JP2004243917A - ワイパブレードの設計方法およびワイパブレード - Google Patents

ワイパブレードの設計方法およびワイパブレード Download PDF

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Abstract

【課題】払拭、排除性能を向上させたワイパブレードの設計方法および払拭、除去性能を向上させたワイパブレードを提供する。
【解決手段】ワイパブレードの最適化のために変更すべき設計パラメータを設定するとともに、設計パラメータの値の許容範囲と、ワイパブレードの最適化のための特性値の最適条件とを設定し、ワイパブレードの設計パラメータを許容範囲内で種々変更して生成されたワイパブレードモデルに対してワイパブレードの滑り解析を行い、この解析結果から得られた複数の滑り角度θを求め、求められた複数の特性値から、特性値が最適条件を満たすときの設計パラメータの値を求める。例えば、ワイパブレードは、ネック部の厚さに対するネック部高さの形状比率が2.7〜3.7の範囲にあり、先端部の厚さに対する先端部の高さの形状比率が2.9〜3.6の範囲にある。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や電車等の車両や船舶や航空機等のフロントガラス、リアガラス上で摺動して雨水等を払拭し除去するワイパブレードの設計方法およびワイパブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、航空機、船舶等のフロントガラス、リアガラス等の窓には、表面に付着した雨水、泥水等を払拭、除去して視界を良くし、運転の安全を確保するために通常ワイパが設けられている。このワイパには、ガラス等の表面と当接して摺動する部分にワイパブレードが取り付けられている。
【0003】
図10は、通常用いられるワイパブレードの先端側の断面図である。
図10に示すワイパブレード100は、フロンドガラスやリアガラス等に付着した雨水、泥水等の対象物を払拭、除去する一定の厚さを有する先端部(刃先部)102と、ワイパブレード100をワイパ回動部に取り付けるための取付基部104と、取付基部104から延びた一定の厚さを有するネック部106と、ネック部106と先端部102との間に設けられた胴体部108とを備え、これらは通常天然ゴムや合成ゴム等を用いて構成される。
【0004】
ネック部106の厚さは、取付基部104の厚さおよび胴体部108の厚さに比べて薄くなっている。したがって、ワイパブレード100がガラス面等に対して摺動する場合、摺動における摩擦力が図10中の水平方向に沿って先端部102に作用するため、この摩擦力によって、厚さの薄い部分である先端部102およびネック部106が変形し、特にネック部106が変形し、先端部102がガラス面等に傾いた状態となる。
【0005】
このようなワイパブレードは、ガラス面等に付着した雨水や泥水を良好に払拭、除去することができるように、先端部102のガラス面等に対して傾いたときの倒れ角度が所定の範囲になるように構成することが必要である。特に、ワイパブレードの倒れ角度は、上述したようにワイパブレードの各部分の変形が累積されて生じるため、各部分の寸法や各部分の材料さらには各部分の寸法の組み合わせや各部分の材料の組合せを正確に定める必要がある。
【0006】
しかし、ワイパブレードの拭き、除去性能を向上させるために各部分の断面形状の寸法さらには各部分の材料の組合せ等をどのように規定すればよいか開示されていないのが現状である。
下記特許文献1では、ワイパブレードの倒れ込みが所定角度以上になるのを防止するために、上記胴体部108の側面に部分的に突起を設けることを提案しているが、各部分の寸法をどのように設定すればよいかといった、断面形状の寸法に関する開示や示唆もない。
【0007】
【特許文献1】特開平9−11862号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ワイパブレードの払拭、排除性能を向上させるためにワイパブレードの各部分の断面形状や材料等の構成を規定してワイパブレードを設計するワイパブレードの設計方法および払拭、除去性能を向上させたワイパブレードを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、所定のワイパブレードを基準にして所望の特性を有するワイパブレードを設計するワイパブレードの設計方法であって、ワイパブレードにおける変更すべき設計パラメータを設定するとともに、前記設計パラメータの値の変更許容範囲と、ワイパブレードの特性値が満たすべき最適条件とを少なくとも設定する条件設定ステップと、ワイパブレードモデルを生成するモデル生成ステップと、生成されたワイパブレードモデルに対してワイパブレードの接触面上での摺動を再現したシミュレーション演算を行い、この演算結果から前記特性値を求める演算ステップと、前記変更すべき設計パラメータの値を前記変更許容範囲内で繰り返し変更し、変更の度に前記モデル生成ステップでこの変更に応じて生成されるワイパブレードモデルに対して前記演算ステップを実行させる繰り返しステップと、前記演算ステップによって求められた複数の特性値のうち特性値が前記最適条件を満たすときの前記設計パラメータの値を求める最適化ステップと、を有するワイパブレードの設計方法を提供する。
