JP2004232424A - フリーアクセスフロアの床パネル支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】交点固定型のフリーアクセスフロアの床パネル支持構造を提供する。
【解決手段】フリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、共通の支持脚で支持される前記4枚の床パネルは、前記フランジ受部上に支持された各床パネルの隅角部におけるコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が厚い床パネルと薄い床パネルとの組み合わせから成る。前記薄い床パネルの隅角部において支持脚の前記フランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に、前記厚い床パネルのコーナーフランジ部の厚さ寸法と一致させる高さに膨出する突起が少なくとも1個設けられている。
【選択図】図9
【解決手段】フリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、共通の支持脚で支持される前記4枚の床パネルは、前記フランジ受部上に支持された各床パネルの隅角部におけるコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が厚い床パネルと薄い床パネルとの組み合わせから成る。前記薄い床パネルの隅角部において支持脚の前記フランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に、前記厚い床パネルのコーナーフランジ部の厚さ寸法と一致させる高さに膨出する突起が少なくとも1個設けられている。
【選択図】図9
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、建物のコンクリート床上にフリーアクセスフロアを構築する際の床パネル支持構造の技術分野に属し、更に言えば、交点固定型の床パネル支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリーアクセスフロアを交点固定型の床パネル支持構造で構築する技術は、特許文献1に開示されている。
同じ交点固定型の床パネル支持構造において、共通な支持脚で固定される床パネルの厚さが異なる場合に、厚さ寸法の差を吸収する部品としてパネルセッターを使用した構造は特許文献2に記載されている。
特許文献3には、支持脚の台座(パネル受部)上に載せた床パネルのレベル調整をネジ機構により行う技術が開示されている。
特許文献4〜7には、床パネルを構成する薄鋼板製の上面板と底板をかしめ接合により一体化した技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−121705号公報
【特許文献2】
特許第3108151号公報
【特許文献3】
実公平6−8193号公報
【特許文献4】
特開平8−100511号公報
【特許文献5】
実公平7−56432号公報
【特許文献6】
登録実用新案第3048281号公報
【特許文献7】
特開平2−91353号公報
【0004】
【本発明が解決する課題】
フリーアクセスフロアを交点固定型の床パネル支持構造により構築する場合に、共通な一の支持脚で支持される4枚の床パネルの隅角部のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が不揃いで差異があると、その差異が極わずかであっても、フリーアクセスフロアの平面度が損なわれることは勿論のこと、止めネジによる固定力が薄い床パネルに十分働かず均等に固定できないから、がたつきやすいという問題が生ずるので、前記厚さの差異を調整し又は解消する手段が強く要請される。
【0005】
しかし、上記特許文献2に開示されたように、厚さ寸法の差を吸収する部品としてパネルセッターを使用する技術、或いは特許文献3に記載されているように床パネルのレベル調整をネジ機構により行う技術などは、そうした専用の部品なり機構を採用する分だけコストアップを招来して価格競争に不利である。のみならず、現場におけるフリーアクセスフロアの構築作業に多くの手数と時間がかかり、技術的な熟練を要するなどの欠点、問題点がある。
【0006】
ところで、上記特許文献4〜7に開示されているように、床パネルを構成する薄鋼板製の上面板と底板をかしめ接合により一体化する製造技術は、従前の溶接による製造技術に比較して数倍も高速の製造を行えるので、コスト面で断然有利な製法として実施が広がっている。
しかし、前記かしめ接合による床パネルの製法によると、後述するように、床パネルの隅角部の共通な一の支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が不揃いとなる特異な事情があり、前記厚さ寸法の差異を解消するレベル調節技術の重要性が特に大きい。
【0007】
本発明の目的は、フリーアクセスフロアを構築する交点固定型の床パネルが上面板と底板を重ね合わせてかしめ接合により一体的に結合する製法で製造される場合に発生する、床パネルの隅角部の共通な一の支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法に不揃いの差異がある場合に、その差異を解消する手段として、前記コーナーフランジ部の下面に膨出する突起を前記の差異を解消する高さに設け、もって共通な一の支持脚で支持される4枚の床パネルの上面を一平面上に保ち、且つ前記4枚の床パネルの隅角部を均等な強さに固定することが可能なフリーアクセスフロアの床パネル支持構造を提供することである。
本発明の次の目的は、前記の突起を、床パネルの製造時に、かしめ接合の加工と相前後して一連に行い、製造コストの面で有利に実施できる構成とした、フリーアクセスフロアの床パネル支持構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るフリーアクセスフロアの床パネル支持構造は、
ほぼ方形の床パネルが碁盤の目状に敷き並べられ、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部が共通の支持脚で支持されており、
