JP2004244253A - セメント用添加剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、製造したコンクリート等の粘性を低下させ、作業性に優れたセメント用添加剤を提供する。
【解決手段】下記の(A)および(B)を含有し、その重量比が(A):(B)=5〜95:95〜5であることを特徴とするセメント用添加剤。
(A)(a)ポリアルキレンポリアミン、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸および(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドからなる反応生成物であって、モル比が(a):(b):(c)=1:0.5〜1:0.1〜30である化合物(B)ポリカルボン酸系化合物
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアルキレンポリアミン、ジカルボン酸およびアルキレンオキシドからなる反応生成物とポリカルボン酸系化合物を含有するセメント用添加剤、該セメント用添加剤を含有するセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物に対して耐震性、高層化などが求められる中で、高強度コンクリートの要求が高まり、コンクリート組成物中の水の使用量を少なくする必要性が増している。従来、コンクリート、モルタルなどに使用する水を減らす目的で、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、リグニンスルホン酸の塩などが減水剤として用いられているが、これら減水剤は、モルタルやコンクリート組成物中に使用する水の量を減らす効果はあるものの満足できるものではなく、凝結時間が遅くなるという問題があった。近年、これらの問題点を解決するために、ポリカルボン酸系の減水剤、すなわちポリオキシエチレンモノアリルエーテル−マレイン酸共重合体が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかし、モルタルやコンクリート組成物中に使用する水の量を減らす効果は大きいが、それでも不十分であり、スランプ保持効果も低い。またポリカルボン酸系の減水剤、すなわちポリオキシエチレンモノアルケニルモノアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合体(例えば、特許文献2参照)や、ポリカルボン酸系の減水剤と含窒素ポリオキシアルキレン化合物との混合物(例えば、特許文献3参照)や、ポリカルボン酸系の共重合体中に含窒素化合物を導入した共重合体(例えば、特許文献4参照)は、モルタルやコンクリート組成物中に使用する水の量を減らす効果は大きく、スランプ保持効果も高い。
しかし、セメント組成物中に使用する水の量を減らす効果が大きく、スランプ保持効果が高いポリカルボン酸系の減水剤でも、近年、セメント組成物を施工する際の粘性が高いという問題が生じている。ここで言う「粘性」とは一般的にコンクリート組成物あるいはモルタル組成物の評価であるスランプ値では判別できない性能であり、この「粘性」が高いとポンプ圧送によるセメント組成物の流し込み、その後人手による作業でセメント組成物を扱うにあたり、作業性が悪いことが指摘されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−118058号公報(第1頁〜第8頁)
【特許文献2】
特開昭63−285140号公報(第1頁〜第5頁)
【特許文献3】
特開平7−232945号公報(第1頁〜第8頁)
【特許文献4】
特開平7−33496号公報(第1頁〜第5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、製造したコンクリート等の粘性を低下させ、作業性に優れたセメント用添加剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1) 下記の(A)および(B)を含有し、その重量比が(A):(B)=5〜95:95〜5であることを特徴とするセメント用添加剤、
(A)(a)ポリアルキレンポリアミン、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸および(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドからなる反応生成物であって、モル比が(a):(b):(c)=1:0.5〜1:0.1〜30である化合物(B)ポリカルボン酸系化合物
(2) (B)ポリカルボン酸系化合物が式(1)で示されるポリアルキレングリコールエ−テルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%、式(2)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である前記のセメント用添加剤、
【0006】
【化5】
Figure 2004244253
【0007】
(ただし、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、q=0〜2の整数を表し、p=1〜150である。)
【0008】
【化6】
Figure 2004244253
【0009】
(ただし、MおよびMはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Vは−OMまたは−W−(AO)を表し、Wはエーテル基またはイミノ基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、r=1〜150である。)
