JP2004229760A - マッサージ機 - Google Patents

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保 峰松
Shoichi Koyama
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正幸 小林
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卓也 中谷
Haruo Sugai
春夫 菅井
Koichi Mitani
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Abstract

【課題】コンパクトでありながら強弱調整範囲が大きいものとする。
【解決手段】基端側を中心に回動駆動される支持アーム21の先端にマッサージ用の施療子2が配設されたマッサージ機構1を備え、走行用ガイド90に沿って上記マッサージ機構1が上下移動を行うマッサージ機である。支持アーム21を回動させることで施療子の位置を変化させる第1の強弱調整部3と、支持アーム21の基端側の回動中心位置を変化させることで施療子2の位置を変化させる第2の強弱調整部4とを備える。支持アーム21長を長くしなくても強弱調整範囲を大きくすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマッサージ機、殊に物理的圧力を加えることでマッサージを行うものにおいて、強弱調整機構を備えているマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
もみマッサージや指圧マッサージ、あるいはたたきマッサージといった物理的圧力を人体に加えてマッサージを行うマッサージ機において、マッサージの強弱を調整する機構を備えたものが各種提供されている。
【0003】
これら強弱調整機構のなかでその調整範囲が大きいものは、施療子を先端に備えたアームを回動させることで施療子の位置を移動させて強弱の調整を行うものである(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−136225号公報
【特許文献2】
特開平6−105878号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のアーム先端に施療子を設けたマッサージ機では、アームの長さを長くするほど強弱の調整範囲を大きくすることができるとともに、人体背面のマッサージだけでなく、人体の肩の上面に位置する「肩井」といった経穴に対するマッサージも行うことができるものを得ることができるものとなるが、アームの長さが極端に長くなり、マッサージ機構全体が大きくなってしまう上に、アームの剛性の確保などのこともあって全体としてかなり重くなってしまう。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところはコンパクトでありながら強弱調整範囲が大きいマッサージ機を提供することを主目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、基端側を中心に回動駆動される支持アームの先端にマッサージ用の施療子が配設されたマッサージ機構を備えるとともに、走行用ガイドに沿って上記マッサージ機構が上下移動を行うマッサージ機であって、上記支持アームを回動させることで施療子の位置を変化させる第1の強弱調整部と、支持アームの基端側の回動中心位置を変化させることで施療子の位置を変化させる第2の強弱調整部とを備えていることに特徴を有している。
【0008】
上記第2の強弱調整部としては、走行用ガイドを転動するころの位置をマッサージ機構に対して変化させることで支持アームの基端側の回動中心位置を変化させるもの、特にマッサージ機構が回転駆動されるクランク軸を備えており、該クランク軸にころが配設されているものを好適に用いることができる。
【0009】
上記クランク軸はその偏心量が可変であってもよい。また、上記クランク軸は一方向回転で駆動されるものであってもよい。
【0010】
強弱調整操作に際して第1の強弱調整部と第2の強弱調整部を選択する選択スイッチを備えたものとするのも好ましく、第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを夫々カウント表示する使用時間判別部を備えているものとしてもよい。
【0011】
また、上記の各使用時間を予め定められた最大値と比較して使用時間が最大値に達した時に警告を行う使用時間管理部を備えていたり、第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを比較して、強弱調整に際して上記両使用時間を等しくする使用時間管理部を備えているものであってもよい。
【0012】
このほか、強方向への調整に際して第1の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えているものであってもよい。
【0013】
施療子が支持アーム先端に設けられたソレノイドによって叩きマッサージ動作を行うものである場合、強方向への調整に際して第2の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えたものとしてもよい。
【0014】
施療対象となる人体の肩位置を判別する判別手段を備えているとともに、施療対象位置が肩位置であるか否かによって強方向への調整に際して優先させる強弱調整部を切り換える制御部を備えているものとするのも好ましい。
【0015】
第1の強弱調整部と第2の強弱調整部とは同一のモータを動力としているとともにモータと第2の強弱調整部との間にはワンウェイクラッチを介在させているものを用いてもよい。
【0016】
支持アームが偏心回転部の回転を受けて施療子にもみマッサージ動作を行わせるものである場合、強弱調整部による少なくとも強方向への調整動作は上記もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きの時になされることが好ましい。また偏心回転部に至る動力伝達経路中に楕円ギアが配設されて、もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きが速くされていると、更に好ましいものを得ることができる。
【0017】
第2の強弱調整部は施療子の位置決定を弾性部材を介して行っているものであってもよく、この弾性部材の弾性力が可変であると、更に好ましいものとなる。
【0018】
強弱調整範囲を機械的に制限するストッパを備えたものとしてもよい。
【0019】
左右一対の施療子と、両施療子の間隔を変更する幅調整機構と、両施療子の間隔を検出する幅検出部と、幅検出位置に応じて幅調整機構の動作を制限する制御部とを備えているものとするのも好ましく、左右一対の施療子と、両施療子の間隔を弾性材を介して変更する幅調整機構とを備えたものとするのも好ましい。
