JP2004248223A - カメラの遠隔制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】遠隔地に設置されたカメラにより撮影された映像を所望の位置で停止させることができる安価なカメラの遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末1と、カメラ端末1から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタ22に表示すると共にカメラ端末1の旋回を制御する制御端末2とを備え、制御端末2は、カメラ端末1で撮影された映像がモニタ22に表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末1の旋回の速度を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末1と、カメラ端末1から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタ22に表示すると共にカメラ端末1の旋回を制御する制御端末2とを備え、制御端末2は、カメラ端末1で撮影された映像がモニタ22に表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末1の旋回の速度を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラの遠隔制御システムに関し、特にカメラの旋回を所望の位置で停止させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠隔地に設置されたテレビジョンカメラ(以下、この明細書では単に「カメラ」という)の動きを制御端末から指示することにより、カメラのパンやチルト、レンズのズームやフォーカス等を制御する遠隔制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、遠隔地に設置されたカメラの動きの制御は、制御端末側(受信側)のモニタに表示される映像を見ながら操作装置を操作することにより行われる。このような遠隔制御システムにおいて、制御端末側のモニタに表示される映像は、カメラ側での圧縮処理、ネットワーク上でのデータ伝送、制御端末側での伸長処理等に要する時間(以下、「伝送遅延時間」という)に起因して、制御端末側で指示したタイミングより遅れて変化する。その結果、カメラが操作者の意に反してオーバーランを起こすという事態が発生する。
【0004】
遠隔地に設置されたカメラを、制御端末からの指示により旋回させた後に停止させる場合を例に挙げて説明する。カメラを低速で旋回させる場合はオーバーランも小さいので、カメラを所望の位置で正確に停止させることはできないまでも、その近傍で停止させることは可能であるので問題は少ない。しかし、カメラを高速で旋回させる場合はオーバーランが大きく、カメラを所望の位置で停止させることは勿論、その近傍で停止させることも殆ど不可能である。
【0005】
更に詳しく説明すると、例えばカメラが低速で左旋回している場合は、カメラの視野内の被写体は低速で移動する。従って、被写体が所望の位置(例えば中央)に到達する少し前で停止指示を行うことにより、伝送遅延時間の間に被写体は少しだけ移動し、被写体を所望の位置で停止させることができる。
【0006】
これに対し、カメラが高速で左旋回している場合は、カメラの視野内の被写体は高速で移動する。従って、被写体がカメラの視野内に入ってきた時点で停止指示を行っても、被写体は、伝送遅延時間の間に大きく移動し、所望の位置を通過して、所望の位置をオーバーランした位置で停止する。この場合、被写体を所望の位置で停止させるためには被写体がカメラの視野内に入ってくる前に停止を指示しなければならず、そのような操作は不可能である。
【0007】
このような問題を解消するために、特許文献1に開示された技術では、制御端末側のモニタに表示される映像上に、制御端末側からの指示に対応する位置に停止目標を表すマーカを重畳して表示させる。カメラの旋回は、このマーカが所望の位置(例えばモニタの中央)に到達したときに停止される。これにより、カメラはオーバーランを起こすことなく、操作者がマーカを付した位置、即ち操作者の所望の位置で停止する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−36883公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、モニタに表示された映像の範囲内に停止位置をマークできる場合は有効であるが、カメラが高速で旋回する場合や映像の伝送遅延時間が大きいことに起因して、モニタに表示された映像上に停止位置をマークできない場合(所望の停止位置がモニタの表示エリア内に存在しない場合)は有効でなく、映像を所望の位置で停止させることができない。
【0010】
また、カメラが所定速度で回転している場合であっても、カメラで撮像する画角、フォーカス位置によっては、被写体がモニタの表示エリアから外れる度合いが違う。例えば、図9において、画角がxである時に回転角θ1だけ左旋回を行う場合、モニタに表示される映像はx1からx2に変化する。この場合は、x1とx2との双方で表示できるエリアが存在する。一方、画角がyである場合に回転角θ1だけ左旋回を行う場合は、同様にモニタに表示される映像はy1からy2に変化するが、y1とy2との双方において表示できるエリアは存在しない。つまり、適切な旋回速度を選定した上でカメラの旋回を指示しないと、カメラが撮像する画角によっては、カメラを所望の位置まで旋回させて停止させることは困難である。
【0011】
また、特許文献1に開示された技術では、モニタに表示される映像上にマーカや文字等を重畳させるための構成が必要であり、カメラの遠隔制御システムがコストアップになるという問題がある。
【0012】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、遠隔地に設置されたカメラにより撮影された映像を所望の位置で停止させることができる安価なカメラの遠隔制御システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るカメラの遠隔制御システムは、撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共にカメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、制御端末は、カメラ端末で撮影された映像がモニタに表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御する。
