JP2006142230A - 廃棄物の処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備え、前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行う廃棄物の処理システムである。
【選択図】 図2
Description
例えば、ケーシングされた穴の中へ所定の位置までプラズマアークトーチを挿入し、穴の周囲の土壌を溶解し、固化する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、前記特許文献1と同様の方法で土壌を溶融し、発生する有害なガスを処理する装置を追加し、汚染土壌や焼却灰なども処理することにより有害な廃棄物の溶融処理を可能とする方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、非特許文献1には、抵抗加熱による汚染土壌などの溶融技術において、土中に鋼製の容器を設置し、その中にセラミック製の容器を据え付け、この容器の中に電極を挿入し、ジュール加熱により廃棄物を溶融するものである。鋼製の容器にはフードが取り付けられていて、発生する排ガスを回収できるようになっている。また、回収された排ガスは除害後に大気放出されることが開示されている。
以上の理由から前記特許文献1〜2及び非特許文献1は、有害廃棄物の巡回処理に適していないため、ネットワーク化による巡回処理や住民への情報公開をシステム的に行う概念もなく、更に、巡回処理に加えて、解体工事などに伴って短期間に大量に発生する有害廃棄物をスポット的に処理するビジネスモデルについても開示も示唆もない。
しかし、前記特許文献3〜12の提案は、焼却炉などの処理装置を移動可能としたものであって、ダイオキシン類や重金属を含有する廃棄物などの有害な廃棄物を無害化乃至は減容化できるものではない。
<1> 廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備えた廃棄物の処理システムであって、
前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行うことを特徴とする廃棄物の処理システムである。該<1>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、有害廃棄物を発生場所において無害化、減容化、及び再資源化を図ることができ、定量的に発生する有害廃棄物を巡回処理したり、短期間に大量に有害廃棄物が発生する場所で効率よく廃棄物を処理すると共に、物流ネットワーク上を巡回している廃棄物処理装置の運行管理と周辺住民などへの環境情報の発信機能を有する。
<2> 廃棄物ステーションが、小規模な焼却施設である前記<1>に記載の廃棄物の処理システムである。
<3> 小規模な焼却施設が、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行う前記<1>から<2>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
前記<2>及び<3>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムにおいては、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行っているだけの小規模な焼却施設は、焼却灰の処理に困っており、溶融炉を新たに設置したいものの、費用がかかりすぎ、また溶融炉を設置しても稼働率が低く採算がとれないので、本発明の廃棄物処理システムが好適に適用される。
<5> 環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達する前記<1>から<4>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<6> 廃棄物ステーションが点在する地域が、島嶼地域、及びごみ処理広域化計画が難航している地域の少なくともいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<7> 物流ネットワーク上で、廃棄物処理装置を陸路、海路、及び空路の少なくともいずれかの巡回手段により巡回させる前記<1>から<6>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<8> 廃棄物処理装置による廃棄物の処理が、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<9> 廃棄物処理装置が、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<9>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性能)が向上し巡回処理が可能となる。現地では簡単な接続程度で稼動が可能な状態に立ち上げることができる。
<10> 廃棄物処理装置が、更に可燃性廃棄物焼却ユニットを有する前記<9>に記載の廃棄物の処理システムである。
<11> 不燃性廃棄物溶融ユニットが、小型のプラズマ溶融炉を有する前記<9>から<10>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<12> 廃棄物処理装置が、更に有害物質を計測する有害物質計測ユニットを有する前記<9>から<11>のいずれかに記載に廃棄物の処理システムである。