【0010】
ここで、前記ワイパブレードモデルは、例えば、有限要素で離散化された有限要素モデルである。
また、前記摺動のシミュレーション演算は、前記ワイパブレードモデルを剛体面モデルに押圧した状態でこの剛体面モデルに対して相対的に摺動させる演算であるのが好ましい。
さらに、前記特性値は、前記ワイパブレードモデルの先端部が前記剛体面モデルに対して傾斜したときの前記先端部の倒れ角度であるのが好ましい。その際、前記剛体面モデルの表面は、平面あるいは曲面であるのが好ましい。
【0011】
また、前記摺動のシミュレーション演算は、前記ワイパブレードモデルに複数の押圧圧力を与えた状態でこの剛体面モデルに対して相対的に摺動させる演算であり、前記ワイパブレードモデルの先端の倒れ角度の、前記複数の押圧圧力を与えたときの変動量の幅を前記最適条件として定めるのが好ましい。
【0012】
本発明は、前記ワイパブレードの設計方法によりワイパブレードの断面形状が調整されて製造されたことを特徴とするワイパブレードを提供する。
また、本発明は、ワイパブレードの断面形状において、ワイパブレードを固定保持するための取付基部と、対象物を払拭し除去する一定の厚さを有する先端部と、前記取付基部から延びた一定の厚さを有するネック部と、前記ネック部と前記先端部との間に設けられた胴体部とを備え、前記取付基部、前記ネック部および前記胴体部は、連続相が熱可塑性樹脂であり、分散相が動的に架橋されたエラストマー組成物である熱可塑性エラストマー組成物を用い、前記先端部は、前記熱可塑性エラストマー組成物または熱可塑性樹脂組成物を用いて構成されたワイパブレードであって、前記ネック部の厚さは前記取付基部および前記胴体部の厚さに比べて薄く、前記ネック部の厚さに対する前記ネック部の高さの比率が2.7〜3.7の範囲にあり、前記先端部の厚さに対する前記先端部の高さの比率が2.9〜3.6の範囲にあることを特徴とするワイパブレードを提供する。
【0013】
その際、前記ネック部の高さは、0.5〜2.0mmであり、前記先端部の高さは0.5〜3.0mmであるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のワイパブレードの設計方法およびワイパブレードについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明のワイパブレードの設計方法を実施するワイパブレード設計装置(以降、装置という)10の構成を示したブロック図である。
【0015】
装置10は、ワイパブレード(以降、単にブレードという)を複数の有限要素で再現したワイパブレードモデル(以降、単にブレードモデルという)に対してブレードの接触面上での摺動を再現したシミュレーション演算を行ってブレードの摺動時の挙動を再現し、この算出結果を用いて所望の最適条件を満たすブレードの最適設計案を自動的に出力する装置である。
【0016】
装置10は、最適化制御部12、モデル生成部14、滑り解析部16およびポスト処理部18を有し、この他に、上記各部位の演算や処理のタイミングを制御して各部位の管理を行うCPU(中央処理ユニット)20および各部位で算出された結果を記憶保持するメモリ22を有する。また、装置10にはモニタ24が接続されている。
なお、装置10は、プログラムを実行することで各部位が機能するコンピュータによって構成されてもよいし、各部位が専用回路で構成された専用装置であってもよい。
【0017】
最適化制御部12は、キーボードやマウス等の図示されない操作系を用いて入力された条件に基づいて、ブレードの基準案、変更すべき設計パラメータ、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲、制約条件、最適条件、シミュレーション演算条件および評価関数等の各種条件や関数を設定するとともに、後述するように、設定された設計パラメータを変数として設計パラメータの値を種々に割り付けし、この割り付けた設計パラメータの値をモデル生成部14に供給する部位である。さらに、滑り解析の演算結果から得られた特性値(後述する倒れ角度)を用いて最適条件を満たすときの設計パラメータの値を、ブレードの最適設計案における設計パラメータとして取り出し出力する部位でもある。最適化制御部12の作用については、後述する。
【0018】
なお、制約条件、評価関数、最適条件はどのようなものであってもよく制限されないが、制約条件としては、例えば、後述するブレードモデルが剛体面モデル上を摺動する際の先端部の倒れ角度の範囲が設定され、評価関数としては、例えば、ブレードモデルが剛体面モデルに接触して傾斜したときの先端部の倒れ角度と予め定められた目標倒れ角度との差分を求める関数が設定される。また、最適条件として、評価関数が上記差分を求める関数の場合、例えば、複数のブレードモデルを演算し評価関数から得られる値が最小となること、あるいは、上記差分の値の範囲、例えば上限値を設定しこの上限値以下であることが設定される。また、最適条件は、この倒れ角度が所定の範囲にあることとしてもよい。
