以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、荷物運搬管理システム1の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1に示す荷物運搬管理システム1は、システムの運営会社10のセンタ端末11およびマッチングサーバ12と、車両監視会社としての架装メーカ(架装業者)20の車両監視端末21および車両監視サーバ22と、荷物100の引き取り(処分)を発注する第1の発注業者30の発注業者端末31と、荷物100の受け入れ(調達)を発注する第2の発注業者40の発注業者端末41と、荷物100の運搬を請け負う(受注する)運搬業者50の運搬業者端末51と、運搬業者50が運用(管理)する作業車両としてのダンプ車両Dの車両側端末61とを備えており、それぞれが通信ネットワークNにより接続されている。通信ネットワークNは、インターネット網N1と無線通信網N2とからなる。無線通信網N2は、例えば携帯電話、PHS等の通信網である。第1の発注業者30、発注業者端末31、第2の発注業者40、発注業者端末41、運搬業者50、および運搬業者端末51は、それぞれ複数設けられるが、図1ではそれぞれ1つずつ図示している。ダンプ車両D、および車両側端末61も、それぞれ複数設けられるが、図1ではそれぞれ3つずつ図示している。図1のP1はダンプ車両Dの現在位置、P2は荷物100の積み込みを行う荷積指定場所、P3は荷物100を降ろす荷降指定場所をそれぞれ例示している。荷物100は、本実施形態では、例えば建設現場の土砂とされる。
運営会社10は、第1の発注業者30と第2の発注業者40と運搬業者50とを仲介するもので、マッチングサーバ12によって、第1の発注業者30、第2の発注業者40および運搬業者50の三者の運搬希望条件に沿った荷物100の運搬をマッチングする。運営会社10は、センタ端末11およびマッチングサーバ12を有している。架装メーカ20は、シャシメーカが製造した車台に対し、荷箱73や荷箱傾動装置83等の架装物を装備することによってダンプ車両Dを製造する。架装メーカ20によって製造されたダンプ車両Dが、運搬業者50に販売(または貸し出し)される。架装メーカ20は、車両監視端末21および車両監視サーバ22を有している。センタ端末11および車両監視端末21は、例えば、運営会社10、架装メーカ20の各事務所等に備え付けられたコンピュータ端末、あるいはタブレット端末等である。センタ端末11および車両監視端末21は、それぞれ制御部、通信部、記憶部、表示部等を備えた構成になっている。マッチングサーバ12および車両監視サーバ22によって、本発明の管理サーバが構成されている。マッチングサーバ12および車両監視サーバ22は、それぞれ制御部、通信部、記憶部等を備えた構成になっている。本実施形態では、運営会社10は、架装メーカ20と異なる運営会社である。運営会社10のマッチングサーバ12は、通信ネットワークNを介して、架装メーカ20の車両監視サーバ22と情報を送受信可能となっている。マッチングサーバ12は、後述するように、車両監視サーバ22を介して車載端末62からの情報を受信する。
第1の発注業者30は、発注業者端末31を使用して、処分必要な荷物100の運搬依頼を運営会社10へ発注する。第1の発注業者30は、発注の際、荷物100の荷積指定場所P2、重量、土質等を運営会社10のマッチングサーバ12に登録する。また、第2の発注業者40は、発注業者端末41を使用して、調達が必要な荷物100の運搬依頼を運営会社10へ発注する。第2の発注業者40は、発注の際、荷物100の荷降指定場所P3、重量、土質等を運営会社10のマッチングサーバ12に登録する。ダンプ車両Dを運用する運搬業者50は、運搬業者端末51および車両側端末61を使用することによって、運営会社10のマッチングサーバ12に照会し、荷物100の運搬を請け負う。上記発注業者端末31、発注業者端末41、運搬業者端末51は、例えば、第1の発注業者30、第2の発注業者40、運搬業者50の各事務所等に備え付けられたコンピュータ端末、あるいはタブレット端末等である。各端末31,41,51は、それぞれ制御部、通信部、記憶部、表示部等を備えた構成になっている。各端末31,41,51は、通信ネットワークNを介して、運営会社10のセンタ端末11およびマッチングサーバ12へ情報を送信可能になっている。また、各端末31,41,51は、通信ネットワークNを介して、運営会社10のセンタ端末11およびマッチングサーバ12からの情報を受信可能になっている。
ダンプ車両Dは、図1、図5に示すように、運転室71と、車台フレーム72と、この車台フレーム72上に設けられた荷箱73と、車台フレーム72に対し荷箱73を上下に傾動させる荷箱傾動装置83とを備えている。荷箱73および荷箱傾動装置83は、車台フレーム72上に装備された架装物であり、動力取出装置(PTO)74によって動作される。荷箱傾動装置83は、ホイストシリンダ83aと油圧ポンプユニット83bとを備えている。油圧ポンプユニット83bは、トランスミッションTMに付設されたPTO74に、ドライブシャフト74aを介して連結されている。PTO74の切替は、運転室71内に設けられた動力切替スイッチ(PTO駆動スイッチ)74bを操作(押し操作)することによって行われる。PTO駆動スイッチ74bは車載端末62と電気的に接続されており、車載端末62は車台コントロールユニット77と電気的に接続されている。車台コントロールユニット77は、PTO駆動スイッチ74bのオン信号を受けると、エンジンEGから油圧ポンプユニット83bに駆動力を伝達するようにPTO74を接続制御する。逆に、車台コントロールユニット77は、PTO駆動スイッチ74bのオフ信号を受けると、エンジンEGからPTO74を油圧ポンプユニット83bへの駆動力を切断するようにPTO74を制御する。
PTO駆動スイッチ74bがオン操作され、PTO74が接続された状態で、運転室71内に設けられたレバー75を操作することによって、その操作力がワイヤ76を介して油圧ポンプユニット83bに設けられた油圧方向切換バルブのスプールに伝達され、荷箱傾動装置83が動作する。そして、レバー75の操作位置に応じて、荷箱73が車台フレーム72に対して上下に傾動動作し、車台フレーム72上で略水平に倒伏した倒伏位置(図1の左側のダンプ車両Dを参照)と、荷箱73が車台フレーム72上で後ろ下がり状態で起立した起立位置(図5参照)との間で荷箱73が傾動可能になっている。荷箱73を倒伏位置とすることで、荷箱73内に荷物100を積載して運搬することが可能になっている。また、荷箱73を上方に傾動させて起立位置にする傾動動作によって、荷箱73内に積載した荷物100を降ろすようになっている。
具体的には、まず、レバー75が略水平な状態の中立位置(図5に示す位置)では、荷箱73が倒伏位置に位置している。このレバー75の中立位置において、PTO駆動スイッチ74bがオン操作され、車台コントロールユニット77が、PTO駆動スイッチ74bのオン信号を受けてPTO74を接続状態にすると、エンジンEGから油圧ポンプユニット83bに駆動力が伝達されるようになる。このとき、油圧ポンプユニット83bに設けられた油圧方向切換バルブのスプールが中立位置にあるので駆動中の油圧ポンプユニット83bからホイストシリンダ83aに向けて作動油は吐出されない。このため、荷箱傾動装置83が作動せず、荷箱73の起立位置に向けての傾動動作が行われない。
一方、レバー75を中立位置から上方に持ち上げて上げ位置にすると、その操作力がワイヤ76を介して油圧ポンプユニット83bのスプールに伝達されて切り換わり、油圧ポンプユニット83bからホイストシリンダ83aに向けて作動油は吐出される。これにより、荷箱傾動装置83が作動して、荷箱73の起立位置に向けての傾動動作が行われる。また、レバー75を中立位置から下げた下げ位置にすると、その操作力がワイヤ76を介して油圧ポンプユニット83bのスプールに伝達されて切り換わり、荷箱73の倒伏位置に向けての傾動動作が行われる。