(3) ポリカルボン酸系化合物が式(3)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%、式(4)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である前記のセメント用添加剤、
【0010】
【化7】
Figure 2004244253
【0011】
(ただし、Rは水素原子またはメチル基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基を表し、S=1〜150である。)
【0012】
【化8】
Figure 2004244253
【0013】
(ただし、Rは水素原子またはメチル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表す。)
(4) 前記のセメント用添加剤、水およびセメントからなるセメント組成物である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(A)の化合物は、(a)ポリアルキレンポリアミン、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸および(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドからなる反応生成物であって、その構成モル比が(a):(b):(c)=1:0.5〜1:0.1〜30である。好ましくは、(a):(b):(c)=1:0.65〜0.9:1〜20である。
(a)ポリアルキレンポリアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンへプタミン等のエチレン基がアミノ基で結合した化合物や、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、メチルイミノビスプロピルアミン、あるいはポリアルキレンイミン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して使用しても良い。好ましくはアミノ基が2〜7個のポリアルキレンポリアミンであり、より好ましくはジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンである。
【0015】
(b)炭素数2〜15のジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸、1,13−トリデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、1,15−ペンタデカン二酸、1,16−ヘキサデカン二酸、1,17−ヘプタデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、および無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無水物の形のものでも良く、これらの1種または2種以上を混合して使用しても良い。好ましくは、炭素数2〜15の飽和ジカルボン酸であり、より好ましくは炭素数2〜10の飽和ジカルボン酸である。
【0016】
(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いてよい。2種以上を付加させる場合は、得られる化合物はランダム状、ブロック状でも良い。好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、より好ましくはエチレンオキシドである。
【0017】
(A)の化合物は、公知の方法を用いて製造することができる。
好ましくは、分子設計が容易なため、(a)ポリアルキレンポリアミンに、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸を反応させたポリアルキレンポリアミドに(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加させる方法により製造を行う。
【0018】
具体的には、(A)の化合物は、まず(a)ポリアルキレンポリアミンに(b)炭素数2〜15のジカルボン酸を反応させ、ポリアルキレンポリアミドを製造する工程を経る。本工程は公知の方法により行うことができ、とくに重合開始剤等を用いなくとも、脱水重縮合することにより行うことができる。重縮合の方法については、塊状でも溶液中でも良い。溶液中での重縮合はn−ヘキサン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用いることができるが、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用いることが好ましい。
次に、得られたポリアルキレンポリアミドに(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加させる。この付加工程は公知の方法により行うことができ、とくに触媒等を用いなくとも行うことができるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等のアルカリ触媒を用いることによっても反応させることができる。また、ポリアルキレンポリアミドに(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加させる際、ポリアルキレンポリアミドのアミノ基残基1個あたり0.1〜2モルのアルキレンオキシドを付加させることが好ましい。
また、(a)と(b)を反応させて得られたポリアルキレンポリアミドに(c)のアルキレンオキシドを付加させる前に、(a)と(b)のポリアルキレンポリアミドを水に溶解させておくことが好ましい。これは(a)と(b)のポリアルキレンポリアミドが高粘度になることから、あらかじめ水に溶解させポリアルキレンポリアミド水溶液として粘度を低減させておき、次工程のポリアルキレンポリアミドのアミノ残基にアルキレンオキシドを付加しやすくさせるためである。水の量は特に限定しないが、ポリアルキレンポリアミドに対して50〜500重量%であると、粘度を低減させることができ好ましい。また水に溶解させる場合は、アルキレンオキシドの付加反応温度は40〜80℃が好ましい。
