JP5786300B2 - 液体用紙容器 - Google Patents

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本発明は、内容物に微粒子が混入することを嫌う試験用薬品等に用いる液体用紙容器に関する。特に接液面にバリア性基材を積層した紙を主体とする積層体を使用した液体用紙容器において基材フィルムの上に少なくともアンカーコート層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体を用いた紙容器に関する。
従来、食品や医薬品などを包装する包装材料として、例えば、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層のような各層が積層されてなる積層体を用いた紙容器が広く用いられてきた。この積層体のポリエステル層とシーラント層との貼り合わせは、通常はポリエステルフィルムからなるポリエステル層に二液硬化型ポリウレタン系などのアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層を押出ラミネートすることにより行っていた。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、包装材料により包装される内容物には、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、高沸点有機溶剤などを含有するものが多くあり、これらの内容物を包装すると、接着層を構成する接着剤に悪影響を及ぼし、積層体におけるラミネート強度の低下を招いたり剥離が生じることがあった。
このような状況に対応するため、ラミネート加工に使用される接着剤の改良が種々行われており、アルカリ性の高い内容物に対する耐性を向上させ、さらには各種プラスチックフィルムに対する接着力を向上させた接着剤などが提案されている。
例えば、特許文献1には、有機ポリオール化合物、有機ポリイソシアネート化合物、鎖延長剤を反応して得られるNH基およびNH基を有するポリウレタン樹脂であって、前記ポリウレタン樹脂の分子量が数平均分子量で2000〜20000の範囲にあり、アミン価が5〜30mgKOH/gの範囲にある前記ポリウレタン樹脂と、有機ポリイソシアネート化合物またはそれらの変性体とを配合することを特徴とする接着剤組成物が提案されている。
包装する内容物が湿布薬や浴用剤などの場合、これらには揮発性物質が含まれているので、前述したような構成の積層体や上記アンカーコート剤を使用して得られる積層体を包装材料として使用し、これらの内容物を包装した時、揮発性物質の強い浸透力によってポリエステルフィルムからなるポリエステル層とシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすという問題があった。
これに対して、特許文献5では、基材上に、一級アミングラフトアクリル系ポリマーであるアミン含有ポリマーからなる第1接着層と、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれかからなる第2接着層との二層構成の接着層を設け、さらに接着層を構成する第2接着層上にはシーラント層を設けてある積層体が提案されている。
また、特許文献3には、基材の上に、1級アミングラフトアクリル系ポリマーとウレタン変性エポキシ樹脂を、該1級アミングラフトアクリル系ポリマーのアミンと該ウレタン変性エポキシ樹脂中のエポキシの混合当量が、アミン:エポキシ=1.0:(0.5〜1.0)で混合してなる第1接着層が形成され、該第1接着層上にイソシアネート化合物からなる第2接着層が形成され、該第2接着層上にシーラント層が押出しラミネート法又は熱ラミネート法により積層され、前記第2の接着層と前記第1の接着層とが架橋反応して形成された架橋反応物で前記基材と前記シーラント層が強固に接着されている積層体が提案されている。
特許文献4には、基材の上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層がイソシアネート化合物からなる積層体が、特許文献2には、主剤よりも硬化剤の配合割合の方が大きく、また1μm以下の非常に薄くて緻密な接着層が提案されている。
接着層の強度低下に対する上記のような対策は同時に接着層に含まれる低分子量物質の溶出を抑制する効果もあると考えられるが、従来は接液面から紙容器の材料に含まれる低分子物質が溶出することが、内容物の香りや味に影響することを防止するための対策として、環状ポリオレフィンなどからなる吸収層をシーラント層に用いるなどの対応が行われてきた。
紙容器においても、紙容器の材料に含まれる低分子物質の溶出に対しては同様の対策が行われてきたが、低分子成分以外の異物の混入に対しては実態が不明なこともあって特別な対応がとられずに、分析用途などの特に医薬、化学などの分野で精緻な分析結果が求められる場合には用いる試薬などを入れる容器としてはプラスチックからなる容器や袋状の形態の容器が用いられてきた。