【0019】
モデル生成部14は、最適化制御部12において割り付けられた設計パラメータの値に応じた解析可能なブレードモデルを生成する部位である。
すなわち、ブレードモデルは設定された設計パラメータを変数とし、最適化制御部12で割り付けられた設計パラメータの値が最適化制御部12から供給されると、モデル生成部14はこの値に応じた解析可能な有限要素モデルであるブレードモデルを生成する。
【0020】
図2(a)および(b)は、基準案の一例として設定されたブレード50の断面およびこのブレード50を有限要素モデルで再現したブレードモデル60を示している。
図2(a)に示すブレード50は、フロンドガラスやリアガラス等に付着した雨水、泥水等の対象物を払拭、除去する一定の厚さを有する先端部(刃先部)52と、ブレード50をワイパ回動部に取り付けるための取付基部54と、取付基部54から延びた一定の厚さを有するネック部56と、ネック部56と先端部52との間に設けられた胴体部58とを備え、ネック部56の厚さは、取付基部54の厚さおよび胴体部58の厚さに比べて薄くなっている(図2(a)では、横幅が狭くなっている)。
【0021】
図2(b)に示す有限要素モデルであるワイパブレードモデル(以降、ブレードモデルという)60は、各部分が複数の有限要素で分割されて、四角形のソリッド要素によって構成されている。ブレードモデル60は各有限要素の幾何学形状の情報とメッシュ分割により生成された各節点の位置情報とが設定されることによって作成され、さらに、各有限要素の材料定数が設定されて計算可能な有限要素モデルとなる。すなわち、有限要素モデルは、実質的には、各節点の座標値と、各節点を番号化して各有限要素の形状を規定した番号の組と、各有限要素によって表される構成部材の材料定数の数値データとによって構成されたものである。したがって、有限要素モデルの生成とは、各節点を表した番号と対応づけられた節点の座標値と、各有限要素の形状を表す上記節点の番号の組と、材料定数の数値データとが一つのファイルとしてメモリ22に記憶されることをいう。
【0022】
図2(b)に示すブレードモデル60は、断面形状を表したものであり、ブレード50に対応して、先端部モデル62、取付基部モデル64、ネック部モデル66および胴体部モデル68を有する、複数の平面ソリッド要素で構成された2次元モデルである。このブレードモデル60は後述する滑り解析部16で演算が行われる場合、2次元解析による演算が行われる。モデル生成部14は、2次元モデルの他に、図2(b)の紙面に垂直な方向に延材する3次元ソリッド要素を有する3次元モデルを生成してもよい。
【0023】
ここで、基準案として用いられるブレード50は、特開2001−219821号公報あるいは特開2002−79915号公報で開示されたワイパブレード、すなわち、連続相が熱可塑性樹脂であり分散相が動的に架橋されたエラストマー組成物である熱可塑性エラストマー組成物を用い、補強材と一体成形したワイパブレードである。補強材は、図2(a)中の取付基部54の図面上方に位置するので図2(b)ではモデル化されない。すなわち、ブレードモデル60は熱可塑性エラストマー組成物で構成される取付基部54、ネック部56および胴体部58と、この熱可塑性エラストマー組成物または熱可塑性樹脂組成物で構成される先端部52との再現モデルである。
モデル生成部14は、例えば、ブレードの断面形状の寸法が変更すべき設計パラメータの値として最適化制御部12から供給されると、これに応じてブレードの断面形状の輪郭形状が自動的に生成され、さらに、メッシュ分割が自動的に行われてブレードモデル60が自動的に生成されるように構成される。なお、最適化制御部12から材料定数が変更すべき設計パラメータとして供給される場合、すでに作成されたブレードモデルにおける材料定数の値が変更されて、材料定数の変更したブレードモデル60が自動的に生成される。
【0024】
滑り解析部16は、入力されて予め設定されたシミュレーション演算条件に従って、生成されたブレードモデル60に対してワイパブレードの接触面上での摺動を再現したシミュレーション演算を行う部位であり、例えば、公知の有限要素ソルバーによるサブルーチンを実行することで機能する。
具体的には、シミュレーション演算条件として設定された負荷荷重がブレードモデル60に付与されて、予め設けられた剛体面モデル(剛体平面モデルあるいは剛体曲面モデル)にブレードモデル60が押圧された状態を作り、この状態から剛体面モデルを強制的に移動することで、ブレードがガラス面に対して相対的に移動する摺動を再現したシミュレーション演算を行う。
その際、剛体面モデルとブレードモデル60との間の摺動の演算には、シミュレーション演算条件として設定された滑り摩擦係数が用いられる。
シミュレーション演算結果は、ポスト処理部18に供給される。
【0025】
ポスト処理部18は、滑り解析部16から供給されたシミュレーション演算結果に基づいて図3に示す倒れ角度θを特性値として算出する部位である。
