JP2004231735A - 顔料の表面処理方法およびこれにより得られた水分散性顔料 - Google Patents

顔料の表面処理方法およびこれにより得られた水分散性顔料 Download PDF

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Abstract

【課題】多量の有機溶媒の使用や脱溶媒工程を必要とせず、顔料粒子を水性樹脂で効率的に被覆する顔料粒子表面の親水化処理方法を提供し、さらには、粘度の増大を伴わない水性顔料分散組成物を提供すること。
【解決手段】超臨界二酸化炭素中、顔料の共存下に、塩を形成し得る酸性基または塩基性基を有する単量体を単独重合させるか、あるいは該単量体と共重合性を有する他の単量体と共重合させることによって、顔料粒子表面に水溶性または自己水分散性重合体をグラフトさせるか、または吸着させる顔料粒子表面の親水化処理方法、およびこの方法によって得られた水分散性顔料を使用した水性顔料分散組成物を提供。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顔料粒子の表面処理方法に関し、さらに詳しくは、顔料粒子の表面に水性樹脂を付着させて、顔料粒子の表面を親水化処理する方法と、該親水化処理方法によって表面を親水化処理した顔料を含有する水性顔料分散組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水性染料インキの欠点である耐光性や耐水性を持たせるために顔料が着目され始め、顔料を着色剤とする水性インキが望まれている。しかしながら一般に、顔料のような固体微粒子、特にその一次粒子径がサブミクロン以下である微粒子の多くは、粒子間の凝集力に比べて他の物質、たとえば、水、有機溶剤あるいは有機高分子といったものとの親和力が弱く、二次凝集を生じやすい。したがって、上記したような顔料を着色剤とする水性インキにおいてより優れた特性を得ようとする場合、これら固体微粒子を、水系媒体中にいかに均一に分散させるかが問題となる。ここで水系媒体とは、溶媒として使用する水、あるいは水との相溶性を有する有機溶媒と水との混合溶媒をいう。
【0003】
この問題を解決するために、固体微粒子の表面を各種の界面活性剤や分散樹脂で被覆して、固体状または液状の媒体との親和力を高めることにより、固体微粒子を水系媒体中に均一に混合または分散する方法が数多く検討されている。
【0004】
たとえば、顔料としてカーボンブラックを使用する場合、単量体をカーボンブラック共存下で重合させたり、反応性ポリマーをカーボンブラック表面にグラフト化させることによって、カーボンブラックグラフトポリマーを得る方法が知られており、単量体あるいは反応性ポリマーの種類を適当に選択することにより、親水性または親油性を適宜調整する手法が開示されている(たとえば、特許文献1および非特許文献1参照。)。しかしこの手法ではあらかじめ顔料表面を前処理する必要があり、適用できる顔料種が限定される等の問題点があった。
【0005】
一方、二次凝集を起こしやすい固体微粒子を水系媒体中に均一に分散させるために、分散媒に各種分散安定剤を添加し、物理的に攪拌する分散処理が広く行われている。このような分散安定剤の中で、分子設計や分子量分布の制御が比較的容易な、スチレン、(メタ)アクリル酸、および(メタ)アクリル酸エステル類を主要構成単位とする、スチレン−アクリル樹脂が多用されている。(たとえば、特許文献2および非特許文献2参照。)。
【0006】
しかしながらスチレン−アクリル樹脂は他の分散樹脂と同様に、一般にメチルエチルケトンなどの有機溶媒を重合溶媒として溶液重合法で製造されるため、これを水性顔料分散組成物用の分散安定剤として用いるためには、重合終了後に溶媒を蒸発させて除去し、水に置換するか、あるいは上記樹脂の有機溶媒溶液を、顔料と水の存在下で混合して分散処理した後に、蒸留して除去する工程が必要であった。
【0007】
水性顔料分散組成物の用途によっては、残留溶媒に起因する臭気をなくすために、該組成物中に含まれる有機溶媒の濃度を1000ppm以下とすることが求められることがあり、揮発性の低い溶媒を使用した場合には、その除去に多大の労力が必要となる。
また、上記樹脂を分散安定剤として使用する場合、顔料粒子表面に十分な親水性を付与するためには、顔料粒子表面に実際に吸着する量よりも過剰な量の樹脂を添加しなければならず、これが、得られる水性顔料分散組成物の粘度を増大させるという問題点もあった。
【0008】
【特許文献1】
USP5,571,311
【特許文献2】
特開昭54−10023
【非特許文献1】
エム・コワルスキー(M.Kowalski),他4名,「NIP17」,2001年,p379−381
