JP2004241786A - Igウェーハの製造方法及びこの方法で作られたigウェーハ - Google Patents

Igウェーハの製造方法及びこの方法で作られたigウェーハ Download PDF

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Abstract

【課題】点欠陥の凝集体が存在しないことに加えて、ウェーハの状態での熱処理回数が少なくして所望のIG効果を発揮する。
【解決手段】OSF顕在化熱処理をした際にウェーハ総面積の25%以上にOSFが発生しかつ転位発生を伴わない酸素析出物を1×105〜3×107個/cm2密度で発生するシリコンウェーハを水素ガス又は水素ガスを含む雰囲気下で室温から1100〜1250℃まで3℃/分〜150℃/秒の昇温速度で急速加熱し、1分〜2時間保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、DRAM等の半導体集積回路に適するシリコンウェーハを得るために、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により引上げられたシリコン単結晶インゴットから切出されたシリコンウェーハからイントリンシックゲッタリング(intrinsic gettering、以下、IGという。)ウェーハを製造する方法に関するものである。
近年、半導体集積回路を製造する工程において、歩留りを低下させる原因として酸化誘起積層欠陥(Oxidation Induced Stacking Fault、以下、OSFという。)の核となる酸素析出物の微小欠陥や、結晶に起因したパーティクル(Crystal Originated Particle、以下、COPという。)や、或いは侵入型転位(Interstitial-type Large Dislocation、以下、LDという。)の存在が挙げられている。OSFは、結晶成長時にその核となる微小欠陥が導入され、半導体デバイスを製造する際の熱酸化工程等で顕在化し、作製したデバイスのリーク電流の増加等の不良原因になる。またCOPは、鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合液で洗浄したときにウェーハ表面に出現する結晶に起因したピットである。このウェーハをパーティクルカウンタで測定すると、このピットも本来のパーティクルとともに光散乱欠陥として検出される。このCOPは電気的特性、例えば酸化膜の経時絶縁破壊特性(Time Dependent dielectric Breakdown、TDDB)、酸化膜耐圧特性(Time Zero Dielectric Breakdown、TZDB)等を劣化させる原因となる。またCOPがウェーハ表面に存在するとデバイスの配線工程において段差を生じ、断線の原因となり得る。そして素子分離部分においてもリーク等の原因となり、製品の歩留りを低くする。更にLDは、転位クラスタとも呼ばれたり、或いはこの欠陥を生じたシリコンウェーハをフッ酸を主成分とする選択エッチング液に浸漬するとピットを生じることから転位ピットとも呼ばれる。このLDも、電気的特性、例えばリーク特性、アイソレーション特性等を劣化させる原因となる。
以上のことから、半導体集積回路を製造するために用いられるシリコンウェーハからOSF、COP及びLDを減少させることが必要となっている。
このOSF、COP及びLDを有しない無欠陥のシリコンウェーハが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この無欠陥のシリコンウェーハは、シリコン単結晶インゴット内での空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体がそれぞれ存在しないパーフェクト領域を[P]とするとき、パーフェクト領域[P]からなるインゴットから切出されたシリコンウェーハである。パーフェクト領域[P]は、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域[I]と、シリコン単結晶インゴット内で空孔型点欠陥が支配的に存在する領域[V]との間に介在する。このパーフェクト領域[P]からなるシリコンウェーハは、インゴットの引上げ速度をV(mm/分)とし、シリコン融液とインゴットとの界面近傍におけるインゴット鉛直方向の温度勾配をG(℃/mm)とするとき、熱酸化処理をした際にリング状に発生するOSFがウェーハ中心部で消滅するように、V/G(mm2/分・℃)の値を決めて作られる。
しかし、上記パーフェクト領域[P]からなるインゴットから切出されたシリコンウェーハは、OSF、COP及びLDを有しないけれども、デバイス製造工程の熱処理において、必ずしもウェーハ内部で酸素析出が起らず、これによりIG効果が十分に得られないおそれがある。IG能力が十分に備わっていないウェーハでは、デバイス工程で金属により汚染されると、接合リークや、金属不純物によるトラップ準位によるデバイスの動作不良等を生じ、これにより製品の歩留りが低下する。