【0019】
また、(A)の化合物は、(a)ポリアルキレンポリアミンに、(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドを付加させ、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸を反応させる方法でも製造することができる。
【0020】
本発明に用いる(B)ポリカルボン酸系化合物としては、マレイン酸−スチレンスルホン酸塩の共重合物またはその塩、無水マレイン酸−スチレン共重合物、その加水分解物またはその塩、無水マレイン酸−オレフィン共重合物、その加水分解物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アリルエーテル−マレイン酸共重合物またはその塩、ポリオキシアルキレンモノアルキルモノ(メタ)アリルエーテル−無水マレイン酸共重合物、その加水分解物またはその塩等が挙げられる。
【0021】
この中でも、好ましくは、式(1)で示されるポリアルキレングリコールエーテルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%と、式(2)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体、または式(3)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%と式(4)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である。
より好ましくは、式(1)で示されるポリアルキレングリコールエーテルに基づく構成単位(ア)80〜99重量%と、式(2)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜20重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜10重量%を有する共重合体、または式(3)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)70〜99重量%と式(4)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜30重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜10重量%を有する共重合体である。
共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)は要求される性能等に応じて有していても、なくともよい。
【0022】
式(1)および式(3)において、R、R、RおよびRは水素原子またはメチル基である。
式(1)および式(3)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基とオキシプロピレン基であり、より好ましくはオキシエチレン基である。
【0023】
式(1)において、pは炭素数2〜4のアルキレンオキシドの付加モル数であり、1〜150であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜70である。pの値が150を超えると得られる化合物が高粘度になるため製造が困難になるので好ましくない。
qはメチレン基の繰り返し数であり、0〜2の整数であり、好ましくは1である。
【0024】
式(2)および式(4)のM、MおよびMは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムである。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
有機アンモニウムは有機アミン由来のアンモニウムであり、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等などのアルキルアミンが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミンである。
式(2)のVは−OMまたは−W−(AO)である。Wはエーテル基またはイミノ基であり、エーテル基は−O−を表し、イミノ基は−NH−を表す。rは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の付加モル数であり、1〜150であり、好ましくは10〜100、より好ましくは20〜70である。rの値が150を超えると得られる化合物が高粘度になるため製造が困難になるので好ましくない。
【0025】
、RおよびRは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基であり、炭素数1〜22の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ドコシル基、フェニル基、ベンジル基、クレジル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、ナフチル基等がある。好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基である。R、RおよびRで示される炭化水素基の炭素数が22を超えると親水性が十分でなくなるので好ましくない。
式(3)において、sは1〜150であり、好ましくは1〜100である。sの値が150を超えると得られる化合物が高粘度になるため製造が困難になるので好ましくない。
