版胴25の外周面から離間する離間位置(図1の仮想線位置)との間で移動させるプレス圧手段(図示せず)とを有している。
【0042】
押圧ロール30は、印刷時には版胴25の回転に連動して押圧位置と離間位置との間を変移し、版胴25の回転に同期して搬送されて来る印刷媒体である印刷用紙31の通過時には押圧位置に位置し、それ以外の時(印刷用紙31の非通過時)には離間位置に位置するよう構成されている。
【0043】
そして、製版部3から搬送される孔版原紙18の先端をクランプ部26でクランプし、このクランプした状態で版胴25が回転して孔版原紙18が版胴25の外周壁25aに巻き付け装着される。版胴25の回転に同期して搬送されて来る印刷用紙31を押圧ロール30が版胴25の孔版原紙18に押圧することにより、印刷用紙31に孔版原紙18の穿孔部分からインクが転写されて画像が印刷される。
【0044】
『給紙部』
給紙部5は、印刷媒体である印刷用紙31が積層される給紙台35と、この給紙台35から最上位置の印刷用紙31のみを送り出す一次給紙ロール36と、この一次給紙ロール36によって送り出された印刷用紙31を版胴25の回転に同期して版胴25と押圧ロール30間に搬送する一対の二次給紙ロール37a、37bとを有している。一次給紙ロール36や二次給紙ロール37a、37bは各給紙クラッチ(図示せず)を介してメインモータ(図示せず)の回転が選択的に伝達されることによって所定タイミングで回転されるよう構成されている。
【0045】
『排紙部』
排紙部6は、版胴25と押圧ロール30によって印刷が行なわれる位置よりも搬送方向の下流側であって版胴25の外周壁25aに近接した位置に配置された用紙分離爪部40と、この用紙分離爪部40と版胴25の外周壁25aとの間にエアーを吹き付ける送風手段41と、版胴25の外周壁25aより離間した印刷用紙31を受け取り、この受け取った印刷用紙31を搬送するベルト搬送手段42と、ベルト搬送手段42の最下流の下方位置に配置され、排出される印刷用紙31を受け入れて積層状態で載置する排紙台43とを有している。
【0046】
ベルト搬送手段42は、一対のベルト掛け部材44a、44bと、この一対のベルト掛け部材44a、44b間に掛けられたベルト45と、このベルト45の印刷用紙31の搬送面側を吸引するための吸引手段(図示せず)と、上記ベルト掛け部材44a(又は44b)を介してベルト45をメインモータ(図示せず)の駆動力によって回転駆動させるベルト駆動手段(図示せず)とを有している。そして、印刷された印刷用紙18の先端を送風手段41のエアーや用紙分離爪部40の引き剥がしで版胴25から離間させ、版胴25から離れた該印刷用紙31をベルト搬送手段42によって排紙台43まで搬送するものである。
【0047】
『排版部』
排版部7は、装置本体10の上面側に移動自在に設けられた排版ユニット50を有している。この排版ユニット50は、装置本体10に対して平行リンク部材51a、51bを介して連結されており、装置本体10の上面側に設けられた前述した上方開口部を塞ぐ閉位置と、該上方開口部を開放する開位置との間を、平行移動できるように構成されている。つまり、装置本体10の上面側は上方開口部とされているが、ここに前述した原稿読取ユニット11と該排版ユニット50とが配置され、これらユニット11、50を開位置に移動させることにより装置本体10の上面側がほぼ全開状態で開放される構成となっている。
【0048】
排版部7は、版胴25に巻き付け装着された孔版原紙18の先端がクランプ解除され、このクランプ解除された孔版原紙18を版胴25から引き剥がしながら搬送する排版搬送手段である一対の排版搬送ロール52a、52bと、この一対の排版搬送ロール52a、52bによって搬送されて来る孔版原紙18を収納する排版ボックス70とを有している。一対の排版搬送ロール52a、52bは、排版ユニット50側に支持されており、排版ユニット50が閉位置に設定された場合には、排版搬送ロール52bに排版クラッチ(図示せず)を介してメインモータ(図示せず)の回転が選択的に伝達されるよう構成されている。
【0049】
『排版ボックスの構成』
次に、排版ボックス70に係わる構成を図2〜図10を用いて詳しく説明する。以下の説明では、排版ボックス70の各部分ごとに、必要に応じて当該部分の構造の特徴が最もよく表れている図を挙げて説明するが、これは当該部分がその他の図に記載されていないことを意味しない。
【0050】
図2に示すように、排版ユニット50には上プレート50aと下プレート50bで囲まれた排版ボックス挿入室54が構成されており、この排版ボックス挿入室54の後方部は装置本体10の外部に露出している。この後方の露出部から、排版ボックス70を前記排版ボックス挿入室54内に挿入して装着できる。反対に、前記排版ボックス挿入室54内に装着された排版ボックス70を引き出して装置本体10の外部に取り出すことができる。
