JP3645336B2 - 産業廃棄物処理管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃棄物処理管理システムに係り、より詳しくは、特定施設や建設現場等で発生した産業廃棄物を搬送(運搬)する搬送車の搬送ルートや廃棄物処理場への到着等を集中管理する産業廃棄物処理管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
建設現場等で発生した産業廃棄物の発生場所から廃棄物処理場までの搬送や廃棄物処理場での処理は、現状では中小規模の業者が委託を受けて実施している。
【0003】
ところが、委託を受けた業者が産業廃棄物を引き取った後、委託した会社が産業廃棄物の廃棄物処理場までの搬送や廃棄物処理場での処理等を監視する手段を有していなかったため、前記の委託を受けた業者が産業廃棄物をどこに搬出し、どこで処理を行っているのかを把握できていない、という問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、産業廃棄物処理の状態をリアルタイムで集中管理する産業廃棄物処理管理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムは、産業廃棄物を搬送する搬送車の位置を測定する測位手段と、前記測位手段が測定した位置に基づき、前記搬送車の位置が予め定められた搬送ルートから許容範囲以上ずれているか否かを監視する監視手段と、前記搬送車に積載された産業廃棄物の重量を廃棄物処理場へ到着した後に測定する重量測定手段と、前記重量測定手段が測定した重量に基づき、産業廃棄物の処理完了を確認する完了確認手段と、前記搬送車の搬送ルートに沿った通過予定時間を予めデータにより予測し、事故等による該搬送車の通過時間の異常を監視することにより、該搬送車の搬送ルートの状況を把握する時間管理手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
この請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムは、測位手段が産業廃棄物を搬送する搬送車の位置を測定すると、監視手段がこの測定された位置に基づいて、搬送車の位置が予め定められた搬送ルートから許容範囲以上ずれているか否かを監視する。この監視を実施すると、搬送車の搬送ルート及び廃棄物処理場への到着をリアルタイムで集中管理することができる。
【0008】
また、この請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムは、産業廃棄物を搬送する搬送車が最終的に廃棄物処理場へ到着した後、重量測定手段が搬送車に積載された産業廃棄物の重量を測定すると、完了確認手段がこの測定された重量に基づいて、産業廃棄物の処理完了を確認するので、廃棄物処理場での産業廃棄物の処理状況を集中管理することができる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムの時間管理手段は、搬送車の搬送ルートに沿った通過予定時間を予めデータ(例えば、過去の搬送ルートに沿った通過実績時間等の情報)により予測し、事故等による該搬送車の通過時間の異常を監視する。このように搬送車の搬送ルートに沿った通過時間の異常を監視する(即ち、搬送に関する時間管理を行う)ことにより、本来産業廃棄物の発生場所から目的地(廃棄物処理場)へ寄り道せずに搬送すべきところを、搬送車が寄り道して搬送し、途中で不正行為が行われることを確実に監視・チェックすることができる。
【0010】
なお、上記予測された通過予定時間は、その日の交通情報(例えば、交通情報センターからリアルタイムで入手可能な交通情報など)に基づいて、随時修正した方がより精度の高い搬送に関する時間管理を行うことができる。また、場合によっては渋滞を避けるべく、目的地までの時間的な最短ルートを搬送ルートとして再設定することが望ましい。このようにその日の交通情報に基づいて、臨機応変に修正・再設定を行うことにより、より精度の高い搬送に関する時間管理を実現し、搬送時間の削減を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の産業廃棄物処理管理システムの一実施形態を説明する。産業廃棄物処理管理システムの概略を図1に示す。このシステムは、各地に分散した建設作業所22で発生した産業廃棄物の一種である建設廃棄物を搬送路28を通って廃棄物処理場30へ搬送する搬送車12の搬送ルートや廃棄物処理場30での建設廃棄物の処理状況を管理センタ20に設置された管理端末10にて集中管理するシステムである。