ダンプ車両Dには、荷箱73の傾動動作を規制するダンプ規制装置が備えられている。ダンプ規制装置は、ダンプ車両Dの現在位置が荷降ろし指定場所P3でない場合、PTO駆動スイッチ74bのオン操作を無効とし、車台コントロールユニット77に対してPTO駆動スイッチ74bのオン信号を出力しないように構成されている。このようなダンプ規制装置によって、ダンプ車両Dの現在位置が荷降ろし指定場所P3でない場合、レバー75を中立位置から上げ位置に操作したとしても、荷箱傾動装置83が作動せず、荷箱73の起立位置に向けての傾動動作が行われないようになっている。また、本実施形態では、ダンプ規制装置によるダンプ規制の有効または無効を切り替えることが可能になっている。例えば荷物100の運搬中のみ、ダンプ規制装置によるダンプ規制を有効とし、それ以外の場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制を無効とするようにしている。
ダンプ車両Dには、荷物100の重量を測定する車載計量装置64が備えられている。車載計量装置64は、車載端末62の制御部62aに接続されている。この車載計量装置64について、図6を参照して説明する。図6では、ダンプ車両Dの車台フレーム72に取り付けられた車載計量装置64を車両後方から見た状態を示している。
図6に示すように、ダンプ車両Dの車台フレーム72は、車両幅方向の両側でそれぞれ車両前後方向に沿って延びる左右一対の縦フレーム72a,72b、縦フレーム72a,72bを車両幅方向に繋ぐクロスメンバ72c等によって一体に形成されている。また、ダンプ車両Dでは、後輪79の車軸が、デファレンシャルキャリア80と、板ばね79aとによって車台フレーム72に懸架されている。デファレンシャルキャリア80には、後輪79にエンジンの駆動力を伝達するデファレンシャルギヤが収容されている。そして、車載計量装置64のレーザ距離計64aがデファレンシャルキャリア80の頂部80aの上方に配設されている。レーザ距離計64aは、支持部材64bによってクロスメンバ72cに取り付けられている。レーザ距離計64aは、下方に向けてレーザを照射するようになっており、レーザ距離計64aとデファレンシャルキャリア80の頂部との間の距離L1を測定できるようになっている。
ダンプ車両Dの荷箱73に荷物100が積み込まれると、荷物100の重量に応じて車台フレーム72が下降し、後輪79の車軸と車台フレーム72との距離が小さくなり、車載計量装置64のレーザ距離計64aとデファレンシャルキャリア80の頂部80aとの距離L1が小さくなる。荷箱73に積み込む荷物100の重量と距離L1との相関データを予め作成しておくことによって、制御部62aがその相関データを参照して距離L1から荷箱73に積み込まれた荷物100の重量を算出することができる。また、制御部62aは、荷物100の積み込みの際、重量増加により満載になったかどうかや過積載になったかどうかについても、距離L1が所定の最小値以下になったかどうかに基づいて検知することができる。
一方、ダンプ車両Dの荷箱73に荷物100を積載した状態で、上述した荷箱73の傾動動作を行うと、荷物100が降ろされるにしたがって車台フレーム72が上昇する。そして、荷物100を降ろす際、距離L1が所定の最大値以上になったかどうかに基づいて、荷物100が全て降ろされたかどうかを検知することができる。
また、ダンプ車両Dには、荷箱73の傾動角度(ダンプ角度)を検知するダンプ角度検知装置65が備えられている。本実施形態では、ダンプ角度検知装置65によって、荷物100が降ろされたことを検知する荷降ろし検知装置が構成されている。ダンプ角度検知装置65は、車載端末62の制御部62aに接続されている。このダンプ角度検知装置65について、図7、図8を参照して説明する。図7では、車台フレーム72と荷箱73との間に介在されるヒンジブラケット81に設けられたダンプ角度検知装置65を車両側方から見た状態を示している。
図7、図8に示すように、略逆三角形状に形成されたヒンジブラケット81を介して、車台フレーム72の後端部と、荷箱73の下端部とが連結されている。ヒンジブラケット81の上部が、荷箱73の下端部に固定されており、ヒンジブラケット81の下端部に、回動軸82を挿通させるヒンジ孔81aが形成されている。回動軸82は、車台フレーム72の後端部に形成された貫通孔にも挿通されている。これにより、ヒンジブラケット81が車台フレーム72に回動自在に取り付けられ、荷箱73が回動軸82中心に傾動可能になっている。なお、ヒンジブラケット81には、補強用の複数の凹凸部が設けられている。このうち、凹凸部81bは、ヒンジブラケット81の車両幅方向の内側の面に形成されており、ヒンジブラケット81の回動軸82の半径方向に延びるように形成されている。
ダンプ角度検知装置65は、ヒンジブラケット81の凹凸部81bに対向して配設されている。ダンプ角度検知装置65として、ヒンジブラケット81の凹凸部81bとの距離の変化を非接触で検知する近接センサが用いられている。このダンプ角度検知装置65は、ヒンジブラケット81よりも車両幅方向の内側に位置するように、車台フレーム72の後端部にブラケット72dを介して取り付けられている。なお、ダンプ角度検知装置65の車両前後方向の位置は、ボルト72gを緩めて長孔72fに沿ってブラケット72dを移動させることによって調整可能となっている。
ダンプ角度検知装置65は、角柱状の検知部65aを有しており、この検知部65aがブラケット72dの垂直部分72eに固定されている。検知部65aの検知面65b(図8参照)が、荷箱73が上述した倒伏位置にある状態で、鉛直方向に延びる凹凸部81bの平底部81c(図8参照)と対向するようになっている。ダンプ角度検知装置65は、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2に基づいて、荷箱73のダンプ角度を検知するようになっている。つまり、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2がダンプ角度情報として、ダンプ角度検知装置65から車載端末62の制御部62aへ出力されるようになっている。
具体的には、図7の状態から、荷箱73を起立位置に向けて後方に傾動させると、図9に示すように、例えば10°付近で検知部65aの検知面65bが凹凸部81bの傾斜面81d(図8参照)に対向するようになる。図9の状態では、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2が、図7の状態よりも小さくなる。図9の状態から、荷箱73を起立位置に向けてさらに後方に傾動させると、例えば40°付近で検知部65aの検知面65bが、凹凸部81bの外側の平面部81e(図8参照)に対向するようになる。この状態では、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2が、図9の状態よりも小さくなる。なお、検知部65aの検知面65bが平面部81eに一旦対向するようになると、荷箱73が最大のダンプ角度になるまで、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2が変化しないように設定されている。
また、ダンプ車両Dは、図1に示すように、それぞれの車両ごとに設けられる車両側端末61を備えている。車両側端末61は、運転室71内に備え付けられる車載端末62を有している。車載端末62は、運搬業者50が所有するとともに携帯可能な携帯端末63と通信可能に設けられている。車載端末62は、ダンプ車両Dの製造時または製造後の改造時に、架装メーカ20によって運転室71内に取り付けられる。車載端末62は、制御部62aを有しており、制御部62aは、上述した車載計量装置64、ダンプ角度検知装置65、および上述したダンプ規制装置に電気的に接続されている。制御部62aは、ダンプ規制装置への通電のオンオフ制御を行う。制御部62aは、車載計量装置64からの計量情報およびダンプ角度検知装置65からのダンプ角度情報を取得可能になっている。
車両側端末61は、自車の位置情報を取得可能な位置情報取得部を有しており、ダンプ車両Dの位置情報は、例えば図示しないGPS衛星からの電波を位置情報取得部によって受信することにより取得することが可能になっている。車両側端末61は、管理サーバと通信可能な移動通信部を有している。本実施形態では、車両側端末61の移動通信部は、車載端末62に設けられた第1移動通信部と、携帯端末63に設けられた第2移動通信部とからなる。また、車両側端末61の位置情報取得部は、車載端末62に設けられた第1位置情報取得部と、携帯端末63に設けられた第2位置情報取得部とからなる。車載端末62は、例えば、上述した制御部62a、第1移動通信部、第1位置情報取得部、記憶部、表示部等を備えた構成になっている。携帯端末63は、例えばスマートフォン端末や、タブレット端末等であり、上述した第2移動通信部、第2位置情報取得部、制御部、記憶部、表示部等を備えた構成になっている。