<13> ダイオキシン類、環境ホルモン、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性廃棄物、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、フロンガス、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)から選択される少なくとも1種である前記<12>に記載に廃棄物の処理システムである。
<14> 環境情報管理コンピュータは、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を一元管理して公衆に開示する前記<1>から<13>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<15> 環境情報の開示が、インターネットのホームページ及びメールにより行われる前記<14>に記載の廃棄物の処理システムである。該<15>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、インターネットのホームページ及びメールを用いて環境情報を開示することにより、簡単かつ日本を含む全世界に環境情報を迅速に提供することができる。
<16> 廃棄物の処理システムが、廃棄物の処理量及び廃棄物の処理時間の少なくともいずれかに応じて課金を行う課金手段を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。
<17> 廃棄物の処理システムが、GPS(Global Positioning System)を通して巡回中の廃棄物処理装置の位置をリアルタイムで環境情報管理コンピュータに伝達する前記<1>から<16>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<17>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、GPSを利用することによって、巡回中の廃棄物処理装置の位置情報をリアルタイムに把握することができるので、無駄のない効率的な運用を図ることができる。
<18> 環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、物流ネットワークを構成していない他の廃棄物ステーションまで廃棄物処理装置を移動させて、廃棄物を処理する前記<1>から<17>のいずれかに記載の廃棄物の処理システムである。該<18>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、物流ネットワークを構成しない他の廃棄物ステーションについても、必要に応じて、廃棄物の処理を行うことができるので、利便性が向上する。
<19> 他の廃棄物ステーションが、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、及びデパート、ショッピングセンターから選択される少なくともいずれかである前記<18>に記載の廃棄物の処理システムである。該<19>に記載の廃棄物の処理システムにおいては、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンターなどの依頼に応じて、廃棄物の発生場所で廃棄物の処理を行うことにより、周辺環境への有害物質の拡散を防止できる。
また、本発明によると、小規模な焼却処理施設ごとに高価な溶融炉を設けなくてよいので、無駄な設備投資を回避することができる。また、本発明によると、リサイクル業者へのリサイクル原料の情報提供によりリサイクルを効率よく行うことができ、再資源化が達成できる。
前記物流ネットワークは、廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶネットワークである。
前記廃棄物ステーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小規模な焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンター、などが挙げられ、これらの中でも、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行っている小規模な焼却施設が特に好ましい。このような小規模な焼却施設は、焼却灰の処理に困っており、溶融炉を新たに設置したいものの、費用がかかりすぎ、また溶融炉を設置しても稼働率が低く採算がとれないからである。
前記廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに廃棄物の処理依頼と共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、位置情報を伝達することが好ましい。一方、環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達することが好ましい。
前記陸路の巡回手段としては、例えば、廃棄物処理装置をコンテナーに収納し車、列車、電車などで移動する方法が挙げられる。
前記海路の巡回手段としては、例えば、(1)船舶に装置を直接積載する方法、(2)フェリーなどでトレーラーに積載した装置を移動する方法、(3)コンテナーに収納した装置を船で移動する方法、などが挙げられる。前記(2)ではトレーラーをフェリーに積載する場合には、トラクラー(トレーラーの運転席の部分)を港に待機させておき、トレーラー部分だけを船で移動する方法とすることもできる。
前記空路の巡回手段としては、例えば、廃棄物処理装置をコンテナーに収納しヘリコプターや飛行機で移動する方法などが挙げられる。
