以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1〜図9には、本発明の実施の形態における第1例のマッサージ機を示している。図1は前面カバー3を外した状態のマッサージ機の主要部正面図であり、図2、図3、図4は夫々図1のA−A線、B−B線、C−C線断面図、図5は図2におけるD−D線断面図である。
本例のマッサージ機は椅子型のマッサージ機であって、座部(図示せず)に着座した状態の被施療者が凭れ掛かる背凭れ部1から前方に突出させた施療子2を駆動させることにより、被施療者の肩や背中に対して揉みや叩き等の各種マッサージを施すものである。なお、本文中に用いる前後、左右、上下方向は着座状態にある被施療者を基準とした方向であり、施療子2の突出方向が前方となり、施療子2が並設される幅方向が上記突出方向と直交する左右方向となるように設けている。図1においては図中左側を向く方向が下方であり、図中右側を向く方向が上方である。また、図2〜図5においては図中左側を向く方向が前方即ち施療子2の突出方向であり、図中右側を向く方向が後方即ち施療子2の突出方向と逆の方向である。
本例の背凭れ部1は前面カバー3と背面カバー4とで外殻を形成するものであり、その内部には上下方向に伸びる一対の上下走行ガイド6,6を立設させている。上下走行ガイド6,6は互いの対向面側が開口するように平行に配した断面コ字状のレールであり、施療子2やこれを駆動させる機構を備えた施療ブロック41全体が後述する上下調整機構により上下走行ガイド6,6に沿って上下方向に進退駆動されるようになっている。上記施療ブロック41は、その骨格を成す本体フレーム7に対して前後方向に独立して進退駆動される駆動ユニット8を複数(本例の場合は三つ)備えたものであり、更に、上記複数の駆動ユニット8に連結される左右一対の支持アーム9,9や本体アーム10や各アーム9,10に取付けられる各種の施療子2により一つの施療子ブロック40を形成している。施療子ブロック40は左側と右側に一つずつ設置されており、後述の幅調整機構を介して施療子ブロック40,40間の距離が変更可能になっている。
図5に示すように、一つの施療子ブロック40内に近接して備えられる左右一対の支持アーム9,9は共に、側面視く字状に屈曲させた形状を有しており、中央の屈曲部分9aを、三つ備えてある駆動ユニット8のうちの一つ(以下、これを第一の駆動ユニット8aという)に本体アーム10を介して回動自在に連結させるとともに、中央の屈曲部分9aが後側に位置し、屈曲部分9aから上側に伸びる上側アーム部分9bが上方斜め前方に突出し、屈曲部分9aから下側に伸びる下側アーム部分9cが下方斜め前方に突出するように位置させている。そして、近接して並設される支持アーム9,9のうち外側の(即ち、図5に示すような右側の施療子ブロック40においては右側であり、左側の施療子ブロック40においては左側の)支持アーム9(以下、これを支持アーム45という)の上側アーム部分9bには、長板状の補助アーム21の長手方向の一端側を回動自在に連結させており、この補助アーム21の長手方向の他端側を、三つ備えてある駆動ユニット8のうち第一の駆動ユニット8a以外の一つ(以下、これを第二の駆動ユニット8bという)と回動自在に連結させている。また、内側の(即ち、図5に示すような右側の施療子ブロック40においては左側であり、左側の駆動子ブロック40においては右側の)の支持アーム9(以下、これを支持アーム46という)の下側アーム部分9cにも同様の補助アーム21の一端側を回動自在に連結させており、この補助アーム21の他端側を、三つ備えてある駆動ユニット8のうち第一の駆動ユニット8aと第二の駆動ユニット8b以外の一つ(以下、これを第三の駆動ユニット8cという)と回動自在に連結させている。第二の駆動ユニット8bと第三の駆動ユニット8cは第一の駆動ユニット8aを上下に挟んで共に前後方向に進退駆動されるように本体フレーム7に支持されている。
図2、図5に示すように第一の駆動ユニット8aは、前後方向に並設される二本のスライド軸11,11と、両スライド軸11,11が回動自在に貫通接続される走行フレーム12とで主体を成している。後側のスライド軸11の左右両端には夫々ピニオン13,13を固定しており、本体フレーム7の左右両側に互いの対向面側が開口するように固定してある断面コ字状の強弱走行ガイド14,14内に各ピニオン13,13を位置させている。強弱走行ガイド14には前後方向をピッチ方向とするラック15を突設しており、このラック15とピニオン13とが噛合うように設けている。また、前側のスライド軸11の左右両端には夫々走行コロ20,20を固定しており、各走行コロ20,20が強弱走行ガイド14,14内に位置し、且つ、強弱走行ガイド14,14にガイドされながら前後方向に回転移動するようになっている。