車載端末62は、第1移動通信部により、通信ネットワークNを介して架装メーカ20の車両監視サーバ22に対し直接的に情報を送受信可能になっている。一方、本実施形態における車載端末62は、運営会社10のセンタ端末11およびマッチングサーバ12、第1の発注業者30の発注業者端末31、第2の発注業者40の発注業者端末41、運搬業者50の運搬業者端末51および携帯端末63に対しては、直接的に情報を送受信することがない。これは、架装メーカ20が、運営会社10、第1の発注業者30、第2の発注業者40、運搬業者50と距離を置き、公正な立場で、ダンプ車両Dが指定場所で荷物100の積み降ろしを行ったことの証明サービスを行うためである。そのため、車載端末62は、独自にダンプ車両Dの位置情報を取得でき、独自に通信が可能となっている。
また、車載端末62は、ダンプ車両Dが荷物100の積み込みや降ろしを行うときと、メンテナンスのために稼働データが必要なときと、ダンプ車両Dにトラブルが発生したときのみ、架装メーカ20の車両監視サーバ22と情報を送受信するようになっている。すなわち、車載端末62は、ダンプ車両Dの移動中、現在位置を車両監視サーバ22に送信し続けるようなことがない。これにより、車載端末62の通信量を抑制し、通信コストの低減を図っている。
携帯端末63は、通信ネットワークNを介して、運営会社10のセンタ端末11およびマッチングサーバ12へ情報を送受信可能になっている。携帯端末63は、ダンプ車両Dの移動中、所定時間ごとに、第2移動通信部によって第2位置情報取得部から取得した位置情報をマッチングサーバ12に送信する。
次に、荷物運搬管理システム1において実行されるマッチング制御について、図2~図4を参照して説明する。図2~図4では、便宜上、図2に示す運搬業者50およびダンプ車両D側で行われる制御と、図3に示す管理サーバのマッチングサーバ12側で行われる制御と、図4に示す管理サーバの車両監視サーバ22側で行われる制御とに分けて示している。
まず、ダンプ車両Dの車両側端末61によって、マッチングサーバ12への問合せが行われる(図2のステップS1)。このステップS1の問合せは、ダンプ車両Dの運転者である運搬業者50が、携帯端末63を操作することによって行うことが可能である。具体的には、ステップS1の問合せは、ダンプ車両Dの車両ID、現在位置P1の位置情報、運搬希望条件の情報(例えば運搬可能な荷物100の重量、荷物100の積み込みと降ろしを行う希望地域、荷物100の希望運搬料等)をマッチングサーバ12へ送信する。
ステップS1の問合せにより、マッチングサーバ12によってマッチング処理が行われる(図3のステップT1)。このステップT1のマッチング処理では、マッチングサーバ12は、処分必要な荷物100に関する複数の第1の発注業者30からの運搬依頼と、調達必要な荷物100に関する複数の第2の発注業者40からの運搬依頼とを組み合わせて、運搬業者50の運搬希望条件に概ね合う案件を運搬業者50に複数提示する。この場合、例えば複数の案件のリストを運搬業者50の携帯端末63の表示部に表示させる。ただし、マッチングサーバ12は、第1の発注業者30の運搬依頼と、第2の発注業者40の運搬依頼との組み合わせに適切なものがなければ、第1の発注業者30と第2の発注業者40のどちらか一方の運搬依頼のうち、運搬業者50の運搬希望条件に少しでも近いものを代りに複数提示する。ここで、マッチング処理により検討される第1の発注業者30の運搬依頼には、荷物100の荷積指定場所(荷物100の保管場所)P2の位置情報、運搬希望条件の情報(例えば荷物100の重量、荷物100の希望運搬料等)が含まれている。また、第2の発注業者40の運搬依頼には、荷物100の荷降指定場所P3の位置情報、運搬希望条件の情報(例えば荷物100の重量、荷物100の希望運搬料等)が含まれている。
運搬業者50は、携帯端末63によってマッチングサーバ12から提示された複数の案件から好みのものを選択し、その選択結果がマッチングサーバ12に送信される(図2のステップS2)。
マッチングサーバ12は、運搬業者50の携帯端末63から選択結果を受信すると、運搬業者50の荷物100の運搬内容を確定する。そして、マッチングサーバ12は、第1の発注業者30の発注業者端末31および第2の発注業者40の発注業者端末41に確定した運搬内容の情報(運搬業者50の名称、ダンプ車両Dの車両ID、ダンプ車両Dの現在位置P1の位置情報、第1の発注業者30と第2の発注業者40の名称、希望運搬料等)を送信する(図3のステップT2)。
次に、マッチングサーバ12によって、該当する車両IDのダンプ車両Dの携帯端末63へ運搬指示が送信される(図3のステップT3)。このステップT3の運搬指示は、ステップT2で確定した荷物100の運搬内容の情報に基づいて行われ、この運搬指示には、例えば荷物100の重量の情報、荷積指定場所P2の位置情報、荷降指定場所P3の位置情報等が含まれる。
ステップT3の運搬指示を携帯端末63が受信すると、運搬業者50は、携帯端末63を操作して、マッチングサーバ12へ作業開始の情報を送信する(図2のステップS3)。
マッチングサーバ12は、ステップS3で送信された作業開始の情報を受信すると、その作業開始の情報を第1の発注業者30の発注業者端末31および第2の発注業者40の発注業者端末41へ送信する(図3のステップT4)。これにより、マッチングサーバ12は、第1の発注業者30および第2の発注業者40に対し、運搬業者50の行動をリアルタイムで監視するための契機を与えることができる。
そして、運搬業者50は、ダンプ車両Dを運転し、現在位置P1から荷積指定場所P2への移動を開始する(図2のステップS4)。荷積指定場所P2への移動中、携帯端末63からダンプ車両Dの位置情報が所定時間ごとにマッチングサーバ12へ送信される(図2のステップS5)。
このステップS5で送信されたダンプ車両Dの位置情報に基づいて、マッチングサーバ12は、ダンプ車両Dの移動を監視する(図3のステップT5)。なお、第1の発注業者30(第2の発注業者40)も、マッチングサーバ12へ問合わせることによって、移動中のダンプ車両Dの位置情報を発注業者端末31(発注業者端末41)から確認可能になっている。
次に、ダンプ車両Dが荷積指定場所P2へ到着すると、運搬業者50により、ダンプ車両Dの荷箱73への荷物100の積み込みが開始される(図2のステップS6)。このステップS6の荷物100の積み込みの際、車載端末62の制御部62aにより、ダンプ車両Dの荷箱73の重量増加が検知されると、車載計量装置64は、荷物100の現在重量を車載端末62の表示部に表示する。運搬業者50は、車載端末62の表示部を参照しながら、第1の発注業者30が依頼した重量分だけ荷物100を積み込む。
積み込みが完了すると、運搬業者50は、携帯端末63を操作して、該当車両IDのダンプ車両Dが荷積指定場所P2で積み込みが完了したという積込完了情報をマッチングサーバ12へ送信する(図2のステップS7)。
マッチングサーバ12は、この積込完了情報を運搬業者50の携帯端末63から受信すると、同じ情報を車両監視サーバ22に送信する(図3のステップT6)。すると、車両監視サーバ22は、該当車両IDのダンプ車両Dにおける車載端末62に問合せ信号を送信する(図4のステップU1)。
問合せ信号を受信した車載端末62の制御部62aは、現在の計量情報と、現在のダンプ車両Dの位置情報とを車両監視サーバ22へ送信する(図2のステップS8)。車両監視サーバ22は、受信した該当車両IDのダンプ車両Dの現在の計量情報と位置情報をマッチングサーバ12へ送信する(図4のステップU2)。
マッチングサーバ12は、車両監視サーバ22から受信した該当車両IDのダンプ車両Dの現在の計量情報と位置情報を受信する(図3のステップT7)。そして、マッチングサーバ12は、ステップT7で受信したそれらの情報を使用して、第1の発注業者30が依頼した重量分だけ、荷物100が荷積指定場所P2で正しく積み込まれたかどうかの判定を行う(図3のステップT8)。