前記廃棄物処理装置は、前記物流ネットワーク上を巡回し、廃棄物を処理することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に備えてなり、可燃性廃棄物焼却ユニット、有害物質計測ユニット、ユーティリティ・制御系ユニット、更に必要に応じてその他の手段を有してなるものが好適である。
前記廃棄物処理装置は、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理、及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかを行うことが好ましい。
前記小型のプラズマ溶融炉としては、例えば、アークプラズマ溶融方式による溶融炉が好適である。
前記アークプラズマ溶融技術は、5,000〜10,000℃の超高温を容易に発生できるため、極めて速い溶融処理を達成できる。アークプラズマ溶融技術を採用することにより、コンパクトな溶融炉によって200kg/hの処理速度を達成できる。しかも、燃焼加熱では燃料の燃焼のために空気が必要となるが、アークプラズマ溶融技術は、100L/min以下のプラズマガスで運転できるため、排ガス処理系のコンパクト化が可能である。
前記アークプラズマは、プラズマトーチによって発生させることが多く、その電源は、主に直流で、一部交流も使用されている。該プラズマトーチは、(1)トーチから吹き出す非通電状態のプラズマ(プラズマジェット)を利用する非移行型、(2)被加熱物を一方の電極とし、トーチと被加熱物間に形成される通電状態のアークプラズマを利用する移行型の2種に大別される。
前記アークプラズマの発生方法としては、例えば、最初、トーチ内陰極と水冷ノズル間に、小電流のパイロットアークを点じ、得られるプラズマジェットで、陰極(トーチ側)と陽極(被加熱物側)間をイオン化し、それらの間にアークプラズマを進展させる。
前記有害物質計測ユニットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイオキシン類の測定方法としては、短期間で安価に計測できる「生物検定法」、加圧・加熱による「高速溶媒抽出法」、公定法のGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)法、などが挙げられる。
前記フロンガスは、成層圏オゾン層の破壊という地球規模の環境問題を引き起こすが、アークプラズマにより高速に熱分解することができる。
前記燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)は、アークプラズマ中で生成したイオンなどにより分解することができる。
前記PCBは、環境汚染を引き起こし、極めて安定な化合物であるが、数万℃のアークプラズマを作用させると99.99%以上分解できる。
前記放射性廃棄物は、原子力発電所から発生する掃除布などの低レベル放射性不燃性雑固体廃棄物をアークプラズマにより溶融すると、大きな減容効果が得られる。また、放射性物質がガラス固化体などの内部に均一に閉じ込められるため、保管の簡易化や性状の安定化も図れる。
(1)前記アークプラズマ溶融技術の特徴を活かすため、廃棄物は不燃性廃棄物と可燃性廃棄物に分別したものを受け入れ、それぞれ別の処理システムとし、ユニットを分けることによって、廃棄物処理装置の更なるコンパクト化が可能となる。
(2)不燃性廃棄物の溶融前に、不燃性廃棄物の前処理として、不燃性廃棄物を乾燥することにより(3質量%以下)、排ガス処理ユニットの一層のコンパクト化が可能になり、廃棄物処理装置のコンパクト化が図れる。これは、水分は高温で溶融すると水蒸気となり、その体積が約1,800倍と著しく増大するため、排ガス処理ユニットへの負荷が大きくなるためである。水分の含有割合を溶融前に制御することにより、排ガス処理系のコンパクト化が達成できる。
(3)可燃性廃棄物焼却ユニット、不燃性廃棄物溶融ユニット、排ガス処理ユニット、及びユーティリティ・制御系ユニットをすべてコンパクト化すると同時に、それぞれをブロック化することにより、現地で組み立て、撤去を簡便に実施できる。これにより、機動性(移動性能)が向上して巡回処理が可能となる。
(4)廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性)が向上し、巡回処理が可能となる。
前記環境情報管理コンピュータは、廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス、並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行うコンピュータである。
前記環境情報管理コンピュータは、経路制御装置、電話回線などの通信回線を経由してインターネット又は広域LANに接続されていることが好ましい。また、前記廃棄物処理装置、前記廃棄物ステーションは、前記環境情報管理コンピュータと同様に、インターネット又は広域LANに接続されている。
前記環境情報管理コンピュータとしては、例えば、パーソナルコンピューター、変換装置のモデム等を介して接続された装置であり、LCD、CRT等の表示部、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力部を有する。
該制御装置は、記憶装置に格納されたメインプログラムやデータ等に基づいて動作し、各種機能を実現する。該各種機能としては、例えば、物流ネットワーク上における廃棄物処理装置の位置の表示、処理が必要な廃棄物ステーションの表示などのディスプレイ表示機能、環境情報の配信機能、データの転送、種々の演算、データの一時的な格納等が挙げられる。
