JP2004230761A - インクジェット記録シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク受理層にひび割れの発生がなく、光沢度が高くかつインク吸収性が良好なインクジェット記録シートを提供する。
【解決手段】紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることを特徴とするインクジェット記録シート及び該インク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることを特徴とするインクジェット記録シート及び該インク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で該樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録シート及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは塗膜表面の微細なひび割れがなく、光沢性とインク吸収性に優れたインクジェット記録シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの被記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
記録材料に要求される特性は、印字濃度、色調の鮮明性、ハジキやムラをなくすためのインク吸収性、汚れをなくすためのインク乾燥性等である。
【0004】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受理層を設けてなる記録材料が知られている。
【0005】
従来は、シリカ等の含珪素顔料を水溶性バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が公知である。
【0006】
また、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが一般に公知となっている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒子径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受理層が塗設された記録材料が提案されている。
【0007】
また、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料も高い光沢が得られることが公知となっている。
【0008】
また、インク受理層に1次粒子が3〜40nmで2次凝集粒子が平均粒子径が10〜200nmの非晶質シリカ及び/またはアルミナシリケートを含有し、かつインク受理層のヘイズ度が4〜65%であるインクジェット記録体が提案されている。
【0009】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク受理層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受理層のインク吸収性が重要であり、インク受理層の空隙率を高める必要がある。従って、気相法シリカ等の塗布量を多くし、更に、バインダーの比率を低減する必要があった。
【0010】
また、従来ゼラチン、アミノ基不活性化ゼラチン、寒天等の可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを用い、このバインダーの水溶液が低温ではゲル状態となる機構を利用したインクジェット記録シートが公知であるが、これら可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを利用したインク受理層塗布液のゲル化温度は30℃よりも低く、さらに低温での固化、いわゆるコールドセットを行った後低温で時間をかけてインク受理層の乾燥を行わなければならず、仮に、塗布後高温で乾燥するとインク受理層が大きく割れたり、酷いときは剥がれたりしてしまう(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
また、耐水性支持体上に気相法シリカやアルミナ水和物等の多孔質インク受理層を設けるのに用いる一般的なインク受理層塗布液を該耐水性支持体上に塗布し、高温で乾燥した場合はもちろん、乾燥皮膜に細かなひび割れや酷い時には大きな割れが生じてしまう。細かな割れはインク受理層の光沢度を低下させてしまう。そこで、可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを用いるインク受理層塗布液の場合と同様に、割れの発生を防ぐため塗布後の乾燥条件を緩く、すなわち乾燥温度を下げ、また時間をかけて乾燥する手法等が広く取られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法ではシートの生産効率が非常に低いものとなってしまう。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−64306号公報(第5〜6頁)
【特許文献2】
特開2000−27093号公報(第8〜10頁)
【特許文献3】
特開2002−2094号公報(第6頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、インク受理層にひび割れの発生がなく、光沢度が高くかつインク吸収性が良好なインクジェット記録シート及びその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
【0015】
すなわち、紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0016】
該インク受理層にけん化度が85〜90mol%のポリビニルアルコールを含有したことを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0017】
該微粒子が気相法シリカまたはコロイダルシリカであることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0018】
該微粒子がアルミナ水和物であることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0019】
ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法の発明である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
第1の本発明のインクジェット記録シートは、紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたものであるが、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることが特徴である。該ゲル化温度が40℃未満のインク受理層塗布液を該樹脂被覆紙に塗布すると、乾燥途中で該インク受理層に細かなひび割れが発生してしまい、酷いときには該インク受理層が大きく裂けたり、該樹脂被覆層から剥がれ落ちてしまったりする。本発明において、ゲル化温度とはインク受理層塗布液の液温が該ゲル化温度以下となったときに該インク受理層塗布液の粘度が急上昇しB型粘度60rpmで10000mPa・s以上(以下、この状態をゲル状態と称する)を示し、流動性を完全に失う温度と定義される。
【0021】
