JP2004230523A - 電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビネットの底板をパレットに載置すると共に正しく位置決めする構造の提供。
【解決手段】該パレットに起立したピン14を底板1の底面2に設けた凸部5の内部空間9に嵌めて位置決めするもので、上記底面2の凸部5は概略円錐台形を成し、その傾斜側面6には少なくとも3箇所に窪み8,8・・を形成し、該窪み8,8・・による内部空間9の内径Dをピン外径dより僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成ししている。
【選択図】 図3
【解決手段】該パレットに起立したピン14を底板1の底面2に設けた凸部5の内部空間9に嵌めて位置決めするもので、上記底面2の凸部5は概略円錐台形を成し、その傾斜側面6には少なくとも3箇所に窪み8,8・・を形成し、該窪み8,8・・による内部空間9の内径Dをピン外径dより僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成ししている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器の構成部材を正しく位置決めして部品の自動組立てや検査、及び載置などを行なう為の位置決め構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャビネットの底板には底面に凸部を形成し、パレットに起立したピンが凸部空間に嵌合して位置決めされる。例えば、コンベヤに取付けられたパレットにキャビネットを載置して搬送する場合、該キャビネットはパレットに対して正しく位置決めされなくてはならない。すなわち、部品の自動組付けや自動ハンダ付けなどを行なうには、載置されるパレットに対しての位置が重要と成る。
【0003】
図10は従来のキャビネット底板51を示しているが、底面52には2個の凸部53a,53bが互いに向きが垂直方向を成して設けられている。すなわち、図12に拡大図を示しているように、該凸部53a,53bは両側を切断すると共に絞り加工したものであり、傾斜した両側面54,54と上面55とで構成され、両凸部53a,53bは所定の距離を隔てて設けられている。図11はコンベヤに取付けられるパレット56を示しているが、該パレット56には2本のピン57a,57bが垂直に起立している。
【0004】
これら2本のピン57a,57bの位置関係は上記2個の凸部53a,53bと同じであり、従って、パレット56に底板51を載置するならばピン57a,57bは凸部53a,53bに嵌合する。従って、キャビネットの底板51をパレット56に載せるならば、位置決めも行なわれる。
【0005】
しかし、ピン57a,57bが凸部53a,53bの内部空間に嵌まる場合に傾斜側面54に当って完全に嵌まらないことがある。又、該凸部53は底面52を切起こした形状である為に、傾斜側面54の無い方向での位置が定まらず、2個の凸部53a,53bにて正確な位置決めを行えない。すなわち、側面54のない方向は貫通穴と成っている為に、嵌まったピン57との間には隙間が存在する。そして、位置決め精度の低下のみならず、穴が設けられることで異物が侵入して機器が故障する原因とも成る。
【0006】
又、凸部53の穴は該凸部53の強度を低下し、凸部形状が変形する虞がある。形状が変われば、ピン57が嵌まっても必然的に位置決め精度は出ない。そして、底面52を打抜いて絞り加工する為に、打ち抜き面にはバリが発生して組立作業時に触れるならばケガをするなどの問題が発生する。
【0007】
このような問題は上記パレットへの載置のみならず、シールド板の取付け、CRTの取付け、又ラック上にテレビを載置する場合にも正しい位置決め構造が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、キャビネットの底板をパレットに位置決め載置する場合やCRTをキャビネットに取付ける場合等には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、ピンが突出した部材に正しく位置決め出来るようにした一方側部材の位置決め構造を提供する。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明は一方側の部材を他方側部材に取付けたり、載置する場合に正しく位置決めが行なわれるようにしたものであり、一方側部材に設けられる凸部形状に特徴を有している。該凸部は円錐台形を成し、傾斜した外側面の一部を内側へ窪ませて、他方側部材に起立したピンとの接触部位を限定することが出来る。すなわち、傾斜外側面にピンを接触させるのではなく、実質的接触部位としての窪みを形成している。
【0010】
