JPH11138205A - 多パス圧延における材料温度予測方法 - Google Patents

多パス圧延における材料温度予測方法

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JPH11138205A
JPH11138205A JP9301933A JP30193397A JPH11138205A JP H11138205 A JPH11138205 A JP H11138205A JP 9301933 A JP9301933 A JP 9301933A JP 30193397 A JP30193397 A JP 30193397A JP H11138205 A JPH11138205 A JP H11138205A
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rolling
heat transfer
pass
αsc
material temperature
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JP9301933A
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Katsuyoshi Asada
勝義 浅田
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の圧延パスにおける被圧延材・クーラン
ト液間の熱伝達係数αscを高精度に求め、各圧延パスに
おける被圧延材の温度を高精度に予測し得る材料温度予
測方法を提供する。 【解決手段】 圧延温度モデルの下で圧延実績に基づい
て各圧延パスにおける被圧延材の材料温度を順次に計算
して圧延ラインの出側における計算材料温度を求め、計
算材料温度と実績温度とが等しくなるような被圧延材・
クーラント液間の熱伝達係数αscを求め、この熱伝達係
数αscを関数モデル化する。そしてαscを一定として上
記熱伝達係数αscの関数モデルを用いて前記各圧延パス
における材料温度と圧延速度とをそれぞれ予測計算し、
材料温度と圧延速度を補正しながら各圧延パス毎の熱伝
達係数αscを算出する。このようにして求められた熱伝
達係数αscを各圧延パスに与えて、各圧延パスの材料温
度を予測計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンデム圧延やリ
バース圧延のように複数の圧延パスを含む熱間圧延ライ
ンにおいて、クーラント液と被圧延材との間の熱伝達係
数αscを圧延パス毎に高精度に与えることで、各圧延パ
スにおける材料温度を高精度に予測することのできる多
パス圧延における材料温度予測方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】タンデム圧延やリバース圧延のよ
うに複数の圧延パスを含む圧延ラインにおいて、例えば
被圧延材の強度や靱性等の材質を改善するべく制御圧延
や冷却を行う場合、また板厚制御のための圧延荷重予測
を行う場合、更には省エネルギー対策を施す場合には、
各圧延パスにおける被圧延材の温度を正確に予測するこ
とが重要な課題となる。各圧延パスにおける材料温度を
正確に予測できれば、例えばタンデム配置された複数の
スタンド間における被圧延材の張力を安定化させてその
通板特性の安定化を図り、圧延精度を高めて被圧延材の
全長に亘って材料品質を均一化することが可能となる。
【0003】ところで熱間圧延における材料温度の変化
は、主として 圧延パスの入側および出側における大気中への熱放
射と対流による冷却 圧延パスの入側および出側におけるクーラント液に
よる冷却 圧延中の加工発熱 圧延ロールと被圧延材表面との摩擦、および圧延ロ
ールへの熱伝達 に依存する。特に上記クーラント液による冷却はその冷
却効率が高いので、材料温度を正確に予測するには、ク
ーラント液に依存する温度変化を的確に捉えることが重
要である。
【0004】従来、クーラント液による冷却作用を的確
に捉えるべく、被圧延材とクーラント液との間の熱伝達
係数αscを、予め実験的に求めることが行われている。
例えば「住友軽金属技報;vol.27,No.3,pp135〜141,
(1986-6)」に紹介される論文『アルミ熱延における材料
