JP2004237380A - ガラス板の加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の生産量を向上することができると共にコンパクトに構成することのできるガラス板の加工装置を提供すること。
【解決手段】ガラス板の加工装置1は、ガラス板2を保持する保持板3及び3aと、保持板3及び3aを互いに行き違いさせながら往復動方向Xに往復動させ、保持板3及び3aの夫々の往動行程では、当該保持板3及び3aをX方向に伸びた共用の一の移動路5で移動させ、保持板3及び3aの夫々の復動行程では、当該保持板3及び3aを移動路5と異なる他の一の移動路6で移動させる移動手段7と、移動手段7により往復動される保持板3及び3aの夫々の往動行程で、当該保持板3又は3aに保持されているガラス板2を加工する加工手段8と、加工手段8によりガラス板2を加工する際に、加工されるガラス板2の縁部9及び10よりも内側を挟持する一対の挟持コンベア装置11及び11aと、加工手段8により加工すべきガラス板2を搬入側で支持する搬入側支持部12と、加工手段8により加工したガラス板2を搬出側で支持する搬出側支持部13とを具備している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板等として使用する薄板ガラスを加工するガラス板の加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のガラス板の加工装置としては、ガラス板を保持する一対の保持板を互いに行き違いさせながら往復動させ、各保持台の往動行程では、保持板を共用の一の移動路で移動させながらガラス板の縁部に研削ホイールを当接させて当該縁部を研削し又はその隅部を隅取りし、各保持台の復動行程では、保持板を一の移動路と異なる他の一の移動路で移動させ、往端部及び復端部で保持板を旋回させて当該保持板を一の移動路から他の一の移動路へ又は他の一の移動路から一の移動路へ移行させるガラス板の加工装置が特開2002−52449号公報により提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−52449号公報
【0004】
ところで、斯かるガラス板の加工装置では、往端部及び復端部で保持板を旋回させるために、多くのガラス板を短時間で処理しようとすると保持板に大きな慣性モーメントが作用する結果、ガラス板の加工装置自体への負担が増大してしまい、ガラス板の生産量を向上させるのが困難である一方、保持板を旋回させるためのスペースを確保する必要があるために、ガラス板の加工装置自体をコンパクトに構成することも困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガラス板の生産量を向上することができると共にコンパクトに構成することのできるガラス板の加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のガラス板の加工装置は、ガラス板を保持する保持板と、保持板を互いに行き違いさせながら往復動方向に往復動させ、保持板の夫々の往動行程では、当該保持板を共用の一の移動路で移動させ、保持板の夫々の復動行程では、当該保持板を一の移動路と異なる他の一の移動路で移動させる移動手段と、移動手段により往復動される保持板の夫々の往動行程又は復動行程で、当該保持板で保持されているガラス板を加工する加工手段とを具備しており、移動手段は、保持板を上下動させて当該保持板を一の移動路から他の一の移動路に又は他の一の移動路から一の移動路に移行させる上下動機構を具備している。
【0007】
第一の態様のガラス板の加工装置によれば、上述の構成を具備しているために、往端部及び復端部で保持板を旋回する必要をなくすことができて、ガラス板の生産量を向上することができると共にコンパクトに構成することができる。
【0008】
本発明の第二の態様のガラス板の加工装置は、第一の態様のガラス板の加工装置において、加工手段によりガラス板を加工する際に、加工されるガラス板の縁部よりも内側を挟持する挟持コンベア装置を具備している。
【0009】
第二の態様のガラス板の加工装置によれば、上述の構成を具備しているために、例えば、加工手段によりガラス板の縁部又は隅部を加工する際にガラス板の縁部の内側をしっかりと支持することでガラス板に微少に生じ得る撓みをなくし得、而して、ガラス板の加工を高精度に行うことができる。
【0010】
本発明の第三の態様のガラス板の加工装置では、第一又は第二の態様のガラス板の加工装置において、加工手段は、ガラス板の縁部を研削する研削装置及びガラス板の隅部を隅取りする隅取り装置のうちの少なくとも一方を具備している。
【0011】
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1から図6において、本例のガラス板の加工装置1は、ガラス板2を保持する保持板3及び3aと、保持板3及び3aを互いに行き違いさせながら往復動方向Xに往復動させ、保持板3及び3aの夫々の往動行程では、当該保持板3及び3aをX方向に伸びた共用の一の移動路5で移動させ、保持板3及び3aの夫々の復動行程では、当該保持板3及び3aを移動路5と異なる他の一の移動路6で移動させる移動手段7と、移動手段7により往復動される保持板3及び3aの夫々の往動行程で、当該保持板3又は3aに保持されているガラス板2を加工する加工手段8と、加工手段8によりガラス板2を加工する際に、加工されるガラス板2の縁部9及び10よりも内側を挟持する一対の挟持コンベア装置11及び11aと、加工手段8により加工すべきガラス板2を搬入側で支持する搬入側支持部12と、加工手段8により加工したガラス板2を搬出側で支持する搬出側支持部13とを具備している。