インク受理層塗布液にゲル化特性を付与する、すなわちゲル化温度を境に低温側でゲル状態とするには、架橋剤あるいはゲル化剤をインク受理層塗布液に添加すればよい。具体的には、該インク受理層塗布液を構成する水溶性バインダーにポリビニルアルコールを用いた場合にはホウ酸、または、メチルセルロースあるいはヒドロキシプロピル・メチルセルロースを用いることができる。該架橋剤あるいは該ゲル化剤の添加量は特に制限されず、要求されるゲル化温度を実現するために最適な量を適宜加えることができる。
【0022】
本発明のインク受理層塗布液を構成する水溶性バインダーとしては、特に制限されないが、公知の各種水溶性バインダーを用いることができるものの、透明性が高く、より高いインク浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0023】
特に、けん化度が85mol%以上でかつ90mol%以下であるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。けん化度が85mol%以上でかつ90mol%以下であるポリビニルアルコールを用いることにより印字ムラがなくなることが判明した。けん化度が85mol%よりも低くなるとインク受理層塗布液をゲル状態とすることが困難となり、けん化度が90mol%よりも高くなるとインク受理層塗布液のゲル化温度以上での粘度が高くなりやすく、樹脂被覆紙へ塗布した際、塗膜表面がレベリングせず、結果的に出来上がったインク受理層の光沢度が若干低くなってしまう。
【0024】
本発明のインク受理層に含有される微粒子は、その一次粒子径が3nm以上であり、かつ40nm以下であれば特に制限されない。好ましくは二次粒子径が400nm以下の微粒子が用いられる。二次粒子径が400nm以下であれば印字の際のインク吸収性とインク受理層の光沢のバランスが非常によいものができる。例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
【0025】
本発明のインクジェット記録シートのインク受理層には気相法シリカまたはコロイダルシリカが好ましく用いることができる。気相法シリカまたはコロイダルシリカを微粒子として使うことでインク受理層の透明性とインク吸収性のバランスがとれ、優れた光沢性を有し、なおかつインク吸収性が良好なインクジェット記録シートとすることができる。
【0026】
一般にシリカ微粒子は、乾量基準でSiO293%以上、Al2O3約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法及び気相法がある。その中で、気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法であり、該気相法で製造された非晶質シリカを気相法シリカという。
【0027】
気相法シリカは、一般には火炎加水分解法によって作るくられる。具体的には、四塩化珪素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化珪素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、例えば、日本アエロジル(株)からアエロジルとして市販されており入手することができる。
【0028】
コロイダルシリカは湿式法で合成された一次粒子径が数nm〜100nm程度の合成シリカであり、その形状は、一般的に球状または球状に近い形状をしている。本発明に係わるコロイダルシリカは、小さいシリカ粒子が鎖状に連結した細長い形状、または三次元網目構造を有している非球状のものがより好ましい。細長い形状の粒子とは三次元方向には伸長を有さず、同一平面内に伸長したものをいう。細長い形状の粒子には、ほぼ真っ直ぐなもの、屈曲しているもの、分枝を有するもの、環を有するもの等が含まれる。これに対し、三次元網目構造を有する粒子とは、これら細長い形状の粒子が文字通り三次元的に絡まった網目状構造を有するものを指す。
【0029】
コロイダルシリカは以下のようなものが市販されており入手することができる。例えば、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス20L、スノーテックスUP、スノーテックスOL、スノーテックスAK、スノーテックスPST−1、スノーテックスK、スノーテックスXS、スノーテックスSS、スノーテックスXL、スノーテックスYL、スノーテックスZL、スノーテックスPST−1、スノーテックスPST−3、スノーテックスPST−5、MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−ST、DMAC−ST(以上、日産化学工業製)、カタロイドS−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイドSI−350、カタロイドSI−45P、カタロイドSI−80P、カタロイドSN、カタロイドSA、カタロイドSB、USB−1、USB−2、USB−3、OSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化成工業製)、シリカ/アルミナハイブリッドゾルとしては、スノーテックスUP−AK1、スノーテックスUP−AK2、スノーテックスUP−AK3(以上、日産化学工業製)、酸化アンチモンゾルとしては、A−1530、A−1550、A−2550(以上、日産化学工業製)、リチウムシリケートとしては、リチウムシリケート35、リチウムシリケート45、リチウムシリケート75(以上、日産化学工業製)などを挙げることができる。
【0030】
本発明のインクジェット記録シートのインク受理層にはアルミナ水和物を好ましく用いることができる。アルミナ水和物を用いることにより、より一層優れた光沢性を発現することができるインクジェット記録シートとすることができる。
【0031】
アルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al2O3・nH2O
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
【0032】
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さい場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、インク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造することが困難となる。
【0033】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
【0034】
本発明のインクジェツト記録シートには、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)などを挙げることができる。
【0035】
本発明において用いられる酸化アルミニウム超微粒子は、γ型結晶であるγ型酸化アルミニウム微粒子が好ましく用いられる。γ型結晶は結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
【0036】
γ型結晶微粒子のアルミナは、1次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、一般に、1次粒子は2次凝集形態(以下、2次粒子と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ結晶微粒子を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好であるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくなる。
【0037】