【0051】
図1乃至図2に示すように、この排版ボックス70は、排版ボックス挿入室54内の装着位置では、前端側の開口部71が一対の排版搬送ロール52a、52bに臨むように配置され、排版搬送ロール52a,52bによって搬送された使用済みの孔版原紙を開口部71から受け入れて内部に収容することができる。
【0052】
図9又は図10に示すように、排版ボックス70は、少なくとも孔版原紙18の幅以上の幅を有する略平板状の底面部72を有している。底面部72の左右の側縁には、それぞれ所定高さの側板73が設けられている。また、底面部72の後端には所定高さの後壁74が設けられている。図8に示すように、後壁74の内面は湾曲面をもって底面部72の内面 (上面)に連続している。図10に示すように、この後壁74の中央には上端に開放された開口75が形成されており、後壁74を左後壁74aと右後壁74bの2つに分割している。また、後壁74の前記開口75の下方には、排版ボックス70を掴む際の手掛かりとなる凹部76が形成されている。
【0053】
図10に示すように、前記左後壁74aと右後壁74bの間には、上下動可能な部材である基部77が設けられている。この基部77は、後壁74の開口75に横置きで配置される略直方体形の操作部78と、該操作部78の両端部の下面から下方に突出した一対の案内手段79(図8参照)とを有している。前記操作部78は、その後面中央に操作者が親指を乗せるための操作突起80を有している。また、前記案内手段79は棒状であり、図3に示すように、その径は平面視において操作部78の端部よりも小さく、図8に示すように、その長さは後壁74の高さの半分程度である。
【0054】
一方、図10に示すように、前記左後壁74a及び右後壁74bには、その上端面と前記開口75の内側面との双方に開口する案内孔81が形成されている。この案内孔81は、図8に示すように、前記後壁74の開口75の底に相当する位置まで形成されている。
【0055】
そして、図10に示すように、この両案内孔81に操作部78の両端部と前記一対の案内手段79,79が挿入されており、これによって基部77は全体として後壁74に対して上下移動可能となっている。ここで、操作部78の両端部は案内孔81の内面に接して摺動可能となっている。また、図8に示すように、案内孔81の底には案内手段79が摺動可能に出没する摺動孔82が形成されている。そして、この案内孔81の内部には弾性部材としてのコイルばね83が設けられているが、このばね83は案内手段79の周囲に設けられており、その上端は操作部78の端部の下面に当接している。
【0056】
従って、操作者が、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛けて握り方向に力を入れれば、ばね83の付勢力に抗しながら操作部78は案内孔81に沿って底面部72に対して平行を保持した状態で下降することができる。このとき、案内手段79は摺動孔82から下方に突出する。
【0057】
図9に示すように、前記基部77には、天面部85の後端が回動軸86をもって回動可能に取り付けられている。天面部85は、前記底面部72と同様、少なくとも孔版原紙18の幅以上の幅を有する略平板状の板部材であり、前記底面部72の上方に配置される。
【0058】
図3、図9等に示すように、前記天面部85には、前記天面部85が前記底面部72に対して平行となる位置で前記天面部85を前記基部77に対して固定する固定手段87が設けられている。すなわち、天面部85の上面中央には、溝88とカバー89からなる案内路90と、貫通孔を有する板部91とが設けられている。前記案内路90内には、板状のストッパ部材92が摺動可能に設けられている。ストッパ部材92は一端側が上方に立ち上げられた操作片93である略L字形の板材であり、その操作片93には案内棒94が取り付けられている。該案内棒94は前記板部91の貫通孔を挿通しており、その先端には抜け止め95が設けられている。そして、ストッパ部材92の操作片93と板部91との間において、該案内棒94の周囲には付勢手段としてのコイルばね96が設けられている。このばね96はストッパ部材92を板部91と反対側に向けて付勢し、ストッパ部材92の他端を天面部85の後端から外方に突出させる。一方、前記ストッパ部材92の他端に隣接する前記基部77の操作部78には、前記天面部85が前記底面部72と平行になった状態で前記ストッパ部材92の他端が係合する係合部97が形成されている。
【0059】
従って、通常は、天面部85は底面部72と平行になった状態でストッパ部材92によって操作部78に固定されているが、ストッパ部材92の操作片93をばねの付勢力に抗して板部91に向けて押せば、ストッパ部材92の他端が操作部78の係合部97から外れるので、天面部85は基部77に対して回動可能となり、天面部85を上方に向けて回動させれば排版ボックス70の内部空間を開放することができる。