【非特許文献2】
シーエムシー編,「機能性顔料応用技術」,1991年,p.277−306
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、多量の有機溶媒の使用や脱溶媒工程を必要とせず、顔料粒子を水性樹脂で効率的に被覆する顔料粒子表面の親水化処理方法を提供し、さらには、粘度の増大を伴わない水性顔料分散組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、超臨界二酸化炭素中、顔料の共存下に塩を形成し得る基を有する単量体を重合させることにより、有機溶媒をほとんど使用することなく親水性表面を有する顔料が得られ、この顔料を使用すれば、安定した水性顔料分散組成物が得られることを見出した。また、上記方法によって得られる顔料は、その粒子表面が効率よく親水性樹脂によって覆われるため、樹脂を過剰に使用する必要がなく、その結果、上記顔料を使用した水性顔料分散組成物は粘度を増大させないことを見出した。
【0011】
すなわち本発明は、超臨界二酸化炭素中、顔料の共存下に、塩を形成し得る酸性基または塩基性基を有する単量体を単独重合させるか、あるいは該単量体と共重合性を有する他の単量体と共重合させることによって、顔料粒子表面に水溶性または自己水分散性重合体をグラフトさせるか、または吸着させる顔料粒子表面の親水化処理方法を提供する。
さらに本発明は、上記親水化処理方法によって表面を親水化処理された顔料を含有する水性顔料分散組成物を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法においては、超臨界二酸化炭素中、顔料の存在下で、水系媒体中で分散安定剤として作用する水性分散樹脂を合成することによって、顔料粒子表面に該樹脂を効率よく吸着させるかあるいはグラフトさせ、顔料粒子表面を親水化する。
【0013】
超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素の臨界温度である31.1℃以上で、かつ臨界圧力7.38MPa以上に加圧された状態にある二酸化炭素をいう。超臨界状態にある二酸化炭素は液体と気体の双方の性質を併せもっており、近年、環境負荷の小さい溶媒として注目されている。
【0014】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法を適用することができる顔料には特に限定は無く、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等の有機顔料に適用することができる。
【0015】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法は、上記の無機顔料の中でも、グラフト重合しやすいカーボンブラックに対して特に有効である。カーボンブラックとしては、オイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなど、市販されている各種のカーボンブラックを用いることができる。具体的には、たとえば、
【0016】
ラーベン(Raven) 7000、ラーベン 5750、ラーベン 5250、ラーベン 5000 ウルトラ(ULTRA)II、ラーベン 3500、ラーベン 2500 ウルトラ、ラーベン 2000、ラーベン 1500、ラーベン 1255、ラーベン1250、ラーベン 1200、ラーベン 1190ウルトラII、ラーベン 1170、ラーベン 1080 ウルトラ、ラーベン1060 ウルトラ、ラーベン 790 ウルトラ、ラーベン 780 ウルトラ、ラーベン 760 ウルトラ(以上、コロンビアン・カーボン社製)、
【0017】
リーガル(Regal) 400R、リーガル 330R、リーガル 660R、モーグル(Mogul) L、モナーク(Monarch) 700、モナーク(Monarch) 800、モナーク 880、モナーク 900、モナーク 1000、モナーク 1100、モナーク 1300、モナーク 1400(以上、キャボット社製)、
【0018】
カラー ブラック FW1、カラー ブラック FW2、カラー ブラック FW2V、カラー ブラック 18、カラー ブラック FW200、カラー ブラックS150、カラー ブラック S160、カラー ブラック S170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャル ブラック 6、スペシャル ブラック 5、スペシャル ブラック 4A、スペシャル ブラック4(以上、デグッサ社製)、
【0019】