前記床パネルは上面板と底板を重ね合わせて成り、上面板は平坦な板であり、底板は外周形状が上面板と同一で、周辺部に平坦なフランジ部を有し、その内方に前記フランジ部に連続して略垂直に屈曲された周側壁を有しており、
前記上面板と底板はかしめ接合により一体的に結合されており、
前記支持脚は、垂直な支柱の上部に略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面にフランジ受部を備えており、
床パネルの隅角部における前記底板のコーナーフランジ部が支持脚の前記フランジ受部上に支持されているフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
共通の支持脚で支持される前記4枚の床パネルは、前記フランジ受部上に支持された各床パネルの隅角部におけるコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が厚い床パネルと薄い床パネルとの組み合わせから成り、
前記薄い床パネルの隅角部において支持脚の前記フランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に、前記厚い床パネルのコーナーフランジ部の厚さ寸法と一致させる高さに膨出する突起が少なくとも1個設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板の外周縁を底板の外端縁の下側へ折り返したハゼ折り状にかしめ接合されて成ること、
コーナーフランジ部が薄い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されて成ることをそれぞれ特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その外周縁部に切り欠き形状のケーブル引き出し口を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
支持脚は、垂直な支柱の上部に、高さの調節が可能で略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面に平面的に見ると十字形状に隆起した均等高さのフランジ受部を備え、前記十字形状のフランジ受部の交点部に止めネジをねじ込む下向きのネジ孔を形成された構成であり、
前記支持脚のフランジ受部上に共通に支持された4枚の床パネルは、それぞれの隅角部を、前記ネジ孔へねじ込んだ止めネジにより締め付け固定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、底板のみをスポット的に膨出させて形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、上面板と底板を合一にスポット的に下向きに膨出させたかしめ接合により形成されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施形態】
以下に、図示した本発明の実施形態を説明する。
先ず図1A、Bは、平面視が同大の正方形をなす2種の床パネル11と20が碁盤の目状に敷き並べられ、碁盤の目の各交点の位置で、4枚の床パネル11と20の隅角部が共通の支持脚1で支持されていることを示す。前記2種の床パネルとは、外周縁部に配線の引き出し用として切り欠き形状のケーブル引き出し口10を有する床パネル11と、前記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20とを指す。図1Aは前記2種の床板パネル11と20が25%混用された実施態様を示し、図1Bは50%混用の実施態様を示している。
【0015】
次に、図2A、Bは上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の構造詳細を示し、図3A、Bは上記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の構造詳細を示している。これら2種の床パネル11と20は共に、図2B及び図3Bに示した通り、上面板11a、20aと底板11b、20bを重ね合わせて成ること、上面板11a、20aはそれぞれ平坦な板であり、底板11b、20bは外周形状が上面板と同一で、周辺部に平坦なフランジ部11e、20eを有し、その内方には前記フランジ部11e、20eに連続して略垂直に屈曲された周側壁11d、20dを有しており、前記上面板11a、20aと底板11b、20bはかしめ接合により全体を一体的に結合されている構成が共通している。各床パネル11と20は、その四隅の隅角部における前記底板のフランジ部11e、20eに相当する部分(図2,3を参照。以下、この部分を床パネルのコーナーフランジ部11g、20gと称する。)が支持脚1で支持されている。
【0016】
図2A、Bに示した上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の実施形態、及び図3A、Bに示した上記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の実施形態について更に説明する。
各床パネルの底板11b、20bは、そのフランジ部11e又は20eに連続してほぼ垂直に屈曲された周側壁11d、20dを有すると共に更にその内方に連続して前記フランジ部と平行な方向に屈曲された底壁を有し、該底壁の範囲に上向きに半球形状の突起物11c、20cを規則的な配置で複数個有する。上面板11a又は20aと底板11b又は20bは要するに、前記突起物11c又は20cの項部と上面板11a又は20aとの各接点、及び底板のフランジ部11e又は20eと上面板11a又は20aとの重ね合わせ部がそれぞれ、スポット的なかしめ接合2により一体的に結合されている。
【0017】
