JP2004239410A - 耐震継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地下に埋設した本管11から支管12を分岐するための耐震継手において、本管に設けられた受口部材(分岐サドル13)と支管12との接続角度を変更可能とするための球状受口14及び回動筒15からなる自在継手部と、分岐サドル13に対して支管を軸線方向に移動可能に接続するための大径受口38及び筒状弾性体18からなる伸縮継手部と、両端に前記自在継手部と伸縮継手部との連結部をそれぞれ有する継手管17とを備えた耐震継手において、受口部材と継手管との接続部外周面を筒状被覆材21で被覆する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐震継手に関し、詳しくは、地下に埋設されている本管から分岐接続した支管の接続角度や軸線方向の変位を吸収するために用いられる耐震継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
下排水設備等の埋設本管から地上に向けて支管を分岐させる場合、従来は、本管上面に装着した受口部材の受口に支管の下端を直接挿入し、ゴム輪等でシールする方法が一般的に行われていたが、近年は、地震等による外力から配管を保護するため、受口部材との接続部に、本管に対する支管の接続角度や軸線方向の変位を吸収する構造を採用するようになってきている。
【0003】
配管を接続する際に、その接続角度を変更可能とするための管継手として、管端部に設けられている球状内面を有する球状受口(受口外殻部)と、球状外面を有する回動筒(芯体)とを回動自在に嵌着し、前記回動筒の中心に設けられている管挿入口に接続側の管端部(差口)を挿入するようにした自在管継手が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−47190号公報(第1頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような自在管継手を、地下に埋設した本管から支管を分岐するための継手として使用した場合、継手部分がむき出しになっているため、施工時に周囲に充填されるモルタルやセメントミルクが付着して固まってしまうと、自在管継手としての自在性能が失われてしまうことがある。
【0006】
そこで本発明は、自在継手部分にモルタル等が侵入することを防止して自在性能を確実に発揮することができ、本管に対する支管の接続角度や軸線方向の変位を確実に吸収することができる耐震継手を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の耐震継手は、地下に埋設した本管から支管を分岐するための耐震継手において、本管に設けられた受口部材と支管との接続角度を変更可能とするための自在継手部と、前記受口部材に対して支管を軸線方向に移動可能に接続するための伸縮継手部と、両端に前記自在継手部と伸縮継手部との連結部をそれぞれ有する継手管とを備えた耐震継手において、前記受口部材と前記継手管との接続部外周面を筒状被覆材で被覆したことを特徴としている。
【0008】
さらに、耐震継手のより具体的な構成として、地下に埋設した本管から支管を分岐するための耐震継手において、本管に設けられた受口部材と、該受口部材に設けられた球状受口の球状内面に対応した球状外面を有するとともに内部に管挿入口を有し、前記球状受口内に回動自在に嵌着した回動筒と、該回動筒の前記管挿入口に挿入される小径差口及び該小径差口に拡径段部を介して連設した大径受口を有する継手管と、該継手管の前記受口に挿入接続される支管と、該支管の外周面と前記継手管の内周面との間に設けられて支管を軸方向に移動可能な状態でシールするリング状シール材と、該支管の先端と前記継手管の拡径段部の内面との間に設けられる筒状弾性体と、前記球状受口の開口端と前記継手管の拡径段部の外面との間に設けられるリング状クッション材と、該リング状クッション材とその近傍の球状受口の外周面及び大径受口の外周面とを被覆する筒状被覆材とを有していることを特徴とし、また、前記筒状被覆材がシュリンクフィルム製チューブであることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
図は本発明の耐震継手の一形態例を示すもので、図1は本管に耐震継手を介して支管を接続した状態を示す一部断面正面図、図2は同じく一部断面側面図である。また、図3は支管が軸線に沿って本管方向に変位した状態を示す一部断面正面図である。
【0010】