前記入力制御装置は、インターネット等を介して接続された廃棄物ステーションや廃棄物処理装置における操作者の端末から入力されるデータを制御する。
前記出力制御装置は、廃棄物ステーションや廃棄物処理装置における操作者の端末に出力されるデータを制御する。
前記通信装置は、インターネット、通信回線等を介した外部との通信を制御する装置である。該通信装置は、例えば、モデムを変換装置として備えてもよいし、ISDN回線との接続に介在するターミナルアダプタ(TA)及びデジタルサービスユニット(DSU)等を備えていてもよい。
前記記憶装置は、各種メインプログラムや各種データを格納乃至記憶する機能を有している。ここに記憶されている各種メインプログラムは、前記制御装置において用いられるものである。
前記環境情報の開示方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文書、郵便物、掲示物、電子情報、インターネットのホームページ、メールなどにより行うことができるが、これらの中でも、汎用性、利便性の点でホームページやメールなどが好ましい。
前記課金手段としては、例えば、使用量及び処理時間のいずれかに応じて課金を行う所謂コインキット、紙幣受領装置、また、1ヶ月の使用量及び処理時間のいずれかのデータを蓄積しておき、後日請求する方法、等が挙げられる。
前記他の廃棄物ステーションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、デパート、ショッピングセンター、などが挙げられる。
図1に示すように、比較的小規模な焼却施設1を物流ネットワーク10で結び、該物流ネットワーク10上に少なくとも1台のコンパクトな廃棄物処理装置3を巡回させている。この実施例では、廃棄物処理装置としては大型車に搭載したプラズマ溶融処理装置を用いている。
一方、環境情報管理コンピュータ5は、廃棄物処理装置3の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信機能を有している。
この実施例の廃棄物の処理システムは、予め、物流ネットワーク10上に設けられた比較的小規模な焼却施設1からの依頼情報、廃棄物の種類、廃棄物の量等の情報が環境情報管理コンピュータ5に届けられており、この情報に基づき、処理が必要とされる焼却施設の情報が、物流ネットワーク上を巡回している廃棄物処理装置に送られ、この情報に基づき、廃棄物処理装置が焼却施設に移動し、該焼却施設において、焼却廃棄物を無害化処理する。この際、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を収集し、環境情報管理コンピュータ5に送り、これらの環境情報を公衆に開示する。
そして、廃棄物処理装置は作業が完了すると、完了したという情報を環境情報管理コンピュータ5に送り、次の焼却施設に移動するか、次に焼却施設がない場合には物流ネットワーク上を巡回する。なお、一定時間以上処理が必要な焼却施設がない場合には、廃棄物処理装置は、巡回をストップして待機状態となる。
物流ネットワーク10上の廃棄物ステーション1と環境情報管理コンピュータ5との間では、処理装置情報(位置情報、処理量、スラグ品質等)、小規模焼却施設情報(日報、ごみ量、運転時間等)などをやりとりできるようになっている。
前記廃棄物ステーションと環境情報管理コンピュータとは、電話回線等の通信回線を経由してインターネットに接続されており、例えば、前記廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに廃棄物の処理依頼と共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、位置情報を伝達することが好ましい。一方、環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達することが好ましい。
このプラズマ溶融処理装置3は、その機能に応じて、(1)可燃性廃棄物焼却ユニット11、(2)不燃性廃棄物溶融ユニット12、(3)排ガス処理ユニット13、(4)ユーティリティ・制御系ユニット14の4つのユニットを有している。
これら(1)〜(4)のユニットは着脱自在であり、廃棄物の種類や現場によっては、可燃性廃棄物の処理が不要な場合がある。このような状況に対応できるように、可燃性廃棄物の処理装置をブロック化し、更に必要に応じて組み立て使用できる設計とすることにより、廃棄物処理装置の機動性(移動性能)が向上して巡回処理が可能となる。また、現地では簡単な接続程度で稼動が可能な状態に立ち上げることができる。
前記不燃性廃棄物の溶融ユニット12では、不燃性廃棄物を開封し、前処理(乾燥)を行い、除塵する。これによって、廃棄物の含水率を3%以下にできる。前処理済みの不燃性廃棄物をプラズマ溶融炉で固定化処理する。
前記排ガス処理ユニット13では、プラズマ溶融炉から排出される燃焼性ガスは燃焼させた後、脱塩、急冷、除塵を行い、脱硝し、活性炭フィルターにかけて処理する。
前記ユーティリティ・制御系ユニット14は、廃棄物処理装置の稼働に必要なプラズマトーチ用電源、各機器用電源、及び計測制御用電源を現場において受電する。また、制御・監視系ユニットとしては、例えば、各機器の制御、温度、有害物質の計測、データの収集などが挙げられる。
3 廃棄物処理装置(移動型プラズマ溶融処理装置)
5 環境情報管理コンピュータ
7 GPS
10 物流ネットワーク
11 可燃性廃棄物焼却ユニット
12 不燃性廃棄物溶融ユニット
13 排ガス処理ユニット
14 ユーティリティ・制御系ユニット
Claims (19)