【0012】
以下、本実施形態の産業廃棄物処理管理システムの構成を説明する。
図1に示すように、このシステム全体を管理する管理端末10とこの管理端末10に接続された外部記憶装置としての磁気ディスク装置32とが、管理センタ20に設置されている。
【0013】
図6に示すようにこの管理端末10は、パーソナルコンピュータ(パソコン)10Aと、パソコン10Aへのデータ入力等を行うキーボード10Bと、CRT等で構成された表示装置としてのディスプレー10Cと、各種情報をプリント出力するためのプリンタ10Fと、通信相手の音声やアラーム音等を出力するスピーカ10Dと、管理端末10を操作する集中管理者の音声等を入力するマイク10Eとで構成されており、キーボード10B、ディスプレー10C、スピーカ10D、及びマイク10Eは、パソコン10Aに接続されている。
【0014】
また、図1に示すように、各地に分散した建設作業所22には、各々作業所端末14が設置されており、これらの作業所端末14は無線受信装置(図示省略)を備えており、さらに電話回線24を介して管理端末10に接続される。
【0015】
このシステムは、搬送車12の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(以下、GPSと称す)を用いる。このGPSは、搬送車12が4個または3個の衛星(GPS衛星44)からの電波を受信し、これらの衛星からの距離を電波速度と電波伝搬時間とを乗算することにより測定し、これらの測定した距離の条件を満足する位置を求めることによって、自車の位置を測定するシステムであり、常時数十メートルの精度で地球上の位置を測定することができる。このGPSにより位置を測定するために、図2に示すように搬送車12には、GPS衛星44からの電波を受信するためのGPS測位アンテナ34及び受信した電波より位置を測定するための車載端末36が、搭載されている。
【0016】
また、図2に示すように搬送車12には、管理センタ20の集中管理者と搬送車12の運転手とが緊急時の連絡等を行うために、スピーカやマイク等を備えた車載端末36の他に、通信中継設備を備えた通信衛星16との送受信を行う衛星通信アンテナ42と、搬送車12と外部との通信全般を制御する通信制御装置38とが、搭載されている。
【0017】
一方、図1に示すように管理端末10は、通信衛星16との送受信を行うネットワークセンタ18に通信回線26を介して接続されている。
【0018】
また、図2に示すように建設廃棄物46を搬送する搬送車12には、積載した建設廃棄物の重量を測定するための重量センサ40が荷台の下に設けられており、この重量センサ40は車載端末36に接続されている。
【0019】
図5に示すように車載端末36は、パーソナルコンピュータ(パソコン)36Aと、パソコン36Aへのデータ入力等を行うキーボード36Bと、CRT等で構成された表示装置としてのディスプレー36Cと、異常時に管理センタへ異常を通知するための異常時ボタン36Dと、通信相手の音声やアラーム音等を出力するスピーカ36Eと、車載端末36を操作する運転手の音声等を入力するマイク36Fとで構成されており、キーボード36B、ディスプレー36C、異常時ボタン36D、スピーカ36E、及びマイク36Fは、パソコン36Aに接続されている。
【0020】
次に、本実施形態の産業廃棄物処理管理システムの作用を、車載端末36による処理の流れを示す図3、管理端末10による処理の流れを示す図4、7、8、9並びに図1、2を参照しながら説明する。
【0021】
建設作業所22で搬送車12への建設廃棄物46の積載が完了すると、重量センサ40は自動的に積載した建設廃棄物46の重量を測定する。車載端末36は、図3に示すステップ100において重量センサ40から建設廃棄物46の重量情報を取り込み、ステップ102において通信制御装置38とアンテナ42を介して無線で重量情報を作業所端末44へ送信する。尚、この時重量情報をケーブルを介して有線で送信しても良いし、フロッピーディスク等の記憶媒体を介して重量情報を受け渡しても良い。
