JP2004231387A - 産業廃棄物適正処理監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】建設残土及び汚泥及び産業廃棄物並びに汚染土壌の適正処理管理システムの提供。
【解決手段】車載設置端末を備えた1台以上の運搬車輌と、運搬車両から送られてきた荷積み・荷下ろし情報および位置情報・航跡情報を管理する機器類から構成されるシステムネットワークセンターと、インターネットに接続された1台以上の運用端末とから構成される産業廃棄物適正処理監視システム。上記車載設置端末は、人工衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)アンテナ、データ通信用携帯電話端末等から構成され、自身の位置情報、積載物の管理票等の管理対象情報を携帯電話網を利用したパケット通信サービスを利用して、システムネットワークセンターに送信することが可能である。本システムの管理者は、インターネットに接続された運用端末から、Web配信用コンピュータに接続することで上記管理対象情報を確認することが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】車載設置端末を備えた1台以上の運搬車輌と、運搬車両から送られてきた荷積み・荷下ろし情報および位置情報・航跡情報を管理する機器類から構成されるシステムネットワークセンターと、インターネットに接続された1台以上の運用端末とから構成される産業廃棄物適正処理監視システム。上記車載設置端末は、人工衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)アンテナ、データ通信用携帯電話端末等から構成され、自身の位置情報、積載物の管理票等の管理対象情報を携帯電話網を利用したパケット通信サービスを利用して、システムネットワークセンターに送信することが可能である。本システムの管理者は、インターネットに接続された運用端末から、Web配信用コンピュータに接続することで上記管理対象情報を確認することが可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場で発生する残土、河川の浚渫による汚泥、工場等(排出事業者)より排出される産業廃棄物、工場跡地の汚染土壌等の処理システム、特にそれらを運搬する運搬車両や船舶の運行を監視するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
建設現場で生じる建設残土、特に汚染土壌は、見た目は残土もしくは土壌であるために、汚染された土壌と見分けることが難しい。従って、運搬中の荷崩れ等で道路上に飛散した時に見分けることが出来ない。汚染されていない土と思って処理をされた場合には知らず知らずのうちに環境汚染が拡散される懸念がある。
【0003】
建設現場から発生する残土は廃棄物処理法の対象でないが故に不適正に埋め立てられたり放置されたり、結果的に流出事故や環境破壊、公害や産業廃棄物の不法投棄同様の社会問題に発展している(特許文献1)。
【0004】
また、産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた管理票(マニフェスト伝票)を導入することを義務づけられているにもかかわらず不法投棄が後を絶たないのが現状である(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−142609号公報
【特許文献2】
特開2002−132899号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
工場跡地等から発生する汚染土壌は無害化して適正に埋め立てや再利用することが必要である。また、産業廃棄物に指定されている建設汚泥等は、廃棄物処理法に準じて中間処理施設で中和や脱水行程の中間処理を経て再利用されるべきである。しかし、それらの工程が監視されていないと、これらの物が適正なルートに乗らず、その結果、不法投棄されたり、汚染土壌や産業廃棄物等が混入されるという問題がある。
【0007】
一方、排出事業者は産業廃棄物を引き渡した時点で管理票(マニフェスト伝票)を収集運搬事業者に交付することが法律で定められているが、運搬車両と管理票が別々に移動することもあり、正しい管理票が最終処分場に着いたからといって適正なルートを経たことが保証されるわけではない。
【0008】
さらに、建設現場で生じる大量の残土のように、処分等について管理票の使用の義務づけがない物(残土や汚泥)については、これらの物を適正処理するに当たって善意の第三者がこれらの物の動態を管理する事が難しく、適正な処理が行われたかの確認をすることが困難であるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を解決すべく、建設現場で生じる残土や汚泥の不法投棄を監視する管理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の産業廃棄物適正処理監視システムは、産業廃棄物を運搬する運搬車両と、運搬車両に搭載され、人工衛星と通信することで運搬車両の現在位置情報を取得する車両搭載端末と、多数の運搬車両の情報を一元管理するシステムネットワークセンターと、を備える産業廃棄物適正処理監視システムであって、前記車両搭載端末は、その取得した情報、予め登録された運搬車両情報、及び予め登録された管理票情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信し、前記システムネットワークセンターは、前記車両搭載端末の送信した情報を受信し、予め入力された運搬車両識別情報、管理票情報、荷積み場所情報、適正経路情報、及び荷下ろし情報と該受信情報とを比較し、運搬車両の荷積み場所、積荷の重さ、運行経路、及び荷下ろし場所、及び/又は荷下ろしされた積荷の重さが適正であるかを判定することを特徴とする。
【0011】
前記産業廃棄物適正処理監視システムによれば、車両搭載端末に管理票情報が予め登録されているため、運搬車両に積載された産業廃棄物とその産業廃棄物の管理票が別ルートで運搬されるという問題を解決することができる。
【0012】
また、前記車両搭載端末に運搬車両の積荷の重さを自動測定する自重計を備えることにより、運搬車両への産業廃棄物の荷積み、荷下ろしの状況をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0013】
また、前記車両搭載端末に、積荷の管理票を読み取ることのできる管理票読み取り装置を備え、読み取り結果を記憶することで、現場での管理票の読み込みが可能となり、産業廃棄物とその産業廃棄物の管理票が別ルートで運搬されるという問題を回避することが可能となる。
【0014】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の車速を自動測定する車速センサーを備え、測定結果を記憶することで、運搬車両の運行状況をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0015】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さおよび車速が一定速度以上になると、荷積み開始情報及び荷積み終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、産業廃棄物の運搬終了をリアルタイムに監視することが可能となる。
【0016】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さおよび車速が一定速度以下になると、荷下ろし開始情報及び荷下ろし終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、産業廃棄物の運搬終了をリアルタイムに監視することが可能となる。
【0017】
さらに、前記車両搭載端末に、一定間隔毎に人工衛星と通信することで自車の位置情報を取得させ、無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、運搬車両の運行経路をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0018】
さらにまた、該車両搭載端末の記憶した情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信するに際し、電波状態が悪く通信が正常に行えない場合には、該送信対象情報を記憶し続け、次に電波状態が良好になった際に再送することで、電波状態が悪く通信が正常に行えない場合においても、一連の運行状況を監視することができるようにすることが好ましい。
【0019】