【0060】
図3、図9等に示すように、底面部72と天面部85の前端側には、前方に向け、かつ互いに近接する方向に突出する握持爪部72a,85aがそれぞれ設けられている。この一対の握持爪部72a,85aの先端側には、一対の排版搬送ロール52a、52bとの干渉を避けるための凹部72b,85bが設けられており、一対の握持爪部72a,85aの先端を一対の排版ロール52a、52bに十分近接させて配置できるようになっている。
【0061】
図3、図9等に示すように、天面部85の前端側には上方に突出するロック部98が設けられている。また、排版ボックス70を排版ユニット50に装着した際、前記ロック部98に対向する排版ユニット50の所定位置には、ロック部98に係止するロック係止部55(図2に示す)が設けられている。排版ボックス70は、前端側の開口部71を閉じる方向に天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54内に挿入可能である。そして、この装着位置で手を離せば、ばね83の付勢力によって天面部85が上方の原位置に復帰し、ロック部98がロック係止部55に係止されるので、排版ボックス挿入室54からの引き出しが阻止される。操作部78を押えて天面部85を下降させれば、ロック部98がロック係止部55から離れてロックが解除されるので、排版ボックス70を装置本体10外に引き出すことができる。
【0062】
なお、図3、図9等に示すように、底面部72と天面部85の各内面、及び、一対の握持爪部の各内面には、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられている。
【0063】
<製版及び印刷動作>
次に、上記孔版印刷装置1の製版、印刷動作を簡単に説明する。製版動作が選択されると、版胴25に孔版原紙18が巻付け装着されているか否かをチェックし、装着されている場合には孔版原紙18の先端のクランプを解除し、孔版原紙18の先端を一対の排版搬送ロール52a、52b間に導き、一対の排版搬送ロール52a、52bの回転により孔版原紙18を版胴25より剥ぎ取りながら搬送する。一対の排版搬送ロール52a、52bにより搬送された孔版原紙18は排版ボックス53の開口部71より内部に送り込まれ、これで排版動作が終了する。
【0064】
排版処理が終了すると、原稿読み取り動作により読み取った画像データに基づき孔版原紙18にサーマルヘッド20にて感熱穿孔する。そして、製版された孔版原紙18が版胴25に巻き付け装着される着版処理が行われ、これで製版動作が終了する。
【0065】
次に、印刷動作が選択されると、給紙台35上に印刷用紙31があるか否かをチェックし、印刷用紙31がなければ紙なしエラー処理を行う。又、孔版原紙18が版胴25に着版されているか否かをチェックし、孔版原紙18が着版されていなければ版無しエラー処理を行う。又、スキージロール27及びドクターロール28間のインク溜まりにインクがあるか否かをチェックし、インクがなければインク無しエラー処理を行う。
【0066】
そして、これらのチェックを全て通ると、版胴25が回転され、この回転に同期して給紙部5より印刷用紙31が版胴25に給紙される。この給紙された印刷用紙31は押圧ロール30で版胴25の孔版原紙18に押圧されることによって印刷用紙31にインク画像が転写され、印刷された印刷用紙31は用紙分離爪部40や送風手段41等の作用により版胴25の外周壁25aより剥離されてベルト搬送手段42で搬送され、ベルト45の最下流より排紙台43に排出される。排紙台43に排紙された印刷用紙31はここで積層状態で載置される。この印刷動作が設定枚数だけ行われて印刷動作が完了する。
【0067】
<孔版原紙の廃棄動作>
次に、排版ボックス70内に収納された孔版原紙18を装置本体10外に廃棄する際の動作について説明する。以下の説明にあたっては、天面部85が所定位置から下降した状態を示す図11〜図19を主として参照する。
【0068】
排版ボックス70の内部にある孔版原紙18が満杯になると、図示しない操作者が、排版ボックス70を装置外に取り出す。すなわち、操作者は、図10において、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛け、握る方向に力を入れる。図11〜図14に示すように、ばねの付勢力に抗して操作部78は案内孔81に沿って平行に下降する。操作部78は、その両端で案内されているので、移動状態が安定しており、移動中に傾くことがない。従って、操作部78に連結された天面部85は底面部72と略平行な状態を保持しながら底面部72に接近することができ、その結果、該排版ボックス70内に収納されていた使用済みの孔版原紙は一様に圧縮される。また、前述したようにロック部98がロック係止部55から離れてロックが解除されるので、排版ボックス70を排版ユニット50から外して装置本体10外に取り出すことができる。