No. 25、No. 33、No. 40、No. 45、No. 45L、No. 47、No. 52、No. 900、No. 960、No. 2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)、などが挙げられる。
【0020】
また、一般に有機顔料は分子中に極性基を有するものが多いので、本発明を有効に適用することができる。シアン、マゼンタ、およびイエローの代表的な有機顔料の中で、本発明において、好適に使用できる顔料を以下に例示する。
【0021】
シアンの顔料としては、たとえば、C.I.ピグメント ブルー 1、C.I.ピグメント ブルー 2、C.I.ピグメント ブルー 3、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:34、C.I.ピグメント ブルー 16、C.I.ピグメント ブルー 22、C.I.ピグメント ブルー 60、などが挙げられる。
【0022】
マゼンタの顔料としては、たとえば、C.I.ピグメント レッド 5、C.I.ピグメント レッド 7、C.I.ピグメント レッド 12、C.I.ピグメント レッド 48、C.I.ピグメント レッド 48:1、C.I.ピグメント レッド 57、C.I.ピグメント レッド 112、C.I.ピグメント レッド 122、C.I.ピグメント レッド 123、C.I.ピグメント レッド 146、C.I.ピグメント レッド 168、C.I.ピグメント レッド 184、C.I.ピグメント レッド 202、などが挙げられる。
【0023】
イエローの顔料としては、たとえば、C.I.ピグメント イエロー 1、C.I.ピグメント イエロー 2、C.I.ピグメント イエロー 3、C.I.ピグメント イエロー 12、C.I.ピグメント イエロー 13、C.I.ピグメント イエロー 14、C.I.ピグメント イエロー 16、C.I.ピグメント イエロー 17、C.I.ピグメント イエロー 73、C.I.ピグメント イエロー 74、C.I.ピグメント イエロー 75、C.I.ピグメント イエロー 83、C.I.ピグメント イエロー 93、C.I.ピグメント イエロー 95、C.I.ピグメント イエロー 97、C.I.ピグメント イエロー 98、C.I.ピグメント イエロー 114、C.I.ピグメント イエロー 128、C.I.ピグメント イエロー 129、C.I.ピグメント イエロー 151、C.I.ピグメント イエロー 154、などが挙げられる。
【0024】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法においては、造粒乾燥工程前の有機顔料の含水ケーキや、あるいは含水ケーキ中に含まれる少量の水をメチルエチルケトンなどの少量の揮発性有機溶媒で置換した揮発性有機溶媒含有ケーキを用いることが好ましい。
【0025】
有機顔料の含水ケーキとは、有機顔料の製造工程が終了した直後の粗顔料を、ソルベントミリング法などによって目的とする結晶形に転移させ、かつ粒子径を300から30nm程度にまで微細化する顔料化工程の後に、水洗、脱水して得られた少量の水分を含むケーキ状の有機顔料をいう。
【0026】
本発明において、有機顔料の含水ケーキあるいは揮発性有機溶媒含有ケーキを用いる利点として、有機顔料粒子が、造粒乾燥後の顔料のように高度に凝集していないことを挙げることができる。水や揮発性有機溶媒などの少量の液体に濡れた有機顔料を超臨界二酸化炭素中に浸漬すると、水や有機溶媒が超臨界二酸化炭素中に拡散して、顔料粒子がほぼ一次粒子に近い状態で存在し得るので、このような顔料分散液中で水溶性または自己水分散性樹脂を合成すれば、顔料の一次粒子表面を親水性樹脂で効率よく被覆することができる。
【0027】
顔料がカーボンブラックの場合は、一次粒子が凝集体になっている場合があるが、たとえば次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬することによってカーボンブラック表面の一部を酸化処理することにより、一次粒子に近い状態に解砕することもできる。その後に表面酸化したカーボンブラックを水洗、脱水し含水ケーキとすればよい。
【0028】
本発明で用いることができる水溶性または自己水分散性重合体(以下、単に「水性分散樹脂(A)」と略記する。)は、塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を有する単量体(以下、単に「単量体(B)」と略記する。)を重合した後、塩を形成し得る酸性基もしくは塩基性基を中和することによって得られる。以下、中和する前の重合体を、単に「水性分散樹脂(A)前駆体」という。
【0029】