【0026】
本発明のセメント用添加剤に用いるポリカルボン酸系化合物の重量平均分子量は、500〜100,000であり、好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が100,000を超える化合物はセメント用添加剤としての分散性が低下してしまい、また高粘度のため製造が困難になるので好ましくない。
【0027】
また、本発明のセメント用添加剤に用いるポリカルボン酸系化合物は、公知の方法により、重合開始剤を用いて重合することにより得ることができる。重合の方法については、塊状重合でも溶液重合でも良い。溶液重合で水を溶剤として用いる場合は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、過酸化水素、水溶性のアゾ系開始剤を用いることができ、その際に亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、次亜リン酸ナトリウムなどの促進剤を併用することもできる。また、溶液重合でメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、n−ヘキサン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤を用いた重合の場合や塊状重合の際には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレートなどの有機過酸化物やアゾイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物を用いることができる。また、その際にはチオグリコール酸、メルカプトエタノールなどの連鎖移動剤を用いることもできる。
【0028】
本発明のセメント用添加剤の(A)、(B)の組成割合は、重量比で(A):(B)=5〜95:95〜5であり、好ましくは(A):(B)=5〜50:50〜95であり、より好ましくは(A):(B)=5〜20:80〜95である。(B)ポリカルボン酸系化合物に対して(A)の化合物が5重量%以下であると、硬化前のセメント組成物の粘性を低減させる効果が向上しないため、本来必要とするセメント組成物の粘性を低減させる効果を得るために多量の添加が必要となり、過剰添加による材料分離やセメントの硬化遅延等が起こるため好ましくない。(B)ポリカルボン酸系化合物に対して(A)の化合物が95重量%を超えると、セメント組成物中の水の使用量を減らす効果が低下するため好ましくない。
【0029】
本発明のセメント用添加剤は、そのままの形態で用いることもできるが、必要に応じて水で希釈して用いることも可能である。
本発明のセメント用添加剤の(A)のアミノ基部位および水酸基部位と(B)のカルボン酸部位は塩形成反応およびエステル化反応していてもよいが、反応しないでそれぞれ単一の成分として溶液中に存在していることが好ましい。(A)のアミノ基部位と(B)のカルボン酸部位がアミド化反応するのは好ましくなく、これは(A)と(B)がアミド化反応してしまうと溶液が高粘度化してしまい、取り扱いが困難になるためである。(A)、(B)それぞれ単一の成分として溶液中に存在させるために、(A)、(B)それぞれを20〜80重量%の水溶液としてから配合することが好ましい。
【0030】
本発明のセメント組成物には、少なくとも、水、セメントおよび本発明のセメント用添加剤を含む。セメントとしては、普通、早強、中庸熟、ビーライト等のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、シリカフューム、石灰石等の鉱物系粉体や石膏を配合した混合セメント等がある。
セメント組成物に使用するセメント用添加剤は、セメント組成物中で、セメントの重量に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重量%であり、0.01重量%以下では、十分な分散効果が得られないので好ましくなく、5重量%を超えて使用しても効果の向上はみられない。
また、本発明のセメント組成物には、砂、砂利などの骨材となる他の成分も使用することができる。
その使用方法は、使用する水に予め溶解させて使用することができ、また注水と同時に添加して使用することができ、また注水から練り上がりまでの間に添加して使用することができ、また一旦練り上がったセメント組成物に後から添加して使用することもできる。
【0031】
本発明のセメント用添加剤は、その効果を損なわない程度で、必要に応じて他の添加剤と併用することが可能である。他の添加剤としては、例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、リグニンスルホン酸の塩、芳香族アミノスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩など他の減水剤、空気連行剤、消泡剤、分離低減剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、膨張剤、乾燥収縮低減剤、防錆剤などを挙げることができる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。なお、(a)ポリアルキレンポリアミンの構造式、(b)ジカルボン酸および(c)アルキレンオキシドを表1に、式(1)、式(2)、式(3)および式(4)で示される化合物の構造式、その共重合組成および重量平均分子量を表2に示す。また、(A)および(B)の重量比を表3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 2004244253
【0034】
[注1]化合物のモルは全てモル比を表す。
【0035】
【表2】
Figure 2004244253