又、上記凸部の傾斜外側面の一部を切り起こして接触部位を形成することも出来る。すなわち、切起こし片が挿入するピンに接して位置決めが行なわれる。ここで、他方側部材に起立したピンの嵌入によって位置決めされる一方側部材は、単に載置される場合に限らず、ネジ止めされることもある。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
図1はキャビネットを構成する底板であり、該底板1は長方形の底面2、底面2の両側には側面3,3、そして後方には背面4を有している。そして、これら底面2、両側面3,3、及び背面4は一枚の金属板が曲げ加工にて成形されている。該底板1には電気機器を構成する基板やその他の部品が取付けられ、キャビネット本体が組み付けられる。
【0012】
底面2には2個の凸部5,5が突出して形成されているが、該凸部5は底面2の下側からポンチを押圧して絞り加工される。ここで、凸部5,5は一定距離が設けられ、しかも側面3,3、及び背面4に対して定まった位置に設けられている。その為に、底面2に2個の凸部5,5を絞り加工し、該凸部5,5を基準として所定の位置に両側面3,3、及び背面4を曲げ成形することも出来る。
【0013】
ところで、上記底面2に設けられる凸部5は図2に拡大図を示しているように円錐台形を成している。底面2の下側からポンチを押圧して絞り加工にて成形され、側面6は傾斜し、上面7は底面2と平行な円形の平坦面を成している。そして、傾斜側面6の3箇所には、窪み8,8・・を有し、該側面6に窪み8,8・・を作ることで凸部5の内側には膨らみが形成される。
【0014】
窪み8,8・・は、凸部5を絞り加工すると同時に成形され、凸部5の内部空間に嵌まるピンに膨らみが接することで位置決めされる。図3は凸部5の断面を示しているが、傾斜側面6に形成される窪み8によって、内部空間9には膨らみ10が形成され、該膨らみ10,10・・は内径Dとなり、ピン外径dに比較して僅かに大きく成っている。
【0015】
窪み8は凸部5の上面7から途中まで形成されて底面2まで達していない為に、凸部5の内部空間9の入口径Mは大きくて、側面6の入口径と同一である。従って、ピン14が内部空間9に嵌まる際には滑らかな入口曲面11に沿って導かれ、内径Dの膨らみ10.10・・に接することが出来る。すなわち、凸部5の内部空間9に嵌まったピン14は3箇所に形成した窪み8,8・・に接して正しく位置決めされる。
【0016】
図4は凸部断面を示している他の実施例である。凸部5の外観は円錐台形であるが、傾斜した側面6には切起こし片12,12・・を設けている。切起こし片12.12・・は内部空間9に突出し、前記実施例の膨らみ10に相当する。該切起こし片12はその基部13が側面6と連続し、内部空間9へ突出した複数枚の切起こし片12,12・・に挿入されるピン14が接して拘束される。そして、単なる位置決めに限らず、挿入するピン14の振動をバネ性の切起し片12,12・・にて吸収することが出来る為に、車両などに設ける載置台に利用すると効果的である。
【0017】
切起こし片12は一種の板バネとして機能し、3枚の切起こし片12,12・・を適度に撓み変形して凸部5の内部空間9にピン14は嵌まることが出来る。ここで、各切起こし片12,12・・の寸法精度は正確でなくてはならない。実施例では、窪み8及び切起こし片12を側面6の3箇所に設けているが、本発明ではこの個数は限定しない。
【0018】
図5は本発明に係る位置決め構造の使用例を示している。シールド板15はコ形断面の両側片16,16の先端を外方向に延ばして取付け片17a,17bを有した形状を成し、一方の取付け片17aには2個の凸部5,5を形成し、他方の取付け片17bには穴18を貫通して設けている。一方、シールド板15が取着される基板19には2本のピン14,14が起立すると共に、ネジ穴20を形成したボス21を突出している。そこで、2本のピン14,14を夫々凸部5,5に嵌入して位置決めし、穴18にはボス21を嵌入すると共にネジ止めする。従って、シールド板15は所定の位置に正しく取付けられている。この場合、1本のネジ締め作業だけでシールド板15が正しく取付けられる。
【0019】
図6はCRT22をキャビネットに正しく位置決めして取付ける為に、本発明の位置決め構造を適用した具体例である。CRT22のコーナーには固定用金具23が設けられ、該固定用金具23には2個の凸部5,5が形成され、そして穴24を貫通して設けている。一方のキャビネット側にはボス25を起立し、該ボス25から延びているアーム26,26の上端にはピン14,14が突出している。そこで、CRT22のコーナーに取着した固定用金具23の両凸部5,5にピン14,14を嵌入し、この状態で穴24からネジ27を挿通して締付け固定する。ここで、固定用金具23はCRTコーナーの4箇所に設けられるが、凸部5は全ての固定用金具23・・・ではなく、対向する2個の固定用金具23,23に設けるだけでもCRT22はキャビネットの所定の位置に正しく取付けられる。
【0020】