図4は、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅(偶角部)のコーナーフランジ部11gの構造を拡大して示す。この床パネル11は、図2Aに示した通り、平行な2辺の外周縁の中央部にケーブル引き出し口10を有し、同ケーブル引き出し口10の切り欠きによる断面欠損の分だけ床パネルとしての強度、剛性が低下することを否めない。その対策として、図4BにIV−IV線矢視の断面形状を示した通り、上面板11aの外周縁には下向きに直角に曲げたリブ3を形成して補強、補剛効果を高めている。その上で底板のフランジ部11eと上面板11aとの重ね合わせ部がスポット的なかしめ接合2により結合されている。
しかし、隅角部の上記支持脚1に支持される範囲のコーナーフランジ部11gについては、前記リブ3の存在自体が支持脚1で支持されることに邪魔であるし、同コーナーフランジ部11gの厚さ寸法が他の床パネル20のそれと大差を生じて不都合である。そこで図4CにIV’−IV’線矢視の断面形状を示した通り、ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gに関しては、上面板11aの外周縁を底板の外端縁の下側へ略コ字形に折り返して底板のフランジ部11eの外縁を包み込むハゼ折り状4の構造にかしめ接合されている(請求項2記載の発明)。その結果、当該床パネル11の隅角部において支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gは、実質各板厚tの3倍(3t)の厚さ寸法に構成されている(請求項3記載の発明)。
【0018】
次に、図5は、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の四隅(隅角部)のコーナーフランジ部20gの構造を拡大して示す。図5BにV−V線矢視の断面形状を示した通り、この床パネル20のコーナーフランジ部は全て、上面板20aと底板20bの周辺部のフランジ部20eとを重ね合わせ、スポット的なかしめ接合2…により一体的に結合した構成とされている(請求項2記載の発明)。したがって、この床パネル20の隅角部において支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部20gは、実質各板厚の2倍(2t)の厚さに構成されている。よって、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の上記コーナーフランジ部11gの厚さ寸法(3t)よりも板1枚分の厚さ(1t)だけ薄い。
【0019】
そこで当該ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の薄いコーナーフランジ部20gについては、四隅(隅角部)の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部20gの下面に、図5Aと図6に示した通り、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅(隅角部)の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gの厚さ寸法(3t)と一致させる高さに膨出する突起5が設けられている(以上請求項1記載の発明)。
【0020】
図6に示す突起5は、上面板20aの上面から突起5の先端までの寸法が3tとなるように精度良く加工されている。従って、上記2種の床パネル11と20の隅角部における支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gと20gの厚さ寸法の差異は、突起5によって完全に解消されている。
図6はまた、床パネル20の前記突起5は、底板20bのフランジ部20eのみをスポット的に膨出させる加工により形成されていることを示す(請求項5記載の発明)。
もっとも、突起5は、例えば図6において隣接する位置のかしめ接合2を、その高さ寸法を調整して利用することも出来る。又は別途に前記かしめ接合2と同様に上面板20aと底板20bとを合一にスポット的に下向きに膨出させる加工により突起5を形成して実施することもできる(請求項6に記載した発明)。
図6において、上面板20aと底板20bを一体的に結合したかしめ接合2は、底板20bのフランジ部下面の下方へ膨出する突起を発生させる深絞りのかしめ加工であることを示している。図6中の符号6は、上面板20aと底板20bを一体化するかしめ接合の前処理として、上面板20aと底板20bとを所定の関係位置に仮付けした仮止め部を示す。この仮止め部6は、上面板20aの該当位置へ予め下孔をあけておいて、底板20bの該当部位を前記下孔へ押し込む加工で行われている。
【0021】
次に、上記した床パネル11、20を碁盤の目状に敷き並べてフリーアクセスフロアを構築する際に、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部を共通に支持する交点固定型の支持脚1について説明する。
既述した特許文献1に開示されて公知であるが、図7と図8に示した支持脚1は、支柱(ボルト)の下端のベースプレート1Aを、建物のコンクリート床7に墨出しをして定めた各位置へ接着するかアンカーで止める等の手段で固定して垂直に立てる。前記支柱の上部に略水平なパネル受部8を有し、これに付属するナット8Aを前記ボルトに対して回すことにより、床上高さを調節する、いわゆるレベル出しができる。パネル受部8の上面には、これを平面的に見ると、十字形状に隆起した均等高さのフランジ受部12を備えている。前記フランジ受部12の交点部には、床パネル11、20の隅角部を固定した止めネジ9の頭の上面を床パネルの上面以下に沈み込ませる深さの凹部15が形成され、前記凹部15の底面中央に止めネジ9をねじ込む下向きのネジ孔14が形成されている。
一方、上記の各床パネル11、20の隅角部の角(頂点部)には、前記の凹部15の中へほぼぴったりと密着しつつ進入して納まる被固定部11f、20fが形成されている。
共通な一の支持脚1で支持される4枚の床パネル11、20は、それぞれの隅角部の角の前記被固定部11f、20fを前記凹部15の中へ1/4円弧ずつの配分で進入させて納め、止めネジ9をネジ孔14へねじ込んで均等な強さに締め付けて固定し交点固定型のパネル支持構造が実施される(請求項1、4に記載した発明)。
【0022】