【0036】
[注1][/]は、ランダム状付加を表す。
【0037】
【表3】
Figure 2004244253
【0038】
合成例1
油水分離管を装着した5リットル加圧反応器にジエチレントリアミン515g(5モル)、アジピン酸606g(4.15モル)を秤取り、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、130〜150℃で反応させ、分離水が145mlになったところで100℃以下に冷却後、水975gを加えた。アミン価測定用に195g抜き取り、アミン価を測定した。このときのアミン価は231であった。その後、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、ポリアルキレンポリアミド878.4g(水溶液として1756g)に50〜60℃でエチレンオキシド326.7g(7.43モル、ポリアルキレンポリアミドのアミノ基残基1個あたり1.2モル)を0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。得られた化合物は水分42%、25℃動粘度632mm/sであった。アミン価の測定は以下の手順に従って行い、合成例2〜4でも同様の測定方法により算出した。
アミン価の測定方法:試料をビーカーに正しくはかり取り、これに中性エタノール(エチルアルコール(99.5V/V%)を使用直前にブロムクレゾールグリーン指示薬を用いてN/2塩酸標準液で中和したもの。)を加えて溶解させる。つぎに、ブロムクレゾールグリーン指示薬を数滴加え、N/2塩酸標準液で滴定し、液の緑色が黄色に変わったときを終点とした。アミン価は下記の式より算出した。
アミン価 = (28.05×F×A)/W
ただし、 A:N/2塩酸標準液使用量
F:N/2塩酸標準液のファクター
W:試料採取量(g)
合成例2
合成例1と同様の装置に、トリエチレンテトラミン730g(5モル)、アジピン酸628g(4.3モル)を秤取った。系内の空気を窒素ガスで置換したのち、130〜150℃で反応させ、分離水が150mlになったところで100℃以下に冷却後、水1210gを加えた。アミン価測定用に242g抜き取り、アミン価を測定した。このときのアミン価は266であった。その後、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、ポリアルキレンポリアミド1087.2g(水溶液として2176g)に60〜70℃でエチレンオキシド505g(11.48モル、ポリアルキレンポリアミドのアミノ基残基1個あたり1.1モル)を0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。得られた化合物は水分40%、25℃動粘度748mm/sであった。
合成例3
合成例1と同様の装置に、トリエチレンテトラミン730g(5モル)、セバシン酸757.5g(3.75モル)を秤取った。系内の空気を窒素ガスで置換したのち、130〜150℃で反応させ、分離水が135mlになったところで100℃以下に冷却後、水1350gを加えた。アミン価測定用に270g抜き取り、アミン価を測定した。このときのアミン価は258であった。その後、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、ポリアルキレンポリアミド1217.3g(水溶液として2432g)に50〜60℃でプロピレンオキシド638.4g(11.2モル、ポリアルキレンポリアミドのアミノ基残基1個あたり1.0モル)を0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。得られた化合物は水分38%、25℃動粘度589mm/sであった。
合成例4
合成例1と同様の装置に、ジエチレントリアミン515g(5モル)、コハク酸395g(3.35モル)を秤取り、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、130〜150℃で反応させ、分離水が120mlになったところで100℃以下に冷却後、水790gを加えた。アミン価測定用に158g抜き取り、アミン価を測定した。このときのアミン価は372であった。その後、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、ポリアルキレンポリアミド711g(水溶液として1422g)に70〜80℃でブチレンオキシド388.8g(5.4モル、ポリアルキレンポリアミドのアミノ基残基1個あたり0.7モル)を0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。得られた化合物は水分39%、25℃動粘度497mm/sであった。
【0039】
合成例5
5リットル加圧反応器にメタノール64gと触媒としてナトリウムメトキシド2.0gをとり、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、100〜120℃でエチレンオキシド2904gを0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。反応終了後50℃まで冷却した。次に水酸化カリウム112gを加え、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、80℃で撹拌しながらアリルクロリド153gを徐々に加えた。6時間撹拌したあと反応をやめ、塩酸で中和し副生した塩を除いて表2に示した式(1)のポリアルキレンオキシド化合物を得た。
