JP3971897B2 - インクジェット被記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット被記録媒体の製造方法に関するものであり、更には高いインク吸収性、優れた画像色彩性を有するインクジェット被記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録媒体に付着させ、画像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
又、インクジェット記録装置の低価格化、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像をパーソナルコンピュータレベルで簡単に得ることができること等から、インクジェット記録装置は、特定の人に使用される特殊な記録装置から汎用の記録装置に変遷してきており、特に近年では更にインクジェット記録装置の高精細化が進み、写真画質を謳ったインクジェット記録装置が低価格で出現したことにより、個人で所有する割合も大幅に増加してきている。
【0004】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやPOPアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途では、インクジェットの高鮮鋭性を生かせ、色彩性も優れていることから良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット被記録媒体を多用する理由ともなっている。
【0005】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット被記録媒体に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。特に画像の高精細化を謳った記録装置や大判印字可能な記録装置では、画像を形成するために使用されるインクの量が従来よりかなり増加しており、インクを吸収するためのインク受容層の改良が進んでいる。
【0006】
又、用途の多様化はインクジェット被記録媒体の外観に対しても生じており、従来からある普通紙やマット紙といった光沢のない或いは光沢の低い外観に加え、アート紙、コート紙、キャスト紙、印画紙等に類似の光沢を有した外観が求められている。これはインクジェット記録が印刷や写真に匹敵する画像品質を再現できることにより、外観も類似させたいという要望が生じているためである。
【0007】
そこで、光沢表面を備えたインクジェット被記録媒体としては、塗層が湿潤状態にある間にキャスト仕上げして得られるキャスト塗被紙が特開平6−320857号公報等に記載されているが、銀塩写真印画紙と比較するとその表面光沢は極めて低く、銀塩写真の質感が得られるものではない。
【0008】
一方、表面光沢性を高めたインクジェット被記録媒体としては、支持体上に樹脂からなるインク受容層を設けたものが提案されている。こうした用途に使用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−38185号、同62−184879号公報等に記載されているようなポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、特開昭60−168651号、同60−171143号、同61−134290号公報に記載されているようなポリビニルアルコールを主体とする樹脂組成物、特開昭60−234879号公報に示されているようなビニルアルコールとオレフィンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体、特開昭61−74879号公報に示されているようなポリエチレンオキサイドとイソシアネートとの架橋物、特開昭61−181679号公報に示されているようなカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキサイドとの混合物、特開昭61−132377号公報に示されているようなポリビニルアルコールにメタクリルアミドをグラフト化したポリマー、特開昭62−220383号公報に示されているようなカルボキシル基を有するアクリル系ポリマー、特開平4−214382号公報等に示されているようなポリビニルアセタール系ポリマー、特開平4−282282号、同4−285650号公報に記載されているような架橋性アクリル系ポリマー等種々のインク吸収性ポリマーが提案されている。また、特開平4−282282号、同4−285650号公報等には架橋性ポリマーから構成されるポリマーマトリックスと吸収性ポリマーとを併用したインクジェット被記録媒体が提案されている。しかし、これら樹脂からなるインク受容層は、シリカ等の顔料微粒子からなるインク受容層と比較して、表面光沢性は得られるものの、吸収速度が遅く、また吸収量が少ないという欠点を有する。
【0009】
インク吸収速度が速く、表面光沢性を高めたインクジェット被記録媒体としては、近年、アルミナ水和物(カチオン性アルミナ水和物)を用いたインクジェット用被記録材が提案されており、例えば特開昭60−232990号、同60−245588号公報、特公平3−24906号公報、特開平6−199035号、同7−82694号公報に記載されているように微細な擬ベーマイト形アルミナ水和物を水溶性バインダーとともに支持体表面に塗工したインクジェット被記録媒体が開示されている。しかしながら、擬ベーマイト形アルミナ水和物を用いたインクジェット被記録媒体は、表面光沢性は非常に高くなるものの、細孔容積が少ないために、例えば特開平5−24335号公報に記載されているように、インク吸収容量が少なく、十分なインク吸収容量を得るためには厚膜塗布が必要である。
【0010】
また、例えば特開平10−203006号公報には、一次粒子径が3nm〜30nmである主として気相法による合成シリカを使用するインクジェット被記録媒体が提案されている。この場合も充分な吸収容量を得るために、30μm以上の膜厚が必要とされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インクを用いて記録するインクジェット被記録媒体の製造方法において、高いインク吸収性、優れた画像色彩性を有するインクジェット被記録媒体の製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、高いインク吸収性(速乾性)、優れた画像色彩性の被記録媒体について鋭意研究した結果、無機微粒子を親水性ポリマーでゲル化し、そのゲルの分散物を含有する塗被組成物を塗工することによって、無機微粒子が空隙構造を形成して乾燥され、より高いインク吸収性(速乾性)を有するインクジェット被記録媒体を製造出来ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明のインクジェット被記録媒体は、支持体上に親水性ポリマー及び無機微粒子を含有する塗被組成物を塗工してなる多孔質層を有するインクジェット被記録媒体の製造方法であって、該親水性ポリマーがシラノール変性ポリビニルアルコールであり、該無機微粒子の一次粒子径が3nm〜100nmであり、且つ該塗被組成物が、該シラノール変性ポリビニルアルコールと該無機微粒子の分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液を加え、親水性ポリマー及び無機微粒子を含有するゲルを形成させ、且つ該ゲルを分散したものを含有することを特徴とするインクジェット被記録媒体の製造方法である。