【0013】
保持板3及び3aの夫々は、ガラス板2を下面21より吸着保持する吸着保持面22を具備しており、吸着保持面22にガラス板2を吸着保持させるべく、ガラス板2の下面21を吸引する吸引装置にエアチューブ23を介して接続されている。尚、夫々の保持板3及び3aは、互いに同形状となっているのが好ましい。
【0014】
移動路5及び6は、保持板3のX方向に直交するY方向における幅と同等の幅を有し、且つ、保持板3及び3aが夫々往復動する際の往端部25から復端部26までX方向に伸びており、これらは互いにX方向及びY方向に直交するZ方向で対向している。
【0015】
移動手段7は、保持板3及び3aを夫々往復動させる往復動機構31と、保持板3をZ方向で上下動させて当該保持板3を移動路5から移動路6に又は移動路6から移動路5に移行させる上下動機構32とを具備している。
【0016】
往復動機構31は、保持板3及び3aを夫々往復動させる往復動装置35及び35aを具備しており、往復動装置35及び35aは、互いにY方向で対向している。尚、往復動機構31は、往復動装置35による保持板3の往動と、往復動装置35aによる保持板3aの復動とを同期させ、往復動装置35aによる保持板3aの往動と、往復動装置35による保持板3の復動とを同期させるようになっている。
【0017】
往復動装置35及び35aは、それぞれ同様に形成されている、従って、以下往復動装置35について説明し、往復動装置35aについては必要に応じて図面に符号aを付して説明を省略する。
【0018】
往復動装置35は、基台41に固定されたX方向に伸びたフレーム42の側面に固定されたX方向に伸びた一対のスライドレール43と、スライドレール43に嵌合したX方向に移動自在な移動台44と、移動台44に固着されたベルト45を有するベルト駆動装置46とを具備している。
【0019】
ベルト駆動装置46は、フレーム42にブラケットを介して支持された減速機を備えた電動モータ(サーボモータ)50と、電動モータ50の出力回転軸に連結されている駆動プーリ51と、ガラス板2の搬出側で基台41に支持フレームを介して支持された従動プーリ52とを具備しており、駆動プーリ51及び従動プーリ52にはベルト45が掛け回されている。ベルト駆動装置46は、電動モータ50の駆動により駆動プーリ51を介してベルト45をX方向に走行させるようになっている。
【0020】
以上の往復動装置35は、ベルト駆動装置46の駆動によりベルト45に固着された移動台44をスライドレール43に案内させながらX方向に往復直動するようになっている。
【0021】
上下動機構32は、保持板3及び3aを夫々上下動させる上下動装置61及び61aを具備しており、上下動装置61及び61aは、互いにY方向で対向している。尚、上下動機構32は、上下動装置61による保持板3の上昇と上下動装置61aによる保持板3aの下降とを同期させ、上下動装置61による保持板3の下降と上下動装置61aによる保持板3aの上昇とを同期させるようになっている。
【0022】
上下動装置61及び61aは、夫々互いに同様に形成されているので、以下、上下動装置61について詳細に説明し、上下動装置61aについては必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0023】
上下動装置61は、保持板3を固定支持しているL形状の支持体65と、一端で支持体65に固着されたZ方向に伸びたピストンロッド66を有していると共に移動台44に固着されたエアシリンダ装置67と、移動台44に固着されていると共に支持体65に嵌合されているZ方向に伸びた案内レール68とを具備しており、エアシリンダ装置67の作動によりピストンロッド66を介して支持体65に上下動力を与えて当該支持体65を案内レール68によって案内しながらZ方向に上下動させる。
【0024】
以上の上下動装置61は、往端部25で、保持板3を下降させて移動路5から移動路6に移行させ、且つ、復端部26で、保持板3を上昇させて移動路6から移動路5に移行させるようになっている。
【0025】
挟持コンベア装置11及び11aは、夫々互いにY方向で往復動機構31を間にして配されていると共に夫々互いに同様に形成されているので、以下、挟持コンベア装置11について詳細に説明し、挟持コンベア装置11aについては、必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0026】
挟持コンベア装置11は、ガラス板2の下面21の縁部9の内側を支持する支持コンベア71と、ガラス板の上面72の縁部9の内側を下方に向かって押圧する押圧コンベア73と、支持コンベア71及び押圧コンベア73の無端ベルト74及び75を同期的に走行させる走行装置76とを具備している。