また、前記システムネットワークセンターに、前記情報蓄積手段の蓄積情報を表示可能に加工する加工手段と、前記加工手段によって加工したデータをインターネット網を介して外部運用端末から閲覧可能に表示する表示手段とを備えることで、インターネットに接続された運用端末を通じて遠隔地から運搬車両の運行状況等をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0020】
また、前記システムネットワークセンターに、前記判定手段において、適正な処理が行われていないと判断された場合には、インターネット網又はFax網を介して外部運用端末に異常通知を行わせることで、不法投棄等の異常をリアルタイムで感知することができる。
【0021】
本発明の第2の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、荷下ろし場所に設置され、積荷の管理票を読み取り記憶するとともに荷下ろし情報を記憶した地上端末、および、該読み取り情報を無線又は有線通信網を介して送信することを特徴とする。
【0022】
これによって、地上端末で管理票を読み取り、システムネットワークセンターに読み取り情報を送信することで、リアルタイムな産業廃棄物の受け渡し確認を行うことが可能となる。
【0023】
本発明の第3の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、前記運搬車両は運搬鉄道であることを特徴とする。
【0024】
これによって、車両による産業廃棄物の運搬の監視のみならず、鉄道による産業廃棄物の運搬監視も行うことが可能となる。
【0025】
本発明の第4の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、前記運搬車両は運搬船舶であることを特徴とする。
【0026】
これによって、陸路による産業廃棄物の運搬の監視のみならず、水路による産業廃棄物の運搬監視も行うことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の産業廃棄物適正処理監視システムの概略図である。
本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムは、車載設置端末を備えた1台以上の運搬車輌と、運搬車両から送られてきた荷積み・荷下ろし情報および位置情報・航跡情報を管理する機器類から構成されるシステムネットワークセンターと、インターネットに接続された1台以上の運用端末とから構成される。
【0028】
上記運搬車輌の有する車載設置端末は、人工衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)アンテナ、データ通信用携帯電話端末等から構成され、自身の位置情報等の管理対象情報を携帯電話網を利用したパケット通信サービスを利用して、システムネットワークセンターに送信することが可能である。
また、本システムの管理者は、インターネットに接続された運用端末から、Web配信用コンピュータに接続することで上記管理対象情報を確認することが可能である。
なお、本発明を構成する携帯電話網を利用したパケット通信サービスは、必須の要件ではなく、上記管理対象情報を送信することが可能であれば、業務用無線や衛星通信等の手段も利用できることは言うまでもない。
【0029】
また、本発明の第2の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件に加え、地上搭載端末を備えることを特徴とする。地上搭載端末は、運搬車両に積まれた産業廃棄物の管理票を読み取る手段を備え、有線又は無線通信によりシステムネットワークセンターに該読み取り情報を送信することが可能である。
【0030】
また、本発明の第3の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件の内、運搬車両が鉄道から構成されることを特徴とする。車両搭載端末を構成する自重計、車速センサーを鉄道用のものに改良することにより、運搬鉄道においても、本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムと同様の効果を奏することが可能である。
【0031】
また、本発明の第4の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件の内、運搬車両が船舶から構成されることを特徴とする。車両搭載端末を構成する自重計、車速センサーを船舶用のものに改良することにより、運搬船舶においても、本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムと同様の効果を奏することが可能である。
【0032】
図2は、システムネットワークセンター及び運用端末の構成機器を示したものである。同図に示すとおり、システムネットワークセンターは、携帯電話網(パケット通信方式)、Fax網及びインターネットに接続されている。
また、同センター内には、FMS(Fleet Management System)コンピュータ、ホストコンピュータ、Fax/メール配信用コンピュータ及びWeb配信用コンピュータがネットワークで接続されている。
【0033】
(1)FMS(Fleet Management System)コンピュータ
FMSとは、データ受信・動態管理システムのことであり、FMSコンピュータは車両の走行履歴情報を管理する。携帯電話網を通じて、運搬車輌の車載設置端末と管理情報のやり取り(送受信)を行う。
(2)ホストコンピュータ
ホストコンピュータは、データ管理用コンピュータであり、荷積み情報・荷下ろし情報・荷積み重量等を管理する。
(3)Fax/メール配信用コンピュータ
システム異常が発生した際に、Fax又は電子メールにより、管理者に緊急連絡を行う。
(4)Web配信用コンピュータ
車両の走行履歴、荷積み、荷下ろし、荷積み重量等を、インターネットに対し発信を行う。
(5)運用端末
管理者がインターネットを介してWeb配信用コンピュータに接続し、車両の走行履歴、荷積み、荷下ろし、荷積み重量等を管理するのに用いるコンピュータ。所定のソフトウェアを稼働することが可能であれば、パーソナルコンピュータに限定されることなく、携帯電話等の小型コンピュータ搭載機器で代用することも可能である。
【0034】
図3は本システムにかかる運搬車輌の備える車載設置端末の構成機器を示したものである。
車載設置端末を構成する機器類を以下に説明する。
【0035】
(1)データ通信用携帯電話端末
荷積み情報・荷下ろし情報・車両走行情報をデータ通信アンテナを介してシステムネットワークセンターへ送信する。また、システムネットワークセンターからの管理情報をデータ通信アンテナを介して受信する。
(2)データ通信アンテナ
荷積み情報・荷下ろし情報・車両走行情報等の管理対象情報を携帯電話網へ送信し、システムネットワークセンターからの管理情報を携帯電話網を通じて受信する。
(3)GPS(Global Positioning System)アンテナ
運搬車両の位置情報(緯度・経度・高度等の情報)を人工衛星より取得する。
(4)モバイルサーバ
データ通信用携帯電話端末の制御を行う。また、GPSアンテナを介して運搬車輌の位置情報を取り込み、車速センサー、ダンプセンサー、自重計による計測情報をシステムネットワークセンターへ自動送信する。また、データ通信の電波状況を監視し、通信が不可能な場合には、上記計測情報を一次保存し、次に通信が可能な状況になった時に、その保存情報をシステムネットワークセンターへ自動送信する。
(5)動態キーボード
運行管理のための情報を入力するための端末。なお、本発明を構成する必須要件ではないが、システムネットワークセンターからの情報を表示するための液晶表示画面を有するものが好ましい。
(6)車速センサー
エンジンの回転数により車両の速度・加速度・走行距離を算出する。
(7)自重計
荷積みの重量を計測し、モバイルサーバに取得データを送信する。
(8)ダンプセンサー
荷下ろし作業を検知し、モバイルサーバに取得データを送信する。
(9)IF(インターフェース)ボックス
ダンプセンサー、自重計とモバイルサーバを接続する。
(10)管理票読み取り装置
産業廃棄物の管理票(例えば、マニフェスト伝票)を機械的に読み取る装置である。読み取り方法の態様としては、バーコードリーダー(二次元バーコード含む)、磁気カード、ICカード(接触型・非接触型)等がある。
【0036】
図4は本発明に係る産業廃棄物の管理票のデータ項目である。管理票は、一意のA.管理票識別情報、産業廃棄物の排出者を示すB.排出者情報、運搬車両に積載する産業廃棄物の種類を示すC.処分対象廃棄物情報、産業廃棄物の運搬を受託するD.収集運搬業者情報、産業廃棄物の処分を受託するE.処分業者情報から構成される。これらの情報が上述の管理票読み取り装置により読み取られ、システムネットワークセンターに送信されることで、システムネットワークセンター内で産業廃棄物の適正処理を判断することが可能となる。
【0037】