ここで、倒れ角度θは、上述したように、先端部モデル62の中心線CL(図2(b)参照)上の最先端に位置する節点と先端部モデル62の中心線CL上の胴体部モデル68に隣接する節点とを結ぶ直線が、この直線を延長して剛体面モデルと交差する位置における剛体面モデルの接線に対して成す角度である。
求められた倒れ角度θは、メモリ22に記憶された後、最適化制御部12に供給される。
【0026】
最適化制御部12は、種々の設計パラメータの値に応じて生成されたブレードモデル60における倒れ角度θのうち予め設定された制約条件を満たす倒れ角度θを選別し、さらに、選別された倒れ角度θを用いて、倒れ角度が最適条件を満足する設計パラメータの値を抽出する。こうして抽出された最適条件を満たす設計パラメータの値を、最適設計案における設計パラメータの値として出力する。
【0027】
制約条件は例えば倒れ角度θが40〜60度の範囲とし、最適条件は例えば、設計パラメータの値を種々割り付けた複数の組のうち、倒れ角度θと目標倒れ角度との差分の値が最小であることとする。この場合、評価関数として、倒れ角度θと目標倒れ角度との差分を求める関数とするとよい。また、最適条件は、評価関数で求められた差分の値が所定の値以下となることとしてもよい。
あるいは、算出された倒れ角度θと設計パラメータの値との関係を表した設計空間をチェビシェフの直交多項式や高次多項式等の曲面近似関数を用いて近似し、この曲面近似関数を用いて倒れ角度が所定の範囲、所定の値あるいは最小値等を持つような設計パラメータの値を求めるものであってもよい。少なくとも、複数の倒れ角度θから倒れ角度が最適条件を満足するときの設計パラメータの値を求める方法であればいずれの方法で行われてもよい。
【0028】
モニタ24は、基準案や各種条件の入力を行うための入力操作画面を表示し、各部位で得られた結果、例えば、ブレードモデル60の形状を表示し、倒れ角度θを数値として表示し、あるいは、倒れ角度が最適条件を満足するブレードモデルの形状を最適設計案の断面形状として表示する部位である。
【0029】
このような装置10を用いて行われる本発明のブレードの設計方法の一例を以下詳細に説明する。図4は、本発明のワイパブレードの設計方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【0030】
まず、装置10において、図示されない操作系から、基準案となるブレードの仕様が入力されて設定される(ステップS100)。具体的には、例えば、図2(a)に示すようなブレード50の先端部52、胴体部58、ネック部56および取付基部54等の各部分の断面形状と材料定数(ヤング率、剪断弾性率、ポアソン比)が基準案の仕様として設定される。
この後、モデル生成部14においてブレードの各部分の輪郭形状が作成され、この輪郭形状に対してメッシュ処理が自動的に施されてブレードモデル60が有限要素モデルとして自動的に生成される(ステップS102)。ブレードモデル60は、各節点を表した番号と対応づけられた節点の座標値と、各有限要素の形状を表す上記節点の番号の組と、材料定数の数値データとが一つのファイルとしてメモリ20に記憶される。
【0031】
次に、ブレードの基準案に対する変更すべきブレードの設計パラメータ、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲、制約条件、最適条件、シミュレーション演算条件および評価関数がオペレータの入力に応じて設定され、さらに、設定された設計パラメータの値が割り付けられる(ステップS104)。
これらの設定は、装置10に付随して接続されているマウスやキーボード等の操作系を用いた指示入力等に基づいて行われる。
【0032】
例えば、変更すべきブレードの設計パラメータとして、図2(a)に示すようなブレードの断面形状の寸法、具体的には、ネック部56の幅D、ネック部56の長さH、胴体部58の三角形状の長さH、胴体部58の幅D(三角形状の横幅の半分)および先端部52の幅Dを変更すべき設計パラメータとして設定する場合、これら5つの設計パラメータを指示入力するとともに、この設計パラメータの値の許容範囲が、例えば、基準案における上記設計パラメータの値の−25%〜+25%を範囲として設定される。設計パラメータは、ブレードの断面形状の寸法の他、ブレードを構成する材料の材料定数等であってもよく、特に制限されない。
また、制約条件として、例えば、倒れ角度θを40度以上60度以下とし、評価関数を倒れ角度θと目標倒れ角度50度との差分(θ−50の絶対値)を求める関数とする。最適条件は、評価関数の値が最小のものとする。
【0033】
この後、上記設計パラメータの値の割り付けが行われる。
設計パラメータの割り付けは、例えば、ネック部56の長さHを上記許容範囲の中で最小長さから一定間隔で順次増大させるとともに、これ以外の設計パラメータ(幅D、D、Dおよび長さH)を上記許容範囲の中でランダムに変動させて行うラテンハイパーキューブ法が用いられる。なお、本発明では、実験計画法や品質工学手法に基づく割り付け方法や直交表に基づく割り付け方法等によって行われてもよく、割り付け方法は特に制限されない。