【0027】
挟持コンベア装置11は、走行装置76の減速機を備えた電動モータ(サーボモータ)77の作動により歯車機構等を介して支持コンベア71及び押圧コンベア73の夫々の駆動プーリ78及び79を回転させ、当該回転により無端ベルト74及び75をX方向に走行させるようになっている。
【0028】
加工手段8は、本例では、ガラス板2の縁部9を研削する研削装置91と、ガラス板2の縁部10を研削する研削装置91aとを具備しており、研削装置91及び91aは、夫々互いにY方向で挟持コンベア装置11及び11aを間にして配されている。
【0029】
研削装置91及び91aは、夫々同様に形成されているので、以下、研削装置91について詳細に説明し、研削装置91aについては必要に応じて図面に符号aを付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
研削装置91は、ガラス板の縁部9に当接して当該縁部9を研削する研削ホイール92と、研削ホイール92を回転させる電動モータ93と、研削ホイール92をガラス板2の縁部9に対して近接及び離反させる近接及び離反手段94とを具備している。
【0031】
近接及び離反手段94は、基台41にY方向に移動自在に支持されていると共に研削ホイール92を電動モータ93を介して支持している支持台95と、支持台95に螺合したねじ軸96と、ねじ軸96に連結していると共に基台41に固定された電動モータ97とを具備しており、電動モータ97の作動によりねじ軸96を回転させて支持台95をY方向に移動させることによって、研削ホイール92をガラス板2の縁部9に対して近接、離反させるようになっている。
【0032】
以上の加工手段8は、本例では、往復動機構31によって往動されるガラス板2の縁部9及び10を研削装置91及び91aにより同期的に研削するようになっている。
【0033】
尚、加工手段8は、本例の研削装置91及び91aを用いてガラス板2の隅部を隅取りするようになっていてもよい。
【0034】
搬入側支持部12は、基台41に固定されていると共に加工すべきガラス板2が載置される一対の無端ベルト100と無端ベルト100を夫々張設しているプーリに連結した駆動モータ101とを具備している。
【0035】
搬出側支持部13は、搬入側支持部12と同様に形成されているので詳細な説明を省略する。
【0036】
本例のガラス板の加工装置1によりガラス板を加工する場合、まず、復端部26に位置する保持板3を上下動装置61によりB方向に上昇させてガラス板2を吸着保持し、往復動装置35と挟持コンベア装置11及び11aとの同期的な作動により保持板3及びガラス板2を移動路5で往動させ、往動するガラス板2の縁部9及び10を研削装置91及び91aにより研削し、研削後、研削されたガラス板2が往端部25に到達した際に、上下動装置61によりA方向に下降させて搬出側支持部13の無端ベルト100上に載置し、下降されて移動路5から移動路6に移行した保持板3を往復動装置35により復動させる。ここで、保持板3が復端部26で上昇されている際には、保持板3aは往端部25で下降されており、また、保持板3が移動路5で往動している際には、保持板3aは移動路6で復動されることで保持板3及び3aが互いに行き違うようになっている。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラス板の生産量を向上することができると共にコンパクトに構成することのできるガラス板の加工装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例の平面説明図である。
【図2】図1に示す例の正面断面説明図である。
【図3】図1に示す例の側断面説明図である。
【図4】図1に示す例の側断面説明図である。
【図5】図1に示す例の側断面説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス板の加工装置
2 ガラス板
3、3a 保持板
5、6 移動路
7 移動手段
8 加工手段
9、10 縁部
11、11a 挟持コンベア装置

Claims (3)

  1. ガラス板を保持する保持板と、保持板を互いに行き違いさせながら往復動方向に往復動させ、保持板の夫々の往動行程では、当該保持板を共用の一の移動路で移動させ、保持板の夫々の復動行程では、当該保持板を一の移動路と異なる他の一の移動路で移動させる移動手段と、移動手段により往復動される保持板の夫々の往動行程又は復動行程で、当該保持板で保持されているガラス板を加工する加工手段とを具備しており、移動手段は、保持板を上下動させて当該保持板を一の移動路から他の一の移動路に又は他の一の移動路から一の移動路に移行させる上下動機構を具備しているガラス板の加工装置。
  2. 加工手段によりガラス板を加工する際に、加工されるガラス板の縁部よりも内側を挟持する挟持コンベア装置を具備している請求項1に記載のガラス板の加工装置。
  3. 加工手段は、ガラス板の縁部を研削する研削装置及びガラス板の隅部を隅取りする隅取り装置のうちの少なくとも一方を具備している請求項1又は2に記載のガラス板の加工装置。
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