上記のパネル支持構造において、上記2種の床パネル11と20の隅角部のコーナーフランジ部11gと20gは、支持脚1のパネル受部8における一つの共通なフランジ受部12の上に、同フランジ受部8の幅寸を二等分した領域を占有して支持される。そして、各床パネル11と20の底板の周側壁11d、20dの隅角部分はそれぞれ十字形状をなすフランジ受部12の側面に2直角面がぴったり当たった状態で支持されるので、位置ズレなどは決して生じない高安定構造に支持される。
そして、2種の床パネル11及び20の隅角部のコーナーフランジ部11gと20gに上述の事情で発生する厚さ寸法の差異は、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の隅角部における特に支持脚1のパネル受部(のフランジ受部12)で支持される範囲のコーナーフランジ部20gの下面に設けた上記突起5により完全に解消された(図9参照)から、構築したフリーアクセスフロアの上面は一平面に形成され、交点部を人が歩いたり台車類が走行してもガタピシ振動するような不都合は決して生じない。ひいては交点固定型の支持構造として止めネジ9を締め付けた際にも、4枚の床パネルの隅角部は均等な強さに固定でき、高安定の交点固定型の床パネル支持構造を速やかに実現できる。
上記したような作用効果を考慮すると、上記したコーナーフランジ部20gの厚さ寸法が薄い床パネル20に設ける突起5は、できるだけ止めネジ9による固定点に近い位置に設けることが好ましい。
【0023】
上記した実施形態は、ケーブル引き出し口10を有する床パネル11と、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20とが、その機能乃至構造の相違により、四隅のコーナーフランジ部11gと20gの厚さ寸法に差異が発生する場合について説明したが、この限りではない。フリーアクセスフロアを構築する床パネルに、他の種々な理由により、支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の厚さ寸法に差異を生ずる場合が考えられ、その何れの場合にも、厚さ寸法が薄い床パネルの隅角部において支持脚1のパネル受部(のフランジ受部12)で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に厚さ寸法を一致させる高さの突起5を設けることにより完全に解決できる。突起5の形成法も、図6に示したかしめ加工等による膨出構造に限る理由はない。
【0024】
【発明が奏する効果】
請求項1〜6に記載した発明に係るフリーアクセスフロアの床パネル支持構造によれば、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部が共通の支持脚で支持される床パネル支持構造において、床パネルの隅角部の前記支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の厚さ寸法に不揃いによる差異がある場合には、厚さ寸法が薄い床パネルのコーナーフランジ部の下面に厚さ寸法を一致させる高さに膨出する突起を設ける、極めて簡単で単純な手法により、厚さ寸法の差異を調整し又は解消するから、床パネルの製造上、及びフリーアクセスフロアの構築作業の上で極めて有利である。即ち、床パネルの製造単価を引き上げることがなく、また、フリーアクセスフロアを構築する作業に熟練は格別必要なく、その施工能率並びに施工品質の向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】A、Bはフリーアクセスフロアを構築する床パネルが混用される二態様を概念的に示した平面説明図である。
【図2】Aはケーブル引き出し口を有する床パネルを示した底面図、Bは前記A図のII−II線矢視の拡大した断面図である。
【図3】Aはケーブル引き出し口を有しない床パネルを示した底面図、Bは前記A図のIII−III線矢視の拡大した断面図である。
【図4】ケーブル引き出し口を有する床パネルの四隅の一つを拡大して示した底面図、BとCはIV−IV線およびIV’−IV’線矢視の拡大断面図である。
【図5】ケーブル引き出し口を有しない床パネルの四隅の一つを拡大して示した底面図、BはV−V線矢視の拡大断面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視の拡大断面図である。
【図7】交点固定型の支持脚の例を示した斜視図である。
【図8】交点固定型パネル支持構造を左半分を断面にして示す立面図である。
【図9】隅角部のコーナーフランジ部の厚さ寸法が不揃いの床パネルの支持構造を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持脚
8 パネル受部
9 止めネジ
11a 上面板
20a 上面板
11c 突起物
20c 突起物
11d 周側壁
20d 周側壁
11e フランジ部
20e フランジ部
11g コーナーフランジ部
20e コーナーフランジ部
11b 底板
20b 底板
2 かしめ接合
12 フランジ受部
5 突起
10 ケーブル引き出し口
11 ケーブル引き出し口を有する床パネル
20 ケーブル引き出し口を有しない基本パネル
【発明が属する技術分野】
この発明は、建物のコンクリート床上にフリーアクセスフロアを構築する際の床パネル支持構造の技術分野に属し、更に言えば、交点固定型の床パネル支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリーアクセスフロアを交点固定型の床パネル支持構造で構築する技術は、特許文献1に開示されている。
同じ交点固定型の床パネル支持構造において、共通な支持脚で固定される床パネルの厚さが異なる場合に、厚さ寸法の差を吸収する部品としてパネルセッターを使用した構造は特許文献2に記載されている。
特許文献3には、支持脚の台座(パネル受部)上に載せた床パネルのレベル調整をネジ機構により行う技術が開示されている。
特許文献4〜7には、床パネルを構成する薄鋼板製の上面板と底板をかしめ接合により一体化した技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−121705号公報
【特許文献2】
特許第3108151号公報
【特許文献3】
実公平6−8193号公報
【特許文献4】
特開平8−100511号公報