【0016】
該支持体は、紙の上に熱可塑性樹脂の被覆層を設けた樹脂被覆紙が好ましく、更に該熱可塑性樹脂がポリエチレン樹脂或はポリプロピレン樹脂であるとより好ましい。また、該熱可塑性樹脂の被覆層中に顔料を含有することも好ましい態様である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のインクジェット被記録媒体の製造方法について、詳細に説明する。
【0018】
本発明に用いられる親水性ポリマーとしては、水溶性或いは水親和性の高分子化合物が用いられる。これらの親水性ポリマーは、無機微粒子と混合すると、ゲルを形成するか、或いは無機微粒子とは直接ゲルを形成しないが、親水性ポリマーをゲル化させる第3の成分を添加することでゲルを形成するものを選択する。例えば、親水性ポリマーとしてはポリビニルアルコール及びその変性物、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、でんぷん、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等である。好ましくは、シラノール変性ポリビニルアルコールやその誘導体である。シラノール変性ポリビニルアルコールやその誘導体はコロイダルシリカや気相法シリカの分散物とゲルを形成しやすい。
【0019】
本発明で言う、シラノール変性ポリビニルアルコールとは、例えば、Die Angewandte Makromolekulare chemie 81,137(1979)などに記載されている従来公知の合成方法で製造することができるものであり、ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルをメタノール中などで共重合せしめ、次いで水酸化ナトリウムを触媒とするメタノリシスによって酢酸ビニルを鹸化して目的の重合物を得ることができる。シラノール変性ポリビニルアルコールとしては、鹸化度85%以上、重合度500〜2000程度、分子中のシラノール基の含有量が単量体単位として、0.05〜3mol%が好ましい。このようなシラノール変性ポリビニルアルコールは市販のものを好適に用いることができ、例えば、R−1115,R−1130、R−2105、R−2130(以上、クラレ製)などを挙げることができる。
【0020】
これらの親水性ポリマーは、単独乃至複数を併用してもよく、無機微粒子に対し、2〜80重量%を添加する。好ましくは、5〜50重量%を添加する。上記の添加量の範囲以下ではゲル形成が弱くなり、多すぎるとゲルが強く成りすぎて再分散が困難になる。
【0021】
本発明において、必要に応じて使用できる第3の添加成分としては、親水性ポリマーと架橋或いは反応或いはイオン的に結合してゲルを形成するものや、溶解性を調節してゲルとして析出させるようなものを言う。例えば、ポリビニルアルコールに対するほう酸やほう砂、シラノール変性ポリビニルアルコールに対するカチオン樹脂や水溶性多価金属塩等を挙げることが出来る。
【0022】
本発明のインクジェット被記録媒体における無機微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子を言う、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに提案されている擬ベーマイトゾル、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、超微粒子シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
【0023】
本発明のインクジェツト被記録媒体には、市販の無機微粒子も好適に用いることができる。以下にその一例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、アルミナ水和物としては、カタロイドAS−1、カタロイドAS−2、カタロイドAS−3(以上、触媒化学工業製)アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(以上、日産化学工業製)、M−200(以上、水澤化学工業製)、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾル132、アルミゾル132S、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルSV102、アルミゾルSB52(以上、川研ファインケミカル製)、また、コロイダルシリカとしては、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテックスS、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス20L、スノーテックスUP、スノーテックスOL、スノーテックスAK、スノーテックスPST−1、スノーテックスK、スノーテックスXS、スノーテックスSS、スノーテックスXL、スノーテックスYL、スノーテックスZL、スノーテックスPST−1、スノーテックスPST−3、スノーテックスPST−5、MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−ST、DMAC−ST(以上、日産化学工業製)、カタロイドS−20L、カタロイドS−20H、カタロイドS−30L、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSI−40、カタロイドSI−50、カタロイドSI−350、カタロイドSI−45P、カタロイドSI−80P、カタロイドSN、カタロイドSA、カタロイドSB、USB−1、USB−2、USB−3、OSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1622、OSCAL1722(以上、触媒化成工業製)、シリカ/アルミナハイブリッゾゾルとしては、スノーテックスUP−AK1、スノーテックスUP−AK2、スノーテックスUP−AK3(以上、日産化学工業製)、酸化アンチモンゾルとしては、A−1530、A−1550、A−2550(以上、日産化学工業製)、チリウムシルケートとしては、チリウムシリケート35、チリウムシリケート45、チリウムシリケート75(以上、日産化学工業製)などを挙げることができる。
【0024】