γ型アルミナ結晶微粒子ゾルを得るには、通常、数千から数万nmの2次粒子となっているγ型アルミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越えると、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ結晶微粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でインク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。
【0038】
γ型アルミナ結晶微粒子は、市販品として、δグループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住友化学(株)製)などとして入手できる。
【0039】
本発明において、インク受容層には、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0040】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0041】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0042】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0043】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂や電子線や紫外線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0044】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0045】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線や紫外線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線や紫外線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0046】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0047】
インク受理層塗布液の塗設量も特に制限されないが、塗層厚みで1〜100μmの範囲であることが好ましい。塗層厚みが1μm未満ではインク受理層によるインク吸収性が充分ではないため、吸収ムラ等が発生し、インクジェット性能に悪影響が生じる傾向が見られるようになる。また、100μmを越えるとインク受理層と支持体の間の接着強度が低下する傾向が見られるようになる。
【0048】
第2の本発明であるインクジェット記録シートの製造方法は、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とする。塗布時の該インク受理層塗布液の液温を該ゲル化温度より20℃以上高くすると、作製された本発明のインクジェット記録シートのインク吸収性がより一層向上することが判明した。該液温を該ゲル化温度以下とした場合、該インク受理層塗布液はゲル状態となってしまうため該樹脂被覆紙への塗布は困難となる。また、該液温を該ゲル化温度以上ゲル化温度より20℃を超えない範囲に保ち該樹脂被覆層上に塗布すると該液温を該ゲル化温度より20℃以上高く保ち塗布したものと比べインク吸収性の若干劣ったインクジェット記録シートとなる。
【0049】
本発明において、インク受理層塗布液の塗布方法は特に制限されず、任意の方法が用いられ、例えばスライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0050】
また、インク受理層塗布液塗布後の乾燥条件も特に制限されないが、樹脂被覆紙を構成する樹脂が軟化したり溶融することがない温度に設定することが好ましい。好ましくは、80〜180℃である。
【0051】
本発明において、インクジェット記録シートには、無機微粒子を含有するインク受理層に加え、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
【0053】
<アルミナ水和物の合成>
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、硝酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15質量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測定したところ、30nmであり、アスペクト比6.0の平板状の超微粒子状アルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によって平均細孔半径、細孔容積及びBET比表面積を測定したところ、それぞれ7.1nm、0.65ml/gそして200m2/gであった。
【0054】
実施例1
水に下記配合を加えてなるインク受理層塗布液(固形分濃度17%)を作製した。作製は全原料を60℃に加熱した状態で行い、さらに作製した該インク受理層塗布液を塗布される直前まで60℃に保持されたウォーターバス中に液温が60℃を保つように保持した。該インク受理層塗布液の固形分は15%に調整した。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が40℃となったところでゲル状態となったことより、該インク受理層塗布液のゲル化温度は40℃と判定される。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA105H、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度500)
ほう酸 2部
【0055】
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0056】
該支持体の表面に該インク受理層塗布液をドクターブレードで乾燥後の膜の厚みが40μmとなるように塗布し、100℃で5分間乾燥して本発明のインクジェット記録シートを得た。塗布時のインク受理層塗布液の液温は、加温保持時の液温と同じであった。以下の実施例においても同様である。
【0057】
実施例2
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が70℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は70℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を90℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を90℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA110、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度1000)
ほう酸 1部
【0058】
実施例3
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が40℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は40℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を60℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を60℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 0.5部
【0059】
実施例4