図5は、システムネットワークセンターが運搬車両管理のために蓄積するデータ項目である。該データ項目としては、複数の運搬車両を一意に識別するF.運搬車両識別情報と、各F.運搬車両識別情報に関連づけられた一組以上のG.管理票情報、H.荷積み場所情報、I.適正経路情報、及びJ.荷下ろし場所情報から構成される。G.管理票情報は、図4のA乃至Gのデータ項目から構成される。G.管理情報は、F.運搬車両識別情報と主キーでリンクされており、各運搬車両が運搬すべき産業廃棄物の情報を基には産業廃棄物の適正処理を監視することができる。また、各G.管理票情報にはH.荷積み場所情報、I.適正経路情報、及びJ.荷下ろし場所情報が関連づけられており、管理者は荷積み場所、適正経路、荷下ろし場所のそれぞれの場面において異常がないことを監視することを可能としている。
【0038】
図6は、本発明にかかるシステムを利用する際の流れ図である。なお、同図において二重線で囲んだ部分は人(運搬車輌の運転手)による作業を示している。
本発明に係るシステムを利用するにあたっては、まず、指定に積み場所は建設工事現場等の発生場所、中間処理場、指定集積場所(積み替え保管場所)等の緯度経度データをホストコンピュータに登録し、次に、緯度経度データを中心に任意の半径を設定して円状の領域(以下、「ADエリア」という)を設定する(ステップ1)。ここで、設定すべきADエリアは、集積場所・荷下ろし場所だけではなく、処分場や再利用場所等、運搬車輌が荷積み・荷下ろしの作業を行う全ての場所が含まれる。
【0039】
運搬車輌の運転手がADエリアで荷積みを開始すると(ステップ2)、モバイルサーバは自重計等の測定結果より荷積みが開始されたことを自動検知し、荷積み情報をFMSコンピュータへ自動送信する(ステップ3)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ4)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ5)。なお、予め設定されたADエリア外で荷積みをする場合には車輌搭載端末の動態キーボードを使って荷積み情報入力することで、ホストコンピュータのチェックではじかれることを回避することができるが、動態キーボードからの荷積み情報入力がない場合には、異常処理がなされる(ステップ5)。
【0040】
荷積みが終了し運搬が開始されると(ステップ6)、定期的に車輌位置情報がシステムネットワークセンターへ電話通信網を介して送信される(ステップ7)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ8)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ9)。なお、送信された情報は、FMSコンピュータにより記録保持される。
【0041】
運搬車輌の運転手がADエリアで荷下ろしを開始すると(ステップ10)、モバイルサーバは自重計等の測定結果より荷下ろしが開始されたことを自動検知し、荷下ろし情報をFMSコンピュータへ自動送信する(ステップ11)。なお、地上搭載端末を備えた産業廃棄物適正処理監視システムにおいては、荷下ろし情報が車両搭載端末によってFMSコンピュータへ自動送信される代わりに、地上搭載端末で管理票情報を読み取ることで、地上搭載端末からFMSコンピュータへ読み取り情報が送信される(ステップ11)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ12)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ13)。なお、予め設定されたADエリア外で荷下ろしをする場合には車輌搭載端末の動態キーボードを使って荷積み情報入力することで、ホストコンピュータのチェックではじかれることを回避することができるが、動態キーボードからの荷積み情報入力がない場合には、異常処理がなされる(ステップ13)。
【0042】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0043】
実施例1
本実施例は、建設汚泥だけでなく残土や汚染土壌の適正な移動を監視するシステムであり、特に汚染土壌の移動には第三者による適正な管理が要求されるので、汚染土壌の拡散は環境問題に悪影響を及ぼすことを防ぐものである。
建設汚泥は、建設現場で中間処理を行う場合と専門の中間処理場まで汚泥のまま運搬して処理を行う二通りがあり、処理方法としては、中和、脱水を行うものである。
【0044】
これらの処理をされた物を再利用するには次の条件を満たすことが必須である。
1.品質の確保(環境工学)
2.運営管理
(1)建設汚泥の排出者、土質、量を管理すること。
(2)各運搬区間を運搬したことを証すること(搬入チェック)。
(3)排出事業所を出発して第一の積み替え基地に搬入されたこと。
(4)第一の積み替え保管基地を出発して第二積み替え基地に到着したこと。
(5)第二積み替え基地を出発して指定の埋め立て地に搬入されたこと。
(6)指定外の廃棄物が搬入されていないこと。
これらの条件を満たすことである。
【0045】
この問題点とは、不法投棄、汚染土壌や産業廃棄物等の混入が考えられるので、運搬車両に積載された残土が、そのまま目的地まで搬入されたことの証明が必要である。
(1)発点の重量と到着時の量の変動がないこと。
(2)質に変化がないこと。
(3)途中で汚染土壌等の混入がないこと。
以上の項目を満足させるシステムを構築するものである。
【0046】
本実施例を実施するための条件は、
1.通信方法は携帯電話網によるパケット通信サービスを使用すること。
2.位置情報は人工衛星からの電波を使用すること。
3.積荷場所(位置)を特定(指定荷積み場所)すること。
4.荷下ろし場所(位置)を特定(指定ヤード及び指定再利用現場)すること。
5.指定積荷場所以外での積載物の指定荷下ろし場所への搬入監視すること。
6.指定積荷場所からの積載物の指定荷下ろし場所外への搬入監視すること。
7.通信エリア外のデータの保持機能と通信エリアにはいった時に保持データの送信機能を有すること、
8.これらの情報の伝達方法を、
・Webによる配信
・監視情報のFAX通報及びメール配信
により行うこと。
また、
1.マニフェスト伝票を利用しない荷積み場所を特定すること
2.荷下ろし場所を特定すること
3.運転日報を付加する(将来のオプション機能として持つ)こと
により行う。
【0047】
ここで、本実施例においては、運搬車両等とシステム・ネットワークセンターとの間で情報を授受する通信手段としては、既存の携帯電話網、例えばDopa(登録商標)通信網が利用され、また、運搬車両の位置確認は、既存のGPS(Global Positioning System)人工衛星からの受信情報によって行われる。
【0048】
本実施例のシステムの利用は、まず、指定荷積み場所は建設工事現場等の発生場所、中間処理場、指定集積場所(積み替え保管場所)等の緯度経度データを使ってホストコンピュータに登録する。この時に緯度経度データを中心に任意の半径を設定して円状の領域(ADエリアと称する)を設定する。これらの領域設定(ADエリア)は、処分場や再利用場所にも同様の領域(ADエリア)を設定する。
【0049】
これらの設定領域内(ADエリア)で、積んだ、荷下ろししたという情報を車載端末のキーボードを使って送信するものである。万が一、設定領域以外でキーボードの積み込んだという情報入力操作なしで積んだ運搬車両が指定荷下ろし場所エリアで荷下ろし操作した時は不正と判断する機能を有するものでる。
また、逆に指定荷積み場所エリアで積んだが、指定荷下ろし場所エリア以外で荷下ろしをした場合には不正と判断する機能を有するものである。
【0050】
双方の指定エリア外で積み下ろしした場合の作業は、管理範囲以外の作業と認識しこの情報はホストコンピュータで記録保持する。また、運搬車両の航跡記録は24時間、365日すべてを運転者の操作なし車載端末で位置情報を通信で送信し、FMSコンピュータで記録保持される。なお、車輌搭載端末の動態キーボードからの入力操作により、運転日報の自動作成機能を有するシステムを構築することも可能である。
【0051】
これらのシステムの通信手段として、普及効果を上げるために携帯電話網を使用しているが、エリアによっては業務用無線や衛星通信等の通信インフラを活用できるのは言うまでもない。
特に、本システムは、既存の携帯電話網、例えば、Dopa(登録商標)通信を使用する場合には、通信可能エリアが全国の面積比率で約50%しか確保できないために、通信途絶エリアでの位置情報や荷積み、荷下ろし情報がリアルタイムで情報管理センターに届かないという問題がある。
従って、これらの情報は車載機器のうち、モバイルサーバに記憶させる機能を持たせてDopa(登録商標)の通信可能エリア内にはいった時に、記録保持をしたデータを送信する機能を有することで上記問題を解決している点が特徴である。
【0052】