【0014】
また、この発明に係るカメラの遠隔制御システムは、撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共にカメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、制御端末は、カメラ端末で撮影に使用された画角を表す画角情報に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成を概略的に示すブロック図である。このカメラの遠隔制御システムは、カメラ端末1と、制御端末2と、これらを接続する回線3とから構成されている。
【0016】
カメラ端末1は、カメラ10、電動雲台11及びカメラ制御装置12から構成されている。
【0017】
カメラ10は、動画を撮影可能なテレビジョンカメラから構成されている。このカメラ10で被写体を撮影することにより得られたビデオ信号は、フレーム毎にカメラ制御装置12に送られる。また、このカメラ10のレンズ10aは、カメラ制御装置12からの制御信号に応答して前後に動作し、以てズーム及びフォーカスが制御できるように構成されている。
【0018】
電動雲台11は、カメラ10を搭載して任意の方向に旋回させる。具体的には、この電動雲台11は、カメラ制御装置12からの制御信号に応答して、カメラ10を水平方向に旋回(パン)させると共に、上下方向に旋回(チルト)させる。
【0019】
カメラ制御装置12は、例えばマイクロコンピュータから構成されている。このカメラ制御装置12は、カメラ10から送られてくるビデオ信号に基づき画像データを生成し、圧縮して制御端末2に送信する。また、カメラ制御装置12は、制御端末2から回線3を介して送られてくる指示に従ってカメラ10及び電動雲台11を制御する。このカメラ制御装置12の動作は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0020】
制御端末2は、例えばパーソナルコンピュータから構成されている。この制御端末2は、操作装置20、制御装置21及びモニタ22を備えている。
【0021】
操作装置20は、例えばパーソナルコンピュータのキーボード、ポインティングデバイス等から構成されている。この操作装置20は、遠隔地に設置されているカメラ端末1の動作、例えばパン、チルト、ズーム、フォーカス等を指示するために使用される。この操作装置20から入力された指示は制御装置21に送られる。
【0022】
制御装置21は、カメラ端末1から回線3を介して送られてくる圧縮された画像データを伸長し、モニタ22に表示させる。また、この制御装置21は、操作装置20からの指示に応答してカメラ端末1に制御信号を送り、カメラ端末1に種々の動作を指示する。この制御装置21の動作は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0023】
モニタ22は、例えばパーソナルコンピュータのディスプレイから構成されている。このモニタ22は、カメラ端末1から送られてくる画像データに基づいて制御装置21が生成した映像を表示する。ユーザは、このモニタ22を見ながらカメラ端末1のパン、チルト、ズーム、フォーカス等を指示すると共に、映像を所望の位置で停止させる指示を行う。
【0024】
次に、以上のように構成される実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの動作を説明する。
【0025】
カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末のモニタ22に表示されるまでには、上述したように、カメラ制御装置12における画像データの圧縮処理、回線3における伝送遅延、制御装置21における画像データの伸長処理等に要する時間によって遅延が生じる。この遅延の状態を図2に示す。
【0026】
図2(A)は、カメラ10から出力されるフレームを表し、図2(B)はモニタ22に表示されるフレームを表している。図2(A)及び図2(B)において同一のフレーム番号f1、f2、・・・を有するフレームは同一の画像データから構成されている。この図2に示した例では、カメラ10が送出するフレームとモニタ22に表示されるフレームとの間には伝送遅延時間tdが存在する。
【0027】
図3は、制御端末2からカメラ端末1のカメラ10を動かすために、カメラ端末1と制御端末2との間で行われるデータの送受信の手順を表すシーケンス図である。図3において、f1、f2、・・・は、図1に示したフレーム番号である。a1、a2、・・・は、フレーム番号f1、f2、・・・が付されたフレームを受信した制御端末2がカメラ端末1へ返送するフレーム番号である。b1、b2、・・・は、制御端末2から返送されたフレーム番号a1、a2、・・・とカメラ端末1で現在のフレーム番号との差分情報である。
【0028】
次に、図3を参照しながら、このカメラの遠隔制御システムの概略の動作を説明する。カメラ端末1は、順次生成される画像データから成るフレームにフレーム番号f1、f2、・・・を付与した後に圧縮処理を施して制御端末2に送信する。制御端末2では、受信した画像データの伸長処理を行った後に、その画像データに付与されているフレーム番号a1、a2、・・・を取得し、カメラ端末1へ返送する。
【0029】
カメラ端末1は、制御端末2から受信したフレーム番号a1、a2、・・・と現在の画像データに付与するフレーム番号との差を算出し、差分情報b1、b2、・・・として制御端末2に送信する。この算出された差分情報b1、b2、・・・が、カメラ10で実際に撮像がなされてからモニタ22に表示されるまでの時間、即ち伝送遅延時間tdに相当する。制御端末2は、この差分情報b1、b2、・・・に基づいて旋回速度信号を生成し、カメラ端末1に送る。これにより、電動雲台11が旋回速度信号に応じた速度でカメラ20を旋回させる。
【0030】
次に、上述したカメラの遠隔制御システムの概略の動作を実現するためのカメラ端末1の動作及び制御端末2の具体的な動作を、図4及び図5に示したフローチャートをそれぞれ参照しながら説明する。
【0031】
先ず、カメラ端末1の動作を、図4に示したフローチャートを参照しながら説明する。カメラ端末1のカメラ制御装置12は、先ず、カメラ10から1フレーム分のビデオ信号を受け取ったかどうかを調べる(ステップST10)。そして、1フレーム分のビデオ信号を受け取ったことを判断すると、その1フレーム分の画像データを生成する(ステップST11)。
【0032】
