JP2004249656A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体およびその製造方法に関し、特にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルムまたはポリエステルフィルムなどからなる基材に対して優れた接着強度を有し、かつ揮発性成分や揮発性成分を含む各種強浸透性内容物が作用しても基材とシーラント層間の接着強度が低下しないようにした積層体およびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体であって、接着層は、アミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層とを順設してなる二層構成であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体およびその製造方法に関し、特にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、またはポリエステルフィルムなどからなる基材に対して優れた接着強度を有し、かつ揮発性成分や揮発性成分を含む各種強浸透性内容物が作用しても基材とシーラント層間の接着強度が低下しないようにした積層体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品や医薬品などを包装する包装材料としては、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/シーラント層の各層が積層されてなる積層体や、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層の各層が積層されてなる積層体が広く用いられてきた。その内、前者の積層体におけるアルミ箔層とシーラント層との貼り合わせは、通常はアルミ箔層にシーラント層となる樹脂、例えばポリエチレン、またはエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)などをエクストルーダーを用いてそのまま押出ラミネートすることによって行うか、あるいは、アルミ箔層に二液硬化型ポリウレタン系のアンカーコート剤などを塗布してから、シーラント層となる樹脂を押出ラミネートをすることにより行っていた。
また、後者の積層体のポリエステル層とシーラント層との貼り合わせは、通常はポリエステルフィルムに二液硬化型ポリウレタン系などのアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層を押出ラミネートすることにより行っていた。
そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、包装材料により包装される収納物には、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、高沸点有機溶剤などを含有するものが多くあり、これらの収納物を包装すると、接着層の接着剤に悪影響を及ぼし、積層体におけるラミネート強度の低下を招いたり、剥離が生じることがあった。
【0004】
このような状況に対応するため、ラミネート加工に使用される接着剤の改良が種々行われており、アルカリ性の高い収納物に対する耐性を向上し、さらには各種プラスチックフィルムや金属箔に対する接着力を向上させた接着剤などが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、包装する収納物が湿布薬や浴用剤などの場合、これらには揮発性物質が含まれているので、前記したような構成の積層体や上記接着剤を使用して得られる積層体を包装材料として使用し、これらの収納物を包装した時、揮発性物質の強い浸透力によって、上記のアルミ箔とシーラント層間、あるいはポリエステルフィルムとシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平10―130615号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体およびその製造方法、特にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、または金属酸化物蒸着フィルムなどからなる基材に対する優れた接着強度を有し、かつ揮発性成分や揮発性成分を含む各種強浸透性内容物が作用してもその接着強度が低下しないようにした積層体およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題点を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体であって、接着層は、アミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層とを順設してなる二層構成であることを特徴とする積層体である。
【0009】
さらにまた、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の積層体において、基材が、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、またはポリエステルフィルムのいずれかからなることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の積層体において、基材はその接着層形成面に少なくともアルミニウム面あるいは金属酸化物蒸着面が位置しており、その表面には熱水変性処理が施されていることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項3記載の積層体において、熱水変性処理がであることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体において、接着層の第2接着層上にはポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂のいずれかからなるシーラント層が形成されていることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体の製造方法であって、基材上にアミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層とを順次積層して二層構成の接着層を設けてから、接着層上にシーラント層を設けることを特徴とする積層体の製造方法である。
【0014】
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項6記載の積層体の製造方法において、基材として接着層を設ける側にアルミニウム面あるいは金属酸化物蒸着面が位置するものを使用し、このアルミニウム面あるいは金属酸化物蒸着面に熱水変性処理を施した後に二層構成の接着層を設けることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の積層体の製造方法において、熱水変性処理がベーマイト処理であることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の積層体の製造方法において、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂のいずれからなるシーラント層を接着層の第2接着層上に設けることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明の積層体の一構成例を示す概略断面図である。図示の積層体5は、基材1上に接着層2とシーラント層3とがこの順次で積層されている。また、接着層2は基材1とシーラント層3との間に挟まれて積層されていて、第1接着層21と第2接着層22とからなる二層構成になっている。