これらに係わる物流は、排出事業所→中間処理業→再利用場所あるいは、排出事業所→中間処理業→中継所→中継所→再利用場所など、中継所どうしの長距離運搬には船舶や鉄道による移動が考えられる。
これらの、物の移動時の積み替え中継所等にも緯度経度で積み降ろしの適正場所としてセンターのコンピュータ側で緯度経度を基にエリアを指定して適正な物流管理を行うシステムである。
【0053】
廃棄物の指定されている建設汚泥については廃棄物処理法でマニフェスト伝票(管理票)の使用が義務づけられているが、これらの管理票と一体になったシステムは、すでに完成されているので管理票と連携するにはそのシステムを活用することが出来る。
【0054】
これらのシステムを搭載した運搬車両の管理情報をシステムネットワークセンターで集中管理し、必要な情報だけをWeb配信、またはプリントされたデータで関係者に提供するものである。
物の適正移動監視だけでなく、運行管理も兼ねたシステムを構築し。運行管理や労務管理も行えるシステムである。
これらのシステムは、すでにサービスを行っている衛星通信を使用した産業廃棄物の動態管理システム同様のサービス事業をするものである。
【0055】
実施例2
図7〜10に従って、本システムによる建設残土の廃棄の実施例について説明する。
なお、図中矢印付きの実線は輸送運搬車両の動きを、同矢印付き点線は情報の伝達を示す。
【0056】
1.《荷積み:図7》
排出事業所において運搬車両に残土等の積み込みを開始すると、携帯電話網を介して、システムネットワークセンターに荷積み開始を連絡する。
残土を積み込み終了後、運搬車両を移動することにより荷積み終了を自動検知し報告を連絡する。
連絡データは、排出事業者名、積荷内容等と共に携帯電話網を介してシステムネットワークセンターに転送される。
システムネットワークセンターは、特定された排出事業所において残土等が特定された運搬車両に荷積みされたことを確認すると共に、必要な情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0057】
2.《運搬:図8》
荷積みを終了した運搬車両は目的地(港)に向かって移動を開始する。この移動開始は車輌の移動で自動検知することができる。
GPSにより運搬車両の現在位置を確認し車載のデータ通信用携帯電話端末を用いて、システムネットワークセンターへ定周期で車輌位置を自動送信(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、運搬車両の走行状況を監視するとともに、FMSコンピュータ及びホストコンピュータに走行ルート等を記憶させる。
【0058】
3.《港での荷下ろし:図8》
荷下ろし対象の港に到着した運搬車両は、残土等の積荷を船に積み込むため荷下ろしする。
荷下ろし開始及び荷下ろし終了をシステムネットワークセンターに連絡(携帯電話網)する。
荷下ろし終了は車輌の移動で自動検知することができる。
以上の作業を終了した運搬車両は、収集運搬業者のもとに帰還し、システムネットワークセンターに運行終了連絡(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、残土等の積荷の積み替え状況を監視すると共に、積み替え情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0059】
4.《船から荷下ろし:図9》
港で荷下ろしされた残土は、船舶によって、最終処分地に近い港に運搬され、荷下ろしされる。
本発明で運搬車両に搭載した車輌搭載端末と同様の端末を、船舶に搭載することで船舶の動態についても監視することが出来る。ここで動態とは船舶の航跡・時間を監視するものである。
【0060】
5.《運搬車両への荷積み:図9》
運搬車両に荷積み開始し、荷積み連絡(携帯電話網)
荷積み終了
荷積み終了は車輌の移動で自動検知し、荷積み終了連絡(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、港において残土等が特定された運搬車両に荷積みされたことを確認すると共に、必要な情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0061】
6.《運搬:図10》
残土を搭載した運搬車両は、目的の最終処分地に向かって移動するが、運搬車両の現在位置は、GPSにより測定され、システムネットワークセンターに定周期に送信される。
システムネットワークセンターは、運搬車両の走行状況を監視するとともに、FMSコンピュータ及びホストコンピュータに走行ルート等を記憶させる。
【0062】
7.《最終処分:図10》
最終処分地へ到着、荷下ろし開始する。荷下ろしが終了すると、車輌の移動で荷下ろしの終了を自動検知し、システムネットワークセンターに荷下ろしの終了を携帯電話網を介して連絡する。
以上の作業を終了した運搬車両は、収集運搬業者のもとに帰還し、システムネットワークセンターに携帯電話網を介して業務終了を通知する。
システムネットワークセンターは、残土等が指定された最終処分場に搬入され、荷下ろしされたことを確認すると共に、システムネットワークセンターのホストコンピュータに作業終了を記憶させる。
【0063】
また、上記実施例では長距離輸送に船舶を用いたが、鉄道を使用することができる。その場合、運搬車両から貨車への積み替え位置及び貨車から運搬車両への積み替え位置に関するADエリアを設定することで、上記実施例と同様に、建設残土及び汚泥及び産業廃棄物並びに汚染土壌の不法投棄を監視することができる。
【0064】
【発明の効果】
運搬車両の動態を車輌搭載端末から定期的に送信される車輌位置情報により監視することができるので、建設現場から発生する残土や産業廃棄物の不法投棄や適正なルート外での処理を防止することができる。
【0065】
既存の携帯電話網の利用及びGPSによる運搬車両の運行業況の監視により、建設残土及び汚泥及び産業廃棄物並びに汚染土壌の不法投棄を監視することが可能であり、従来のシステムに比べシステム構成が簡易になる。
【0066】
また、管理票と運搬車両の移動を一括して監視することにより、運搬車両と管理票が別々に移動するといった違法行為を未然に防ぐことができる。
【0067】
さらに、地上設置端末を設けることで、産業廃棄物が所定の場所に搬入されたことをリアルタイムに確認することができる。
【0068】
さらにまた、運搬車両のみならず船舶、鉄道における産業廃棄物の運搬を監視することで、様々な運搬方法が組み合わされる産業廃棄物処理の実情に沿った監視システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】産業廃棄物適正処理監視システムの説明図である。
【図2】産業廃棄物適正処理監視システムに係るシステムネットワークセンターの構成機器の説明図である。
【図3】産業廃棄物適正処理監視システムに係る車輌搭載機器の説明図である。
【図4】産業廃棄物適正処理監視システムに係る管理票情報のデータ項目である。
【図5】産業廃棄物適正処理監視システムに係るシステムネットワークセンターが運搬車両管理のために蓄積するデータ項目である。
【図6】産業廃棄物適正処理監視システムを利用する際の流れ図である。
【図7】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る荷積み作業の説明図である。
【図8】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る運搬・港における荷下ろしの説明図である。
【図9】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る船よりの荷下ろし・車輌への荷積みの説明図である。
【図10】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る運搬・最終処分の説明図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場で発生する残土、河川の浚渫による汚泥、工場等(排出事業者)より排出される産業廃棄物、工場跡地の汚染土壌等の処理システム、特にそれらを運搬する運搬車両や船舶の運行を監視するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
建設現場で生じる建設残土、特に汚染土壌は、見た目は残土もしくは土壌であるために、汚染された土壌と見分けることが難しい。従って、運搬中の荷崩れ等で道路上に飛散した時に見分けることが出来ない。汚染されていない土と思って処理をされた場合には知らず知らずのうちに環境汚染が拡散される懸念がある。
【0003】
建設現場から発生する残土は廃棄物処理法の対象でないが故に不適正に埋め立てられたり放置されたり、結果的に流出事故や環境破壊、公害や産業廃棄物の不法投棄同様の社会問題に発展している(特許文献1)。
【0004】