【特許文献5】
実公平7−56432号公報
【特許文献6】
登録実用新案第3048281号公報
【特許文献7】
特開平2−91353号公報
【0004】
【本発明が解決する課題】
フリーアクセスフロアを交点固定型の床パネル支持構造により構築する場合に、共通な一の支持脚で支持される4枚の床パネルの隅角部のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が不揃いで差異があると、その差異が極わずかであっても、フリーアクセスフロアの平面度が損なわれることは勿論のこと、止めネジによる固定力が薄い床パネルに十分働かず均等に固定できないから、がたつきやすいという問題が生ずるので、前記厚さの差異を調整し又は解消する手段が強く要請される。
【0005】
しかし、上記特許文献2に開示されたように、厚さ寸法の差を吸収する部品としてパネルセッターを使用する技術、或いは特許文献3に記載されているように床パネルのレベル調整をネジ機構により行う技術などは、そうした専用の部品なり機構を採用する分だけコストアップを招来して価格競争に不利である。のみならず、現場におけるフリーアクセスフロアの構築作業に多くの手数と時間がかかり、技術的な熟練を要するなどの欠点、問題点がある。
【0006】
ところで、上記特許文献4〜7に開示されているように、床パネルを構成する薄鋼板製の上面板と底板をかしめ接合により一体化する製造技術は、従前の溶接による製造技術に比較して数倍も高速の製造を行えるので、コスト面で断然有利な製法として実施が広がっている。
しかし、前記かしめ接合による床パネルの製法によると、後述するように、床パネルの隅角部の共通な一の支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が不揃いとなる特異な事情があり、前記厚さ寸法の差異を解消するレベル調節技術の重要性が特に大きい。
【0007】
本発明の目的は、フリーアクセスフロアを構築する交点固定型の床パネルが上面板と底板を重ね合わせてかしめ接合により一体的に結合する製法で製造される場合に発生する、床パネルの隅角部の共通な一の支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法に不揃いの差異がある場合に、その差異を解消する手段として、前記コーナーフランジ部の下面に膨出する突起を前記の差異を解消する高さに設け、もって共通な一の支持脚で支持される4枚の床パネルの上面を一平面上に保ち、且つ前記4枚の床パネルの隅角部を均等な強さに固定することが可能なフリーアクセスフロアの床パネル支持構造を提供することである。
本発明の次の目的は、前記の突起を、床パネルの製造時に、かしめ接合の加工と相前後して一連に行い、製造コストの面で有利に実施できる構成とした、フリーアクセスフロアの床パネル支持構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るフリーアクセスフロアの床パネル支持構造は、
ほぼ方形の床パネルが碁盤の目状に敷き並べられ、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部が共通の支持脚で支持されており、
前記床パネルは上面板と底板を重ね合わせて成り、上面板は平坦な板であり、底板は外周形状が上面板と同一で、周辺部に平坦なフランジ部を有し、その内方に前記フランジ部に連続して略垂直に屈曲された周側壁を有しており、
前記上面板と底板はかしめ接合により一体的に結合されており、
前記支持脚は、垂直な支柱の上部に略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面にフランジ受部を備えており、
床パネルの隅角部における前記底板のコーナーフランジ部が支持脚の前記フランジ受部上に支持されているフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
共通の支持脚で支持される前記4枚の床パネルは、前記フランジ受部上に支持された各床パネルの隅角部におけるコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が厚い床パネルと薄い床パネルとの組み合わせから成り、
前記薄い床パネルの隅角部において支持脚の前記フランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に、前記厚い床パネルのコーナーフランジ部の厚さ寸法と一致させる高さに膨出する突起が少なくとも1個設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板の外周縁を底板の外端縁の下側へ折り返したハゼ折り状にかしめ接合されて成ること、
コーナーフランジ部が薄い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されて成ることをそれぞれ特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その外周縁部に切り欠き形状のケーブル引き出し口を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
支持脚は、垂直な支柱の上部に、高さの調節が可能で略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面に平面的に見ると十字形状に隆起した均等高さのフランジ受部を備え、前記十字形状のフランジ受部の交点部に止めネジをねじ込む下向きのネジ孔を形成された構成であり、
前記支持脚のフランジ受部上に共通に支持された4枚の床パネルは、それぞれの隅角部を、前記ネジ孔へねじ込んだ止めネジにより締め付け固定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、底板のみをスポット的に膨出させて形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、上面板と底板を合一にスポット的に下向きに膨出させたかしめ接合により形成されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施形態】