ここで、例えば該当車両IDのダンプ車両Dと遠く離れたところから運搬業者50が携帯端末63で積込完了情報を送信していたとすれば、携帯端末63からの位置情報とダンプ車両Dの車載端末62からの位置情報が一致しない。このような場合には、マッチングサーバ12は、運搬業者50の携帯端末63、第1の発注業者30の発注業者端末31、および第2の発注業者40の発注業者端末41に対してエラー情報を送信する(図3のステップT9)。このエラー情報が携帯端末63で受信された場合、このエラーを解除するため、運搬業者50は、正しい積み込み作業を行って再度、積込完了情報をマッチングサーバ12に送信する必要がある(図2のステップS9)。
一方、ステップT8において、マッチングサーバ12が荷物100が正しく積み込まれたと判断すれば、マッチングサーバ12は、車両監視サーバ22、携帯端末63、発注業者端末31、および発注業者端末41に対して積み込み承認の信号を送信する(図3のステップT10)。また、この際、マッチングサーバ12は、車両監視サーバ22に対して、荷降指定場所P3の位置情報を送信する。
車両監視サーバ22は、マッチングサーバ12から積み込み承認の信号と荷降指定場所P3の位置情報を受信する(図4のステップU3)。これにより、車両監視サーバ22は、該当車両IDのダンプ車両Dが、次に荷降指定場所P3に向かうことを認識できる。そして、車両監視サーバ22は、荷降指定場所P3の位置情報をダンプ車両Dの車載端末62へ送信し(図4のステップU4)、車載端末62は、その位置情報を記憶部に保持し(図2のステップS10)、上述したダンプ規制装置によるダンプ規制を有効に設定する(図2のステップS11)。つまり、車載端末62は、荷物100の積込みが適切に行われた後、ダンプ規制装置によるダンプ規制を有効に設定している。このステップS11によって、ステップS14~S16のダンプ規制装置によるダンプ規制が実行可能になる。
次に、携帯端末63で積み込み承認を確認した運搬業者50は、ダンプ車両Dを運転し、現在位置の荷積指定場所P2から荷降指定場所P3への移動を開始する(図2のステップS12)。荷降指定場所P3への移動中、携帯端末63からダンプ車両Dの位置情報が所定時間ごとにマッチングサーバ12へ送信される(図2のステップS13)。このステップS13で送信されたダンプ車両Dの位置情報に基づいて、マッチングサーバ12は、ダンプ車両Dの移動を監視する(図3のステップT11)。なお、第1の発注業者30(第2の発注業者40)も、マッチングサーバ12へ問合わせることによって、移動中のダンプ車両Dの位置情報を発注業者端末31(発注業者端末41)から確認可能になっている。
次に、ダンプ車両Dが荷物100の荷降指定場所P3へ到着した後、運搬業者50は、PTO駆動スイッチ74bをオンにする(図2のステップS14)。この際、車載端末62の制御部62aは、第1位置情報取得部から得られた現在のダンプ車両Dの位置情報と、記憶部に保存された荷降指定場所P3の位置情報とが一致しているか否かを確認する(図2のステップS15)。そして、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが異なる場合には、制御部62aによって、ダンプ規制装置によるダンプ規制が実行される(図2のステップS16)。
ステップS16のダンプ規制装置によるダンプ規制によって、ダンプ車両Dの現在位置が荷降ろし指定場所P3と異なる場合、PTO駆動スイッチ74bがオンになっていても、PTO74が接続状態にされず、荷箱73の傾動動作が行えなくなる。つまり、レバー75を中立位置から上げ位置に操作したとしても、荷箱傾動装置83が作動せず、荷箱73の起立位置に向けての傾動動作が行われないようになる。この際、制御部62aは、ダンプ規制を行ったことに対応するダンプ規制情報を車両監視サーバ22へ送信する。
車両監視サーバ22は、このダンプ規制情報に基づいてダンプ規制装置によるダンプ規制が行われたことを認識し、この認識した情報をマッチングサーバ12に送信する(ステップU5)。
一方、ステップS15において、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致している場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制が行われず、次のステップS17へ進む。
なお、ステップS16のダンプ規制装置によるダンプ規制の後、ダンプ車両Dを移動し、再度、PTO駆動スイッチ74bを操作することによって、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致していると確認された場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制が解除され、ステップS17へ進む。ダンプ規制装置によるダンプ規制が解除されることで、PTO駆動スイッチ74bの操作によってPTO74が接続状態にされ、荷箱傾動装置83による荷箱73の傾動動作が可能になる。
ステップS15の判定で現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致していると確認された場合、運搬業者50は、ダンプ規制装置のダンプ規制による干渉を受けることない。そこで、運搬業者50は、レバー75を中立位置から上げ位置に操作する。すると、ダンプ車両Dの荷箱73から荷物100を降ろすための荷箱73の傾動動作が行われる(図2のステップS17)。
このステップS17の傾動動作の際、車載端末62の制御部62aは、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知されたか否かを判定する(図2のステップS18)。この判定は、車載計量装置64の出力値に基づいて行われる。この場合、車載計量装置64のレーザ距離計64aで検出される距離L1が所定の最大値以上になったかどうかで荷物100が降ろされたか否かを判定することが可能である。車載計量装置64のレーザ距離計64aで検出される距離L1が所定の最大値以上になるまで、繰り返しステップS18の判定を行う。
また、ステップS17の傾動動作の際、車載端末62の制御部62aは、ダンプ車両Dの荷箱73の傾動角度(ダンプ角度)が所定値以上になったか否かを判定する(図2のステップS19)。この判定は、ダンプ角度検知装置65から出力されるダンプ角度情報に基づいて行うことが可能である。上述したように、ダンプ角度検知装置65は、検知部65aの検知面65bとヒンジブラケット81との距離L2に基づいて、荷箱73のダンプ角度を検知するようになっており、この距離L2がダンプ角度情報として、ダンプ角度検知装置65から車載端末62の制御部62aへ出力される。この判定では、距離L2が、検知部65aの検知面65bが凹凸部81bの外側の平面部81eに対向するときの値になった場合に、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったと判定することが可能である。一方、距離L2が、検知部65aの検知面65bが凹凸部81bの外側の平面部81eに対向するときの値よりも大きい場合には、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になっていないと判定することが可能である。この場合、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったと判定されるまで、繰り返しステップS18、S19の判定を行う。
ステップS18、S19の判定により、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知され、且つダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったと判定された場合、車載端末62の制御部62aは、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったことに対応するダンプ角度情報と、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知されたことに対応する計量情報と、現在のダンプ車両Dの位置情報(第1位置情報取得部で取得)とを車両監視サーバ22へ送信し(図2のステップS20)、上述したダンプ規制装置によるダンプ規制を無効に設定する(図2のステップS21)。つまり、車載端末62は、荷物100を運搬して荷降ろしが適切に行われた後、ダンプ規制装置によるダンプ規制を無効に設定している。また、携帯端末63は、荷箱73の傾動動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報(第2位置情報取得部で取得)をマッチングサーバ12へ送信し、車両監視サーバ22はそれらの情報を取得する(図2のステップS22、図4のステップU6)。