更に、後側のスライド軸11にはウォームホイール16を固定しており、このウォームホイール16にウォーム軸17を螺合させるとともに、ウォーム軸17と同軸上に強弱調整用モータ38を連結させている。ウォームホイール16とウォーム軸17から成るウォーム減速機18は走行フレーム12に固定されたギアボックス19内に支持されており、また、強弱調整用モータ38は走行フレーム12に固定されている。
上記構造により、強弱調整用モータ38を正逆方向に回転駆動させると、ウォーム減速機18を介して後側のスライド軸11が回転駆動され、スライド軸11の両端のピニオン13がラック15と噛合いながら本体フレーム7に対して前後方向に回転移動するので、このスライド軸11を回動自在に貫通接続させている走行フレーム12即ち第一の駆動ユニット8a全体が本体フレーム7に対して前後方向に進退駆動されることとなる。なお、前側のスライド軸11の走行コロ20,20や後側のスライド軸11のピニオン13,13が強弱走行ガイド14,14に沿って移動することから、第一の駆動ユニット8aの移動は前後方向にのみ規制されている。
第二、第三の駆動ユニット8b,8cは、図3〜図5に示すように第一の駆動ユニット8aと同様の構成を備え、強弱調整用モータ38からの動力伝達により後側のスライド軸11を回転駆動させて各駆動ユニット8b,8c全体を本体フレーム7に対して前後方向に進退駆動させるものである。これら第二、第三の駆動ユニット8b,8cの構成のうち第一の駆動ユニット8aと同一の構成については同一符号を付して説明を省略するが、第一の駆動ユニット8aとの主要な相違点としては、前側のスライド軸11を、走行コロ20,20が固定され且つ走行フレーム12と回動自在に貫通接続されるように両端部に形成した回転中心軸22b,22bと、この回転中心軸22b,22bから偏心するように中央部に形成した偏心軸22aとから成るクランク軸22で形成し、このクランク軸22の偏心軸22aに補助アーム21の端部を回動自在に連結させている点である。クランク軸22は、プーリやベルトから成るプーリ減速機23を介して、走行フレーム12に固定してある叩き発生用モータ24と連結させており、叩き発生用モータ24を回転駆動させるとプーリ減速機23を介してクランク軸22が回転駆動され、中央の偏心軸22aが偏心回転運動を行うとともに、該偏心軸22aに連結される補助アーム21を介して対応する支持アーム45,46が前後方向に揺動運動を行うものである。
本例においては支持アーム45,46に取付けられる施療子2として、上側アーム部分9bの先端に備えられる施療子2(以下、これを上施療子2bという)を左右方向の軸を中心に回動自在なローラ型のものとし、下側アーム部分9cの先端に備えられる施療子2(以下、これを下施療子2cという)を前方に凸状であり且つ該下側アーム部分9cに固定されるものとする。上施療子2bの前端面は人体の四指先端の接触面積と同程度の面積としており、下施療子2cの前端面は人体の拇指先端の接触面積と同程度の面積としている。
また、第一の駆動ユニット8aには、前後方向に伸びる本体アーム10を一対のスライド軸11,11と貫通接続されるように左右に二本連結させるとともに、各本体アーム10前端に、平坦な前端面を有する施療子2(以下、これを中施療子2aという)を固定させている。ここで、本体アーム10は、中施療子2aの前後位置と上下施療子2b,2cの前後位置とが同程度になるように設けている。また、中施療子2aの前端面は人体の掌の接触面積と同程度の面積としており、左右方向の軸を中心に回動自在なローラ25をこの前端面に上下方向に三つ並設している。
しかして、上記構成の施療ブロック41において以下のように第一〜第三の駆動ユニット8a〜8cを前後方向に進退駆動させ、支持アーム45,46の姿勢を変化させることで、各施療子2a〜2cの姿勢や突出量を変化させることができる。