従来、シリコン単結晶インゴットから切出された、研削研磨した直後のシリコンウェーハを500〜800℃で0.5〜20時間保持してウェーハ内に酸素析出核を導入する工程と、この酸素析出核を含むシリコンウェーハを室温から800〜1000℃まで急速加熱して0.5〜20分間保持する工程と、急速加熱して0.5〜20分間保持したシリコンウェーハを更に室温まで放冷する工程と、放冷したシリコンウェーハを500〜700℃から2〜10℃/分の速度で800〜1100℃まで加熱しその温度で2〜48時間保持する工程とを含むIG処理法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
この処理法では、上記温度条件で急速加熱すると、ウェーハ表面は勿論、ウェーハ内部も一時的に熱平衡濃度以下になり、格子間シリコン原子が欠乏状態になり、酸素析出核が安定に成長し易い環境になる。同時にこの欠乏した格子間シリコン原子を補って安定状態になるために、ウェーハ表面では格子間シリコン原子の生成が起こり、生成した格子間シリコン原子はウェーハ内部に拡散し始める。格子間シリコン原子の欠乏状態にあったウェーハ表面付近は格子間シリコン原子の生成ですぐに飽和状態になり、酸素析出核は消滅を始める。しかし、ウェーハ表面で生成した格子間シリコン原子がウェーハ内部にまで拡散するにはある程度の時間を要するため、ウェーハ表面から内部に深く入るほど酸素析出核が成長し易い環境が長く続く。従って、ウェーハ表面に近いほど酸素析出核の密度は低く、またこの熱処理時間(0.5〜20分)が長いほど酸素析出核、即ち欠陥の形成されない層(以下、DZ層という。)の厚さは大きくなる。また800〜1000℃の範囲で温度が高いほど、格子間シリコン原子の拡散係数が大きく、短時間でDZ層の厚さは大きくなる。
急速加熱し、室温に放冷した後で800〜1100℃まで再び加熱すると、急速加熱で生き残ったウェーハ内部の酸素析出核が成長して酸素析出物となり、安定なIG源となる。
特開平11−1393号公報 特開平8−45945号公報
しかし、上記IG処理法は、IG源を生成するための前処理として、研削研磨した直後のシリコンウェーハを500〜800℃で0.5〜20時間保持してウェーハ内に酸素析出核を導入する工程を必要とし、更に急速加熱を行った後でウェーハ内部の酸素析出核を酸素析出物に成長させるための熱処理を必要とした。このため、ウェーハの状態での熱処理回数が多い不具合があった。
本発明の目的は、点欠陥の凝集体が存在しないことに加えて、シリコンウェーハの状態での熱処理回数が少なくして所望のIG効果を発揮するウェーハの製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、この方法で作られたIG能力の高いウェーハを提供することにある。
請求項1に係る発明は、OSF顕在化熱処理をした際にウェーハ総面積の25%以上にOSFが発生しかつ転位発生を伴わない酸素析出物を1×105〜3×107個/cm2密度で発生するシリコンウェーハを水素ガス又は水素ガスを含む雰囲気下で室温から1100〜1250℃まで3℃/分〜150℃/秒の昇温速度で急速加熱し、1分〜2時間保持するIGウェーハの製造方法である。
請求項1に係る発明では、ウェーハとして、上記割合で存在するOSF領域に所定密度の酸素析出物を含むウェーハを用いることにより、従来のウェーハ内に酸素析出核を導入する前熱処理工程及び酸素析出核の成長工程が不要となり、研磨後のウェーハを上記条件で急速加熱することにより、高いIG効果を発揮する。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の方法から作られたIGウェーハであって、酸素析出物の形成されない層(DZ層)がウェーハ表面から1〜100μmの深さにわたって形成され、このDZ層より深い部分に2×104〜2×108個/cm2の酸素析出物を有することを特徴とするIGウェーハである。
請求項1に係る方法でIG処理したウェーハは、上記特性を有し、高いIG効果を発揮する。
以上述べたように、請求項1に係る発明によれば、点欠陥の凝集体が存在しないことに加えて、シリコンウェーハの状態での熱処理回数が少なくして所望のIG効果を発揮するウェーハを得ることができる。
本発明のシリコンウェーハは、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からインゴットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた所定の引上げ速度プロファイルで引上げた後、このインゴットをスライスして作製される。
一般的に、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを引上げたときには、シリコン単結晶における欠陥として、点欠陥(point defect)と点欠陥の凝集体(agglomerates:三次元欠陥)が発生する。点欠陥は空孔型点欠陥と格子間シリコン型点欠陥という二つの一般的な形態がある。空孔型点欠陥は一つのシリコン原子がシリコン結晶格子で正常的な位置の一つから離脱したものである。このような空孔が空孔型点欠陥になる。一方、原子がシリコン結晶の格子点以外の位置(インタースチシャルサイト)で発見されるとこれが格子間シリコン点欠陥になる。