水性分散樹脂(A)前駆体は、単量体(B)の単独重合体ばかりではなく、単量体(B)との共重合性を有する単量体(以下、単に「単量体(C)」と略記する。)との共重合体であってもよい。顔料の存在下に、元来親水性を有する単量体(B)と、親油性を有する単量体(C)とを共重合させた場合は、得られる水性分散樹脂(A)は両親媒性を有し、顔料粒子表面の親水性部分と親油性部分のいずれにも吸着し得るので、顔料粒子表面を効率よく被覆することができる。
【0030】
以下に、水性分散樹脂(A)前駆体が単量体(B)と単量体(C)との共重合体であるものを例として本発明を説明する。
水性分散樹脂(A)前駆体としては、顔料との親和性が高く、分子設計が容易なスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−[α−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−[α−メチルスチレン]−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の(メタ)アクリル酸系樹脂を使用するのが好ましい。
【0031】
単量体(B)としては、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、p−スチレンスルホン酸、エチレンスルホン酸、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンなどが挙げられる。酸性基を有する単量体を使用した場合は、アルカリまたは塩基で酸性基を中和することによってアニオン性水溶性樹脂が、塩基性基を有する単量体を使用した場合は、酸で塩基性基を中和することによってカチオン性水溶性樹脂が得られる。
【0032】
単量体(C)としては、各種(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、アルキルビニルエーテル、酢酸ビニルなどのビニル系単量体など、公知のビニル重合性単量体を挙げることができる。これらを単独で、あるいは混合して使用することができる。本発明においては、単量体(C)として、超臨界二酸化炭素に対して高い親和性を有する反応性シリコンマクロモノマーを使用すると、顔料粒子表面の親水化処理効果が一段と高くなる。反応性シリコンマクロモノマーとは、その分子構造中にシロキサン結合と、(メタ)アクリロイル基とを有する単量体であり、超臨界二酸化炭素との親和性が高いので、本発明においてこれを使用した場合は、生成した重合体が重合反応中に凝集して沈殿してしまうといった現象が起こりにくいという利点がある。本発明において使用する反応性シリコンマクロモノマーの数平均分子量は10000以下であることが好ましい。分子量がこれより大きい場合は表面処理した顔料の水分散性が逆に低下することがある。
【0033】
反応性シリコンマクロモノマーの配合量は、単量体(B)および単量体(C)合計質量の1〜10%の範囲にあることが好ましい。1%未満の場合は効果が十分に現れず、10%を超える場合は分子量が高すぎるか、もしくは分子量分布が広くなりすぎることがある。
本発明に好適に使用できる反応性シリコンマクロモノマーの一例として、チッソ株式会社製「FM−0721」(数平均分子量5000)を挙げることができる。
【0034】
水性分散樹脂(A)前駆体を構成する単量体(B)単位と、単量体(C)単位との組成比は、表面処理する顔料の疎水性の程度や各々の単量体単位の顔料表面への吸着のしやすさに応じて適宜決定すればよい。
水性分散樹脂(A)がアニオン性樹脂である場合、水性分散樹脂(A)前駆体の酸価は、50〜300mgKOH/gの範囲にあることが好ましく、80〜250mgKOH/gの範囲にあることが特に好ましい。水性分散樹脂(A)前駆体の酸価が50mgKOH/g未満の場合、水性分散樹脂(A)の水性媒体に対する親和性が低く、有機顔料の分散安定性が低下する傾向にあり、酸価が300mgKOH/gを超える場合は、水性分散樹脂(A)の親水性が高くなりすぎるため、顔料への吸着が十分に行われない。
【0035】
水性分散樹脂(A)前駆体は、ラジカル重合によって容易に合成することができる。重合に際しては、公知慣用のラジカル重合開始剤、たとえば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキシド、あるいはメチルエチルケトンパーオキシドなどの有機過酸化物を使用することができる。
【0036】
ラジカル重合開始剤の好ましい使用量は、単量体全質量に対して0.01〜20%の範囲であり、より好ましくは0.1から10%の範囲である。ラジカル重合開始剤の使用量が0.01%未満の場合は重合が不十分となる場合があり、20%以上では分子量が低くなり、顔料分散効果が低下することがある。
