JP2004244721A - 鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法および冷却制御方法 - Google Patents

鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法および冷却制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 水冷プロセスにおいて水冷処理を行う鋼板の熱伝達係数をオンラインで正確に推定することにより精度の高い温度制御を可能とする。
【解決手段】 水冷プロセスの入側および出側での表面温度、板厚、板幅、および移動速度と冷却水温および冷却水量密度とを入力として、前記水冷プロセス通過後の鋼板に対して、熱伝達計算によって水冷途中及び終了後の鋼板温度を計算し、前記計算した鋼板温度と実測した鋼板温度との誤差が小さくなる様に、シミュレーテッドアニーリング法などの探索法を用いて熱伝達係数を修正することによって、正確な熱伝達係数を推定する。得られた熱伝達係数を用いて、水冷条件を変えて鋼板温度を繰り返し計算することにより、最適水冷条件を決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動する加熱された鋼板を水冷して所定の温度まで所定の冷却速度で冷却を行う水冷プロセスの冷却制御の方法に関する。
水冷プロセスにおける鋼板の表面温度(以下簡単の為、板温と呼ぶ)を正確に制御する為には、水冷後の板温を正確に予測することが必要で、その為には、水冷時の鋼板表面と冷却水との間の熱伝達係数を知ることが必要である。従来、熱伝達係数を計算する為には、実験室等で、鋼板を水冷しながら板温を測定して求めることが一般的である。熱伝達係数は一般的に冷却水量密度や板温などの水冷条件の関数であることが知られており、前記の様に実験室等で計算する場合は、例えば下記の非特許文献1に示されている様に、様々な水冷条件での測定を行うことが必要となる。
「鋼材の強制冷却」、S53/11、(社)日本鉄鋼協会、第1編 鋼材の各種冷却法の冷却能力 P.15
しかしながら、実験室と実製造設備とでは、冷却水量密度や移動速度等の水冷条件や、鋼板のサイズ等が異なる場合が多いこと、鋼板の表面性状(表面粗度や酸化皮膜の付着具合等)によっても熱伝達係数が変化することなどから、実験室で計算した熱伝達係数を用いて実水冷プロセスでの鋼板温度を予測する場合に、温度予測誤差やそのばらつきが大きいという問題があった。
上記問題を解決する為には、実水冷プロセスにおいて、冷却を行う鋼板についての実測データやプロセス条件から、直接熱伝達係数を計算することが望ましい。ところが、前述の様に、熱伝達係数は鋼板表面温度や冷却水量密度などの水冷条件の関数であり、鋼板を冷却する過程でその値が時々刻々変化する。従って、鋼板表面温度や冷却水量密度などの関数としての熱伝達係数の値が既知であれば、水冷開始から終了までの伝熱計算を行うことで、冷却終了後の水冷プロセス出側温度を予測することは可能であるが、時々刻々板温を計測することが一般に不可能な実水冷プロセスで、出側温度だけから熱伝達係数を計算することは困難であった。
そこで本発明は、実水冷プロセスにおいて冷却を行う鋼板についての実測データやプロセス条件から、オンラインで熱伝達係数を正確に推定する方法を提供することで、所定の冷却速度で、所定の温度まで、精度良く鋼板を冷却することを可能とすることを目的とする。
本発明の鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法は、加熱された鋼板を移動させながら複数の冷却ゾーンを通過させ、所定の冷却速度パターンを得るべく、各冷却ゾーンの冷却水量密度を調整して所定の温度まで冷却する鋼板の水冷プロセスにおいて、該鋼板の前記水冷プロセスの入側および出側での表面温度実績値、板厚、板幅、および移動速度実績値と各冷却ゾーンの冷却水温および冷却水量密度とを入力として、前記水冷プロセス通過後の鋼板に対して、熱伝達計算によって水冷開始から終了までの鋼板温度を逐次計算し、前記計算した鋼板温度と実測した鋼板温度との誤差が小さくなる様に、探索法を用いて前記伝熱計算に用いた熱伝達係数を修正することによって、熱伝達係数を計算することを特徴とする。