また、産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた管理票(マニフェスト伝票)を導入することを義務づけられているにもかかわらず不法投棄が後を絶たないのが現状である(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−142609号公報
【特許文献2】
特開2002−132899号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
工場跡地等から発生する汚染土壌は無害化して適正に埋め立てや再利用することが必要である。また、産業廃棄物に指定されている建設汚泥等は、廃棄物処理法に準じて中間処理施設で中和や脱水行程の中間処理を経て再利用されるべきである。しかし、それらの工程が監視されていないと、これらの物が適正なルートに乗らず、その結果、不法投棄されたり、汚染土壌や産業廃棄物等が混入されるという問題がある。
【0007】
一方、排出事業者は産業廃棄物を引き渡した時点で管理票(マニフェスト伝票)を収集運搬事業者に交付することが法律で定められているが、運搬車両と管理票が別々に移動することもあり、正しい管理票が最終処分場に着いたからといって適正なルートを経たことが保証されるわけではない。
【0008】
さらに、建設現場で生じる大量の残土のように、処分等について管理票の使用の義務づけがない物(残土や汚泥)については、これらの物を適正処理するに当たって善意の第三者がこれらの物の動態を管理する事が難しく、適正な処理が行われたかの確認をすることが困難であるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題を解決すべく、建設現場で生じる残土や汚泥の不法投棄を監視する管理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の産業廃棄物適正処理監視システムは、産業廃棄物を運搬する運搬車両と、運搬車両に搭載され、人工衛星と通信することで運搬車両の現在位置情報を取得する車両搭載端末と、多数の運搬車両の情報を一元管理するシステムネットワークセンターと、を備える産業廃棄物適正処理監視システムであって、前記車両搭載端末は、その取得した情報、予め登録された運搬車両情報、及び予め登録された管理票情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信し、前記システムネットワークセンターは、前記車両搭載端末の送信した情報を受信し、予め入力された運搬車両識別情報、管理票情報、荷積み場所情報、適正経路情報、及び荷下ろし情報と該受信情報とを比較し、運搬車両の荷積み場所、積荷の重さ、運行経路、及び荷下ろし場所、及び/又は荷下ろしされた積荷の重さが適正であるかを判定することを特徴とする。
【0011】
前記産業廃棄物適正処理監視システムによれば、車両搭載端末に管理票情報が予め登録されているため、運搬車両に積載された産業廃棄物とその産業廃棄物の管理票が別ルートで運搬されるという問題を解決することができる。
【0012】
また、前記車両搭載端末に運搬車両の積荷の重さを自動測定する自重計を備えることにより、運搬車両への産業廃棄物の荷積み、荷下ろしの状況をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0013】
また、前記車両搭載端末に、積荷の管理票を読み取ることのできる管理票読み取り装置を備え、読み取り結果を記憶することで、現場での管理票の読み込みが可能となり、産業廃棄物とその産業廃棄物の管理票が別ルートで運搬されるという問題を回避することが可能となる。
【0014】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の車速を自動測定する車速センサーを備え、測定結果を記憶することで、運搬車両の運行状況をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0015】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さおよび車速が一定速度以上になると、荷積み開始情報及び荷積み終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、産業廃棄物の運搬終了をリアルタイムに監視することが可能となる。
【0016】
また、前記車両搭載端末に、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さおよび車速が一定速度以下になると、荷下ろし開始情報及び荷下ろし終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、産業廃棄物の運搬終了をリアルタイムに監視することが可能となる。
【0017】
さらに、前記車両搭載端末に、一定間隔毎に人工衛星と通信することで自車の位置情報を取得させ、無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信させることで、運搬車両の運行経路をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0018】
さらにまた、該車両搭載端末の記憶した情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信するに際し、電波状態が悪く通信が正常に行えない場合には、該送信対象情報を記憶し続け、次に電波状態が良好になった際に再送することで、電波状態が悪く通信が正常に行えない場合においても、一連の運行状況を監視することができるようにすることが好ましい。
【0019】
また、前記システムネットワークセンターに、前記情報蓄積手段の蓄積情報を表示可能に加工する加工手段と、前記加工手段によって加工したデータをインターネット網を介して外部運用端末から閲覧可能に表示する表示手段とを備えることで、インターネットに接続された運用端末を通じて遠隔地から運搬車両の運行状況等をリアルタイムで監視することが可能となる。
【0020】
また、前記システムネットワークセンターに、前記判定手段において、適正な処理が行われていないと判断された場合には、インターネット網又はFax網を介して外部運用端末に異常通知を行わせることで、不法投棄等の異常をリアルタイムで感知することができる。
【0021】
本発明の第2の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、荷下ろし場所に設置され、積荷の管理票を読み取り記憶するとともに荷下ろし情報を記憶した地上端末、および、該読み取り情報を無線又は有線通信網を介して送信することを特徴とする。
【0022】
これによって、地上端末で管理票を読み取り、システムネットワークセンターに読み取り情報を送信することで、リアルタイムな産業廃棄物の受け渡し確認を行うことが可能となる。
【0023】
本発明の第3の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、前記運搬車両は運搬鉄道であることを特徴とする。
【0024】
これによって、車両による産業廃棄物の運搬の監視のみならず、鉄道による産業廃棄物の運搬監視も行うことが可能となる。
【0025】
本発明の第4の産業廃棄物適正処理監視システムは、前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、前記運搬車両は運搬船舶であることを特徴とする。
【0026】
これによって、陸路による産業廃棄物の運搬の監視のみならず、水路による産業廃棄物の運搬監視も行うことが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の産業廃棄物適正処理監視システムの概略図である。
本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムは、車載設置端末を備えた1台以上の運搬車輌と、運搬車両から送られてきた荷積み・荷下ろし情報および位置情報・航跡情報を管理する機器類から構成されるシステムネットワークセンターと、インターネットに接続された1台以上の運用端末とから構成される。
【0028】
上記運搬車輌の有する車載設置端末は、人工衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)アンテナ、データ通信用携帯電話端末等から構成され、自身の位置情報等の管理対象情報を携帯電話網を利用したパケット通信サービスを利用して、システムネットワークセンターに送信することが可能である。
また、本システムの管理者は、インターネットに接続された運用端末から、Web配信用コンピュータに接続することで上記管理対象情報を確認することが可能である。