次いで、カメラ制御装置12は、ステップST11で生成された1フレーム分の画像データにシリアルなフレーム番号を付与する(ステップST12)。そして、このフレーム番号が付与された画像データに対し圧縮処理を実行する(ステップST13)。次いで、カメラ制御装置12は、圧縮された1フレーム分の画像データを回線3を介して制御端末2に送信する(ステップST14)。
【0033】
一方、上記ステップST10で、1フレーム分のビデオ信号が未だ受け取られていないことが判断された場合は、ステップST11〜ST14の処理はスキップされる。以上のステップST10〜ST14の処理により、フレーム番号が付与されて圧縮された1フレーム分の画像データが、カメラ端末1から回線3を介して制御端末2に送信される。なお、この制御端末への画像データの送信は、ステップST11〜ST14の処理が繰り返し実行されることにより、例えば30フレーム/秒の割合で行われる。
【0034】
次いで、制御端末2からフレーム番号が受信されたかどうか調べられる(ステップST15)。制御端末2は、上述したように、上記ステップST14で送信された圧縮された画像データを受け取り、この画像データに付与されたフレーム番号を返送する。このステップST15では、この制御端末2から返送されるフレーム番号が受信されたかどうかが調べられる。
【0035】
このステップST15でフレーム番号が受信されたことが判断されると、差分情報が算出される(ステップST16)。具体的には、上記ステップST12で最も最近付与したフレーム番号と制御端末2から受信したフレーム番号との差、つまり、伝送遅延時間tdが算出される。次いで、ステップST16で算出された伝送遅延時間tdが差分情報として回線3を介して制御端末2に送信される(ステップST17)。
【0036】
上記ステップST15でフレーム番号を受信していないことが判断されると、ステップST16及びST17の処理はスキップされる。
【0037】
以上のステップST15〜ST17の処理により、制御端末2から返送されてくるフレーム番号を受信する毎に、現在のフレーム番号(厳密には、最も最近付与したフレーム番号)と制御端末2から返送されてきたフレーム番号との差、つまり伝送遅延時間tdが差分情報としてカメラ端末1から制御端末2に送信される機能が実現されている。
【0038】
次いで、旋回速度信号が受信されたかどうかが調べられる(ステップST18)。制御端末2は、上述したように、ステップST17で送信された差分情報を受け取り、この差分情報に基づいて好ましい旋回速度を指示する旋回速度信号を生成してカメラ端末1に送信する。このステップST18では、この制御端末2から送られてくる旋回速度信号を受信したかどうかが調べられる。
【0039】
このステップST18において旋回速度信号を受信したことが判断されると、この旋回速度信号に応じて電動雲台11が制御される(ステップST19)。即ち、カメラ制御装置12は、受信した旋回速度信号に基づいて、カメラ10を動かすための制御信号を生成して電動雲台11に送る。これにより、電動雲台11が駆動され、カメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスが制御される。その後、ステップST10の処理に戻る。上記ステップST18で旋回速度信号を受信していないことが判断されると、ステップST10の処理に戻る。
【0040】
以上のステップST18及びST19の処理により、制御端末2からの指示に応じた旋回速度でカメラ10を旋回させ、パン、チルト、ズーム、フォーカスを行う機能が実現されている。
【0041】
次に、制御端末2の動作を、図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。制御端末2の制御装置21は、先ず、カメラ端末1から圧縮された1フレーム分の画像データを受信したかどうかを調べる(ステップST20)。そして、画像データを受信したことを判断すると、1フレーム分の画像データの伸長処理を実行する(ステップST21)。
【0042】
次いで、伸長処理により得られた画像データに付与されたフレーム番号が取得される(ステップST22)。次いで、取得されたフレーム番号が回線3を介してカメラ端末1に送信される(ステップST23)。上記ステップST20で、画像データを受信していないことが判断されると、ステップST21〜ST23の処理はスキップされる。
【0043】
以上のステップST20〜ST23の処理により、カメラ端末1から1フレーム分の画像データを受信する毎に、その画像データに付与されたフレーム番号を取得してカメラ端末1に返信する機能が実現されている。
【0044】
次いで、差分情報を受信したかどうかが調べられる(ステップST24)。カメラ端末1は、上記ステップST23で送信されたフレーム番号を受信すると、上述したように差分情報を送信する。このステップST24では、この差分情報を受信したかどうかが調べられる。
【0045】
このステップST24で差分情報を受信したことが判断されると、この差分情報に基づいて旋回速度信号が生成される(ステップST25)。旋回速度信号は、例えば次のようにして生成される。今、条件1の下で差分情報としてΔ1が得られたとする。また、他の条件2の下でΔ2が得られたとする。この時、Δ1>Δ2であれば、条件1の下での旋回速度を低速に、条件2の下での旋回速度を高速にするような旋回速度信号が生成される。これにより、好適な旋回速度でカメラ10が旋回されることになり、オーバーランを少なくし、所望の位置で停止させることが可能になる。
【0046】
次いで、上記ステップST25で生成された旋回速度信号が回線3を介してカメラ端末1に送信される(ステップST26)。これにより、上述したように、カメラ10が旋回速度信号に応じた速度で旋回し、パン、チルト、ズーム、フォーカスが行われる。その後、ステップST20の処理に戻る。上記ステップST24で、差分情報を受信していないことが判断された場合も、ステップST20の処理に戻る。
【0047】
以上のステップST24〜ST26の処理により、制御端末2から遠隔地に設置されたカメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスを旋回速度信号に応じて行わせる機能が実現されている。
【0048】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムによれば、カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末2のモニタ22に表示されるまでの伝送遅延時間tdに応じて、カメラ10の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、モニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0049】