【0018】
基材1としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックの延伸または未延伸のフィルムや、各種プラスチックフィルムにポリビニルアルコールを塗工したり、アルミニウムなどの金属や酸化珪素などの金属酸化物の薄膜を蒸着した加工フィルム、さらにはアルミ箔などが適用できる。
本発明の積層体が包装材料として利用され、さらには包装する内容物が揮発性成分を揮散することが想定されるような場合には、揮発成分の透過を防ぎ接着層への影響を少なくするため、基材としてアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、またはポリエステルフィルムを選択することがより好ましい。
【0019】
また、基材1としてアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルムを用いる場合、その上面に設ける接着層2との接着性を高めるため、その表面に熱水変性処理を施しておくことがより好ましい。熱水変性処理を施す際に使用する処理水としては水道水、脱イオン水、蒸留水、あるいは脱イオン後に蒸留した蒸留水などが使用可能であるが、特に、脱イオン化された蒸留水が好ましく、中でも電気伝導度が1μs/cm以下の蒸留水を使用すると、処理表面に不純物の塗膜がすくなくなり、より好ましい。また、これらの処理水に、少量のアンモニアやトリエタノールアミンなどのアミン類のようなアルカリを0.1〜1%程度添加して熱水変性処理をしてもよい。
アルミニウム面への熱水変性処理に際しては、その処理温度によって様々な水和酸化物層がその表面に形成されるが、処理温度を常圧下で80〜100℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲に設定して熱水変性処理を施し、水和酸化物としてベーマイトが形成されるようにすることがより好ましい。
【0020】
一方、基材となり得るポリエステルフィルムにはノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプなどに様々なタイプのものがあるが、その一方の面にコロナ処理などの表面処理がなされていて接着層が安定的に形成できるようになっていれば、いずれのタイプのポリエステルフィルムでも基材として使用可能である。
【0021】
このような構成の基材1上に設ける接着層2は、前述したように、第1接着層21と第2接着層22の二層構成となっている。
第1接着層21は基材1側に位置する層であって、アミン含有ポリマーからなるものである。また、その上に設けてある第2接着層22さらにその上に設けるシーラント層3と接する層であり、はイソシアネート化合物からなるものである。
【0022】
上記アミン含有ポリマーとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンを含有するポリマーであればよく、例えば、ポリエチレンイミン、アミングラフトポリマーなどの水系あるいは溶剤系のいずれのもが使用可能である。それらの中では数平均分子量が10,000〜100,000程度のものが好ましく用いられる。
【0023】
一方、上記イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いても構わない。
【0024】
これらの構成材料からなる第1接着層21と第2接着層22は積層して二層構成とすることにより、第1接着層21は基材1の表面と強固に接着するように作用し、また第2接着層22は第1接着層21と基材1の表面で反応するように作用し、延いてはこれらの協働により、薬効成分や香料成分などの揮発性物質や揮発性物質を含む各種強浸透性物が本発明の積層体に作用しても、基材1と後述するシーラント層3との間のラミネート強度が低下することがなく、所期の接着性と強浸透性内容物耐性が共に得られるようになる。
これらの各接着層21、22は、前記したアミン含有ポリマーやイソシアネート化合物の固形分割合を0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%で含有する塗工液により塗工し、その乾燥時の厚みが0.1μm〜2μm程度の薄層となるように設ければよい。
【0025】
一方、上記した接着層2の第2接着層21面上に設けるシーラント層3は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などからなる層である。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などにより設けられる。これらの構成材料には、必要に応じて、各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
【0026】
以上、本発明に係る積層体について説明したが、本発明の積層体は図示のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。
【0027】
このような構成の積層体は、次のようにして製造される。
まず、アルミ箔などの基材の一方の面に、アミン含有ポリマーを固形分割合として0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%の割合で含む塗工液をグラビアコーティング、ロールコーティングなどの塗工方法で塗工し、十分に乾燥させて第1接着層を設ける。次に、第1接着層の上に、イソシアネート化合物を固形分割合として0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%の割合で含む塗工液をグラビアコーティング、ロールコーティングなどの塗工方法で塗工し、十分に乾燥させて第2接着層を積層し、第1接着層と第2接着層との二層構成になる接着層を設ける。
そして最後に、この接着層上に、例えばポリエチレンなどからなるシーラント層を押し出しラミネート法などにより積層し、基材/二層構成の接着層/シーラント層の積層構成になる積層体を得る。
【0028】
以上のような製造方法によれば、基材とのラミネート強度、特にアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルムまたはポリエステルフィルムなどの基材に対する良好なラミネート強度を示し、かつ揮発性物質や揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても、基材とシーラント層とのラミネート強度が低下しない積層体を製造することができる。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの一方の面に二液硬化型ポリウレタン系接着剤からなる接着層を介して厚さ9μmのアルミ箔をドライラミネート法により貼り合わせ、アルミ箔積層体(基材)を得た。
次に、上記基材のアルミ箔側に数平均分子量50,000のポリエチレンイミンを固形分比で1wt%の含有割合になるように調整した塗工液をロールコーターにより塗工し、十分に乾燥し、厚さが1μmの第1接着層を設けた。
続いて、第1接着層の上に、トリレンジイソシアネートのアダクトタイプを固形分比で2wt%の含有割合になるように調整した塗工液を塗工しながら、厚み40μmの低密度ポリエチレンを加工速度50m/minで押出ラミネート法により押し出し積層し、第2接着層とシーラント層をさらに設け、実施例1に係る積層体を得た。
【0030】
[実施例2]
基材として、アルミ蒸着ポリエステルフィルム(ポリエステルフィルムの厚さ12μm、アルミ蒸着層の厚さ30nm)を使用した以外は実施例1と同様の方法で実施例2に係る積層体を得た。
【0031】
[実施例3]