【0069】
排版ボックス挿入室54から引き出した排版ボックス70をゴミ箱等の廃棄位置まで運ぶ。ここで、底面部72と天面部85の各先端側にある開口部71は均一に閉止されているので、背部の孔版原紙が外にこぼれ落ちるおそれはない。また、底面部72と天面部85の各両側部は、その少なくとも一部が側板73で覆われているので、底面部72と天面部85の側面側の隙間から廃棄された孔版原紙が外にこぼれ落ちるおそれも少ない。さらに、天面部85は固定手段87によって固定されているので、排版ボックス70を搬送途中に傾けても天面部85が誤って開いてしまうことはなく、内部の孔版原紙が外にこぼれ落ちることはない。
【0070】
ゴミ箱等の廃棄位置において、操作者は操作部78の操作突起80に加えていた力を弱める。操作部78はばねの付勢力によって上方の原位置に戻り、天面部85もこれと共に上昇して底面部72との間隔が広がり、排版ボックス70の前端側の開口部71が広がる(図9参照)。この状態で排版ボックス70を開口部71を下にして傾ければ、排版ボックス70内に収納されていた廃棄された孔版原紙は開口部71から出て落下し、ゴミ箱等に廃棄される。開口部71から孔版原紙が出にくい場合には、開口部71を下に向けた状態で排版ボックス70を左右に傾ければ、側板73の前方において開いている天面部85と底面部72の側縁の間隙から、廃棄された孔版原紙が外に出て落下し、ゴミ箱等に廃棄される。
【0071】
上述のように天面部85と底面部72の間隔が最も広い状態で、前端側の開口部71や天面部85と底面部72の側縁の間隙から孔版原紙が排出されない場合には、図11に示すように天面部85を下降させて底面部72との間で孔版原紙を圧縮した状態において、排版ボックス70を下に向けたまま、図15に示すように天面部85の固定手段87を解除して天面部85を開き、排版ボックス70の内部空間を開放する。
【0072】
すなわち、操作者は、片手で排版ボックス70の基部77等を保持したまま (図11に示す状態)、もう一方の手でストッパ部材92を操作する。ストッパ部材92の操作片93をばね96に抗して板部91の側に向けて移動させれば、ストッパ部材92の他端は操作部78の係合部97から外れ、天面部85は回動軸86を中心として回動可能となる。具体的には、親指と人差し指で操作片93と板部91をつまんで操作片93によるロックを解除し、操作片93と板部91をつまんだまま上方に持ち上げて図15に示すように天面部85を上方に回動させる。このような簡単な操作で排版ボックス70の内部空間が全面的に開放され、排版ボックス70内にある圧縮された孔版原紙は自重等により確実に外に落下してゴミ箱等に廃棄される。
【0073】
そして、廃棄後には操作片93と板部91から指を離すだけで、天面部85は自重で閉止方向に回動し、ストッパ部材92はばね96の付勢力で原位置に戻るので、ストッパ部材92が再び操作部78の係合部97に係合し、天面部85は底面部72と略平行な状態に自動的にロックされる。
【0074】
廃棄後、排版ボックス70を再び排版ユニット50に装着する場合には、天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54に挿入し、所定位置に設定後、手を離す。ばね83の復元力により天面部85が上昇して原位置に戻り、ロック部98がロック係止部55に係合してロックされる。操作部78を掴まない限り排版ボックス70は排版ユニット50に確実に装着され、装置本体10から不用意に外れる等の不都合は生じない。
【0075】
<実施形態の効果>
本例の排版ボックス70によれば、排版ボックス70を片手で掴んで内部の版原紙を圧縮する際に必要な握力は、ばね83の弾性力によって決まるので、適当なばね定数のばね83を選定すれば、天面部85の下降による圧縮に必要な力を簡易かつ精密に設定できる。
【0076】
また排版ボックス70の操作部78を片手で掴んだ場合、天面部85が連結された操作部78はその両端部において一対の後壁74a,74bの案内孔81,81で安定して案内されているので、天面部85は底面部72と平行な状態を保って下降でき、排版ボックス70の開口部71は均一に閉止される。このため、排版ボックス70を装置本体10外で持ち運ぶ途中で版原紙がこぼれ落ちる問題もない。
【0077】
さらにまた、操作部78に設けられたばね83は当然交換可能であるので、天面部85の下降に必要な操作力が大きすぎる場合には、これを小さくするためにばね83を交換することができる。また、使用によりばね83の弾性が経年変化した場合にも交換することができる。
【0078】
上記孔版原紙18の廃棄作業において、排版ボックス70が装置本体10より引き出された際には、孔版原紙18は底面部72と天面部85との間で圧縮され、挟持された状態であることから、外にあふれることがなく、孔版原紙18の廃棄作業が容易にできる。