アルミナ水和物を酸化チタン(石原産業(株) TTO−55、一次粒子径40nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0060】
実施例5
アルミナ水和物を気相法シリカ(日本アエロジル(株)、アエロジル380、一次粒子径7nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0061】
実施例6
アルミナ水和物をコロイダルシリカ(日産化学工業(株) スノーテックスOL40、一次粒子径40nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0062】
比較例1
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が30℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は30℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA105H、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度500)
ほう酸 0.5部
【0063】
比較例2
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、室温(約20℃)まで冷却しても該インク受理層塗布液はゲル状態とならなかったため、該インク受理層塗布液はゲル化温度を持たないと判定した。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA420、(株)クラレ製、ケン化度79.5%、平均重合度2000)
ほう酸 0.5部
【0064】
比較例3
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が30℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は30℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
酸処理ゼラチン 20部
【0065】
〈試験方法〉
ひび割れ具合
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートのインク受理層面を目視で観察して、ひび割れの発生具合を観察した。インク受理層表面にひび割れが全く観察されないものをひび割れ具合が優、細かなひび割れが僅かに観察されるものをひび割れ具合を並、多数の細かなひび割れや大きなインク受理層の裂けが観察されるものはひび割れ具合を劣と判定した。
【0066】
印字部光沢性
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)でブラックの矩形パターンを印字した。この印字パターンを目視観察した。際だって光沢性のあるものを印字部光沢性を優とし、十分な光沢性のものを印字部光沢性を並とし、光沢感が劣るものを印字部光沢性を劣とした。
【0067】
印字ムラ
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)で5cm×5cmのベタパターンをブルー印字し、目視評価を行った。印字ムラが全く見られず、均一であるものを印字ムラが優とし、印字ムラが若干見られるが、画像に影響を及ぼすほどではないものを印字ムラを並とし、印字ムラが見られ、印字部の場所により濃淡が現れ、画像が乱れているものを印字ムラが劣と判定した。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例7
該インク受理層塗布液が塗布される直前まで液温を65℃に保持されていたこと以外は実施例1と同様にして本発明の製造方法にてインクジェット記録シートを作製した。ゲル化温度と液温の差は25℃である。
【0070】
実施例8
該インク受理層塗布液が塗布される直前まで液温を55℃に保持されていたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。ゲル化温度と液温の差は15℃である。
【0071】
〈試験方法〉
インク吸収性
実施例1及び7,8で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)を使い、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねるインク量が各色全て100%の時を300%とし、全90%の時を270%とし、全て60%の時を180%として矩形パターンを作成して印字した。この印字パターンと未印字部分の境界部分を下記の基準に従って、目視にて評価した。
優:300%印字でアフレが認められない。
並:270%印字でアフレが認められない。
劣:180%印字でアフレが認められる。
【0072】
【表2】
【0073】
評価:表1より明らかなように、第1の本発明のインクジェット記録シートは、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布、乾燥して形成されていることによりインク受理層でひび割れが発生することがない。さらに、該インク受理層に含有されるポリビニルアルコールのけん化度が85〜90mol%であると光沢性も向上し、印字ムラも全くなくなることが判る。一方、比較例にあるようにゲル化温度が40℃に満たなかったり、ゲル化すらしない、すなわちゲル化温度を持たないインク受理層塗布液を塗布したインクジェット記録シートではインク受理層のひび割れを回避することができないため、印字部光沢性、印字ムラも劣ったものとなる。
【0074】
さらに、表2より明らかなように、第2の本発明のインクジェット記録シートの製造方法は、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けるため、インク吸収性が良好である。実施例5のように液温をゲル化温度以上ゲル化温度より20℃を超えない範囲に保ち樹脂被覆層上に塗布した作製したインクジェット記録シートの方がインク吸収性は低くなる。
【0075】
【発明の効果】
第1の本発明のインクジェット記録シートは、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布、乾燥して形成されていることによりインク受理層でひび割れが発生することがなく良好な印字画像を得ることができ、さらに第2の本発明のインクジェット記録シートの製造方法を用いることでインク吸収性を一層向上させることができ有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録シート及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは塗膜表面の微細なひび割れがなく、光沢性とインク吸収性に優れたインクジェット記録シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの被記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
記録材料に要求される特性は、印字濃度、色調の鮮明性、ハジキやムラをなくすためのインク吸収性、汚れをなくすためのインク乾燥性等である。
【0004】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受理層を設けてなる記録材料が知られている。
【0005】
従来は、シリカ等の含珪素顔料を水溶性バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が公知である。
【0006】