温度計算』には、所定温度に加熱した供試材をクーラン
ト液で冷却しながら、該供試材に埋め込んだ熱電対によ
り温度降下量を計測することで、そのときのクーラント
液流量(流量密度V)から熱伝達係数αscを求めること
が示されている。また実ラインにおける圧延温度トラッ
キング・シミュレーション結果に基づいて、圧延機出側
における被圧延材(供試材)の計算温度と実績温度とが
等しくなるように上記熱伝達係数αscを修正すれば良い
旨も記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで熱間多パス圧
延においては、各圧延パス毎に材料温度や圧延速度が大
きく異なり、材料温度を決定する最も大きい要因である
熱伝達係数αscは、各圧延パスにおける材料表面温度や
圧延速度等によって大きく変動する。しかも各圧延パス
毎にクーラントの使用形態が大きく異なることも希では
ない。この為、前述したように、クーラント液の流量
(流量密度V)に応じて実験的に求められる熱伝達係数
αscを一義的に与えて各圧延パスにおける材料温度を計
算しても、その計算精度に問題がある。
【0006】ちなみに各圧延パス毎に、その入側と出側
における被圧延材の材料温度を計測する為の材料温度計
を組み込むことが考えられるが、多大な設備費用が掛か
る。しかも各圧延パスにそれぞれ材料温度計を組み込ん
だとしても、一般的に圧延機の周辺における温度環境が
悪いので、各圧延パスにおける被圧延材の温度(材料温
度)を精度良く測定できる保証はない。
【0007】このように従来にあっては、複数の圧延パ
スにおける材料温度を精度良く測定し、或いは予測計算
することができないので、各圧延パスに対して設定する
圧延速度や圧延荷重等の圧延条件が最適化されず、材料
温度や板厚等がその目的値から外れると言う問題があっ
た。特にクーラントの使用条件によって大きく変化する
被圧延材・クーラント液間の熱伝達係数αscを各圧延パ
ス毎に個別に、しかも高精度に求めることが困難であ
り、従って各圧延パスでの材料温度を精度良く予測計算
することができないと言う問題があった。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、複数の圧延パスを含む圧延ライ
ンにおける各圧延パスでの被圧延材・クーラント液間の
熱伝達係数αscを高精度に求め、これによって各圧延パ
スにおける被圧延材の温度を高精度に予測することで、
圧延精度を高めることのできる多パス圧延における材料
温度予測方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、被圧延材を順次圧延する複数の圧延パス
を含む圧延ライン上に、クーラント液による被圧延材の
冷却装置を備えると共に、前記圧延ラインの入側と出側
とにそれぞれ材料温度計を備えた圧延機において、各圧
延パスにおける材料温度をそれぞれ予測計算する多パス
圧延における材料温度予測方法に係り、特に圧延温度モ
デルの下で各圧延パスの圧延実績に基づいて、前記各圧
延パスにおける被圧延材の材料温度を順次に計算して圧
延ライン出側における計算材料温度を求め(第1の工
程)、この計算材料温度と圧延ライン出側における実績
温度とが等しくなるように、被圧延材・クーラント液間
の熱伝達係数αscを逆算して該熱伝達係数αscを関数モ
デル化した後(第2の工程)、各圧延パスの熱伝達係数
αscを仮設定して、上記熱伝達係数αscの関数モデルを
用いて前記各圧延パスにおける材料温度と圧延速度とを
それぞれ予測計算し(第3の工程)、予測計算された各
圧延パスにおける材料温度と圧延速度とを前記圧延実績
に従って補正しながら、前記関数モデルに従って前記各
圧延パス毎の熱伝達係数αscを算出した後(第4の工
程)、計算された各圧延パスの熱伝達係数αscに従って
前記熱伝達係数αscの関数モデルを用いて各圧延パスの
材料温度を計算する(第5の工程)ことを特徴としてい
る。
【0010】即ち、本発明に係る多パス圧延における材
料温度予測方法は、圧延機の各圧延パスにおける圧延実
績に基づいて予め関数モデル化した熱伝達係数αscを用
い、各圧延パスでの熱伝達係数αscを仮設定して各圧延
パスにおける材料温度と圧延速度とをそれぞれ予測計算