これらの無機微粒子の中でも特に、コロイダルシリカ或は気相法シリカ超微粒子を好適に用いることができる。
【0025】
無機微粒子の一つであるコロイダルシリカの形状は、一般的に球状または球状に近い形状をしている。本発明に係わるコロイダルシリカは、小さいシリカ粒子が鎖状に連結した細長い形状、または三次元網目構造を有している非球状のものが好ましい。細長い形状の粒子とは三次元方向には伸長を有さず、同一平面内に伸長したものをいう。細長い形状の粒子には、ほぼ真っ直ぐなもの、屈曲しているもの、分枝を有するもの、環を有するもの等が含まれる。これに対し、三次元網目構造を有する粒子とは、これら細長い形状の粒子が文字通り三次元的に絡まった網目状構造を有するものを指す。
【0026】
本発明に好ましく使用されるこれら非球状のシリカ粒子は種々の方法によって得られ、本発明においては、いかなる方法によって得られたものであっても、シリカ粒子が非球状を有していれば本発明に好ましく用いることができる。非球状のシリカ粒子の形成方法として、例えば一般的な水ガラスからアルカリ分を除去して活性珪酸とし、非球状(鎖状)に連結するように2価以上の陽イオンを加えて粒子を成長させることにより得られる。
【0027】
ここで活性珪酸とは、珪酸及び粒子径3nm未満の珪酸の重合体が共存するコロイド粒子であり、公知の方法で容易に得られる。好ましい活性珪酸のコロイド水溶液は、水溶性珪酸塩、例えばSiO2/M2O(但し、Mはアルカリ金属原子を示す)モル比が1〜4.5程度の水ガラスの希釈液を陽イオン交換処理することにより得られ、SiO2換算で通常6重量%以下、好ましくは1〜6重量%含有し、通常pH5以下、好ましくは2〜5であるものが用いられる。このpHは、上記水ガラス希釈液を陽イオン交換処理する際、その中の陽イオンの一部分を残存させることによっても、あるいはその中の陽イオンの全部または一部分を除いた後に得られた活性珪酸のコロイド水溶液に少量のアルカリ金属酸化物、水溶性有機塩基等を加えることによっても容易に調製することができる。この活性珪酸のコロイド液は不安定であって、ゲル化しやすい性質を有するので、このゲル化を促進するがごとき不純物をなるべく含有しないものが好ましく、また調製直後のものが好ましい。さらに好ましい活性珪酸のコロイド水溶液は、SiO2/Na2Oモル比が2〜4程度の市販工業製品であるナトリウム水ガラスの希釈水溶液を水素型陽イオン交換樹脂を通過させることにより得られる。
【0028】
この活性珪酸のコロイド水溶液に、非球状(鎖状)に連結するように2価以上の陽イオンを加えて粒子を成長させる。2価以上の陽イオンとしては、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが好ましく、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはそれらの混合物の形態で、水溶液として添加することが好ましい。このカルシウム塩、マグネシウム塩、またはそれらの混合物の総量としては、上記活性珪酸に対し、それぞれの酸化物として換算した重量比[(CaO+MgO)/SiO2]では1500〜25000ppm、細長い粒子の場合は特に1500〜8500ppmとなる量が好ましい。
【0029】
また、これらの塩の添加は活性珪酸のコロイド液の攪拌下に行うのが良く、その場合の混合温度及び時間には特に制限はないが、2〜50℃で5〜30分程度が好ましい。加えられるカルシウム塩及びマグネシウム塩の例としては、カルシウムまたはマグネシウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、蟻酸塩、及び酢酸塩等の無機酸塩及び有機酸塩が挙げられる。これらカルシウム塩とマグネシウム塩は混合して用いても良い。また、これらの塩の添加時の濃度としては特に制限はなく、2〜20重量%程度で良い。
【0030】
これらカルシウム塩及びマグネシウム塩等と共にカルシウム及びマグネシウム以外の多価金属成分が上記活性珪酸のコロイド液に含まれていると、さらに好ましくシリカゾルを製造することができる。このカルシウム及びマグネシウム以外の多価金属の例としては、Sr、Ba、Zn、Sn、Pb、Cu、Fe、Ni、Co、Mn、Al、Cr、Y、及びTi等の2価、3価または4価の金属が挙げられる。これら多価金属成分の量としては、カルシウム塩及びマグネシウム塩の量をそれぞれCaO及びMgOの量に換算した時、これらCaO及びMgOに対し、多価金属酸化物として10〜80重量%程度が好ましい。
【0031】
上記水ガラスの希釈溶液を陽イオン交換処理することによって得られた活性珪酸のコロイド液に上記多価金属分が残留している場合には、この多価金属分は上記10〜80重量%の一部として算入する。残部の多価金属分は、上記多価金属の水溶液として、加えられるカルシウム塩及びマグネシウム塩等と一緒に加えるのが好ましい。この多価金属の好ましい例としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、蟻酸塩、及び酢酸塩等の無機酸塩や有機酸塩が挙げられる。また、亜鉛酸塩、錫酸塩、アルミン酸塩、及び鉛酸塩等、例えば、アルミン酸ナトリウム、錫酸ナトリウム等の塩も用いることができる。加えられる上記カルシウム塩、マグネシウム塩、及び多価金属塩等は、活性珪酸のコロイド液と均一に混合するのが好ましく、通常、水溶液として添加される。
【0032】
上記の工程によって得られた水性液に、アルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基、またはそれらの水溶性珪酸塩を加える。この添加は、上記工程の終了後なるべく早く、そして攪拌下に行うのが好ましい。またこれらの混合の温度及び時間には特に制限はないが、2〜50℃で5〜30分程度が好ましい。加えられるアルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基、またはそれらの水溶性珪酸塩は、上記工程によって得られた水性液と均一に混合されるのが好ましく、直接または水溶液として添加される。
【0033】
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等の水酸化物が挙げられる。有機塩基としては、例えば、テトラエタノールアンモニウム水酸化物、モノメチルトリエタノールアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム水酸化物等の第4級アンモニウム水酸化物類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、及びモルホリン等のアミン類、その他塩基性窒素原子含有の有機化合物等が挙げられる。また、それらの水溶性珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、上記第4級アンモニウムの珪酸塩、上記アミンの珪酸塩等が例示される。
【0034】