【0022】
作業所端末44は重量情報を受信すると、この重量情報を電話回線24を介して、搬送車12のIDコードと共に管理端末10へ送信する。
【0023】
管理端末10は、図4に示すステップ200において重量情報及びIDコードを受信すると、ステップ202においてその重量情報をIDコードに対応させて磁気ディスク装置32に記録する。
【0024】
搬送車12は、重量情報を作業所端末44へ送信した後、建設作業所22を出発し、搬送路28へ入り、廃棄物処理場30へ向けて建設廃棄物46を搬送する。この搬送中、車載端末36は、ステップ104においてGPS衛星44からの信号を受信し、ステップ106において受信した信号から自車の位置を演算する。尚、ステップ104、106は本発明の測位手段に相当する。次のステップ107において、車載端末36は演算して求めた位置情報とIDコードとでマイクロ波を変調し、この変調したマイクロ波を衛星通信アンテナ42から通信衛星16へ向けて送信する。送信されたマイクロ波は、通信衛星16により中継されてネットワークセンタ18に受信され、増幅や補正等を行われた後、通信回線26を通して管理端末10により受信される(このように車載端末36と管理端末10との間で、衛星通信アンテナ42、通信衛星16、ネットワークセンタ18、及び通信回線26を経由して情報を通信する通信方法を以後「通信衛星16経由の通信方法」と称す)。
【0025】
さらに、次のステップ108では、パソコン36AのROMに予め記憶された各種搬送ルートに沿った搬送実績時間の情報に基づいて、今回の搬送ルートに沿った搬送車12の通過予定時間帯を予測し、次のステップ109では、当該予測した搬送ルートに沿った通過予定時間帯を通信衛星16経由の通信方法で送信する。
【0026】
一方、管理端末10は、ステップ204において上記のマイクロ波を受信すると、復調して搬送車12の位置情報及びIDコードを認識し、ステップ206においてその位置情報及びIDコードを、搬送ルートの地図とともにディスプレー10Cに表示し、更に磁気ディスク装置32に記録する。
【0027】
次のステップ208では、上記ステップ109で車載端末36側から送信された搬送ルートに沿った通過予定時間帯を受信する。これにより、現在の搬送車12の位置に対応する通過予定時間帯を認識することができる。次のステップ210では、現在の搬送車12の搬送状況について、通過予定時間帯に入っているか(搬送ルートに沿った通過予定時間帯通りに搬送車12は搬送しているか)否かを判定し、通過予定時間帯に入っている場合は後述するステップ222へ進む。
【0028】
一方、ステップ210で通過予定時間帯に入っていない場合は、ステップ212へ進み、交通情報センタからリアルタイムの交通情報を受信し、次のステップ214では、当該交通情報に基づいて前記搬送ルートに沿った通過予定時間帯の情報を修正する。そして、次のステップ216では、現在の搬送車12の搬送状況について、この修正された通過予定時間帯(修正時間帯)に入っているか否かを判定し、修正時間帯に入っている場合は後述するステップ222へ進み、修正時間帯に入っていない場合はステップ218へ進む。
【0029】
ステップ218では、図7に示す異常時対応処理のサブルーチンを実行する。まずステップ232では、搬送車12の位置が予め定められた搬送ルートから許容範囲以上ずれているか否かをチェックする。尚、このステップ232は本発明の監視手段に相当する。ここで、ずれていない場合は、後述するステップ236へ進み、ずれている場合はステップ234へ進む。
【0030】
ステップ234では、図8に示す搬送ルート修正処理のサブルーチンを実行する。まずステップ252では、管理端末10のディスプレー10Cに警告メッセージを表示し、スピーカ10Dよりアラーム音を鳴動させて、集中管理者に搬送ルートからずれている旨の異常事態を通知する。次のステップ254では警告メッセージを車載端末36へ通信衛星16経由の通信方法で送信し、ステップ256ではスピーカ10Dとマイク10Eとを自動的にスイッチオンにする。次のステップ258では、搬送ルートが正常ルートに戻ったか否かを判定しており、搬送ルートが正常ルートに戻るまでは上記ステップ252〜256を繰り返し実行する。