【0037】
重合反応温度は、超臨界二酸化炭素の臨界温度である31.1℃以上とする必要があり、40℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃の範囲である。重合温度が40℃未満であると、重合速度が遅く、150℃より高いと反応の制御が困難になる場合がある。
重合する際の圧力は、超臨界二酸化炭素の臨界圧力である7.38MP以上の圧力であればよいが、圧力が、得られる重合体の分子量分布に影響を及ぼすことがあるので、顔料の分散に最適な分子量分布が得られるように適宜決定すればよい。
【0038】
本発明では超臨界二酸化炭素に、必要に応じてエタノールやメチルエチルケトンなどの揮発性有機溶媒や水、もしくは揮発性有機溶媒と水の混合溶液を添加してもよい。これらの揮発性有機溶媒は少なくともその一部は超臨界二酸化炭素に溶解するので、本来無極性である超臨界二酸化炭素の極性を変化させ、単量体の溶解性を向上させたり、反応性を変化させる場合もある。ただし、有機溶媒の使用量を少なくすることが本発明の目的の一つであるので、揮発性有機溶媒であっても、その使用量は極力少なくするのが好ましい。
重合反応時間は反応温度にも依存し一概に定めることはできないが、通常の溶液重合と同程度でよい。
【0039】
水性顔料分散組成物中に顔料粒子表面への吸着にあずからない水性分散樹脂(A)(以下、「浮遊樹脂」という。)が多く存在すると、該組成物の粘度が高くなる。したがって、顔料と水性分散樹脂(A)の比率は、顔料粒子の表面を十分に被覆し、かつ過剰な浮遊樹脂を少なくするのが好ましい。顔料の質量に対して5〜80%の範囲とすることが好ましく、10〜50%の範囲がなお好ましい。
【0040】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法においては、超臨界二酸化炭素中もしくは少量の揮発性有機溶媒や水を溶解した超臨界二酸化炭素中で、単量体(B)および単量体(C)が重合しつつ、生成した水性分散樹脂(A)前駆体が顔料粒子の表面に吸着するか、あるいは顔料粒子表面に直接グラフト重合することにより、顔料粒子の表面に単量体(B)由来の酸性基もしくは塩基性基が導入され、表面が親水化する。顔料がカーボンブラックである場合、あるいは顔料が水素を引き抜かれやすい特殊な基を有する場合は、生成した水性分散樹脂(A)前駆体が顔料表面に吸着するだけではなく、単量体(B)および単量体(C)が顔料粒子表面に直接グラフト重合することもある。
【0041】
本発明においては、超臨界二酸化炭素中、顔料の存在下で水性分散樹脂(A)前駆体を合成することによって顔料粒子表面の親水化処理効果が現れる。別の反応系で合成した水性分散樹脂(A)前駆体を超臨界二酸化炭素中で顔料と混合しても、顔料粒子表面の親水化効果はほとんど見られない。
【0042】
本発明の水性顔料分散組成物に使用する水性分散樹脂(A)前駆体を水溶性樹脂あるいは自己水分散性樹脂とするには、該前駆体が有する酸性基あるいは塩基性基の少なくとも80mol%が中和されたものであることが好ましい。水性分散樹脂(A)がアニオン性樹脂である場合、中和剤として使用できる塩基性物質としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、2−ジメチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、アンモニア等が挙げられる。水性分散樹脂(A)がカチオン性樹脂である場合、中和剤として使用できる酸性物質としては、塩酸、硫酸などの鉱酸のほか、スルホン酸やカルボン酸等が挙げられる。
【0043】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法によって粒子表面を親水化処理した顔料を、水性媒体中に分散させた水性顔料分散組成物においては、微細な顔料が結晶成長することなく、長期間にわたって安定した分散状態が保持される。この水性顔料分散組成物を使用したインクジェット用水性インクは長期間にわたって保存安定性にすぐれ、ノズルからのインクの吐出適性にも優れる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、特に断らない限り「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0045】
実施例で用いた分析方法は以下の通りである。
<ゼータ電位測定>
水性顔料分散組成物のゼータ電位測定には、ペン・ケム(PEN KEM)社製ゼータ電位測定装置「LAZER ZEE METER MODEL 501」を使用した。
【0046】
<粒子径測定>