【0020】
マッサージ機構を上下移動させる上下移動機構は、送りねじと、マッサージ機構に連結されるとともに上記送りねじに螺合する送りナットと、送りねじもしくは送りナットのいずれか一方を回転させるモータとからなるものであってもよい。
【0021】
第1の強弱調整部による強弱調整量と第2の強弱調整部による強弱調整量との合計値を算出する算出部を備えていたり、予め入力された強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と記憶した強弱調整範囲とを比較して強弱調整範囲内で強弱調整を行う制御部とを備えていたり、強弱調整範囲の変更手段を備えていたり、複数の強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と比較する強弱調整範囲を記憶部から選択して呼び出す選択部とを備えていたり、さらには施療子と人体との接触圧を検出する圧力センサーを備えるとともに、制御部は圧力センサーでの圧力検出値に応じて強弱調整範囲における下限である弱値を変更するものであってもよい。
【0022】
強弱調整部による強弱調整動作に伴う施療子の上下位置変化に応じてマッサージ機構を上下移動させる制御部を備えたものとするのも好ましい。
【0023】
施療子を直線往復駆動するソレノイドを支持アームが備えて、施療子は上記ソレノイドに取り付けられているものでは、支持アームに揺動可能に取り付けられている上記ソレノイドを支持アームの回動に連動させて揺動させる連動カム機構を備えたものとしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図4〜図15において、椅子の背もたれの両サイドに配されている走行用ガイドレール90に沿って上下に自走するマッサージ機構1は、駆動用のモータ35,45,55,65等が固定されているフレーム10と、このフレーム10によって支持されている主ブロック11とを主体とするもので、主ブロック11は図7に示すように、2本のスライド軸61,62で連結されている左右一対の半月状の従動ギア32,32と、両従動ギア32,32間に配されているとともにスライド軸61,62が挿通されている左右一対の支持アーム21,21と、これら支持アーム21,21に取り付けられた総計4個のローラ状施療子2と、両従動ギア32,32を貫通するとともに両支持アーム21,21に夫々設けられている送りナット69,69と螺合している幅駆動用送りねじ60とからなるもので、上方に位置する左右一対の施療子2,2は、夫々支持アーム21に固定されたソレノイド20の可動鉄心の先端に固定された取り付け板23に軸支されている。ソレノイド20と取り付け板23との間には圧縮コイルばね22が配置されており、ソレノイド20を励磁して可動鉄心を圧縮コイルばね22に抗して吸引し、次いで励磁を介助すれば、施療子2は圧縮コイルばね22による付勢で勢いよく復帰するものであり、この復帰動作により施療子2は叩きマッサージを行う。
【0025】
なお、この主ブロック11は、幅駆動用送りねじ60の両端部がフレーム10に軸支されることでフレーム10に取り付けられており、上記従動ギア32,32は送りねじ60を中心とする円弧面に歯を備えている。
【0026】
上記フレーム10に固定された前記モータ35,45,55,65のうち、モータ55は上記自走のためのもので、図9〜図11に示すように、モータ55の出力はギアボックス58内に配されたウォーム軸56及びウォームホイール57で上下駆動軸50に伝達される。図11中の59は軸受でる。両端に前記走行用ガイドレール90内を走行するころ52,52が遊転自在に配設されている上下駆動軸50の一端側には、前記走行用ガイドレール90に付設されたラックと噛み合うピニオン51が固定されており、ピニオン51の回転でマッサージ機構1は上下方向の移動を行う。また、ローラ状の施療子2はこの時、人体の背面を転動していくことから、さすりマッサージがなされることになる。
【0027】
モータ65は上記幅駆動用送りねじ60を回転させることで、この送りねじ60の軸方向に前記支持アーム21及び施療子2を移動させるためのもので、モータ65の回転はプーリ66,63とベルト67によって送りねじ60に伝達される。なお、一端にプーリ63が固定されている送りねじ60は、片側が右ねじ60a,他の片側が左ねじ60bで形成されており、一方の支持アーム21の送りナット69は右ねじ60aに、他方の支持アーム21の送りナット69は左ねじ60bに螺合していることから、送りねじ60の回転により、左右一対の支持アーム21,21は相互に接近したり相互に離れて、左右の施療子2,2間の間隔(幅)を調整することになる。
【0028】
モータ35は図12〜図14に示すように、ギアボックス38内のウォーム軸36及びウォームホイール37を介して強弱調整軸30を回転させるもので、この強弱調整軸30には前記主ブロック11における一対の従動ギア32,32と噛み合うピニオン31,31が設けられており、強弱調整軸30を回転させれば、ピニオン31に従動ギア32を噛み合わせている主ブロック11は幅駆動用送りねじ60の軸回りに回転する。この時、主ブロック11における支持アーム21の先端に施療子2が配されていることから、図2に示すように、椅子の背もたれ前面側における施療子2の位置が前後に変化し、マッサージの強弱調整がなされる。
【0029】
モータ45は図15に示すように、ギアボックス48内のウォーム軸46及びウォームホイール47を介してクランク軸40を回転させるもので、フレーム10に軸支されているクランク軸40の偏心している両端部には、前記走行用ガイドレール90内を転動するころ53,53が遊転自在に配されている。クランク軸40を回転させた時、ころ53が偏心部に装着されていることから、図3に示すように、上方のころ52を中心にマッサージ機構1全体が揺動するものであり、この揺動により、施療子2,2は椅子の背もたれ前面側における位置が前後に変化する。この揺動によってもマッサージの強弱調整がなされるものである。
【0030】
つまり、このマッサージ機においては、強弱調整軸30を回転させて支持アーム21を回動させることによる強弱調整機構3と、クランク軸40を回転させてころ53とフレーム10との位置関係を変化させることによる強弱調整機構4の2つを備えているものであり、しかも強弱調整機構3,4は図1に示すように同時に作動させることが可能であるために、強弱調整機構3によるところの図2に示す強弱調整量Xaと強弱調整機構4によるところの図3に示す強弱調整量Xbの和Xa+Xbに等しい強弱調整量Xを有するものとなっている。
【0031】
なお、強弱調整機構4におけるモータ45は、回転方向が切り換えられるものでなくてもよい。クランク軸40を利用していることから、図16に示すように、一方向のみに回転するものであっても、強弱調整量を弱−強−弱と切り換えることができるからである。
【0032】