点欠陥は一般的にシリコン融液(溶融シリコン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形成される。しかし、インゴットを継続的に引上げることによって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始める。冷却の間、空孔型点欠陥又は格子間シリコン型点欠陥は拡散により互いに合併して、空孔型点欠陥の凝集体(vacancy agglomerates)又は格子間シリコン型点欠陥の凝集体(interstitial agglomerates)が形成される。言い換えれば、凝集体は点欠陥の合併に起因して発生する三次元構造である。
空孔型点欠陥の凝集体は前述したCOPの他に、LSTD(Laser Scattering Tomograph Defects)又はFPD(Flow Pattern Defects)と呼ばれる欠陥を含み、格子間シリコン型点欠陥の凝集体は前述したLDと呼ばれる欠陥を含む。FPDとは、インゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを30分間セコエッチング(Secco etching、HF:K2Cr27(0.15mol/l)=2:1の混合液によるエッチング)したときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。
ボロンコフの理論は、欠陥の数が少ない高純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)とするときに、V/G(mm2/分・℃)を制御することである。この理論では、図1に示すように、V/Gをよこ軸にとり、空孔型点欠陥濃度と格子間シリコン型点欠陥濃度を同一のたて軸にとって、V/Gと点欠陥濃度との関係を図式的に表現し、空孔領域と格子間シリコン領域の境界がV/Gによって決定されることを説明している。より詳しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥濃度が優勢なインゴットが形成される反面、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン型点欠陥濃度が優勢なインゴットが形成される。図1において、[I]は格子間シリコン型点欠陥が支配的であって、格子間シリコン型点欠陥が存在する領域((V/G)1以下)を示し、[V]はインゴット内での空孔型点欠陥が支配的であって、空孔型点欠陥の凝集体が存在する領域((V/G)2以上)を示し、[P]は空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域((V/G)1〜(V/G)2)を示す。領域[P]に隣接する領域[V]にはOSF核を形成する領域[OSF]((V/G)2〜(V/G)3)が存在する。
なお、COPやLDなどの点欠陥の凝集体は検出方法によって検出感度、検出下限値が異なる値を示すことがある。そのため、本明細書において、「点欠陥の凝集体が存在しない」の意味は、鏡面加工されたシリコン単結晶を無攪拌セコエッチングを施した後に光学顕微鏡により、観察面積とエッチング取り代との積を検査体積として観察した際に、フローパターン(空孔型欠陥)及び転位クラスタ(格子間シリコン型点欠陥)の各凝集体が1×10-3cm3の検査体積に対して1個欠陥が検出された場合を検出下限値(1×103個/cm3)とするとき、点欠陥の凝集体の数が上記検出下限値以下であることをいう。
上記パーフェクト領域[P]は更に領域[PI]と領域[PV]に分類される。[PI]はV/G比が上記(V/G)1から臨界点までの領域であり、[PV]はV/G比が臨界点から上記(V/G)2までの領域である。即ち、[PI]は領域[I]に隣接し、かつ侵入型転位を形成し得る最低の格子間シリコン型点欠陥濃度未満の格子間シリコン型点欠陥濃度を有する領域であり、[PV]は領域[V]に隣接し、かつOSFを形成し得る最低の空孔型点欠陥濃度未満の空孔型点欠陥濃度を有する領域である。
本願請求項1に係る発明の所定の引上げ速度プロファイルは、OSF核を形成する領域[OSF]に相当する第2臨界比((V/G)2)以上であって第3臨界比((V/G)3)以下に維持されるように決められる。
この引上げ速度のプロファイルは、実験的に基準インゴットを軸方向にスライスすることで、又はこれらの技術を組合わせることで、シミュレーションによって上記ボロンコフの理論に基づき決定される。即ち、この決定は、シミュレーションの後、軸方向にスライスされたインゴットを横断方向にスライスしてウェーハ状態で確認し、更にシミュレーションを繰り返すことによりなされる。シミュレーションのために複数種類の引上げ速度が所定の範囲で決められ、複数個の基準インゴットが成長される。図2に示すように、シミュレーションのための引上げ速度プロファイルは1.2mm/分のような高い引上げ速度(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度(c)及び再び高い引上げ速度(d)に調整される。上記低い引上げ速度は0.4mm/分又はそれ以下であることもあってもよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化は線形的なものが望ましい。