また、本発明の鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法は、探索法としてシミュレーテッドアニーリング法を用いることを特徴とする。
また、本発明の鋼板の冷却制御方法は、上述した熱伝達係数推定方法によって求めた熱伝達係数を用いて、水冷プロセスでこれから処理を行う予定の鋼板に対して、水冷条件を変えて水冷途中及び終了後の鋼板温度を繰り返し計算することにより、前記計算した鋼板温度が目標温度と一致する様に最適水冷条件を決定することを特徴とする。
以上に説明した様に、本発明によれば、実水冷プロセスにおいて水冷処理を行う鋼板についてのプロセス条件、測定データから、オンラインで熱伝達係数を正確に推定することが可能となり、その値を用いることで、所定の冷却速度で、所定の温度まで、精度良く鋼板を冷却することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の1形態について説明する。
図1は、本実施形態の鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法の構成を示す概念図である。尚、熱伝達係数は水冷条件の関数であり、様々な形が提案されているが、ここでは以下の式(1)の関数を用いた例について説明する(前記非特許文献1より)。
log(α)=A+B・log(W)+C・Ts ・・・・・ (1)
但し;αは熱伝達係数
Wは水量密度
Tsは鋼板表面温度
A、B、Cは推定すべきパラメータである。
まず、後に詳細に説明する、シミュレーテッドアニーリング法等の探索法にて計算を行う際の計算条件を入力する(ステップS1)。
次に、推定すべき上記パラメータA、B、Cの初期値を入力する(ステップS2)。前記パラメータ初期値は、本発明で推定する最終値との誤差が小さい正確な値である必要はないので、これまでに実験室での測定で求めた値などを適当に入力すれば良い。続けて、水冷される鋼板の実績データを入力する(ステップS3)。具体的には、鋼板の板厚、板幅、冷却水の水量密度、水温、水冷前(水冷プロセス入側)の板温、水冷後(水冷プロセス出側)の板温、水冷を行う時間などを入力する。ここでは、板温は放射温度計で測定し、また水冷プロセス中で鋼板を移動させながら冷却を行うプロセスなので、水冷時間の代わりに水冷ゾーンの長さと移動速度を入力しても等価である。この場合、ゾーンが複数に分かれ、それぞれ水量密度が異なる場合は、それぞれのゾーン毎の水量密度を入力する。また、鋼板の上面と下面の両方から水冷を行う場合は、上面、下面それぞれの水量密度を入力する。また、水冷プロセス内で、即ち水冷ゾーン間に水切りゾーンを設け、水冷途中で板温測定を行うことが可能な場合は、その測定実績も入力する。
次に、前記ステップS3で入力した条件と、ステップS2で入力した熱伝達係数パラメータA、B、Cの初期値を用いて、例えば下記の文献に示す様な、一般的な伝熱計算方法により、水冷後の板温を計算する(ステップS4)。
「連続鋼片加熱炉における伝熱実験と計算方法」、S45/11、
(社)日本鉄鋼協会、5章 伝熱計算法 P68
より具体的にこの手順を説明すると、まず、式(1)の各値のうち、水量密度は水冷プロセス全体を通して既知であり、水冷開始時の板温も既知である。従って、これら2つの値と、熱伝達係数パラメータA、B、Cの初期値を用いて、式(1)から、水冷開始時の熱伝達係数を計算することが出来る。次に、前記熱伝達係数と、水冷開始時の板温、及び、ステップS3で入力した、鋼板の板厚、板幅、冷却水の水温から、伝熱計算によって、水冷開始後短時間(例えば0.1秒)経過した時点の板温を計算することが出来る。この様に計算した板温と既知の水量密度を用いて、熱伝達係数の前記短時間経過時点での値を、式(1)から再び計算することが出来る。この様に短時間刻みで次々に板温と熱伝達係数を計算していくことで、水冷プロセス出側の板温を計算することが可能である。