また、強弱調整機構4における最大強弱調整量Xbは、クランク軸40の偏心量に依存することから、図17に示すように、クランク軸40におけるフレーム10に軸支された中心部40aと、両端偏心部40b,40bとを分割可能とし、偏心量が異なる偏心部40b,40bに付け替えれば、最大強弱調整量Xbを変更することができる。
【0033】
ところで、上記のように2つの強弱調整機構3,4を有して、いずれによっても強弱調整を行うことができる上に、両強弱調整機構3,4においては強弱を調整した時の施療子2の動作方向(ソレノイド20の作動方向)に違いがある場合、図18に示すように、いずれの強弱調整機構3,4を使用して強弱調整を行うかを使用者が選択することができる選択スイッチSW3,SW4を設けておくとよい。図中L3,L4はどちらの強弱調整機構3,4が作動しているか(もしくは強弱調整時にどちらの強弱調整機構3,4が有効となっているか)を表示するためのランプ、MCはモータ35,45の動作を制御するモータ制御手段である。
【0034】
各強弱調整機構3,4の使用時間をカウントするカウンタCNと積算使用時間を管理する使用時間制御部TC並びに各積算使用時間を表示する表示部LM3,LM4を設けてもよく、また、各積算使用時間が予め定めた最大使用時間MXを超えたならば使用時間制御部TCが警告表示手段BZを作動させるようにしてもよい。
【0035】
さらには使用時間制御部TCにおいて、強弱調整機構3,4の各積算使用時間を比較し、両積算使用時間が同じになるように強弱調整機構3,4の動作を自動選択もしくは同時動作させるようにしてもよい。
【0036】
このほか、強弱調整に際しては、強弱調整機構3の動作を優先し、強弱調整機構3による強弱調整範囲よりも更に強くしたい(例えば図19に示すように肩位置での強弱調整)時にのみ、強弱調整機構4が作動するようにしてもよい。強弱調整機構3は主ブロック11を回転させるだけであるが、強弱調整機構4はマッサージ機構1全体を揺動させるために、前者の方が強弱調整に際して必要な力が少なくてすむ。
【0037】
もっとも、図示例のように、ソレノイド20と圧縮コイルばね22とで施療子2,2の叩き駆動を行うものにおいては、ソレノイド20の動作方向と施療子2を接触させる人体99の面とのなす角度(図20における角度α,β,γ)が直角をなすことが好ましい。この点からすれば、肩位置での強弱調整は図20(a)に示すように、強弱調整機構3を優先させて行い、背位置での強弱調整は、強弱調整機構3で行うと図20(c)に示すように角度γが小さくなってしまうことから、図20(b)に示すように強弱調整機構4を優先させて行うようにするとよい。
【0038】
また、どちらの強弱調整機構3,4を優先させるかを施療子2が肩位置にあるか否かで切り換える場合、人体99の体格の違いを考慮しなくてはならないが、これは図21に示すように、施療子2にかかる圧力を検出する圧力センサーPSを設けるとともに、人体99に対するマッサージを開始するにあたり、たとえばマッサージ機構1をその上下移動範囲内で移動させて、その間の施療子2にかかる圧力を圧力センサーPSで検出すれば、図21に示すように圧力変化の変位点PPから肩位置を検出することができ、これより上方であれば強弱調整機構3を優先し、これより下方であれば強弱調整機構4を優先するようにすればよい。
【0039】
上記の実施の形態の一例では、強弱調整機構3,4が個別に駆動用のモータ35,45を備えているものとしたが、単一のモータ35で両強弱調整機構3,4を作動させることができるようにしてもよい。図22はこの場合の一例を示しており、モータ35の出力軸の一端側に駆動軸30に繋がるウォーム軸36を固定するとともに出力軸の他端にプーリ341を固定し、クランク軸40に繋がるウォーム軸46に設けたプーリ342と上記プーリ341とをベルト343で連結している。また、プーリ342としては、図23に示すように、内周面に備える楔状空間345にボール346を配したフリーホイール型のワンウェイクラッチを備えたものを用いて、駆動軸30を回転させることで強弱調整機構3による強方向へ調整を行う時には、ワンウェイクラッチが空転して強弱調整機構4が作動せず、モータ35を逆転させて強弱調整機構3による弱方向へ調整を行う時には、ワンウェイクラッチが強弱調整機構4に動力を伝達するようにしてもよい。なお、強弱調節を最強とすることは、強弱調整機構4をまず最強状態とし、次いで強弱調整機構3を最強状態とすることで問題なく行うことができる。
【0040】
図24〜図31に他の実施形態の一例を示す。ここでのマッサージ機構1は、施療子2にもみマッサージとさすりマッサージ並びに叩きマッサージを行わせることができるもので、前記のものと同様に走行用ガイドレール内を転動するころ52,53と走行用ガイドレールに付設されたラック91(図28参照)に噛み合うピニオン51とを備えて上下に自走するマッサージ機構1は、上下駆動軸50の外周に筒状のもみ駆動軸70を備えており、もみ駆動軸70には一対の偏心傾斜部72,72がもみ駆動軸70と一体に回転するように且つもみ駆動軸70に対して軸方向にスライド自在となるように取り付けられている。
【0041】
そしてローラ状の施療子2が一端に取り付けられている支持アーム21は、もみ駆動軸70に対して偏心し且つ傾いている偏心傾斜部72の外周に遊転自在に取り付けられており、さらに支持アーム72の他端にはリンク81の一端がボールジョイントで連結されている。そしてリンク81の他端は叩き駆動用のクランク軸80の偏心部外周に遊転自在に連結されている。また上記クランク軸80はリンク82,83を介して強弱調整用の送りナット301に連結されている。
【0042】
上記もみ駆動軸70及び上下駆動軸50と平行に配されている幅駆動用送りねじ60には前述のものと同様に送りナット69が螺合しており、該送りナット69と上記偏心傾斜部72とが連結体68で連結されている。
【0043】
フレーム10に固定されている主モータ15の回転を図28に示す上下用クラッチ54を介して上下駆動軸50に伝達すれば、マッサージ機構1は上下に自走する。
【0044】
主モータ15の回転を図25に示すもみクラッチ75とウォーム軸76とウォームホイール77とを介してもみ駆動軸70に伝達すれば、図26に示すようにもみ駆動軸70に設けた偏心傾斜部72の外周に遊転自在になっている支持アーム21の一端の施療子2は、支持アーム21の他端位置がリンク81で規制されていることから、前後左右に移動する軌跡を描いて人体背面に対してもみマッサージを行う。
【0045】
主モータ15の回転をたたきクラッチ85を介してクランク軸80に伝達すれば、このクランク軸80の偏心部の動きが図27に示すようにリンク81を介して支持アーム21に伝達されて施療子2,2に叩き動作を行わせる。
【0046】
モータ65によって幅駆動用送りねじ60を回転させた時には、図29に示すように送りナット69に連結体68で連結されている偏心傾斜部72がもみ駆動軸70の軸方向に移動し、これに伴って支持アーム21及び施療子2も同方向に移動することから、一対の施療子2,2間の間隔(幅)が変更される。