【0031】
一方、車載端末36は、図3のステップ110において、前述のステップ254で送信された警告メッセージを受信したか否かをチェックしており、受信していなければ後述するステップ116へ進み、もし受信した場合は、ステップ112へ進む。ステップ112では運転手に搬送ルートからずれている旨を警告するために、ディスプレー36Cに警告メッセージを表示し、スピーカ36Eよりアラーム音を鳴動させる。次のステップ114ではスピーカ36Eとマイク36Fとを自動的にスイッチオンにする。この時、搬送車側と管理端末側共にスピーカとマイクとがスイッチオンになり、管理センタ20の集中管理者と搬送車12の運転手とが直接会話する(双方向にメッセージを交換する)ことが可能となる。これを受けて、管理センタ20の集中管理者は搬送車12の運転手に対し搬送ルートからずれている旨を注意し、正規の搬送ルートへ戻るための道順の指示等を行う。この道順の指示等を受けた搬送車12の運転手は、その指示に従って搬送車12を正規の搬送ルートへ戻す。なお、集中管理者と運転手との会話が終了すると、両者は手動でそれぞれの側のスピーカとマイクとをオフにする。
【0032】
上記のようにして搬送車12が正規の搬送ルートへ戻ると、管理端末10側では、図8のステップ258で肯定され、次のステップ260ではディスプレー10Cへの警告メッセージの表示及びスピーカ10Dからのアラーム音の鳴動をリセット(解除)する。
【0033】
以上のようにして、図7の異常時対応処理において、搬送車12が正規の搬送ルートからずれていた場合の搬送ルートの修正を行うことができる。
【0034】
ところで、搬送中に事故や故障等の予期せぬ事態が発生した場合、搬送車12の運転手は管理センタ20の集中管理者へ異常事態の発生を伝えるために、車載端末36に備えた異常時ボタン36Dを押す。
【0035】
車載端末36は、図3におけるステップ116において異常時ボタン36Dが押されたか否かをチェックし、押されていない場合はステップ122へ進み、万一押された場合は、ステップ118へ進む。ステップ118において異常通知信号及びIDコードを、管理端末10へ通信衛星16経由の通信方法で送信した後、ステップ120においてスピーカ36Eとマイク36Fとを自動的にスイッチオンにする。
【0036】
一方、管理端末10は、図7におけるステップ236において、前述のステップ118にて車載端末36が送信した異常通知信号及びIDコードを受信したか否かをチェックする。受信していない場合は後述するステップ240へ進み、受信した場合は、ステップ238へ進む。
【0037】
ステップ238では、図9に示す異常通知対応処理のサブルーチンを実行する。まずステップ272では、管理端末10のディスプレー10Cに警告メッセージを表示し、スピーカ10Dよりアラーム音を鳴動させて、集中管理者に搬送ルートからずれている旨の異常事態を通知する。次のステップ274ではスピーカ10Dとマイク10Eとを自動的にスイッチオンにする。
【0038】
この時、搬送車側と管理端末側共にスピーカとマイクとがスイッチオンになり、管理センタ20の集中管理者と搬送車12の運転手とが直接会話する(双方向にメッセージを交換する)ことが可能となる。これを受けて、搬送車12の運転手は管理センタ20の集中管理者に発生した事故や故障等の異常事態の詳細を報告する。集中管理者は、その事態に応じた適切な指示を搬送車12の運転手に対して行ったり、エンジントラブル等の重大な故障の場合には修理車が搬送車12の現在地へ向かうよう手配したりする。軽微な故障の場合には、上記指示を受けた搬送車12の運転手は、その指示に従って故障箇所の修理を行い、修理完了後搬送車12は再始動する。なお、集中管理者と運転手との会話が終了すると、両者は手動でそれぞれの側のスピーカとマイクとをオフにする。
【0039】
管理端末10側では、図9におけるステップ276で、異常事態に関する問題が除去された又は解決手段が予約された状況となったか否かを判定しており、このステップ276で肯定判定されるまでは上記ステップ272、274を繰り返し実行する。