本形態例は、地中に埋設された硬質塩ビ製の本管11から同じく硬質塩ビ製の支管12を耐震継手を介して上方に分岐させる例を示している。この耐震継手は、本管11に設けられる受口部材としての分岐サドル13と、該分岐サドル13の上部に設けられ球状受口14に回動自在に嵌着した回動筒15と、該回動筒15に設けられた管挿入口16に挿入される継手管17と、該継手管17の内部に挿入された筒状弾性体18と、該継手管17に挿入接続される支管12との間をシールするリング状シール材19と、球状受口14の開口端に設けられたリング状クッション材20と、このリング状クッション材20の近傍を被覆する筒状被覆材21とを有している。
【0011】
分岐サドル13は、本管11の管壁を貫通する挿入管部31と、本管11の外周面に沿う形状のサドル部32と、球状内面を有する前記球状受口14とを有している。なお、本管11と分岐サドル13との接合部は、本管11の材質に応じて最適な構造を選択することができる。
【0012】
回動筒15は、球状受口14の球状内面に対応した球状外面を有するとともに、その中心に継手管17を挿入するための貫通孔からなる前記管挿入口16を有するものであって、管挿入口16の奥部には継手管17の挿入端が当接する係止段部33が設けられている。さらに、回動筒15の外面には回動筒15を回動可能な状態でシールするためのパッキン34が設けられ、管挿入口16の内面には回動筒15と継手管17との間をシールするためのパッキン35が取り付けられている。
【0013】
継手管17は、前記管挿入口16に挿入される小径差口36と、この小径差口36に拡径段部37を介して連設され、前記支管12の端部を挿入接合するための大径受口38とを有するものであって、大径受口38の開口端近傍には、前記リング状シール材19を装着するための周溝が設けられている。このリング状シール材19には、大径受口38内に挿入される支管12を軸方向に移動可能な状態でシール可能なものが用いられている。
【0014】
すなわち、前記分岐サドル13の球状受口14に回動筒15を回動自在に嵌着することによって自在継手部とし、大径受口38に支管12を軸方向に移動可能に挿入することによって伸縮継手部とし、継手管17の大径受口38に連設した小径差口36を回動筒15の管挿入口16に挿入することにより、自在継手部と伸縮継手部とを有する耐震継手の基本構造が形成されている。
【0015】
筒状弾性体18は、前記大径受口38の内部で、拡径段部37の内面と支管12の先端との間に設けられるものであって、弾性変形可能な材料、例えば合成ゴムによって筒状に形成されている。この筒状弾性体18は、大径受口38の内径に対応した外径と、支管12の内径に対応した内径とを有しており、軸線方向の長さは、大径受口38の軸線方向の長さ(深さ)に対して1/2〜1/4程度が好ましい。
【0016】
リング状クッション材20は、前記球状受口14の開口端と前記拡径段部37の外面との間に設けられ、両者の間の隙間を塞ぐとともに、その変形によって球状受口14に対する継手管17の回動を許容するものであって、柔軟な材料、例えば中空のスポンジをリング状に形成したものが用いられている。
【0017】
筒状被覆材21は、リング状クッション材20と、その両側の球状受口14の外周面及び大径受口38の外周面とを被覆するものであって、分岐サドル13、回動筒15及び継手管17で構成される自在継手部にモルタルやセメントミルク等が侵入することを防止できるとともに、球状受口14と継手管17との回動に支障を来さない材料、例えばシュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)や薄手のゴム等で形成されている。特に、筒状被覆材21を薄手で伸縮性又は易破断性を有するシュリンクフィルムで形成することにより、図1に想像線で示すように、被覆部の外周にシュリンクフィルム製の筒材21aを配置し、加熱するだけで所要部分を確実に被覆することができるので、被覆作業を効率よく、かつ、確実に行うことができる。
【0018】
地中に埋設されている既存の本管11に新たに支管12を接続する作業は、概略次のようにして行われる。まず、図1に示すように、鋼管41を本管11の支管接続位置に向けて地中に圧入しながら鋼管41内の土砂を排出し、ホルソーで分岐サドル13の挿入管部31を挿入する貫通孔を形成する。次に、支管12の先端に接続した分岐サドル13の挿入管部31及びサドル部32に接着剤を塗布した状態で鋼管41内に挿入し、挿入管部31を貫通孔内に挿入して周面を接着するとともに、サドル部32を本管11の外面に押し付けて接着する。その後、鋼管41内に適量のモルタルやセメントミルクを注入して分岐サドル13の周辺を固定し、鋼管41を引き抜いてから支管12の周囲に土砂を投入して埋め戻す。
【0019】