【0047】
そして、強弱調整用のモータ35を回転させたならば、図30及び図31に示すように、送りねじ300が回転して送りねじ300に螺合している前記送りナット301が移動するものであり、この動きがリンク83とこれに軸88で連結されているリンク82によってクランク軸80の偏心部に伝えられ、該偏心部の位置を中心軸回りに回転させて変更することから、施療子2の位置が前後に変化して強弱調整がなされる。
【0048】
このものにおいても、上記のように構成された強弱調整機構3に加えて、ころ53を両端に備えたクランク軸40を回転させることでマッサージ機構1全体をころ52を中心に揺動させる強弱調整機構4を備えていることから、強弱調整範囲が大きいものとなっている。
【0049】
ところで、もみマッサージを施療子2に行わせることができる上記マッサージ機構1における強弱調整動作、殊に強くする動作は、図32においてTで示した軌跡を施療子2が描くもみマッサージ動作中で且つ施療子2が人体99から離れる方向に動いている間(たとえばP1からP2の間)に行うと、強弱調整に必要な力を小さくすることができる。なお、弱くする動作はもみマッサージ動作で施療子2が人体99側に向かう時(たとえば図中のP3とP4との間)に行ってもよい。
【0050】
また、図33に示すように、もみ駆動軸70への動力伝達経路の途中(図示例ではウォームホイール77ともみ駆動軸70との間)に相互に噛合する一対の楕円ギア78,78を介在させることで、施療子2の軌跡Tにおける人体99から離れる動き(たとえばP1からP2の間の動き)を速くすれば、この間に行う強弱調整に必要な力を更に小さくすることができる。
【0051】
図34及び図35は両端にころ53を備えたクランク軸40を回転させることで強弱調整を行う強弱調整機構4の他例を示しており、クランク軸40をフレーム10に支持される中央部400と、ころ53が装着された端部401とに分割するとともに、両者を軸402で連結し、更にねじりコイルばね403によって端部401が軸402回りの一方向に付勢されるようにしている。図中404はばね止め、405はブッシュ、406は止め輪、407は端部401の回動範囲を規制するストッパである。
【0052】
常時並びに施療子2が人体から受ける力Fが小さい時は、図35(a)に示すようにクランク軸40の端部401はねじりコイルばね402による付勢で屈曲した状態にあって、施療子2を人体側に向けて突出させているが、上記力Fが大きくなった時には図35(b)に示すようにねじりコイルばね402に抗して端部402が回動して施療子2の位置を後退させる。人体に対して強くなりすぎることがない強弱調整を行うことができるものである。この時、上記ねじりコイルばね402のばね力を調整することができるようにしておけば、最強状態を個人に合わせて変更することができるものとなる。
【0053】
図36〜図49に別の実施形態の一例を示す。このマッサージ機も最初に説明したマッサージ機と同様に、椅子の背もたれの両サイドに配されている走行用ガイドレール90に沿ってマッサージ機構1が上下に自走するもので、駆動用のモータ35,55,65等が固定されているフレーム10と、このフレーム10によって支持されている主ブロック11とを主体としている。
【0054】
主ブロック11は図42に示すように、2本のスライド軸61,62で連結されている左右一対の半月状の従動ギア32,32と、両従動ギア32,32間に配されているとともにスライド軸61,62が挿通されている左右一対の支持アーム21,21と、これら支持アーム21,21に取り付けられた総計4個のローラ状施療子2と、両従動ギア32,32を貫通するとともに両支持アーム21,21に夫々設けられている送りナット69,69と螺合している幅駆動用送りねじ60とからなる。
【0055】
上方に位置する左右一対の施療子2,2は、夫々支持アーム21に固定されたソレノイド20の可動鉄心の先端に固定された取り付け板23に軸支されている。ソレノイド20と取り付け板23との間には圧縮コイルばね22が配置されており、ソレノイド20を励磁して可動鉄心を圧縮コイルばね22に抗して吸引し、次いで励磁を介助すれば、施療子2は圧縮コイルばね22による付勢で勢いよく復帰するものであり、この復帰動作により施療子2は叩きマッサージを行う。
【0056】
また、上記一対のスライド軸61,62のうち、下方側に位置するスライド軸62は従動ギア32を貫通しているとともに両端に上記走行用ガイドレール90内を転動するころ53が装着されたものとなっている。
【0057】
なおこの主ブロック11は、幅駆動用送りねじ60の両端部がフレーム10に軸支されることでフレーム10に取り付けられており、上記従動ギア32,32は送りねじ60を中心とする円弧面に歯を備えている。
【0058】
上記フレーム10に固定された前記モータ35,55,65のうちモータ55は上記自走のためのもので、図39〜図41に示すように、モータ55の出力はギアボックス58内に配されたウォーム軸56及びウォームホイール57で上下駆動軸50に伝達される。図41中の59は軸受である。両端に前記走行用ガイドレール90内を走行するころ52,52が遊転自在に配設されている上下駆動軸50の一端側には、前記走行用ガイドレール90に付設されたラックと噛み合うピニオン51が固定されており、ピニオン51の回転でマッサージ機構1は上下方向の移動を行う。また、ローラ状の施療子2はこの時、人体の背面を転動していくことから、さすりマッサージがなされることになる。
【0059】
モータ65は上記幅駆動用送りねじ60を回転させることで、この送りねじ60の軸方向に前記支持アーム21及び施療子2を移動させるためのもので、モータ65の回転はプーリ66,63とベルト67によって送りねじ60に伝達される。なお、一端にプーリ63が固定されている送りねじ60は、片側が右ねじ60a,他の片側が左ねじ60bで形成されており、一方の支持アーム21の送りナット69は右ねじ60aに、他方の支持アーム21の送りナット69は左ねじ60bに螺合していることから、送りねじ60の回転により、左右一対の支持アーム21,21は相互に接近したり相互に離れて、左右の施療子2,2間の間隔(幅)を調整することになる。
【0060】
モータ35は図44〜図46に示すように、ギアボックス38内のウォーム軸36及びウォームホイール37を介して強弱調整軸30を回転させるもので、この強弱調整軸30には前記主ブロック11における一対の従動ギア32,32と噛み合うピニオン31,31が設けられており、強弱調整軸30を回転させれば、ピニオン31に従動ギア32を噛み合わせている主ブロック11は幅駆動用送りねじ60の軸回りに回転する。この時、主ブロック11における支持アーム21の先端に施療子2が配されていることから、椅子の背もたれ前面側における施療子2の位置が前後に変化し、マッサージの強弱調整がなされる。
【0061】