そして、ステップU6で取得したダンプ車両Dの位置情報と、ダンプ角度情報と、計量情報とに基づいて、車両監視サーバ22は、予め指定された荷降指定場所P3で荷箱73の荷物100が全て降ろされたか否かを認識し(図4のステップU7)、荷降指定場所P3で荷物100が全て降ろされたか否かに対応する荷降ろし情報を送信する。具体的には、車両監視サーバ22は、荷物100が全て降ろされた場合に、合格の荷降ろし情報をマッチングサーバ12へ送信する(図4のステップU8)。また、車両監視サーバ22は、荷物100が全て降ろされなかった場合に、不合格の荷降ろし情報をマッチングサーバ12へ送信する(図4のステップU9)。
なお、予め指定された荷降指定場所P3以外の場所でダンプ車両Dが荷箱73の傾動動作を行うことは上述のステップS16のダンプ規制で既に規制されているが、ステップU7では、計量情報も考慮に入れていることにより、荷降指定場所P3で荷物100が確実に全て降ろされたことが認識できるようになっている。
次に、マッチングサーバ12は、車両監視サーバ22から送信された荷降ろし情報を取得し(図3のステップT12)、さらに、ダンプ車両Dの携帯端末63から送信された荷箱73の傾動動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報を取得する(図3のステップT13)。そして、マッチングサーバ12は、ステップT12、T13で取得した荷降ろし情報と、携帯端末63の位置情報とに基づいて、予め指定された荷降指定場所P3で降ろし動作が運搬業者50により適切に行われたか否かを判定する(図3のステップT14)。ここで、荷降ろし情報の中には、ダンプ車両Dが荷降指定場所P3で降ろし動作を行ったかどうかの観点が既に入っているにも関らず携帯端末63の位置情報も考慮するのは、ダンプ車両Dが降ろし動作を行ったときに、携帯端末63を所有している運搬業者50がダンプ車両Dに乗車していたことを確認するためである。
ステップT14において、荷降指定場所P3で荷物100を降ろすための動作が運搬業者50により適切に行われたと判定した場合には、マッチングサーバ12は、運搬料の支払いの決済を実行し(図3のステップT15)、荷物100の運搬が適切に行われ、運搬料の決済が完了したことを第1の発注業者30、第2の発注業者40、および運搬業者50の各端末31,41,51,63へ送信する(図3のステップT16)。これにより、第1の発注業者30、第2の発注業者40は、マッチングサーバ12から送信された情報を受信することによって、荷物100の運搬が適切に行われたこと、および運搬料の決済が完了したことを認識する。同様に、運搬業者50は、携帯端末63によってマッチングサーバ12から送信された情報を受信することによって(図2のステップS23)、運搬料の決済が完了したことを認識する。
上述したように、本実施形態では、ダンプ車両D(作業車両)の携帯端末63から送信された降ろし動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報、およびダンプ角度検知装置65のダンプ角度情報に対応する荷降ろし情報に基づいて、予め指定された荷降指定場所P3で荷物100が適切に降ろされたか否かを判定している。そして、荷降指定場所P3で荷物100が適切に降ろされたと判定したことを運搬料の支払いの決済条件に含めている。したがって、運搬料の支払いに際し、荷物100を降ろすための動作(荷箱73の傾動動作)を行った際のダンプ車両Dの位置情報、およびダンプ角度検知装置65のダンプ角度情報に対応する荷降ろし情報に基づいて、荷降指定場所P3で荷物100が適切に降ろされたか否かを精度よく判定することができ、この判定に基づいて運搬料の支払いの決済を速やかに完了させることができる。つまり、ダンプ車両Dの位置情報を取得してダンプ車両Dの移動を監視するだけでは、ダンプ車両Dが荷降指定場所P3へ到着したことは確認できるが、その荷降指定場所P3で降ろし動作を行ったか否かは確認できなかった。これに対し、本実施形態によれば、ダンプ車両Dの位置情報に加えて、ダンプ角度情報も取得されるので、予め指定された荷降指定場所P3で降ろし動作を行ったか否かを正確に判定することができる。
また、第1の発注業者30の荷物発生場所(荷積指定場所P2)から第2の発注業者40の荷物調達場所(荷降指定場所P3)までのダンプ車両Dによる荷物100の運搬中に、荷物100の入れ替えや増減が行われていないかどうかを管理サーバ(マッチングサーバ12および車両監視サーバ22)で認識することができる。これにより、管理サーバは、第1の発注業者30および第2の発注業者40に対して荷物100の運搬前後で荷物100が変化していないことを証明することができるので、第1の発注業者30および第2の発注業者40にとっては、運搬業者50の不正がないことを前提に運搬業者50に荷物100の運搬業務を委託することができ、安心感が得られる。したがって、荷物運搬管理システム1の信頼性を高めることができ、第1の発注業者30および第2の発注業者40によるシステム利用を促進することができる。
また、荷降指定場所P3で荷物100が降ろされたと判定したことを運搬料の支払いの決済条件に含めるように構成されているので、運搬業者50の不正が行われた場合には運搬料が運搬業者50に支払われないこととなり、第1の発注業者30および第2の発注業者40にとっては無駄な出費を防ぐことができる。さらに、運搬業者50にとっては、荷降指定場所P3で荷物100を正しく降ろさないと運搬料が支払われないので、荷物100の運搬を正しく行おうというインセンティブを運搬業者50に与えることができる。
また、ダンプ車両Dは、荷箱傾動装置83を備え、荷降ろし検知装置は、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度を検知するダンプ角度検知装置65として構成されている。これは、荷降ろしが行われる際には必ず所定のダンプ角度まで荷箱73の傾動が行われるという事実に着目したものである。このダンプ角度の検知は剛体で形状変化が小さい荷箱73の傾動に対して行うので、荷降ろし情報の取得が、積載状況に応じて形状変化が大きい荷物100そのものの動きに着目する場合よりも容易である。これにより、ダンプ車両Dの荷降ろし情報を容易に得ること可能な荷物運搬管理システム1を実現することができる。
また、本実施形態では、予め指定された荷降指定場所P3以外でPTO駆動スイッチ74bがオンになった場合に、ダンプ規制装置によるダンプ規制が行われるので、荷降指定場所P3以外では荷物100が降ろされないようにすることができ、荷降指定場所P3における荷降ろしのための動作を確実に行わせることができる。その結果、第1の発注業者30および第2の発注業者40は、不正がないことを前提に運搬業者50に荷物100の運搬業務を委託することができ、安心感が得られる。したがって、荷物運搬管理システム1の信頼性を高めることができ、第1の発注業者30および第2の発注業者40によるシステム利用を促進することができる。
また、ダンプ規制装置によるダンプ規制が、荷物100の運搬中、つまり、荷物100の運搬開始から運搬完了までの間、有効とされ、それ以外の場合、無効とされている。これにより、メンテナンス等、荷降ろし以外で荷箱73を傾動させる際に荷降ろし検知装置が反応して不要なダンプ規制がかかることを抑制できる。例えばダンプ車両Dではメンテナンスの際に荷箱73を傾動させることあり、荷降ろし検知装置としてのダンプ角度検知装置65が荷降指定場所P3以外で反応することがあるので、ダンプ規制装置によるダンプ規制を荷物100の運搬中のみに制限することにより、メンテナンス等で望まない荷降ろし規制がかかることを抑制できる。