水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径測定には、日機装株式会社製「MICROTRAC UPA150」を使用した。
【0047】
<浮遊樹脂比率測定>
顔料と水性分散樹脂との質量比率が既知の水性顔料分散組成物を試料とし、これを遠心分離器を使用して固液分離し、上澄み液中の不揮発分質量と、試料中にもともと含有される水性分散樹脂の質量との比率を浮遊樹脂比率とした。
なお、遠心分離は10mLの遠沈管を使用し、165000G、60分間行なった。
【0048】
<粘度測定>
水性顔料分散組成物の粘度を、東機産業株式会社製R型粘度型を用いて25℃で測定した。
【0049】
(実施例1)
ソルトミリング法により顔料化した銅フタロシアニンを3.3%含有する水分散液100gをろ紙でろ過して、メチルエチルケトンで十分洗浄し、ウェットケーキとした。このケーキの重量を測定したしたところ、4.3g(銅フタロシアニン3.3g)であった。このケーキから2.6g(銅フタロシアニン2.0g)を分取し、撹拌子とともに容積が30mlで熱電対を取り付けた耐圧容器に投入した。続いて、メタクリル酸4gに和光純薬工業株式会社製ラジカル重合開始剤「V−59」0.4gを添加した溶液から0.44gを分取して上述の耐圧容器に投入し、密閉した後にオーブン内に設置した。続いて10分間、この容器内を二酸化炭素でゆるやかにパージした後に、圧力が8MPaになるまで液化二酸化炭素をポンプで供給した。その後、容器を完全に密閉して、オーブンで加熱し容器内の温度35℃で30分間、撹拌子で容器内の内容物を撹拌した。その間の容器内の圧力は約10MPaであった。続いて再びオーブンを加熱し、容器内の温度を85℃にした。このときの容器内の圧力は約30MPaであった。この状態を6時間保持した後、容器内の温度を30℃以下に降温し、容器内の二酸化炭素を放出して大気圧に戻した。容器内に、粒子表面を親水化したフタロシアニン顔料2.2gを得た。容器内には液状物はまったく見当たらず、仕込んだ単量体が重合していることを確認した。
【0050】
容器内の内容物を、pHが8.50の水酸化ナトリウム水溶液15gに投入し、よく撹拌して分散させた。得られた水性顔料分散組成物のpHが4.05に低下したので、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.1、不揮発分濃度を12%とした。この水性顔料分散組成物は安定で、1ヶ月以上にわたって顔料粒子の沈降は見られなかった。水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−42mVであった。水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は140nmであった。
さらに、水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ30%であり、粘度は2.5mPa・sであった。
【0051】
(実施例2)
実施例1と同様にして銅フタロシアニンのメチルエチルケトンで湿潤したウェットケーキを調製し、その2.6g(銅フタロシアニン2.1g)を分取し、撹拌子とともに容積が30mlで熱電対を取り付けた耐圧容器に投入した。続いて、スチレン2g、アクリル酸ブチル0.88g、メタクリル酸0.52g、アクリル酸0.4g、チッソ株式会社製シリコンマクロモノマー「FM0721」0.2gからなる単量体組成物に和光純薬工業株式会社製ラジカル重合開始剤「V−59」を0.32g添加した溶液から1.08gを分取して上述の耐圧容器に投入した後は、実施例1と同様にして、容器内に粒子表面を親水化したフタロシアニン顔料2.8gを得た。容器内には液状物はまったく見当たらず、投入した単量体が重合していることを確認した。
【0052】
容器内の内容物を、実施例1と同様にpHが8.5の水酸化ナトリウム水溶液15gに投入し、よく撹拌して分散させた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.04、不揮発分濃度を12%とした。得られた水性顔料分散組成物は安定で、1ヶ月以上にわたって顔料粒子の沈降は見られなかった。水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−40mVであった。水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は130nmであった。
さらに、水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ28%であり、粘度は2.6mPa・sであった。
【0053】
(実施例3)