以下に、図示した本発明の実施形態を説明する。
先ず図1A、Bは、平面視が同大の正方形をなす2種の床パネル11と20が碁盤の目状に敷き並べられ、碁盤の目の各交点の位置で、4枚の床パネル11と20の隅角部が共通の支持脚1で支持されていることを示す。前記2種の床パネルとは、外周縁部に配線の引き出し用として切り欠き形状のケーブル引き出し口10を有する床パネル11と、前記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20とを指す。図1Aは前記2種の床板パネル11と20が25%混用された実施態様を示し、図1Bは50%混用の実施態様を示している。
【0015】
次に、図2A、Bは上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の構造詳細を示し、図3A、Bは上記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の構造詳細を示している。これら2種の床パネル11と20は共に、図2B及び図3Bに示した通り、上面板11a、20aと底板11b、20bを重ね合わせて成ること、上面板11a、20aはそれぞれ平坦な板であり、底板11b、20bは外周形状が上面板と同一で、周辺部に平坦なフランジ部11e、20eを有し、その内方には前記フランジ部11e、20eに連続して略垂直に屈曲された周側壁11d、20dを有しており、前記上面板11a、20aと底板11b、20bはかしめ接合により全体を一体的に結合されている構成が共通している。各床パネル11と20は、その四隅の隅角部における前記底板のフランジ部11e、20eに相当する部分(図2,3を参照。以下、この部分を床パネルのコーナーフランジ部11g、20gと称する。)が支持脚1で支持されている。
【0016】
図2A、Bに示した上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の実施形態、及び図3A、Bに示した上記ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の実施形態について更に説明する。
各床パネルの底板11b、20bは、そのフランジ部11e又は20eに連続してほぼ垂直に屈曲された周側壁11d、20dを有すると共に更にその内方に連続して前記フランジ部と平行な方向に屈曲された底壁を有し、該底壁の範囲に上向きに半球形状の突起物11c、20cを規則的な配置で複数個有する。上面板11a又は20aと底板11b又は20bは要するに、前記突起物11c又は20cの項部と上面板11a又は20aとの各接点、及び底板のフランジ部11e又は20eと上面板11a又は20aとの重ね合わせ部がそれぞれ、スポット的なかしめ接合2により一体的に結合されている。
【0017】
図4は、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅(偶角部)のコーナーフランジ部11gの構造を拡大して示す。この床パネル11は、図2Aに示した通り、平行な2辺の外周縁の中央部にケーブル引き出し口10を有し、同ケーブル引き出し口10の切り欠きによる断面欠損の分だけ床パネルとしての強度、剛性が低下することを否めない。その対策として、図4BにIV−IV線矢視の断面形状を示した通り、上面板11aの外周縁には下向きに直角に曲げたリブ3を形成して補強、補剛効果を高めている。その上で底板のフランジ部11eと上面板11aとの重ね合わせ部がスポット的なかしめ接合2により結合されている。
しかし、隅角部の上記支持脚1に支持される範囲のコーナーフランジ部11gについては、前記リブ3の存在自体が支持脚1で支持されることに邪魔であるし、同コーナーフランジ部11gの厚さ寸法が他の床パネル20のそれと大差を生じて不都合である。そこで図4CにIV’−IV’線矢視の断面形状を示した通り、ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gに関しては、上面板11aの外周縁を底板の外端縁の下側へ略コ字形に折り返して底板のフランジ部11eの外縁を包み込むハゼ折り状4の構造にかしめ接合されている(請求項2記載の発明)。その結果、当該床パネル11の隅角部において支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gは、実質各板厚tの3倍(3t)の厚さ寸法に構成されている(請求項3記載の発明)。
【0018】
次に、図5は、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の四隅(隅角部)のコーナーフランジ部20gの構造を拡大して示す。図5BにV−V線矢視の断面形状を示した通り、この床パネル20のコーナーフランジ部は全て、上面板20aと底板20bの周辺部のフランジ部20eとを重ね合わせ、スポット的なかしめ接合2…により一体的に結合した構成とされている(請求項2記載の発明)。したがって、この床パネル20の隅角部において支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部20gは、実質各板厚の2倍(2t)の厚さに構成されている。よって、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の上記コーナーフランジ部11gの厚さ寸法(3t)よりも板1枚分の厚さ(1t)だけ薄い。
【0019】
そこで当該ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の薄いコーナーフランジ部20gについては、四隅(隅角部)の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部20gの下面に、図5Aと図6に示した通り、上記ケーブル引き出し口10を有する床パネル11の四隅(隅角部)の特に支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gの厚さ寸法(3t)と一致させる高さに膨出する突起5が設けられている(以上請求項1記載の発明)。
【0020】