また、カメラ端末1で生成された現在の1フレーム分の画像データに付与されたフレーム番号と制御端末2で受信されたフレーム番号との差に基づいて伝送遅延時間tdを算出するようにしたので、例えば回線3の混雑等といった環境条件により伝送遅延時間tdが変動するような場合であっても正確な伝送遅延時間tdが求められる。その結果、環境条件に応じた速度でカメラ10を旋回させることによりオーバーランを減少させることができ、モニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0050】
また、上記伝送遅延時間tdには、回線3における伝送遅延時間のみならず、カメラ端末1における画像データの圧縮処理に要する時間、及び制御端末2における画像データの伸長処理に要する時間も含まれる。従って、伝送遅延時間tdには、カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末2のモニタ22に表示されるまでの時間が正確に反映されているので、カメラ10の旋回の速度を正確に制御することができる。
【0051】
更に、特許文献1に開示された技術では、モニタに表示される映像上にマーカや文字等を重畳させるための構成が必要であり、カメラの遠隔制御システムがコストアップになるが、この実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムでは、フレーム番号の送受及び差の計算という簡単な処理だけでカメラ10の旋回速度を可変できるので、そのような問題は生じない。
【0052】
なお、上述した実施の形態1では、カメラ端末1から制御端末2に1フレーム分の画像データが送信される毎に、フレーム番号及び差分情報等を通知するように構成したが、所定数のフレームの画像データが送信される毎、或いはカメラ10で撮影される画角が変更される毎に上記通知を行うように構成することができる。この場合は、処理を簡素化できるという利点がある。
【0053】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムは、カメラの画角情報に基づいてカメラの旋回速度を制御するように構成したものである。
【0054】
この実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムの構成は、以下の点を除き、図1のブロック図に示した実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成と同じである。
【0055】
カメラ端末1を構成するカメラ10は、ズーム機能を備えている。カメラ制御装置12は、制御端末2からの指示に応じて生成した制御信号をカメラ10に送る。これによりカメラ10のズーム機能が作動し、カメラ10の画角が決定される。カメラ制御装置12は、決定された画角を画角情報として画角が変更される毎に制御端末2の制御装置21に送る。
【0056】
制御端末2の制御装置21は、カメラ端末1から送られてくる画角情報に基づいて、カメラ10の旋回速度の可変制御を行う。例えば、図6のyで示されるように画角が狭い状態ではカメラ10の旋回速度を低速にし、図6のxで示されるように画角が広い状態ではカメラ10の旋回速度を高速にするような旋回速度信号を生成してカメラ端末1のカメラ制御装置12に送る。
【0057】
カメラ制御装置12は、受信した旋回速度信号に基づいて、カメラ10を動かすための制御信号を生成して電動雲台11に送る。これにより、カメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスが制御される。
【0058】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムによれば、カメラ端末1のカメラ10の画角に応じて、カメラ10の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、制御端末2のモニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、カメラ端末で撮影された映像が制御端末のモニタに表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、モニタに表示される映像を所望の位置で停止させることができる効果がある。
【0060】
この発明によれば、カメラ端末で撮影に使用された画角に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、制御端末のモニタに表示される映像を所望の位置で停止させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおける伝送遅延状態を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおいてカメラ端末と制御端末との間で行われるデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおけるカメラ端末の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおける制御端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】カメラの画角に応じて表示可能エリアを変化する状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 カメラ端末、2 制御端末、3 回線、10 カメラ、10a レンズ、11 電動雲台、12 カメラ制御装置、20 操作装置、21 制御装置、22 モニタ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラの遠隔制御システムに関し、特にカメラの旋回を所望の位置で停止させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠隔地に設置されたテレビジョンカメラ(以下、この明細書では単に「カメラ」という)の動きを制御端末から指示することにより、カメラのパンやチルト、レンズのズームやフォーカス等を制御する遠隔制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、遠隔地に設置されたカメラの動きの制御は、制御端末側(受信側)のモニタに表示される映像を見ながら操作装置を操作することにより行われる。このような遠隔制御システムにおいて、制御端末側のモニタに表示される映像は、カメラ側での圧縮処理、ネットワーク上でのデータ伝送、制御端末側での伸長処理等に要する時間(以下、「伝送遅延時間」という)に起因して、制御端末側で指示したタイミングより遅れて変化する。その結果、カメラが操作者の意に反してオーバーランを起こすという事態が発生する。
