JP2004242973A - 医療器具用チューブ体と、それを用いて成るカテーテル - Google Patents

Abstract

【課題】複数の金属素線を円筒状に撚合構成した可撓性の医療器具用チューブ体において、前端に穿孔能力を付与して品質・性能の一段の向上を図る。
【解決手段】素線２が可撓性チューブ体の内周に凸状を成す横断面略半円形状にして、かつ、前端部をナイフエッジサークル３に形成した構造の医療器具用チューブ体１と、それを用いて成るカテーテルが特徴である。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療器具のカテーテルの主線材として使用する可撓性コイル体と、それを用いて成るカテーテルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
曲りくねった血管内に挿入して先端部を血管・体腔の病変部に導くカテーテルは、体外に位置する手元部の「押し・引き・回転」の手動操作によって先端部分から血管・体腔内挿入して、その先端部分を病変部に導いて所要の治療を施す操作プロセスとなる。
【０００３】
従って、先端部分からの挿入操作と治療を円滑にするためには、自由状態で真直性を有して全体が柔軟な可撓性にして曲げ変形からの良好な復元性を有すると共に先端部分が高柔軟性にして後端部分が応分の剛性を有する傾斜特性にして、前記の手動操作に先端部分が的確に順応する高トルク伝達性・ステアリング性を備えた高度の機械的性質が必要になる。
【０００４】
そこで、以上の必要機械的性質に応える医療器具用の可撓性チューブ体として、特許文献１・特許文献２が示す公知例があり、そのいずれも円形断面の素線群を円筒形チューブ体に撚合構成した構造を特徴としている。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−２７５７７４（要約）
【特許文献２】
特表２０００−５１３２３５（要約）
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
以上の特許文献１・２のものは、カテーテル・医療用ガイドワイヤとして用いたとき、素線群の撚合中空形態から成るので素線撚合体としての可撓柔軟性・良好なトルク伝達性と中空形態に基づく「単位長当りの軽量化」をもたらす技術メリットを有するものの、例えば血管閉塞部の治療の際の「硬質部位の穿孔性能やステント留置性能」と血管内挿入摺動性に欠け、品質・性能上の改良すべき点がある。
【０００７】
本発明は、以上の従来技術の難点を解消する高品質の「医療器具用チューブ体と、それを用いて成るカテーテル」を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
以上の技術課題を解決する本発明は「複数の金属素線を円筒状に撚合構成した可撓性チューブ体にして、該素線が該可撓性チューブ体の内周に凸状を成す横断面略半円形状にして、かつ、該可撓性チューブ体の前端部を前方縮径状のナイフエッジサークルに形成した構造を特徴とする医療器具用チューブ体」と「このチューブ体を主チューブ体の少くとも１部とする単層チューブとして用いるカテーテル」の第１発明と、
【０００９】
「主チューブ体の下層チューブ体に、上層チューブ体をスライド自在に嵌装した多層チューブ体構造にして、該下層チューブ体と該上層チューブ体の少くとも１つが前記第１発明の医療器具用チューブ体から成る多層チューブ構造を特徴とするカテーテル」の前記第１発明の用途発明の第２発明から成っている。
【００１０】
即ち、前記第１発明は「医療用チューブ体の先端部に穿孔性能を付与し、かつ、外周の平滑度を向上して」血管・体腔内に挿入して応分の治療を行うカテーテルの性能向上を図る思想を特徴とするものである。
【００１１】
そして前記第１・第２発明は、前記基本構成による特有作用の一段の向上安定を図る技術意図から前記第１発明のチューブ体は、ナイフエッジサークルのナイフ刃面断面を外側凸円弧形状にしたり、所定長の長さ方向にチューブ体の硬直柔軟特性が徐変する形態」を採択する。
【００１２】