続いて、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を装着した3リットルフラスコに、上記で合成した式(1)の化合物1,524g(1モル)、無水マレイン酸107.8g(1.1モル)、およびトルエン300gを秤取った。窒素ガス雰囲気下、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル13.1gをトルエン262gに溶解させたものを、85±2℃のフラスコ中に3時間で滴下した。滴下終了後、さらに85±2℃で3時間反応させた。減圧下にてトルエンを留去させ、共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は20,200、動粘度は100℃で224mm/sであった。合成例6
5リットル加圧反応器にアリルアルコール116gと触媒として水酸化ナトリウム3.0gをとり、系内の空気を窒素ガスで置換したのち、100〜120℃でエチレンオキシド2640gおよびプロピレンオキシド228gを0.05〜0.5MPa(ゲージ圧)で徐々に圧入して付加反応を行った。反応終了後50℃まで冷却した。塩酸で中和し副生した塩を除いて表2に示した式(1)のポリアルキレンオキシド化合物を得た。
続いて、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロートおよび還流冷却器を装着した3リットルフラスコに、上記で合成した式(1)の化合物1,492g(1モル)、無水マレイン酸147g(1.5モル)、およびイオン交換水410gを秤取った。窒素ガス雰囲気下、重合開始剤として過硫酸アンモニウム5.8gをイオン交換水164gに溶解させたものを、85±2℃のフラスコ中に3時間で滴下した。滴下終了後、さらに85±2℃で3時間反応させた。得られた共重合体の重量平均分子量は15,600であった。共重合体の水溶液を得た後、40%NaOH水溶液150gを加え中和し、共重合体の60%水溶液を得た。合成例7
合成例5と同様の方法で、表2に示したポリアルキレンオキシド化合物1,524g(1.0モル)、無水マレイン酸127.4g(1.3モル)、酢酸ビニル25.8g(0.3モル)およびトルエン300gを秤取り、開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル13.1gをトルエン262gに溶解させて滴下して共重合させ、トルエンを留去させ、目的とする共重合体を得た。共重合体の重量平均分子量は23,400、動粘度は100℃で550mm/sであった。
合成例8
温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えた5Lフラスコにイオン交換水1698部を仕込み、撹拌下で反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。次いで、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25個)1668部、メタクリル酸332部、イオン交換水500部、および連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸16.7部を混合したモノマー水溶液を反応容器内に4時間かけて滴下し、さらに、該モノマー水溶液滴下開始と同時に、過硫酸アンモニウム23部とイオン交換水207部とからなる開始剤水溶液を5時間かけて反応容器内に滴下した。開始剤水溶液の滴下終了後、引き続き反応容器内を1時間80℃に維持し、重合反応を完結させた。その後、30%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、重量平均分子量27000の共重合体水溶液を得た。
【0040】
配合例1
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管を装着した2リットルフラスコに合成例1で合成したもの100g、および合成例4で合成した共重合体540g、イオン交換水360gを秤取り、30分撹拌、混合し60%水溶液を得た。
配合例2〜4
配合例1と同様にして、表3の化合物、重量%にしたがって配合を行い、60%水溶液を得た。
【0041】
実施例1
配合例1で得られたセメント添加剤組成物の溶液をイオン交換水で希釈して、20重量%水溶液に調整し、さらに適宜消泡剤(ディスホームCC−118 日本油脂(株)製)を添加した。モルタルの調整は、室温20℃の試験室において、5Lモルタルミキサーを用い、セメント[普通ポルトランドセメント]600g、細骨材[君津産山砂(比重2.55)]1024gをミキサーにとり30秒空練りを行ったのち、前記セメント添加剤組成物を9.6g添加した水道水210gを加えて低速回転で60秒、その後高速回転で1分間練り混ぜ、5分間静置した。5分間静置後を直後とし、モルタルフロー試験、J14ロート(土木学会基準に準拠)による落下試験を行った。添加量は、直後のモルタルフローが220±10mmになるように調整した。直後、30分後、60分後(30分後、60分後ともに直後からの経過時間)のモルタルフロー試験、J14ロートによる落下試験を行った。なお練り上がり直後の空気量は6.0±1.0%、また温度は20±2℃であることを確認した。得られた結果を表4に示す。粘性の評価は、J14ロートによる落下時間で判定した。
【0042】
【表4】
Figure 2004244253
【0043】
*1 20%水溶液での添加量
実施例2〜4
配合例2〜4で得られたセメント添加剤組成物の溶液を使用し、実施例1と同様の方法で、表4の添加量によりモルタル試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0044】
比較例1
特開平7−33496号公報、実施例に従って共重合体を合成し、得られた共重合体を20%水溶液にし、適宜消泡剤、AE剤を添加して、表4の添加量でモルタル試験を行った。得られた結果を表4に示す。
特開平7−33496号公報、実施例の詳細を下記に示す。