さらに、アルカリ金属または有機塩基のアルミン酸塩、蟻酸塩、亜鉛酸塩、及び鉛酸塩等も用いることができる。これらアルカリ金属水酸化物、有機塩基、珪酸塩、及び金属酸塩等は混合して用いても良い。上記アルカリ金属水酸化物のアルカリ金属原子または有機塩基の分子をMで表せば、加えられるアルカリ金属水酸化物、有機塩基またはそれらの水溶性珪酸塩の量は、活性珪酸に由来するシリカ分及び珪酸塩のシリカ分の合計をSiO2として、SiO2/M2Oが20〜200、好ましくは60〜100のモル比となる量が良い。この添加によって、液はpH7〜10程度を示すに至る。
【0035】
以上の工程により得られた混合物を60〜300℃で30分〜40時間、好ましくは90〜150℃で2〜12時間加熱することによりSiO2濃度1〜6重量%の非球状の形状を有するシリカゾルが得られる。所望によりこのゾルを濃縮することにより、より高濃度なゾルが得られる。尚、上記の方法によって得られた非球状のシリカ粒子は、動的光散乱法により測定した二次粒子径が40〜300nmの範囲であり、電子顕微鏡観察によると5〜40nmの太さで一平面内または三次元的に成長した形状を有している。
【0036】
本発明に係わる非球状のシリカ粒子は、少なくとも本発明のインクジェット被記録媒体におけるインク受容層を形成するための塗液において、非球状の形状で存在していれば良く、インク受容層形成用塗液の調液に先だって、上記の方法を含めて本発明に係わる非球状のシリカ粒子を調製し、これを用いてインク受容層形成用塗液を調製しても良いし、インク受容層形成用塗液調液時に、塗液中で上記の方法を含めて本発明に係わる非球状のシリカ粒子を調製しつつ塗液を調液しても良い。塗液調液前に予め本発明に係わる非球状のシリカ粒子を用意しておくのであれば、市販のものも用いることができる。市販の非球状のシリカ粒子の例としては、日産化学工業製スノーテックスUP、及びスノーテックスOUP等が挙げられる。
【0037】
コロイダルシリカ以外のシリカ微粒子は、乾量基準でSiO293%以上、Al2O3約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、いわゆるホワイトカーボン、シリカゲルや微粉末シリカなどの非晶性シリカがある。非晶性シリカ微粒子の製造方法としては、液相法、粉砕固相法、晶析固相法および気相法がある。液相法とは、いわゆる液中に存在する珪酸化合物等を、化学変化または物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方法である。粉砕固相法とはシリカ固体を機械的に粉砕する方法であり、晶析固相法とは溶融や固体の相転移などを利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法である。
【0038】
本発明で使用するシリカ微粒子は、上記の内、気相法により合成された非晶性シリカ微粒子である。中でも平均一次粒子径が3nm〜100nmの超微粒子状シリカが好ましい。特に好ましい一次粒子径は4nm〜50nmのものである。またこれらが連結した二次粒子としては、10nm〜200nm、より好ましくは15nm〜100nmにするのがよい。この気相法により合成された非晶性シリカ微粒子として市販されている製品としては、アエロジル(テグサ社)が該当する。
【0039】
本発明で使用する気相法シリカ微粒子ゾルは、上記の一次粒子径をもつシリカ微粒子を水に添加し、高速ホモジナイザー等で分散して平均二次粒子径が400nm以下、好ましくは200nm以下にまで分散したものである。
【0040】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、下記の一般式により表すことができる。
Al2O3・nH2O
アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
【0041】
アルミナ水和物が十分なインク吸収速度を有するには、アルミナ水和物の平均細孔半径が1乃至10nmであることが好ましく、特に、3乃至7nmであることが好ましい。細孔半径が小さすぎるとインクの吸収が困難となり、細孔半径が大きすぎると、インク中の染料の定着が悪くなり画像の滲みが発生する。
【0042】
アルミナ水和物が十分なインク吸収容量を有するには、アルミナ水和物の細孔容積が0.3乃至0.8ml/gの範囲であることが好ましく、特に、0.4乃至0.6ml/gの範囲であることが好ましい。インク受容層の細孔容積が大きい場合にはインク受容層にひび割れや粉落ちが発生し、細孔容積が小さい場合にはインクの吸収が遅くなる。更に、単位面積当たりのインク受容層の溶媒吸収量は5ml/m2以上、特に10ml/m2以上であることが好ましい。単位面積当たりの溶媒吸収量が小さい場合には、特に多色印刷を実施した場合にインクが溢れることがある。
【0043】
アルミナ水和物がインク中の染料を十分に吸収し、定着するにはBET比表面積が70乃至300m2/gの範囲であることが好ましい。BET比表面積が小さすぎると細孔径分布が大きい方へ片寄って、インク中の染料の定着効率が悪くなり、画像の滲みが発生する。逆に、BET比表面積が大きすぎるとアルミナ水和物の分散が困難となる。
【0044】
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。アスペクト比が上記の範囲より小さい場合は、インク受容層の細孔径分布が狭くなり、インク吸収性が低下する。一方アスペクト比が上記の範囲を超える場合は、粒子を揃えてアルミナ水和物を製造することが困難となる。
【0045】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
【0046】
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
【0047】
また、特開昭54−116398号公報、同55−23034号公報、同55−27824号公報、同56−120508号公報には、アルミニウムの無機塩またはその水和物を原料として使用する方法が開示されている。原料としては、例えば塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アンモニウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の無機塩およびその水和物を挙げることができる。
【0048】
更に別の方法として、特開昭56−120508号公報に記載されている如き、pHを酸性側乃至塩基性側に交互に変動させ、アルミナ水和物の結晶を成長させる方法、特公平4−33728号公報に記載されている如き、アルミニウムの無機塩から得られるアルミナ水和物と、バイヤー法で得られるアルミナとを混合し、アルミナを再水和する方法もある。
【0049】
本発明においてγ型酸化アルミニウム微粒子は、酸化アルミニウムのγ型結晶であり、結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができる。δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