なお、本発明を構成する携帯電話網を利用したパケット通信サービスは、必須の要件ではなく、上記管理対象情報を送信することが可能であれば、業務用無線や衛星通信等の手段も利用できることは言うまでもない。
【0029】
また、本発明の第2の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件に加え、地上搭載端末を備えることを特徴とする。地上搭載端末は、運搬車両に積まれた産業廃棄物の管理票を読み取る手段を備え、有線又は無線通信によりシステムネットワークセンターに該読み取り情報を送信することが可能である。
【0030】
また、本発明の第3の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件の内、運搬車両が鉄道から構成されることを特徴とする。車両搭載端末を構成する自重計、車速センサーを鉄道用のものに改良することにより、運搬鉄道においても、本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムと同様の効果を奏することが可能である。
【0031】
また、本発明の第4の産業廃棄物適正処理監視システムは、上記システムの構成要件の内、運搬車両が船舶から構成されることを特徴とする。車両搭載端末を構成する自重計、車速センサーを船舶用のものに改良することにより、運搬船舶においても、本発明の第1の産業廃棄物適正処理監視システムと同様の効果を奏することが可能である。
【0032】
図2は、システムネットワークセンター及び運用端末の構成機器を示したものである。同図に示すとおり、システムネットワークセンターは、携帯電話網(パケット通信方式)、Fax網及びインターネットに接続されている。
また、同センター内には、FMS(Fleet Management System)コンピュータ、ホストコンピュータ、Fax/メール配信用コンピュータ及びWeb配信用コンピュータがネットワークで接続されている。
【0033】
(1)FMS(Fleet Management System)コンピュータ
FMSとは、データ受信・動態管理システムのことであり、FMSコンピュータは車両の走行履歴情報を管理する。携帯電話網を通じて、運搬車輌の車載設置端末と管理情報のやり取り(送受信)を行う。
(2)ホストコンピュータ
ホストコンピュータは、データ管理用コンピュータであり、荷積み情報・荷下ろし情報・荷積み重量等を管理する。
(3)Fax/メール配信用コンピュータ
システム異常が発生した際に、Fax又は電子メールにより、管理者に緊急連絡を行う。
(4)Web配信用コンピュータ
車両の走行履歴、荷積み、荷下ろし、荷積み重量等を、インターネットに対し発信を行う。
(5)運用端末
管理者がインターネットを介してWeb配信用コンピュータに接続し、車両の走行履歴、荷積み、荷下ろし、荷積み重量等を管理するのに用いるコンピュータ。所定のソフトウェアを稼働することが可能であれば、パーソナルコンピュータに限定されることなく、携帯電話等の小型コンピュータ搭載機器で代用することも可能である。
【0034】
図3は本システムにかかる運搬車輌の備える車載設置端末の構成機器を示したものである。
車載設置端末を構成する機器類を以下に説明する。
【0035】
(1)データ通信用携帯電話端末
荷積み情報・荷下ろし情報・車両走行情報をデータ通信アンテナを介してシステムネットワークセンターへ送信する。また、システムネットワークセンターからの管理情報をデータ通信アンテナを介して受信する。
(2)データ通信アンテナ
荷積み情報・荷下ろし情報・車両走行情報等の管理対象情報を携帯電話網へ送信し、システムネットワークセンターからの管理情報を携帯電話網を通じて受信する。
(3)GPS(Global Positioning System)アンテナ
運搬車両の位置情報(緯度・経度・高度等の情報)を人工衛星より取得する。
(4)モバイルサーバ
データ通信用携帯電話端末の制御を行う。また、GPSアンテナを介して運搬車輌の位置情報を取り込み、車速センサー、ダンプセンサー、自重計による計測情報をシステムネットワークセンターへ自動送信する。また、データ通信の電波状況を監視し、通信が不可能な場合には、上記計測情報を一次保存し、次に通信が可能な状況になった時に、その保存情報をシステムネットワークセンターへ自動送信する。
(5)動態キーボード
運行管理のための情報を入力するための端末。なお、本発明を構成する必須要件ではないが、システムネットワークセンターからの情報を表示するための液晶表示画面を有するものが好ましい。
(6)車速センサー
エンジンの回転数により車両の速度・加速度・走行距離を算出する。
(7)自重計
荷積みの重量を計測し、モバイルサーバに取得データを送信する。
(8)ダンプセンサー
荷下ろし作業を検知し、モバイルサーバに取得データを送信する。
(9)IF(インターフェース)ボックス
ダンプセンサー、自重計とモバイルサーバを接続する。
(10)管理票読み取り装置
産業廃棄物の管理票(例えば、マニフェスト伝票)を機械的に読み取る装置である。読み取り方法の態様としては、バーコードリーダー(二次元バーコード含む)、磁気カード、ICカード(接触型・非接触型)等がある。
【0036】
図4は本発明に係る産業廃棄物の管理票のデータ項目である。管理票は、一意のA.管理票識別情報、産業廃棄物の排出者を示すB.排出者情報、運搬車両に積載する産業廃棄物の種類を示すC.処分対象廃棄物情報、産業廃棄物の運搬を受託するD.収集運搬業者情報、産業廃棄物の処分を受託するE.処分業者情報から構成される。これらの情報が上述の管理票読み取り装置により読み取られ、システムネットワークセンターに送信されることで、システムネットワークセンター内で産業廃棄物の適正処理を判断することが可能となる。
【0037】
図5は、システムネットワークセンターが運搬車両管理のために蓄積するデータ項目である。該データ項目としては、複数の運搬車両を一意に識別するF.運搬車両識別情報と、各F.運搬車両識別情報に関連づけられた一組以上のG.管理票情報、H.荷積み場所情報、I.適正経路情報、及びJ.荷下ろし場所情報から構成される。G.管理票情報は、図4のA乃至Gのデータ項目から構成される。G.管理情報は、F.運搬車両識別情報と主キーでリンクされており、各運搬車両が運搬すべき産業廃棄物の情報を基には産業廃棄物の適正処理を監視することができる。また、各G.管理票情報にはH.荷積み場所情報、I.適正経路情報、及びJ.荷下ろし場所情報が関連づけられており、管理者は荷積み場所、適正経路、荷下ろし場所のそれぞれの場面において異常がないことを監視することを可能としている。
【0038】
図6は、本発明にかかるシステムを利用する際の流れ図である。なお、同図において二重線で囲んだ部分は人(運搬車輌の運転手)による作業を示している。
本発明に係るシステムを利用するにあたっては、まず、指定に積み場所は建設工事現場等の発生場所、中間処理場、指定集積場所(積み替え保管場所)等の緯度経度データをホストコンピュータに登録し、次に、緯度経度データを中心に任意の半径を設定して円状の領域(以下、「ADエリア」という)を設定する(ステップ1)。ここで、設定すべきADエリアは、集積場所・荷下ろし場所だけではなく、処分場や再利用場所等、運搬車輌が荷積み・荷下ろしの作業を行う全ての場所が含まれる。
【0039】
運搬車輌の運転手がADエリアで荷積みを開始すると(ステップ2)、モバイルサーバは自重計等の測定結果より荷積みが開始されたことを自動検知し、荷積み情報をFMSコンピュータへ自動送信する(ステップ3)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ4)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ5)。なお、予め設定されたADエリア外で荷積みをする場合には車輌搭載端末の動態キーボードを使って荷積み情報入力することで、ホストコンピュータのチェックではじかれることを回避することができるが、動態キーボードからの荷積み情報入力がない場合には、異常処理がなされる(ステップ5)。
【0040】
荷積みが終了し運搬が開始されると(ステップ6)、定期的に車輌位置情報がシステムネットワークセンターへ電話通信網を介して送信される(ステップ7)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ8)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ9)。なお、送信された情報は、FMSコンピュータにより記録保持される。
【0041】