そして前記第２発明のカテーテルは「チューブ体の２層〜３層の多層構造形態」や「その多層構造のチューブ体において、素線の撚り方向を多層間で相互に逆方向にする形態」、または、チューブ剛性が多層の内層から外層の方向へ漸増徐変する形態」を採択する。
【００１３】
【作用】
前記第１発明の医療用チューブ体を用いて成る前記第２発明のカテーテルは、カテーテルを先導するガイドワイヤが血管の完全閉塞部の硬質部によって前進不能になったとき、カテーテルを前進させて回転操作することによって前記ナイフエッジサークルがドリル機能して該硬質部を穿孔し、ガイドワイヤ・カテーテルの真腔挿入前進を円滑に支援して当該治療の円滑化・向上ができる。そして、平滑な円形外周を有するので血管・体腔への挿入摺動性が特段に良好になる。
【００１４】
そして、前記第１発明の医療器具用チューブ体は、前記の高品質カテーテルの形成を可能にする。以上の主たる作用がある。
【００１５】
【発明の実施の形態】
まず、図１を参照して第１発明１実施形態の医療器具用チューブ体１（以下、単にチューブ体１という）を説明する。即ち、このチューブ体１はオーステナイト系ステンレス線の素線２群を同一円周上に配設して撚合形成した所要長Ｌの可撓性チューブ体にして、素線２は中空部４に凸部を臨ませる略半円形横断面形状を有し、チューブ体１の外周は長手方向に連続する平滑外周にして、前端部は前方縮径前方刃先のナイフエッジサークル３に形成されている。
【００１６】
なお、この実施形態のチューブ体１は「外径Ｄ１＝約０．６１粍、内径Ｄ２＝約０．４５粍、素線２の本数＝８〜１２本」の諸元にして、下記の工法によって形成される。
【００１７】
即ち（図１（Ｄ）参照）芯材に円形横断面の素線２群を撚合した通常形態のワイヤロープＲの一端を捻回装置１０の回転作動チャック１１に固定セットし、他端をウエイト１３を吊設したスライド型固定チャック１２に固定し、その状態でウエイト１３による引張り荷重を付与しながら捻回加工し、続いて電流発生部１４からチャック１１・１２間にコード１５を通して電流を流して抵抗加熱して加工による残留応力を除去し、しかるのち、外周研削して素線２の形状を前記の半円形横断面形状に成し、前記芯材を抜き取って中空形態に成形する。
【００１８】
つぎに、図２を参照して第１発明のチューブ体１を用いて成るカテーテルＫを説明する。即ち、カテーテルＫは図１（Ｄ）に示す製造方法によって成形した複数の円形断面の素線２群を撚合構成した中空形態の可撓性チューブ体が主要部を構成して、長手方向の先端部分のＸゾーンが前端にナイフエッジサークル３を備えた外径Ｄ１のチューブ体１、後端部分のＺゾーンが素線２の円形横断面の外周を研削しない太径の外径Ｄ３、その両者の中間のＹゾーンがＤ１からＤ３へ漸増径する徐変径形態にして、カテーテルＫとして必要な「先端部分が柔軟質、後端部分が剛質形態」に設定されている。なお、図中の５は公知のコネクタ、Ｍは公知のマーカーにして、ナイフエッジサークル３は素線２がプラズマ溶着されて平滑な外周にして断面凸円弧刃面に形成されている。
【００１９】
以上の実施形態のカテーテルＫは以下の特有作用がある。即ち、（図２（Ｂ）参照）血管２０の完全閉塞部２５にカテーテルＫを挿入して治療するとき、カテーテルを先導するガイドワイヤＧが完全閉塞部２５の石灰化された硬質部２６に突き当たるとガイドワイヤＧを血管２０の内膜２１から中膜２２との境界付近に通して閉塞部２５を迂回させて真腔への突入を図る方法が採られるものの、ガイドワイヤＧが他側の硬質部２６によって前進不能を生ずるトラブルがある。
【００２０】
このケースにおいて、ガイドワイヤＧと組合せたカテーテルＫを前進させて回転操作してナイフエッジサークル３をドリル機能させて硬質部２６を穿孔し、ガイドワイヤＧの真腔復活突入を円滑に支援することができる。そして、ナイフエッジサークル３によって破砕された硬質粉はスパイラル状を成すカテーテルＫの中空内壁溝によって後方へ順送され硬質粉残存によるトラブルを防止する。
【００２１】
さらに、この実施形態のカテーテルＫは後端部から先端部の方向への徐変縮径形態を有するので、後端部の手動回転操作による回転トルクが前端部へ増幅して伝達され、前記の穿孔機能が良好に確保できる。そして、先端部分のＸゾーンの外周が平滑外周のため、血管内先導挿入と血管内回転操作が極めてし易くなる。