短時間刻みで前記計算を繰り返すのは、その間の熱伝達係数の変化が無視出来る程度であり、精度の高い伝熱計算が出来る為であり、一般的には例えば0.1秒程度以下とするのが良い。
また、鋼板の各部分の温度を厳密に計算しようとすると、鋼板の厚み、幅、長さについての3次元の伝熱計算を行う必要があるが、ここでは、オンラインで高速に計算を行うことを目的としていること、水冷条件は長さ方向では基本的に一定であり、長さ方向の温度変化が厚み方向や幅方向に比較して小さいので、厚み方向と幅方向の2次元での伝熱計算を行うことで良い。
更に、冷却ゾーン毎に水量密度が異なる場合は、それぞれの冷却ゾーン毎の水量密度を用いて計算を行うことは勿論である。
前記水冷プロセス出側板温の計算値と、ステップS3で入力した出側板温の実績値との差を、温度計算誤差として求める(ステップS5)。尚、水冷途中での板温測定を行うことが可能な場合は、その測定実績値とその点での計算板温との差も計算し、前記出側板温の計算誤差と、絶対値或いは自乗を取って加えあわせることで、入側、出側に加えて、中間点の温度誤差を考慮した合わせ込みを行うことになり、熱伝達係数計算の精度が向上する。
ステップ3からステップ5の処理を対象鋼板の枚数分だけ繰り返し、前記板温計算誤差のそれぞれ絶対値或いは自乗を取った値の合計値を計算する(ステップS6)。ここで、熱伝達係数を計算する対象となる鋼板が一枚だけの場合は、ステップS3からステップS5は1回行うのみで、ステップS6は不要であるが、複数枚の鋼板の実績データによって計算を行うことで、よりばらつきの少ない精度の高い推定が可能となる。
前記計算誤差合計値が予め定められた許容範囲よりも大きければ、探索法により熱伝達係数パラメータA、B、Cの値を修正する(ステップS7)。探索法の基本的な考え方を、代表的な探索法である局所探索法について以下に説明する。まず、これまでのパラメータの値(本実施例では熱伝達係数パラメータA、B、C)を少し変更して、その結果を評価する(本実施例では温度計算誤差が増大したか縮小したかを評価する)。改善が得られた場合は、変更した後のパラメータの値を、新たなパラメータの値として採用する。改善が得られなかった場合は、変更する前の値に戻す。これを繰り返し、評価結果が予め与えた許容範囲内に収束するか、或いは予め定めた回数だけ前記計算を繰り返した時点で探索を終了する。
温度計算誤差が十分小さな許容範囲内に収束すれば、その時点で正しい熱伝達係数パラメータが得られたことになる。
ここで、熱伝達係数として例えば式(1)を用いる場合に、水冷開始から終了までの全ての温度範囲で、パラメータA、B、Cに同じ値を用いても良いが、温度範囲を複数の区間に分けて、それぞれについて別個のパラメータA、B、Cを割り当てることで、より精度の高い推定が可能となる。例えば、鋼板温度200度程度で区間を2つに分けることで、核沸騰領域(200度以下)とそれ以外の領域(膜沸騰領域および遷移沸騰領域;200度以上)について、より精度の高いパラメータフィッティングが可能となる。
図2は、探索法の1つであるシミュレーテッドアニーリング法によって熱伝達係数を推定する手順を示す図である。シミュレーテッドアニーリング法は、前記局所探索法では評価値が極小値に落ち込んでしまい、十分小さな値に収束しないことが生じうる欠点を補う為に考案された手法であり、金属等の焼鈍工程で温度が低下する過程での原子の動きとそのエネルギー状態を模擬した手法である。局所探索法では、評価値を悪化させるパラメータ変更は受け入れないが、シミュレーテッドアニーリング法ではそれを一定の確率で受け入れる点が特長である。受け入れ確率は、焼鈍過程での温度(探索アルゴリズム上での仮想的な温度であり、本発明の対象である鋼板の水冷時の温度とは無関係の値であるので、以降は仮想温度と呼ぶ)が高い時ほど、また、パラメータ変化による評価値の悪化代が小さいほど高く、仮想温度が下がるにつれて受け入れ確率を低くする。これによって、極小値に陥った場合でも、仮想温度が高い間はそこから抜け出し、仮想温度が下がるにつれて、評価値の良いパラメータに収束することが期待出来る。以下、図2に従って順番に手順を説明する。尚、ここで熱伝達係数の関数形としては前記の式(1)の場合を例に取って説明する。