実施例2における銅フタロシアニン2.1gの代わりに、市販されている大日本インキ化学工業株式会社製銅フタロシアニン「Fastogen Blue TGR」2gを用いた以外は実施例2と同様にして、粒子表面を親水化処理した顔料2.8gを得た。容器内には液状物はまったく見当たらず、投入した単量体が重合していることを確認した。
【0054】
容器内の内容物を、pHが8.50の水酸化ナトリウム水溶液15gに投入後、株式会社エスエヌデイ製超音波洗浄機「US−3」を用いて10分間、微分散させ、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.0、不揮発分濃度を12%とした。得られた水性顔料分散組成物は安定で、1ヶ月以上にわたって顔料粒子の沈降は見られなかった。水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−41mVであった。水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は255nmであった。
さらに水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ25%であり、粘度は2.6mPa・sであった。
【0055】
(実施例4)
実施例2における銅フタロシアニン2gの代わりに、大日本インキ化学工業株式会社製ジメチルキナクリドンマゼンタ「Fastogen SUPER MAGENTA RTS」3.6gを含有する水分散液100gをろ紙でろ過して、メチルエチルケトンで十分洗浄し、ウェットケーキとしたものを2.8g(キナクリドンマゼンタ2g)用いた以外は、実施例2と同様にして、容器内に、粒子表面を親水化した顔料2.9gを得た。容器内には液状物はまったく見当たらず、投入した単量体が重合していることを確認した。
【0056】
容器内の内容物を、pHが8.5の水酸化ナトリウム水溶液15gに投入後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.2、不揮発分濃度を12%とした。得られた水性顔料分散組成物は安定で、1ヶ月以上にわたって顔料粒子の沈降は見られなかった。水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−48mVであった。水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は145nmであった。
さらに、水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ35%であり、粘度は2.7mPa・sであった。
【0057】
(実施例5)
実施例2における銅フタロシアニン2gの代わりに、三菱化学株式会社製カーボンブラック「MA−8」3gを次亜塩素酸ナトリウム10%水溶液中に48時間浸漬した後、孔径が0.025μmのメンブレンフィルターで濾過、水洗し、次いでエタノールで洗浄して、ウェットケーキとしたものを2.6g(カーボンブラック2.0g)を用いた以外は実施例2と同様にして、容器内に、粒子表面を親水化したカーボンブラック2.8gを得た。容器内には液状物はまったく見当たらず、投入した単量体が重合していることを確認した。
【0058】
容器内の内容物を、pHが8.50の水酸化ナトリウム水溶液15gに投入後、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.0、不揮発分濃度を12%とした。得られた水性顔料分散組成物は安定で、1ヶ月以上にわたって顔料粒子の沈降は見られなかった。水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−65mVであった。水性顔料分散組成物中に分散しているカーボンブラックの粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は85nmであった。
さらに、水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ30%であり、粘度は2.6mPa・sであった。
【0059】
<比較用分散樹脂(A)の調製>
メチルエチルケトン100部を、窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながら、アクリル酸10部、メタクリル酸13部、スチレン50部、メタクリル酸ブチル22部、チッソ株式会社製シリコンマクロモノマー「FM0721」5部、および和光純薬工業株式会社製ラジカル重合開始剤「V−59」6部からなる混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間ごとに和光純薬工業株式会社製ラジカル重合開始剤「V−59」0.5部を添加した。80℃で16時間攪拌し、不揮発分50%の、カルボキシ基を有する比較用分散樹脂(A)の溶液を得た。比較用分散樹脂(A)の質量平均分子量は15000、酸価は148mgKOH/gであった。