【0004】
遠隔地に設置されたカメラを、制御端末からの指示により旋回させた後に停止させる場合を例に挙げて説明する。カメラを低速で旋回させる場合はオーバーランも小さいので、カメラを所望の位置で正確に停止させることはできないまでも、その近傍で停止させることは可能であるので問題は少ない。しかし、カメラを高速で旋回させる場合はオーバーランが大きく、カメラを所望の位置で停止させることは勿論、その近傍で停止させることも殆ど不可能である。
【0005】
更に詳しく説明すると、例えばカメラが低速で左旋回している場合は、カメラの視野内の被写体は低速で移動する。従って、被写体が所望の位置(例えば中央)に到達する少し前で停止指示を行うことにより、伝送遅延時間の間に被写体は少しだけ移動し、被写体を所望の位置で停止させることができる。
【0006】
これに対し、カメラが高速で左旋回している場合は、カメラの視野内の被写体は高速で移動する。従って、被写体がカメラの視野内に入ってきた時点で停止指示を行っても、被写体は、伝送遅延時間の間に大きく移動し、所望の位置を通過して、所望の位置をオーバーランした位置で停止する。この場合、被写体を所望の位置で停止させるためには被写体がカメラの視野内に入ってくる前に停止を指示しなければならず、そのような操作は不可能である。
【0007】
このような問題を解消するために、特許文献1に開示された技術では、制御端末側のモニタに表示される映像上に、制御端末側からの指示に対応する位置に停止目標を表すマーカを重畳して表示させる。カメラの旋回は、このマーカが所望の位置(例えばモニタの中央)に到達したときに停止される。これにより、カメラはオーバーランを起こすことなく、操作者がマーカを付した位置、即ち操作者の所望の位置で停止する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−36883公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、モニタに表示された映像の範囲内に停止位置をマークできる場合は有効であるが、カメラが高速で旋回する場合や映像の伝送遅延時間が大きいことに起因して、モニタに表示された映像上に停止位置をマークできない場合(所望の停止位置がモニタの表示エリア内に存在しない場合)は有効でなく、映像を所望の位置で停止させることができない。
【0010】
また、カメラが所定速度で回転している場合であっても、カメラで撮像する画角、フォーカス位置によっては、被写体がモニタの表示エリアから外れる度合いが違う。例えば、図9において、画角がxである時に回転角θ1だけ左旋回を行う場合、モニタに表示される映像はx1からx2に変化する。この場合は、x1とx2との双方で表示できるエリアが存在する。一方、画角がyである場合に回転角θ1だけ左旋回を行う場合は、同様にモニタに表示される映像はy1からy2に変化するが、y1とy2との双方において表示できるエリアは存在しない。つまり、適切な旋回速度を選定した上でカメラの旋回を指示しないと、カメラが撮像する画角によっては、カメラを所望の位置まで旋回させて停止させることは困難である。
【0011】
また、特許文献1に開示された技術では、モニタに表示される映像上にマーカや文字等を重畳させるための構成が必要であり、カメラの遠隔制御システムがコストアップになるという問題がある。
【0012】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、遠隔地に設置されたカメラにより撮影された映像を所望の位置で停止させることができる安価なカメラの遠隔制御システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るカメラの遠隔制御システムは、撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共にカメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、制御端末は、カメラ端末で撮影された映像がモニタに表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御する。
【0014】
また、この発明に係るカメラの遠隔制御システムは、撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共にカメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、制御端末は、カメラ端末で撮影に使用された画角を表す画角情報に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成を概略的に示すブロック図である。このカメラの遠隔制御システムは、カメラ端末1と、制御端末2と、これらを接続する回線3とから構成されている。
【0016】
カメラ端末1は、カメラ10、電動雲台11及びカメラ制御装置12から構成されている。
【0017】
カメラ10は、動画を撮影可能なテレビジョンカメラから構成されている。このカメラ10で被写体を撮影することにより得られたビデオ信号は、フレーム毎にカメラ制御装置12に送られる。また、このカメラ10のレンズ10aは、カメラ制御装置12からの制御信号に応答して前後に動作し、以てズーム及びフォーカスが制御できるように構成されている。
【0018】
電動雲台11は、カメラ10を搭載して任意の方向に旋回させる。具体的には、この電動雲台11は、カメラ制御装置12からの制御信号に応答して、カメラ10を水平方向に旋回(パン)させると共に、上下方向に旋回(チルト)させる。
【0019】
カメラ制御装置12は、例えばマイクロコンピュータから構成されている。このカメラ制御装置12は、カメラ10から送られてくるビデオ信号に基づき画像データを生成し、圧縮して制御端末2に送信する。また、カメラ制御装置12は、制御端末2から回線3を介して送られてくる指示に従ってカメラ10及び電動雲台11を制御する。このカメラ制御装置12の動作は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0020】
制御端末2は、例えばパーソナルコンピュータから構成されている。この制御端末2は、操作装置20、制御装置21及びモニタ22を備えている。
【0021】
操作装置20は、例えばパーソナルコンピュータのキーボード、ポインティングデバイス等から構成されている。この操作装置20は、遠隔地に設置されているカメラ端末1の動作、例えばパン、チルト、ズーム、フォーカス等を指示するために使用される。この操作装置20から入力された指示は制御装置21に送られる。