異なった速度で引上げられた複数個の基準インゴットはそれぞれ別々に軸方向にスライスされる。最適のV/Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレーションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な引上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイルでインゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファイルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホットゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限定されない多くの変数に依存する。
引上げ速度を徐々に低下させてV/Gを連続的に低下させたときのインゴットの断面図を描いてみると、図3に示される事実が分かる。図3には、インゴット内での空孔型点欠陥が支配的に存在する領域が[V]、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域が[I]、及び空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域が[P]としてそれぞれ示される。前述したようにパーフェクト領域[P]は更に領域[PI]と領域[PV]に分類される。領域[PV]はパーフェクト領域[P]の中でも凝集体にならない空孔型点欠陥が存在する領域であり、領域[PI]はパーフェクト領域[P]の中でも凝集体にならない格子間シリコン型点欠陥が存在する領域である。
図3に示すように、インゴットの軸方向位置P1は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。位置P2は位置P1に比べて中央に小さい空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。位置P3は中央に空孔型点欠陥もなく、縁部分に格子間シリコン型点欠陥もないので全てパーフェクト領域である。また位置P4は格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング領域及び中央のパーフェクト領域を含む。
図3から明らかなように、位置P1に対応したウェーハW1は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。このウェーハW1に対して、従来のOSF顕在化熱処理に従った、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理すると、図4に示すようにウェーハW1ではウェーハの周縁付近にOSFリングが発生する。このOSFリングで囲まれた空孔型点欠陥が支配的に存在する領域はCOPが出現する傾向がある。位置P4に対応したウェーハW4は、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び中央のパーフェクト領域を含む。
[1] 請求項1に係るシリコンウェーハ
請求項1に係るウェーハは図3の位置P2に対応したウェーハW2である。このウェーハW2はウェーハW1に比べて中央にウェーハ総面積の1/2の面積(50%)で空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。このウェーハW2に対して上記OSF顕在化熱処理を行うと、OSFはリング状にならずに、ウェーハの中心部にディスク状に発生する。請求項1に係るウェーハW2は、ウェーハ総面積の25%以上にOSFが発生する。OSFがウェーハ総面積の25%未満では、BMDの発生領域が狭く、十分なIG効果を得にくい。好ましくは50〜80%である。このウェーハW2は、図5に示すようにOSFがリング状でなく、中心部に顕在化するように選定して決められた引上げ速度プロファイルで成長したインゴットをスライスして作製される。図6はその平面図である。このウェーハW2ではOSFがリング状を形成しないため、COPフリーである。またLD(侵入型転位)の発生もない。このウェーハW2を作り出すインゴットは、転位発生を伴わない酸素析出物を2×104〜2×108個/cm2の割合で含む。このため、特開平8−45945号公報に示されるように急速加熱の前にウェーハの状態で500〜800℃の比較的低温で0.5〜20時間保持して、ウェーハ内に高密度に酸素析出核を導入しなくてもよい。BMD密度が2×104個/cm2未満では、ウェーハ状態で急速加熱を行ったときに十分なIG効果を得にくい。また2×108個/cm2はOSF領域に発生し得る最大のBMD密度である。
[2] 請求項1に係る熱処理方法
請求項1に係る熱処理方法は1回の急速加熱である。この急速加熱は水素ガス又は水素ガスを含む雰囲気下で行われる。具体的には転位発生を伴わない酸素析出物を上記割合で含む室温のシリコンウェーハW2を1100〜1250℃の温度に加熱した炉に素早く入れ、1分〜2時間保持する。別の方法として、転位発生を伴わない酸素析出物を上記割合で含む室温のシリコンウェーハW2を高熱発生可能なランプを用いた高速加熱炉内に配置し、ランプスイッチを入れて熱射を開始し急速に1100〜1250℃の温度に加熱し、1分〜2時間保持する。ここで急速加熱とは、3℃/分以上150℃/秒以下、好ましくは30℃/分以上100℃/秒以下の昇温速度で熱処理することをいう。ランプ光照射で急速加熱する場合にはウェーハを均一に加熱できるため、予め加熱した炉に入れる場合と比較してウェーハがより反りにくいという利点がある。急速加熱して到達する最終温度が、1100℃未満ではウェーハ表面近傍における酸素析出物の消滅が不十分でDZ層を十分に確保できない。また1250℃を越えると、ウェーハ表面近傍の酸素析出物が消滅する前に転位が発生し、DZ層を十分に確保できない。また保持時間が1分未満ではウェーハ表面における酸素析出物を縮小させる時間が短すぎ、ウェーハ表面での酸素析出物の消滅が不十分でDZ層を十分に確保できない。また2時間を越えると、必要以上の厚さのDZ層が得られ、しかも生産性に悪影響を及ぼす。好ましい保持時間は1分〜1.5時間に決められる。