また、本実施形態では、上述したダンプ角度情報に加えて、車載計量装置64の計量情報に基づいて、荷物100を降ろすための動作を行ったか否かを判定するので、より正確に荷降ろしが完了したか否かを判定することができる。より具体的に説明する。例えば、荷降ろし検知装置としてダンプ角度検知装置65を使用し、荷降ろし情報としてダンプ角度情報を使用する場合、荷箱73を傾動させても何らかの原因(こびりつく、ひっかかる等)で荷物100が荷箱73に残ってしまっていると、実際には荷降ろしが完了していないのにも関わらず、管理サーバ(マッチングサーバ12および車両監視サーバ22)では荷降ろし完了したと誤って認識される恐れがある。しかし、本実施形態のように車載計量装置64の計量情報を利用すれば、荷物100がなくなった分だけ軽くなるように車載計量装置64の値が変化するので、この変化によって荷降ろしが完了したかどうかを判定できる。このため、位置情報、荷降ろし情報、計量情報の3種類の情報を利用すると、より正確に荷降ろしが完了したか否かを判定することができるようになる。また、車載計量装置64を備えていることにより、荷積みの際にどれだけの量の荷物100を積み込んだかも正確に算出することができるようになるので、積載量に応じた運搬料の算出を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、管理サーバがマッチングサーバ12および車両監視サーバ22によって構成されており、車両監視サーバ22では、車載端末62の制御部62aから送信されたダンプ車両Dの位置情報(第1位置情報取得部から取得)とダンプ角度検知装置65のダンプ角度情報に対応する荷降ろし情報が受信される。また、マッチングサーバ12では、携帯端末63から送信された荷物100を降ろすための動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報(第2位置情報取得部から取得)が受信され、予め指定された荷降指定場所P3で荷物100が降ろされたか否かが判定され、さらに、運搬料の支払いの決済が行われるようになっている。これにより、マッチングサーバ12の運営を他の運営会社に任せる一方、架装メーカ20は、ダンプ車両Dの製造販売だけでなく、荷物運搬管理システム1において独自にダンプ車両Dの位置情報と荷降ろし情報とを収集し、マッチングサーバ12に提供することができる。架装メーカ20は、システムを利用する第1の発注業者30や第2の発注業者40、運搬業者50と利害関係がないので、公正な立場で、荷降指定場所P3でダンプ車両Dから荷物100を降ろしたことの証明サービスを行うことができる。その結果、第1の発注業者30および第2の発注業者40は、不正がないことを前提に運搬業者50に荷物100の運搬業務を委託することができ、安心感が得られる。したがって、荷物運搬管理システム1の信頼性を高めることができ、第1の発注業者30および第2の発注業者40によるシステム利用を促進することができる。
今回、開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
上記実施形態では、車載端末62が第1移動通信部と第1位置情報取得部を有するとともに、携帯端末63が第2移動通信部と第2位置情報取得部を有していたが、これに限らず、車載端末62が第1移動通信部と第1位置情報取得部を有さないようにしてもよい。この場合、ダンプ車両Dの車両側端末61の車載端末62と、携帯端末63とが、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)のClass2等の約10m程度の小さい通信領域に限定される通信方式)を用いてペアリング(1対1対応で無線接続)されるのが好ましい。これにより、運搬業者50にとっては自由に持ち運べる携帯端末63から管理サーバに対して問合せができるので、利便性が向上する。また、携帯端末63として例えばスマートフォン端末を採用すれば、車両側端末61からシステムに送信する位置情報について、携帯端末63が有するGPS受信機(位置情報取得部)で取得した位置情報を活用できる。一方、運搬業者50は荷降ろし検知装置と相互認証で無線接続された車載端末62(車両)から大きく離れることができない。したがって、携帯端末63および車載端末62から管理サーバに向けて発信される位置情報と荷降ろし情報との紐付けが明確になり、運搬業者50が車両の近くで荷降ろしのための動作を行ったということが証明できることになる。その結果、第1の発注業者30および第2の発注業者40は、不正がないことを前提に運搬業者50に荷物100の運搬業務を委託することができ、安心感が得られる。したがって、荷物運搬管理システム1の信頼性を高めることができ、第1の発注業者30および第2の発注業者40によるシステム利用を促進することができる。
上記実施形態では、管理サーバがマッチングサーバ12および車両監視サーバ22によって構成されたが、これに限らず、マッチングサーバ12のみによって管理サーバを構成するようにしてもよい。これを第2の実施形態として説明する。この第2の実施形態の構成では、荷物運搬管理システム1において実行されるマッチング制御は、例えば図10、図11のフローチャートに示すような手順で行われる。図10、図11では、便宜上、図10に示す運搬業者50およびダンプ車両D側で行われる制御と、図11に示す管理サーバ(マッチングサーバ12)側で行われる制御に分けて示している。また、以下の第2の実施形態では、ダンプ車両Dの車両側端末61の車載端末62と携帯端末63とが、近距離無線通信によってペアリング(1対1対応で無線接続)される場合について説明する。なお、上記実施形態のフローチャート(図2~図4参照)と異なるステップについて主に説明し、同様のステップについては詳細な説明を省略する。
まず、運搬業者50は、ダンプ車両Dに乗車し、車両側端末61の車載端末62と、携帯端末63とを操作して、車載端末62と携帯端末63とを近距離無線通信を用いてペアリングさせる(図10のステップS31)。この場合、車載端末62と携帯端末63との距離が、近距離無線通信による通信可能距離(例えば10m)以内の場合には、車載端末62と携帯端末63とがペアリングされる。ただし、車載端末62と携帯端末63との距離が、上記通信可能距離を超えた場合には、車載端末62と携帯端末63とのペアリングが解除される。
車載端末62と携帯端末63とのペアリングが完了した後、運搬業者50は、携帯端末63を操作して、マッチングサーバ12への問合せを行う(図10のステップS32)。このステップS32は、上記実施形態のステップS1(図2参照)と同様である。
ステップS32の問合せにより、マッチングサーバ12によってマッチング処理が行われる(図11のステップT31)。このステップT31は、上記実施形態のステップT1(図3参照)と同様である。
運搬業者50は、携帯端末63を操作して、マッチングサーバ12から提示された複数の案件から好みのものを選択し、その選択結果をマッチングサーバ12に送信する(図10のステップS33)。このステップS33は、上記実施形態のステップS2(図2参照)と同様である。
マッチングサーバ12は、運搬業者50の携帯端末63から選択結果を受信すると、運搬業者50の荷物100の運搬内容を確定し、第1の発注業者30の発注業者端末31および第2の発注業者40の発注業者端末41に確定した運搬内容の情報を送信する(図11のステップT32)。このステップT32は、上記実施形態のステップT2(図3参照)と同様である。
次に、マッチングサーバ12によって、該当する車両IDのダンプ車両Dの携帯端末63へ運搬指示が送信される(図11のステップT33)。このステップT33は、上記実施形態のステップT3(図3参照)と同様である。
ステップT33の運搬指示を携帯端末63が受信すると、運搬業者50は、携帯端末63を操作して、マッチングサーバ12へ作業開始の情報を送信する(図10のステップS34)。このステップS34は、上記実施形態のステップS3(図2参照)と同様である。
マッチングサーバ12は、ステップS34で送信された作業開始の情報を受信すると、その作業開始の情報を第1の発注業者30の発注業者端末31および第2の発注業者40の発注業者端末41へ送信する(図11のステップT34)。これにより、マッチングサーバ12は、第1の発注業者30および第2の発注業者40に対し、運搬業者50の行動をリアルタイムで監視するための契機を与えることができる。このステップT34は、上記実施形態のステップT4(図3参照)と同様である。
そして、運搬業者50は、ダンプ車両Dを運転し、現在位置P1から荷積指定場所P2への移動を開始する(図10のステップS35)。荷積指定場所P2への移動中、携帯端末63からダンプ車両Dの位置情報が所定時間ごとにマッチングサーバ12へ送信される(図10のステップS36)。このステップS35,S36は、上記実施形態のステップS4,S5(図2参照)と同様である。