また、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが一般に公知となっている。この気相法シリカは、一次粒子の平均粒子径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢が得られるという特徴がある。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、益々光沢性が重要視されてきており、ポリオレフィン樹脂被覆紙(紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートしたもの)やポリエステルフィルム等の耐水性支持体上に気相法シリカを主体とするインク受理層が塗設された記録材料が提案されている。
【0007】
また、アルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料も高い光沢が得られることが公知となっている。
【0008】
また、インク受理層に1次粒子が3〜40nmで2次凝集粒子が平均粒子径が10〜200nmの非晶質シリカ及び/またはアルミナシリケートを含有し、かつインク受理層のヘイズ度が4〜65%であるインクジェット記録体が提案されている。
【0009】
従来から一般的に用いられてきた紙支持体は、それ自体がインク受理層としての役割を有していたが、前述したポリオレフィン樹脂被覆紙等の耐水性支持体は、紙支持体と違ってインクを吸収することができないため、支持体上に設けられたインク受理層のインク吸収性が重要であり、インク受理層の空隙率を高める必要がある。従って、気相法シリカ等の塗布量を多くし、更に、バインダーの比率を低減する必要があった。
【0010】
また、従来ゼラチン、アミノ基不活性化ゼラチン、寒天等の可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを用い、このバインダーの水溶液が低温ではゲル状態となる機構を利用したインクジェット記録シートが公知であるが、これら可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを利用したインク受理層塗布液のゲル化温度は30℃よりも低く、さらに低温での固化、いわゆるコールドセットを行った後低温で時間をかけてインク受理層の乾燥を行わなければならず、仮に、塗布後高温で乾燥するとインク受理層が大きく割れたり、酷いときは剥がれたりしてしまう(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
また、耐水性支持体上に気相法シリカやアルミナ水和物等の多孔質インク受理層を設けるのに用いる一般的なインク受理層塗布液を該耐水性支持体上に塗布し、高温で乾燥した場合はもちろん、乾燥皮膜に細かなひび割れや酷い時には大きな割れが生じてしまう。細かな割れはインク受理層の光沢度を低下させてしまう。そこで、可逆的なゾルゲル変換可能なバインダーを用いるインク受理層塗布液の場合と同様に、割れの発生を防ぐため塗布後の乾燥条件を緩く、すなわち乾燥温度を下げ、また時間をかけて乾燥する手法等が広く取られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法ではシートの生産効率が非常に低いものとなってしまう。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−64306号公報(第5〜6頁)
【特許文献2】
特開2000−27093号公報(第8〜10頁)
【特許文献3】
特開2002−2094号公報(第6頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、インク受理層にひび割れの発生がなく、光沢度が高くかつインク吸収性が良好なインクジェット記録シート及びその製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の発明に至った。
【0015】
すなわち、紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0016】
該インク受理層にけん化度が85〜90mol%のポリビニルアルコールを含有したことを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0017】
該微粒子が気相法シリカまたはコロイダルシリカであることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0018】
該微粒子がアルミナ水和物であることを特徴とするインクジェット記録シートの発明である。
【0019】
ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法の発明である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
第1の本発明のインクジェット記録シートは、紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたものであるが、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることが特徴である。該ゲル化温度が40℃未満のインク受理層塗布液を該樹脂被覆紙に塗布すると、乾燥途中で該インク受理層に細かなひび割れが発生してしまい、酷いときには該インク受理層が大きく裂けたり、該樹脂被覆層から剥がれ落ちてしまったりする。本発明において、ゲル化温度とはインク受理層塗布液の液温が該ゲル化温度以下となったときに該インク受理層塗布液の粘度が急上昇しB型粘度60rpmで10000mPa・s以上(以下、この状態をゲル状態と称する)を示し、流動性を完全に失う温度と定義される。
【0021】
インク受理層塗布液にゲル化特性を付与する、すなわちゲル化温度を境に低温側でゲル状態とするには、架橋剤あるいはゲル化剤をインク受理層塗布液に添加すればよい。具体的には、該インク受理層塗布液を構成する水溶性バインダーにポリビニルアルコールを用いた場合にはホウ酸、または、メチルセルロースあるいはヒドロキシプロピル・メチルセルロースを用いることができる。該架橋剤あるいは該ゲル化剤の添加量は特に制限されず、要求されるゲル化温度を実現するために最適な量を適宜加えることができる。
【0022】
本発明のインク受理層塗布液を構成する水溶性バインダーとしては、特に制限されないが、公知の各種水溶性バインダーを用いることができるものの、透明性が高く、より高いインク浸透性が得られる親水性バインダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0023】
特に、けん化度が85mol%以上でかつ90mol%以下であるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。けん化度が85mol%以上でかつ90mol%以下であるポリビニルアルコールを用いることにより印字ムラがなくなることが判明した。けん化度が85mol%よりも低くなるとインク受理層塗布液をゲル状態とすることが困難となり、けん化度が90mol%よりも高くなるとインク受理層塗布液のゲル化温度以上での粘度が高くなりやすく、樹脂被覆紙へ塗布した際、塗膜表面がレベリングせず、結果的に出来上がったインク受理層の光沢度が若干低くなってしまう。
【0024】
本発明のインク受理層に含有される微粒子は、その一次粒子径が3nm以上であり、かつ40nm以下であれば特に制限されない。好ましくは二次粒子径が400nm以下の微粒子が用いられる。二次粒子径が400nm以下であれば印字の際のインク吸収性とインク受理層の光沢のバランスが非常によいものができる。例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されているアルミナ水和物である擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