【0022】
制御装置21は、カメラ端末1から回線3を介して送られてくる圧縮された画像データを伸長し、モニタ22に表示させる。また、この制御装置21は、操作装置20からの指示に応答してカメラ端末1に制御信号を送り、カメラ端末1に種々の動作を指示する。この制御装置21の動作は、後にフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0023】
モニタ22は、例えばパーソナルコンピュータのディスプレイから構成されている。このモニタ22は、カメラ端末1から送られてくる画像データに基づいて制御装置21が生成した映像を表示する。ユーザは、このモニタ22を見ながらカメラ端末1のパン、チルト、ズーム、フォーカス等を指示すると共に、映像を所望の位置で停止させる指示を行う。
【0024】
次に、以上のように構成される実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの動作を説明する。
【0025】
カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末のモニタ22に表示されるまでには、上述したように、カメラ制御装置12における画像データの圧縮処理、回線3における伝送遅延、制御装置21における画像データの伸長処理等に要する時間によって遅延が生じる。この遅延の状態を図2に示す。
【0026】
図2(A)は、カメラ10から出力されるフレームを表し、図2(B)はモニタ22に表示されるフレームを表している。図2(A)及び図2(B)において同一のフレーム番号f1、f2、・・・を有するフレームは同一の画像データから構成されている。この図2に示した例では、カメラ10が送出するフレームとモニタ22に表示されるフレームとの間には伝送遅延時間tdが存在する。
【0027】
図3は、制御端末2からカメラ端末1のカメラ10を動かすために、カメラ端末1と制御端末2との間で行われるデータの送受信の手順を表すシーケンス図である。図3において、f1、f2、・・・は、図1に示したフレーム番号である。a1、a2、・・・は、フレーム番号f1、f2、・・・が付されたフレームを受信した制御端末2がカメラ端末1へ返送するフレーム番号である。b1、b2、・・・は、制御端末2から返送されたフレーム番号a1、a2、・・・とカメラ端末1で現在のフレーム番号との差分情報である。
【0028】
次に、図3を参照しながら、このカメラの遠隔制御システムの概略の動作を説明する。カメラ端末1は、順次生成される画像データから成るフレームにフレーム番号f1、f2、・・・を付与した後に圧縮処理を施して制御端末2に送信する。制御端末2では、受信した画像データの伸長処理を行った後に、その画像データに付与されているフレーム番号a1、a2、・・・を取得し、カメラ端末1へ返送する。
【0029】
カメラ端末1は、制御端末2から受信したフレーム番号a1、a2、・・・と現在の画像データに付与するフレーム番号との差を算出し、差分情報b1、b2、・・・として制御端末2に送信する。この算出された差分情報b1、b2、・・・が、カメラ10で実際に撮像がなされてからモニタ22に表示されるまでの時間、即ち伝送遅延時間tdに相当する。制御端末2は、この差分情報b1、b2、・・・に基づいて旋回速度信号を生成し、カメラ端末1に送る。これにより、電動雲台11が旋回速度信号に応じた速度でカメラ20を旋回させる。
【0030】
次に、上述したカメラの遠隔制御システムの概略の動作を実現するためのカメラ端末1の動作及び制御端末2の具体的な動作を、図4及び図5に示したフローチャートをそれぞれ参照しながら説明する。
【0031】
先ず、カメラ端末1の動作を、図4に示したフローチャートを参照しながら説明する。カメラ端末1のカメラ制御装置12は、先ず、カメラ10から1フレーム分のビデオ信号を受け取ったかどうかを調べる(ステップST10)。そして、1フレーム分のビデオ信号を受け取ったことを判断すると、その1フレーム分の画像データを生成する(ステップST11)。
【0032】
次いで、カメラ制御装置12は、ステップST11で生成された1フレーム分の画像データにシリアルなフレーム番号を付与する(ステップST12)。そして、このフレーム番号が付与された画像データに対し圧縮処理を実行する(ステップST13)。次いで、カメラ制御装置12は、圧縮された1フレーム分の画像データを回線3を介して制御端末2に送信する(ステップST14)。
【0033】
一方、上記ステップST10で、1フレーム分のビデオ信号が未だ受け取られていないことが判断された場合は、ステップST11〜ST14の処理はスキップされる。以上のステップST10〜ST14の処理により、フレーム番号が付与されて圧縮された1フレーム分の画像データが、カメラ端末1から回線3を介して制御端末2に送信される。なお、この制御端末への画像データの送信は、ステップST11〜ST14の処理が繰り返し実行されることにより、例えば30フレーム/秒の割合で行われる。
【0034】
次いで、制御端末2からフレーム番号が受信されたかどうか調べられる(ステップST15)。制御端末2は、上述したように、上記ステップST14で送信された圧縮された画像データを受け取り、この画像データに付与されたフレーム番号を返送する。このステップST15では、この制御端末2から返送されるフレーム番号が受信されたかどうかが調べられる。
【0035】
このステップST15でフレーム番号が受信されたことが判断されると、差分情報が算出される(ステップST16)。具体的には、上記ステップST12で最も最近付与したフレーム番号と制御端末2から受信したフレーム番号との差、つまり、伝送遅延時間tdが算出される。次いで、ステップST16で算出された伝送遅延時間tdが差分情報として回線3を介して制御端末2に送信される(ステップST17)。
【0036】
上記ステップST15でフレーム番号を受信していないことが判断されると、ステップST16及びST17の処理はスキップされる。
【0037】
以上のステップST15〜ST17の処理により、制御端末2から返送されてくるフレーム番号を受信する毎に、現在のフレーム番号(厳密には、最も最近付与したフレーム番号)と制御端末2から返送されてきたフレーム番号との差、つまり伝送遅延時間tdが差分情報としてカメラ端末1から制御端末2に送信される機能が実現されている。
【0038】