この時、前述のように、主ブロック11は従動ギア32を貫通するスライド軸62の両端に走行用ガイドレール90を転動するころ53を備えていることから、幅駆動用送りねじ60を中心とする上記主ブロック11の強弱調整軸30によるところの回転駆動を行う場合、図48及び図49に示すように、フレーム10が同時に逆方向に回転することになる。なお、フレーム10を貫通するスライド軸63はフレーム10に設けた円弧状の切欠100内を移動するためにフレーム10と干渉することはない。また、この回転は幅駆動用送りねじ60よりも上方にあるころ52を中心としたものとなるために、支持アーム21の回動中心である幅駆動用送りねじ60の位置は前方へ移動することになる。
【0062】
つまり、このマッサージ機においては、強弱調整軸30を回転させた時、支持アーム21が回動することによる強弱調整に加えて、支持アーム21の回動中心である幅駆動用送りねじ60の位置が前後に動くことによる強弱調整も同時になされるものである。なお、フレーム10側に位置する強弱調整軸30のピニオン31と、主ブロック11側に位置する従動ギア32との噛み合いは、主ブロック11の幅駆動用送りねじ60がフレーム10で軸支され、また送りねじ60に設けたプーリ63と、フレーム10側に位置するモータ65のプーリ66との間に架け渡されたベルト67の存在によって常時保たれる。
【0063】
また、主ブロック11側に設けるころ53は、スライド軸62の両端に設けなくてはならないものではなく、図50に示すように、回転中心となる軸(幅駆動用送りねじ60)から離れたところにある位置に設けた軸530に設けたものであってもよい。
【0064】
ところで、強弱調整用のモータ35の駆動制御回路が暴走した場合、従動ギア32が半月状であるために、従動ギア32とピニオン31との噛み合いが外れてしまい、復帰できなくなってしまうことがある。この点からすれば、図51に示すように、従動ギア32の歯部の両端に係合突起321,322を設けておき、強弱調整範囲を越えた駆動がなされる場合には上記係合突起321,322がストッパ381,382(ここではギアボックス38に設けている)に当たるようにしておくことが好ましい。
【0065】
図52は施療子2,2の間隔(幅)の調整に際して、その間隔を検出する幅検出部の構成を示しており、一方の従動ギア32に一端を固定したスリット板Hと、一方の支持アーム21に設けた光学的センサーHSで構成された該幅検出部は、スリット板Hに設けられたスリットH1,H2,H3を光学的センサーHSで検知することで、幅調整範囲STの端部に至ったかどうかを検出し、この検出時に幅調整のための指示にかかわらずモータ65を停止させる。図中HSLは光学的センサーHSによる検知位置を示している。
【0066】
また、幅調整に関しては、図53及び図54に示す構成を併用することが望ましい。つまり幅駆動用送りねじ60と螺合する送りナット69を支持アーム21に固定しておくのではなく、支持アーム21に対して軸方向に所定の範囲内で可動としておくとともに、ばね217によって送りナット69を送りねじ60の長手方向中心から遠ざける方向に付勢しておくのである。図中216は支持アーム21に固定されて上記送りナット69をスラスト方向にスライド自在に保持しているハウジング、610はスライド軸61(62)との間に介在させているスライドブッシュである。
【0067】
左右一対の施療子2,2の間隔を狭くする時、例えば首を挟んで圧迫してしまう虞が存在しているが、この時には上記ばね217に抗して送りナット69のみが移動し、支持アーム21は移動しないために、首を強く挟んでしまうことがない。
【0068】
以上の各例では、マッサージ機構1の上下移動をラックアンドピニオン機構を用いて行っていたが、図55に示すように、椅子の背もたれ内に内蔵させた送りねじ92と、この送りねじ92に螺合するとともにモータ55によって回転駆動される送りナット93を用いたり、図56に示すように、モータ55によって軸回りに回転駆動される送りねじ92と、マッサージ機構1側にあって送りねじ92に螺合する送りナット93とを用いて行ってもよい。尚、図55,56において、図中95は送りナット93とマッサージ機構1とを軸回りに回転自在に連結している連結軸、96はモータ55と送りナット93もしくは送りねじ92との間の動力伝達のためのベルトアンドプーリ機構である。
【0069】
ところで、強弱調整量の管理という点においては、図57に示すように、施療子2の前後左右上下の位置(x、y、z)並びにソレノイド20駆動のものにおいてはソレノイド20の向き(θ)を入力する入力装置Sと、入力された数値を元に強弱調整動作信号に演算する信号処理部SS及び演算された動作信号に基づいて強弱調整機構3,4を駆動する機構制御部PCを設けたものとするのが好ましい。なお、上記演算は、図58に示すように、強弱調整機構4の回転長さをL1、回転角をθ1とし、強弱調整機構3の回転長さをL2、回転角をθ2、施療子2の上下移動距離をy1とすると、
x=L1・sinθ1+L2・cosθ2
y=y1−L1・cosθ1+L2・sinθ2
の2式を基にして行う。
【0070】
この場合、施療子2の位置を自由に入力することにより、各個人で好みの強弱調整が可能となり、また記憶装置を設けて、標準体形別(男女別、身長別、体重別)の身体外面形状を記憶させておくことで、施療子2の位置との比較による強弱度を疑似設定することができる。
【0071】
そして、図59に示すように、人体の体格に応じて予め入力した施療子2の上限〜下限位置を施療子2の強弱調整動作範囲として記憶しておくことにより、後から入力した施療子2の位置が強弱調整範囲外である場合、強弱調整動作範囲内で入力した位置に近い位置で施療子2を動作せることで、強すぎる(あるいは弱すぎる)調整位置を入力した場合でも、所定の強弱調整範囲内で動作させることができる。
【0072】
また、入力装置Sとして、施療子動作範囲を任意に設定変更できるものを用いることで、各個人に個別対応することができるものとなり、また入力した複数の施療子動作範囲を個別に記憶し、これらを選択的に呼び出せるようにしておくことで、個別対応を即時に行うことができるものとなる。
【0073】
さらに、前述の圧力センサーPSを利用して、図60に示すように、強弱調整機構3,4での弱すぎる状態(下限以下)を検知することができるようにして、この時には強側に自動的にシフトさせるようにしておくことで、適切な強弱調整範囲内での強弱調整動作を行わせることができる。
【0074】
また、支持アーム21を回動させることによる強弱調整動作を行った場合、図61にRで示すように、強弱調整動作に伴って施療子2の上下位置が変化してしまう。この点からすれば、前述の式を基に強弱調整動作に伴う上下位置変化量Rを算出して、この変化量Rだけマッサージ機構1を上下に移動させることにより、図62に示すように、強弱調整時に施療子2が人体に当たる位置が変化しないものを得ることができる。
【0075】