この急速加熱の後、シリコンウェーハを室温まで放冷すれば、ウェーハ表面から1〜100μmの深さにわたってDZ層が形成され、このDZ層より深い部分のBMD密度が2×104〜2×108個/cm3のIGウェーハが得られる。
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
シリコン単結晶引上げ装置を用いて直径8インチのボロン(B)がドープされたp型のシリコンインゴットを引上げた。このインゴットは直胴部の長さが1200mm、結晶方位が(100)、抵抗率が約10Ωcm、酸素濃度が1.0×1018atoms/cm3(旧ASTM)であった。インゴットは、引上げ時のV/Gを0.24mm2/分℃から0.18mm2/分℃まで連続的に減少させながら、同一条件で2本育成した。そのうちの1本のインゴットは図3に示すように引上げ方向にインゴット中心を切断し、各領域の位置を調べ、別の1本から図3のP2に対応する位置のシリコンウェーハW2を切出し、試料とした。この例では試料となるウェーハW2は中央にウェーハ総面積の1/2の面積(50%)で空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。このウェーハW2に対して上記OSF顕在化熱処理を行うと、図6に示すようにOSFはリング状にならずに、ウェーハの中心部にウェーハ総面積の25%以上の面積でディスク状に発生する。
インゴットから切出し鏡面研磨したこのウェーハW2を水素ガス10%とアルゴンガス90%の雰囲気下、室温から1200℃まで約50℃/分の昇温速度で加熱し、1200℃で90秒間保持することにより、熱処理を行った。
<比較例1>
実施例1と同一装置を用いて直径8インチのボロン(B)がドープされたp型のシリコンインゴットを引上げた。このインゴットは直胴部の長さ、結晶方位、抵抗率、酸素濃度が実施例1と同一であった。インゴットは実施例1と同様にV/Gを制御して、同一条件で2本育成した。そのうちの1本のインゴットは図3に示すように引上げ方向にインゴット中心を切断し、各領域の位置を調べ、別の1本から図3のP3に対応する位置のシリコンウェーハW3を切出し、試料とした。この例では試料となるウェーハW3はOSF顕在化熱処理をしたときに実施例1のディスクが縮小してディスクのないウェーハである。このウェーハW3を実施例1と同様に熱処理した。
<比較評価その1>
実施例1及び比較例1の各ウェーハを劈開し、更にウェーハ表面をライト(Wright)エッチング液で選択エッチングを行い、光学顕微鏡の観察により、ウェーハ表面から深さ350μmにおける領域部分のBMD面積密度を測定した。これらの結果を表1に示す。
表1から明らかなように、OSF顕在化熱処理をしたときに、酸素析出物が比較例1のウェーハより実施例1のウェーハの方が多いため、実施例1のウェーハは比較例1のウェーハと比べてより高いIG効果が得られる。
Figure 2004241786
ボロンコフの理論を基づいた、V/G比が臨界点以上では空孔豊富インゴットが形成され、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン豊富インゴットが形成されることを示す図。 所望の引上げ速度プロファイルを決定するための引上げ速度の変化を示す特性図。 本発明による基準インゴットの空孔豊富領域、格子間シリコン豊富領域及びパーフェクト領域を示すX線トポグラフィの概略図。 図3の位置P1に対応するシリコンウェーハW1にOSFリングが出現する状況を示すウェーハW1の平面図。 図3の位置P2に対応するインゴットの軸中心を通って軸方向にスライスした断面図。 図3の位置P2に対応するシリコンウェーハW2の中心部にOSFが出現する状況を示すウェーハW2の平面図。

Claims (2)

  1. OSF顕在化熱処理をした際にウェーハ総面積の25%以上にOSFが発生しかつ転位発生を伴わない酸素析出物を1×105〜3×107個/cm2密度で発生するシリコンウェーハを水素ガス又は水素ガスを含む雰囲気下で室温から1100〜1250℃まで3℃/分〜150℃/秒の昇温速度で急速加熱し、1分〜2時間保持するIGウェーハの製造方法。
  2. 請求項1記載の方法により作られたIGウェーハであって、
    酸素析出物の形成されない層がウェーハ表面から1〜100μmの深さにわたって形成され、前記層より深い部分に2×104〜2×108個/cm2の密度で酸素析出物を有することを特徴とするIGウェーハ。
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