する。そして予測計算された各圧延パスにおける材料温
度と圧延速度とを圧延実績に応じて補正しながら前記関
数モデルを用いて各圧延パス毎の熱伝達係数αscを高精
度に算出し、これらの熱伝達係数αscを各圧延パスに与
えることで、各圧延パスにおける材料温度を高精度に求
めることを特徴としている。
【0011】本発明の好ましい態様によれば、請求項2
に記載するように前記圧延実績は、各圧延パスでの圧延
荷重,板厚,ロールギャップ,およびロール周速度と、
前記材料温度計により求められる材料温度として求めら
れ、更に請求項3に記載するように前記熱伝達係数αsc
の関数モデルを、板厚,ロール周速度,材料温度,およ
びクーラントの流量と平均粒径等をパラメータとする回
帰モデル化された関数系として求めることを特徴として
いる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る多パス圧延における材料温度予測方法
を、熱間タンデム圧延を例に説明する。図1は本発明が
適用される熱間仕上げ圧延機と、該圧延機により圧延加
工される被圧延材Wへの熱の出入りの様子をモデル化し
て示したものである。このモデルはタンデム配置された
4段の圧延スタンド(圧延パス)1,2,3,4を備えて
連続圧延ラインを形成したもので、特に第1〜第3スタ
ンド1,2,3の各入側には、クーラント冷却手段(冷却
装置)がそれぞれ設けられている。また圧延ラインの入
側および出側には、被圧延材Wの入側材料温度および出
側材料温度を計測する為の放射温度計5,6が設けられ
ている。
【0013】尚、図1においてT(0),…,T(25)は、被
圧延材Wの入温(入側材料温度),各圧延パスにおける
空冷(空気冷却)温度,放冷(放射冷却)温度,クーラ
ント冷却(クーラント液による冷却)温度、更に圧延ロ
ールによる加工温度(圧延による発熱温度),摩擦温度
(圧延ロールと被圧延材Wとの摩擦発熱温度),ロール
伝熱温度(圧延ロールを伝わって逃げる温度)、および
被圧延材Wの出温(出側材料温度)を、圧延ラインの各
位置に応じて示している。
【0014】本発明に係る材料温度予測方法は、上述し
た如くモデル化される圧延ラインにおける各圧延パスで
の材料温度を高精度に予測するものであり、例えば図2
に示す処理手順に従って実行される。具体的には、先ず
第1の工程として圧延温度モデルの下で各スタンドでの
圧延実績に従って材料温度計算を実行し[ステップS
1]、この材料温度計算によって求められた圧延ライン
の計算出側温度が、放射温度計6によって計測される実
績温度と等しくなるような熱伝達係数αscを逆算する
[ステップS2]。そして第2の工程として上述した如
く逆算された熱伝達係数αscを、クーラント流量、板表
面温度、圧延速度を用いて回帰モデル化する[ステップ
S3]。
【0015】即ち、上記圧延実績に基づく材料温度計算
は、各スタンド1,2,3,4での圧延実績、例えば圧延
荷重,板厚,ロールギャップ,ロール周速度,材料温度
を取り込んだ後、これらの圧延実績から図1に示す圧延
温度モデルの下で各スタンド1,2,3,4の出側におけ
る材料温度を逐次計算することによって実現される。こ
の圧延温度モデルに基づく材料温度の計算(第1の工
程)について簡単に説明すると、この計算は、例えば図
3に示すような手順に従って実行される。
【0016】具体的には上記材料温度計算は、先ずクー
ラント液と被圧延材Wとの間の熱伝達係数αscを仮設定
すると共に[ステップS11]、クーラント液による被
圧延材Wの冷却長さを設定し[ステップS12]、各ス
タンド1,2,3,4での圧延速度の下で前記クーラント
液による冷却時間を計算する[ステップS13]。そし
て計算対象とする圧延スタンドを管理する為のパラメー
タkを[1]に初期設定する[ステップS14]。この
際、被圧延材Wの入側温度T(0)についても初期設定す
る。
【0017】このような初期設定の後、前記パラメータ
kの下で空冷後の材料温度計算[ステップS15]、輻
射冷却後の材料温度計算[ステップS16]、クーラン
ト冷却後の材料温度計算[ステップS17]、加工発熱
後の材料温度計算[ステップS18]、摩擦発熱後の材
料温度計算[ステップS19]、そしてロール接触後の
材料温度計算[ステップS20]を順に実行し、先ず図
1に示す圧延温度モデルの下で、第1のスタンド1に関