【００２２】
そして、前記工法によって線長方向の負荷荷重の基に素線２群を同時捻回加工するので、線長方向の「高度の真直性・捻回特性」を備えると共に、素線２間の相対滑り性が均一にして、血管内で極小曲げしたときに往々に生ずる素線間隙（曲げ引張り側の隙間）の異常発生がなく、円滑な極小曲げ形態を呈する。従って、血管内挿入性と手元操作による先端部の回転追従性・トルク伝達性が極めて良く、当該治療が極めて的確高能率にできると共に、ナイフエッジサークル３が前記の形状を有するので血管内挿入が円滑にできる。
【００２３】
つぎに、図３を参照して第２発明１実施形態を説明する。まず、図３（Ａ）のカテーテルＫは、図２に示す「チューブ体１から成る下層チューブ体１Ａを本体チューブに成すカテーテル」において「前端にナイフエッジサークル３を有する太径の上層チューブ体１Ｂをスライド自在に嵌装装着」した２層構造に構成されている。そして図３（Ｂ）に示すものは、その２層構造の下層チューブ体１Ａと上層チューブ体１Ｂの素線２の捻回方向が相互に逆方向（概ね９０°交差）の組合せに構成されている。この図３のものは下記の特有作用がある。
【００２４】
即ち、（図３（Ｃ）参照）前記の血管２０の完全閉塞部２５の硬質部２６に穿孔加工のとき、下層チューブ体１Ａによって小径の下孔を穿孔し、続いて上層チューブ体１Ｂをスライド前進させて該下孔を拡大穿孔する手段が可能にして穿孔加工がし易く、かつ充分なサイズの穿孔ができる。
【００２５】
そして、バルーンカテーテルを用いて血管の拡径治療を行うときの従来の「径小から径大の複数のバルーンカテーテルを順次挿入交換する拡径治療」が、上層チューブ体１Ｂのスライド操作のみによって可能になるので、当該治療が特段に簡便迅速にして能率化する。
【００２６】
そして図３（Ｂ）に示す「捻り方向が相互に逆を成す形態」のものは、下層チューブ体１Ａと上層チューブ体１Ｂの素線２相互の接触角が近似点接触となるので、上層チューブ体１Ｂの下層チューブ体１Ａに対する摺動性が向上し前記のスライド操作がし易くなる。
【００２７】
なお、この２層形態のものは「上層チューブ体１Ｂの曲げ剛性＞下層チューブ体１Ａの曲げ剛性」の関係に設定したり、または、下層チューブ体１Ａと上層チューブ体１Ｂのスライド部分に、公知のポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーを施す形態にすることがある。
【００２８】
この相対剛性形態のものは下層チューブ体１Ａの曲げ抵抗を上層チューブ体１Ｂが的確に担持して下層チューブ体１Ａの有害な極小曲げの累積による血管内挿入抵抗の異常化を防止することがある。
【００２９】
次に図４を参照して多層構造の他の形態を説明する。即ち、図３のものと同様な下層チューブ体１Ａの本体チューブに上層チューブ体１Ｂをスライド自在に嵌装した構造のものにおいて、上層チューブ体１Ｂに「上層チューブ体１Ｂと同一形態の外層チューブ体１Ｃ」がスライド自在に嵌装された３層チューブ体形態」に構成されている。
【００３０】
そして、その下層チューブ体１Ａに設けた金属製（放射線不透過材が好適）または樹脂製の前方径小円錐形のチップ８と上層チューブ体１Ｂの前端間に公知の「自己拡張型ステントＳ」を嵌装し、そのステントＳを外層チューブ体１Ｃによって押え込みセットして血管病変部へ挿入し、しかるのち、外層チューブ体１ＣをスライドさせることによってステントＳを自動離脱させて病変部にセットできる形態に成っている。なお、この３層形態のものは金属製のチューブ体１Ａ・１Ｃの間に介在する上層チューブ体１Ｂをナイフエッジサークル３不存在の樹脂製（ポリエチレン・ふっ素樹脂等）にして相互間の摺動性向上を図る態様が好ましい。
【００３１】
以上の３層構造のチューブ体から成るカテーテルＫは、血管２０の病変部へのステントＳの留置設定が、特段に迅速簡便にできるので当該治療をする術者の治療操作が極めてし易く特段に迅速化・能率化すると共に、患者の苦痛時間を著しく短縮して当該治療性を極めて向上する。
【００３２】