ジエチレントリアミン107.3g(1.04モル)、アジピン酸87.7g(0.6モル)、メタクリル酸68.8g(0.8モル)、及び重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエ−テル0.5gを撹拌機、温度計、コンデンサ−付きトラップを付けたフラスコに仕込み、窒素ガスを吹きこみながら150〜170℃に加熱し、4時間反応させ酸価0.5を示したときに反応を停止した。溜出物36gと共に反応生成物として常温で黄褐色半固体の生成物228gを得た。この生成物179g(0.78モル)を1リットルの撹拌器付き実験用オ−トクレ−ブ中に仕込み、水393gで溶解した。窒素ガスで空気を置換した後50〜80℃でエチレンオキシド83g(原料ポリアルキレンポリアミンのアミノ基残基に対し2モル)を逐次導入し付加反応を行った。反応終了後35℃に冷却し、黄褐色粘稠液体655g(固形分40%)の化合物Aを得た。つづいて、温度計、撹拌機、滴下ロ−ト、窒素導入管、及び還流冷却器付き四つ口フラスコに、水148gを仕込み撹拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した。次いで化合物A50g、ポリエチレングリコ−ルモノメタクリレ−ト(エチレンオキシド付加モル数、8モル)60g、メタクリル酸16gの混合物とチオグリコ−ル酸アンモニウム50%水溶液4g、過硫酸アンモニウム5%液40gを95℃にて120分かけて添加した。更に同温で4時間撹拌重合を行い、反応を終了させた後60℃に冷却して25%NaOH29gで中和した。
比較例2〜3
合成例7、9で得られた共重合体の溶液を使用し、実施例1と同様の方法で、表4の添加量によりモルタル試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0045】
これらの結果より、実施例1〜4に用いた本発明のセメント用添加剤は、比較例1〜3に用いたセメント用添加剤に比べて、J14ロートのモルタル流下速度が速い、すなわち低い粘性を有し、作業性に優れることがわかる。
【0046】
本発明のセメント用添加剤はセメントペースト、セメントグラウト、モルタル、コンクリート等の水硬性セメント組成物に対して用いることができるが、特にセメント分散剤として高性能減水剤や高性能AE減水剤を使用して製造されるコンクリートの練り混ぜ時に添加すると、高流動性を維持しながら、そのスランプロスを防止し、建設現場における作業性及び施工性を高めることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のセメント用添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリートなどのセメント、特にセメント配合物の温度が高くても、その練り混ぜ直後の流動性を高めることができ、高い減水性を有し、スランプ保持効果も高く、かつ得られたセメント組成物の粘性が低く、作業性に優れることから、レディーミックストコンクリート用の減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤として、あるいはコンクリート二次製品製造用の高性能減水剤として有効に使用することができ、土木建築関係の工事における作業性、施工性などの改善をもたらす。

Claims (4)

  1. 下記の(A)および(B)を含有し、その重量比が(A):(B)=5〜95:95〜5であることを特徴とするセメント用添加剤。
    (A)(a)ポリアルキレンポリアミン、(b)炭素数2〜15のジカルボン酸および(c)炭素数2〜8のアルキレンオキシドからなる反応生成物であって、モル比が(a):(b):(c)=1:0.5〜1:0.1〜30である化合物(B)ポリカルボン酸系化合物
  2. (B)ポリカルボン酸系化合物が式(1)で示されるポリアルキレングリコールエ−テルに基づく構成単位(ア)50〜99重量%、式(2)で示されるジカルボン酸または無水マレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である請求項1記載のセメント用添加剤。
    Figure 2004244253
    (ただし、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、q=0〜2の整数を表し、p=1〜150である。)
    Figure 2004244253
    (ただし、MおよびMはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Vは−OMまたは−W−(AO)を表し、Wはエーテル基またはイミノ基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基、r=1〜150である。)
  3. ポリカルボン酸系化合物が式(3)で示されるポリアルキレングリコールエステルに基づく構成単位(エ)50〜99重量%、式(4)で示されるモノカルボン酸に基づく構成単位(オ)1〜50重量%および共重合可能な他の単量体に基づく構成単位(ウ)0〜30重量%を有する共重合体である請求項1記載のセメント用添加剤。
    Figure 2004244253
    (ただし、Rは水素原子またはメチル基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜22の炭化水素基を表し、S=1〜150である。)
    Figure 2004244253
    (ただし、Rは水素原子またはメチル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表す。)
  4. 請求項1〜3記載のセメント用添加剤、水およびセメントからなるセメント組成物。
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