【0079】
又、上記実施形態では、底面部72と天面部85との開口部71の一端側には、前方方向で、且つ、互いに近接する方向に突出する握持爪部85a,72aが設けられているので、開口部71付近に位置する孔版原紙18には開口部71より内部に位置する孔版原紙18よりも一対の握持爪部85a,72aによって大きな圧縮力が作用するため、開口部71付近の孔版原紙18を確実に握持でき、孔版原紙18の廃棄残し等による排版のジャミング防止に有効である。
【0080】
又、上記実施形態では、ばね83の付勢力に抗して天面部85を下降させた状態で排版ボックス挿入室54に排版ボックス70を装着し、この装着位置で手を離せば、ばね83の復元力で天面部85が元の上方の位置に復帰して排版ボックス70が排版ボックス挿入室54から引き出せないようにロックされる。そして、このロックを解除するためには、ばね83の付勢力に抗して天面部85を下降させればよい。すなわち、排版ボックス70の引き出し動作を行う際には、操作部78の操作突起80に親指を掛け、他の指を後壁74の凹部76に掛けて握り方向に力を入れれば、ばね83の付勢力に抗しながら操作部78は案内孔81に沿って下降し、従って天面部85は底面部72に対して平行を保持した状態で下降する。これによって排版ボックス70内の孔版原紙18が圧縮挟持されると共にロック部98のロックが解除となるので、片手で掴んだそのままの状態で該排版ボックス70を装置本体10外に取り出すことができる。
このように、本例によれば、ロック解除やロックするための操作を別個に行う必要がなく取扱いが容易である。
【0081】
尚、上記実施形態では、排版ボックス70側のロック部98が突起形状を有し、装置本体10側(排版ボックス挿入室54側)のロック係止部55が溝形状を有するが、逆に、排版ボックス70側のロック部98が溝形状で、装置本体10側のロック係止部55が突起形状であっても良い。但し、装置本体10側のロック係止部が突起形状の場合にはロック時にロック係止部が天面部85にあまりにも突出して孔版原紙18の引き込み動作の支障にならないように設計する必要がある。
【0082】
又、上記実施形態では、底面部72と天面部85の各内面には、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられているので、内部に収容された孔版原紙18がリブ99を介してしか底面部72や天面部85に密着せず、密着面積が非常に小さいため、孔版原紙18がインク等の粘着性等によって底面部72や天面部85に密着して取れにくいという事態を防止でき、廃棄作業がスムーズにできる。
【0083】
又、上記実施形態では、一対の握持爪部85a,72aの各内面にも、孔版原紙18が挿入する方向に沿って複数のリブ99が設けられているので、一対の握持爪部85a,72aで握持された孔版原紙18もリブ99を介してしか各握持爪部85a,72aに密着せず、密着面積が非常に小さいため、孔版原紙18がインク等の粘着性等によって一対の握持爪部85a,72aに密着して取れないという事態を防止でき、廃棄作業がスムーズにできる。
【0084】
又、上記実施形態では、一対の握持爪部85a,72aの先端側には、装置本体10側の排版搬送ロール52a、52bとの干渉を避けるための凹部85b,72bが設けられているので、排版搬送ロール52a、52bの搬送最下流の付近まで一対の握持爪部85a,72aの先端を位置させることができるため、開口部71付近の孔版原紙18を確実に廃棄でき、孔版原紙18の廃棄残し等による排版のジャミング防止に有効である。
【0085】
尚、上記実施形態によれば、排版ボックス70を孔版印刷装置1に使用した場合を示したが、印刷に使用した版原紙を収容する排版ボックスを装置本体に有する印刷装置に適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
請求項1に記載された排版ボックスによれば、天面部の下降による圧縮に必要な力を精密に設定できるので製造が容易であり、修理等に便利である。また、天面部と底面部の平行状態を保持して圧縮でき、開口部の閉止が一様なので、版原紙がこぼれ落ちる問題もなく、ワンタッチで開放できる天面部により版原紙の廃棄がさらに迅速・確実に行なえる。
【0087】
請求項2に記載された排版ボックスによれば、さらに天面部を昇降させる基部を操作者の指がかかる操作部で操作し、操作部の両側が一対の案内手段で案内されているので、操作が安定し、天面部が実質的に底面部と平行を保持した状態で移動することができる。
【0088】
請求項3に記載された排版ボックスによれば、天面部の位置固定を、移動可能なストッパ部材を付勢手段で付勢して操作部に係合させて行なう構成としたので、天面部の位置固定が機構的に確実で操作もワンタッチで行なえるという効果がある。