そして、外層チューブ体６Ｃを引き操作してステントＳを離脱させるとき、ジグザグ線コイルの連続形態のステントＳと滑り接触する外層チューブ体６Ｃの内周面が、素線２の円形頂点の連続からなるので、ステントＳの内周面と点接触形態となりステントＳの離脱操作が極めて円滑・的確にできる特有作用がある。そして、他の用法として「下層チューブ体１Ａで下孔穿孔、上層チューブ体１Ｂで中空穿孔、外層チューブ体１Ｃで仕上げ穿孔する３段穿孔」も可能になるので、前記穿孔作業がより的確にして大なる孔径に加工できる。
【００３３】
続いて、図５を参照して第１発明のチューブ体１の他の実施形態を製造方法を引用して説明する。即ち、図１（Ｄ）に示す製造方法によってチューブ体１を製造するにおいて、（図５（Ｂ）（Ｃ）参照）被加工のワイヤロープＲを長さ方向のＸ・Ｙ・Ｚの３ゾーンに分割し、そのＸ・Ｙ・Ｚのゾーン境界ポイントを「対向一対の開閉自在のクランプ片１５を有してスライド自在の中間クランプ部１４」によってクランプし、Ｘ・Ｙ・Ｚゾーン毎に異なる捻回度のチューブ体１に加工する。
【００３４】
この加工方法によるチューブ体１は（図５（Ａ）参照）長手方向のゾーン毎に区画したＸ・Ｙ・Ｚゾーン毎に素線２の捻回度が異なるので、それぞれの捻回度に対応した硬軟曲げ特性の機械的性質を帯有するので、医療用器具の可撓性線状体として体外に位置して手動操作する手元部が最剛性にして、かつ、血管・体腔へ先導挿入進行させる先端部分が柔軟・高可撓性となる長手方向に沿って曲げ剛性が漸増漸減徐変する剛直・柔軟徐変傾斜形態の高品質線状体のチューブ体１として機能できる。
【００３５】
そして、他の形態として（図５（Ｄ）参照）同じく単位長のワイヤロープＲを長手方向のＸ・Ｙ・Ｚゾーンに分割したゾーン毎に、加熱条件が異なる３個の加熱装置１６Ａ・１６Ｂ・１６Ｃ内にセットし、しかるのち、捻回装置１０による捻回加工中または捻回装置１０から外した捻回加工ずみのものを、加熱装置１６Ａ・１６Ｂ・１６Ｃによって加熱処理してＸ・Ｙ・Ｚゾーン毎に異なる「加工による残留応力除去形態」のチューブ体１に加工する。
【００３６】
この実施形態のものは、加熱装置１６Ａ〜１６Ｃによる加熱処理条件の相違によってＸ・Ｙ・Ｚゾーンそれぞれの残留応力除去度が相違する形態となり長さ方向に傾斜徐変する「引張り強度・曲げ剛性」の機械的性質を帯有し、カテーテル用高性能のチューブ体１として機能できる。
【００３７】
一方、（特許文献１の段落０００４・特許文献２の１４ページ参照）チューブ体１の形態の可撓性チューブ体の従来の加工は、マンドレルに素線を巻き付ける工法、またはコイリングマシーン工法で成形される。従って、金属素線の一定方向に限定された加工変質層を形成し、前記の極小曲げのときの線間過大隙間が極めて容易に発生して回転操作性・トルク伝達性を損う不具合がある。
【００３８】
しかし、本発明のチューブ体１は前記の「素線２群均一張力撚回工法」によるので、素線２群の加工変質層が外周全領域にわたって均一に生じて素線２相互の相対すべりが均一になるので、前記の有害な線間過大隙間の発生を防止して、良好なトルク伝達性・回転操作性が確保できる。
【００３９】
続いて、図６を参照して「チューブ体１が多層を成す前記２層・３層形態」のカテーテルＫの手元部構造の１実施形態を説明する。即ち、下層チューブ体１Ａと上層チューブ体１Ｂと外層チューブ体１Ｃから成るカテーテルＫは、その３個のチューブ体１Ａ〜１Ｃのそれぞれの端末に「チューブ体１Ａ〜１Ｃを個別に手動操作するための樹脂製の操作部６Ａ・６Ｂ・６Ｃ」が３連想形態で設定されており、その操作部６Ａ〜６Ｃの個別の「押し・引き・回転の操作」によって前記の穿孔加工やステントＳの離脱操作を行うように成っている。なお、この操作部６Ａ〜６Ｃは「図示のボス部の外周に羽根状の操作片を突設した形状」以外の形状でも良い。
【００４０】
なお、図中の７は操作部６Ｂ・６Ｃ間に設けた公知の「造影剤注入部７つきコネクタ５」である。そして、図３実施形態の２層形態のものは操作部６Ａ・６Ｂの２連装形態と成る。
【００４１】