運搬車輌の運転手がADエリアで荷下ろしを開始すると(ステップ10)、モバイルサーバは自重計等の測定結果より荷下ろしが開始されたことを自動検知し、荷下ろし情報をFMSコンピュータへ自動送信する(ステップ11)。なお、地上搭載端末を備えた産業廃棄物適正処理監視システムにおいては、荷下ろし情報が車両搭載端末によってFMSコンピュータへ自動送信される代わりに、地上搭載端末で管理票情報を読み取ることで、地上搭載端末からFMSコンピュータへ読み取り情報が送信される(ステップ11)。送信された情報は、FMSコンピュータを介してホストコンピュータに送られ、ホストコンピュータによってチェックがなされ(ステップ12)、異常発生時にはFax/メール配信用コンピュータによって管理者へ通知がなされる(ステップ13)。なお、予め設定されたADエリア外で荷下ろしをする場合には車輌搭載端末の動態キーボードを使って荷積み情報入力することで、ホストコンピュータのチェックではじかれることを回避することができるが、動態キーボードからの荷積み情報入力がない場合には、異常処理がなされる(ステップ13)。
【0042】
【実施例】
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0043】
実施例1
本実施例は、建設汚泥だけでなく残土や汚染土壌の適正な移動を監視するシステムであり、特に汚染土壌の移動には第三者による適正な管理が要求されるので、汚染土壌の拡散は環境問題に悪影響を及ぼすことを防ぐものである。
建設汚泥は、建設現場で中間処理を行う場合と専門の中間処理場まで汚泥のまま運搬して処理を行う二通りがあり、処理方法としては、中和、脱水を行うものである。
【0044】
これらの処理をされた物を再利用するには次の条件を満たすことが必須である。
1.品質の確保(環境工学)
2.運営管理
(1)建設汚泥の排出者、土質、量を管理すること。
(2)各運搬区間を運搬したことを証すること(搬入チェック)。
(3)排出事業所を出発して第一の積み替え基地に搬入されたこと。
(4)第一の積み替え保管基地を出発して第二積み替え基地に到着したこと。
(5)第二積み替え基地を出発して指定の埋め立て地に搬入されたこと。
(6)指定外の廃棄物が搬入されていないこと。
これらの条件を満たすことである。
【0045】
この問題点とは、不法投棄、汚染土壌や産業廃棄物等の混入が考えられるので、運搬車両に積載された残土が、そのまま目的地まで搬入されたことの証明が必要である。
(1)発点の重量と到着時の量の変動がないこと。
(2)質に変化がないこと。
(3)途中で汚染土壌等の混入がないこと。
以上の項目を満足させるシステムを構築するものである。
【0046】
本実施例を実施するための条件は、
1.通信方法は携帯電話網によるパケット通信サービスを使用すること。
2.位置情報は人工衛星からの電波を使用すること。
3.積荷場所(位置)を特定(指定荷積み場所)すること。
4.荷下ろし場所(位置)を特定(指定ヤード及び指定再利用現場)すること。
5.指定積荷場所以外での積載物の指定荷下ろし場所への搬入監視すること。
6.指定積荷場所からの積載物の指定荷下ろし場所外への搬入監視すること。
7.通信エリア外のデータの保持機能と通信エリアにはいった時に保持データの送信機能を有すること、
8.これらの情報の伝達方法を、
・Webによる配信
・監視情報のFAX通報及びメール配信
により行うこと。
また、
1.マニフェスト伝票を利用しない荷積み場所を特定すること
2.荷下ろし場所を特定すること
3.運転日報を付加する(将来のオプション機能として持つ)こと
により行う。
【0047】
ここで、本実施例においては、運搬車両等とシステム・ネットワークセンターとの間で情報を授受する通信手段としては、既存の携帯電話網、例えばDopa(登録商標)通信網が利用され、また、運搬車両の位置確認は、既存のGPS(Global Positioning System)人工衛星からの受信情報によって行われる。
【0048】
本実施例のシステムの利用は、まず、指定荷積み場所は建設工事現場等の発生場所、中間処理場、指定集積場所(積み替え保管場所)等の緯度経度データを使ってホストコンピュータに登録する。この時に緯度経度データを中心に任意の半径を設定して円状の領域(ADエリアと称する)を設定する。これらの領域設定(ADエリア)は、処分場や再利用場所にも同様の領域(ADエリア)を設定する。
【0049】
これらの設定領域内(ADエリア)で、積んだ、荷下ろししたという情報を車載端末のキーボードを使って送信するものである。万が一、設定領域以外でキーボードの積み込んだという情報入力操作なしで積んだ運搬車両が指定荷下ろし場所エリアで荷下ろし操作した時は不正と判断する機能を有するものでる。
また、逆に指定荷積み場所エリアで積んだが、指定荷下ろし場所エリア以外で荷下ろしをした場合には不正と判断する機能を有するものである。
【0050】
双方の指定エリア外で積み下ろしした場合の作業は、管理範囲以外の作業と認識しこの情報はホストコンピュータで記録保持する。また、運搬車両の航跡記録は24時間、365日すべてを運転者の操作なし車載端末で位置情報を通信で送信し、FMSコンピュータで記録保持される。なお、車輌搭載端末の動態キーボードからの入力操作により、運転日報の自動作成機能を有するシステムを構築することも可能である。
【0051】
これらのシステムの通信手段として、普及効果を上げるために携帯電話網を使用しているが、エリアによっては業務用無線や衛星通信等の通信インフラを活用できるのは言うまでもない。
特に、本システムは、既存の携帯電話網、例えば、Dopa(登録商標)通信を使用する場合には、通信可能エリアが全国の面積比率で約50%しか確保できないために、通信途絶エリアでの位置情報や荷積み、荷下ろし情報がリアルタイムで情報管理センターに届かないという問題がある。
従って、これらの情報は車載機器のうち、モバイルサーバに記憶させる機能を持たせてDopa(登録商標)の通信可能エリア内にはいった時に、記録保持をしたデータを送信する機能を有することで上記問題を解決している点が特徴である。
【0052】
これらに係わる物流は、排出事業所→中間処理業→再利用場所あるいは、排出事業所→中間処理業→中継所→中継所→再利用場所など、中継所どうしの長距離運搬には船舶や鉄道による移動が考えられる。
これらの、物の移動時の積み替え中継所等にも緯度経度で積み降ろしの適正場所としてセンターのコンピュータ側で緯度経度を基にエリアを指定して適正な物流管理を行うシステムである。
【0053】
廃棄物の指定されている建設汚泥については廃棄物処理法でマニフェスト伝票(管理票)の使用が義務づけられているが、これらの管理票と一体になったシステムは、すでに完成されているので管理票と連携するにはそのシステムを活用することが出来る。
【0054】
これらのシステムを搭載した運搬車両の管理情報をシステムネットワークセンターで集中管理し、必要な情報だけをWeb配信、またはプリントされたデータで関係者に提供するものである。
物の適正移動監視だけでなく、運行管理も兼ねたシステムを構築し。運行管理や労務管理も行えるシステムである。
これらのシステムは、すでにサービスを行っている衛星通信を使用した産業廃棄物の動態管理システム同様のサービス事業をするものである。
【0055】
実施例2
図7〜10に従って、本システムによる建設残土の廃棄の実施例について説明する。
なお、図中矢印付きの実線は輸送運搬車両の動きを、同矢印付き点線は情報の伝達を示す。
【0056】
1.《荷積み:図7》
排出事業所において運搬車両に残土等の積み込みを開始すると、携帯電話網を介して、システムネットワークセンターに荷積み開始を連絡する。
残土を積み込み終了後、運搬車両を移動することにより荷積み終了を自動検知し報告を連絡する。
連絡データは、排出事業者名、積荷内容等と共に携帯電話網を介してシステムネットワークセンターに転送される。
システムネットワークセンターは、特定された排出事業所において残土等が特定された運搬車両に荷積みされたことを確認すると共に、必要な情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0057】
2.《運搬:図8》
荷積みを終了した運搬車両は目的地(港)に向かって移動を開始する。この移動開始は車輌の移動で自動検知することができる。
GPSにより運搬車両の現在位置を確認し車載のデータ通信用携帯電話端末を用いて、システムネットワークセンターへ定周期で車輌位置を自動送信(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、運搬車両の走行状況を監視するとともに、FMSコンピュータ及びホストコンピュータに走行ルート等を記憶させる。
【0058】
3.《港での荷下ろし:図8》
荷下ろし対象の港に到着した運搬車両は、残土等の積荷を船に積み込むため荷下ろしする。
荷下ろし開始及び荷下ろし終了をシステムネットワークセンターに連絡(携帯電話網)する。
荷下ろし終了は車輌の移動で自動検知することができる。
以上の作業を終了した運搬車両は、収集運搬業者のもとに帰還し、システムネットワークセンターに運行終了連絡(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、残土等の積荷の積み替え状況を監視すると共に、積み替え情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0059】