支持アーム21を回動させることによる強弱調整動作は、前述のようにソレノイド20によって施療子2に叩きマッサージ動作を行わせるものでは、施療子2の叩き方向が強弱調整動作に伴って変化してしまうことになる。図63〜図65はこの点に鑑み、支持アーム21の回動に伴ってソレノイド20の支持アーム20に対する向きが自動変更されるようにしたものを示している。
【0076】
支持アーム21に対して回動自在な軸201に締結されたブラケット200にソレノイド20を取り付けて、支持アーム21に対してソレノイド20を揺動可能としているとともに、上記軸201に一端が締結されたリンク202の他端にピン204で連結されたリンク203の他端にピン205でころ206を取り付けており、さらに支持アーム21とリンク203との間に架け渡したばね220による付勢で、上記ころ206がフレーム10に設けたガイド210の外面を転接するようにしてある。
【0077】
支持アーム21の回動中心となる送りねじ60までの距離が滑らかに変化している上記ガイド210に接するころ206は、支持アーム21を回動させることで強弱調整を行う時、ガイド210に接した状態を保ちつつ移動してリンク203,202を動かすものであり、この時、リンク202に軸201で締結されているブラケット200に取り付けられたソレノイド20は、その向きを変更する。
【0078】
また、ここではガイド210として、強弱調整動作を強方向に変化させていく時、途中までは図65(a)(b)に示すように、支持アーム21の回動にも拘わらずソレノイド20の向きが前方側に向けられた状態が保たれ、人体の肩位置に対応させるために更に施療子2を前方側へと移動させる強弱調整動作を行ったならば、図65(c)(d)に示すように、ソレノイド20が揺動してその向きを徐々に下方に向けるカム形状としているが、他の形状であってもよいのはもちろんである。
【0079】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、基端側を中心に回動駆動される支持アームの先端にマッサージ用の施療子が配設されたマッサージ機構を備えるとともに、走行用ガイドに沿って上記マッサージ機構が上下移動を行うマッサージ機であって、上記支持アームを回動させることで施療子の位置を変化させる第1の強弱調整部と、支持アームの基端側の回動中心位置を変化させることで施療子の位置を変化させる第2の強弱調整部とを備えていることから、支持アーム長を長くしなくても強弱調整範囲を大きくして肩位置のマッサージを確実に行うことができるものを得ることができる上に、マッサージ機構の大型化や大重量化を防ぐことができる。
【0080】
上記第2の強弱調整部としては、走行用ガイドを転動するころの位置をマッサージ機構に対して変化させることで支持アームの基端側の回動中心位置を変化させるもの、特にマッサージ機構が回転駆動されるクランク軸を備えており、該クランク軸にころが配設されているものが機構的に簡便で良い。
【0081】
上記クランク軸はその偏心量が可変であると、第2の強弱調整部による強弱調整範囲を変更することができる。また、上記クランク軸は一方向回転で駆動されるものであれば、モータが一方向回転のもので済むためにコストを下げることができる。
【0082】
強弱調整操作に際して第1の強弱調整部と第2の強弱調整部を選択する選択スイッチを備えたものとすると、いずれの強弱調整部を用いて強弱調整を行うかを自由に決定することができる。
【0083】
第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを夫々カウント表示する使用時間判別部を備えていると、いずれかの強弱調整部を酷使してしまう事態を避けることができる。
【0084】
また、上記の各使用時間を予め定められた最大値と比較して使用時間が最大値に達した時に警告を行う使用時間管理部を備えていると、使用時間限界がわかって事前にマッサージ機の破壊を防ぐことができる。
【0085】
また、第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを比較して、強弱調整に際して上記両使用時間を等しくする使用時間管理部を備えていると、いずれかの強弱調整部ばかりが使用されることによる寿命の低下を防ぐことができる。
【0086】
このほか、強方向への調整に際して第1の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えていると、強弱調整に必要な力を小さくすることができる。
【0087】
施療子が支持アーム先端に設けられたソレノイドによって叩きマッサージ動作を行うものである場合、強方向への調整に際して第2の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えたものとすると、ソレノイドによる叩きマッサージ動作を強弱調整時にも適切に行うことができるものとなる。
【0088】
施療対象となる人体の肩位置を判別する判別手段を備えているとともに、施療対象位置が肩位置であるか否かによって強方向への調整に際して優先させる強弱調整部を切り換える制御部を備えていると、施療子の位置に応じて適切な強弱調整動作が自動でなされるものを得ることができる。
【0089】
第1の強弱調整部と第2の強弱調整部とは同一のモータを動力としているとともにモータと第2の強弱調整部との間にはワンウェイクラッチを介在させているものを用いると、モータ数を低減できてコストを下げることができる。
【0090】
支持アームが偏心回転部の回転を受けて施療子にもみマッサージ動作を行わせるものである場合、強弱調整部による少なくとも強方向への調整動作は上記もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きの時になされると、強弱調整に際して必要な力が少なくてすみ、強弱調整用のモータとして小型のものを用いることができる。
【0091】
また偏心回転部に至る動力伝達経路中に楕円ギアが配設されて、もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きが速くされていると、更に強弱調整に際して必要な力を少なくすることができる。
【0092】
第2の強弱調整部は施療子の位置決定を弾性部材を介して行っているものであると、必要以上に強くしてしまうことを避けることができる。また、この弾性部材の弾性力が可変であると、個人差に応じて強の最大値を変更することができる。
【0093】
強弱調整範囲を機械的に制限するストッパを備えたものとしてもよい。暴走時の機構破壊を防ぐことができる。
【0094】
左右一対の施療子と、両施療子の間隔を変更する幅調整機構と、両施療子の間隔を検出する幅検出部と、幅検出位置に応じて幅調整機構の動作を制限する制御部とを備えているものしたり、左右一対の施療子と、両施療子の間隔を弾性材を介して変更する幅調整機構とを備えたものとすると、人体を強く挟んでしまう危険性を避けることができる。
【0095】