【0040】
前述したように、運転手によって集中管理者からの指示に沿った故障箇所の修理が行われ正常になった場合、又は集中管理者によって修理車が搬送車12の現在地へ向かうよう手配された場合などには、上記ステップ276では肯定判定され、次のステップ278ではディスプレー10Cへの警告メッセージの表示及びスピーカ10Dからのアラーム音の鳴動をリセット(解除)する。
【0041】
以上のようにして、図7の異常時対応処理において、搬送車12から異常通知信号を受信した場合の対応を適切かつ迅速に行うことができる。
【0042】
図7の異常時対応処理において次のステップ240では、目的地までの所要時間がより短い別のルートが有るか否かを交通情報に基づいて判定しており、別のルートが有る場合のみステップ242へ進み、当該別のルートを自動的に車載端末36側へ指示する。この指示を受けた車載端末36側では当該別のルートを搬送ルートとして再設定し、再設定したルートに沿って搬送する。これにより、搬送車12は、例えば渋滞等を避けて搬送することができ、搬送時間の削減を図ることができる。
【0043】
図4のメインルーチンへリターンし、次のステップ222では、搬送車12が搬送ルートの最終地点である廃棄物処理場30へ到着したか否かをチェックする。未だ到着していない場合はステップ204に戻り、到着した場合はステップ224に進む。
【0044】
一方、車載端末36では、図3における次のステップ122において廃棄物処理場30へ到着した後に重量センサ40が重量ゼロを検知したか否か(搬送車12に積載した建設廃棄物46を全て処理し終えたか否か)をチェックする。尚、このステップ122は本発明の完了確認手段に相当する。ここで、未だ重量ゼロでない場合はステップ104に戻り、重量ゼロである場合はステップ124において処理完了情報及びIDコードを管理端末10へ通信衛星16経由の通信方法で送信して、制御ルーチンを終了する。
【0045】
管理端末10は、図4のステップ224において上記処理完了情報及びIDコードを受信したか否かをチェックする。受信していない場合は所定の時間間隔でこのチェックを繰り返し、受信した場合はステップ226へ進む。ステップ226では集中管理者に処理完了の旨を通知するために、処理完了情報をディスプレー10Cに表示すると共に該処理完了情報をプリンタ10Fによってプリント出力して、制御ルーチンを終了する。
【0046】
以上の説明から明らかなように、上記の本実施形態の産業廃棄物処理管理システムは、分散して発生する建設廃棄物46の搬送車12の搬送ルートや搬送車12の廃棄物処理場30への到着、及び廃棄物処理場30での建設廃棄物46の処理状況をリアルタイムで集中管理することができる。
【0047】
また、搬送車12の運転手と管理センタ20の集中管理者との間で、搬送中の事故や故障等の緊急時の連絡や指示を行うことができる。さらに、搬送車12の位置情報及び建設廃棄物46の重量情報を、搬送車12のIDコードに対応させて磁気ディスク装置32に記録し、データ管理することにより、建設廃棄物処理の運用を定期的に見直し、改善するためにそれらのデータを役立てることができる。
【0048】
また、本実施形態では、搬送車12の搬送ルートに沿った通過予定時間を予め予測し、搬送車12の搬送ルートに沿った通過時間の異常を監視する(即ち、搬送に関する時間管理を行う)ので、搬送車12が寄り道して搬送し、途中で不正行為が行われることを確実に監視・チェックすることができる。
【0049】
更に、上記予測された通過予定時間は、その日の交通情報(例えば、交通情報センターからリアルタイムで入手可能な交通情報など)に基づいて随時修正し、修正した通過予定時間に基づいて搬送に関する時間管理を行うので、高精度の時間管理を実現することができる。
【0050】
なお、本実施形態においては、搬送車12の位置を測定する方法として、受信したGPS衛星からの信号に基づき、車載端末36が搬送車12の位置を演算する方法を採っていたが、この方法に限定することはなく、例えば、以下に述べる慣性航法システムや路車間情報システム等を採用しても良い。慣性航法システムとは、移動体に備えた直交3軸に沿って設けられた3個の加速度計により移動体の加速度ベクトルを測定し、これらの加速度ベクトルを積分して速度を求め、更に積分して変位量を求める。この変位量を既知の出発点位置に加えて、移動体の現在位置を求める方法である。また、路車間情報システムとは、道路沿いに一定間隔に設置された情報通信基地が発信している電波を移動体の車載端末が検知し、移動体の現在位置や情報センタからの経路誘導情報を車載のディスプレーに表示して、移動体の運転手が現在位置や目的地までの最短経路情報を得る方法である。