4.《船から荷下ろし:図9》
港で荷下ろしされた残土は、船舶によって、最終処分地に近い港に運搬され、荷下ろしされる。
本発明で運搬車両に搭載した車輌搭載端末と同様の端末を、船舶に搭載することで船舶の動態についても監視することが出来る。ここで動態とは船舶の航跡・時間を監視するものである。
【0060】
5.《運搬車両への荷積み:図9》
運搬車両に荷積み開始し、荷積み連絡(携帯電話網)
荷積み終了
荷積み終了は車輌の移動で自動検知し、荷積み終了連絡(携帯電話網)する。
システムネットワークセンターは、港において残土等が特定された運搬車両に荷積みされたことを確認すると共に、必要な情報をシステムネットワークセンターのホストコンピュータに記憶させる。
【0061】
6.《運搬:図10》
残土を搭載した運搬車両は、目的の最終処分地に向かって移動するが、運搬車両の現在位置は、GPSにより測定され、システムネットワークセンターに定周期に送信される。
システムネットワークセンターは、運搬車両の走行状況を監視するとともに、FMSコンピュータ及びホストコンピュータに走行ルート等を記憶させる。
【0062】
7.《最終処分:図10》
最終処分地へ到着、荷下ろし開始する。荷下ろしが終了すると、車輌の移動で荷下ろしの終了を自動検知し、システムネットワークセンターに荷下ろしの終了を携帯電話網を介して連絡する。
以上の作業を終了した運搬車両は、収集運搬業者のもとに帰還し、システムネットワークセンターに携帯電話網を介して業務終了を通知する。
システムネットワークセンターは、残土等が指定された最終処分場に搬入され、荷下ろしされたことを確認すると共に、システムネットワークセンターのホストコンピュータに作業終了を記憶させる。
【0063】
また、上記実施例では長距離輸送に船舶を用いたが、鉄道を使用することができる。その場合、運搬車両から貨車への積み替え位置及び貨車から運搬車両への積み替え位置に関するADエリアを設定することで、上記実施例と同様に、建設残土及び汚泥及び産業廃棄物並びに汚染土壌の不法投棄を監視することができる。
【0064】
【発明の効果】
運搬車両の動態を車輌搭載端末から定期的に送信される車輌位置情報により監視することができるので、建設現場から発生する残土や産業廃棄物の不法投棄や適正なルート外での処理を防止することができる。
【0065】
既存の携帯電話網の利用及びGPSによる運搬車両の運行業況の監視により、建設残土及び汚泥及び産業廃棄物並びに汚染土壌の不法投棄を監視することが可能であり、従来のシステムに比べシステム構成が簡易になる。
【0066】
また、管理票と運搬車両の移動を一括して監視することにより、運搬車両と管理票が別々に移動するといった違法行為を未然に防ぐことができる。
【0067】
さらに、地上設置端末を設けることで、産業廃棄物が所定の場所に搬入されたことをリアルタイムに確認することができる。
【0068】
さらにまた、運搬車両のみならず船舶、鉄道における産業廃棄物の運搬を監視することで、様々な運搬方法が組み合わされる産業廃棄物処理の実情に沿った監視システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】産業廃棄物適正処理監視システムの説明図である。
【図2】産業廃棄物適正処理監視システムに係るシステムネットワークセンターの構成機器の説明図である。
【図3】産業廃棄物適正処理監視システムに係る車輌搭載機器の説明図である。
【図4】産業廃棄物適正処理監視システムに係る管理票情報のデータ項目である。
【図5】産業廃棄物適正処理監視システムに係るシステムネットワークセンターが運搬車両管理のために蓄積するデータ項目である。
【図6】産業廃棄物適正処理監視システムを利用する際の流れ図である。
【図7】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る荷積み作業の説明図である。
【図8】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る運搬・港における荷下ろしの説明図である。
【図9】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る船よりの荷下ろし・車輌への荷積みの説明図である。
【図10】産業廃棄物適正処理監視システム運行管理の実施例に係る運搬・最終処分の説明図である。
Claims (13)
- 産業廃棄物を運搬する運搬車両と、
運搬車両に搭載され、人工衛星と通信することで運搬車両の現在位置情報を取得する車両搭載端末と、
多数の運搬車両の情報を一元管理するシステムネットワークセンターと、
を備える産業廃棄物適正処理監視システムであって、
前記車両搭載端末は、その取得した情報、予め登録された運搬車両情報、及び予め登録された管理票情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信し、
前記システムネットワークセンターは、前記車両搭載端末の送信した情報を受信し、予め入力された運搬車両識別情報、管理票情報、荷積み場所情報、適正経路情報、及び荷下ろし情報と該受信情報とを比較し、運搬車両の荷積み場所、積荷の重さ、運行経路、及び/又は荷下ろし場所、及び荷下ろしされた積荷の重さが適正であるかを判定することを特徴とする産業廃棄物適正処理監視システム。 - 前記車両搭載端末は、運搬車両の積荷の重さを自動測定する自重計を備え、測定結果を記憶することを特徴とする請求項1に記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、積荷の管理票を読み取ることのできる管理票読み取り装置を備え、読み取り結果を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の車速を自動測定する車速センサーを備え、測定結果を記憶することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さ、及び車速が一定速度以上になると、荷積み開始情報及び荷積み終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、該車両搭載端末が搭載された運搬車両の積荷の重さ、及び車速が一定速度以下になると、荷下ろし開始情報及び荷下ろし終了情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、一定間隔毎に人工衛星と通信することで自車の位置情報を取得し、無線通信網を介してシステムネットワークセンターに自動送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記車両搭載端末は、該車両搭載端末の記憶した情報を無線通信網を介してシステムネットワークセンターに送信するに際し、電波状態が悪く通信が正常に行えない場合には、該送信対象情報を記憶し続け、次に電波状態が良好になった際に再送することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記システムネットワークセンターは、前記情報蓄積手段の蓄積情報を表示可能に加工する加工手段と、
前記加工手段によって加工したデータをインターネット網を介して外部運用端末から閲覧可能に表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。 - 前記システムネットワークセンターは、前記判定手段において、適正な処理が行われていないと判断された場合には、インターネット網又はFax網を介して外部運用端末に異常通知を行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
- 前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、
荷下ろし場所に設置され、積荷の管理票を読み取り記憶するとともに荷下ろし情報を記憶した地上端末、および、該読み取り情報を無線又は有線通信網を介して送信することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。 - 前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、
前記運搬車両は運搬鉄道であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。 - 前記産業廃棄物適正処理監視システムにおいて、
前記運搬車両は運搬船舶であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の産業廃棄物適正処理監視システム。
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