マッサージ機構を上下移動させる上下移動機構は、送りねじと、マッサージ機構に連結されるとともに上記送りねじに螺合する送りナットと、送りねじもしくは送りナットのいずれか一方を回転させるモータとからなるものであってもよい。上下駆動機構にかかるコストを下げつつスムーズな上下移動を得ることができる。
【0096】
第1の強弱調整部による強弱調整量と第2の強弱調整部による強弱調整量との合計値を算出する算出部を備えていると、強弱調整量を管理することができるものとなり、予め入力された強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と記憶した強弱調整範囲とを比較して強弱調整範囲内で強弱調整を行う制御部とを備えていると強弱調整範囲を決めることができ、強弱調整範囲の変更手段を備えておれば、強弱調整範囲を任意に決めることができ、複数の強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と比較する強弱調整範囲を記憶部から選択して呼び出す選択部とを備えていると、複数の使用者に対して夫々強弱調整範囲を決めることができ、さらには施療子と人体との接触圧を検出する圧力センサーを備えるとともに、制御部は圧力センサーでの圧力検出値に応じて強弱調整範囲における下限である弱値を変更するものであると、適切な強弱調整範囲を自動で決めることができる。
【0097】
強弱調整部による強弱調整動作に伴う施療子の上下位置変化に応じてマッサージ機構を上下移動させる制御部を備えたものと、強弱調整時にも施療子の上下位置が移動せず、良好なマッサージを得ることができる。
【0098】
施療子を直線往復駆動するソレノイドを支持アームが備えて、施療子は上記ソレノイドに取り付けられているものでは、支持アームに揺動可能に取り付けられている上記ソレノイドを支持アームの回動に連動させて揺動させる連動カム機構を備えたものとしたならば、強弱調整に伴うソレノイドの向きの変更を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)(b)は動作説明図である。
【図2】(a)(b)は同上の一方の強弱調整機構による調整動作の説明図である。
【図3】(a)(b)は同上の他方の強弱調整機構による調整動作の説明図である。
【図4】同上の斜視図である。
【図5】同上の背面図である。
【図6】同上の底面図である。
【図7】同上の主ブロックの斜視図である。
【図8】同上の主ブロックの正面図である。
【図9】同上の上下駆動機構の斜視図である。
【図10】同上の上下駆動機構の平面図である。
【図11】同上の上下駆動機構の斜視図である。
【図12】同上の一方の強弱調整機構の斜視図である。
【図13】同上の一方の強弱調整機構の平面図である。
【図14】同上の一方の強弱調整機構と主ブロックの斜視図である。
【図15】(a)(b)は他方の強弱調整機構の斜視図である。
【図16】同上の他方の強弱調整機構の他の動作を示す説明図である。
【図17】同上の他方の強弱調整機構の他例におけるクランク軸を示しており、(a)は正面図、(b)は分解正面図である。
【図18】強弱調整動作に関するブロック図である。
【図19】動作の一例の説明図である。
【図20】(a)(b)(c)は強弱調整動作とソレノイドの動作方向との関係を示す説明図である。
【図21】(a)は圧力センサーを利用する場合のブロック図、(b)は圧力と上下位置との相関図である。
【図22】他例の部分斜視図である。
【図23】(a)(b)は同上のワンウェイクラッチの動作説明図である。
【図24】他の実施の形態の一例の斜視図である。
【図25】同上の一部を破断した斜視図である。
【図26】同上のもみマッサージ動作を示すもので、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図27】同上の叩きマッサージ動作を示すもので、(a)は側面図、(b)は動作説明図である。
【図28】同上の上下駆動機構を示す斜視図である。
【図29】同上の幅調整機構を示す平面図である。
【図30】同上の強弱調整機構を示す斜視図である。
【図31】同上の強弱調整機構を示す側面図である。
【図32】(a)は同上のもみマッサージ動作に関する説明図、(b)は施療子の軌跡の説明図である。
【図33】同上の楕円ギアを用いた他例を示すもので、(a)は楕円ギア部の背面図、(b)は楕円ギア部の側面図、(c)は施療子の軌跡の説明図である。
【図34】強弱調整機構の別の例を示すもので、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図35】(a)(b)は同上の強弱調整機構の動作説明図である。
【図36】別の実施の形態の一例の斜視図である。
【図37】同上の背面図である。
【図38】同上の底面図である。
【図39】同上の上下駆動機構の斜視図である。
【図40】同上の上下駆動機構の平面図である。
【図41】同上の上下駆動機構の斜視図である。
【図42】同上の主ブロックの斜視図である。
【図43】同上の主ブロックの正面図である。
【図44】同上の強弱調整機構の斜視図である。
【図45】同上の強弱調整機構の平面図である。
【図46】同上の強弱調整が弱である時の斜視図である。
【図47】同上の強弱調整が弱である時の側面図である。
【図48】同上の強弱調整が強である時の斜視図である。
【図49】同上の強弱調整が強である時の側面図である。
【図50】同上の他例の部分斜視図である。
【図51】同上のストッパーを設けた例の部分斜視図である。
【図52】同上の幅位置検出の構成例を示すもので、(a)(b)は背面図である。
【図53】同上の別の例の破断背面図である。
【図54】同上の部分拡大断面図である。
【図55】上下駆動機構の他例を示すもので、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図56】上下駆動機構の更に他例を示すもので、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図57】別の例の強弱調整に関するブロック図である。
【図58】同上の演算に関する説明図である。
【図59】同上の他例のブロック図である。
【図60】同上の更に他例のブロック図である。
【図61】同上の強弱調整と上下位置変化についての説明図である。
【図62】同上の強弱調整と上下位置調整についての説明図である。
【図63】ソレノイドを揺動可能とした例の側面図である。
【図64】図63中のA−A線による階段断面図である。
【図65】(a)〜(d)は同上の動作を示す側面図である。
【符号の説明】
1 マッサージ機構
2 施療子
3 強弱調整機構
4 強弱調整機構
21 支持アーム
90 走行用ガイドレール

Claims (28)

  1. 基端側を中心に回動駆動される支持アームの先端にマッサージ用の施療子が配設されたマッサージ機構を備えるとともに、走行用ガイドに沿って上記マッサージ機構が上下移動を行うマッサージ機であって、上記支持アームを回動させることで施療子の位置を変化させる第1の強弱調整部と、支持アームの基端側の回動中心位置を変化させることで施療子の位置を変化させる第2の強弱調整部とを備えていることを特徴とするマッサージ機。