【0034】
図5は、ブレードモデル60における変更すべき設計パラメータの種類をx方向にとり、変更すべき設計パラメータの許容範囲の値をy方向にとり、各設計パラメータに値を割り付けた組を、n組(ケース1〜n:nは自然数)生成することを示している。図6は、設計パラメータの割り付け方法の一例を説明する図であり、n=102として、ケース番号の順番に従って設計パラメータの1つである長さHを一定間隔で増大させて値を割り付ける方法を示している。
このようにして最適化制御部12において設計パラメータの値の割り付けが行われ、図5に示すケース1より、このケース番号に対応する設計パラメータの値がモデル生成部14に供給される。
【0035】
次に、基準案に基づいて生成されたブレードモデル60は、モデル生成部14において、最適制御部12から供給された設計パラメータの値に応じて変更される(ステップS106)。
具体的には、設計パラメータの値に基づいて、ブレードモデルの輪郭形状が変更され、変更された輪郭形状に対して、ブレード50の各部分に対応するようにメッシュ分割が自動的に行われて変更したブレードモデル60が生成される。
【0036】
次に生成されたブレードモデル60に対して、滑り解析部16において、滑り解析が行われる(ステップS108)。
滑り解析は、ブレードモデル60を剛体平面モデルあるいは剛体曲面モデルに押圧する演算処理と、押圧されたブレードモデル60を剛体面モデル(剛体平面モデルあるいは剛体曲面モデル)に対して相対的に摺動させる演算処理とによって行われる。ブレードモデル60の押圧は、予め定められた圧力、例えば、単位長さ当たり8g重、12g重あるいは20g重等の押圧圧力が付与されて行われ、この後、ガラス面等の剛体面に強制変位を与えることでブレード50が剛体面に対して相対的に移動する摺動を再現したシミュレーション演算を行う。その際、剛体面モデルとブレードモデル60との間の摺動の演算には、シミュレーション演算条件として予め設定された滑り摩擦係数が用いられる。
なお、本実施例における滑り解析は、ブレードモデル60と剛体面モデルとの間の相対的な摺動を強制変位を与えて静解析を行うが、本発明では、相対的な強制速度を与えて動解析を行ってもよい。この場合、ブレードモデル60は、ブレードにおける慣性項に対応する材料定数としてさらに密度が設定される。
【0037】
図3は、ブレードモデル60が剛体面モデルに対して摺動するときのブレードモデル60の変形の一例を示している。図3に示す例では、倒れ角度θが生じることによって胴体部モデル68と取付基部モデル64とが位置Xにおいて接触した変形状態を示している。このように、滑り解析では各部分の接触、非接触の判定をしながら正確な演算が行われる。
【0038】
次に、評価部18において、倒れ角度θの算出が行われる(ステップS110)。
ここで、倒れ角度θは、上述したように、先端部モデル62の中心線CL(図2(b)参照)上の最先端に位置する節点と先端部モデル62の中心線CL上の胴体部モデル68に隣接する節点とを結ぶ直線が、この直線を延長して剛体面モデルと交差する位置における剛体面モデルの接線に対して成す角度である。算出された倒れ角度θは、割り付けられた設計パラメータの値とともにメモリ22に記憶される。
【0039】
次に、各設計パラメータに値を割り付けたすべてのケース(仕様)についてステップS106〜S110の処理が行われたか否かが判別される(ステップS112)。この判別で否定された場合、ケース番号の変更が行われ(ステップS114)、ステップS106の処理がさらに行われる。すなわち、最適化制御部12から変更されたケース番号に対応する設計パラメータの値がモデル生成部14に供給されてブレードモデル60が変更され、変更されたブレードモデルを用いて滑り解析が行われて倒れ角度の算出が行われる。
こうして、全てのケースについて倒れ角度θが算出されるまで、繰り返し行われる。
【0040】
ステップS112にて肯定されると、最適化処理部12において算出された倒れ角度θを用いて最適化処理が行われる(ステップS116)。
最適化処理は、例えば、まず、すべてのケースにおける倒れ角度θがメモリ22から呼び出されて、倒れ角度θが制約条件を満たす、例えば、倒れ角度θが40度〜60度の範囲に含まれるものが選別される。さらに、この中から、評価関数の値が最適条件を満足するもの、例えば、評価関数を、倒れ角度θと目標倒れ角度50度との差分(θ−50の絶対値)を求める関数とした場合、この評価関数で求められた値(特性値)の最小のものが抽出され、このときの設計パラメータの値の組合わせが最適設計案における設計パラメータの値として取り出される。この場合、倒れ角度θが制約条件を満たして選別されたものが1つ以上あれば、必ず最適条件を満たすもの(評価関数の値が最小のもの)が得られるため、最適条件を満たすか否かの判別(ステップS118)は肯定され、評価関数の値が最小となる設計パラメータの値が最適設計案における設計パラメータの値として出力される(ステップS120)。
【0041】