図6には、上施療子2bの姿勢及び突出量を変更する場合を示している。図6(a)に示すように、第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bを前方に移動させると、第二の駆動ユニット8bと(本例の場合は介在させてある補助アーム21と)これに連結される外側の支持アーム45との連結個所が力点、第一の駆動ユニット8aと支持アーム45との連結箇所が支点として働き、上側アーム部分9bが真直ぐ前方に突出するように支持アーム45が回転駆動され、これにより外側の上施療子2bの姿勢が変更されるとともに突出量を増加させる。また、図6(b)に示すように、第一の駆動ユニット8aに対して第三の駆動ユニット8cを後方に移動させると、第三の駆動ユニット8cと(本例の場合は介在させてある補助アーム21と)これに連結される内側の支持アーム46との連結個所が力点、第一の駆動ユニット8aと支持アーム46との連結箇所が支点として働き、上側アーム部分9bが真直ぐ前方に突出するように支持アーム46が回転駆動され、これにより内側の上施療子2bの姿勢が変更されるとともに突出量を増加させるものである。そして、図6(c)に示すように第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bを前方に移動させるとともに第三の駆動ユニット8cを後方に移動させると、外側と内側の支持アーム45,46は共に上側アーム部分9b,9bが真直ぐ前方に突出するように回転駆動され、外側と内側の上施療子2b,2bが共に姿勢を変更するとともに突出量を増加させるものである。
同様に、図7(a)に示すように、第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bを後方に移動させると、下側アーム部分9cが真直ぐ前方に突出するように外側の支持アーム45が回転駆動され、これにより外側の下施療子2cの姿勢が変更されるとともに突出量が増加する。また、図7(b)に示すように、第一の駆動ユニット8aに対して第三の駆動ユニット8cを前方に移動させると、下側アーム部分9bが真直ぐ前方に突出するように内側の支持アーム46が回転駆動され、これにより内側の下施療子2cの姿勢が変更されるとともに突出量が増加するものである。そして、図7(c)に示すように第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bを後方に移動させるとともに第三の駆動ユニット8cを前方に移動させると、内側と外側の支持アーム45,46は共に下側アーム部分9c,9cが真直ぐ前方に突出するように回転駆動され、これにより外側と内側の施療子2c,2cが共に姿勢を変更するとともに突出量を増加させるものである。
また、図8に示すように第一〜第三の駆動ユニット8a〜8cを互いの相対位置を維持したまま前後方向に進退駆動させると、支持アーム45,46や各施療子2a〜2cはその姿勢を維持したまま前後位置即ち突出量を変えるものである。
ここで、図6や図7に示したような第二、第三の駆動ユニット8b,8cの進退駆動においては、上下施療子2b,2cの姿勢や突出量を変更することが可能である一方で、突出量はその姿勢に応じて突出量が決定されてしまう。また、図8に示したような第一〜第三の駆動ユニット8a〜8cの進退駆動においては、各施療子2a〜2cの突出量が変更可能である一方で、姿勢を制御することができない。そこで、第一〜第三の駆動ユニット8a〜8cの、図6や図7に示したような進退駆動と図8に示したような進退駆動とを組合せれば、中施療子2aの突出量や、上下施療子2b,2cの姿勢や突出量を自在に変更することができる。このように、本例のマッサージ機にあっては上記の支持アーム45,46と、本体アーム10を介して支持アーム45,46の両方に連結される第一の駆動ユニット8aと、補助アーム21を介して支持アーム45にのみ連結される第二の駆動ユニット8bと、別の補助アーム21を介して支持アーム46にのみ連結される第三の駆動ユニット8cとで、中施療子2aの突出量や、上施療子2b,2bと下施療子2c,2cの姿勢や突出量を自在に調整する強弱調整機構が形成されている。
また、本例においては、上記のように各支持アーム45,46の第一の駆動ユニット8aとの連結箇所を挟む上下両端側に夫々上下施療子2b,2cを取付けてあるので、図9(a)に示すように第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bと第三の駆動ユニット8cを共に前方に移動させることで、外側の支持アーム45をその上施療子2bが下方斜め前方に移動するように回転駆動させると同時に、内側の支持アーム46をその下施療子2cが上方斜め前方に移動するように回転駆動させ、外側の上施療子2bと内側の下施療子2cが接近する際に両施療子2b,2cで被施療者の肩を掴ませることが可能である。図9(b)には、第一の駆動ユニット8aに対して第二の駆動ユニット8bと第三の駆動ユニット8cを共に後方に移動させた場合を示しており、この場合は内側の上施療子2bと外側の下施療子2cが接近する際に両施療子2b,2cで被施療者の肩を掴ませることができる。