通常の状態では、支管12は、その先端が筒状弾性体18に当接することにより、所定の位置に支持された状態となっている。地震等によって支管12に本管方向への力が作用すると、大径受口38の奥部側に移動しようとする支管12により、筒状弾性体18が押圧されて圧縮方向に変形する。そして、その変形量が限界を超えると、図3に示すように、筒状弾性体18が小径差口36内に押し込まれて支管12が大径受口38の奥部に移動する。すなわち、支管12の軸方向への変位量が僅かな場合には、筒状弾性体18の弾性変形によって変位を吸収し、支管12の変位量が大きくなると筒状弾性体18が小径差口36内に移動することによって変位を吸収する。また、支管12に水平方向の力が作用した場合は、図2の想像線に示すように、リング状クッション材20や筒状被覆材21を変形させながら自在継手部が回動することにより、本管11に対する支管12の接続角度の変位を吸収する。
【0020】
このようにして本管11から支管12を分岐させる際に、分岐サドル13、回動筒15及び継手管17で構成される自在継手部にリング状クッション材20や筒状被覆材21を設けておくことにより、前記モルタルやセメントミルクを分岐サドル13の周辺に注入するときに自在継手部にこれらが侵入することを防止できるので、自在継手部の自在性能が損なわれることはなく、支管12の変位を確実に吸収することができる。これにより、支管12の変位によって本管11が破損してしまうことを確実に防止できる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐震継手によれば、自在継手部にモルタルやセメントミルクが侵入することを防止することができるので、本管に対する支管の接続角度や軸線方向の変位を確実に吸収することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本管に耐震継手を介して支管を接続した状態を示す一部断面正面図である。
【図2】同じく一部断面側面図である。
【図3】支管が軸線に沿って本管方向に変位した状態を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
11…本管、12…支管、13…分岐サドル、14…球状受口、15…回動筒、16…管挿入口、17…継手管、18…筒状弾性体、19…リング状シール材、20…リング状クッション材、21…筒状被覆材、21a…シュリンクフィルム製の筒材、31…挿入管部、32…サドル部、33…係止段部、34,35…パッキン、36…小径差口、37…拡径段部、38…大径受口、41…鋼管
Claims (3)
- 地下に埋設した本管から支管を分岐するための耐震継手において、本管に設けられた受口部材と支管との接続角度を変更可能とするための自在継手部と、前記受口部材に対して支管を軸線方向に移動可能に接続するための伸縮継手部と、両端に前記自在継手部と伸縮継手部との連結部をそれぞれ有する継手管とを備えた耐震継手において、前記受口部材と前記継手管との接続部外周面を筒状被覆材で被覆したことを特徴とする耐震継手。
- 地下に埋設した本管から支管を分岐するための耐震継手において、本管に設けられた受口部材と、該受口部材に設けられた球状受口の球状内面に対応した球状外面を有するとともに内部に管挿入口を有し、前記球状受口内に回動自在に嵌着した回動筒と、該回動筒の前記管挿入口に挿入される小径差口及び該小径差口に拡径段部を介して連設した大径受口を有する継手管と、該継手管の前記受口に挿入接続される支管と、該支管の外周面と前記継手管の内周面との間に設けられて支管を軸方向に移動可能な状態でシールするリング状シール材と、該支管の先端と前記継手管の拡径段部の内面との間に設けられる筒状弾性体と、前記球状受口の開口端と前記継手管の拡径段部の外面との間に設けられるリング状クッション材と、該リング状クッション材とその近傍の球状受口の外周面及び大径受口の外周面とを被覆する筒状被覆材とを有していることを特徴とする耐震継手。
- 前記筒状被覆材がシュリンクフィルム製チューブであることを特徴とする請求項1又は2記載の耐震継手。
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JP7426700B2 (ja) | 2020-01-15 | 2024-02-02 | 株式会社タブチ | 配管分岐構造、配管揺動補助具、分水栓、分水栓セット |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003031692A patent/JP4384860B2/ja not_active Expired - Lifetime
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