まず、計算条件と、パラメータA、B、Cの初期値を入力する(ステップS11)。具体的には、仮想温度を変化させる場合の、初期仮想温度、最終仮想温度、仮想温度の変化幅、繰り返し回数(同じ仮想温度で何回計算を繰り返すか)、A、B、Cの初期値とその最大変化幅、である。仮想温度の変化幅については、一定温度刻みで下げていっても良いが、一定比率(例えば前回仮想温度の0.95倍とする)で下げる方がより収束性が良い。
次に、各パラメータA、B、Cの値を少し変化させる(ステップS12)。ここでは、3つのパラメータを同時に変化させても良いし、一度に変化させるパラメータは一つだけとし、例えば乱数計算でそれを選択させる方法でも良い。また、パラメータの変化幅は、ステップS11で入力した最大変化幅に対して、例えば−1から+1迄の範囲の値を取る乱数を掛け合わせた値を変化幅とする。この様な手順を取ることで、3つのパラメータのどれを変化させるか、どの程度変化させるかを、毎回ランダムに決める。
前記ステップS12で計算したパラメータA、B、Cと式(1)によって計算される熱伝達係数によって、水冷後の板温を計算し、実績出側板温との計算誤差を求める(ステップS13)。複数枚の鋼板によって1組のパラメータA、B、Cを推定する場合には、それら全ての鋼板についての温度誤差を合計する(図1のステップS3からS6に詳細に記述の通り)。
次に、ステップS12で行ったパラメータ変更を採用するかどうかを決定する(ステップS14)。ここでは例えば以下の様に決定する。
・板温計算誤差がパラメータ変更で小さくなった場合には確率1で採用
・板温計算誤差がパラメータ変更で大きくなった場合には確率Exp(−Δ/t)で採用
ここで、Δはパラメータ変更後の板温計算誤差からパラメータ変更前の板温計算誤差を引いた値であり、tは仮想温度である。Exp(−Δ/t)は、仮想温度tが十分大きい場合は1に近い値を取り、仮想温度が小さくなるに従って0に近づく。また、Δが大きいほど小さな値となる。即ち、仮想温度が低下するに従い、パラメータ変更を採用する確率が低下し、また、パラメータ変更による板温計算精度が悪化するほど、その変更を採用する確率が低下する。
予め定めた繰り返し回数になるまでステップS12からS14を繰り返し(ステップS15)、その中で温度計算誤差が最小のパラメータA、B、Cを、その仮想温度での確定パラメータとし、次の仮想温度におけるパラメータ初期値とする(ステップS16)。
次に、仮想温度を1ステップ下げる(ステップS17)。ここで仮想温度がステップS11で読み込んだ最終仮想温度になっていなければ、ステップS12に戻り、ステップS17までの手順を繰り返す(ステップS18)。最終仮想温度に到達した時点で手順を終了し、その時のパラメータA、B、Cを推定結果とする。
ここで、温度計算誤差の許容値を予めステップS11で入力しておき、温度計算誤差がその許容値以下になった時点で探索を打ち切っても良い。
また、パラメータA、B、Cの最大変化幅は、仮想温度の全範囲で一定の値を用いても良いが、仮想温度が高い間は大きな値に、仮想温度が低くなるに従って小さな値にすることで、仮想温度が高い間は、パラメータの変化幅が大きいため高速に最適値に向かって収束し、仮想温度が低くなった時には、パラメータの変化幅が小さくなるので、小刻みに計算誤差が縮小されることが期待出来るので、より高速に精度の高い推定を行うことが可能となる。
この様に、熱伝達係数の各パラメータを高い精度で求めることが出来れば、冷却後の板温が指定された値になる様に水冷プロセスの冷却条件を精度良く設定することが可能となる。即ち、指定された冷却条件に対して、図1のステップS4で行ったのと同じ伝熱計算によって、水冷プロセス出側板温を計算し、目標温度と比較して差異があれば、水量密度、鋼板の移動速度等の調整可能な水冷条件を変更し、再度伝熱計算を行う。この様にして、水冷プロセス出側板温が目標温度と一致する水冷条件を求め、その値を用いて水冷プロセスの制御を行うことで、精度の高い板温制御を行うことが出来る。