次いで、旋回速度信号が受信されたかどうかが調べられる(ステップST18)。制御端末2は、上述したように、ステップST17で送信された差分情報を受け取り、この差分情報に基づいて好ましい旋回速度を指示する旋回速度信号を生成してカメラ端末1に送信する。このステップST18では、この制御端末2から送られてくる旋回速度信号を受信したかどうかが調べられる。
【0039】
このステップST18において旋回速度信号を受信したことが判断されると、この旋回速度信号に応じて電動雲台11が制御される(ステップST19)。即ち、カメラ制御装置12は、受信した旋回速度信号に基づいて、カメラ10を動かすための制御信号を生成して電動雲台11に送る。これにより、電動雲台11が駆動され、カメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスが制御される。その後、ステップST10の処理に戻る。上記ステップST18で旋回速度信号を受信していないことが判断されると、ステップST10の処理に戻る。
【0040】
以上のステップST18及びST19の処理により、制御端末2からの指示に応じた旋回速度でカメラ10を旋回させ、パン、チルト、ズーム、フォーカスを行う機能が実現されている。
【0041】
次に、制御端末2の動作を、図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。制御端末2の制御装置21は、先ず、カメラ端末1から圧縮された1フレーム分の画像データを受信したかどうかを調べる(ステップST20)。そして、画像データを受信したことを判断すると、1フレーム分の画像データの伸長処理を実行する(ステップST21)。
【0042】
次いで、伸長処理により得られた画像データに付与されたフレーム番号が取得される(ステップST22)。次いで、取得されたフレーム番号が回線3を介してカメラ端末1に送信される(ステップST23)。上記ステップST20で、画像データを受信していないことが判断されると、ステップST21〜ST23の処理はスキップされる。
【0043】
以上のステップST20〜ST23の処理により、カメラ端末1から1フレーム分の画像データを受信する毎に、その画像データに付与されたフレーム番号を取得してカメラ端末1に返信する機能が実現されている。
【0044】
次いで、差分情報を受信したかどうかが調べられる(ステップST24)。カメラ端末1は、上記ステップST23で送信されたフレーム番号を受信すると、上述したように差分情報を送信する。このステップST24では、この差分情報を受信したかどうかが調べられる。
【0045】
このステップST24で差分情報を受信したことが判断されると、この差分情報に基づいて旋回速度信号が生成される(ステップST25)。旋回速度信号は、例えば次のようにして生成される。今、条件1の下で差分情報としてΔ1が得られたとする。また、他の条件2の下でΔ2が得られたとする。この時、Δ1>Δ2であれば、条件1の下での旋回速度を低速に、条件2の下での旋回速度を高速にするような旋回速度信号が生成される。これにより、好適な旋回速度でカメラ10が旋回されることになり、オーバーランを少なくし、所望の位置で停止させることが可能になる。
【0046】
次いで、上記ステップST25で生成された旋回速度信号が回線3を介してカメラ端末1に送信される(ステップST26)。これにより、上述したように、カメラ10が旋回速度信号に応じた速度で旋回し、パン、チルト、ズーム、フォーカスが行われる。その後、ステップST20の処理に戻る。上記ステップST24で、差分情報を受信していないことが判断された場合も、ステップST20の処理に戻る。
【0047】
以上のステップST24〜ST26の処理により、制御端末2から遠隔地に設置されたカメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスを旋回速度信号に応じて行わせる機能が実現されている。
【0048】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムによれば、カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末2のモニタ22に表示されるまでの伝送遅延時間tdに応じて、カメラ10の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、モニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0049】
また、カメラ端末1で生成された現在の1フレーム分の画像データに付与されたフレーム番号と制御端末2で受信されたフレーム番号との差に基づいて伝送遅延時間tdを算出するようにしたので、例えば回線3の混雑等といった環境条件により伝送遅延時間tdが変動するような場合であっても正確な伝送遅延時間tdが求められる。その結果、環境条件に応じた速度でカメラ10を旋回させることによりオーバーランを減少させることができ、モニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0050】
また、上記伝送遅延時間tdには、回線3における伝送遅延時間のみならず、カメラ端末1における画像データの圧縮処理に要する時間、及び制御端末2における画像データの伸長処理に要する時間も含まれる。従って、伝送遅延時間tdには、カメラ端末1のカメラ10で撮影された映像が制御端末2のモニタ22に表示されるまでの時間が正確に反映されているので、カメラ10の旋回の速度を正確に制御することができる。
【0051】
更に、特許文献1に開示された技術では、モニタに表示される映像上にマーカや文字等を重畳させるための構成が必要であり、カメラの遠隔制御システムがコストアップになるが、この実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムでは、フレーム番号の送受及び差の計算という簡単な処理だけでカメラ10の旋回速度を可変できるので、そのような問題は生じない。
【0052】
なお、上述した実施の形態1では、カメラ端末1から制御端末2に1フレーム分の画像データが送信される毎に、フレーム番号及び差分情報等を通知するように構成したが、所定数のフレームの画像データが送信される毎、或いはカメラ10で撮影される画角が変更される毎に上記通知を行うように構成することができる。この場合は、処理を簡素化できるという利点がある。
【0053】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムは、カメラの画角情報に基づいてカメラの旋回速度を制御するように構成したものである。
【0054】
この実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムの構成は、以下の点を除き、図1のブロック図に示した実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成と同じである。