- 廃棄物ステーションが点在する地域における該廃棄物ステーション間を結ぶ物流ネットワークと、該物流ネットワーク上の前記廃棄物ステーション間を巡回する少なくとも1台の廃棄物処理装置と、該廃棄物処理装置の運行管理、廃棄物ステーションとの情報管理、システム全体の制御及びメンテナンス並びに環境情報の発信の少なくともいずれかを行う環境情報管理コンピュータとを備えた廃棄物の処理システムであって、
前記環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、廃棄物の処理が必要な前記廃棄物ステーションのいずれかに前記廃棄物処理装置を移動させて前記廃棄物ステーションで廃棄物の処理を行うことを特徴とする廃棄物の処理システム。 - 廃棄物ステーションが、小規模な焼却施設である請求項1に記載の廃棄物の処理システム。
- 小規模な焼却施設が、自前の溶融炉を持っておらず、廃棄物の集積、廃棄物の分別、及び廃棄物の焼却の少なくともいずれかを行う請求項2に記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物ステーションから環境情報管理コンピュータに対し廃棄物の処理を依頼すると共に、該廃棄物ステーションにおける廃棄物の種類、廃棄物の量、運転時間、及び位置情報の少なくともいずれかを伝達する請求項1から3のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 環境情報管理コンピュータから廃棄物ステーションに対し廃棄物処理装置の到着予定時刻、廃棄物処理装置の予定処理時間、及び予定料金の少なくともいずれかを伝達する請求項1から4のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物ステーションが点在する地域が、島嶼地域、及びごみ処理広域化計画が難航している地域の少なくともいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 物流ネットワーク上で、廃棄物処理装置を陸路、海路、及び空路の少なくともいずれかの巡回手段により巡回させる請求項1から6のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物処理装置による廃棄物の処理が、廃棄物の焼却処理、廃棄物の無害化処理、廃棄物の減容化処理、廃棄物の再資源化処理、排ガス処理及び有害物質の計測処理の少なくともいずれかである請求項1から7のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物処理装置が、少なくとも不燃性廃棄物溶融ユニット及び排ガス処理ユニットを着脱自在に有する請求項1から8のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物処理装置が、更に可燃性廃棄物焼却ユニットを有する請求項9に記載の廃棄物の処理システム。
- 不燃性廃棄物溶融ユニットが、小型のプラズマ溶融炉を有する請求項9から10のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物処理装置が、更に有害物質を計測する有害物質計測ユニットを有する請求項9から11のいずれかに記載に廃棄物の処理システム。
- 有害物質が、ダイオキシン類、環境ホルモン、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、放射性廃棄物、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、フロンガス、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)から選択される少なくとも1種である請求項12に記載に廃棄物の処理システム。
- 環境情報管理コンピュータは、廃棄物ステーションから排出された排気ガス、焼却灰の量、それらに含まれる有害物質の濃度、及び廃棄物処理装置で処理した焼却灰の量の少なくともいずれかの環境情報を一元管理して公衆に開示する請求項1から13のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 環境情報の開示が、インターネットのホームページ及びメールにより行われる請求項14に記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物の処理システムが、廃棄物の処理量及び廃棄物の処理時間の少なくともいずれかに応じて課金を行う課金手段を有する請求項1から15のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 廃棄物の処理システムは、GPS(Global Positioning System)を通して巡回中の廃棄物処理装置の位置をリアルタイムで環境情報管理コンピュータに伝達する請求項1から16のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 環境情報管理コンピュータからの情報に基づき、物流ネットワークを構成していない他の廃棄物ステーションまで廃棄物処理装置を移動させて、廃棄物を処理する請求項1から17のいずれかに記載の廃棄物の処理システム。
- 他の廃棄物ステーションが、物流ネットワークを構成していない小規模焼却施設、発電プラント、化学プラント、マンション、建家の解体工事現場、学校、及びデパート、ショッピングセンターから選択される少なくともいずれかである請求項18に記載の廃棄物の処理システム。
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