近年、特に省資源の観点からプラスチック材料の使用量を削減するためにプラスチック容器から紙容器への転換が検討されてきた。
その結果、従来より用いられてきた液体用紙容器では、分析の結果、内容物中に液体用紙容器を構成する各層を接着する接着剤に由来する微粒子(粒径2〜40μm)が混入している場合が多いことが判明した。
そこで、本発明者は、紙容器を構成する積層体の内容物に近い接液側でバリア層とシーラント層を接着する際に用いられるアンカーコート層を、接着強度を落とすことなく微粒子の生成しにくい構成とすることによって、内容物への微粒子の混入を抑制した液体用紙容器の構成を検討した結果、本発明に到達した。
特開平10−130615号公報 特開2006−187908号公報 特許4492269号 特開2005−335374号公報 特許4306278号
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、液体用紙容器の構成部材から容器内の内容物に対して微粒子が溶出あるいは剥離析出することを低減することを目的としている。
その課題とするところは、紙容器の内面を構成する、基材フィルムの上に少なくともアンカーコート層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体において、それらの基材に対して優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性成分や揮発性成分を含む各種強浸透性内容物が作用してもそれらの基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体であって、接着層から内容物中への微粒子の混入が少ない積層体を用いた液体用紙容器
を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、容器外側となる紙基材上面に少なくとも熱可塑性樹脂層を積層し、前記紙基材下面に少なくとも、バリア層、アンカーコート層、シーラント層を順次に積層してなる積層体により成形された紙容器において、アンカーコート層は固形分がイソシアネート基を含みかつアルコール基を含まない化合物のみからなり、内容物に微粒子が混入することを嫌う試験用薬品に用いる液体用紙容器であることを特徴とする液体用紙容器である。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記イソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記イソシアネート化合物からなるアンカーコート層の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体用紙容器である。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記シーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体用紙容器である。
本発明に係る液体用紙容器は、容器内面となる紙基材下面に少なくとも、バリア層、アンカーコート層、シーラント層を順次に積層してなる積層体により成形されており、アンカーコート層は固形分がイソシアネート基を含みかつアルコール基を含まない化合物のみからなることを特徴とする液体用紙容器であるから、アンカーコート剤に含まれるポリオール等のアルコールとイソシアネートからウレタン結合により生成されるウレタン化合物やその重合体等に起因する微粒子成分の発生がなく、内容物中への微粒子の剥離混入や溶解が抑制される。
これによって、バリア層に対して優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性成分や揮発性成分を含む各種強浸透性内容物が作用してもバリア層とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体であって、内容物中へのアンカー層に起因する微粒子の混入が少ない積層体を用いた液体用紙容器を提供することが出来る。
本発明に係る液体用紙容器は、イソシアネート化合物として2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のような多官能イソシアネートを用い、アンカーコート層として1μm以下の非常に薄くて緻密な層を形成しているため、強浸透性内容物の影響を受けてアンカーコート層内での樹脂成分の膨潤や分子量低下を起こすことがないため、基材とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、デラミネーションを起こすこともない。