図6に示す突起5は、上面板20aの上面から突起5の先端までの寸法が3tとなるように精度良く加工されている。従って、上記2種の床パネル11と20の隅角部における支持脚1で支持される範囲のコーナーフランジ部11gと20gの厚さ寸法の差異は、突起5によって完全に解消されている。
図6はまた、床パネル20の前記突起5は、底板20bのフランジ部20eのみをスポット的に膨出させる加工により形成されていることを示す(請求項5記載の発明)。
もっとも、突起5は、例えば図6において隣接する位置のかしめ接合2を、その高さ寸法を調整して利用することも出来る。又は別途に前記かしめ接合2と同様に上面板20aと底板20bとを合一にスポット的に下向きに膨出させる加工により突起5を形成して実施することもできる(請求項6に記載した発明)。
図6において、上面板20aと底板20bを一体的に結合したかしめ接合2は、底板20bのフランジ部下面の下方へ膨出する突起を発生させる深絞りのかしめ加工であることを示している。図6中の符号6は、上面板20aと底板20bを一体化するかしめ接合の前処理として、上面板20aと底板20bとを所定の関係位置に仮付けした仮止め部を示す。この仮止め部6は、上面板20aの該当位置へ予め下孔をあけておいて、底板20bの該当部位を前記下孔へ押し込む加工で行われている。
【0021】
次に、上記した床パネル11、20を碁盤の目状に敷き並べてフリーアクセスフロアを構築する際に、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部を共通に支持する交点固定型の支持脚1について説明する。
既述した特許文献1に開示されて公知であるが、図7と図8に示した支持脚1は、支柱(ボルト)の下端のベースプレート1Aを、建物のコンクリート床7に墨出しをして定めた各位置へ接着するかアンカーで止める等の手段で固定して垂直に立てる。前記支柱の上部に略水平なパネル受部8を有し、これに付属するナット8Aを前記ボルトに対して回すことにより、床上高さを調節する、いわゆるレベル出しができる。パネル受部8の上面には、これを平面的に見ると、十字形状に隆起した均等高さのフランジ受部12を備えている。前記フランジ受部12の交点部には、床パネル11、20の隅角部を固定した止めネジ9の頭の上面を床パネルの上面以下に沈み込ませる深さの凹部15が形成され、前記凹部15の底面中央に止めネジ9をねじ込む下向きのネジ孔14が形成されている。
一方、上記の各床パネル11、20の隅角部の角(頂点部)には、前記の凹部15の中へほぼぴったりと密着しつつ進入して納まる被固定部11f、20fが形成されている。
共通な一の支持脚1で支持される4枚の床パネル11、20は、それぞれの隅角部の角の前記被固定部11f、20fを前記凹部15の中へ1/4円弧ずつの配分で進入させて納め、止めネジ9をネジ孔14へねじ込んで均等な強さに締め付けて固定し交点固定型のパネル支持構造が実施される(請求項1、4に記載した発明)。
【0022】
上記のパネル支持構造において、上記2種の床パネル11と20の隅角部のコーナーフランジ部11gと20gは、支持脚1のパネル受部8における一つの共通なフランジ受部12の上に、同フランジ受部8の幅寸を二等分した領域を占有して支持される。そして、各床パネル11と20の底板の周側壁11d、20dの隅角部分はそれぞれ十字形状をなすフランジ受部12の側面に2直角面がぴったり当たった状態で支持されるので、位置ズレなどは決して生じない高安定構造に支持される。
そして、2種の床パネル11及び20の隅角部のコーナーフランジ部11gと20gに上述の事情で発生する厚さ寸法の差異は、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20の隅角部における特に支持脚1のパネル受部(のフランジ受部12)で支持される範囲のコーナーフランジ部20gの下面に設けた上記突起5により完全に解消された(図9参照)から、構築したフリーアクセスフロアの上面は一平面に形成され、交点部を人が歩いたり台車類が走行してもガタピシ振動するような不都合は決して生じない。ひいては交点固定型の支持構造として止めネジ9を締め付けた際にも、4枚の床パネルの隅角部は均等な強さに固定でき、高安定の交点固定型の床パネル支持構造を速やかに実現できる。
上記したような作用効果を考慮すると、上記したコーナーフランジ部20gの厚さ寸法が薄い床パネル20に設ける突起5は、できるだけ止めネジ9による固定点に近い位置に設けることが好ましい。
【0023】
上記した実施形態は、ケーブル引き出し口10を有する床パネル11と、ケーブル引き出し口を有しない床パネル20とが、その機能乃至構造の相違により、四隅のコーナーフランジ部11gと20gの厚さ寸法に差異が発生する場合について説明したが、この限りではない。フリーアクセスフロアを構築する床パネルに、他の種々な理由により、支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の厚さ寸法に差異を生ずる場合が考えられ、その何れの場合にも、厚さ寸法が薄い床パネルの隅角部において支持脚1のパネル受部(のフランジ受部12)で支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に厚さ寸法を一致させる高さの突起5を設けることにより完全に解決できる。突起5の形成法も、図6に示したかしめ加工等による膨出構造に限る理由はない。
【0024】
【発明が奏する効果】
請求項1〜6に記載した発明に係るフリーアクセスフロアの床パネル支持構造によれば、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部が共通の支持脚で支持される床パネル支持構造において、床パネルの隅角部の前記支持脚で支持される範囲のコーナーフランジ部の厚さ寸法に不揃いによる差異がある場合には、厚さ寸法が薄い床パネルのコーナーフランジ部の下面に厚さ寸法を一致させる高さに膨出する突起を設ける、極めて簡単で単純な手法により、厚さ寸法の差異を調整し又は解消するから、床パネルの製造上、及びフリーアクセスフロアの構築作業の上で極めて有利である。即ち、床パネルの製造単価を引き上げることがなく、また、フリーアクセスフロアを構築する作業に熟練は格別必要なく、その施工能率並びに施工品質の向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】A、Bはフリーアクセスフロアを構築する床パネルが混用される二態様を概念的に示した平面説明図である。