実施例1で作製した基材を、pH7〜9に調製した沸騰状態(約95℃)の脱イオン化済み蒸留水に3分間浸漬し、そのアルミ箔表面に熱水変性処理を施したものを基材として使用し、第1接着層形成用の塗工液としては、1級アミングラフトアクリル系ポリマーを固形分比で1wt%の含有割合になるように調整したものを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で実施例3に係る積層体を得た。
【0032】
[実施例4]
基材としては、その一方の面にコロナ処理を施した厚さが12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し、また第1接着層形成用の塗工液としては1級アミングラフトアクリル系ポリマーを固形分比で1wt%の含有割合になるように調整した塗工液を使用し、さらに第2接着層形成用の塗工液としてはヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプを固形分比で1wt%の含有割合になるように調整した塗工液を使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で実施例4に係る積層体を得た。
【0033】
[比較例1]
実施例1で作製した基材のアルミ箔上に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工しながら、厚み40μmの低密度ポリエチレンを押出ラミネート法により加工速度50m/minで押し出し積層し、単層構成の接着層を有する比較例1に係る積層体を得た。
【0034】
[比較例2]
基材としては実施例3で作製した基材を使用し、それ以外は比較例1と同様の方法で単層構成の接着層を有する比較例2に係る積層体を得た。
【0035】
[比較例3]
基材として、一表面にコロナ処理を施した厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し、それ以外は比較例1と同様の方法で比較例3に係る積層体を得た。
【0036】
以上のようにして得られた実施例1〜4、および比較例1〜3のそれぞれの積層体を用いて2個ずつ、計14個袋を製袋し、同じ積層体からなる2個の袋のそれぞれの中に湿布薬(揮発性の強浸透性物質としてサリチル酸メチルやメントールを含有)と、浴用剤(揮発性の強浸透性物質として香料成分を含有)を収納、密封し、40℃の恒温室内に放置した。
3カ月経過後にこれらの袋を恒温槽から取り出し、それぞれの袋の基材とシーラント層間のラミネート強度[N/15mm]を測定し、恒温槽に入れる前の袋におけるラミネート強度と比較し、評価した。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。
恒温槽投入前と後におけるラミネート強度の測定結果をまとめて表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004249656
【0038】
表1からも明らかなように、実施例1〜4に係る積層体を使用して作製された袋の基材とシーラント層間におけるのラミネート強度は、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を収納し、40℃で3ヵ月間保存しても殆ど変わらず、所期のラミネート強度を十分に保っている。
【0039】
これに対して、二液硬化型ポリウレタンからなる単層構成の接着層を有する比較例1〜3の積層体を使用して作製された袋は、そのラミネート強度の測定試験においてはシーラント切れを示すほどの強固なラミネート強度を当初は有しているが、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヵ月間保存した後は、ラミネート強度が2[N/15mm]以下に著しく低下しており、湿布薬、浴用剤などの揮発性物質を含む内容物の収納に対しては使用に適さないことが判明した。
【0040】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の積層体は、少なくとも基材、接着層、シーラント層の三層の構成からなり、その接着層をアミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層からなる二層構成としてあるので、基材とシーラント層とのラミネート強度に優れる。特に、その基材がアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルムまたはポリエステルフィルムの場合には、これらの基材に対して良好なラミネート強度を有するようになり、かつ、湿布薬や浴用剤などの各種強浸透性内容物を保存する包装袋用の包装材料として用いても基材とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、デラミネーションを起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の一構成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材
2・・・接着層
21・・第1接着層
22・・第2接着層
3・・・シーラント層
5・・・積層体

Claims (9)

  1. 基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体であって、接着層は、アミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層とを順設してなる二層構成であることを特徴とする積層体。
  2. 基材が、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、またはポリエステルフィルムのいずれかからなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 基材はその接着層形成面に少なくともアルミニウム面あるいは金属酸化物面が位置しており、その表面には熱水変性処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. 熱水変性処理がベーマイト処理であることを特徴とする請求項3記載の積層体。
  5. 接着層の第2接着層上にはポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂のいずれかからなるシーラント層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体。
  6. 基材上に少なくとも接着層とシーラント層をこの順序で設けてなる積層体の製造方法であって、基材上にアミン含有ポリマーからなる第1接着層とイソシアネート化合物からなる第2接着層とを順次積層して二層構成の接着層を設けてから、接着層の第2接着層上にシーラント層を設けることを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 基材として接着層を設ける側にアルミニウム面あるいは金属酸化物面が位置するものを使用し、このアルミニウム面あるいは金属酸化物面に対して熱水変性処理を施した後に二層構成の接着層を設けることを特徴とする請求項6記載の積層体の製造方法。
  8. 熱水変性処理がベーマイト処理であることを特徴とする請求項7記載の積層体の製造方法。
  9. ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂のいずれからなるシーラント層を接着層の第2接着層上に設けることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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