なお、本発明のカテーテルは、前記実施形態のオーステナイト系ステンレス材を用いるのが好ましく、この材質限定にすると「固有の低熱伝導率に基づいて、ナイフエッジサークル３・マーカーＭの溶着のときの無用な熱伝導を防止して当該部位の品質劣化を防止」したり、溶接電流の過大防止・溶接時間の短縮化のメリット作用が享受できる。
【００４２】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明の「医療器具用チューブ体と、それを用いて成るカテーテル」は、カテーテルの機能・性能を向上して「カテーテルによる病変硬化部の穿孔治療を可能にすると共に、病変部へのステントの留置装着を簡便迅速に成して」当該治療性の特段の向上を図り、併せて当該被治療者の便宜向上を促進する有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１発明１実施形態の「医療器具用チューブ体」を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその拡大横断面図、（Ｃ）は前端部の拡大図、（Ｄ）は加工方法の説明図
【図２】第１発明１実施形態のカテーテルを示し、（Ａ）はその全体正面図、（Ｂ）はその用法説明図
【図３】第２発明１実施形態のカテーテルを示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその部分正面図、（Ｃ）はその用法説明図
【図４】第２発明１実施形態のカテーテルを示し、（Ａ）はその部分正面図、（Ｂ）はその用法説明図
【図５】本発明の「医療器具用チューブ体」の他の実施形態と加工方法を示し、（Ａ）はそのチューブ体の正面図、（Ｂ）（Ｄ）はその加工方法の説明図、（Ｃ）は（Ｂ）の加工装置の要部説明図
【図６】本発明の多層形態カテーテルの手元部の構造説明図
【符号の説明】
１ 医療器具用チューブ体
１Ａ 下層チューブ体
１Ｂ 上層チューブ体
１Ｃ 外層チューブ体
２ 素線
３ ナイフエッジサークル
５ コネクタ
６ 操作部
１０ 捻回装置
２０ 血管
２５ 完全閉塞部
２６ 硬質部
Ｇ ガイドワイヤ
Ｋ カテーテル
Ｒ ワイヤロープ
Ｍ マーカー
Ｓ ステント

Claims (9)

1. 複数の金属素線を円筒状に撚合構成した可撓性チューブ体にして、該素線が該可撓性チューブ体の内周に凸状を成す横断面略半円形状にして、かつ、該可撓性チューブ体の前端部をナイフエッジサークルに形成した構造を特徴とする医療器具用チューブ体。
2. ナイフエッジサークルのナイフ刃面が、前方縮径状にして断面外側凸円弧形状から成る請求項１の医療器具用チューブ体。
3. 所定長の長さ方向に、チューブ体の剛直柔軟特性が徐変形態に形成された請求項１または請求項２のの医療器具用チューブ体。
4. 請求項１〜請求項３のいずれかの医療用チューブ体を単層の主チューブ体の少くとも１部として用いた構造を特徴とするカテーテル。
5. 主チューブ体の下層チューブ体に、上層チューブ体をスライド自在に嵌装した多層チューブ体構造にして、該下層チューブ体と該上層チューブ体の少くとも１つが、請求項１〜請求項３のいずれかの医療器具用チューブ体を少くとも１部として用いて成る多層チューブ構造を特徴とするカテーテル。
6. 上層チューブ体に外層チューブ体をスライド自在に嵌装すると共に、該下層チューブ体に嵌装した自己拡張型ステントを、該外層チューブ体によって押え込みセット・離脱可能にした３層チューブ構造から成る請求項５のカテーテル。
7. 下層チューブ体の素線の撚り方向と上層チューブ体の素線の撚り方向、または上層チューブ体の素線の撚り方向と外層チューブ体の素線の撚り方向が、相互に逆方向にして成る請求項５または請求項６のカテーテル。
8. 下層チューブ体から上層チューブ体の方向、または下層チューブ体から外層チューブ体の方向へ、チューブ体剛性を漸増形態に構成した請求項５〜請求項７のいずれかのカテーテル。
9. 下層チューブ体と上層チューブ体のそれぞれの操作部、または、下層チューブ体と上層チューブ体と外層チューブ体のそれぞれの操作部を、手元部に連装した構造から成る請求項５〜請求項８のいずれかのカテーテル。

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