図9(a)、図9(b)のいずれの場合も、肩掴みの際の被施療者の感覚はローラ状であり四指のような接触面を有する上施療子2bにより上方から肩を掴れ、凸状であり拇指のような接触面を有する下施療子2cにより下方から肩を掴れる感覚となるが、上施療子2bや下施療子2cの形状を外側の支持アーム45と内側の支持アーム46とで違えることで図9(a)の場合と図9(b)の場合とで施療感覚に変化を持たせることができる。また、支持アーム45と支持アーム46とで、第一の駆動ユニット8aとの連結箇所から上施療子2bや下施療子2cまでの距離を違えた場合には、図9(a)の場合と図9(b)の場合とで施療部位に変化を持たせることができ、広範な施療範囲での肩掴みマッサージが可能となる。
更に、本例においては中央部に偏心軸22aを有するクランク軸22と、該クランク軸22を回転駆動させて偏心軸22aを偏心回転駆動させる叩き発生用モータ24とから成る叩き発生機構を、各支持アーム45,46が補助アーム21,21を介して連結される駆動ユニット8b,8c毎に備えてあるので、支持アーム45側に対応して備えられる叩き発生機構と支持アーム46側に対応して備えられる叩き発生機構の両方の叩き発生用モータ24,24を回転駆動させて両支持アーム45,46を揺動させた場合と、一方の側に対応して備えられる叩き発生機構においてのみ発生用モータ24を回転駆動させて支持アーム45と支持アーム46の一方だけを揺動させた場合とで、叩きマッサージの施療面積を違えさせることができる。また、発生させる揺動運動の位相を叩き発生機構毎に違えさせた場合には、更に多彩な叩きマッサージが実現されるものである。
次に、施療ブロック41全体を上下方向に進退駆動させる上下調整機構と、施療ブロック41内において左右方向に並設される一対の施療子ブロック40,40間の距離即ち幅を可変とする幅調整機構について説明する。
図1に示すように、上下調整機構の主要部として、施療ブロック41の骨格を成す本体フレーム7の上端部に左右方向に伸びるスライド軸26を回動自在に貫通接続させ、このスライド軸26の左右両端に固定したピニオン27,27を断面コ字状の上下走行ガイド6,6内に夫々位置させるとともに、上下走行ガイド6,6の内面に突設してある上下方向をピッチ方向とするラック28,28に上記ピニオン27,27を噛合わせ、更に、このスライド軸26を回転駆動させる機構として、該スライド軸26に固定されるウォームホイールや該ウォームホイールと螺合するウォーム軸から成るウォーム減速機29と、ウォーム減速機29のウォーム軸と同軸で連結される上下調整用モータ30とを備えている。ウォーム減速機29は本体フレーム7に固定されたギアボックス(図示せず)内に支持されており、上下調整用モータ30は本体フレーム7に固定されている。また、本体フレーム7の下端部には左右方向に伸びる支持軸31を固定しており、この支持軸31の左右両端には走行コロ32,32を回動自在に連結させている。走行コロ32,32は上下走行ガイド6,6内に位置し、且つ、上下走行ガイド6,6にガイドされながら上下方向に回転移動するようになっている。
上記構成の上下調整機構を備えることで、上下調整用モータ30を正逆方向に回転駆動させると、ウォーム減速機29を介してスライド軸26が回転駆動され、スライド軸26の両端のピニオン27,27がラック28,28と噛合いながら上下走行ガイド6,6内を上下方向に回転移動するので、このスライド軸26を回動自在に貫通接続させている本体フレーム7即ち施療ブロック41全体が背凭れ部1内で上下方向に進退駆動されることとなる。なお、支持軸31の走行コロ32,32やスライド軸26のピニオン27,27が上下走行ガイド6,6に沿って移動することから、施療ブロック41の移動は上下方向にのみ規制されている。
また、幅調整機構としては以下の通りである。図2や図5に示すように、第一の駆動ユニット8aの走行フレーム12には、左右方向に伸びる送りねじ軸33を一対のスライド軸11,11に前後方向に挟まれる位置にて回動自在に貫通接続させている。送りねじ軸33はその左側半部と右側半部とが左右逆巻きのねじに形成されており、左側の施療子ブロック40の本体アーム10に固定してある送りナット34に上記送りねじ軸33の左側半部を螺合させるとともに、右側の施療子ブロック40の本体アーム10に固定してある送りナット35に上記送りねじ軸33の右側半部を螺合させている。走行フレーム12には幅調整用モータ37を固定しており、上記送りねじ軸33と幅調整用モータ37とをプーリやベルトから成るプーリ減速機36を介して連結させている。