本発明に係る液体用紙容器は、シーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂からなることによって、とくにポリオレフィンの表面に対するヒートシール性が良好な熱接着性の層とすることが出来る。
以上のように、本発明に係る液体用紙容器によれば、例えば微粒子数をカウントするための試薬や血液検査液などの容器として用いてもそれらの基材とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、デラミネーションを起こすこともないのみならず、容器由来の微粒子による計測結果の妨害をなくすことが出来る。
本発明の液体用紙容器に用いる積層体の概略の構成を示す説明図である。 本発明の液体用紙容器の容器形状の例(ゲーベルトップ型)を示す説明図である。(A)は形状外観、(B)はブランクスを示す。 本発明の液体用紙容器の容器形状の例(フラットトップ型)を示す説明図である。(A)は形状外観、(B)はブランクスを示す。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして詳細に説明する。図1は本発明の液体用紙容器に用いる積層体の一例の概略の断面構成を示している。
この積層体は、容器外側となる紙基材(1)の上面に熱可塑性樹脂層(2)を積層し、下面にバリア層(3)、アンカーコート層(4)、シーラント層(5)を順次に積層してなる積層体である。外側の熱可塑性樹脂層(2)の表面には印刷インキ層(6)が必要に応じて設けられている。また、紙基材(1)の下面とバリア層(3)は熱可塑性樹脂層(7)を介して積層されており、アンカーコート層(4)とシーラント層(5)は熱可塑性樹脂層(8)を介して積層されている。
本発明の液体用紙容器に用いる積層体を構成する紙基材(1)としては、通常、カップ原紙等の板紙が用いられる。坪量と密度は容器の容量や」デザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200g/m〜500g/mの範囲で密度0.8前後のカップ原紙がよく用いられる。
本発明の液体用紙容器に用いる積層体を構成するバリア層(3)としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックの延伸または未延伸のフィルムや、各種プラスチックフィルムにポリビニルアルコールを塗工したり、アルミニウムなどの金属や酸化珪素などの金属酸化物の薄膜を蒸着した加工フィルム、さらにはアルミ箔などが適用できる。
それらの一方の面にコロナ処理などの表面処理がなされていてその上にアンカーコート層が安定的に形成できるようになっていれば、いずれのタイプのフィルムでも基材として使用可能である。また、その厚みに関しても特に限定されるものではないが通常は6μm〜25μmの範囲の延伸フィルムがよく用いられる。
一方、アンカーコート層(4)はイソシアネート化合物からなる層でアルコールを含まない層である。このアンカーコート層(4)を構成するイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーが具体的に挙げられる。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いても構わない。
このアンカーコート層(4)は、前記のバリア層(3)の上に、例えば上記のイソシアネート化合物をその固形分割合を0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%の割合で含む塗工液を塗工して設ければよい。このアンカーコート層(4)は薄層であることが好ましく、具体的にはその乾燥時の厚みが2μm以下望ましくは1μm以下の薄層となるように設ければよい。
他方、アンカーコート層(4)上に設けられるシーラント層(5)は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などからなる層である。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などにより設けられる。これらの構成材料には、各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)が無添加であることが好ましい。シーラント層(5)の厚みは特に限定はない。
容器外側の熱可塑性樹脂層(2)はシーラント層と類似したポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などからなる層である。厚みは3μmから40μmの範囲が通常用いられる。
容器外側の熱可塑性樹脂層(2)の表面に必要に応じて設けられる印刷インキ層(6)は周知のインキを用いてグラビア印刷等の方法で施すことが出来る、絵柄や商品情報などを含む層である。熱可塑性樹脂層としてポリオレフィン樹脂を用いる場合にはインキの密着を良くするために通常はコロナ処理等の易接着処理を表面に行う。