する材料温度T(1),…,T(6)を順に求める。
【0018】これらの一連の材料温度計算は、前記パラ
メータkをインクリメントしながら実行され[ステップ
S21]、最終スタンドの出側(圧延ラインの出側)に
おける空冷後の材料温度計算[ステップS15]、輻射
冷却後の材料温度計算[ステップS16]が完了するま
で繰り返し実行される[ステップS22]。ちなみにこ
の判定は前記パラメータkが、[スタンド数+1]に達
したか否かを判定することによって実行される。
【0019】このようなパラメータkの下で上述した一
連の材料温度計算を繰り返し実行することで、第2のス
タンド2に関する材料温度T(7),…,T(12),第3のス
タンド3に関する材料温度T(13),…,T(18),更に第4
のスタンド4に関する材料温度T(19),…,T(23)が逐次
求められる。そして最終スタンド(第4スタンド4)の
出側における材料温度T(24),T(25)が求められた時点
で、材料温度計算が完了したことが判定される[ステッ
プS22]。しかる後、各スタンド毎に求められた材料
温度が、その計算結果として出力される[ステップS2
3]。
【0020】以上のようにして、圧延温度モデルの下で
各スタンドにおける材料温度が計算された後[ステップ
S1]、前述した図2に示す処理手順に示すように、最
終スタンド4の出側(圧延ラインの出側)における被圧
延材Wの計算材料温度T(25)が、放射温度計6を用いて
実際に計測される出側材料温度と等しくなるような熱伝
達係数αscの逆算処理が実行される[ステップS2]。
この逆算処理は、前述した圧延温度モデルを逆に辿るこ
とで実行される。尚、このようにして逆算される熱伝達
係数αscは、圧延ラインの全体に亘る平均熱伝達係数α
scとして求められる。
【0021】しかる後、第2の工程として上述した如く
逆算された熱伝達係数αscを、クーラント流量Q,被圧
延材Wの板表面温度(材料温度)T,圧延速度Vを用い
て、例えば αsc=αo +F(Q,T,V) として回帰モデル化する[ステップS3]。但し、上式
中、αoは基準熱伝達係数であり、F(Q,T,V)はクー
ラント流量Q,被圧延材Wの板表面温度(材料温度)
T,圧延速度Vをそれぞれパラメータとする関数であ
る。
【0022】さて上述した如く熱伝達係数αscの回帰モ
デルが求められたならば、次に第3の工程として上記回
帰モデルを用いて材料温度計算を実行し、各圧延パスに
おける材料温度と圧延速度とを計算する[ステップS
4]。但し、この回帰モデルを用いた材料温度計算は、
各圧延パスにおける熱伝達係数αscを一定(例えば平均
熱伝達係数αsc)として実行される。即ち、前述した圧
延温度モデルに代えて、圧延実績に基づいて予め求めた
熱伝達係数αscの回帰モデルに従って各パスにおける材
料温度計算を実行する。そして回帰モデルに従って計算
される出側計算温度が、その目標温度と等しくなるよう
に収束計算を行い、各パスでの材料温度およびロール周
速度を求める。
【0023】しかる後、第4の工程として、再度、前記
各圧延スタンド(圧延パス)の圧延実績に基づいて各パ
スにおけるクーラント流量Q,被圧延材Wの板表面温度
(材料温度)T,圧延速度Vに応じて各パス毎の熱伝達
係数αscを補正し[ステップS5]、各パス毎の熱伝達
係数αscを決定する。具体的には前述した回帰モデル
(モデル関数)を用いて、上述した如く各パス毎に計算
された材料温度およびロール周速度に応じた熱伝達係数
αscを各パスにそれぞれ与え、再度、出側計算温度がそ
の出側目標温度と等しくなるように収束計算を行う。換
言すれば各パス毎に、材料温度およびロール周速度に応
じて熱伝達係数αscを補正しながら上述した収束計算を
行い、出側計算温度が収束した時点における各パスでの
熱伝達係数αscをそれぞれ求める。
【0024】ちなみに平均熱伝達係数αscが、圧延ライ
ンの全体に亘る平均クーラント流量Qav,被圧延材Wの
平均板表面温度(材料温度)Tav,および平均圧延速度
Vavにより αsc=αo +F(Qav,Tav,Vav) として回帰モデル式として表した場合、i段目の圧延パ
スにおけるクーラント流量Qi、材料温度Ti、圧延速度