上記構成の幅調整機構を備えることで、幅調整用モータ37を正逆方向に回転駆動させると、プーリ減速機36を介して送りねじ軸33が回転駆動される。左右の施療子ブロック40,40の本体アーム10,10は夫々一対のスライド軸26,26により回転規制されており、左右方向以外には移動不能となっているので、送りねじ軸33の回動に伴って本体アーム10,10は互いに接近する方向若しくは離反する方向に移動することとなる。ここで、左右の施療子ブロック40,40の補助アーム21,21は夫々対応する駆動ユニット8b,8cに左右方向にスライド自在に連結されているので、左右の施療子ブロック40,40は、上記本体アーム10を介して、送りねじ軸33の回動に伴って互いに接近する方向若しくは離反する方向に移動することとなる。なお、幅調整用モータ37を停止させると本体アーム10,10はその停止時の位置で仮固定され、施療子ブロック40,40間の幅が決定される。即ち、上記幅調整機構は、幅調整モータ37の回転方向を正逆切換えることで、左右の施療子ブロック40,40間の幅を縮小又は拡大するかが選択可能なものである。
次に、本発明の実施の形態における第2例のマッサージ機について図10に基づいて説明するが、第1例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、第1例と相違する構成についてのみ異符号を付して以下に説明する。本例においては、第1例のように外側と内側の支持アーム45,46を夫々第二や第三の駆動ユニット8b,8cと補助アーム21,21を介して連結させるのではなく、支持アーム45と第二の駆動ユニット8bとの連結箇所の構造を、支持アーム45から後方斜め上方に一体に延設してある延長アーム50の先端部分に該延長アーム50の延設方向を長尺方向とする長穴51を穿設するとともに、この長穴51に第二の駆動ユニット8bのクランク軸22の偏心軸22a部分を該長穴51に沿ってスライド自在に且つ回動自在に直接連結させた構造としている。また、支持アーム46と第三の駆動ユニット8cにおいても、支持アーム46から後方斜め下方に延長アーム50を延設するとともに支持アーム45側の上記構造と同様の構造を備えることで両者46,8cをスライド自在且つ回動自在に直接連結させている。上記構成により、本例のマッサージ機においては部品点数及び組立工数が削減されるものである。なお、支持アーム45,46と第一の駆動ユニット8aとをスライド自在且つ回動自在に連結させることでも同様の効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態における第3例のマッサージ機について図11に基づいて説明するが、第1例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、第1例と相違する構成についてのみ異符号を付して以下に説明する。本例においては、第1例のように叩き発生機構を各支持アーム45,46毎に一対一に対応させて備えるのでなく、クランク軸60とプーリ減速機61と叩き発生用モータ62とから成る第1例と同様の叩き発生機構を第一の駆動ユニット8aに備え、この第一の駆動ユニット8aの先端部に位置するクランク軸60の偏心軸60a部分に支持アーム45,46を共に連結させている。そして、クランク軸60の偏心軸60a部分の偏心回転運動により支持アーム45,46を同時に揺動駆動することで、外側と内側の上下施療子2b,2cによる叩きマッサージを可能としている。即ち、本例においては支持アーム45,46が共に連結される第一の駆動ユニット8aの共通の連結個所に叩き発生機構を備えた構造になっており、したがって、第1例と比して部品点数や組立工程が削減されるものである。
次に、本発明の実施の形態における第4例のマッサージ機について図12、図13に基づいて説明するが、第1例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、第1例と相違する構成についてのみ異符号を付して以下に説明する。本例の内側の支持アーム70は、第一の駆動ユニット8aと回動自在に連結される中央の屈曲部分70aが後側に位置するように側面視く字状に屈曲させた形状であるとともに、屈曲部分70aから上方斜め前方に伸びる上側アーム部分70bに後述のリンク機構を介してローラ状の上施療子2bを取付け、屈曲部分70aから下方斜め前方に伸びる下側アーム部分70cに後述の回転機構を介して拇指の先端のような突起状の下施療子71を取付けたものである。
図示のように、本例の第三の駆動ユニット8cの前側のスライド軸11は第1例のような偏心軸22a部分を有していないものであり、このスライド軸11に補助アーム21の一端部を回動自在に連結させるとともに、該補助アーム21の他端部を支持アーム70の下側アーム部分70cに回動自在に連結させている。スライド軸11には左右方向に伸びるキー溝72(若しくはスプライン)を形成しており、補助アーム21の先端部に回動自在に連結させてあるスライドプーリ73をキー溝72に嵌まるようにスライド軸11に嵌合させることで、このスライドプーリ73を、補助アーム21と一体に左右方向にスライド自在であり且つスライド軸11と一体に回転駆動されるものとしている。