【0050】
γ型結晶微粒子のアルミナは、1次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、一般に、1次粒子は2次凝集形態(以下、2次粒子と記す)を形成して、数千から数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径のγ型アルミナ結晶微粒子を使用すると、インク受容層の印字性、吸収性は良好であるものの、透明性に欠け、塗膜欠陥が発生しやすくなる。一次粒子の平均粒子径は、80nm未満であることが好ましい。80nm以上の一次粒子からなる2次粒子を使用すると、脆弱性が増し、塗膜欠陥が非常に発生しやすくなる。
【0051】
γ型アルミナ結晶微粒子ゾルを得るには、通常、数千から数万nmの2次粒子となっているγ型アルミナ結晶をビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは100nm以下の超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nmを越えると、インク吸収性は増加するが、被膜が脆く、透明性が低下する。粉砕手段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いる方法が好ましく、ビーズミル等の他の粉砕方法では、γ型アルミナ結晶が硬い結晶であるために、粉砕容器から異物が混入しやすく、透明性の低下や欠陥の発生の原因となる。γ型アルミナ結晶微粒子は、インク吸収性に優れ、乾燥性、インク定着性等の印字品質もよく、超微粒子化することで、高比率でインク受容層に含有させても透明性に優れたインクジェット被記録媒体を得ることができる。
【0052】
γ型アルミナ結晶微粒子は、市販品として、δグループに属する酸化アルミニウムC(日本アエロジル(株)製)、γグループに属するAKP−G015(住友化学(株)製)などとして入手できる。
【0053】
本発明における塗被組成物は、前記親水性ポリマー溶液及び無機微粒子の分散液を混合して形成されたゲルを、例えばホモジナイザーの如き超高速の攪拌機でゲルを細切れにし、水中に分散させたものや、親水性ポリマー溶液及び無機微粒子の分散液のどちらかを高速で攪拌しながら、他方を加えることによって、微粒のゲル分散液としたもの等を主組成物とする。また、親水性ポリマー溶液及び無機微粒子の分散液を混合してもゲルを形成しない場合には、その分散液の混合物に分散を不安定にする物質、例えば酸溶液、金属塩溶液、カチオン樹脂溶液等を加えることによっても、親水性ポリマー及び無機微粒子を含有するゲルを形成することが出来る。これを分散状態で作製することにより本発明の塗被組成物とすることが出来る。
【0054】
前記ゲルは、粘着性のないゲルであることが好ましい。形成されたゲルに粘着性があると、微細分散することが困難であるし、分散後もお互いにくっつき合って凝集してしまうことがあり、分散液が不安定になるからである。
【0055】
本発明における塗被組成物には、親水性接着剤を含有することも出来る。親水性接着剤としては、水溶性或いは水親和性の高分子化合物が用いられる。例えば、水溶性高分子化合物としてはポリビニルアルコール及びその変性物、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、無水マレイン酸重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、でんぷん、ポリビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等である。好ましくは、シラノール変性ポリビニルアルコールやその誘導体である。
【0056】
本発明における塗被組成物を塗布する方法は、Eバー塗布、カーテン塗布、ストラドホッパー塗布、エクストルージョン塗布、ロール塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロッドバー塗布等の各種塗布方法を採用することができる。
【0057】
本発明において、インク受容層の層構成は、単層であっても積層構成であってもよい。積層構成の場合、全層が同じ配合の層であってもよいし、他の成分で構成される層との積層構成であってもよい。
【0058】
本発明のインク受容層の塗工量は、固形分換算で単位平方メートル当たり15g以上が必要であり、本発明のさらなる効果を認めるには、好ましくは単位平方メートル当たり20g以上60g以下である。
【0059】
塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等である。
【0060】
更に、本発明の塗被組成物は、必要に応じて、界面活性剤、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料定着剤(カチオン性樹脂)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、硬膜剤等の公知の各種添加剤を添加することができる。
【0061】
本発明に用いられる支持体は、例えば紙やフィルムの如き、インク受容層を形成出来るシート状のものなら特に制限はないが、合成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルムが好ましい。手触り感、高級感及び型付けの容易性から樹脂被覆紙がさらに好ましい。
【0062】
本発明において好ましく用いられる、樹脂被覆紙用の原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、平滑で密度が高い原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。天然パルプとしては、通常製紙用に使用されるパルプ、即ち、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプ等が、いずれも使用可能である。また、白色度が高いメカニカルパルプであってもよい。更に、藁、エスパルト、バガス、ケナフ等の草類繊維、麻、楮、雁皮、三椏等の靱皮繊維、綿等より製造した非木材パルプでもよい。これらの中では通常工業的に最も多用される針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹サルファイトパルプ、広葉樹サルファイトパルプ等の晒ケミカルパルプが特に好ましい。
【0063】
パルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等の紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解されるのが通常である。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネスで250ml〜450mlの通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。