Viにそれぞれ依存する成分は αsc1i=αo +F(Qi,Tav,Vav) αsc2i=αo +F(Qav,Ti,Vav) αsc3i=αo +F(Qav,Tav,Vi) として示される。
【0025】しかしてi段目の圧延パスにおいて上記各
成分について補正したクーラント流量補正係数ζi、材
料温度補正係数ηi、圧延速度補正係数κiが、 ζi =αsc1i/αsc ηi =αsc2i/αsc1i κi =αsc3i/αsc1i としてそれぞれ表され、圧延実績から求められる学習係
数がξで示される場合、i段目の圧延パスの熱伝達係数
αsc(i)は αsc(i) =αsc・ξ・ζi・ηi・κi として決定されることになる。
【0026】尚、上記熱伝達係数αscの学習係数ξは、
例えば所定の圧延温度モデルにおいて予測される材料温
度と実際の材料温度との比等として求められるもので、
特に指数平滑法、具体的には前回までに求められている
学習係数ξoldと今回新たに求められた材料温度Xとの
差(X−ξold)を、所定の平滑ゲインβの下で、前回
の学習係数ξoldに足し込むことで、 ξnew =ξold +β(X−ξold) として新たな学習係数ξnewを指数的に平滑化して求め
られる。
【0027】以上のようにして各圧延パス毎の熱伝達係
数αscがそれぞれ高精度に決定されたならば、第5の工
程として上記各熱伝達係数αscを用いて再度材料温度計
算を実行し、各スタンドにおける材料温度および圧延速
度をそれぞれ求める[ステップS6]。この結果、各ス
タンドでの被圧延材Wの材料温度を、クーラント条件の
違いに拘わることなく高精度に予測計算することが可能
となる。
【0028】尚、上述した如く各圧延パスでの材料温度
を予測して圧延加工を実行した後には、そのときの圧延
実績に基づいて各パスにおける熱伝達係数αscを学習す
るようにすれば良い[ステップS7]。この熱伝達係数
αscの学習処理は、例えば前述した指数平滑法を用いて
実行される。しかしてこのような熱伝達係数αscの処理
を実行すれば、圧延実績の下で前述した回帰モデルの精
度を高めることが可能となるので、より高精度に各パス
毎の熱伝達係数αscを求めることが可能となり、各パス
での材料温度を高精度に予測することが可能となる。
【0029】かくして上述した如く、圧延温度モデルの
下で圧延実績に基づく材料温度計算によって求められた
熱伝達係数αscを、該熱伝達係数αscの回帰モデルに従
う材料温度計算の下で補正することで、各圧延パスでの
熱伝達係数αscを高精度に求めも、この熱伝達係数αsc
を用いて各圧延パスの材料温度を予測計算する本手法に
よれば、個々の圧延パスにおけるクーラント条件の違い
に拘わりなく、各パス毎の材料温度を高精度に予測する
ことが可能となる。従って本発明によれば、複数の圧延
パスに対するプリセットアップの精度向上を図ることが
でき、ひいてはオフテンプ長さやオフゲージ長さの短縮
化を図り、圧延製品の品質安定化、更には歩留まりの向
上を図ることが可能となる。
【0030】また上述した如く熱伝達係数αscを回帰モ
デル化しておけば、各種の圧延機における材料温度の予
測計算を簡単に、しかも精度良く行い得る。従って複数
の圧延スタンドにおけるロールギャップをダイナミック
にセットアップするような場合、そのセットアップ条件
を高精度に定めることができる。また圧延製品の強度や
靱性等の材質改善のための制御圧延や冷却、更には板厚
制御のための圧延荷重予測、省エネルギ化に対する圧延
材の温度制御等に有効に役立たせることが可能となる。
更には個々の圧延パス毎に材料温度を計測するための温
度計を設ける必要がないので、そのシステム構成を安価
なものとすることができる。
【0031】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ものではない。上述した実施形態は4段のタンデム圧延
を例に説明したが、その構成段数はシステム仕様に応じ
て定めれば良い。またクーラント冷却の条件、つまり被
圧延材に対するクーラント液スプレーノズルの幾何学的
関係やクーラント液の噴霧流量等もその仕様に応じて定
めれば良く、特に制限されない。またリバース圧延によ
り複数の圧延パスを構成する場合にも同様に適用するこ
とができる。更には前述した学習係数の算出法や、熱伝
達係数αscの学習法については、種々の手法を採用でき