【0089】
請求項4に記載された排版ボックスは、底面部と天面部の各両側部の空隙を側板で閉止しているので、廃棄された孔版原紙が当該空隙から外にこぼれ落ちにくいという効果がある。
【0090】
請求項5に記載された孔版印刷装置によれば、請求項1〜4に記載の排版ボックスを着脱自在としているので、装着した排版ボックスについて以上説明したものと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は孔版印刷装置の全体概略構成図である。
【図2】図2は排版ユニットの斜視図である。
【図3】図3は排版ボックスの平面図である。
【図4】図4は排版ボックスの側面図である。
【図5】図5は排版ボックスの正面図である。
【図6】図6は排版ボックスの背面図である。
【図7】図7は図3のA−A切断線における断面図である。
【図8】図8は図3のB−B切断線における断面図である。
【図9】図9は排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図10】図10は排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図11】図11は天面部が下降した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図12】図12は天面部が下降した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図13】図13は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図である。
【図14】図14は天面部が下降した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【図15】図15は天面部を開放した状態にある排版ボックスの前面側から見た斜視図である。
【図16】図16は天面部を開放した状態にある排版ボックスの背面側から見た斜視図である。
【図17】図17は天面部を開放した状態にある排版ボックスの側面図である。
【図18】図18は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図7と同一の切断線における断面図である。
【図19】図19は天面部を開放した状態にある排版ボックスの図8と同一の切断線における断面図である。
【図20】第1従来例の排版ボックスの装着状態を示す概略構成図である。
【図21】(A),(B),(C)は、それぞれ第1従来例の排版ボックスによる孔版原紙の廃棄作業工程を示す斜視図である。
【図22】第2従来例の排版ボックスの装着状態を示す概略構成図である。
【図23】(A),(B),(C)は、それぞれ第2従来例の排版ボックスによる孔版原紙の廃棄作業工程を示す斜視図である。
【図24】本出願人が先に提案した排版ボックス及びその装着状態を示す断面図である。
【図25】本出願人が先に提案した排版ボックスを手で把持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…印刷装置としての孔版印刷装置
70…排版ボックス
72…開口部
73…側板
77…基部
78…操作部
79…案内手段
83…弾性部材としてのコイルばね(ばね)
85…天面部
87…固定手段
92…ストッパ部材
96…付勢手段としてのコイルばね(ばね)
Claims (5)
- 印刷装置に着脱自在に設けられて前端の開口部から使用済みの版を内部に収容する排版ボックスにおいて、
底面部と、
前記底面部の後端に前記底面部に対して上下動可能に設けられた基部と、
前記基部を前記底面部から離れる方向に付勢する弾性部材と、
前記基部にその後端が回動可能に取り付けられて前記底面部の上方に配置された天面部と、
前記天面部が前記底面部に対して平行となる位置で前記天面部を前記基部に対して解除可能に固定する固定手段と、
を有する排版ボックス。 - 前記基部は、操作者の指がかかる操作部と、前記操作部の両側に設けられた一対の案内手段とを有し、
前記弾性部材は、前記一対の案内手段にそれぞれ設けられたばねである請求項1記載の排版ボックス。 - 前記固定手段は、天面部に移動可能に設けられたストッパ部材と、該ストッパ部材を前記操作部に係合させる付勢手段とを有する請求項2記載の排版ボックス。
- 前記底面部と前記天面部の各両側部の空隙を閉止するために、前記底面部の両側部にそれぞれ側板を設けた請求項1又は2又は3記載の排版ボックス。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の排版ボックスを着脱自在とする排版ボックス挿入室を設けたことを特徴とする孔版印刷装置。
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