【0064】
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙されるが、この際、本発明では、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーの分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、サイズ剤、定着剤等の諸添加物は全て必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれはpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することが可能である。
【0065】
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、填料としては例えばクレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
【0066】
また、本発明に用いられる樹脂被覆紙用の原紙は、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液で、タブサイズ、もしくはサイズプレスすることも可能である。
【0067】
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
【0068】
また、本発明に用いる樹脂被覆紙用の原紙は、抄造中または抄造後、カレンダー等にて圧力を印加して圧縮する等した表面平滑性の良いものが好ましく、JIS−P−8119で測定したベックの平滑度が200秒以上のものが特に好ましい。また、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0069】
樹脂被覆紙の樹脂としては、熱可塑性樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物である。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等である。これらの熱可塑性樹脂は、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。好ましくは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂である。
【0070】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0071】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、そのインク受容層を設ける側あるいは両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
【0072】
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みにインク受容層が塗布される面または両面にコーティングされる。
【0073】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、勿論これに限定されるものではない。
【0074】
<樹脂被覆紙用原紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5重量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0重量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0重量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5重量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、ポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。
【0075】
<支持体Aの作製>
抄造した樹脂被覆紙用原紙の表面(インク受容層が設けられる側)に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100重量%の樹脂に対して、10重量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粗面化処理したクーリングロールを用いて光沢度60%の樹脂被覆をした。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂を320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面クーリングロールを用いて光沢度5%の裏面樹脂被覆をし、樹脂被覆支持体Aを作製した。
【0076】
<支持体Bの作製>
ポリプロピレン樹脂に無機充填材を配合して、二軸延伸フルム成形法によって製造された、合成紙(ユポFPG#200,王子油化合成紙製)を支持体Bとする。
【0077】
<支持体Cの作製>
樹脂被覆紙用原紙に樹脂被覆をせず、そのまま支持体Cとする。
【0078】
<アルミナ水和物の合成>
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75gで24時間、続き95℃で10時間加水分解を行った。加水分解後、酢酸24g加えて95℃で48時間攪拌した。次に、固形分濃度が15重量%になるように濃縮し、白色のアルミナ水和物の分散液を得た。このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒径を測定したところ、30nmであり、アスペクト比6.0の平板状のアルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によって平均細孔半径、細孔容積およびBET比表面積を測定したところ、それぞれ7.1nm、0.65ml/gそして200m2/gであった。
【0079】
<インク受容層塗被組成物A>
前記の15重量%のアルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液100部に対し、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を10部混合し、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液を5部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間かけ、均一分散化した。この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部をすこしずつ攪拌しながら加えてゲルの分散液とし、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合し、塗被組成物Aとした。