【0025】
本発明のインクジェット記録シートのインク受理層には気相法シリカまたはコロイダルシリカが好ましく用いることができる。気相法シリカまたはコロイダルシリカを微粒子として使うことでインク受理層の透明性とインク吸収性のバランスがとれ、優れた光沢性を有し、なおかつインク吸収性が良好なインクジェット記録シートとすることができる。
【0026】
一般にシリカ微粒子は、乾量基準でSiO293%以上、Al2O3約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶質シリカがある。非晶質シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法及び気相法がある。その中で、気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法であり、該気相法で製造された非晶質シリカを気相法シリカという。
【0027】
気相法シリカは、一般には火炎加水分解法によって作るくられる。具体的には、四塩化珪素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化珪素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化珪素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、例えば、日本アエロジル(株)からアエロジルとして市販されており入手することができる。
【0028】
コロイダルシリカは湿式法で合成された一次粒子径が数nm〜100nm程度の合成シリカであり、その形状は、一般的に球状または球状に近い形状をしている。本発明に係わるコロイダルシリカは、小さいシリカ粒子が鎖状に連結した細長い形状、または三次元網目構造を有している非球状のものがより好ましい。細長い形状の粒子とは三次元方向には伸長を有さず、同一平面内に伸長したものをいう。細長い形状の粒子には、ほぼ真っ直ぐなもの、屈曲しているもの、分枝を有するもの、環を有するもの等が含まれる。これに対し、三次元網目構造を有する粒子とは、これら細長い形状の粒子が文字通り三次元的に絡まった網目状構造を有するものを指す。
【0029】
コロイダルシリカは以下のようなものが市販されており入手することができる。例えば、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス20L、スノーテックスUP、スノーテックスOL、スノーテックスAK、スノーテックスPST−1、スノーテックスK、スノーテックスXS、スノーテックスSS、スノーテックスXL、スノーテックスYL、スノーテックスZL、スノーテックスPST−1、スノーテックスPST−3、スノーテックスPST−5、MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−ST、DMAC−ST(以上、日産化学工業製)、カタロイドS−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイドSI−350、カタロイドSI−45P、カタロイドSI−80P、カタロイドSN、カタロイドSA、カタロイドSB、USB−1、USB−2、USB−3、OSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化成工業製)、シリカ/アルミナハイブリッドゾルとしては、スノーテックスUP−AK1、スノーテックスUP−AK2、スノーテックスUP−AK3(以上、日産化学工業製)、酸化アンチモンゾルとしては、A−1530、A−1550、A−2550(以上、日産化学工業製)、リチウムシリケートとしては、リチウムシリケート35、リチウムシリケート45、リチウムシリケート75(以上、日産化学工業製)などを挙げることができる。
【0030】
本発明のインクジェット記録シートのインク受理層にはアルミナ水和物を好ましく用いることができる。アルミナ水和物を用いることにより、より一層優れた光沢性を発現することができるインクジェット記録シートとすることができる。
【0031】
アルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al2O3・nH2O
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
【0032】
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さい場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、インク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造することが困難となる。
【0033】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
【0034】
本発明のインクジェツト記録シートには、市販のアルミナ水和物も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)などを挙げることができる。
【0035】
本発明において用いられる酸化アルミニウム超微粒子は、γ型結晶であるγ型酸化アルミニウム微粒子が好ましく用いられる。γ型結晶は結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
【0036】
γ型結晶微粒子のアルミナは、1次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、一般に、1次粒子は2次凝集形態(以下、2次粒子と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ結晶微粒子を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好であるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくなる。
【0037】
γ型アルミナ結晶微粒子ゾルを得るには、通常、数千から数万nmの2次粒子となっているγ型アルミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越えると、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ結晶微粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でインク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェット記録媒体を得ることができる。
【0038】
γ型アルミナ結晶微粒子は、市販品として、δグループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住友化学(株)製)などとして入手できる。
【0039】
本発明において、インク受容層には、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤、界面活性剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0040】