【図2】Aはケーブル引き出し口を有する床パネルを示した底面図、Bは前記A図のII−II線矢視の拡大した断面図である。
【図3】Aはケーブル引き出し口を有しない床パネルを示した底面図、Bは前記A図のIII−III線矢視の拡大した断面図である。
【図4】ケーブル引き出し口を有する床パネルの四隅の一つを拡大して示した底面図、BとCはIV−IV線およびIV’−IV’線矢視の拡大断面図である。
【図5】ケーブル引き出し口を有しない床パネルの四隅の一つを拡大して示した底面図、BはV−V線矢視の拡大断面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視の拡大断面図である。
【図7】交点固定型の支持脚の例を示した斜視図である。
【図8】交点固定型パネル支持構造を左半分を断面にして示す立面図である。
【図9】隅角部のコーナーフランジ部の厚さ寸法が不揃いの床パネルの支持構造を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持脚
8 パネル受部
9 止めネジ
11a 上面板
20a 上面板
11c 突起物
20c 突起物
11d 周側壁
20d 周側壁
11e フランジ部
20e フランジ部
11g コーナーフランジ部
20e コーナーフランジ部
11b 底板
20b 底板
2 かしめ接合
12 フランジ受部
5 突起
10 ケーブル引き出し口
11 ケーブル引き出し口を有する床パネル
20 ケーブル引き出し口を有しない基本パネル
Claims (6)
- ほぼ方形の床パネルが碁盤の目状に敷き並べられ、碁盤の目の各交点位置で4枚の床パネルの隅角部が共通の支持脚で支持されており、
前記床パネルは上面板と底板を重ね合わせて成り、上面板は平坦な板であり、底板は外周形状が上面板と同一で、周辺部に平坦なフランジ部を有し、その内方に前記フランジ部に連続して略垂直に屈曲された周側壁を有しており、
前記上面板と底板はかしめ接合により一体的に結合されており、
前記支持脚は、垂直な支柱の上部に略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面にフランジ受部を備えており、
床パネルの隅角部における前記底板のコーナーフランジ部が支持脚の前記フランジ受部上に支持されているフリーアクセスフロアの床パネル支持構造において、
共通の支持脚で支持される前記4枚の床パネルは、前記フランジ受部上に支持された各床パネルの隅角部におけるコーナーフランジ部の下面から上面板の上面までの厚さ寸法が厚い床パネルと薄い床パネルとの組み合わせから成り、
前記薄い床パネルの隅角部において支持脚の前記フランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部の下面に、前記厚い床パネルのコーナーフランジ部の厚さ寸法と一致させる高さに膨出する突起が少なくとも1個設けられていることを特徴とする、フリーアクセスフロアの床パネル支持構造。 - コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板の外周縁を底板の外端縁の下側へ折り返したハゼ折り状にかしめ接合されて成ること、
コーナーフランジ部が薄い床パネルは、その隅角部において、支持脚のフランジ受部上に支持される範囲のコーナーフランジ部が、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されて成ること、
をそれぞれ特徴とする、請求項1に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造。 - コーナーフランジ部が厚い床パネルは、その外周縁部に切り欠き形状のケーブル引き出し口を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造。
- 支持脚は、垂直な支柱の上部に、高さの調節が可能で略水平なパネル受部を有し、前記パネル受部の上面に平面的に見ると十字形状に隆起した均等高さのフランジ受部を備え、前記十字形状のフランジ受部の交点部に止めネジをねじ込む下向きのネジ孔を形成された構成であり、
前記支持脚のフランジ受部上に共通に支持された4枚の床パネルは、それぞれの隅角部を、前記ネジ孔へねじ込んだ止めネジにより締め付け固定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造。 - コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、底板のみをスポット的に膨出させて形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造。
- コーナーフランジ部が薄い床パネルにおいて、上面板と底板のフランジ部とを重ね合わせてスポット的なかしめ接合により結合されたコーナーフランジ部の下面に膨出する突起は、上面板と底板を合一にスポット的に下向きに膨出させたかしめ接合により形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したフリーアクセスフロアの床パネル支持構造。
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Cited By (1)
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KR101118643B1 (ko) * | 2009-08-04 | 2012-03-09 | 주식회사 세양 | 건물용 이중 바닥판 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003025274A patent/JP2004232424A/ja not_active Withdrawn
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