ステップS36で送信されたダンプ車両Dの位置情報に基づいて、マッチングサーバ12は、ダンプ車両Dの移動を監視する(図11のステップT35)。このステップT35は、上記実施形態のステップT5(図3参照)と同様である。なお、第1の発注業者30(第2の発注業者40)も、マッチングサーバ12へ問合わせることによって、移動中のダンプ車両Dの位置情報を発注業者端末31(発注業者端末41)から確認可能になっている。
次に、ダンプ車両Dが荷積指定場所P2へ到着すると、運搬業者50により、ダンプ車両Dの荷箱73への荷物100の積み込みが開始される(図10のステップS37)。そして、荷物100の積み込みが完了すると、運搬業者50は、携帯端末63を操作して、該当車両IDのダンプ車両Dが荷積指定場所P2で積み込みが完了したという積込完了情報をマッチングサーバ12へ送信する(図10のステップS38)。このステップS37,S38は、上記実施形態のステップS6,S7(図2参照)と同様である。そして、マッチングサーバ12は、積込完了情報を運搬業者50の携帯端末63から受信する(図11のステップT36)。
次に、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63からマッチングサーバ12へ積込完了情報が送信されたことを検知すると、現在の計量情報と、現在のダンプ車両Dの位置情報とを携帯端末63を介してマッチングサーバ12へ送信する(図10のステップS39)。
マッチングサーバ12は、携帯端末63から受信した該当車両IDのダンプ車両Dの現在の計量情報と位置情報を受信する(図11のステップT37)。そして、マッチングサーバ12は、ステップT37で受信したそれらの情報を使用して、第1の発注業者30が依頼した重量分だけ、荷物100が荷積指定場所P2で正しく積み込まれたかどうかの判定を行う(図11のステップT38)。そして、例えば該当車両IDのダンプ車両Dと遠く離れたところから運搬業者50が携帯端末63で積込完了情報を送信していたとすれば、携帯端末63とダンプ車両Dの車載端末62とのペアリングが解除されていることになる。このような場合には、マッチングサーバ12は、運搬業者50の携帯端末63、第1の発注業者30の発注業者端末31、および第2の発注業者40の発注業者端末41に対してエラー情報を送信する(図11のステップT39)。このステップT38,T39は、上記実施形態のステップT8,T9(図3参照)と同様である。
そして、エラー情報が携帯端末63で受信された場合、このエラーを解除するため、運搬業者50は、正しい積み込み作業を行って再度、積込完了情報をマッチングサーバ12に送信する必要がある(図10のステップS40)。このステップS40は、上記実施形態のステップS9(図2参照)と同様である。
一方、ステップT38において、マッチングサーバ12が荷物100が正しく積み込まれたと判断すれば、マッチングサーバ12は、携帯端末63、発注業者端末31、および発注業者端末41に対して積み込み承認の信号を送信する(図11のステップT40)。また、この際、マッチングサーバ12は、携帯端末63に対して、荷降指定場所P3の位置情報を送信する。
そして、積み込み承認の信号および荷降指定場所P3の位置情報が、携帯端末63で受信された場合、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63から荷降指定場所P3の位置情報を受信し、その位置情報を車載端末62の記憶部に保持し(図10のステップS41)、ダンプ規制装置によるダンプ規制を有効に設定する(図10のステップS42)。ここで、上記実施形態とは異なり、車載端末62は、位置情報取得機能(上記実施形態の第1位置情報取得部)を有しておらず、携帯端末63のみが位置情報取得機能(上記実施形態の第2位置情報取得部)を有している。車載端末62の制御部62aは、携帯端末63を介して現在のダンプ車両Dの位置情報を取得可能になっている。ステップS42は、上記実施形態のステップS11(図2参照)と同様である。
次に、携帯端末63で積み込み承認を確認した運搬業者50は、ダンプ車両Dを運転し、現在位置の荷積指定場所P2から荷降指定場所P3への移動を開始する(図10のステップS43)。荷降指定場所P3への移動中、携帯端末63からダンプ車両Dの位置情報が所定時間ごとにマッチングサーバ12へ送信される(図10のステップS44)。このステップS43,S44は、上記実施形態のステップS12,S13(図2参照)と同様である。なお、上記実施形態とは異なり、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63を介して現在のダンプ車両Dの位置情報をマッチングサーバ12へ送信可能になっている。
ステップS44で送信されたダンプ車両Dの位置情報に基づいて、マッチングサーバ12は、ダンプ車両Dの移動を監視する(図11のステップT41)。このステップT41は、上記実施形態のステップT11(図3参照)と同様である。なお、第1の発注業者30(第2の発注業者40)も、マッチングサーバ12へ問合わせることによって、移動中のダンプ車両Dの位置情報を発注業者端末31(発注業者端末41)から確認可能になっている。
次に、ダンプ車両Dが荷物100の荷降指定場所P3へ到着した後、運搬業者50は、PTO駆動スイッチ74bをオンにする(図10のステップS45)。この際、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63から現在のダンプ車両Dの位置情報を受信する(図10のステップS46)。車載端末62の制御部62aは、携帯端末63から受信した現在のダンプ車両Dの位置情報と、記憶部に保存された荷降指定場所P3の位置情報とが一致しているか否かを確認する(図10のステップS47)。
そして、車載端末62の制御部62aは、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが異なる場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制を行うとともに、ダンプ規制を行ったことに対応するダンプ規制情報をマッチングサーバ12へ送信する。この際、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63の表示部にダンプ規制を行ったことに対応するエラー表示を表示させる(図10のステップS48)。
マッチングサーバ12は、車載端末62からダンプ規制情報を受信したかどうかの判定を行う(図11のステップT42)。そして、車載端末62からダンプ規制情報を受信した場合には、第1の発注業者30の発注業者端末31および第2の発注業者40の発注業者端末41へダンプ規制を行ったことに対応するエラー情報を送信する(図11のステップT43)。一方、ステップT42において、車載端末62からダンプ規制情報を受信していない場合には、エラー情報は送信されず、次のステップT44へ進む。
一方、ステップS47において、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致している場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制が行われず、次のステップS49へ進む。なお、ステップS48のダンプ規制装置によるダンプ規制の後、ダンプ車両Dを移動し、再度、PTO駆動スイッチ74bを操作することによって、現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致していると確認された場合には、ダンプ規制装置によるダンプ規制が解除され、ステップS49へ進む。
ステップS47の判定で現在のダンプ車両Dの位置情報と、荷降指定場所P3の位置情報とが一致していると確認された場合、運搬業者50は、レバー75を中立位置から上げ位置に操作する。すると、ダンプ車両Dの荷箱73から荷物100を降ろすための荷箱73の傾動動作が行われる(図10のステップS49)。このステップS49の傾動動作の際、車載端末62の制御部62aは、は、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知されたか否かを判定する(図10のステップS50)。また、ステップS49の傾動動作の際、車載端末62の制御部62aは、ダンプ車両Dの荷箱73の傾動角度(ダンプ角度)が所定値以上になったか否かを判定する(図10のステップS51)。このステップS49~S51は、上記実施形態のステップS17~S19(図2参照)と同様である。