また、紙基材(1)の下面とバリア層(3)は熱可塑性樹脂層(7)を介して積層されており、アンカーコート層(4)とシーラント層(5)は熱可塑性樹脂層(8)を介して積層されている。
これらの熱可塑性樹脂層には、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が使用出来、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などにより押出し法により設けられる。熱可塑性樹脂層(7)と(8)の厚みは特に限定はないが通常3μm〜70μmの範囲の厚みが用いられる。
以上、本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体について説明したが、これらの積層体は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。
また、このような構成の積層体は、例えば次のようにして作製できる。
すなわち作製方法の一つとしては、前記バリア層のコロナ処理などの表面処理がなされている面に、イソシアネート化合物を固形分割合が0.05〜5wt%、好ましくは0.1〜2wt%になるように調製した塗工液を押出ラミネートの塗工部において塗工してアンカーコート層を設けた後、このアンカーコート層上に、Tダイから押し出されるダイ下温度320℃の例えばポリエチレンなどからなるシーラント層を積層し、バリア層/アンカーコート層/シーラント層の三層からなる構成の積層体(内層フィルム)を得る方法が例示できる。
また他の作製方法としては、前記バリア層の一方の面にインラインでコロナ処理を施した直後に、塗工装置のアンカーコート剤塗工部にてイソシアネート化合物を含む塗工液を塗工してアンカーコート層を形成させる一方、Tダイから押し出されるダイ下温度320℃の例えばポリエチレンなどからなるシーラント層の前記アンカーコート層と接する面にオゾン処理を適宜施して、しかる後にアンカーコート層を介してバリア層とシーラント層とを積層することにより、層間ラミネート強度がさらに向上し、各種強浸透性内容物耐性にも優れる積層体(内層フィルム)を得る方法が挙げられる。
このときのダイ下温度としては、250〜330℃が好ましい。250℃未満ではオゾン処理を施しても押出樹脂の酸化不足により層間ラミネート強度が不十分となり、330℃を超えると熱分解により押出樹脂の凝集力が低下し、その結果層間ラミネート強度が不十分となる。また、このときのオゾン処理条件としては、5〜20mg/mが好ましい。
5mg/m未満では押出樹脂の酸化不足により層間ラミネート強度が不十分となり、20mg/mを超えると過度の酸化により押出樹脂の凝集力が低下し、その結果層間ラミネート強度が不十分となる。上記押出温度とオゾン処理条件を適宜組み合わせることによって、層間ラミネート強度がさらに向上した各種強浸透性内容物耐性に優れる積層体を得ることができる。
以上のような作製方法によれば、液体用紙容器の内層フィルムに用いる、バリア層とシーラント層とのラミネート強度が良好で、かつ揮発性物質や揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用してもそれらのバリア層とシーラント層とのラミネート強度が低下しない積層体を作製することができる。
この内層フィルムとカップ原紙をポリエチレンの押出し加工により貼り合せて、カップ原紙の反対面に熱可塑性樹脂層を形成し、さらに熱可塑性樹脂層の表面にコロナ処理を行う。
次工程で印刷、ブランクス形状に打ち抜き加工を行い、さらに加熱溶着によりスリーブを作成する。具体的にはこの紙を基材とした積層体を容器の形状に合わせて所定の形状に打ち抜き、同時に折曲げ用の罫線を入れたブランクスとして成形する。そのブランクスを罫線に沿って折曲げ、組み立てて必要な部分を接着することによって紙容器が製造されている。
たとえば図2(A)に示したゲーベルトップ型(屋根型)の液体用紙容器は図2(B)に示したブランクスから通常の方法で容易に製造することが出来る。
一般的な紙箱ブランクスを折り曲げて箱を形成する場合には、まず、ブランクス(B)を給紙部から折りぐせ部に供給して折ぐせを付けた後、底折り部に供給して底板を内側に折込んで側板に重ねると共に、耳部を外側に折込む。
次に、糊付け部において、耳部の裏面側と接着フラップの表面側に接着材層をそれぞれ形成した後、残りの底板を内側に折り曲げて側板に重ねる。
次に、本折り部において、側板を折込んで一方の底板を他方の底板に折り重ねることに
より、一方の底板の耳部の接着材層が他方の底板に接着すると共に、接着フラップの接着材層が側板に接着し、折り畳まれた状態の紙箱(スリーブ)を完成する。