ここで、熱伝達係数の各パラメータは、請求項1、請求項2の方法で事前に計算して求めておいて、その値を固定的に冷却制御に用いることも可能であるが、冷却制御の結果、水冷プロセス出側板温と目標温度とに差異が生じた場合には、オンラインで熱伝達係数を計算しなおし、以後その値を用いる様にすることで、水冷設備の経時変化等の影響を受けず、冷却制御の精度を高く保つことが可能となる。
以下、本発明の1実施例として、厚板の水冷プロセスにおける熱伝達係数の推定の例について説明する。図3に本実施例で用いた水冷プロセス実験設備の構成を示す。全体が[1]から[3]の3つのゾーンに分割されており、図中で左から右へ鋼板を移動させながら、上下両面から水冷を行う。プロセス入側と出側には、板温を測定する為の温度計が設置されている。
水冷条件は以下の通りである。
鋼板板厚 20mm
鋼板板幅 300mm
入側板温 750度
出側板温 540度
各ゾーン滞在時間と上面、下面の水量密度(単位はm/m・分)
1ゾーン 2 秒 上面 0.3 下面 0.3
2ゾーン 5 秒 1.0 1.0
3ゾーン 8 秒 1.0 1.0
冷却水温度 25度
シミュレーテッドアニーリング計算条件
初期仮想温度 1000度
最終仮想温度 1度
仮想温度の変化幅 前回仮想温度の0.95倍
同じ仮想温度での計算繰り返し回数 30回
初期値 A:2.0 B:1.0 C:−0.001
最大変化幅 A:0.1 B:0.04 C:0.0001
熱伝達係数の関数の形としては前記の式(1)を用いた。
この結果得られた伝熱係数パラメータの値は以下の通りである。
A:2.516
B:0.576
C:−0.00173
伝熱パラメータを用いた伝熱計算によって、前記鋼板とは別の鋼板について、水冷後の鋼板温度を求めたところ、実績温度との誤差が10度以内の精度高い計算結果が得られた。
また、上記伝熱係数パラメータを用いて、以下の鋼板に対して、適切な水量密度を計算した。
鋼板板厚 25mm
鋼板板幅 300mm
入側板温 750度
目標出側板温 530度
冷却水温度 25度
各ゾーン滞在時間 1ゾーン 2 秒
2ゾーン 5 秒
3ゾーン 8 秒
結果は以下の通りであった(単位はm/m・分)。
上面 下面
1ゾーン 0.5 0.5
2ゾーン 1.4 1.4
3ゾーン 1.4 1.4
この値を用いて水冷プロセスの制御を行い、同じ条件で10枚の鋼板の水冷処理を行ったところ、目標出側板温度に対して誤差10度以内の高い精度で制御することが出来た。
本発明の1実施形態の鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法の構成を示す図である。 シミュレーテッドアニーリング法によって熱伝達係数を推定する手順を示す図である。 本発明の実施例の水冷プロセスの構成を示す図である。

Claims (3)

  1. 加熱された鋼板を移動させながら複数の冷却ゾーンを通過させ、所定の冷却速度パターンを得るべく、各冷却ゾーンの冷却水量密度を調整して所定の温度まで冷却する鋼板の水冷プロセスにおいて、該鋼板の前記水冷プロセスの入側および出側での表面温度実績値、板厚、板幅、および移動速度実績値と各冷却ゾーンの冷却水温および冷却水量密度とを入力として、前記水冷プロセス通過後の鋼板に対して、熱伝達計算によって水冷開始から終了までの鋼板温度を逐次計算し、前記計算した鋼板温度と実測した鋼板温度との誤差が小さくなる様に、探索法を用いて前記伝熱計算に用いた熱伝達係数を修正することによって、熱伝達係数を計算することを特徴とする鋼板の水冷プロセスにおける熱伝達係数推定方法。
  2. 探索法としてシミュレーテッドアニーリング法を用いることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝達係数推定方法。
  3. 請求項1または2に記載の熱伝達係数推定方法によって求めた熱伝達係数を用いて、水冷プロセスでこれから処理を行う予定の鋼板に対して、水冷条件を変えて水冷途中及び終了後の鋼板温度を繰り返し計算することにより、前記計算した鋼板温度が目標温度と一致する様に最適水冷条件を決定することを特徴とする鋼板の冷却制御方法。
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