本発明において好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0041】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0042】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0043】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂や電子線や紫外線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0044】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0045】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線や紫外線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線や紫外線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0046】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0047】
インク受理層塗布液の塗設量も特に制限されないが、塗層厚みで1〜100μmの範囲であることが好ましい。塗層厚みが1μm未満ではインク受理層によるインク吸収性が充分ではないため、吸収ムラ等が発生し、インクジェット性能に悪影響が生じる傾向が見られるようになる。また、100μmを越えるとインク受理層と支持体の間の接着強度が低下する傾向が見られるようになる。
【0048】
第2の本発明であるインクジェット記録シートの製造方法は、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とする。塗布時の該インク受理層塗布液の液温を該ゲル化温度より20℃以上高くすると、作製された本発明のインクジェット記録シートのインク吸収性がより一層向上することが判明した。該液温を該ゲル化温度以下とした場合、該インク受理層塗布液はゲル状態となってしまうため該樹脂被覆紙への塗布は困難となる。また、該液温を該ゲル化温度以上ゲル化温度より20℃を超えない範囲に保ち該樹脂被覆層上に塗布すると該液温を該ゲル化温度より20℃以上高く保ち塗布したものと比べインク吸収性の若干劣ったインクジェット記録シートとなる。
【0049】
本発明において、インク受理層塗布液の塗布方法は特に制限されず、任意の方法が用いられ、例えばスライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
【0050】
また、インク受理層塗布液塗布後の乾燥条件も特に制限されないが、樹脂被覆紙を構成する樹脂が軟化したり溶融することがない温度に設定することが好ましい。好ましくは、80〜180℃である。
【0051】
本発明において、インクジェット記録シートには、無機微粒子を含有するインク受理層に加え、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例、及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
【0053】
<アルミナ水和物の合成>
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、硝酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15質量%になるように濃縮し、白色の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測定したところ、30nmであり、アスペクト比6.0の平板状の超微粒子状アルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によって平均細孔半径、細孔容積及びBET比表面積を測定したところ、それぞれ7.1nm、0.65ml/gそして200m2/gであった。
【0054】
実施例1
水に下記配合を加えてなるインク受理層塗布液(固形分濃度17%)を作製した。作製は全原料を60℃に加熱した状態で行い、さらに作製した該インク受理層塗布液を塗布される直前まで60℃に保持されたウォーターバス中に液温が60℃を保つように保持した。該インク受理層塗布液の固形分は15%に調整した。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が40℃となったところでゲル状態となったことより、該インク受理層塗布液のゲル化温度は40℃と判定される。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA105H、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度500)
ほう酸 2部
【0055】
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0056】
該支持体の表面に該インク受理層塗布液をドクターブレードで乾燥後の膜の厚みが40μmとなるように塗布し、100℃で5分間乾燥して本発明のインクジェット記録シートを得た。塗布時のインク受理層塗布液の液温は、加温保持時の液温と同じであった。以下の実施例においても同様である。
【0057】
実施例2
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が70℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は70℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を90℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を90℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA110、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度1000)
ほう酸 1部
【0058】
実施例3
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が40℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は40℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を60℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を60℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
ほう酸 0.5部
【0059】
実施例4
アルミナ水和物を酸化チタン(石原産業(株) TTO−55、一次粒子径40nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0060】
実施例5
アルミナ水和物を気相法シリカ(日本アエロジル(株)、アエロジル380、一次粒子径7nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0061】
実施例6
アルミナ水和物をコロイダルシリカ(日産化学工業(株) スノーテックスOL40、一次粒子径40nm)に変更した以外は実施例3と同様にして本発明のインクジェット記録シートを得た。なお、作製したインク受理層塗布液のゲル化温度は40℃であった。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
【0062】
比較例1