【0051】
また、本実施形態では、本発明を建設作業所22で発生した建設廃棄物46の搬送及び処理を管理するシステムに適用した例を示したが、本発明は、建設業以外にも製造業等の工場や作業所で発生した産業廃棄物の搬送及び処理を管理するシステムに適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムによれば、監視手段が搬送車の位置が予め定められた搬送ルートから許容範囲以上ずれているか否かを監視するので、搬送車の搬送ルート及び廃棄物処理場への到着をリアルタイムで集中管理することができる、という優れた効果が得られる。
【0053】
また、請求項1に記載の発明の産業廃棄物処理管理システムによれば、搬送車が廃棄物処理場へ到着した後、完了確認手段が重量測定手段により測定された搬送車の積載重量に基づいて、産業廃棄物の処理完了を確認するので、廃棄物処理場での産業廃棄物の処理状況を集中管理することができる、という優れた効果が得られる。
【0054】
また、搬送車の搬送ルートに沿った通過時間の異常を監視する(即ち、搬送に関する時間管理を行う)ことにより、本来産業廃棄物の発生場所から目的地(廃棄物処理場)へ寄り道せずに搬送すべきところを、搬送車が寄り道して搬送し、途中で不正行為が行われることを確実に監視・チェックすることができる、という優れた効果も得られる。
【0055】
更に、予測された通過予定時間は、その日の交通情報に基づいて、随時修正した方がより精度の高い搬送に関する時間管理を行うことができ、場合によっては渋滞を避けるべく、目的地までの時間的な最短ルートを搬送ルートとして再設定することにより、搬送時間の削減を図ることができる、という優れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の産業廃棄物処理管理システムの構成を示す構成図である。
【図2】搬送車に設けられた機器の配置を示す説明図である。
【図3】車載端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】管理端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】車載端末を示すブロック図である。
【図6】管理端末を示すブロック図である。
【図7】異常時対応処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】搬送ルート修正処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】異常通知対応処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 管理端末
34 GPS測位アンテナ
36 車載端末
38 通信制御装置
40 重量センサ
42 衛星通信アンテナ
Claims (2)
- 産業廃棄物を搬送する搬送車の位置を測定する測位手段と、
前記測位手段が測定した位置に基づき、前記搬送車の位置が予め定められた搬送ルートから許容範囲以上ずれているか否かを監視する監視手段と、
前記搬送車に積載された産業廃棄物の重量を廃棄物処理場へ到着した後に測定する重量測定手段と、
前記重量測定手段が測定した重量に基づき、産業廃棄物の処理完了を確認する完了確認手段と、
前記搬送車の搬送ルートに沿った通過予定時間を予めデータにより予測し、事故等による該搬送車の通過時間の異常を監視することにより、該搬送車の搬送ルートの状況を把握する時間管理手段と、
を有する産業廃棄物処理管理システム。 - 前記通過予定時間を交通情報に基づいて随時修正する手段
を更に有する請求項1記載の産業廃棄物処理管理システム。
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