ステップS50、S51の判定により、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知され、且つダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったと判定された場合、車載端末62の制御部62aは、ダンプ車両Dの荷箱73のダンプ角度が所定値以上になったことに対応するダンプ角度情報と、ダンプ車両Dの荷箱73の所定の重量減少が検知されたことに対応する計量情報とを携帯端末63へ送信し(図10のステップS52)、上述したダンプ規制装置によるダンプ規制を無効に設定する(図10のステップS53)。本実施形態では、荷物100の運搬中以外の場合、ダンプ規制装置によるダンプ規制が無効とされる。そして、携帯端末63は、車載端末62から受信したダンプ角度情報と、計量情報と、荷箱73の傾動動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報をマッチングサーバ12へ送信する(図10のステップS54)。このように、上記実施形態とは異なり、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63を介して現在のダンプ車両Dの位置情報や、ダンプ角度情報、計量情報をマッチングサーバ12へ送信可能になっている。
次に、マッチングサーバ12は、携帯端末63から、荷箱73の傾動動作を行った際のダンプ車両Dの位置情報と、荷降ろし情報(ダンプ角度情報および計量情報)とを受信する(図11のステップT44)。そして、マッチングサーバ12は、ステップT44で受信したそれらの情報に基づいて、予め指定された荷降指定場所P3で荷箱73の荷物100が全て降ろされたか否かを認識し、荷降指定場所P3で降ろし動作が運搬業者50により適切に行われたか否かを判定する(図11のステップT45)。ステップT45において、荷降指定場所P3で荷物100を降ろすための動作が運搬業者50により適切に行われたと判定した場合には、マッチングサーバ12は、運搬料の支払いの決済を実行し(図11のステップT46)、荷物100の運搬が適切に行われ、運搬料の決済が完了したことを第1の発注業者30、第2の発注業者40、および運搬業者50の各端末31,41,51,63へ送信する(図11のステップT47)。このステップT45~T47は、上記実施形態のステップT14~T16(図3参照)と同様である。
これにより、第1の発注業者30、第2の発注業者40は、マッチングサーバ12から送信された情報を受信することによって、荷物100の運搬が適切に行われたこと、および運搬料の決済が完了したことを認識する。同様に、運搬業者50は、携帯端末63によってマッチングサーバ12から送信された情報を受信することによって(図10のステップS55)、運搬料の決済が完了したことを認識する。このステップS55は、上記実施形態のステップS23(図2参照)と同様である。
上述した第2の実施形態の荷物運搬管理システム1におけるマッチング制御によっても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。この場合、車載端末62と携帯端末63とは、ダンプ車両Dの荷物100の運搬中において常にペアリングの状態を維持しておくことが好ましく、例えばダンプ車両Dの信号待ち等の一時的な停車時にもペアリングの状態が継続されることが好ましい。また、運搬業者50がダンプ車両Dから離れることによって、車載端末62と携帯端末63との距離が、近距離無線通信による通信可能距離を超えた場合には、車載端末62と携帯端末63とのペアリングが解除されるが、この場合、ペアリングが解除されたことに対応するエラー情報を携帯端末63からマッチングサーバ12へ送信することが好ましい。
上述した車載計量装置64は一例であって、それ以外の構成によって荷箱73の計量を行ってもよい。例えば、ロードセルを用いて荷箱73の計量を行ってもよい。
上述したダンプ角度検知装置65は一例であって、それ以外の構成によって荷箱73のダンプ角度を検知してもよい。例えば、ダンプ角度検知装置65にリミットスイッチを設けて、リミットスイッチによって、ヒンジブラケット81の凹凸部81bの回動位置を検知する構成としてもよい。
上述したダンプ規制装置によるダンプ規制は一例であって、電気的な手段以外によって荷箱73の降ろし動作を規制してもよい。例えば、レバー75の操作を機械的な手段で規制することによって荷箱73の降ろし動作を規制してもよい。
また、荷降指定場所P3の情報を通信手段を介して取得するのではなく、車載端末62の記憶部や携帯端末63の記憶部に荷降指定場所P3の情報を予め格納しておいてもよい。また、車載端末62や携帯端末63が取得する位置情報は、GPSを利用した位置情報に限らず、荷降指定場所P3で使用される特定のWi-Fi(登録商標)信号の情報であってもよい。このようにすれば、荷降指定場所P3が山間部等の通信状況が悪い場所に位置していたとしても、現在のダンプ車両Dの位置情報や、荷降指定場所P3の位置情報を容易に取得することができる。
なお、図2~図4の実施形態において、車載端末62の制御部62aは、携帯端末63を介して、現在のダンプ車両Dの位置情報を取得したり、現在のダンプ車両Dの位置情報、ダンプ角度情報、計量情報等をマッチングサーバ12へ送信したりしてもよい。あるいは、図10、図11の実施形態において、車載端末62の制御部62aによって、現在のダンプ車両Dの位置情報を取得したり、現在のダンプ車両Dの位置情報、ダンプ角度情報、計量情報等をマッチングサーバ12へ送信したりしてもよい。
上記実施形態では、作業車両として荷箱傾動装置83を備えたダンプ車両Dを使用し、このダンプ車両Dに載せる荷物100を建設現場の土砂としたが、作業車両としては、ダンプ車両D以外の車種に適用可能である。例えば、ミキサー車,塵芥収集車,脱着車,粉粒体運搬車,汚泥吸引車,車両運搬車,タンクローリ,荷役昇降装置付貨物自動車等の作業車両にも適用可能である。また、荷物100も土砂に限られない。例えば生ゴミ,汚泥等の廃棄物や、セメント,食料品,家具,家電製品,液体燃料,飼料等の有価物であってもよい。
上記実施形態では、本発明を荷物運搬管理システムに適用した場合について説明したが、本発明は、荷物運搬管理システムに用いられるマッチングサーバ、車両監視サーバ、および車両側端末として構成することも可能であり、上述した荷物運搬管理システムと同様の作用効果が得られる。
本発明のマッチングサーバ12は、例えば、荷物100の運搬を発注する発注業者と荷物100の運搬を請け負う運搬業者とを仲介するとともに、車両側端末61に設けられた移動通信部と通信することにより取得したダンプ車両Dの位置情報および荷降ろし情報に基づいて、予め指定された荷降指定場所P3で荷物100が降ろされたか否かを判定し、荷降指定場所P3で荷物100が降ろされたと判定したことを運搬料の支払いの決済条件に含めるように構成することが可能である。
また、本発明の車両監視サーバ22は、例えば、ダンプ車両Dの位置情報および荷降ろし情報を車両側端末61に設けられた移動通信部から受信するとともに、受信された位置情報および荷降ろし情報をマッチングサーバ12に送信するように構成することが可能である。
また、本発明の車両側端末61は、例えば、自車の位置情報を取得可能な位置情報取得部と、管理サーバと通信可能な移動通信部と、荷降ろし検知装置65から荷降ろし情報を取得可能な制御部とを備え、位置情報取得部によって取得された位置情報と、荷降ろし検知装置65から取得した荷降ろし情報とを管理サーバに送信するように構成することが可能である。あるいは、本発明の車両側端末61は、荷降ろし検知装置65から荷降ろし情報を取得可能な制御部を備えるとともに、運搬業者が携帯可能な携帯端末63と通信可能に設けられ、携帯端末63によって取得されたダンプ車両Dの位置情報と、荷降ろし検知装置65から取得した荷降ろし情報とを携帯端末63を通じて管理サーバに送信するように構成することが可能である。