図7はラック28にテレビ29を載置する場合の位置決め用とし、本発明の位置決め構造を適用した具体例である。ラック上面コーナーにはピン14,14・・を突出している。一方、テレビ底面コーナーには凸部(図示なし)を設け、該凸部の内部空間にはラック28に突出したピン14,14・・が嵌って正しく位置決めされ、滑り防止並びに転倒防止を図ることが出来る。
【0021】
図8はキャビネット30にディスク再生ユニット31を収容する場合に、本発明に係る位置決め構造を適用した具体例である。該キャビネット30のフロント裏側にはピンが突出し、ディスク再生ユニット31の正面に形成した凸部(正面側の凹部)の内部空間に上記ピンが嵌入して位置決めされる。該ディスク再生ユニット31はキャビネット30にネジ止めにて固定され、そして背面側には別の裏蓋が取付けられる。
【0022】
そして、キャビネット30にディスク再生ユニット31を収納して構成されたディスク装置33を載置台32に載せる場合を図9に示している。この具体例は前記図7に示したようにテレビ29をラック28に載置する場合と同じであり、載置台32のコーナーにはピン14,14・・が起立し、該ピン14,14・・はキャビネット底面に設けている凸部空間に嵌ってディスク装置33を正しく位置決めする。ここで、該凸部形態として図4に示す切起し片12,12・・を設けた凸部5であるならば、車両などに設けている載置台32の振動をディスク再生ユニット31へ伝わらないように吸収することが出来る。
【0023】
以上述べたように、本発明の電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造は、一方の部材に凸部を設けると共に、該凸部傾斜側面には複数の窪みや切起こし片を形成し、そして凸部の内部空間には他方の部材に起立するピンを嵌めるものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0024】
【発明の効果】
本発明の一方側部材には凸部が設けられている為に、他方側部材に起立するピンが凸部の内部空間に嵌まることで位置決めが行なわれる。そして、凸部側面には複数の窪み又は切起こし片が形成されることで、凸部の内部空間に嵌まるピンは傾斜側面に係止することなく、窪みや切起こし片に当って隙間なく嵌まる為に位置決め精度は非常に高い。
【0025】
そして、概略円錐台形を成す凸部は強度が高くて変形することはなく、特に側面に窪みを形成することで一種の補強部として機能する。又、円錐台形は底板の底面から上方に突出して設けられるが、角張っていない為に組立て作業時に接触してもケガをすることはない。一方、切起し片を形成した凸部にピンが嵌る場合、ピンの振動をバネ性のある切起し片が吸収することが出来る為に、車両に設けた載置台用とし位置決め以外の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】凸部を設けたキャビネット底板。
【図2】凸部の拡大図。
【図3】凸部の断面図。
【図4】凸部の別形態。
【図5】シールド板を取付ける場合の適用例。
【図6】キャビネットにCRTを取付ける場合の適用例。
【図7】テレビをラックに載置する場合の適用例。
【図8】ディスク再生ユニットをキャビネットに収容する場合の適用例。
【図9】ディスク装置を載置台に載置する場合の適用例。
【図10】従来の凸部を設けたキャビネット底板。
【図11】ピンが起立したパレット。
【図12】従来の凸部の拡大図。
【符号の説明】
1 底板
2 底面
3 側面
4 背面
5 凸部
6 側面
7 上面
8 窪み
9 内部空間
10 膨らみ
11 入口曲面
12 切起こし片
13 基部
14 ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器の構成部材を正しく位置決めして部品の自動組立てや検査、及び載置などを行なう為の位置決め構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャビネットの底板には底面に凸部を形成し、パレットに起立したピンが凸部空間に嵌合して位置決めされる。例えば、コンベヤに取付けられたパレットにキャビネットを載置して搬送する場合、該キャビネットはパレットに対して正しく位置決めされなくてはならない。すなわち、部品の自動組付けや自動ハンダ付けなどを行なうには、載置されるパレットに対しての位置が重要と成る。
【0003】
図10は従来のキャビネット底板51を示しているが、底面52には2個の凸部53a,53bが互いに向きが垂直方向を成して設けられている。すなわち、図12に拡大図を示しているように、該凸部53a,53bは両側を切断すると共に絞り加工したものであり、傾斜した両側面54,54と上面55とで構成され、両凸部53a,53bは所定の距離を隔てて設けられている。図11はコンベヤに取付けられるパレット56を示しているが、該パレット56には2本のピン57a,57bが垂直に起立している。
【0004】