あるいは、最適化処理において、制約条件を満足する倒れ角度θの中から、評価関数の値がある所定の範囲以内に入るものが最適条件を満足するものとして抽出され、このときの設計パラメータの値が最適設計案における設計パラメータの値として出力されてもよい。この場合、複数の最適設計案が出力されてもよい。このとき、設計パラメータの値が割り付けられて設定されたすべてのケースが最適条件を満足しない場合、ステップS118の判別において否定されステップS104に戻り、条件の再設定が行われるようにオペレータの入力を要求する。あるいは、設定すべき条件が自動的に修正されて再設定され、以下ステップS106〜S116を行うものであってもよい。
さらに、ステップS118の判別で否定された場合、最適条件に最も近い特性値を持つケースを基準案として、ステップS100に戻るようにしてもよい。
【0042】
さらに、ステップS116における最適化処理は、倒れ角度θを目的変数、設計パラメータの値を設計変数として重回帰分析を行う等して、設計パラメータの設計空間をチェビシェフの直交多項式や高次多項式等の曲面近似関数を用いて近似し、この設計空間に最も良好に近似した曲面近似関数を設定し、この曲面近似関数から倒れ角度が目標倒れ角度となる設計パラメータの値を抽出し、抽出された設計パラメータの値を最適設計案における設計パラメータの値として出力するようにしてもよい。この場合においても、最適化条件を満たす設計パラメータが存在するか否かがステップS118で判別される。
【0043】
図7は、倒れ角度θと目標倒れ角度50度との差分を評価関数とし、評価関数の値がケース番号とともに変化する様子を示している。このときの各ケースは、上述したように、図2(a)に示す長さH、Hおよび幅D、D、Dを変更すべき設計パラメータとし、長さHの値を一定間隔で順次増大させるとともに、幅D、D、Dおよび長さHの値をランダムに振って割り付けて、ケース1〜102を作成したものである。ケース102において評価関数の値が最小となっており、ケース102における長さH、Hおよび幅D、D、Dの寸法が最適設計案における設計パラメータの値とされる。
図8(a)および(b)は、基準案と基準案から求められた最適設計案の輪郭形状を示している。このように、目標倒れ角度50度とする最適設計案は、基準案に比べて断面形状の寸法が種々変化していることがわかる。
【0044】
上記例では、特性値として倒れ角度θを算出するものであるが、本発明では、倒れ角度θに制限されず、所定の部分や位置における歪みや応力や変位を特性値としてもよい。
【0045】
以上のようなワイパブレードの設計方法は、滑り解析におけるブレードモデル60の押圧圧力を1条件に固定したものであるが、押圧圧力を種々変化させて滑り解析を行い、例えば、基準となる押圧圧力を中心に低押圧圧力および高押圧圧力の3つの押圧圧力における滑り解析を行って、倒れ角度θが制約条件を満足しかつ最適条件を満足するように設計パラメータの値を設定してもよい。この場合、ブレードモデルの先端の倒れ角度の最適な範囲の他に、複数の押圧圧力を与えたときの倒れ角度の変動量の幅を最適条件として設定してもよい。例えば、倒れ角度θの変動量の幅を15度としてこの変動幅を最適条件の1つとして定めてもよい。このように設計することで、雨水や泥水等の払拭、除去性能に関して優れたロバスト性を備えたブレードを提供することができる。
【0046】
上記設計方法では、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲内でブレードの変更すべき設計パラメータの値を繰り返し変更し、変更の度にこの変更によって生成されるブレードモデルについて滑り解析を自動的に実行するので、条件を設定するだけで、変更すべき設計パラメータの値の許容範囲内でブレードモデルにおける最適解を見いだして、ブレードの最適設計案を算出することができる。従って、従来、解析の度にブレードモデルを修正していた手間を軽減することができ、迅速に最適設計案を算出することができる。
また、最適化のために、実験計画法や品質工学手法に基づく割り付け方法や直交表に基づく割り付け方法やランダムな割り付け方法を用いて、また、遺伝的アルゴリズム(GA)の手法や焼きなまし法(SA)を用いて割り付けを行うことができ、また、これらの手法を複数組み合わせることもでき、最適解の探索状況を視覚的にあるいは数値的に確認することができる。
【0047】
このようなブレードの設計方法を用いて最適設計案を求め、これに基づいて下記ブレードを製造することができる。
一般に、ブレードの払拭、除去性能を良好にするには、倒れ角度を所定の範囲内に調整することが望まれている。倒れ角度が40度より低いと、ブレードの進行方向が反転する際反転が円滑に行われず、倒れ角度が60度より高いとビビリ振動が発生することから、倒れ角度は40度〜60度の範囲、好ましくは略50度になるように設計されることが必要である。
また、ブレードを備える車両によっては、押圧圧力の高い状態で使用するものもあれば、押圧圧力の低い状態で使用するものもあることから、これらの種々の押圧の状態においても倒れ角度が40〜60度の範囲にあり、押圧圧力の変化に対する倒れ角度の変化が小さいことが好ましい。特に、一般的に使用される押圧圧力8〜20(g重/cm)の範囲において倒れ角度が40〜60度の範囲に確実に含まれように、押圧圧力(g重/cm)に対する倒れ角度の変化割合が1.05(度/(g重/cm)以下であることがより好ましい。