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が30℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は30℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA105H、(株)クラレ製、ケン化度98.5%、平均重合度500)
ほう酸 0.5部
【0063】
比較例2
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、室温(約20℃)まで冷却しても該インク受理層塗布液はゲル状態とならなかったため、該インク受理層塗布液はゲル化温度を持たないと判定した。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。
アルミナ水和物 100部
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA420、(株)クラレ製、ケン化度79.5%、平均重合度2000)
ほう酸 0.5部
【0064】
比較例3
下記配合にてインク受理層塗布液を作製した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得た。また、作製した該インク受理層塗布液の一部を採取し、冷却したところ液温が30℃となったところでゲル状態となったため、該インク受理層塗布液のゲル化温度は30℃である。なお、該インク受理層塗布液の作製は全原料を50℃に保持した状態で行い、さらに、該インク受理層塗布液は塗布される直前まで液温を50℃に保持されていた。ゲル化温度と液温の差は20℃である。
アルミナ水和物 100部
酸処理ゼラチン 20部
【0065】
〈試験方法〉
ひび割れ具合
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートのインク受理層面を目視で観察して、ひび割れの発生具合を観察した。インク受理層表面にひび割れが全く観察されないものをひび割れ具合が優、細かなひび割れが僅かに観察されるものをひび割れ具合を並、多数の細かなひび割れや大きなインク受理層の裂けが観察されるものはひび割れ具合を劣と判定した。
【0066】
印字部光沢性
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)でブラックの矩形パターンを印字した。この印字パターンを目視観察した。際だって光沢性のあるものを印字部光沢性を優とし、十分な光沢性のものを印字部光沢性を並とし、光沢感が劣るものを印字部光沢性を劣とした。
【0067】
印字ムラ
実施例及び比較例で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)で5cm×5cmのベタパターンをブルー印字し、目視評価を行った。印字ムラが全く見られず、均一であるものを印字ムラが優とし、印字ムラが若干見られるが、画像に影響を及ぼすほどではないものを印字ムラを並とし、印字ムラが見られ、印字部の場所により濃淡が現れ、画像が乱れているものを印字ムラが劣と判定した。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例7
該インク受理層塗布液が塗布される直前まで液温を65℃に保持されていたこと以外は実施例1と同様にして本発明の製造方法にてインクジェット記録シートを作製した。ゲル化温度と液温の差は25℃である。
【0070】
実施例8
該インク受理層塗布液が塗布される直前まで液温を55℃に保持されていたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。ゲル化温度と液温の差は15℃である。
【0071】
〈試験方法〉
インク吸収性
実施例1及び7,8で作製したインクジェット記録シートにインクジェットプリンタ(キヤノン(株) BJC−420J)を使い、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクで重色の矩形パターンを印字した。重ねるインク量が各色全て100%の時を300%とし、全90%の時を270%とし、全て60%の時を180%として矩形パターンを作成して印字した。この印字パターンと未印字部分の境界部分を下記の基準に従って、目視にて評価した。
優:300%印字でアフレが認められない。
並:270%印字でアフレが認められない。
劣:180%印字でアフレが認められる。
【0072】
【表2】
【0073】
評価:表1より明らかなように、第1の本発明のインクジェット記録シートは、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布、乾燥して形成されていることによりインク受理層でひび割れが発生することがない。さらに、該インク受理層に含有されるポリビニルアルコールのけん化度が85〜90mol%であると光沢性も向上し、印字ムラも全くなくなることが判る。一方、比較例にあるようにゲル化温度が40℃に満たなかったり、ゲル化すらしない、すなわちゲル化温度を持たないインク受理層塗布液を塗布したインクジェット記録シートではインク受理層のひび割れを回避することができないため、印字部光沢性、印字ムラも劣ったものとなる。
【0074】
さらに、表2より明らかなように、第2の本発明のインクジェット記録シートの製造方法は、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けるため、インク吸収性が良好である。実施例5のように液温をゲル化温度以上ゲル化温度より20℃を超えない範囲に保ち樹脂被覆層上に塗布した作製したインクジェット記録シートの方がインク吸収性は低くなる。
【0075】
【発明の効果】
第1の本発明のインクジェット記録シートは、ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布、乾燥して形成されていることによりインク受理層でひび割れが発生することがなく良好な印字画像を得ることができ、さらに第2の本発明のインクジェット記録シートの製造方法を用いることでインク吸収性を一層向上させることができ有効である。
Claims (5)
- 紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に一次粒子径が3nm〜40nmの微粒子を含有したインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層がゲル化温度40℃以上であるインク受理層塗布液を塗布し、乾燥して設けられたものであることを特徴とするインクジェット記録シート。
- 該インク受理層にけん化度が85〜90mol%のポリビニルアルコールを含有したことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
- 該微粒子が気相法シリカまたはコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録シート。
- 該微粒子がアルミナ水和物であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録シート。
- ゲル化温度が40℃以上であるインク受理層塗布液を該ゲル化温度より液温を20℃以上高くした状態で紙の片面あるいは両面に樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙の少なくとも一方の樹脂被覆層上に塗布し、乾燥してインク受理層を設けることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
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