これら2本のピン57a,57bの位置関係は上記2個の凸部53a,53bと同じであり、従って、パレット56に底板51を載置するならばピン57a,57bは凸部53a,53bに嵌合する。従って、キャビネットの底板51をパレット56に載せるならば、位置決めも行なわれる。
【0005】
しかし、ピン57a,57bが凸部53a,53bの内部空間に嵌まる場合に傾斜側面54に当って完全に嵌まらないことがある。又、該凸部53は底面52を切起こした形状である為に、傾斜側面54の無い方向での位置が定まらず、2個の凸部53a,53bにて正確な位置決めを行えない。すなわち、側面54のない方向は貫通穴と成っている為に、嵌まったピン57との間には隙間が存在する。そして、位置決め精度の低下のみならず、穴が設けられることで異物が侵入して機器が故障する原因とも成る。
【0006】
又、凸部53の穴は該凸部53の強度を低下し、凸部形状が変形する虞がある。形状が変われば、ピン57が嵌まっても必然的に位置決め精度は出ない。そして、底面52を打抜いて絞り加工する為に、打ち抜き面にはバリが発生して組立作業時に触れるならばケガをするなどの問題が発生する。
【0007】
このような問題は上記パレットへの載置のみならず、シールド板の取付け、CRTの取付け、又ラック上にテレビを載置する場合にも正しい位置決め構造が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、キャビネットの底板をパレットに位置決め載置する場合やCRTをキャビネットに取付ける場合等には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、ピンが突出した部材に正しく位置決め出来るようにした一方側部材の位置決め構造を提供する。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明は一方側の部材を他方側部材に取付けたり、載置する場合に正しく位置決めが行なわれるようにしたものであり、一方側部材に設けられる凸部形状に特徴を有している。該凸部は円錐台形を成し、傾斜した外側面の一部を内側へ窪ませて、他方側部材に起立したピンとの接触部位を限定することが出来る。すなわち、傾斜外側面にピンを接触させるのではなく、実質的接触部位としての窪みを形成している。
【0010】
又、上記凸部の傾斜外側面の一部を切り起こして接触部位を形成することも出来る。すなわち、切起こし片が挿入するピンに接して位置決めが行なわれる。ここで、他方側部材に起立したピンの嵌入によって位置決めされる一方側部材は、単に載置される場合に限らず、ネジ止めされることもある。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
図1はキャビネットを構成する底板であり、該底板1は長方形の底面2、底面2の両側には側面3,3、そして後方には背面4を有している。そして、これら底面2、両側面3,3、及び背面4は一枚の金属板が曲げ加工にて成形されている。該底板1には電気機器を構成する基板やその他の部品が取付けられ、キャビネット本体が組み付けられる。
【0012】
底面2には2個の凸部5,5が突出して形成されているが、該凸部5は底面2の下側からポンチを押圧して絞り加工される。ここで、凸部5,5は一定距離が設けられ、しかも側面3,3、及び背面4に対して定まった位置に設けられている。その為に、底面2に2個の凸部5,5を絞り加工し、該凸部5,5を基準として所定の位置に両側面3,3、及び背面4を曲げ成形することも出来る。
【0013】
ところで、上記底面2に設けられる凸部5は図2に拡大図を示しているように円錐台形を成している。底面2の下側からポンチを押圧して絞り加工にて成形され、側面6は傾斜し、上面7は底面2と平行な円形の平坦面を成している。そして、傾斜側面6の3箇所には、窪み8,8・・を有し、該側面6に窪み8,8・・を作ることで凸部5の内側には膨らみが形成される。
【0014】
窪み8,8・・は、凸部5を絞り加工すると同時に成形され、凸部5の内部空間に嵌まるピンに膨らみが接することで位置決めされる。図3は凸部5の断面を示しているが、傾斜側面6に形成される窪み8によって、内部空間9には膨らみ10が形成され、該膨らみ10,10・・は内径Dとなり、ピン外径dに比較して僅かに大きく成っている。
【0015】
窪み8は凸部5の上面7から途中まで形成されて底面2まで達していない為に、凸部5の内部空間9の入口径Mは大きくて、側面6の入口径と同一である。従って、ピン14が内部空間9に嵌まる際には滑らかな入口曲面11に沿って導かれ、内径Dの膨らみ10.10・・に接することが出来る。すなわち、凸部5の内部空間9に嵌まったピン14は3箇所に形成した窪み8,8・・に接して正しく位置決めされる。
【0016】
