JPH0615074Y2 - 壁パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、バスユニットなどに用いられる壁パネルに関
するものである。

［背景技術］ フレームを接合して形成したパネル枠に板材を張ること
によって、フレームで補強した壁パネルを作成するにあ
たって、フレームは鋼管などで形成されるためにフレー
ムの接続は溶接でおこなわれている。しかしフレームを
溶接して接続するにあたって、フレームを所定の角度に
精度良く接続するには専門技能が必要で非常に手間を要
し、また溶接後に錆防止のために塗料を塗布しなければ
ならず、生産性が低いという問題がある。またフレーム
を接合して形成したパネル枠に板材を取り付けるにあた
っては、パネル枠と板材との位置合わせに手間を要する
と共に位置合わせの精度が悪いという問題がある。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであり、フレ
ームを精度良く接続してパネル枠の組み立てを簡単にお
こなうことができ、しかもパネル枠への板材の精度の良
い取り付けを簡単におこなうことができる壁パネルを提
供することを目的とするものである。

［考案の開示］ しかして本考案に係る壁パネルは、ジョイント１の側面
に一対の嵌合突部２，２を突設すると共にジョイント１
の表面及び裏面の両面に各嵌合突部２，２の突出方向と
ほぼ平行な位置決め突片３，３を突設し、ジョイント１
の外の側面に係合凹所１０を形成し、筒状のフレーム４
の端部内にジョイント１の嵌合突部２を挿入嵌合して複
数本のフレーム４，４…を複数のジョイント１，１…で
接続することによってパネル枠５を形成し、板材６の角
部を表面側の位置決め突片３，３に当接させた状態でジ
ョイント１からフレーム４にかけてパネル枠５の表面に
板材６を取り付けて成ることを特徴とするものであり、
ジョイント１の嵌合突部２を挿入嵌合させることによっ
て溶接の必要なくフレーム４を接続できるようにすると
共に、ジョイント１の位置決め突片３による位置決めで
パネル枠５と板材６との位置合わせがおこなえるように
したものであって、以下本考案を実施例により詳述す
る。

ジョイント１は合成樹脂の成形品ブロックとして略直方
体に形成されるものであり、ジョイント１の隣合う側面
には第１図のようにそれぞれ嵌合突部２，２が一体に突
設してある。嵌合突部２，２は相互に直交する方向で突
出されているものである。またジョイント１の表面及び
裏面の両面には嵌合突部２を設けない側面の端縁に沿っ
てそれぞれ位置決め突片３，３がそれぞれ嵌合突部２の
突出方向と平行に一体に設けてある。ジョイント１の外
側の一側面には係合凹所１０を開口させて形成してあ
る。フレーム４は鋼管など角筒によって形成されるもの
であり、一対のフレーム４，４の各端部内にジョイント
１の各嵌合突部２，２を圧入して嵌合させることによっ
て、ジョイント１で一対のフレーム４，４を直角に接続
することができ、同様にして四本のフレーム４，４…を
四個のジョイント１，１…で四角枠状に接続することに
よって、第３図(a)のようにフレーム４を接合して組み
立てたパネル枠５を作成することができる。このように
各フレーム４はジョイント１の嵌合突部２による嵌合で
接続されるためにフレーム４を溶接するような必要はな
く、また隣合うフレーム４，４の角度はジョイント１の
一対の嵌合突部２，２の角度に規定され、フレーム４，
４の角度を精度良く直角にすることができる。

そして、板材６は四角形状に形成されるものであり、上
記のようにパネル枠５を組み立てたのちに、パネル枠５
の片側の表面に板材６を配設し、ジョイント１の表面か
らフレーム４の表面にかけてビス止めなどで板材６をパ
ネル枠５に取り付けて第３図(b)のような壁パネルＡに
仕上げるのである。このように板材６をパネル枠５に取
り付けるにあたって、第２図に示すように板材６の角部
をジョイント１の表面側の位置決め突片３の内面側に当
接させて、パネル枠５に対して板材６を位置決めした状
態で板材６の取り付けを位置精度良くおこなうことがで
きる。またパネル枠５を組み立てるときジョイント１の
係合凹所１０が下側を向くようにジョイント１を配設し
て壁パネルＡを作成するようにしてある。