【0080】
<インク受容層塗被組成物B>
アルミナ微粒子として、δグループのγ型アルミナ結晶粉末である、一次粒子径13nmのアエロジル酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)600gを2400gのイオン交換水中に攪拌機にて分散し、20重量%のスラリー状の粘性液を調製した。この20重量%のγ型アルミナ分散液を用いて、アルミナ分散液100部に対し、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液を20部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間かけ、均一分散化した。この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部をすこしずつ攪拌しながら加えてゲルの分散液とし、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合し、塗被組成物Bとした。
【0081】
<インク受容層塗被組成物C>
インク受容層の塗被組成物は、一次粒子径15nmの気相法微粒子シリカ(AEROSILMOX170:Degussa社製)100gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分散し、この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部を加えて分散液とした。この分散液に、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液100gを混合しゲルの分散液とし、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Cとした。
【0082】
<インク受容層塗被組成物D>
インク受容層の塗被組成物は、市販の非球状コロイダルシリカとして、スノーテックスUP(日産化学工業(株)製、1次粒子径10〜20nm、平均2次粒子径約70nm、SiO 2 濃度 20〜21重量%)200部、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1115)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)20部を混合して分散液を作製した。この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部をすこしずつ攪拌しながら加えてゲルの分散液とし、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Dとした。
【0083】
<インク受容層塗被組成物E>
インク受容層の塗被組成物は、一次粒子径7nmの気相法微粒子シリカ(AEROSIL300:Degussa社製)50部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)30部、コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学工業(株)製、1次粒子径10〜20nm、SiO2濃度 17〜19重量%)200部、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−2130)30部を混合して分散液を作製した。この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部をすこしずつ攪拌しながら加えてゲルの分散液とし、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Eとした。
【0084】
<インク受容層塗被組成物F>
前記の15重量%のアルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液100部に対し、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を10部混合し、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液を5部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間かけ、均一分散化した。この分散液に、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合し、塗被組成物Fとした。
【0085】
<インク受容層塗被組成物G>
アルミナ微粒子として、δグループのγ型アルミナ結晶粉末である、一次粒子径13nmのアエロジル酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)600gを2400gのイオン交換水中に攪拌機にて分散し、20重量%のスラリー状の粘性液を調製した。この20重量%のγ型アルミナ分散液を用いて、アルミナ分散液100部に対し、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1130)水溶液を20部混合した。混合後、ホモミキサーに1万rpmで10分間かけ、均一分散化した。この分散液に、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合し、塗被組成物Gとした。
【0086】
<インク受容層塗被組成物H>
インク受容層の塗被組成物は、一次粒子径15nmの気相法微粒子シリカ(AEROSILMOX170:Degussa社製)100gを、500gのイオン交換水中に攪拌機にて分散し、この分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)5部を加えて分散液とした。この分散液に、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Hとした。
【0087】
<インク受容層塗被組成物I>
インク受容層の塗被組成物は、市販の非球状コロイダルシリカとして、スノーテックスUP(日産化学工業(株)製、1次粒子径10〜20nm、平均2次粒子径約70nm、SiO2濃度 20〜21重量%)200部、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−1115)30部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製)20部を混合して分散液を作製した。この分散液に、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Iとした。
【0088】
<インク受容層塗被組成物J>