図4は凸部断面を示している他の実施例である。凸部5の外観は円錐台形であるが、傾斜した側面6には切起こし片12,12・・を設けている。切起こし片12.12・・は内部空間9に突出し、前記実施例の膨らみ10に相当する。該切起こし片12はその基部13が側面6と連続し、内部空間9へ突出した複数枚の切起こし片12,12・・に挿入されるピン14が接して拘束される。そして、単なる位置決めに限らず、挿入するピン14の振動をバネ性の切起し片12,12・・にて吸収することが出来る為に、車両などに設ける載置台に利用すると効果的である。
【0017】
切起こし片12は一種の板バネとして機能し、3枚の切起こし片12,12・・を適度に撓み変形して凸部5の内部空間9にピン14は嵌まることが出来る。ここで、各切起こし片12,12・・の寸法精度は正確でなくてはならない。実施例では、窪み8及び切起こし片12を側面6の3箇所に設けているが、本発明ではこの個数は限定しない。
【0018】
図5は本発明に係る位置決め構造の使用例を示している。シールド板15はコ形断面の両側片16,16の先端を外方向に延ばして取付け片17a,17bを有した形状を成し、一方の取付け片17aには2個の凸部5,5を形成し、他方の取付け片17bには穴18を貫通して設けている。一方、シールド板15が取着される基板19には2本のピン14,14が起立すると共に、ネジ穴20を形成したボス21を突出している。そこで、2本のピン14,14を夫々凸部5,5に嵌入して位置決めし、穴18にはボス21を嵌入すると共にネジ止めする。従って、シールド板15は所定の位置に正しく取付けられている。この場合、1本のネジ締め作業だけでシールド板15が正しく取付けられる。
【0019】
図6はCRT22をキャビネットに正しく位置決めして取付ける為に、本発明の位置決め構造を適用した具体例である。CRT22のコーナーには固定用金具23が設けられ、該固定用金具23には2個の凸部5,5が形成され、そして穴24を貫通して設けている。一方のキャビネット側にはボス25を起立し、該ボス25から延びているアーム26,26の上端にはピン14,14が突出している。そこで、CRT22のコーナーに取着した固定用金具23の両凸部5,5にピン14,14を嵌入し、この状態で穴24からネジ27を挿通して締付け固定する。ここで、固定用金具23はCRTコーナーの4箇所に設けられるが、凸部5は全ての固定用金具23・・・ではなく、対向する2個の固定用金具23,23に設けるだけでもCRT22はキャビネットの所定の位置に正しく取付けられる。
【0020】
図7はラック28にテレビ29を載置する場合の位置決め用とし、本発明の位置決め構造を適用した具体例である。ラック上面コーナーにはピン14,14・・を突出している。一方、テレビ底面コーナーには凸部(図示なし)を設け、該凸部の内部空間にはラック28に突出したピン14,14・・が嵌って正しく位置決めされ、滑り防止並びに転倒防止を図ることが出来る。
【0021】
図8はキャビネット30にディスク再生ユニット31を収容する場合に、本発明に係る位置決め構造を適用した具体例である。該キャビネット30のフロント裏側にはピンが突出し、ディスク再生ユニット31の正面に形成した凸部(正面側の凹部)の内部空間に上記ピンが嵌入して位置決めされる。該ディスク再生ユニット31はキャビネット30にネジ止めにて固定され、そして背面側には別の裏蓋が取付けられる。
【0022】
そして、キャビネット30にディスク再生ユニット31を収納して構成されたディスク装置33を載置台32に載せる場合を図9に示している。この具体例は前記図7に示したようにテレビ29をラック28に載置する場合と同じであり、載置台32のコーナーにはピン14,14・・が起立し、該ピン14,14・・はキャビネット底面に設けている凸部空間に嵌ってディスク装置33を正しく位置決めする。ここで、該凸部形態として図4に示す切起し片12,12・・を設けた凸部5であるならば、車両などに設けている載置台32の振動をディスク再生ユニット31へ伝わらないように吸収することが出来る。
【0023】
以上述べたように、本発明の電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造は、一方の部材に凸部を設けると共に、該凸部傾斜側面には複数の窪みや切起こし片を形成し、そして凸部の内部空間には他方の部材に起立するピンを嵌めるものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0024】
【発明の効果】
本発明の一方側部材には凸部が設けられている為に、他方側部材に起立するピンが凸部の内部空間に嵌まることで位置決めが行なわれる。そして、凸部側面には複数の窪み又は切起こし片が形成されることで、凸部の内部空間に嵌まるピンは傾斜側面に係止することなく、窪みや切起こし片に当って隙間なく嵌まる為に位置決め精度は非常に高い。
【0025】
そして、概略円錐台形を成す凸部は強度が高くて変形することはなく、特に側面に窪みを形成することで一種の補強部として機能する。又、円錐台形は底板の底面から上方に突出して設けられるが、角張っていない為に組立て作業時に接触してもケガをすることはない。一方、切起し片を形成した凸部にピンが嵌る場合、ピンの振動をバネ性のある切起し片が吸収することが出来る為に、車両に設けた載置台用とし位置決め以外の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】凸部を設けたキャビネット底板。