【0048】
このような要求を満足するブレードは、上述したブレードの設計方法を用いて最適設計することができる。ブレードの材料として、特開2001−219821号公報で開示された連続相が熱可塑性樹脂であり分散相が動的に架橋されたエラストマー組成物を用いた場合、ネック部56の厚さ(図2(a)中の幅Dの2倍)に対するネック部56の高さの比率である形状比率が2.7〜3.7の範囲にあり、先端部52の厚さ(図2(a)中の幅Dの2倍)に対する先端部52の高さの比率である形状比率が2.9〜3.6の範囲にある断面形状を備えることが必要である。特に、実際の車両における使用を考慮して、ネック部56の高さは0.5〜2.0mmであり、先端部52の高さは0.5〜3.0mmであるのが好ましい。
ネック部56における形状比率が2.7より小さいと倒れ角度が大きくなり、上記要求を満足せず、この形状比率が3.7より大きいと倒れ角度が小さくなって上記要求を満足しない。また、先端部52における形状比率が2.9より小さいと倒れ角度が大きくなり、上記要求を満足せず、この形状比率が3.6より大きいと倒れ角度が小さくなって上記要求を満足しないことが上述の滑り解析のシミュレーション演算から確かめられている。
【0049】
下記表1に示すブレードAは、ネック部56および先端部52における形状比率が上記範囲を満足するものであり、ブレードBおよびCは、ネック部56における形状比率が上記範囲を満足しないものである。ブレードAおよびCは、特開2001−219821号公報で開示された熱可塑性エラストマー組成物を用いたブレードで、ブレードBは天然ゴム、カーボン、「灰分」(ASH)を所定組成比率含むゴム材を用いたブレードである。ブレードAおよびCのブレードモデルの弾性定数(ヤング率)の値は、取付基部、ネック部および胴体部において1.26(kgf/mm)、先端部において2.15(kgf/mm)とし、ブレードBのブレードモデルの弾性定数(ヤング率)の値は取付基部、ネック部および胴体部および先端部のいずれも0.50(kgf/mm)とした。
【0050】
【表1】
Figure 2004243917
【0051】
図9は、倒れ角度と押圧圧力の値との関係を上記滑り解析の演算結果より求めたグラフを示す。図9中の破線(太線)は、最適な倒れ角度の範囲(40度〜60度)を示す。
ブレードAは、先端部52およびネック部56における形状比率が上記範囲を満足するものであり、圧力8〜20(g重/cm)の範囲で倒れ角度は40〜60度の範囲にあり、かつ、圧力に対する倒れ角度の変化割合が、略0.43(度/(g重/cm)となっている。ブレードBは、圧力8〜20(g重/cm)の範囲で倒れ角度は40〜60度の範囲にあり、ブレードの払拭、除去性能を良好とする。しかし、倒れ角度の変化割合は、略1.17(度/(g重/cm)となり、1.05(度/(g重/cm))を越えている。また、ブレードCは、圧力8〜20(g重/cm)の範囲で倒れ角度は40〜60度の範囲から外れている。
【0052】
以上より、ブレードに熱可塑性エラストマー組成物を用いた場合、ネック部材56における形状比率が2.7〜3.7の範囲にあり、先端部52における形状比率が2.9〜3.6の範囲にある場合、ブレードを圧力8〜20(g重/cm)の範囲で押圧しても、倒れ角度が40〜60度の範囲に確実に含まれ、かつ、倒れ角度の変化割合が1.05(度/(g重/cm)以下となる。
【0053】
以上、本発明のワイパブレードの設計方法およびワイパブレードについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、変更すべき設計パラメータを設定するとともに、設計パラメータの値の許容範囲と、ワイパブレードの特性値が満足すべき最適条件とを少なくとも設定し、ワイパブレードモデルに対してワイパブレードの接触面上での摺動を再現したシミュレーション演算を行い、この演算結果から特性値を求めるので、ワイパブレードの払拭、排除性能等の所望の特性を向上させるためにワイパブレードの各部分の断面形状や材料等の構成を規定してワイパブレードを設計することができる。
【0055】
また、ワイパブレードのネック部の厚さに対するネック部の高さの比率を2.7〜3.7の範囲、ワイパブレードの先端部の厚さに対するこの先端部の高さの比率を2.9〜3.6の範囲に規定することで、ワイパブレードの使用条件において、倒れ角度が適正化されかつ倒れ角度の変化割合が小さくなり、ロバスト性に優れたワイパブレードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイパブレードの設計方法を実施するワイパブレード設計装置の構成を示したブロック図である。
【図2】(a)は基準案の一例として設定されたブレードの断面図であり、(b)は(a)に示すブレードを有限要素モデルで再現したブレードモデルを示す図である。