補助アーム21と支持アーム70との連結箇所に介在される回転軸74には、プーリ75とウォーム軸76とを同軸上に一体に設けている。プーリ75はスライドプーリ73とベルト84を介して連結されており、また、ウォーム軸76は下側アーム部分70cに備えられる回転機構と連結されている。回転機構は、ウォーム軸76と螺合するようにギアボックス77やベアリング78を介して下側アーム部分70cに回動自在に内蔵されるウォームホイール79と、このウォームホイール79と一体に前後方向と略平行な軸を中心に回転する回転盤80とから成るものであり、回転盤80には該回転盤80の回転中心軸から偏心した位置に下施療子71を固定して前方に突出させている。
プーリ75には、該プーリ75の回転中心軸から偏心した位置に偏心軸81を固定しており、この偏心軸81と上施療子2bとをリンク機構を介して連結させている。リンク機構は、その下端側に偏心軸81を回動自在に連結させてある第一リンク82の上端側と、その中央部分を上側アーム部分70bの先端部に回動自在に支持させるとともに一端側に上施療子2bを取付けてある第二リンク83の下端側とを、回動自在に連結させることで、偏心軸81の回転運動を上施療子2bの揺動運動に変換する構造のものである。
しかして、第三の駆動ユニット8cに備えてある叩き発生用モータ24を回転駆動させると、プーリ減速機23とスライド軸11を介してスライドプーリ73が回転駆動され、ベルト84を介してプーリ75が回転駆動される。そして、プーリ75の回転駆動に伴ってウォーム軸76が回転駆動されるとともに偏心軸81が偏心回転駆動される。ウォーム軸76の回転運動により、下施療子71は回転機構を介して前後方向と略平行な軸を中心に旋回運動を行い、また、上施療子2bは偏心軸81の偏心回転運動によりリンク機構を介して揺動運動つまり被施療者に対する叩き運動を行う。即ち、本例においては下施療子71を旋回させるための回転機構の駆動源として、叩き発生機構の偏心軸81を偏心回転駆動させる叩き発生用モータ24を共用した構造となっている。
なお、本例のマッサージ機を用いて第1例の図9(a)で示したような肩掴み動作を行なうと、外側の支持アーム45のローラ状の上施療子2bと内側の支持アーム70の突状の下施療子71との間で肩を掴むと同時に該下施療子71を旋回運動させることができ、したがって、四指と拇指との間で肩を掴むと同時に拇指を旋回させるようなマッサージが可能となるものである。
また、本例のマッサージ機においては、上施療子2bによる叩きマッサージと、下施療子71による旋回マッサージのいずれか一方を選択する選択ボタンを備えておくことも好適である。この選択ボタンは、内側の支持アーム70に取付けられていて上記のように叩き運動を行う上施療子2bと旋回運動を行う下施療子71の、いずれか一方を他方よりも前方に位置させるように該支持アーム70の姿勢を選択する選択手段であり、例えば選択ボタンの「叩きマッサージ」を押せば上施療子2bが下施療子71よりも前方に突出するように支持アーム70の姿勢を変え、「旋回マッサージ」を押せば下施療子71が上施療子2bよりも前方に突出するように支持アーム70の姿勢を変え、更に、「叩きマッサージ」と「旋回マッサージ」のいずれか一方が押された場合に叩き発生用モータ24を回転駆動させるように制御装置(図示せず)を設けることで、被施療者は手軽にマッサージを選択することができる。
次に、本発明の実施の形態における第5例のマッサージ機について図14に基づいて説明するが、第1例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、第1例と相違する構成についてのみ異符号を付して以下に説明する。本例においては、施療子ブロック40に備えられる支持アーム45,46のうち一方(図示例では支持アーム45)には回動自在なローラ型の上施療子2bを取付け、他方(図示例では支持アーム46)には平板型の上施療子90を固定状態に取付けている。そして、両支持アーム45,46が側方から見て重なるような同様の姿勢を保持する場合にはローラ型の上施療子2bが平板型の上施療子90よりも上方且つ前方に位置するように、左右両側の上施療子2b,90を取付けている。上記構造とすることで、施療子ブロック40全体を上方へと移動させる際に上施療子2b,90がマッサージ機を覆う生地部分に引っ掛かってしまうといった不具合を防止することができる。