【図2】凸部の拡大図。
【図3】凸部の断面図。
【図4】凸部の別形態。
【図5】シールド板を取付ける場合の適用例。
【図6】キャビネットにCRTを取付ける場合の適用例。
【図7】テレビをラックに載置する場合の適用例。
【図8】ディスク再生ユニットをキャビネットに収容する場合の適用例。
【図9】ディスク装置を載置台に載置する場合の適用例。
【図10】従来の凸部を設けたキャビネット底板。
【図11】ピンが起立したパレット。
【図12】従来の凸部の拡大図。
【符号の説明】
1 底板
2 底面
3 側面
4 背面
5 凸部
6 側面
7 上面
8 窪み
9 内部空間
10 膨らみ
11 入口曲面
12 切起こし片
13 基部
14 ピン
Claims (7)
- 電子機器の構成部材の一方側に凸部を設け、他方の構成部材に起立したピンを上記凸部の内部空間に嵌めて位置決めする構造において、該凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- キャビネットの底板をパレットに載置すると共に、該パレットに起立したピンを底板の底面に設けた凸部の内部空間に嵌めて位置決めする構造において、上記底面の凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- 基板に取付けた電子部品をシールドする為のシールド板を位置決め・取着する構造において、該基板に起立したピンをシールド板の止着片に設けた凸部の内部空間に嵌めて位置決めし、上記底面の凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- テレビジョン受像機などのCRTをキャビネットに位置決め・取着する構造において、該キャビネットに起立したピンをCRTのコーナーに取着した固定用金具に設けた凸部の内部空間に嵌めて位置決めすると共にネジ止めし、上記凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- テレビジョン受像機やディスク装置などの電子機器を載置台に位置決めして載置する為の構造において、該載置台に起立したピンを電子機器底面に設けた凸部の内部空間に嵌めて位置決めし、上記凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- 正面に開口部を形成したキャビネットにディスク再生ユニット等を位置決め収納する為の構造において、該キャビネット裏側に起立したピンを上記ディスク再生ユニット等の正面に設けて内側へ突出した凸部の内部空間に嵌めて位置決めし、上記凸部は概略円錐台形を成し、その傾斜側面には少なくとも3箇所に窪みを形成し、該窪みによる内部空間の内径をピン外径より僅かに大きくし、そして窪み部の入口は傾斜側面部と同じく滑らかな曲面にて形成したことを特徴とする電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
- 上記窪みの形態として、切起こし片を傾斜側面に設けた請求項1、請求項2、請求項3、請求項4.請求項5、請求項6記載の電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003023519A JP2004230523A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造 |
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ID=32952293
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JP2003023519A Withdrawn JP2004230523A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 電子機器の構成部材に設けた嵌合部の位置決め構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008148489A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-06-26 | Toshiba Schneider Inverter Corp | インバータ装置用アタッチメント |
JP2009157042A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023519A patent/JP2004230523A/ja not_active Withdrawn
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