【0055】
カメラ端末1を構成するカメラ10は、ズーム機能を備えている。カメラ制御装置12は、制御端末2からの指示に応じて生成した制御信号をカメラ10に送る。これによりカメラ10のズーム機能が作動し、カメラ10の画角が決定される。カメラ制御装置12は、決定された画角を画角情報として画角が変更される毎に制御端末2の制御装置21に送る。
【0056】
制御端末2の制御装置21は、カメラ端末1から送られてくる画角情報に基づいて、カメラ10の旋回速度の可変制御を行う。例えば、図6のyで示されるように画角が狭い状態ではカメラ10の旋回速度を低速にし、図6のxで示されるように画角が広い状態ではカメラ10の旋回速度を高速にするような旋回速度信号を生成してカメラ端末1のカメラ制御装置12に送る。
【0057】
カメラ制御装置12は、受信した旋回速度信号に基づいて、カメラ10を動かすための制御信号を生成して電動雲台11に送る。これにより、カメラ10のパン、チルト、ズーム、フォーカスが制御される。
【0058】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るカメラの遠隔制御システムによれば、カメラ端末1のカメラ10の画角に応じて、カメラ10の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、制御端末2のモニタ22に表示される映像を所望の位置で停止させることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、カメラ端末で撮影された映像が制御端末のモニタに表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、モニタに表示される映像を所望の位置で停止させることができる効果がある。
【0060】
この発明によれば、カメラ端末で撮影に使用された画角に応じて、カメラ端末の旋回の速度を制御するようにしたので、オーバーランを減少させることができ、制御端末のモニタに表示される映像を所望の位置で停止させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおける伝送遅延状態を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおいてカメラ端末と制御端末との間で行われるデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおけるカメラ端末の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るカメラの遠隔制御システムにおける制御端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】カメラの画角に応じて表示可能エリアを変化する状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 カメラ端末、2 制御端末、3 回線、10 カメラ、10a レンズ、11 電動雲台、12 カメラ制御装置、20 操作装置、21 制御装置、22 モニタ。
Claims (4)
- 撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、
前記カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共に前記カメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、
前記制御端末は、前記カメラ端末で撮影された映像が前記モニタに表示されるまでの伝送遅延時間に応じて、前記カメラ端末の旋回の速度を制御することを特徴とするカメラの遠隔制御システム。 - 前記カメラ端末は、前記画像データをフレーム毎にフレーム番号を付与して送信し、
前記制御端末は、前記カメラ端末から受信した前記フレーム毎の画像データに付与されたフレーム番号を取得して前記カメラ端末に送信し、
前記カメラ端末は、前記制御端末から受信したフレーム番号と現在の画像データに付与したフレーム番号との差を前記伝送遅延時間として前記制御端末に送信し、
前記制御端末は、前記カメラ端末から受信した前記伝送遅延時間に基づいて前記カメラ端末の旋回の速度を指示する旋回速度信号を生成して前記カメラ端末に送信し、以て前記カメラ端末の旋回の速度を制御することを特徴とする請求項1記載のカメラの遠隔制御システム。 - 前記カメラ端末は、前記画像データをフレーム毎にフレーム番号を付与した後に圧縮して送信し、
前記制御端末は、前記カメラ端末から受信した圧縮された前記フレーム毎の画像データを伸長し、該伸長により得られた画像データに付与されたフレーム番号を取得して前記カメラ端末に送信することを特徴とする請求項2記載のカメラの遠隔制御システム。 - 撮影した映像に基づき生成された画像データを送信する旋回自在なカメラ端末と、
前記カメラ端末から受信した画像データに基づいて映像を再生してモニタに表示すると共に前記カメラ端末の旋回を制御する制御端末とを備え、
前記制御端末は、前記カメラ端末で撮影に使用された画角を表す画角情報に応じて、前記カメラ端末の旋回の速度を制御することを特徴とするカメラの遠隔制御システム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105072326A (zh) * | 2015-05-19 | 2015-11-18 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 一种控制摄像头旋转的方法及终端 |
JP2018107568A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | 日本電気株式会社 | 遠隔制御装置、遠隔制御システム、遠隔制御方法及び遠隔制御プログラム |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038710A patent/JP2004248223A/ja active Pending
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CN105072326B (zh) * | 2015-05-19 | 2018-06-12 | 广东欧珀移动通信有限公司 | 一种控制摄像头旋转的方法及终端 |
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