【0060】
(比較例)
CIピグメントブルー15−3
(大日本インキ化学工業株式会社製「Fastgen Blue TGR」 10部
比較用分散樹脂(A)(50%メチルエチルケトン溶液) 10部
1mol/L水酸化ナトリウム水溶液 13.3部
水 19.7部
直径0.5mmのジルコニアビーズ400部とともに、上記混合物を250mLのポリエチレン製ボトルに入れ、ペイントコンディショナーを使用して4時間攪拌し、ジルコニアビーズを分離後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、水を加え、不揮発分比率12%に調整した水性顔料分散組成物を得た。この水性顔料分散組成物をさらに蒸留水で希釈してゼータ電位を測定したところ、−43mVであった。水性顔料分散組成物中に分散している顔料の粒子径を測定したところ、その体積平均粒子径は145nmであった。
さらに、水性顔料分散組成物中の浮遊樹脂比率を測定したところ55%であり、粘度は3.5mPa・sであった。
【0061】
実施例1〜5に記載したように、本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法においては、有機溶媒をほとんど使用せず、使用する場合も揮発性有機溶媒を少量使用するだけなので、溶媒除去のための工程を必要とせず、環境負荷が小さい。また、水性顔料分散組成物に、該方法によって粒子表面を親水化処理した顔料を使用した場合は、残留溶媒による臭気の問題もない。
上記、実施例および比較例における水性顔料分散組成物の試験結果を表1に示した。
【0062】
【表1】
Figure 2004231735
【0063】
表1に示した結果から、本発明の方法で粒子表面を親水化処理した顔料を用いた水性顔料分散組成物中の顔料分散安定性は、ビーズミルを用いた従来の方法で得られた水性顔料分散組成物とほぼ同等でありながら、その粘度は低く、インクジェット用水性インク用の水性顔料分散組成物として好適であることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法においては、有機溶媒をほとんど使用することなく、超臨界二酸化炭素中、顔料の存在下に塩を形成し得る基を有する水溶性あるいは自己水分散性樹脂を合成するので、顔料の一次粒子表面が効率よく該樹脂で覆われる。従来の顔料分散方法のように、大量の有機溶媒を使用するすることがないので、これを除去するための工程を必要とせず、有機溶剤の揮散による環境汚染や、残留溶剤に起因する臭気の問題もない。
【0065】
さらに、本発明の顔料粒子表面の親水化処理方法によれば、顔料粒子表面が効率よく水溶性あるいは自己水分散性樹脂によって覆われるため、従来の顔料分散技術に見られるような、顔料粒子表面への吸着にあずからない、いわゆる浮遊樹脂の量が少ないため、該顔料を使用した水性顔料分散組成物は、従来の分散技術によって得られるものと比べて粘度が低く、特にインクジェット用水性インクに好適に使用することができる。
【0066】
上記水溶性あるいは自己水分散性樹脂の前駆体に、(メタ)アクリル酸単位を有する樹脂を使用する場合は、適度な親水性と疎水性を有する樹脂を容易に分子設計することができる。
【0067】
顔料として、カーボンブラックや、引き抜かれやすい水素原子を有する基をもった顔料を使用した場合は、顔料粒子表面に水溶性あるいは自己水分散性樹脂が単に吸着するだけではなく、粒子表面にグラフト重合した顔料が得られる。

Claims (4)

  1. 超臨界二酸化炭素中、顔料の共存下に、塩を形成し得る酸性基または塩基性基を有する単量体を単独重合させるか、あるいは該単量体と共重合性を有する他の単量体と共重合させることによって、顔料粒子表面に水溶性または自己水分散性重合体を吸着させるか、またはグラフトさせることを特徴とする顔料粒子表面の親水化処理方法。
  2. 前記水溶性または自己水分散性重合体が、単量体単位として(メタ)アクリル酸単位を有する重合体である請求項1に記載の顔料粒子表面の親水化処理方法。
  3. 前記顔料がカーボンブラックである請求項1に記載の顔料粒子表面の親水化処理方法。
  4. 請求項1に記載の方法によって表面を親水化処理された顔料を含有することを特徴とする水性顔料分散組成物。
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