この状態での紙箱は接着部分の乾燥が完了していないので、圧着搬送部の上下一対の圧着ベルトにて紙箱を圧着しながら搬送して紙箱の接着を促進して成形を完了し、排出部によって次工程に排出される。
この折り畳まれた状態の紙箱に充填装置によってボトム成形後に内容物の充填と必要な部分の封止を行うことによって内容物の充填された容器を作成する。
図3(A)に示したフラット型の液体用紙容器も同様に図3(B)に示したブランクスから通常の方法で容易に製造することが出来る。
以下、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
一方の面にコロナ処理を施した厚みが12μmのアルミナ蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し、そのコロナ処理面にヘキサメチレンジイソシアネートモノマーを固形分割合が2wt%になるように調製した塗工液を塗工してアンカーコート層を形成しながら、厚み20μmの低密度ポリエチレンをダイ下温度320℃、加工速度80m/minで押出ラミネート法により押し出して前記アンカーコート層上にシーラント層(厚み40μm)として積層し、内層フィルムを得た。アンカーコート層の乾燥後の塗布量は1g/mであった。
坪量350g/mで密度0.78のカップ原紙と上記内層フィルムを押出しラミネート法により貼り合わせして、容器外側となるカップ原紙の反対面に低密度ポリエチレン樹脂を20μmの厚みで押出してさらにその表面にコロナ処理を行った。
コロナ処理面に印刷を施し印刷寸法に合わせて、ゲーベルトップ型の柱状容器(図2B)となるようなブランクス形状に打ち抜き加工をし、さらに必要部分を加熱溶着により接着して折り畳まれた状態(スリーブ状態)の紙容器を得た。
さらに、充填工程に於いて容器のボトム成形後に内容物を充填してからトップ成形して充填済み容器を作成した。
<実施例2>
ゲーベルトップ型の柱状容器から容器の形状をフラットトップ型の柱状容器(図2A)に代えたほかは実施例1と同様にして充填済み容器を作成した。
<比較例1>
アンカー層の塗工液をヘキサメチレンジイソシアネートモノマーからアルコール基を含むポリオールと、イソシアネートを主成分とするウレタン系接着剤に代えてドライラミネート法で行ったほかは実施例1と同様にして充填済み容器を作成した。
以上のようにして得られた実施例1と比較例1のそれぞれの液体用紙容器の内容物として蒸留水を充填、密封し、60℃の恒温室内に4週間保存したのちに開封して微粒子濃度の測定を行った。
<測定方法>
測定機:RION社製パーチクルカウンター
センサー:KS−70
カウンター;KF−10A
サンプラー:KL−03
対象微粒子:粒径2μm〜40μmのパーチクル濃度
<結果>
ブランク(充填前蒸留水):微粒子濃度18個/ml
実施例1:微粒子濃度31個/ml→判定○
比較例1:微粒子濃度891個/ml→判定×
判定の合格(○)基準は対象微粒子100個/ml以下
結果から明らかなように実施例1に係る液体用紙容器の内容物である蒸留水に混入した微粒子の数は、比較例1の従来の紙容器においては保存後に著しい増加が見られたが、本発明の紙容器においては充填前の蒸留水の2倍にも満たない数であり、内容物に接する側のアンカーコート層にイソシアネートのみを使用した構成によって内容物への微粒子の混入が抑制されていることが確認された。
本発明に係る液体用紙容器によれば、微粒子の存在が計測を妨害する試薬や検査液などの容器として用いても構成層間のラミネート強度が低下することがなく、容器由来の微粒子による計測結果の不安定性をなくすことが出来る。
1…紙基材
2…熱可塑性樹脂層
3…バリア層
4…アンカーコート層
5…シーラント層
6…印刷インキ層
7…熱可塑性樹脂層
8…熱可塑性樹脂層

Claims (4)

  1. 容器外側となる紙基材上面に少なくとも熱可塑性樹脂層を積層し、前記紙基材下面に少なくとも、バリア層、アンカーコート層、シーラント層を順次に積層してなる積層体により成形された紙容器において、アンカーコート層は固形分がイソシアネート基を含みかつアルコール基を含まない化合物のみからなり、内容物に微粒子が混入することを嫌う試験用薬品に用いる液体用紙容器であることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記イソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記イソシアネート化合物からなるアンカーコート層の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体用紙容器。
  4. 前記シーラント層が、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体用紙容器。
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