  2. 第2の強弱調整部は、走行用ガイドを転動するころの位置をマッサージ機構に対して変化させることで支持アームの基端側の回動中心位置を変化させるものであることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
  3. マッサージ機構は回転駆動されるクランク軸を備えており、該クランク軸にころが配設されていることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
  4. クランク軸はその偏心量が可変であることを特徴とする請求項3記載のマッサージ機。
  5. クランク軸は一方向回転で駆動されるものであることを特徴とする請求項3または4記載のマッサージ機。
  6. 強弱調整操作に際して第1の強弱調整部と第2の強弱調整部を選択する選択スイッチを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  7. 第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを夫々カウント表示する使用時間判別部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  8. 各使用時間を予め定められた最大値と比較して使用時間が最大値に達した時に警告を行う使用時間管理部を備えていることを特徴とする請求項7記載のマッサージ機。
  9. 第1の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間と、第2の強弱調整部による強弱調整動作の使用時間とを比較して、強弱調整に際して上記両使用時間を等しくする使用時間管理部を備えていることを特徴とする請求項7記載のマッサージ機。
  10. 強方向への調整に際して第1の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えていることを特徴とする請求項2または3記載のマッサージ機。
  11. 施療子は支持アーム先端に設けられたソレノイドによって叩きマッサージ動作を行うものであり、強方向への調整に際して第2の強弱調整部を優先して強弱調整を行わせる制御部を備えていることを特徴とする請求項2または3記載のマッサージ機。
  12. 施療対象となる人体の肩位置を判別する判別手段を備えているとともに、施療対象位置が肩位置であるか否かによって強方向への調整に際して優先させる強弱調整部を切り換える制御部を備えていることを特徴とする請求項2または3記載のマッサージ機。
  13. 第1の強弱調整部と第2の強弱調整部とは同一のモータを動力としているとともにモータと第2の強弱調整部との間にはワンウェイクラッチを介在させていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  14. 支持アームは偏心回転部の回転を受けて施療子にもみマッサージ動作を行わせるものであり、強弱調整部による少なくとも強方向への調整動作は上記もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きの時になされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  15. 偏心回転部に至る動力伝達経路中に楕円ギアが配設されて、もみマッサージ動作に際しての施療子が人体から離れる方向への動きが速くされていることを特徴とする請求項14記載のマッサージ機。
  16. 第2の強弱調整部は施療子の位置決定を弾性部材を介して行っていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  17. 弾性部材の弾性力が可変であることを特徴とする請求項16記載のマッサージ機。
  18. 強弱調整範囲を機械的に制限するストッパを備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  19. 左右一対の施療子と、両施療子の間隔を変更する幅調整機構と、両施療子の間隔を検出する幅検出部と、幅検出位置に応じて幅調整機構の動作を制限する制御部とを備えていることを特徴とする請求項1〜18のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  20. 左右一対の施療子と、両施療子の間隔を弾性材を介して変更する幅調整機構とを備えていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  21. マッサージ機構を上下移動させる上下移動機構は、送りねじと、マッサージ機構に連結されるとともに上記送りねじに螺合する送りナットと、送りねじもしくは送りナットのいずれか一方を回転させるモータであることを特徴とする請求項1〜20のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  22. 第1の強弱調整部による強弱調整量と第2の強弱調整部による強弱調整量との合計値を算出する算出部を備えていることを特徴とする請求項1〜21のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  23. 予め入力された強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と記憶した強弱調整範囲とを比較して強弱調整範囲内で強弱調整を行う制御部とを備えていることを特徴とする請求項22記載のマッサージ機。
  24. 強弱調整範囲の変更手段を備えていることを特徴とする請求項23記載のマッサージ機。
  25. 複数の強弱調整範囲を記憶する記憶部と、合計値と比較する強弱調整範囲を記憶部から選択して呼び出す選択部とを備えていることを特徴とする請求項23記載のマッサージ機。
  26. 施療子と人体との接触圧を検出する圧力センサーを備えるとともに、制御部は圧力センサーでの圧力検出値に応じて強弱調整範囲における下限である弱値を変更するものであることを特徴とする請求項23記載のマッサージ機。
  27. 強弱調整部による強弱調整動作に伴う施療子の上下位置変化に応じてマッサージ機構を上下移動させる制御部を備えていることを特徴とする請求項1〜26のいずれかの項に記載のマッサージ機。
  28. 施療子を直線往復駆動するソレノイドを支持アームが備えて、施療子は上記ソレノイドに取り付けられているとともに、支持アームに揺動可能に取り付けられている上記ソレノイドを支持アームの回動に連動させて揺動させる連動カム機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のマッサージ機。
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