【図3】図2(b)に示すブレードモデルが剛体面モデルに対して摺動するときのブレードモデルの変形の一例を示した図である。
【図4】本発明のワイパブレードの設計方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のワイパブレードの設計方法において変更すべき設計パラメータに値を割り付けたときのケースを説明する図である。
【図6】図5に示す設計パラメータの割り付け方法の一例を説明する図である。
【図7】本発明のワイパブレードの設計方法において倒れ角度と目標倒れ角度との差分がケース番号とともに変化する様子を示した図である。
【図8】(a)は本発明のワイパブレードの設計方法において用いられる基準案の一例の輪郭形状を示す図であり、(b)は(a)に示す基準案から求められた最適設計案の輪郭形状を示す図である。
【図9】本発明のワイパブレードの設計方法において得られた倒れ角度と押圧圧力の値との関係の一例を示したグラフ図である。
【図10】ワイパブレードの先端側の断面図である。
【符号の説明】
10 ワイパブレード設計装置
12 最適化制御部
14 モデル生成部
16 滑り解析部
18 ポスト処理部
20 CPU
22 メモリ
24 モニタ
50,100 ワイパブレード
52,102 先端部
54,104 取付基部
56,106 ネック部
58,108 胴体部
60 ワイパブレードモデル
62 先端部モデル
64 取付基部モデル
66 ネック部モデル
68 胴体部モデル

Claims (9)

  1. 所定のワイパブレードを基準にして所望の特性を有するワイパブレードを設計するワイパブレードの設計方法であって、
    ワイパブレードにおける変更すべき設計パラメータを設定するとともに、前記設計パラメータの値の変更許容範囲と、ワイパブレードの特性値が満たすべき最適条件とを少なくとも設定する条件設定ステップと、
    ワイパブレードモデルを生成するモデル生成ステップと、
    生成されたワイパブレードモデルに対してワイパブレードの接触面上での摺動を再現したシミュレーション演算を行い、この演算結果から前記特性値を求める演算ステップと、
    前記変更すべき設計パラメータの値を前記変更許容範囲内で繰り返し変更し、変更の度に前記モデル生成ステップでこの変更に応じて生成されるワイパブレードモデルに対して前記演算ステップを実行させる繰り返しステップと、
    前記演算ステップによって求められた複数の特性値のうち特性値が前記最適条件を満たすときの前記設計パラメータの値を求める最適化ステップと、を有するワイパブレードの設計方法。
  2. 前記ワイパブレードモデルは、有限要素で離散化された有限要素モデルである請求項1に記載のワイパブレードの設計方法。
  3. 前記摺動のシミュレーション演算は、前記ワイパブレードモデルを剛体面モデルに押圧した状態でこの剛体面モデルに対して相対的に摺動させる演算である請求項1または2に記載のワイパブレードの設計方法。
  4. 前記特性値は、前記ワイパブレードモデルの先端部が前記剛体面モデルに対して傾斜したときの前記先端部の倒れ角度である請求項3に記載のワイパブレードの設計方法。
  5. 前記剛体面モデルの表面は、平面あるいは曲面である請求項3または4に記載のワイパブレードの設計方法。
  6. 前記摺動のシミュレーション演算は、前記ワイパブレードモデルに複数の押圧圧力を与えた状態でこの剛体面モデルに対して相対的に摺動させる演算であり、
    前記ワイパブレードモデルの先端の倒れ角度の、前記複数の押圧圧力を与えたときの変動量の幅を前記最適条件として定めた請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードの設計方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のワイパブレードの設計方法によりワイパブレードの断面形状が調整されて製造されたことを特徴とするワイパブレード。
  8. ワイパブレードの断面形状において、ワイパブレードを固定保持するための取付基部と、対象物を払拭し除去する一定の厚さを有する先端部と、前記取付基部から延びた一定の厚さを有するネック部と、前記ネック部と前記先端部との間に設けられた胴体部とを備え、前記取付基部、前記ネック部および前記胴体部は、連続相が熱可塑性樹脂であり、分散相が動的に架橋されたエラストマー組成物である熱可塑性エラストマー組成物を用い、前記先端部は、前記熱可塑性エラストマー組成物または熱可塑性樹脂組成物を用いて構成されたワイパブレードであって、
    前記ネック部の厚さは前記取付基部および前記胴体部の厚さに比べて薄く、
    前記ネック部の厚さに対する前記ネック部の高さの比率が2.7〜3.7の範囲にあり、前記先端部の厚さに対する前記先端部の高さの比率が2.9〜3.6の範囲にあることを特徴とするワイパブレード。
  9. 前記ネック部の高さは、0.5〜2.0mmであり、前記先端部の高さは0.5〜3.0mmである請求項8に記載のワイパブレード。
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