インク受容層の塗被組成物は、一次粒子径7nmの気相法微粒子シリカ(AEROSIL300:Degussa社製)50部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)30部、コロイダルシリカ(スノーテックスAK:日産化学工業(株)製、1次粒子径10〜20nm、SiO2濃度 17〜19重量%)200部、10重量%のシラノール変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R−2130)30部を混合して分散液を作製した。この分散液に、10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)水溶液を接着剤として10部混合して、塗被組成物Jとした。
【0089】
実施例1
上記支持体Aに、インク受容層塗被組成物Aを、カーテンコーターで乾燥塗布量が20g/m2になるように流量設定し、塗布した。塗布後、90℃中に10分間乾燥して、実施例1のインクジェット被記録媒体とした。
【0090】
実施例2
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Bを使用した他は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット被記録媒体とした。
【0091】
参考例1
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Cを使用した他は、実施例1と同様にして、参考例1のインクジェット被記録媒体とした。
【0092】
実施例3
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Dを使用した他は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット被記録媒体とした。
【0093】
実施例4
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Eを使用した他は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット被記録媒体とした。
【0094】
実施例5
実施例4において、支持体Aに代えて支持体Bを使用した他は、実施例4と同様にして、実施例5のインクジェット被記録媒体とした。
【0095】
実施例6
実施例4において、支持体Aに代えて支持体Cを使用した他は、実施例4と同様にして、実施例6のインクジェット被記録媒体とした。
【0096】
比較例1
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Fを使用した他は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット被記録媒体とした。
【0097】
比較例2
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Gを使用した他は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット被記録媒体とした。
【0098】
比較例3
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Hを使用した他は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット被記録媒体とした。
【0099】
比較例4
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Iを使用した他は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット被記録媒体とした。
【0100】
比較例5
実施例1において、インク受容層塗被組成物Aに代えてインク受容層塗被組成物Jを使用した他は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット被記録媒体とした。
【0101】
<インク吸収性評価>
一方、インク吸収性の評価は、インクジェット記録装置であるキャノン(株)製BJC−420Jを使い、シアンインク、マゼンタインクで重色の矩形パターンを印字し、この印字パターンと未印字部分の境界部分を下記の基準に従って、目視にて評価した。
A:境界部分には滲みが認められない
B:境界部分には部分的に僅かに滲みが認められる
C:境界部分には僅かに滲みが認められる
D:境界部分に顕著に滲みが認められる
良好なインク吸収性を示すのは、A乃至Bの評価である。
【0102】
<画像色彩性評価>
キヤノンBJC−420Jを用いて、マゼンタおよびシアンのベタ印字を行った。その色彩性を以下の通り目視評価を行った。
○:色彩が良く、くすみが全くない。
△:ややくすんで見える。
×:色彩もにぶく、くすみが激しい。
【0103】
【表1】
【0104】
表1より明らかなように、シラノール変性ポリビニルアルコールと該無機微粒子の分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液を加え、親水性ポリマー及び無機微粒子を含有するゲルを形成させ、ゲルの分散物を塗工した実施例1〜6はゲル化させないで塗工した比較例1〜5に比べて、インク吸収性が明らかに優れていることが分かる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、ゲルの分散物を塗工することにより従来のような厚塗りを必要としない、インク吸収性(速乾性)の高い、優れた画像色彩性を有するインクジェット被記録媒体を提供できる。
Claims (5)
- 支持体上に親水性ポリマー及び無機微粒子を含有する塗被組成物を塗工してなる多孔質層を有するインクジェット被記録媒体の製造方法であって、該親水性ポリマーがシラノール変性ポリビニルアルコールであり、該無機微粒子の一次粒子径が3nm〜100nmであり、且つ該塗被組成物が、該シラノール変性ポリビニルアルコールと該無機微粒子の分散液に、ポリ水酸化アルミニウム溶液を加え、親水性ポリマー及び無機微粒子を含有するゲルを形成させ、且つ該ゲルを分散したものを含有することを特徴とするインクジェット被記録媒体の製造方法。
- 該支持体が、紙の上に熱可塑性樹脂の被覆層が設けられた樹脂被覆紙である、請求項1記載のインクジェット被記録媒体の製造方法。
- 該熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項2記載のインクジェット被記録媒体の製造方法。
- 該ポリオレフィン樹脂がポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂である請求項3に記載のインクジェット被記録媒体の製造方法。
- 該熱可塑性樹脂の被覆層が、顔料を含有する請求項2〜4のいずれか一項に記載のインクジェット被記録媒体の製造方法。
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