壁パネルＡをバスユニットに取り付けるにあたって、第
６図に示すように受け具１１の下係合片１２を係合凹所
１０に挿入係合した状態で壁パネルＡを床パン１３の周
縁の立上り部１４の上端面に載置し、そして受け具１１
の上係合片１５を床パン１３の立上り部１４に延設した
係合突片１６に係合させることによって、受け具１１で
壁パネルＡを床パン１３の立上り部１４に保持させるこ
とができる。

また本考案の場合、ジョイント１に位置決め突片３，３
を表裏両面にそれぞれ突設するようにしたものであり、
表裏それぞれの位置決め突片３，３のうち裏面側の位置
決め突片３は、第４図に示すように多数枚の壁パネル
Ａ，Ａ…を段積みする際に隣合う他の壁パネルＡの板材
６に係止して、積載状態がずれてくずれたりすることを
防止する作用をなす。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあっては、ジョイントの側面に一
対の嵌合突部を突設し、筒状のフレームの端部内にジョ
イントの嵌合突部を挿入嵌合して複数本のフレームを複
数のジョイントで接続することによってパネル枠を形成
するようにしたので、溶接をおこなうような必要なく各
フレームをジョイントの嵌合突部による嵌合で接続する
ことができ、溶接のような専門技能を必要とすることな
く嵌合手段で組み立てを簡単にかつ短時間でおこなうこ
とができると共に、各フレーム間の角度はジョイントの
一対の嵌合突部の角度に規定されることになり、フレー
ム間の角度の精度を高めることができるものである。し
かもジョイントの表面に各嵌合突部の突出方向とほぼ平
行な位置決め突片を突設し、板材の角部を位置決め突片
に当接させた状態でジョイントからフレームにかけてパ
ネル枠の表面に板材を取り付けるようにしたので、板材
の角部をジョイントの位置決め突片の内面側に当接させ
てパネル枠に対して板材を位置決めした状態で板材の取
り付けをおこなうことができ、パネル枠への板材の取り
付けを簡単な作業で位置精度良くにおこなうことができ
るものであり、加えてこのように板材の角部を位置決め
突片に当接させた状態では板材の角部を位置決め突片で
保護することができ、板材の角部に欠けが生じたりする
ことを防ぐことができるものである。またジョイントに
外の側面に係合凹所を形成したので、壁パネルを建て込
むとき係合凹所に受け具を挿入係合するだけで壁パネル
を立てて固定できるものであって、壁パネルの施工が容
易にできるものである。またジョイントの表面及び裏面
の両面に各嵌合突部の突出方向とほぼ平行な位置決め突
片を突設したので、板材を位置決めする表面側の位置決
め突片以外に裏面側にも位置決め突片が存在し、多数個
の壁パネルを段積みする際に裏面側の位置決め突片が隣
合う他の壁パネルの板材に係止して積載状態がずれてく
ずれたりすることを防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部の分解斜視図、第２図
は同上の一部の斜視図、第３図(a)(b)は同上のパネル枠
と壁パネルの縮小正面図、第４図は壁パネルを段積みし
た状態を説明する断面図、第５図(a)(b)は本考案の上記
一実施例のジョイントの斜視図とパネル枠の一部の正面
図、第６図は同上の実施例の取付状態の一部の断面図で
ある。 １はジョイント、２は嵌合突部、３は位置決め突片、４
はフレーム、５はパネル枠、６は板材、１０は係合凹所
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ジョイントの側面に一対の嵌合突部を突設
   すると共にジョイントの表面及び裏面の両面に各嵌合突
   部の突出方向とほぼ平行な位置決め突片を突設し、ジョ
   イントの外の側面に係合凹所を形成し、筒状のフレーム
   の端部内にジョイントの嵌合突部を挿入嵌合して複数本
   のフレームを複数のジョイントで接続することによって
   パネル枠を形成し、板材の角部を表面側の位置決め突片
   に当接させた状態でジョイントからフレームにかけてパ
   ネル枠の表面に板材を取り付けて成る壁パネル。