ることは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を
逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の圧延パスにおけるクーラント液・被圧延材間の熱伝
達係数αscを、個々の圧延パス毎に高精度に与えて各圧
延パスでの材料温度を予測計算するので、その計算精度
を十分に高めることができる。従って、例えばオフテン
プ長やオフゲージ長の短縮を図って、圧延製品の品質安
定化、更には歩留まりの向上を図ることを可能とする等
の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンデム圧延機により圧延加工される被圧延材
Wへの熱の出入りの様子をモデル化した圧延温度モデル
を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る材料温度予測計算の
処理手順を示す図。
【図3】圧延温度モデルを用いた材料温度計算の処理手
順を示す図。
【符号の説明】
1,2,3,4 圧延スタンド(圧延パス) 5,6 放射温度計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を順次圧延する複数の圧延パス
    を含む圧延ライン上に、クーラント液による被圧延材の
    冷却装置を備えると共に、前記圧延ラインの入側と出側
    とにそれぞれ材料温度計を備えた圧延機において、 前記各圧延パスの圧延実績に基づいて、前記各圧延パス
    における被圧延材の材料温度を圧延温度モデルに従って
    順次に計算して圧延ライン出側における計算材料温度を
    求める第1の工程と、 クーラント液と被圧延材との間の熱伝達係数αscを、前
    記圧延ライン出側における計算材料温度が前記材料温度
    計から求められる圧延ライン出側における実績温度と等
    しくなるように逆算し、この逆算された熱伝達係数αsc
    を関数モデル化する第2の工程と、 各圧延パスの熱伝達係数αscを仮設定し、上記熱伝達係
    数αscの関数モデルを用いて前記各圧延パスにおける材
    料温度と圧延速度とを予測計算する第3の工程と、 予測計算された各圧延パスにおける材料温度と圧延速度
    とを前記圧延実績に従って補正し、前記関数モデルに従
    って前記各圧延パス毎の熱伝達係数αscを算出する第4
    の工程と、 計算された各圧延パスの熱伝達係数αscに従い、前記熱
    伝達係数αscの関数モデルを用いて各圧延パスの材料温
    度を計算する第5の工程とを具備したことを特徴とする
    多パス圧延における材料温度予測方法。
  2. 【請求項2】 前記圧延実績は、各圧延パスでの圧延荷
    重,板厚,ロールギャップ,およびロール周速度と、前
    記材料温度計により求められる材料温度とからなること
    を特徴とする請求項1に記載の多パス圧延における材料
    温度予測方法。
  3. 【請求項3】 前記熱伝達係数αscの関数モデルは、板
    厚,ロール周速度,材料温度,およびクーラントの流量
    と平均粒径等をパラメータとする回帰モデル化された関
    数系として求められることを特徴とする請求項1に記載
    の多パス圧延における材料温度予測方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101167172B1 (ko) 2010-02-26 2012-07-24 현대제철 주식회사 압연 공정에서 판재의 길이 및 폭 계산 방법
JP2016032822A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 Jfeスチール株式会社 熱延鋼帯の冷却制御方法
KR101626604B1 (ko) * 2014-12-18 2016-06-01 주식회사 포스코 판재의 온도 예측 장치 및 방법
CN106269915A (zh) * 2016-08-17 2017-01-04 武汉钢铁股份有限公司 一种超快冷热焓确定方法及装置

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